JP5314970B2 - 組織締付具、アプリケータ及び組織締付装置 - Google Patents

組織締付具、アプリケータ及び組織締付装置 Download PDF

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Description

本発明は、経自然開口的に組織を固定する処置を行うための組織締付具及びそれらを体内に留置するためのアプリケータ及び組織締付装置に関する。
人体の臓器などに対して処置を行う手法としては、経皮的に処置具を挿入することが知られている。腹部を切開する場合に比べて侵襲が少なくて済み、早期の回復が期待できるからである。
経皮的な処置に使用される処置具は、経皮的に体内に挿入される硬質のシャフトを有し、シャフトの先端に鉗子などが設けられている。例えば、特許文献1には、管腔器官を結合する用途に用いる処置具である管腔内吻合装置が開示されている。この管腔内吻合装置は、シャフトの先端に開閉自在な把持具が取り付けられており、シャフト内には締付具が挿入されている。締付具は、手元側の突出機構でシャフトの先端から押し出し可能である。締付具は、形状記憶合金を平コイル形状で熱処理して製造されており、延ばした状態でシャフトに挿入される。締付具を使用するときは、突出機構で押し出して体内に刺入させる。締付具は、体温で加熱されてコイル状に復元する。復元した締付具で管腔器官が結合される。
締付具を供給する他の例は、特許文献2に開示されている。ここでは、締付具を針から押し出して組織に供給する。このため、針を組織に刺入するときの深さと、締付具を組織に供給する量を制御するストッパが設けられている。処置を行うときは、締付具及び針を収容した器具を組織に突き当てる。針を前進させて組織に刺入させたら、ストッパで締付具の位置を固定する。この後、針を組織から引き抜く。締付具は、ストッパの存在によって移動しないので、その先端部分が組織の内側に取り残される。器具を組織から外すと、締付具の残りの部分が組織の外側に残る。締付具がコイル状に復元すると、組織が締め付けられる。
特開2005−193044号公報 PCT国際公開2002/019923号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の締付具を使用する場合、組織にまたがるように締付具を設置しても、設置後に一方の組織側にすべて引き込まれてしまうことがある。締付具が一方の組織側にすべて引き込まれてしまうと、組織を締め付ける効果が充分得られない場合があるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、安定した状態で組織を締め付けることができる組織締付具を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、当該組織締付具と組み合わせて好適に使用可能なステント、及び当該組織締付具及び当該ステントを好適に体内に留置することができるアプリケータ並びに組織締付装置を提供することである。
本発明の組織締付具は、第一の生体組織と第二の生体組織とを締め付ける組織締付具であって、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり前記第一の生体組織に掛止する第一の組織固定部と、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり前記第二の生体組織に掛止する第二の組織固定部と、前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との連結部分に設けられ、前記第一、第二の生体組織のいずれか一方に接して前記組織締付具の前記一方から他方への抜けを阻止するストッパと、を備え、前記ストッパは、前記第一の生体組織側で前記第一の組織固定部がコイル状に復元できるように、前記第二の組織固定部がコイル状に復元する際に生じる力による前記第一の組織固定部における前記線材の軸方向での移動に応じて、前記第一の生体組織に掛止される
本発明のアプリケータは、組織締付具を内部に挿入される管状の刺入具と、前記刺入具に挿入され、前記刺入具に挿入された前記組織締付具を前記刺入具の先端から押し出す締付具プッシャと、前記刺入具が内側に挿入され、前記刺入具に対して軸線方向に相対移動可能なシースとを備える。
