JP5224298B2 - 管腔壁穿刺用オーバーチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、管腔壁穿刺用オーバーチューブに関する。より詳細には、管腔に穿刺可能であり、そして穿刺後に容易に広げられて、内視鏡などのさらに大きい直径の手術器具を通す通路を提供することが可能なオーバーチューブに関する。
臨床各科においては、様々な病態に対する診断、治療効果の判定、治療方針の決定などを目的として体腔内の直接観察や処置が行われる。従来、これらは試験開腹あるいは試験開胸という侵襲の大きなアプローチで行われていた。しかし、近年の内視鏡下手術の普及に伴い、より切開創の小さな試験腹腔鏡や試験胸腔鏡で行われるようになってきた。
例えば、特許文献1および2には、小さな直径で皮膚を貫通して体腔まで挿入した後に、貫通腔を容易に拡張して、さらに大きい直径の外科器具を通す通路を提供することができるトロカールシステムが開示されている。このシステムによれば、従来のように外科器具の直径に応じた大きな切開を施した場合と比較して、患者の外傷が小さく、回復にかかる時間は非常に短くなる。
一方、患者の外傷を最小限に抑えるための低侵襲性の新たな技術が開発されている。この技術は、Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery(NOTES:体表無切開内視鏡手術)として知られており、管腔臓器の体表開口部(natural orifice:口、肛門、膣など)から管腔内へ軟性内視鏡を挿入し、管腔臓器の壁を切開して体腔内へ到達し、診断・処置・治療を行うという全く新しい技術である。理論的には、体表の切開創を一切必要としないため(incisionless)、内視鏡下手術を上回る低侵襲性が期待される。海外では、腹腔鏡補助下の経腟的あるいは経胃的「部分的NOTES」の臨床成功例も報告され、大きな関心を集めている。近い将来には腹腔鏡の補助を要さない、軟性内視鏡のみによる「完全NOTES」の臨床導入も期待されている。
このようなNOTESに用いるための器具または装置が種々開発されている(特許文献3および4)。例えば、特許文献3には、細長い可撓性トロカールスリーブと該トロカールスリーブを貫通して設けられた細長い可撓性栓塞子とを備える経管腔トロカール器具が開示されている。この器具において、栓塞子は、その遠位先端部に、遠位先端部の組織穿通を容易にするための手段を有することが記載されている。しかし、この組織穿通手段については、切断要素として刃が用いられており、この器具を用いる場合、管腔が切開されることになる。また、特許文献4に開示される装置においても、穿刺要素は、身体器官の壁を破るように構成されている。このように、NOTESにおいては、管腔の切開が必要とされる。
ところで、完全NOTESにおける最大の技術的課題は、体腔への到達ルートの安全な作成および確実な閉鎖である。経胃ルートを例にとれば、胃壁の切開に際しては、出血や隣接臓器損傷のリスクを最小限にしなければならない。また、胃壁切開部の閉鎖が不完全であれば胃内容物が腹腔内へ漏出し、術後腹膜炎などの重篤な合併症につながる可能性がある。現在、経胃的NOTESでは、主に内視鏡用ニードル・ナイフによる胃壁の切開に引き続いて、内視鏡用クリップや専用縫合器による閉鎖が試みられている。しかし、特に閉鎖手技は非常に煩雑であるため、標準化させるには課題が多い。そこで、欧米の研究者らは胃切開部を軟性内視鏡下に縫合閉鎖できる簡便なNOTES専用デバイスの開発に力を注いでいるが、現時点では満足できるデバイスは存在しない。
米国特許第5320611号明細書 特表平8−507238号公報 特開2007−301364号公報 特表2008−502421号公報
E. Taniguchiら、Surgical Endoscopy,2000年,14巻,505-507頁
このように、NOTESにおける安全かつ確実な経胃ルートの作成・閉鎖法の開発は、最も優先すべき研究課題の1つである。
軟性内視鏡下での胃切開部の閉鎖は、最新の器具を用いても非常に高度な技術を必要とする。したがって、切開部の「閉鎖の必要がない」経路を作成できれば、完全NOTESへ向けて大きく前進することになる。
