JP5319413B2 - 組織締付具 - Google Patents

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Description

本発明は、経自然開口的に組織を締め付ける組織締付具に関する。
人体の臓器などに対して処置を行う手法としては、経皮的に処置具を挿入する腹腔鏡手術が知られている。腹部を切開する場合に比べて侵襲が少なくて済み、早期の回復が期待できるからである。
腹腔鏡手術に使用される処置具は、経皮的に体内に挿入される硬質のシャフトを有し、シャフトの先端に鉗子などが設けられている。例えば、特許文献1には、管腔器官を結合する用途に用いる処置具が開示されている。この管腔内吻合装置は、シャフトの先端に開閉自在な把持具が取り付けられており、シャフト内には締付具が挿入されている。締付具は、手元側の突出機構でシャフトの先端から押し出し可能である。締付具は、形状記憶合金を平コイル形状で熱処理して製造されており、延ばした状態でシャフトに挿入される。締付具を使用するときは、突出機構で押し出して体内に刺入させる。締付具は、体温で加熱されてコイル状に復元する。復元した締付具で管腔器官が結合される。
締付具を供給する他の例は、特許文献2に開示されている。ここでは、締付具を針から押し出して組織に供給する。このため、針を組織に刺入するときの深さと、締付具を組織に供給する量を制御するストッパが設けられている。処置を行うときは、締付具及び針を収容した器具を組織に突き当てる。針を前進させて組織に刺入させたら、ストッパで締付具の位置を固定する。この後、針を組織から引き抜く。締付具は、ストッパの存在によって移動しないので、その先端部分が組織の内側に取り残される。器具を組織から外すと、締付具の残りの部分が組織の外側に残る。締付具がコイル状に復元すると、組織が締め付けられる。
特開2005−193044号公報 国際公開第2002/019923号パンフレット
上述の組織締付具を用いて組織を吻合して吻合部を虚血壊死させる処置において、組織締付具と壊死した組織とが吻合部から脱落する。このとき、従来の組織締付具では、吻合部のどちら側に組織締付具が脱落するかが予測可能な程度に確実ではなかった。
また、組織締付具によって組織が貫通された貫通部分において、胆汁等の体液が漏れ出す恐れがあり、他の組織に対して影響を与えてしまう恐れがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は留置された後に安全に機能する組織締付具を提供することである。
本発明の組織締付具は、第一の生体組織と第二の生体組織とをともに密着するように締め付ける組織締付具であって、前記第一の生体組織に掛止するコイル状に巻かれた弾性線材からなる第一の組織固定部と、前記第二の生体組織に掛止するコイル状に巻かれた弾性線材からなる第二の組織固定部と、前記第一の組織固定部の先端から径方向の外方に延びるとともに前記第二の組織固定部側に戻って前記第一の生体組織を押圧し、前記第一の生体組織を第二の生体組織側に押し付ける外周バネ部と、を備え、前記外周バネ部は前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との両方の外径よりも大きな内径を備えるとともに、前記第一の組織固定部の外周部で前記第一の生体組織を前記第二の生体組織の側に押圧することにより、前記第一の組織固定部と第二の組織固定部との間で締め付けられて壊死する第一及び第二の生体組織部分と一体になって脱落するときに、前記第二の組織固定部から第一の組織固定部側へ向かってのみ移動して脱落する。
本発明の組織締付具によれば、留置された後に安全に機能させることができる。
本発明の組織締付装置の第一の実施形態を示す図であって、同装置を構成する組織締付具、ステントおよびアプリケータの内部構造を示す断面図である。 上記組織締付装置を構成する組織締付具を示す斜視図である。 上記組織締付具を図2とは異なる方向から見た平面図である。 上記アプリケータに具備される第一、第二リング部材の、同装置内部における配置を示す図であって、上半分は第一、第二リング部材をアプリケータ本体の先端に寄せて配置した状態、下半分は第一、第二リング部材をアプリケータ本体の後端に寄せて配置した状態を示す断面図である。 上記第一リング部材を上記第二リング部材に拘束するためのピンの構造を示す断面図である。 アプリケータの挿入部を内視鏡の作業用チャンネルに挿入した状態を示す図である。 内視鏡の挿入部を十二指腸に挿入した状態を示す図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図42に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 組織締付具のさらに他の形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 ドレナージの形態を示す図である。 スタイレットの他の形態を示す図である。 刺入具の他の形態を示す図である。 刺入具の他の形態を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の実施形態について説明する。本実施形態の組織締付装置S1は、図1に示すように、第一の生体組織に第二の生体組織を固定し、両組織を連通させる処置を行う装置であって、組織締付具10Aと、ステント30Aと、アプリケータ50と、を備えている。なお、第一、第二の生体組織は、それぞれ別の器官を指すとは限らない。例えば、ある器官のある領域を第一の生体組織とし、同器官の他の領域を第二の生体組織としてとらえ、これらふたつの領域を固定する場合も含まれる。本実施形態では、第一の生体組織としての十二指腸に、第二の生体組織としての総胆管を固定し、両器官を連通させる処置について説明する。
組織締付具10Aは、十二指腸と総胆管とを締め付ける器具であって、図2に示すように、十二指腸に掛止する第一の組織固定部11と、十二指腸に隣接する総胆管に掛止する第二の組織固定部12とを備えている。さらに、組織締付具10Aは、第一の組織固定部11と第二の組織固定部12との間に、両者をつなぐ繋ぎ部13を備えている。
組織締付具10Aは、すべての部位、すなわち第一の組織固定部11、第二の組織固定部12および繋ぎ部13が、コイル状に巻かれた1本の高弾性金属線材10からなる。なお、この明細書においてコイル状に巻かれるとは、円筒状に巻かれる場合、円錐台状に巻かれる場合、及び渦巻状に巻かれる場合をすべて含む。第一の組織固定部11は高弾性金属線材10が渦巻状に巻かれており、第二の組織固定部12は高弾性金属線材10が円筒状に巻かれている。第一の組織固定部11の内径は第二の組織固定部12と内径と一致している。第一の組織固定部11の外径は第二の組織固定部12の外径よりも大になっている。
第一の組織固定部11と繋ぎ部13との間に位置する線材には、屈曲部14が形成されており、繋ぎ部13と第二の組織固定部12との間に位置する線材にも、同様の屈曲部15が形成されている。第一の組織固定部11および第二の組織固定部12は、いずれも同径のコイル状をなすが、繋ぎ部13が設けられることにより、両者間には隙間Gが設けられている。
第一の組織固定部11のコイル形の中心軸は、第二の組織固定部12のコイル形の中心軸と一致している。図3に示すように、繋ぎ部13をなす線材は、屈曲部14において、第一の組織固定部11のコイル形をなす線材に対して角θ1をなす。また、屈曲部15において、第二の組織固定部12のコイル形をなす線材に対しても角θ2をなしている。屈曲部14の角θ1の大きさは、屈曲部15の角θ2の大きさとほぼ等しい。
組織締付具10Aは、引き延ばされたうえで一端を生体組織に刺し入れられ、一方の組織固定部、例えば第二の組織固定部12を十二指腸の腸壁および総胆管の管壁に順に貫通される。十二指腸の腸壁および総胆管の管壁を貫通した第二の組織固定部12は、総胆管の内側で拘束を解かれて本来のコイル状(円筒状)に形状を復帰させ、総胆管に掛止する。一方、第一の組織固定部11は、十二指腸の内側で拘束を解かれて本来のコイル状(渦巻き状)に形状を復帰させ、十二指腸に掛止する。第一の組織固定部11が十二指腸に掛止し、第二の組織固定部12が総胆管に掛止することにより、十二指腸の腸壁と総胆管の管壁とが互いに押し付け合うように締め付けられる。繋ぎ部13は、締め付けられた両器官の壁の内部に留置される。
ステント30Aは、図1に示すように、組織締付具10Aによって締め付けられた十二指腸の腸壁と総胆管の管壁とを連通する器具であって、拡張部31と、留置部32と、抜け防止部33と、貫通孔34とを備えている。拡張部31は、先端から後端に向けて拡径する円錐状をなしている。留置部32は円柱状をなし、拡張部31の後方に配設されている。留置部32の外径は一定で、かつ拡張部31の最大外径よりも小さい。抜け防止部33は円柱状をなし、留置部32の後方に配設されている。抜け防止部33の外径は留置部32の外径よりも大きい。貫通孔34は、拡張部31、留置部32および抜け防止部33をステント30Aの長手方向に貫通している。
抜け防止部33の内側面には、ステント30Aの径方向に形成された突起33aが設けられている。突起33aは、後述するアプリケータ50のシース54にステント30Aを着脱可能に取り付ける取付部の一部を構成している。
ステント30Aの材料としては、ステンレス(SUS)、チタン(Ti)、生体吸収マグネシウム、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン、液晶ポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、カプロラクトンのいずれか、もしくはそれらの重合体を採用することができる。これらは生体適合性に優れており、生体内にステント30Aが留置された後、生体に無理な負担を強いることがない。特に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、カプロラクトンは、生体内に長期間留置されるうちに溶けて生体に吸収されてしまい、最終的には生体内に異物が残らないので、好都合である。
アプリケータ50は、組織締付具10Aおよびステント30Aを体内に留置する処置を行う器具であって、図1に示すように、アプリケータ本体51と、刺入具52と、スタイレット(締付具プッシャ)53と、シース54と、ステントプッシャ55とを備えている。アプリケータ本体51は筒状をなしている。刺入具52は針管状をなし、組織締付具10Aを内部に挿入して使用される。なお、刺入具52の先端に電極を設け、生体組織を焼きながら刺入具52を十二指腸の腸壁および総胆管の管壁に刺し入れてもよい。この場合、刺入具52の先端は鋭利に形成されていなくてもよい。