本発明の組織締付装置は、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり第一の生体組織に掛止する第一の組織固定部と、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり第二の生体組織に掛止する第二の組織固定部と、前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との連結部分に設けられ、前記第一、第二の生体組織のいずれか一方に接して前記組織締付具の前記一方から他方への抜けを阻止するストッパと、を有し前記ストッパが、前記第一の生体組織側で前記第一の組織固定部がコイル状に復元できるように、前記第二の組織固定部がコイル状に復元する際に生じる力による前記第一の組織固定部における前記線材の軸方向での移動に応じて、前記第一の生体組織に掛止される組織締付具と、先端から後端に向けて拡径する拡張部と、前記拡張部に連続する留置部と、前記拡張部および前記留置部を長手方向に貫通する貫通孔とを有するステントと、前記組織締付具を内部に挿入される管状の刺入具と、前記刺入具に挿入され、前記刺入具に挿入された前記組織締付具を前記刺入具の先端から押し出す締付具プッシャと、前記刺入具を内側に挿入され、先端に着脱可能に取り付けられた前記ステントを前記刺入具に対して相対的に移動させるシースとを有するアプリケータと、を備える。
本発明の組織締付具によれば、安定した状態で組織を締め付けることができる。
また、本発明のステントによれば、本発明の組織締付具と組み合わせて好適に使用することができる。
さらに、本発明のアプリケータ及び組織締付装置によれば、上記組織締付具及びステントを好適に体内に留置することができる。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態について説明する。本実施形態の組織締付装置S1は、図1に示すように、第一の生体組織に第二の生体組織を固定し、両組織を連通させる処置を行う装置であって、組織締付具10Aと、ステント30Aと、アプリケータ50とを備えている。
なお、第一、第二の生体組織は、それぞれ別の器官を指すとは限らない。例えば、ある器官のある領域を第一の生体組織とし、同器官の他の領域を第二の生体組織としてとらえ、これらふたつの領域を固定する場合も含まれる。本実施形態では、第一の生体組織としての十二指腸に、第二の生体組織としての総胆管を固定し、両器官を連通させる処置について説明する。
組織締付具10Aは、十二指腸と総胆管とを締め付ける器具であって、図2に示すように、十二指腸に掛止する第一組織固定部11と、十二指腸に隣接する総胆管に掛止する第二組織固定部12とを備えている。さらに、組織締付具10Aは、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に、両者をつなぐ繋ぎ部13を備えている。
組織締付具10Aは、すべての部位、すなわち第一組織固定部11、第二組織固定部12および繋ぎ部13が、コイル状に巻かれた1本の高弾性金属線材10からなる。第一組織固定部11と繋ぎ部13との間に位置する線材には、屈曲部14が形成されており、繋ぎ部13と第二組織固定部12との間に位置する線材にも、同様の屈曲部15が形成されている。第一組織固定部11および第二組織固定部12は、いずれも同径のコイル状をなすが、繋ぎ部13が設けられることにより、両者間には隙間Gが設けられている。第一組織固定部11のコイル形の中心軸は、第二組織固定部12のコイル形の中心軸と一致している。
図3に示すように、繋ぎ部13をなす線材は、屈曲部14において、第一組織固定部11のコイル形をなす線材に対して角θ1をなす。また、屈曲部15において、第二組織固定部12のコイル形をなす線材に対しても角θ2をなしている。屈曲部14の角θ1の大きさは、屈曲部15の角θ2の大きさとほぼ等しい。
組織締付具10Aは、引き延ばされたうえで一端を生体組織に刺し入れられ、一方の組織固定部、例えば第二組織固定部12を十二指腸の腸壁および総胆管の管壁に順に貫通される。十二指腸の腸壁および総胆管の管壁を貫通した第二組織固定部12は、総胆管の内側で拘束を解かれて本来のコイル形に形状を復帰させ、総胆管に掛止する。一方、第一組織固定部11は、十二指腸の内側で拘束を解かれて本来のコイル形に形状を復帰させ、十二指腸に掛止する。第一組織固定部11が十二指腸に掛止し、第二組織固定部12が総胆管に掛止することにより、十二指腸の腸壁と総胆管の管壁とが互いに押し付け合うように締め付けられる。繋ぎ部13は、締め付けられた両器官の壁の内部に留置される。
ステント30Aは、図1に示すように、組織締付具10Aによって締め付けられた十二指腸の腸壁と総胆管の管壁とを連通する器具であって、拡張部31と、留置部32と、抜け防止部33と、貫通孔34とを備えている。拡張部31は、先端から後端に向けて拡径する円錐状をなしている。留置部32は円柱状をなし、拡張部31の後方に配設されている。留置部32の外径は一定で、かつ拡張部31の最大外径よりも小さい。抜け防止部33は円柱状をなし、留置部32の後方に配設されている。抜け防止部33の外径は留置部32の外径よりも大きい。貫通孔34は、拡張部31、留置部32および抜け防止部33をステント30Aの長手方向に貫通している。
抜け防止部33の内側面には、ステント30Aの径方向に形成された突起33aが設けられている。突起33aは、後述するアプリケータ50のシース54にステント30Aを着脱可能に取り付けるための取付部の一部を構成している。