一方、本発明者らは、腹腔鏡下胃内手術(腹壁および胃壁を貫通する5mm〜12mm径の「胃瘻」を通して、胃の内部へ器具を挿入して行う手術:非特許文献1)において、胃壁を穿刺・拡張する胃瘻造設器具を使用した場合に、穿刺部の閉鎖が不要であることを見出した。これは、胃壁筋層のシャッター・メカニズム(shutter mechanism)に基づくものである。しかし、現在のところ、NOTES研究者の間では、「胃壁は、切開しなければ閉鎖の必要はない」という事実は広くは認識されていない。そこで、本発明者らは、この手法を胃内腔側から軟性内視鏡下に行う場合にも適用することにより、本発明を完成した。
本発明は、管腔壁穿刺用オーバーチューブを提供し、このオーバーチューブは、
手術器具を通すための内腔を有しそして管腔内に挿入可能な可撓性の導管、および該導管の遠位端にスリーブを備え、
該スリーブが、基端部と終端部とを有し、該基端部から該終端部まで延びる軸線方向の内腔を有し、そして該スリーブの内腔の径方向へ拡張可能な編み込まれたメッシュであり、
該終端部が該径方向へ最も収縮している場合に、該終端部が、管腔壁の組織を切開することなく該組織の繊維方向に沿って該組織を押し分けることが可能な先端を形成し、そして
該基端部が、該導管に接続され、そして該導管と略同等の内径を有するように該径方向に拡張されている。
1つの実施態様では、上記スリーブは、形状記憶材料でなり、そして該形状は、上記径方向へ最も収縮した形状である。
1つの実施態様では、上記スリーブは、上記径方向へ最も収縮した場合に、上記終端部の該径方向の外径が2.0mm以下である。
1つの実施態様では、上記手術器具が内視鏡である。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブは、例えば、NOTESに好適に用いられ、到達ルートの作成にあたって管腔壁を切開しないため、抜去後の閉鎖が不要になる。オーバーチューブの先端は、管腔壁をピンポイントで「穿刺」した後、オーバーチューブ内へ内視鏡などの手術器具を進めていくことによって穿刺経路を放射状に「拡張」する特殊な構造を有する。胃壁において、このスリーブは胃壁筋層を拡張するが、全く切開は加えない。胃壁筋層が有するシャッター・メカニズムは完全に温存されるため、例えば、NOTES終了時に内視鏡とともにオーバーチューブを抜去すれば、穿刺部は自然に収縮するので、閉鎖のための操作は一切不要である。さらに、拡張したスリーブがタンポナーデの役割を果たすため、穿刺時の出血のリスクが軽減される。
したがって、本発明によれば、切開部の「閉鎖の必要がない」、穿刺のみによるNOTES経路を作成することができる。そのため、内視鏡の抜去後の閉鎖が不要になるとともに、穿刺部の回復にかかる時間は、切開部の回復と比較して非常に短くなる。完全NOTESへ向けて大きく前進することになり、特に体腔内の直接観察や処置を必要とする患者に対して大きなメリットがある。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブのスリーブ部分の構造を示す概略図である。
本発明の基礎をなす原理は、上記のように胃壁筋層のシャッター・メカニズムを最大限に利用した「穿刺・拡張による胃瘻造設」である。胃瘻とは、栄養チューブの一端を体外へ、他の一方を胃腔内に留置するための瘻孔をいう。本発明者らは、腹腔鏡下手術の発展的手法である腹腔鏡下胃内手術(非特許文献1)において、胃壁を穿刺・拡張する胃瘻造設器具を使用してきた。この手法を用いた39例、57ヶ所の胃瘻造設のうち、初期の2例を除いた55ヶ所(96.5%)において穿刺部の閉鎖は不要であり、胃瘻造設部に関係する術後合併症は認められなかった。このように、本発明は、「胃壁は、切開しなければ閉鎖の必要はない」という、発明者らの新たな発想および経験に基づく画期的な技術である。
本発明において、「切開」と「穿刺」とは、それぞれ異なる操作を意味する。「切開」とは、刃(またはナイフ)で組織を切り開くことをいう。一方、「穿刺」とは、針などの尖った器具を用いて孔を開けることをいい、この孔は、組織を切開することなく組織の繊維方向に沿って組織を押し分けることにより開けられる。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブは、手術器具を通すための内腔を有しそして管腔内に挿入可能な可撓性の導管、および該導管の遠位端にスリーブを備え、このスリーブは、基端部と終端部とを有し、基端部から終端部まで延びる軸線方向の内腔を有し、そしてスリーブの内腔の径方向へ拡張可能な編み込まれたメッシュである。本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブは、このスリーブの終端部が径方向へ最も収縮している場合に、終端部が鋭な先端を形成するため、管腔壁の組織を切開することなく組織の繊維方向に沿って組織を押し分けることが可能である。