スタイレット53は軸状をなし、刺入具52の内側に移動可能に挿入され、刺入具52に挿入された組織締付具10Aを刺入具52の先端から押し出す。
シース54は、刺入具52を内側に移動可能に挿入され、先端に着脱可能に取り付けられたステント30Aを刺入具52に対して相対的に移動させる。
ステントプッシャ55はさや管状をなし、シース54を内側に移動可能に挿入され、シース54の先端に取り付けられたステント30Aをシース54から離脱させる。
アプリケータ本体51には、刺入具操作部56と、スタイレット操作部(締付具プッシャ操作部)57と、シース操作部58と、ステントプッシャ操作部59とが設けられている。刺入具52、スタイレット53、シース54およびステントプッシャ55はいずれも可撓性を有しており、同軸状に配置されている。これらは内視鏡の挿入部の作業用チャンネルに挿し通される挿入部60を構成しており、当然のごとく内視鏡の作業用チャンネルよりも長い。
刺入具52の先端面は、刺入具52の長手方向に対して斜めに形成されている。これにより、刺入具52の先端は鋭利に仕上げられている。刺入具52の基端は、アプリケータ本体51の後部に設けられた刺入具操作部56に接続されている。
スタイレット53の先端は、鋭利でなく滑らかな形状に形成されている。スタイレット53の基端は、刺入具操作部56の内部に設けられたスタイレット操作部57に接続されている。
シース54の先端面は、シース54の長手方向に直交するように平坦に形成されている。シース54の先端には、ステント30Aの突起33aと同数もしくはそれ以上の小孔54aが設けられている。小孔54aは、シース54の周方向に配置されており、シース54の管壁を貫通している。小孔54aは、シース54にステント30Aを着脱可能に取り付ける取付部の一部を構成している。シース54の先端がステント30Aの貫通孔34に後端から挿入されると、突起33aが小孔54aに係合する。これにより、シース54の先端にステント30Aが取り付けられる。シース54は可撓性を有しているので、ステント30Aを定位置に留めたうえでシース54を後方に引っ張ると、シース54が弾性変形し、小孔54aから外れる。これにより、シース54の先端からステント30Aが離脱する。なお、ステント30Aが弾性材料からなる場合は、シース54とステント30Aの突起とが双方とも弾性変形して、シース54の先端からステント30Aが離脱することもある。
ところで、小孔54aは必ずしもシース54の壁部を貫通している必要はなく、シース54の外側面に形成された凹みであってもよい。また、ステント30Aに小孔を形成するとともにシース54に突起を形成して、両者を係合させてもよい。
シース54の基端は、アプリケータ本体51の前部に設けられたシース操作部58に接続されている。
ステントプッシャ55の先端面は、ステントプッシャ55の長手方向に直交するように平坦に形成されている。ステントプッシャ55の基端は、アプリケータ本体51の前部に設けられたステントプッシャ操作部59に接続されている。
刺入具操作部56は、アプリケータ本体51の後端からその内側に挿入された円筒状の第一シャフト56aを備えている。第一シャフト56aの外径は、アプリケータ本体51の後部の内径よりもわずかに小さい。そのため、第一シャフト56aは、アプリケータ本体51の後部の内面に対して摺動可能である。刺入具52の基端は、アプリケータ本体51に挿入された第一シャフト56aの先端面に、刺入具52の長手方向を第一シャフト56aの長手方向に一致させるように固着されている。刺入具52は、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
アプリケータ本体51の後部には、アプリケータ本体51の径方向に雌ネジ孔が形成されており、この雌ネジ孔に、雄ネジ61が螺入されている。雄ネジ61の先端はアプリケータ本体51の内側に突き出している。一方、第一シャフト56aの外側面には、第一シャフト56aの長手方向に沿って溝56bが形成されている。アプリケータ本体51に挿入された第一シャフト56aの溝56bには、雄ネジ61の先端が緩く嵌め込まれている。これにより、溝56bはアプリケータ本体51に対する第一シャフト56aの可動範囲を規定している。雄ネジ61を雌ネジ孔にさらに螺入してその先端を溝56bの底面に押し当てると、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に対して任意の位置に保持することが可能である。
スタイレット操作部57は、第一シャフト56aの後端からその内側に挿入された円筒状の第二シャフト62と、刺入具52を支持する第一シャフト56aに揺動可能に支持されたレバー63と、レバー63をアプリケータ本体51から離間させる方向に付勢するねじりコイルバネ64と、レバー63の揺動をスタイレット53の刺入具52に沿う直線的な運動に変換するリンク機構65とを備えている。
スタイレット53の基端は、第二シャフト62の先端からその内部に挿入され、スタイレット53の長手方向を第二シャフト62の長手方向に一致させるようにして第二シャフト62に固着されている。スタイレット53は、第二シャフト62を第一シャフト56aに対して摺動させることにより、刺入具52との相対位置を変化させることが可能である。
リンク機構65は、ベース部材66と、ブラケット68と、バー70と、プレート部材72と、圧縮コイルバネ74とを備えている。ベース部材66は、第一シャフト56aの外側面に固定されている。ブラケット68は、ベース部材66に軸支されている。レバー63はブラケット68に下端を固定されている。バー70は、一端をブラケット68に軸支され、他端をベース部材66に軸支されている。バー70の他端に設けられたピン71は、ベース部材66に第二シャフト62の摺動方向に沿って形成された長孔66aに遊びをもたせて嵌め込まれている。
プレート部材72には、第二シャフト62の外径よりも径の大きな孔73が形成されており、この孔73に、第一シャフト56aに挿入された第二シャフト62が貫通している。第二シャフト62の外径と孔73の内径との差は非常に僅かで、プレート部材72を傾けるようにして第二シャフト62の長手方向、すなわち第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向に動かすと、孔73の内面が第二シャフト62の外面に干渉して摩擦を生じ、プレート部材72に付加された力が第二シャフト62に作用する。
圧縮コイルバネ74は、第一シャフト56aの内部に配設されており、プレート部材72を、第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向とは相反する方向に付勢している。
レバー63をアプリケータ本体51に近づける方向に動かすと、ブラケット68を介してバー70がアプリケータ本体51の前方に向けて引っ張られ、バー70の他端が長孔66aに沿って移動する。プレート部材72は、バー70の他端に押推され、圧縮コイルバネ74に抗して第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向に移動する。このとき、プレート部材72が僅かに傾いて第二シャフト62との間に摩擦を生じるため、プレート部材72に付加された力が第二シャフト62に作用し、第二シャフト62が第一シャフト56aに押し込まれる。レバー63を解放すると、ねじりコイルバネ64がレバー63をアプリケータ本体51から離間するとともに、圧縮コイルバネ74が第二シャフト62との間に摩擦を生じさせることなく、プレート部材72を初期位置まで押し戻す。
レバー63の操作一回あたりのバー70の他端の移動量は常に一定であるから、レバー63の操作一回あたりの第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長も常に一定である。したがって、レバー63の操作回数に応じて、第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長、すなわちスタイレット53の刺入具52への挿入長を制御することが可能である。これは、レバー63の操作回数に応じて、刺入具52の先端から押し出される組織締付具10Aの長さを制御することが可能であることを意味する。
ここで、本実施形態のように、組織締付具10Aがコイル形をなすときは、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長は、組織締付具10Aの円周のほぼn倍、もしくはほぼn分の1倍(nは自然数)であることが好ましい。例えば、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周にほぼ等しければ、レバー63を一回操作する度に、組織締付具10Aが一巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二の組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、レバー63を二回操作すれば、第二の組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。また、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周の二分の一にほぼ等しければ、レバー63を一回操作する度に、組織締付具10Aが半巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二の組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、レバー63を四回操作すれば、第二の組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。
シース操作部58は、アプリケータ本体51の内部に配置され、内側の孔に刺入具52を挿入された第一リング部材58aを備えている。第一リング部材58aの外径は、アプリケータ本体51の前部の内径よりも僅かに小さく、第一リング部材58aの内径は、シース54の内径にほぼ等しい。そのため、第一リング部材58aは、アプリケータ本体51の前部の内面に対して摺動可能である。シース54の基端は、第一リング部材58aの前面に、シース54の中心を第一リング部材58aの中心に一致させるように固着されている。シース54は、第一リング部材58aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