ステント30Aの材料としては、ステンレス(SUS)、チタン(Ti)、生体吸収マグネシウム、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン、液晶ポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、カプロラクトンのいずれか、もしくはそれらの重合体を採用することができる。これらは生体適合性に優れており、生体内にステント30Aが留置された後、生体に無理な負担を強いることがない。特に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、カプロラクトンは、生体内に長期間留置されるうちに溶けて生体に吸収されてしまい、最終的には生体内に異物が残らないので、好都合である。
アプリケータ50は、組織締付具10Aおよびステント30Aを体内に留置する処置を行う器具であって、図1に示すように、アプリケータ本体51と、刺入具52と、スタイレット(締付具プッシャ)53と、シース54と、ステントプッシャ55とを備えている。
アプリケータ本体51は筒状をなしている。刺入具52は針管状をなし、組織締付具10Aを内部に挿入して使用される。なお、刺入具52の先端に電極を設け、生体組織を焼きながら刺入具52を十二指腸の腸壁および総胆管の管壁に刺し入れてもよい。この場合、刺入具52の先端は鋭利に形成されていなくてもよい。
スタイレット53は軸状をなし、刺入具52の内側に移動可能に挿入され、刺入具52に挿入された組織締付具10Aを刺入具52の先端から押し出す。
シース54は、刺入具52を内側に移動可能に挿入され、先端に着脱可能に取り付けられたステント30Aを刺入具52に対して相対的に移動させる。
ステントプッシャ55はさや管状をなし、シース54が内側に移動可能に挿入されている。そして、シース54の先端に取り付けられたステント30Aをシース54から離脱させる際に操作される。
アプリケータ本体51には、刺入具操作部56と、スタイレット操作部(締付具プッシャ操作部)57と、シース操作部58と、ステントプッシャ操作部59とが設けられている。刺入具52、スタイレット53、シース54およびステントプッシャ55はいずれも可撓性を有しており、同軸状に配置されている。これらは内視鏡の挿入部の作業用チャンネルに挿し通される挿入部60を構成しており、当然のごとく内視鏡の作業用チャンネルよりも長い。
刺入具52の先端面は、刺入具52の長手方向に対して斜めに形成されている。これにより、刺入具52の先端は鋭利に仕上げられている。刺入具52の基端は、アプリケータ本体51の後部に設けられた刺入具操作部56に接続されている。
スタイレット53の先端は、鋭利でなく滑らかな形状に形成されている。スタイレット53の基端は、刺入具操作部56の内部に設けられたスタイレット操作部57に接続されている。
シース54の先端面は、シース54の長手方向に直交するように平坦に形成されている。シース54の先端には、ステント30Aの突起33aと同数もしくはそれ以上の小孔54aが設けられている。小孔54aは、シース54の周方向に配置されており、シース54の管壁を貫通している。
小孔54aは、シース54にステント30Aを着脱可能に取り付ける取付部の一部を構成している。シース54の先端がステント30Aの貫通孔34に後端から挿入されると、突起33aが小孔54aに係合する。これにより、シース54の先端にステント30Aが取り付けられる。
シース54は可撓性を有しているので、ステント30Aを定位置に留めたうえでシース54を後方に引っ張ると、シース54が弾性変形し、小孔54aから外れる。これにより、シース54の先端からステント30Aが離脱する。なお、ステント30Aが弾性材料からなる場合は、シース54とステント30Aの突起とが双方とも弾性変形して、シース54の先端からステント30Aが離脱することもある。
ところで、小孔54aは必ずしもシース54の壁部を貫通している必要はなく、シース54の外側面に形成された凹みであってもよい。また、ステント30Aに小孔を形成するとともにシース54に突起を形成して、両者を係合させてもよい。
シース54の基端は、アプリケータ本体51の前部に設けられたシース操作部58に接続されている。
ステントプッシャ55の先端面は、ステントプッシャ55の長手方向に直交するように平坦に形成されている。ステントプッシャ55の基端は、アプリケータ本体51の前部に設けられたステントプッシャ操作部59に接続されている。
刺入具操作部56は、アプリケータ本体51の後端からその内側に挿入された円筒状の第一シャフト56aを備えている。第一シャフト56aの外径は、アプリケータ本体51の後部の内径よりもわずかに小さい。そのため、第一シャフト56aは、アプリケータ本体51の後部の内面に対して摺動可能である。刺入具52の基端は、アプリケータ本体51に挿入された第一シャフト56aの先端面に、刺入具52の長手方向を第一シャフト56aの長手方向に一致させるように固着されている。刺入具52は、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