本明細書において、用語「近位」は、器具の操作者に近い側の器具の部分をいい、そして用語「遠位」は、操作者から遠い側の器具の部分をいう。
本発明において、手術器具とは、管腔壁を穿刺して形成される孔を介して体内で作動させる手術用の器具をいう。このような器具としては、内視鏡、鉗子、リトラクター、結紮器、吻合器、縫合器、洗浄吸引器具、外科用エネルギーデバイス類(例えば、超音波凝固切開装置、モノポーラ電気メス、バイポーラ電気メス)などが挙げられる。また、このような器具を有する内視鏡手術用ロボットのマニピュレータ部分(すなわち、アーム部分)も包含する。
本発明において、内視鏡とは、特に言及しない限り、医療用の軟性内視鏡をいう。このような軟性内視鏡は、柔軟な素材を用いており、内蔵される光学系として、グラスファイバーを用いたものと、CCDを用いたものとがある。光源は、体外の制御装置側にあり、光ファイバーで光を導いて先端部から照射するものが一般的である。また、LEDを内視鏡先端に内蔵したタイプもある。内視鏡は、一般的に、光学系とは別の経路(サブルーメンまたはチャネル)を有し、局所の洗浄、気体や液体の注入、薬剤散布、吸引、専用デバイスによる処置などが可能である。また、手元の操作で先端の向きを自在に変えることができる。本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブは、どのようなタイプの内視鏡にも適用可能である。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブの導管は、手術器具が作動すべき部位に到達するまでの部分を覆う。例えば、軟性内視鏡の場合を例に挙げると、軟性内視鏡の管腔に挿入される部分を覆う。この導管は、軟性内視鏡を通すための内腔を有し、そして軟性内視鏡と同様に可撓性である。好ましくは、導管は、軟性内視鏡の動きを妨げない。
このような導管の素材は、医療器具に通常用いられる素材であり、可撓性、摩擦の少なさ(潤滑性)、強度、カラム剛性などが必要とされる。このような医療器具に用いられるポリマーとしては、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリアミドなどが挙げられる。軟性内視鏡の前進および後進をスムーズにするために、内腔の表面がコーティングされていてもよい。
導管の内腔は、用いる手術器具の径に応じて決定される。例えば、軟性内視鏡の通過が可能な内径を有し、好ましくは軟性内視鏡が導管内を摺動可能な内径を有する。導管の長さは、用いる軟性内視鏡が挿入される管腔口から目的の挿入位置までを十分に覆う長さであればよい。必要に応じて、導管の近位部分を切断することにより、作業に適切な長さに調節してもよい。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブのスリーブは、基端部と終端部とを有し、基端部から終端部まで延びる軸線方向の内腔を有し、そして径方向へ拡張可能な編み込まれたメッシュである。このメッシュは、ワイヤーまたはフィラメントでなる。このスリーブの終端部が径方向へ最も収縮している場合に、終端部が、管腔壁の組織を切開することなく組織の繊維方向に沿って組織を押し分けることが可能な鋭な先端を形成する。一方、基端部は、導管に接続され、そして導管と略同等の内径を有するように径方向に拡張されている。
このようなスリーブを形成するワイヤーまたはフィラメントの素材は、ステントなどに用いられる可撓性の素材が挙げられる。例えば、医療用ステンレスである316Lステンレス、タンタル、コバルト合金、ナイチノール(ニッケル・チタン合金)などが挙げられる。あるいは、組織を押し分けるに必要な強度を有する非弾性ポリマーであってもよい。さらに、このようなスリーブの素材は、形状記憶材料でなることがより好ましい。これらの素材は、多孔質ポリ四フッ化エチレン(ePTFE)膜、シリコン膜、ポリウレタン膜、ダクロン膜などで被覆されていることが好ましい。
ワイヤーまたはフィラメントの形状は、断面が円形や四角形であり得る。平坦または帯状のワイヤーまたはフィラメントは、径方向へ拡張するのに必要な軸線方向の力が少なくてすむという利点がある。ワイヤーまたはフィラメントの幅または直径は、代表的には約10μm〜500μmであり得る。