ステントプッシャ操作部59は、アプリケータ本体51の内部において特に第一リング部材58aの前方に配置され、内側の孔にシース54を挿入された第二リング部材59aを備えている。第二リング部材59aの外径は、アプリケータ本体51の前部の内径よりも僅かに小さく、第二リング部材59aの内径は、さや管状のステントプッシャ55の内径にほぼ等しい。そのため、第二リング部材59aは、アプリケータ本体51の前部の内面に対して摺動可能である。ステントプッシャ55の基端は、第二リング部材59aの前面に、ステントプッシャ55の中心を第二リング部材59aの中心に一致させるように固着されている。ステントプッシャ55は、第二リング部材59aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
図1に示すように、第二リング部材59aの外側面には、第二リング部材59aの径方向に雌ネジ孔が形成されている。一方、アプリケータ本体51の前部には、第二リング部材59aの摺動方向に沿って長孔51aが形成されている。第二リング部材59aの雌ネジ孔には、雄ネジ76が、長孔51aを通じて螺入されている。これにより、長孔51aはアプリケータ本体51に対する第二リング部材59aの可動範囲を規定している。雄ネジ76を雌ネジ孔にさらに螺入してネジの頭部をアプリケータ本体51に押し当てると、第二リング部材59aをアプリケータ本体51に対して任意の位置に保持することが可能である。
第一リング部材58aの外側面には、図4に示すように、2つの凹部58bが形成されている。一方、第二リング部材59aには、後方に突き出す2本のバー75が設けられている。2本のバー75には、アプリケータ本体51に対する第一リング部材58aの摺動方向に沿って長孔75aがそれぞれ形成されている。また、アプリケータ本体51には、長孔75aと平行に、2つの長孔51bが形成されている。第一リング部材58aの2つの凹部58bには、2つのピン77が、アプリケータ本体51の長孔51b、および第二リング部材59aの長孔75aを通じて挿入されている。これにより、長孔75aは第二リング部材59aに対する第一リング部材58aの可動範囲を規定している。なお、第二リング部材59a自体がアプリケータ本体51に対して摺動するので、長孔51bは、第一リング部材58aの可動範囲に加えて第二リング部材59aの可動範囲を考慮し、長孔75aよりも長く形成されている。
凹部58bとピン77の先端と間には、図5に示すように、圧縮バネ78が介装されている。これにより、ピン77は第二リング部材59aの径方向外方に常に付勢されている。バー75には、第一リング部材58aを第二リング部材59aの先端面に最も接近させたところに配置したとき、ピン77の大径部77aが係合する凹部75bが形成されている。
第一リング部材58aを第二リング部材59aの先端面に最も近いところに配置すると、ピン77の大径部77aがバー75の凹部75bに係合するので、第一リング部材58aはピン77を介して第二リング部材59aに拘束される。ピン77を圧縮バネ78の付勢力に抗してアプリケータ本体51に押し込むと、ピン77の大径部77aが凹部75bから外れるので、第一リング部材58aは第二リング部材59aから解放され、アプリケータ本体51の後端に向けて移動させることが可能になる。したがって、シース54をステントプッシャ55に対して手元側に移動させることが可能である。
アプリケータ本体51の先端には、口金80が挿入されている。口金80には内ネジが形成されており、この内ネジを内視鏡2の口金8に螺合することにより、アプリケータ50を内視鏡2に固定することが可能である。80の外側面には、周方向に沿って溝81が形成されている。一方、アプリケータ本体51には、アプリケータ本体51の径方向に雌ネジ孔が形成されており、この雌ネジ孔に、雄ネジ82が螺入されている。雄ネジ82の先端はアプリケータ本体51の内側に突き出している。口金80の溝81には、雄ネジ82の先端が緩く嵌め込まれている。これにより、内視鏡2に固定された口金80に対してアプリケータ本体51を自由に回転させることが可能である。雄ネジ82を雌ネジ孔にさらに螺入してその先端を溝81の底面に押し当てると、口金80に対してアプリケータ本体51を任意の位置に保持することが可能である。
図6には、組織締付装置S1と共に使用される内視鏡2として、リニア走査型超音波内視鏡が図示されている。この内視鏡2は、体外で使用される操作部3から延びる可撓性の挿入部4を備えている。操作部3には、挿入部4の先端部分を湾曲させるノブ3Aや各種のボタン3Bが配設されている。挿入部4の先端には、カバー5が取り付けられている。このカバー5には、超音波装置6が取り付けられている。超音波装置6は、挿入部4の軸線を含む平面上に膨出しており、円弧状の外周に沿って複数の超音波振動子が配置されている。さらに、内視鏡2には、アプリケータ50の先端部を側方に向けて送り出せるように、起上台7が設けられている。起上台7を手元で操作することにより、挿入部4の先端から送り出されるアプリケータ50の挿入部60の方向を調整することが可能である。なお、内視鏡2は、その他のプローブ型の超音波装置を備えても良い。また、超音波装置6を有しない内視鏡を使用することもできる。この場合には、体外で使用する超音波装置や、X線装置、磁気共鳴画像(MRI)装置、CT(Computerizing Tomography)装置を併用する。
次に、上記のように構成された組織締付装置S1を用いて、十二指腸に総胆管を固定して両者を連通させる手技を説明する。このような手技は、図7に示すように、十二指腸乳頭Dpが腫瘍Trによって閉塞して胆汁の排出ができなくなり、胆汁が血液に溶け込んで黄疸を起こしたケースで実施される。この手技によって胆汁を総胆管Cbから十二指腸Ddに直接に排出することが可能である。
最初に、患者の口から内視鏡2の挿入部4を挿入する。内視鏡2は、上部消化管である十二指腸Ddに挿入される。超音波装置6で十二指腸Ddの外側の状態を調べ、十二指腸乳頭Dpより胃St側で、総胆管Cbに近くて手技に適切な場所を探す。
アプリケータ50は、図8に示すように、事前に第一シャフト56aを操作して刺入具52をアプリケータ本体51に対して後退させるとともに、第二シャフト62を操作してスタイレット53をアプリケータ本体51に対して後退させておく。さらに、第一リング部材58aおよび第二リング部材59aを同時に操作してシース54およびステントプッシャ55をアプリケータ本体51に対して後退させておく。ただし、第一リング部材58aについては、第二リング部材59aに最も近いところに配置しておく。この状態では、組織締付具10Aを内部に挿入された刺入具52は、その先端がステント30Aの内部に配置されるまで、シース54の内側に引き込まれている。
内視鏡2の作業用チャンネルにアプリケータ50の挿入部60を挿入して前進させ、アプリケータ50を内視鏡2に固定する。これにより、挿入部60の先端を、内視鏡2の挿入部4の先端から突き出させる。そして、突き出した挿入部60の向きを起上台7によって調整する。
内視鏡2に設けられた超音波装置6を使って十二指腸Dd越しに総胆管Cbを走査し、刺入具52を総胆管Cbに刺入する位置を決める。そして、図9に示すように、雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に押し込み、刺入具52の先端をシース54の先端に取り付けられたステント30Aの先端から突き出させる。これにより、刺入具52の鋭利な先端が、十二指腸Ddの腸壁Wdに内側から外側に向けて刺し通され、続いて総胆管Cbの管壁Wcに外側から内側に向けて刺し通される。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。
図10に示すように、レバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。例えば、レバー63を決まった回数だけ操作する。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの第二の組織固定部12が押し出される。第二の組織固定部12は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、総胆管Cbの管壁Wcの内側に掛止する。
雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51から少し引き出し、刺入具52のステント30Aの先端からの突出長を短くする。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。これにより、刺入具52の先端が十二指腸Ddの腸壁Wdの内側面から少し離間する。
図11に示すように、再びレバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。例えば、レバー63を決まった回数だけ操作する。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの繋ぎ部13および第一の組織固定部11が押し出される。第一の組織固定部11は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、十二指腸Ddの腸壁Wdの内側に掛止する。
組織締付具10Aは、刺入具52から押し出されると、第一の組織固定部11に掛止された十二指腸Ddの腸壁Wdと第二の組織固定部12に掛止された総胆管Cbの管壁Wcとを互いに押し付け合うようにして、十二指腸Ddと総胆管Cbとを締め付ける。
図12に示すように、第二シャフト62を少し引いてスタイレット53の先端を刺入具52の内側に格納する。そして、雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aを再びアプリケータ本体51に押し込み、刺入具52の先端をステント30Aの先端から突き出させる。これにより、刺入具52の鋭利な先端が、組織締付具10Aの内側の十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに刺し通される。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。さらにレバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aにすべて押し込む。これにより、スタイレット53の滑らかな先端が刺入具52の鋭利な先端から突き出すので、刺入具52の鋭利な先端が不用意に周囲の組織を傷つける心配がない。