アプリケータ本体51の後部には、アプリケータ本体51の径方向に雌ネジ孔が形成されており、この雌ネジ孔に、雄ネジ61が螺入されている。雄ネジ61の先端はアプリケータ本体51の内側に突き出している。一方、第一シャフト56aの外側面には、第一シャフト56aの長手方向に沿って溝56bが形成されている。アプリケータ本体51に挿入された第一シャフト56aの溝56bには、雄ネジ61の先端が緩く嵌め込まれている。これにより、溝56bはアプリケータ本体51に対する第一シャフト56aの可動範囲を規定している。雄ネジ61を雌ネジ孔にさらに螺入してその先端を溝56bの底面に押し当てると、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に対して任意の位置に保持することが可能である。
スタイレット操作部57は、第一シャフト56aの後端からその内側に挿入された円筒状の第二シャフト62と、刺入具52を支持する第一シャフト56aに揺動可能に支持されたレバー63と、レバー63をアプリケータ本体51から離間させる方向に付勢するねじりコイルバネ64と、レバー63の揺動をスタイレット53の刺入具52に沿う直線的な運動に変換するリンク機構65とを備えている。
スタイレット53の基端は、第二シャフト62の先端からその内部に挿入され、スタイレット53の長手方向を第二シャフト62の長手方向に一致させるようにして第二シャフト62に固着されている。スタイレット53は、第二シャフト62を第一シャフト56aに対して摺動させることにより、刺入具52との相対位置を変化させることが可能である。
リンク機構65は、ベース部材66と、ブラケット68と、バー70と、プレート部材72と、圧縮コイルバネ74とを備えている。ベース部材66は、第一シャフト56aの外側面に固定されている。ブラケット68は、ベース部材66に軸支されている。レバー63はブラケット68に下端を固定されている。バー70は、一端をブラケット68に軸支され、他端をベース部材66に軸支されている。バー70の他端に設けられたピン71は、ベース部材66に第二シャフト62の摺動方向に沿って形成された長孔66aに遊びをもたせて嵌め込まれている。
プレート部材72には、第二シャフト62の外径よりも径の大きな孔73が形成されており、この孔73に、第一シャフト56aに挿入された第二シャフト62が貫通している。第二シャフト62の外径と孔73の内径との差は非常に僅かで、プレート部材72を傾けるようにして第二シャフト62の長手方向、すなわち第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向に動かすと、孔73の内面が第二シャフト62の外面に干渉して摩擦を生じ、プレート部材72に付加された力が第二シャフト62に作用する。
圧縮コイルバネ74は、第一シャフト56aの内部に配設されており、プレート部材72を、第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向とは相反する方向に付勢している。
レバー63をアプリケータ本体51に近づける方向に動かすと、ブラケット68を介してバー70がアプリケータ本体51の前方に向けて引っ張られ、バー70の他端が長孔66aに沿って移動する。プレート部材72は、バー70の他端に押推され、圧縮コイルバネ74に抗して第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入方向に移動する。このとき、プレート部材72が僅かに傾いて第二シャフト62との間に摩擦を生じるため、プレート部材72に付加された力が第二シャフト62に作用し、第二シャフト62が第一シャフト56aに押し込まれる。レバー63を解放すると、ねじりコイルバネ64がレバー63をアプリケータ本体51から離間するとともに、圧縮コイルバネ74が第二シャフト62との間に摩擦を生じさせることなく、プレート部材72を初期位置まで押し戻す。
レバー63の操作一回あたりのバー70の他端の移動量は常に一定であるから、レバー63の操作一回あたりの第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長も常に一定である。したがって、レバー63の操作回数に応じて、第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長、すなわちスタイレット53の刺入具52への挿入長を制御することが可能である。これは、レバー63の操作回数に応じて、刺入具52の先端から押し出される組織締付具10Aの長さを制御することが可能であることを意味する。