スリーブは、軸線方向に貫通した内腔を有し、そして上記ワイヤーまたはフィラメントが編み込まれたメッシュである。このメッシュは、内腔の径方向に拡張可能に編み込まれている。内腔の径方向にスムーズに拡張/収縮可能であれば、編み込みの様式に特に制限はない。スリーブは、基端部で、導管と略同等の内径を有するように径方向に拡張され、導管に接続されている。
図1に、手術器具として内視鏡を用いる場合を例に挙げて、本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブ100のスリーブ部分の構造の概略図を示す。図1(A)に示すように、スリーブ10は、通常は、基端部12付近以外のスリーブ10全体が径方向へ最も収縮した形状で存在し、好ましくは、このような最も収縮した形状が形状記憶されている。スリーブ10は、導管20の遠位部に接続された基端部12から軟性内視鏡200がスリーブ1の内腔に挿入されるに伴って、メッシュが径方向に拡張する(図1(B))。内視鏡200の先端部(遠位部)は、スリーブ10の内腔を通り抜けて、終端部14から突出させることが可能である(図1(C))。一方、スリーブ10に挿入した内視鏡200を近位方向へ引き戻すことにより、メッシュが収縮する(図1(B))。スリーブ10が穿刺された組織は、このようなスリーブ10の直径の変化に応じて、穿刺孔も拡張または収縮することが可能である。したがって、収縮したスリーブ10を管腔壁に穿刺して管腔壁を貫通させた後、スリーブ10の基端部12からスリーブ10の内腔へ内視鏡200を押し入れることによってスリーブ10の径の拡張とともに組織の穿刺孔が拡張し、逆に内視鏡200を引き出すことによってスリーブ10の径の収縮とともに組織の穿刺孔も収縮する。
このスリーブは、終端部が径方向へ最も収縮している場合に、終端部が、管腔壁の組織を切断することなく、繊維方向に沿って組織を押し分けることが可能な鋭な先端を形成する。これは、組織を切らずに組織の繊維方向に沿って組織を押し分ける点で、すなわち、穿刺可能な点で、体表からの内視鏡下手術で用いられる先端部に金属刃が付いていないブレードレストロッカーと同様である。本発明において、スリーブは、穿刺するという観点から、径方向へ最も収縮した場合に、終端部の径方向の外径は、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下である。スリーブの終端部は、径方向へ最も収縮している場合に、その一部が遠位方向にわずかに突出して、鋭な先端を形成してもよい。また、基端部付近以外のスリーブ全体が径方向へ最も収縮した形状においては、メッシュが密着してスリーブが針状になっていることが好ましい。
スリーブの長さは、管腔壁を貫通するに十分な長さであり、目的の位置の管腔壁に応じて設計される。胃壁の場合は30〜50mmであり得る。スリーブが短すぎると、鋭な先端で組織を押し分けて管腔壁を貫通することができない。スリーブが長すぎると、メッシュが収縮した場合であっても、穿刺するに十分な強度が得られない場合がある。また、スリーブは径方向へ拡張すると、スリーブの軸方向の長さが短くなる場合がある。このように内視鏡の挿入によって拡張され、スリーブの軸方向の長さが短くなった場合にも、スリーブは管腔壁を貫通するに十分な長さである。
このスリーブは、内腔の径方向に拡張可能であり、少なくとも内視鏡が挿入可能な径になるまで拡張され得る。好ましくは、放射状に拡張される。使用する内視鏡の外径に応じて設計される。例えば、通常径内視鏡の場合は9〜11mm、細径内視鏡の場合は5〜6mmであり得る。スリーブに内視鏡が挿入された場合に、スリーブは、内視鏡の動きを妨げないことが好ましい。
本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブの具体的な使用方法を、経胃的NOTESの場合を例に挙げて具体的に説明する。
細径消化管内視鏡を、本発明のオーバーチューブの導管の近位側から挿入し、スリーブの終端部から内視鏡の先端を突出させる(図1(C)参照)。これによって、管腔への挿入の際に、内視鏡で観察しながら挿入できるとともに、オーバーチューブの先端(すなわち、スリーブの終端部)が拡張されるため、このオーバーチューブを挿入する際に、管腔に損傷を与えることを防止できる。