図13に示すように、雄ネジ76を緩め、第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させる。これにより、シース54およびステントプッシャ55の、アプリケータ本体51に第一シャフト56aを介した固定された状態における刺入具52との相対位置が変化し、刺入具52に沿ってステント30Aが押推される。そして、ステント30Aの拡張部31が、組織締付具10Aの内側から十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに、刺入具52によって先んじて開設された穿孔を押し広げるようにしながら刺し通される。拡張部31が十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通すると、ステント30Aは、留置部32を腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に配置され、拡張部31を総胆管Cbの内側に突き出させ、抜け防止部33を十二指腸Ddの内側に残した状態で、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置される。ステント30Aを留置したら、雄ネジ76を締めて第二リング部材59aをアプリケータ本体51に固定する。
図4に示すピン77をアプリケータ本体51に押し込みながら、図14に示すように、第一リング部材58aをアプリケータ本体51の後端に向けて移動させる。このとき、第二リング部材59aはアプリケータ本体51に固定されているので、シース54のステントプッシャ55との相対位置が変化し、シース54が手元側に引っ張られる。ところが、ステント30Aはステントプッシャ55の先端面に当接しているので、定位置に留まろうとする。そのため、シース54の先端が弾性変形し、ステント30Aの突起33aがシース54の小孔54aから外れる。突起33aが小孔54aから外れると、シース54の先端はステントプッシャ55に引き込まれる。これにより、ステント30Aがアプリケータ50の挿入部60の先端から離脱する。
雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51から引き出し、刺入具52の先端をシース54の先端に引き込む。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。続いて、内視鏡2からアプリケータ50を取り外す。以上で組織締付具10Aによる十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcの締め付け、ならびにステント30Aの十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcの内部への留置を終える。その結果、十二指腸Ddと総胆管Cbとがステント30Aの貫通孔34を通じて連通し、胆汁が総胆管Cbから十二指腸Ddに排出される。
組織締付具10Aが生体内に留置されると、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcが組織締付具10Aによって圧迫され、組織締付具10Aの内側の生体組織が虚血状態になる。虚血状態が続くと、生体組織が壊死を起こす。一方、組織締付具10Aの外側では、腸壁Wdと管壁Wcとが組織締付具10Aの全周にわたって癒着する。その結果、壊死した生体組織は組織締付具10Aおよびステント30Aとともに腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落してしまう。組織締付具10Aおよびステント30Aは後に排泄される。壊死した生体組織が脱落した腸壁Wdおよび管壁Wcには、吻合孔が形成される。この吻合孔を通じて、十二指腸Ddと総胆管Cbとが連通し、胆汁が総胆管Cbから十二指腸Ddに排出される。吻合孔の周囲は全周にわたって癒着しているので、胆汁が腸壁Wdと管壁Wcとの間から腹腔に漏れ出すことはない。
アプリケータ50によれば、レバー63を軽く握るように操作するだけで、組織締付具10Aを刺入具52から簡単に、かつ正確に押し出すことができる。また、ステント30Aを、シース54の先端から、適切なタイミングで分離させることができる。その結果、組織締付具10Aおよびステント30Aを、生体内の所望の位置に、適切に留置することができる。
また、アプリケータ50によれば、シース54およびステントプッシャ55を使ってステント30Aを十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに押し付けるとき、刺入具52が定位置に保持されて動かないので、刺入具52によって不意に臓器を傷つけることがなく、安全である。
次に、刺入具52の先端から押し出される組織締付具10Aの挙動について説明する。
組織締付具10Aは、まず、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通した刺入具52の先端から、第二の組織固定部12だけを突き出すように押し出される。第二の組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程で、当初のコイル形に逐次形状を復帰させ、総胆管Cbの管壁Wcに掛止する。
第二の組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程で、自らの形状を当初のコイル形に復帰させようとする力を生じる。この力が総胆管Cbの管壁Wcに作用することによって、組織締付具10Aがスタイレット53の押出量以上に総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことがある。ところが、組織締付具10Aには、第一の組織固定部11と第二の組織固定部12との間に繋ぎ部13が設けられており、かつ第二の組織固定部12と繋ぎ部13との間に屈曲部15が形成されている。これにより、第二の組織固定部12がすべて押し出されてしまうと、図10に示すように、第二の組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程とは、軌道を変化させる。組織締付具10Aの屈曲部15が刺入具52の先端から押し出されると、刺入具52による拘束を解かれた第二の組織固定部12が、屈曲部15の角度に依存して向きを変化させるためである。第二の組織固定部12の向きが変化すると、第二の組織固定部12が自らの形状を当初のコイル形に復帰させようとする力を生じても、その力が総胆管Cbの管壁Wcに作用しなくなるので、組織締付具10Aがスタイレット53の押出量以上に総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことはない。
その後、組織締付具10Aは、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcから抜き出された刺入具52の先端から、残っていた第一の組織固定部11まですべて押し出される。第一の組織固定部11は、刺入具52の先端から押し出される過程で、当初のコイル形に逐次形状を復帰させ、十二指腸Ddの腸壁Wdに掛止する。
第一の組織固定部11が十二指腸Ddの腸壁Wdに掛止し、第二の組織固定部12が総胆管Cbの管壁Wcに掛止することにより、腸壁Wdと管壁Wcとが締め付けられる。繋ぎ部13は、締め付けられた腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に留置される。第一の組織固定部11と第二の組織固定部12との間には隙間Gが設けられているので、腸壁Wdと管壁Wcとが、均等な力で互いに押し付け合うように締め付けられる。
繋ぎ部13の第一の組織固定部11に対する角θ1の大きさ、および繋ぎ部13の第二の組織固定部12に対する角θ2の大きさは、いずれも45°以下であることが好ましい(図3参照)。角θ1,θ2の大きさが45°よりも大きければ、組織締付具10Aを刺入具52の先端から押し出す過程で、角θ1をなす屈曲部14や、角θ2をなす屈曲部15が刺入具52の内面に接し、強い摩擦力を生じてしまう。そのため、組織締付具10Aを刺入具52から滑らかに押し出すことが困難になる。
第一の組織固定部11と第二の組織固定部12との間の隙間Gの大きさは、15ミリメートル以下であることが好ましい。隙間Gの大きさが15ミリメートル以下であれば、内視鏡2を使ってアプローチすることができる臓器のほぼすべてにおいて、アプリケータ50を用いて生体組織を固定することが可能である。
ただし、処置すべき器官の肉厚や、個々の患者の特徴に応じて任意に選択できるように、組織締付具10Aには、隙間Gの大きさが異なるものが複数種類用意されている。これらを適切に選択して使用すると、様々な状況において適切な処置を行うことができる。
ところで、前述したように、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcの組織締付具10Aの内側部分が組織締付具10Aによって圧迫されて虚血状態になり、その後壊死して組織締付具10Aおよびステント30Aとともに腸壁Wdおよび管壁Wcの他の部分から脱落する。そのときに、図15(b)に示すように、十二指腸Ddの腸壁Wd側に脱落する場合と、総胆管Cbの管壁Wc側に脱落する場合とがある。十二指腸Ddの腸壁Wd側に脱落する場合には、そのまま小腸及び大腸を経て体外に排泄されるので何ら問題がない。ところが、総胆管Cbの管壁Wc腸壁側に脱落する場合には体内にそのまま残留してしまう。
このような不具合を回避するために、この実施形態では、図2に示すように、前記第一の組織固定部11の外径を、第二の組織固定部12の外径よりも大にしている。すなわち、図15(c)に示すように、組織締付具10Aによって締め付けられ壊死して生体組織が脱落した後に形成される吻合孔Kの内径は第二の組織固定部12の外径とほぼ同一になる(図15(c)においてステント30Aは省略してある)。この吻合孔Kを、第二の組織固定部12は通過できるが、第一の組織固定部11は通過することができない。したがって、壊死する生体組織とともに組織締付具10Aが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、十二指腸Ddの腸壁Wd側にのみ移動して脱落する可能性が高くなる。
なお、前記実施形態では、高弾性金属線材を渦巻状に巻いて第二の組織固定部12を構成したが、これに限られることなく、図16(a)、(b)に示すように高弾性金属線材を円錐台状に巻いて第二の組織固定部12を構成してもよく、円筒状に巻いた一部を外方に突出させて構成してもよく、要は前記第一の組織固定部11の少なくとも一部を、第二の組織固定部12の外径よりも外方へ突出させれば良い。
<変形例>
以下に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略することがある。
組織締付具の構造は、上記実施形態において説明したものに限らない。例えば、図17に示す組織締付具10Bにおいては、それぞれコイル状に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部101及び第二の組織固定部102を有するが、第一の組織固定部101の先端部たとえば先端の1巻き部分101Aが、第一の組織固定部101の他の部分に対して約90度傾斜されている。
この例においては、例えば、第一の組織固定部101が掛止される十二指腸Ddには食物Sが通過するが、この食物Sが腸壁Wdに沿って食物が通過するときに、第一の組織固定部101の先端部101Aに食物がぶつかり、小腸側へ押圧する。この結果、壊死する生体組織とともに組織締付具10Bが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する可能性が高くなる。
なお、第一の組織固定部101の先端部101Aを傾斜させる場合、先端の1巻き分である必要はなく、例えば、先端の1巻きと半分あるいは2巻き分であってもよい。また、傾斜する角度としては、90度である必要はなく、他の角度例えば、45度から135度の範囲に傾斜させても良い。要は、第一の組織固定部101の先端部に食物Sぶつかればよい。
また、この例の場合、第一の組織固定部101と第二の組織固定部102との間に繋ぎ部を有しておらず、第一の組織固定部101に直接第二の組織固定部102をつなげているが、両者の間に図2に示すような繋ぎ部13を設けても良い。これは、以下の例についても同様である。
図18に示す組織締付具10Cにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部111及び第二の組織固定部112を有するが、第一の組織固定部111のコイル巻数が第二の組織固定部112のコイル巻数よりも多くなっている。
この例においては、第一の組織固定部111の方が第二の組織固定部112よりもコイル巻数を増やした分だけ重くなっている。したがって、壊死する生体組織とともに組織締付具10Cが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、重く設定された第一の組織固定部111側つまり十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する可能性が高くなる。
なお、第一の組織固定部111のコイル巻数を第二の組織固定部111のコイル巻数よりも多く設定するとき、それら組織固定部の重量の差が明確にでる程度、例えば1,5倍以上に設定するのが好ましい。
図19に示す組織締付具10Dにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部121及び第二の組織固定部122を有するが、第一の組織固定部121のコイル巻密度が第二の組織固定部122のコイル巻密度よりも低くなっている。つまり、第一の組織固定部121の高弾性金属線材のコイルは粗巻きされ、第二の組織固定部121の高弾性金属線材のコイルは密巻きされている。
この例においては、十二指腸Ddの腸壁Wdに沿って食物Sが通過するときに、粗巻きされた第一の組織固定部121に食物がぶつかる可能性が高くなる。この結果、壊死する生体組織とともに組織締付具10Dが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する。
図20に示す組織締付具10Eにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材からなる第一の組織固定部131及び第二の組織固定部132を有する。第一の組織固定部131には紐部材133を介して抵抗物(係止体)134が連結されている。抵抗物134は、後述するようにアプリケータに装填され易いように、円筒状の一部が軸線方向に沿って切り欠かれた形状になっている。
この例においては、十二指腸Ddの腸壁Wdに沿って食物が通過するときに、抵抗物134にこの食物がぶつかる可能性が高くなる。この結果、壊死する生体組織とともに組織締付具10Eが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する可能性も高くなる。また、抵抗物134自体にはある程度の重さがあるため、この重さによっても、組織締付具10Eが十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する可能性が高くなる。
なお、抵抗物134をアプリケータに装填するときには、図21、図22に示すように、刺入具52とシース54との間の隙間を利用して装填される。このため、抵抗物134の半径は、刺入具52の外径とシース54の内径の間に設定される。また、刺入具52には先端から基端側に向かってスリット52aが形成されていて、紐部材133は、このスリット52aから引き出されて配置されることで、刺入具52の内側に装填される第一及び第二の組織固定部131,132と刺入具の外側に装填される抵抗物134とを連結状態で、アプリケータに装填される。
図23に示す組織締付具10Fにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部141及び第二の組織固定部142を有する。第一の組織固定部141と第二の組織固定部142とは略同じ長さになっているが、第一の組織固定部141を構成する高弾性金属線材の直径が第二の組織固定部142を構成する前記と同じ材料からなる高弾性金属線材の直径よりも大に設定されている。
この例においては、第一の組織固定部141の方が第二の組織固定部142より線材の直径を大に設定した分だけ重くなっている。したがって、壊死する生体組織とともに組織締付具10Fが腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落するとき、重く設定された第一の組織固定部141側つまり十二指腸Ddの腸壁Wd側に移動して脱落する可能性が高くなる。
図24は、組織締付具10Aを生体内に留置するときの問題を示す図である。
すなわち、組織締付具10Aを第一の生体組織と第二の生体組織をともに密着するように締め付けて生体内に留置するとき、まず、針管状の刺入具52の先端を腸壁Wdおよび管壁Wcに穿刺する。そして、第二の生体組織内で、組織締付具10Aの一部である第二の組織固定部12を留置する。その後、刺入具52をそれら腸壁Wdおよび管壁Wcから引き戻す際に、刺入具52を穿刺したときに腸壁Wdおよび管壁Wcに形成される孔Weと組織締付具10Aを構成する線材10と間に隙間Gaが形成される。管壁である第二の生体組織内に液体が充満している場合には、この隙間Gaを通り、さらに腸壁Wdおよび管壁Wcとの隙間Gbを通って腹腔内に漏れる現象が生じる。この現状は、組織締付具10Aを生体内に留置した後でも生じる。ここで、腹腔内に漏れる液体が例えば強いアルカリ性を示す胆汁である場合には胆汁性腹膜炎を引き起こすおそれがある。このような不具合を回避するために、以下のような種々の工夫を行っている。
図25に示すものは、組織締付具10Gを構成する高弾性金属線材が、単線ではなく多数の高弾性細線材150がよられて構成されている。すなわち、第一の組織固定部151及び第二の組織固定部152が、多数の高弾性細線材150をよられることで構成されている。
ここで、より線の弾性は単線の弾性に比べて弱いので、同じバネ強さの組織締付具を形成すると仮定すると、より線で構成する方が、単線で構成する場合に比べて大きい線径のものを使用することができる。
この例においては、組織締付具10Gを単線ではなく多数の高弾性細線材150をよって構成しており、その分、組織締付具10Gを構成する線材として直径の大きいもの、例えば刺入具52の内径とほぼ同じものを使用することができる。これにより、刺入具52を穿刺したときに形成された腸壁Wdおよび管壁Wcの孔Weと組織締付具10Gを構成する線材と間の隙間Gaを極力小さくすることができる。この結果、胆汁等の体液がこの隙間Gaを通して腹腔内に漏れ出るのを回避できる。
なお、図25示すものでは、組織締付具10Gの全域を多数の高弾性細線材150をよった構成にしているが、これに限られることなく、第一の組織固定部151と第二の組織固定部152の少なくとも連結部分のみ、具体的には管壁Wcを貫通する部分及びその近傍のみを、多数の高弾性細線材150をよった構成にすれば足り、他の部分は単線によって構成しても良い。
図26に示す組織締付具10Hにおいては、それぞれコイル状に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部161及び第二の組織固定部162を有する。第一の組織固定部161と第二の組織固定部162の間の繋ぎ部163の外周には高弾性金属線材10よりも小径の細線材164が巻きつけられて、その実質的な直径が刺入具の内径と同程度になるように設定されている。
この例においては、組織締付具10Hの第一の組織固定部161と第二の組織固定部162の間の繋ぎ部163に細線材164を巻きつけることで、その実質的な直径を大にしており、これにより、刺入具52を穿刺したときに形成される腸壁Wdおよび管壁Wcの孔Weと組織締付具10Gを構成する線材と間の隙間Gaを極力小さくして、胆汁等の体液がこの隙間Gaを通して腹腔内に漏れ出るのを回避できる。
なお、図26に示すものは、組織締付具10Hの一部に細線材164を巻きけているが、これに限られることなく、組織締付具10Hの全域に細線材164を巻きつけてもよい。