次に、内視鏡が挿入されたオーバーチューブを経口的に胃内に挿入する。内視鏡の先端が胃内の目的の位置付近に到達したら、内視鏡から送気して胃を拡張させる。一方、目的の位置の体表から、先端に穿刺針を有するガイドワイヤを経皮的に胃内に挿入する。このガイドワイヤを、内視鏡に備えた内視鏡鉗子で把持する。
次いで、オーバーチューブのスリーブ内で内視鏡を引き戻し、オーバーチューブのスリーブを穿刺可能に収縮させる。その後、胃内を内視鏡で吸引して減圧する。
ガイドワイヤを体外方向に引き戻しながら、ガイドワイヤを把持した内視鏡をオーバーチューブとともに胃壁に向かって進めて、胃壁を穿刺する。スリーブの終端部が腹腔に到達したら、胃壁を貫通しているスリーブの内腔で内視鏡を前進させてスリーブを拡張させるとともに胃壁の穿刺孔も押し広げられる。内視鏡の先端がスリーブの終端部から突出し、内視鏡が腹腔内に到達したら、ガイドワイヤを抜去し、NOTESを行う。
NOTES終了後は、オーバーチューブ内で内視鏡を導管まで引き戻して、スリーブを収縮させ(図1(A)参照)、オーバーチューブを胃壁から抜去する。この際、穿刺部は、閉鎖の処置を施さなくても、自然に閉鎖する。その後、胃内において、再度、内視鏡をオーバーチューブ内で前進させてスリーブの終端部から内視鏡の先端を突出させる(図1(C)参照)。この状態で、内視鏡が挿入されたオーバーチューブを抜去する。
本発明によれば、切開部の「閉鎖の必要がない」、穿刺のみによる経路を作成することができる。そのため、穿刺部の回復にかかる時間は、切開部の回復と比較して非常に短くなる。完全NOTESへ向けて大きく前進することになり、特に体腔内の直接観察や処置を必要とする患者に対して大きなメリットがある。究極の低侵襲手技である完全NOTESでは患者は早期の社会復帰が可能となり、医療経済学的な効果も極めて大きいと期待される。
例えば、経胃ルートは、腹部・骨盤疾患の診断や処置(ドレナージ、生検、チューブ留置など)への頻用が予想される代表的なNOTESの到達ルートである。特に、胃には痛覚がないため、好適に適用される。具体的には、細径消化管内視鏡を用いた、各種悪性疾患の進行度評価、婦人科での卵管通過性の評価、肝生検などには早期に応用可能と考えられる。また、同様に、経食道的に縦隔や胸腔へアプローチできれば、心臓外科・呼吸器外科領域においても有力な診断・処置手段となり得る。また、本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブを複数用いて胃壁に複数の細径経胃ルート(例えば、内視鏡用1本および鉗子用2本)を造設することにより、より複雑な腹腔内手技をより安全に行うことが可能となる。将来的には、複数のマニピュレータ部を備えた内視鏡手術用ロボットのアーム部を通過させるチューブ(シース)としても利用可能である。
さらに、本発明の管腔壁穿刺用オーバーチューブは、管腔内部からの穿刺のみならず、例えば、トロカールシステムで体表から腹腔へのルートを確保した後、管腔外部から管腔壁を穿刺する場合にも利用可能である。
10 スリーブ
12 基端部
14 終端部
20 導管
100 オーバーチューブ
200 内視鏡

Claims (4)

  1. 管腔壁穿刺用オーバーチューブであって、
    手術器具を通すための内腔を有しそして管腔内に挿入可能な可撓性の導管、および該導管の遠位端にスリーブを備え、
    該スリーブが、基端部と終端部とを有し、該基端部から該終端部まで延びる軸線方向の内腔を有し、そして該スリーブの内腔の径方向へ拡張可能な編み込まれたメッシュであり、
    該終端部が該径方向へ最も収縮している場合に、該終端部が、管腔壁の組織を切開することなく該組織の繊維方向に沿って該組織を押し分けることが可能な先端を形成し、そして
    該基端部が、該導管に接続され、そして該導管と略同等の内径を有するように該径方向に拡張されている、
    オーバーチューブ。
  2. 前記スリーブが、形状記憶材料でなり、そして該形状が、前記径方向へ最も収縮した形状である、請求項1に記載のオーバーチューブ。
  3. 前記スリーブが、前記径方向へ最も収縮した場合に、前記終端部の該径方向の外径が2.0mm以下である、請求項1または2に記載のオーバーチューブ。
  4. 前記手術器具が内視鏡である、請求項1から3のいずれかの項に記載のオーバーチューブ。
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