高弾性金属線材10への細線材164の固定方法としては、高弾性金属線材10の外周に細線材164を巻きつけてそれらの摩擦によって固定する方法、図27に示すように、細線材164を巻きつけた後、さらに溶接や人体に無害な接着剤によって、高弾性金属線材10の外周の複数個所を細線材164に固定する方法、図28に示すように、高弾性金属線材10に孔165をあけ、この孔165に細線材164の端部を差し込んで固定する方法が挙げられる。
また、細線材164はコイル形状であるため、細線材164の端部は孔165から外れにくい。しかしさらに強固に外れにくくする方法としては、細線材164の端部を圧入する方法、接着剤によって固着する方法、細線材164の端部を差し込んだ状態で高弾性金属線材10に外力を加えて変形させる方法(カシメ)、差し込み部を溶接する方法が考えられる。
図29に示す組織締付具10Iにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部171及び第二の組織固定部172を有する。第二の組織固定部172の外周に第一の組織固定部171が配置される。つまり、組織締付具10Iは内外の二重コイル状になっている。
この例においては、図30に示すように、内周側の第二の組織固定部172を第二の生体組織である総胆管Cbの管壁Wcに掛止させ、外周側の第一の組織固定部171を十二指腸Ddの腸壁Wdに掛止させる。この場合、腸壁Wdおよび管壁Wcは、第一の組織固定部171及び第二の組織固定部172によって密着状態になって半径方向に締め付けられる。このため、刺入具52を穿刺したときに形成される孔Weつまり組織締付具10Iの線材が貫通する箇所よりも外周側の、腸壁Wdおよび管壁Wcがともに締め付けられて密着状態になるので、胆汁等の体液が孔Weを通って腸壁Wdおよび管壁Wcの間から腹腔へ漏れ出ることはない。
図31に示す組織締付具10Jにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部181及び第二の組織固定部182を有する。第一の組織固定部181は、大小2段のコイル状に巻かれた、大コイル状部分181Aと小コイル状部分181Bとを有する。大コイル状部分181Aと小コイル状部分181Bとは、ともに上端が同じ高さであるが、下端は、大コイル状部分181Aが小コイル状部分181Bよりも張り出している。
第二の組織固定部182は、小コイル状部分181Bと連なるよう、該小コイル状部分と同一径になっている。この組織締付具10Jは前述の図29に示したものと全体形状が同一であり、異なるところは、第一及び第二の生体組織とどこで掛止させるかの点である。
この例においては、生体組織に留置したときに、第一の組織固定部の小コイル状部分181Bと第二の組織固定部182との間で、腸壁Wdおよび管壁Wcを挟み込むとともに、その外周側で、第一の組織固定部181の外周側である大コイル状部分181の下端が、十二指腸Ddの腸壁Wdを図において下方に押し付ける。このため、刺入具52を穿刺したときに形成される孔Weよりも外周側で、腸壁Wdおよび管壁Wcがともに締め付けられて密着状態になるので、前記第30に示すものと同様、胆汁等の体液が孔Weを通って腸壁Wdおよび管壁Wcの間から腹腔へ漏れ出ることはない。
図32に示す組織締付具10Kにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部191及び第二の組織固定部192を有する。第一の組織固定部191と第二の組織固定部192を連結する繋ぎ部193は、それらコイル状に形成された部分の中央部を通過するよう、S字状に曲げられて横断している。
この例においては、図33に示すように生体組織に留置したときに、刺入具52を穿刺したときに形成される孔Weつまり組織締付具10Kの線材が貫通する箇所は、第一の組織固定部191と第二の組織固定部192で締め付けられた、腸壁Wdおよび管壁Wc部分の内側である。このため、刺入具52を穿刺したときに形成される孔Weよりも外周側で、腸壁Wdおよび管壁Wcがともに締め付けられて密着状態になるので、前記図30、図31に示すものと同様、胆汁等の体液が孔Weを通って腸壁Wdおよび管壁Wcの間から腹腔へ漏れ出ることはない。
図34に示す組織締付具10Lにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材からなる第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202と、キャップ203とを有する(図37参照)。キャップ203は、円筒状に形成されていて、その外径が第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202の外径よりも大に設定されている。キャップ203の中央部分には小径部204が形成され、その内周にはコイル状の第一の組織固定部201に嵌合する雌ネジ部205が形成されている。キャップ203は、上部開口部が内視鏡Nの先端に嵌合する嵌合部203Aになっており、下端部が前記雌ネジ部を第一の組織固定部201に嵌合させたときに、第二の組織固定部202側に張り出すリング状の張出部203Bになっている。
この例の組織締付具10Lを生体内に留置するには、図35に示すように、予め内視鏡Nの先端にキャップ203の嵌合部203Aを嵌合させておく。そして、図36に示すように、前記実施形態で説明したように、第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202を、腸壁Wdおよび管壁Wcを締め付けるように生体組織内に留置する。
次に、予め用意しておいたキャップ付きの内視鏡Nを生体内に挿入する。そして、図37に示すように、先端に嵌合させたキャップ203を第一の組織固定部201に対して同軸上となるように位置合わせしながら当接させ、この状態で回転させて雌ネジ部205を第一の組織固定部201に螺合させる。このとき螺合が進むにつれて第一の組織固定部201がキャップ203内に侵入し、結果的に、腸壁Wdおよび管壁Wcが第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202により締め付けられたまま、キャップ203側に引き込まれる。そして、腸壁Wの第一の組織固定部201により掛止される部分の外周側は、キャップ203の張出部203Bによって管壁Wc側へ強く押圧され、この結果、刺入具を穿刺したときに形成される孔Weよりも外周側で、腸壁Wdおよび管壁Wcがともに締め付けられて密着状態になる。したがって、胆汁等の体液が孔Weを通って腸壁Wdおよび管壁Wcの間から腹腔へ漏れ出ることはない。
なお、キャップ203を第一の組織固定部201に螺合させた後は、図38に示すように、キャップ203から内視鏡Nをはずし、キャップ203をそのまま生体内に留置したまま、内視鏡Nを抜去する。
図39〜図41に示す組織締付具10Mにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材10からなる第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202と、キャップ213とを有する。キャップ213は、内筒部214と、内筒部214の上部から漸次外方に拡がりながら下方に下がる半円部215を有する。内筒部214の内周下端部には雌ネジ部216が形成され、この雌ネジ部216はコイル状の第一の組織固定部201に嵌合する。半円部215の下端は内筒部214の下端よりも下方に下がっており、雌ネジ部214を第一の組織固定部201に嵌合させたときに、第二の組織固定部202側に張り出すリング状の張出部215Bになっている。また、半円部213の上部は平坦状とされ、この平坦状部分には直線状に延びるつまみ部217が形成されている。
この例において、第一の組織固定部201及び第二の組織固定部202を、腸壁Wdおよび管壁Wcを締め付けるように生体組織内に留置する点は前述したものと同様である。
ここでは、次に、内視鏡を用いてキャップ213を生体内に挿入し、内視鏡のチャンネルを介して生体内に挿入される把持鉗子Oによりキャップ213のつまみ部217を把持し、キャップ213を第一の組織固定部201に対して同軸上となるように位置合わせしながら回転させて、雌ネジ部216を第一の組織固定部201に螺合させる。このとき、前記と同様、腸壁Wの第一の組織固定部201により掛止される部分の外周側は、キャップ203の張出部215Bによって管壁Wc側へ強く押圧される。この結果、刺入具を穿刺したときに形成される孔Weよりも外周側では、腸壁Wdおよび管壁Wcがともに締め付けられて密着状態になる。この結果、胆汁等の体液が孔Weを通って腸壁Wdおよび管壁Wcの間から腹腔へ漏れ出ることはない。
図42に示す組織締付具10Nにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性材料220からなる第一の組織固定部221及び第二の組織固定部222を有する。ここでは、高弾性材料220は、管状であってその内径がアプリケータの刺入具52の外径よりも大に設定されている。また、高弾性材料220の先端部は先細りのテーパー部223になっている。
この組織締付具10Nを生体内に留置するには、図43に示すように、まず、組織締付具10Nを刺入具52の外周に設置する。このとき、組織締付具10Nの基端側はシース54に摩擦によって嵌合させておく。次に、図44に示すように、刺入具操作部56を前進させ、刺入具52を第一の生体組織及び第二の生体組織、ここでは、十二指腸の腸壁Wd及び総胆管の管壁Wcに穿刺する。次に、図45に示すように、スタイレット53を前進させて、刺入具52の先端よりも突出させる。
次に、図46に示すように、シース54並びにプッシャ55を前進させて、組織締付具10Nの一部を総胆管の管壁Wc内に留置する。組織締付具10Nの総胆管内に露出された部分は、自身の弾性作用によってコイル状に戻って、留置される。ついで、図47に示すように、刺入具52並びにスタイレット53を、第一及び第二の生体組織Wdから手元側に引き戻す。次に、図48に示すように、シース54を手元側に後退させ、アプリケータと組織締付具10Nとを切り離す。
これにより、組織締付具10Nを生体内に留置することができる。
ここでは、組織締付具10Nの外径が刺入具の外径よりも大、つまり、刺入具によって形成される生体組織の孔Weよりも大であるため、該孔と組織締付具との間に隙間が生じず、したがって、該孔と組織締付具との間の隙間から体液が漏れることはない。
加えて、組織締付具10Nが管部材によって構成されるので、管部材の内腔によって、ステントを用いることなく、胆汁等の体液を総胆管の管壁Wc側から十二指腸の腸壁Wd側へ流すことができる。
図49に示す組織締付具10Oにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材230からなる第一の組織固定部231及び第二の組織固定部232を有する。第一の組織固定部231及び第二の組織固定部232は、第一の組織固定部231が十二指腸の腸壁Wdに掛止するとともに、第二の固定部232が総胆管の管壁Wcに掛止し、それら腸壁Wdと管壁Wcとをともに密着するように締め付ける。具体的には、第一の組織固定部231は十二指腸の腸壁Wdに掛止する第一の内周バネ部231aにより構成され、第二の組織固定部232は総胆管の管壁Wcに掛止する第二の内周バネ部232aにより構成される。第一の内周バネ部231aの先端からは外周バネ部233が、径方向外方に延びるとともに第二の内周バネ部232a側に戻って十二指腸の腸壁Wdに掛止するように設けられている。
また、内周バネ部231a,232aには初張力がつけられている。この初張力は、当該組織締付具10Oが生体内に留置される際に、外周バネ部233の先端が腸壁Wdを下方に押圧したときにそこから反力をうけたときでも、図50に示すように、第一の内周バネ部231aが腸壁Wdから引き離されず、高弾性金属線材230同士の間に隙間が生じない程度に設定されている。これについては後述する。また、第一及び第二の内周バネ部231aの高さH1、第二の内周バネ部232aの高さH2は、当該組織締付具10Oが生体内に留置される際に、留置対象となる生体組織よりも軸方向の外方へ突出するような高さに設定されている。例えば、十二指腸の腸壁Wdに留置される第一の内周バネ部231aの場合には、高さH1は1.5mm以上に設定されている。総胆管の管壁Wcは十二指腸の腸壁Wdよりも薄いので、総胆管の管壁Wcに留置される第二の内周バネ部232aの高さH2は0.5mm以上である。
上記構成の組織締付具10Oでは、図50に示すように、第一の内周バネ部231aを十二指腸の腸壁Wdに掛止させるとともに、第二の内周バネ部232aを総胆管の管壁Wcに掛止させ、それら内周バネ部231a,232aによって腸壁Wdと管壁Wcをともに密着するように締め付ける。また、外周バネ部233は、十二指腸の腸壁Wdを総胆管の管壁Wc側へ押し付ける。
ここで、外周バネ部233がない場合を図51及び図52を用いて説明すると、組織締付具を生体内に留置させる際には、図51に示すように、刺入具52内に予め高弾性金属線材230を延ばした状態で挿入セットしておき、この刺入具52を十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcに穿刺し、その先端から高弾性金属線材230を押し出すことにより留置する。このため、刺入具52を穿刺したときに総胆管の管壁Wcに形成される孔Weとこの孔Weに貫通して配置される高弾性金属線材230との間には隙間Gaが形成され、この隙間Gaを通じて胆汁等の体液が流れ出て、さらに十二指腸の腸壁Wdおよび総胆管の管壁Wcとの隙間Gbを通って腹腔内に漏れる現象が生じる(図52参照)。体液が胆汁の場合には、胆汁性腹膜炎を引き起こすおそれがある。
ところが、ここで示す組織締付具10Oの例では、図50に示すように、十二指腸の腸壁Wdの第一及び第二の内周バネ部231a,232aで締め付けられる部分の外周側を外周バネ部233で総胆管の管壁Wc側に押し付けているので、十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとの間に隙間が生じなく、このため、胆汁等の体液が隙間Gaを通じて漏れ出たとしても、この体液が十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとの間の隙間から腹腔内に漏れることはない。
また、十二指腸の腸壁Wd総胆管の管壁Wcの内周バネ部231a,232aによって締め付けられた部分の内側は、血液の流れを阻害され、圧迫壊死を起こすと同時に、内周バネ部の周囲で腸壁Wdと管壁Wcが癒着結合する。そして、壊死した組織は、組織締付具ととともに他の組織から脱落する。このとき、内周バネ部231a,232aは外周バネ部233によって常に十二指腸内腔側へ付勢されるので、壊死した組織とともに組織締付具が他の組織から脱落するとき、必ず、十二指腸の内腔側に脱落することとなり、結果的に小腸及び大腸を介して速やかに体外へ排泄される。
前述したとおり、外周バネ部233は十二指腸の腸壁Wdを総胆管の管壁Wc側へ押し付けるが、そのときの反力は、第一の内周バネ部231aを腸壁Wdから引き離す力としても働く。したがって、内周バネ部の初張力が外周バネ部の付勢力より小さいと、図53に示すように、第一の内周バネ部231aと第二の内周バネ部232aとの締付力が弱まるとともに、第一の内周バネ部231aの高弾性金属部材230の間に隙間が発生する。
このように、内周バネ部231a、232aの間で発生する腸壁Wdと管壁Wcを締め付ける力が弱くなると、腸壁Wdと管壁Wcの血液の流れを十分に阻害できない。また、内周バネ部を構成する高弾性金属部材230同士の間に隙間ができると、内周バネ部によって囲まれた組織と、その外側の組織とが高弾性金属材料230の隙間から接触し、両者の間で血液の流れが発生する。以上から、内周バネ部で囲まれた組織が壊死しないことになる。したがって、脱落もせず、その後の癒孔を形成することもできなくなる。
この例では、内周バネ部特に第一の内周バネ部の初張力を、当該組織締付具10Oが生体内に留置される際に、外周バネ部233の先端が腸壁Wdを下方に押圧したときにその反力をうける場合でも、図50に示すように、第一の内周バネ部231aが腸壁Wdから引き離されず、高弾性金属線材230同士の間に隙間が生じない程度に設定しているので、留置時に、内周バネ部の高弾性金属線材230同士の間に隙間が生じず密着状態を保つことができる。このため、内周バネ部231a,232aによって囲まれた組織と、外側の組織との間の血液の流れが遮断され、内周バネ部231a,232aで囲まれた組織が壊死し、その後、組織締付具は壊死した組織とともに脱落し、十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとをつなぐ癒孔が形成される。
なお、この例では、内周バネ部231a,232aの初張力を高めることで、留置された際に、第一の内周バネ部231aが腸壁Wdから引き離されず、高弾性金属線材230同士の間に隙間が生じない程度に設定しているが、これに限られることなく、図54に示すように、外周バネ部233を構成する高弾性金属線材の直径(コイル素線径)を、内周バネ部を構成する高弾性金属線材の直径(コイル素線径)よりも小さく設定することで、外周バネ部233が発生する反力を弱くできるので、前述のものと同様な効果を奏することができる。
一方、第一、第二の内周バネ部231a,232aの高さが低すぎると、それら第一、第二の内周バネ部231a,232aで囲まれた組織と外側の組織とが内周バネ部の上側部分を介して接することで、血液の流れが保たれる場合がある。血液の流れが保たれると、内周バネ部によって囲まれた組織が壊死しないので脱落もしない。
ところが、この例の場合、第一、第二の内周バネ部231a,232aの高さH1、H2を、当該組織締付具10Oが生体内に留置される際に、留置対象となる生体組織よりも外方へ突出するような高さに設定している。例えば、十二指腸の腸壁Wdに留置される第一の内周バネ部231aの場合には、高さH1は1.5mm以上に、総胆管の管壁Wcは十二指腸の腸壁Wdよりも薄いので、総胆管の管壁Wcに留置される第二の内周バネ部232aの高さH2は0.5mm以上になっているので、留置時に、それら第一、第二の内周バネ部231a,232aで囲まれた組織と外側の組織との間で血液の流れを遮断できるので、内周バネ部によって囲まれた組織を壊死して脱落させることができる。
図55に示す組織締付具10Pにおいては、それぞれコイル状(円筒状)に巻かれた高弾性金属線材230からなる第一の組織固定部(第一の内周バネ部)231及び第二の組織固定部(第二の内周バネ部)242を有し、さらに第一の内周バネ部の先端から径方向外方に延びる外周バネ部233を有する。この点は前述の例と同様である。
この例では、第二の内周バネ部242の先端部、例えば、先端側の略1巻242Aを密着巻とせず、他の部分から離間するようにしている。
ところで、第一、第二の内周バネ部には初張力が付けられており、これ以上縮むことができない状態になっている。第二の内周バネ部を先端まで密着巻きに構成した場合、例えば、右巻きコイル状の内周バネ部を刺入具52から押し出す際に、コイルに初張力をつけない場合には、図56に示すように、内周バネ部は元の右巻きコイル状に戻る。しなしながら、内周バネ部に初張力をつけた場合、コイルが縮もうとするので、先端が図56中2点鎖線で示すように、反対側(左巻き側)に巻いてしまう場合がある。このようになると、本来右巻きコイル状であるにもかかわらず、刺入具から押し出されたときに、左巻きコイル状になってしまう。このような状態になると、内周バネ部は、本来のコイル形状に戻らず予定した付勢力が発揮できなくなるので好ましくいない。
この例では、第二の内周バネ部242の先端部、例えば、先端側の略1巻242Aを密着巻とせず、他の部分から離間するようにしているので、第二の内周バネ部242が刺入具から押し出される際に、内周バネ部の1巻は余分な力が作用せず、本来のコイル形状に巻かれる。最初が本来のコイル形状に巻かれれば、それ以降は強い初張力がつけられたとしてもそのままの形で本来のコイル形状に巻かれる。
なお、前記例では、第二の内周バネ部242の先端部242Aを密着巻とせず、他の部分から離間するように構成しているが、これに限られることなく、第二の内周バネ部242の先端部、例えば、先端側の1巻に達しない部分242Aに初張力をつけない、あるいは他の部分に比べて初張力を弱くするという構成にしても良い。
図57に示す組織締付具10Qは、その本体(すなわち高弾性金属線材10)とは別に、第一の組織固定部251と第二の組織固定部252との連結部分に、ストッパ253が設けられている。ストッパ253は、線材10の直径よりも小径の細線材253Aが連結部分の線材10に外嵌される管部材253B内に挿入されることで、第一、第二の組織固定部251,252の内側に位置するようにコイル状に湾曲して取り付けられる。
細線材253Aの湾曲部分の直径は、第一、第二の組織固定部251、252のコイル内径よりも小さくされるのが前提であるが、ステント30Aを留置するため図58に示すようにステント30Aの外径よりも大に設定されるか、図59に示すように、極力小さく設定される。後者の場合には、細線材253Aと第一、第二の組織固定部251、252との間にステント30Aを留置できる充分なスペースを確保するためである。
ストッパ253は、十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Bが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまい、結果的に十二指腸Ddの腸壁Wd側に掛止される第一の組織固定部251のコイル巻数と総胆管の管壁に係止される第二の組織固定部252のコイル巻数とのバランスを崩して留置されるという現象を防止するためのものである。
細線材253Aを第一の組織固定部251と第二の組織固定部252との連結部分の高弾性金属線材10に固定する方法としては、次の方法が挙げられる。
図60に示すように、細線材253Aを高弾性金属線材10の外周に巻きつけて摩擦によって固定する方法、図61に示すように、細線材253Aを巻きつけた上からさらに全域あるいは複数個所を溶接する方法、図62に示すように、高弾性金属線材10に外嵌される管部材253Bを利用し、細線材253Aの先端を管部材253Bに挿入して、接着剤によりあるいは管部材253Bをカシメ等塑性変形させることによって固定する方法、図63に示すように、高弾性金属線材10に孔254をあけ、この孔254に細線材253Aの端部を差し込んで接着剤やカシメ等周知の手段で固定する方法が挙げられる。
図64はアプリケータのスタイレットの変形例を示すものである。スタイレットは、本来、刺入具2に挿入されてその先端の組織締付具10Aを先端から押し出す機能を持つ。
ここで示すスタイレット53Bは、棒材261の先端に半球状の突起262が設けられ、棒材261の突起よりも基端側の小径部261Aに拡径可能な弾性コイル263が巻きつけられたものである。また、弾性コイル263は電極になっていて、ここには必要に応じて、図示せぬ電源から高周波電流が供給されるようになっている。
このような構成のスタイレット53Bによれば、前進することで、刺入具52に挿入された組織締付具10Aを押し出すことができる。その後、図65に示すように、先端の突起262及び弾性コイル263が刺入具52の先端から前方に突出される。このとき、弾性コイル263は自身の弾性によって拡径される。そして、この状態で拡径された弾性コイル263に高周波電流が供給され、この状態で、図66、図67に示すように手元側に引き戻されることで、組織締付具10Aによって締め付けられた十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとを焼き切り、ドレナージ穴264を形成することができる。
その後、図68に示すように、組織が壊死して組織締付具10Aが脱落することで、吻合孔265が形成される点は前述したとおりである。
図69に示すスタイレット53Cにおいては、棒材261の先端に半球状の突起262が設けられ、棒材261の突起よりも基端側に切刃271が取り付けられている。切刃271は後部に刀部271Aが傾斜して設けられている。また、切刃271は、図70に示すように、刺入具52に正面から見て渦巻状に収納可能なように充分な弾性を有している。
前記構成のスタイレット53Cによれば、刺入具52に挿入された組織締付具10Aを押し出した後、図71に示すように、切刃271が刺入具52の先端から前方に突出される際に、切刃271は、自身の弾性によって平板状に拡がる。そして、この状態で手元側に引き戻されることで、後部の刀部271Aによって十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとを図72に示すように切り込み、ドレナージ穴273を形成することができる。
なお、この切刃271には高周波電流が供給されるようになっていないが、必要に応じて、高周波電流が供給されるようにしてもよい。
図73に示すスタイレット53Dにおいては、棒材261の先端に半球状の突起262が設けられ、棒材261の突起よりも基端側に切刃281が取り付けられている。切刃281は円弧状に湾曲されており、外形線が全体で円を描くようになっている。
後部に刀部281Aが斜めに傾斜して設けられている。また、切刃281は、図74に示すように、刺入具52に正面から見て渦巻状に収納可能なように充分な弾性を有している。
前記構成のスタイレット53Dによれば、刺入具に挿入された組織締付具を押し出した後、切刃281が刺入具52の先端から前方に突出される際に、切刃271は、自身の弾性によってそれぞれ全体で円を描くようにそれぞれ円弧状に拡がる。そして、この状態で手元側に引き戻されることで、後部の刀部281Aによって十二指腸の腸壁Wdと総胆管の管壁Wcとを切り込み、図75に示すような円状のドレナージ穴283を形成することができる。
図76に示すスタイレット53Eにおいては、スタイレット先端に螺旋溝291を形成している。
胆汁が鬱滞して総胆管の内圧が高まった状態では、予め総胆管に孔を設け、この孔から胆汁を吸引して内圧を下げた状態にして、前述した手技を行う方が好ましい。
この構成のスタイレット53Eによれば、スタイレット53Eの基端側を吸引機構に接続し、刺入具52とスタイレット53Eとの間の形成される螺旋溝291を利用することによって、胆汁を吸引することができる。なお、単なる棒状のスタイレットを使用する場合、胆汁吸引通路を確保しようとして、スタイレットの直径を細くしてスタイレットと刺入具との隙間を広くとろうとすると、組織締付具の押し出しが難しくなり、また、逆にスタイレットの直径を太くして組織締付具の押し出しを良好にしようとすると、胆汁吸引通路を確保するのが難しくなるという相容れない問題が出てくる。
図77、図78は刺入具の変形例を示すものである。
ここで示す刺入具300は、先端部301が刺入具本体302に対して別体になっていて、刺入具本体302に螺子合わされることによって着脱可能になっている。
この刺入具の先端部301に予め組織締付具10Aを挿入してカートリッジ化すれば、必要に応じて組織締付具10Aが挿入セットされた先端部301を取り替えることで、刺入具本体302を共通化して再利用することができ、また、刺入具300の先端部の先端の針先部301Aが毎回新しくなるので、良好な切れ味を確保できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I、10J、10K、10L、10M、10N、10O、10P、10Q 組織締付具
11、101、111、121、131、141、151、161、171、181、191、201、211、221、231、241、251 第一の組織固定部
12、102、112、122、132、142、152、162、172、182、192、202、212、222、232、242、252 第二の組織固定部
13 繋ぎ部
134 係止体
150 高弾性細線材(細線材)
164 細線材
203、213 キャップ
233 外周バネ部

Claims (10)

  1. 第一の生体組織と第二の生体組織とをともに密着するように締め付ける組織締付具であって、
    前記第一の生体組織に掛止するコイル状に巻かれた弾性線材からなる第一の組織固定部と、
    前記第二の生体組織に掛止するコイル状に巻かれた弾性線材からなる第二の組織固定部と、
    前記第一の組織固定部の先端から径方向の外方に延びるとともに前記第二の組織固定部側に戻って前記第一の生体組織を押圧し、前記第一の生体組織を第二の生体組織側に押し付ける外周バネ部と、を備え、
    前記外周バネ部は前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との両方の外径よりも大きな内径を備えるとともに、前記第一の組織固定部の外周部で前記第一の生体組織を前記第二の生体組織の側に押圧することにより、前記第一の組織固定部と第二の組織固定部との間で締め付けられて壊死する第一及び第二の生体組織部分と一体になって脱落するときに、前記第二の組織固定部から第一の組織固定部側へ向かってのみ移動して脱落する
    組織締付具。
  2. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部のコイル初張力が、前記組織締付具が生体内に留置された際に前記外周バネ部が前記第一の生体組織を押圧する力量よりも強く設定された組織締付具。
  3. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記第二の組織固定部は、前記第一の組織固定部と連なり、
    前記第二の組織固定部の端部側のコイルの外径は、前記第二の組織固定部の前記第一の組織固定部側のコイルの外径よりも小さく設定された
    組織締付具。
  4. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記第二の組織固定部の先端側の一部の初張力が、前記第二の組織固定部の他の部分の初張力よりも小に設定された組織締付具。
  5. 請求項に記載の組織締付具であって、
    前記第二の組織固定部の略一巻の初張力が、前記第二の組織固定部の他の部分の初張力よりも小に設定された組織締付具。
  6. 請求項に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部の先端部が前記第一の組織固定部の他の部分に対して傾斜されている組織締付具。
  7. 請求項に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部のコイル巻数が前記第二の組織固定部のコイル巻数よりも多い組織締付具。
  8. 請求項に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部のコイル巻密度が、前記第二の組織固定部のコイル巻密度よりも低い組織締付具。
  9. 請求項に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部に、前記第一の生体組織の表面に沿って流れる係止体が取り付けられている組織締付具。
  10. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部の少なくとも連結部分の弾性線材には、外周に細線材が巻きつけられる組織締付具。
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