ここで、本実施形態のように、組織締付具10Aがコイル形をなすときは、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長は、組織締付具10Aの円周のほぼn倍、もしくはほぼn分の1倍(nは自然数)であることが好ましい。例えば、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周にほぼ等しければ、レバー63を一回操作する度に、組織締付具10Aが一巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、レバー63を二回操作すれば、第二組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。また、レバー63の操作一回当たりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周の二分の一にほぼ等しければ、レバー63を一回操作する度に、組織締付具10Aが半巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、レバー63を四回操作すれば、第二組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。
シース操作部58は、アプリケータ本体51の内部に配置され、内側の孔に刺入具52を挿入された第一リング部材58aを備えている。第一リング部材58aの外径は、アプリケータ本体51の前部の内径よりも僅かに小さく、第一リング部材58aの内径は、シース54の内径にほぼ等しい。そのため、第一リング部材58aは、アプリケータ本体51の前部の内面に対して摺動可能である。シース54の基端は、第一リング部材58aの前面に、シース54の中心を第一リング部材58aの中心に一致させるように固着されている。シース54は、第一リング部材58aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
ステントプッシャ操作部59は、アプリケータ本体51の内部において特に第一リング部材58aの前方に配置され、内側の孔にシース54を挿入された第二リング部材59aを備えている。第二リング部材59aの外径は、アプリケータ本体51の前部の内径よりも僅かに小さく、第二リング部材59aの内径は、さや管状のステントプッシャ55の内径にほぼ等しい。そのため、第二リング部材59aは、アプリケータ本体51の前部の内面に対して摺動可能である。ステントプッシャ55の基端は、第二リング部材59aの前面に、ステントプッシャ55の中心を第二リング部材59aの中心に一致させるように固着されている。ステントプッシャ55は、第二リング部材59aをアプリケータ本体51に対して摺動させることにより、アプリケータ本体51との相対位置を変化させることが可能である。
図1に示すように、第二リング部材59aの外側面には、第二リング部材59aの径方向に雌ネジ孔が形成されている。一方、アプリケータ本体51の前部には、第二リング部材59aの摺動方向に沿って長孔51aが形成されている。第二リング部材59aの雌ネジ孔には、雄ネジ76が、長孔51aを通じて螺入されている。これにより、長孔51aはアプリケータ本体51に対する第二リング部材59aの可動範囲を規定している。雄ネジ76を雌ネジ孔にさらに螺入してネジの頭部をアプリケータ本体51に押し当てると、第二リング部材59aをアプリケータ本体51に対して任意の位置に保持することが可能である。
第一リング部材58aの外側面には、図4に示すように、2つの凹部58bが形成されている。一方、第二リング部材59aには、後方に突き出す2本のバー75が設けられている。2本のバー75には、アプリケータ本体51に対する第一リング部材58aの摺動方向に沿って長孔75aがそれぞれ形成されている。また、アプリケータ本体51には、長孔75aと平行に、2つの長孔51bが形成されている。第一リング部材58aの2つの凹部58bには、2つのピン77が、アプリケータ本体51の長孔51b、および第二リング部材59aの長孔75aを通じて挿入されている。これにより、長孔75aは第二リング部材59aに対する第一リング部材58aの可動範囲を規定している。なお、第二リング部材59a自体がアプリケータ本体51に対して摺動するので、長孔51bは、第一リング部材58aの可動範囲に加えて第二リング部材59aの可動範囲を考慮し、長孔75aよりも長く形成されている。
凹部58bとピン77の先端と間には、図5に示すように、圧縮バネ78が介装されている。これにより、ピン77は第二リング部材59aの径方向外方に常に付勢されている。バー75には、第一リング部材58aを第二リング部材59aの先端面に最も接近させたところに配置したとき、ピン77の大径部77aが係合する凹部75bが形成されている。
第一リング部材58aを第二リング部材59aの先端面に最も近いところに配置すると、ピン77の大径部77aがバー75の凹部75bに係合するので、第一リング部材58aはピン77を介して第二リング部材59aに拘束される。ピン77を圧縮バネ78の付勢力に抗してアプリケータ本体51に押し込むと、ピン77の大径部77aが凹部75bから外れるので、第一リング部材58aは第二リング部材59aから解放され、アプリケータ本体51の後端に向けて移動させることが可能になる。したがって、シース54をステントプッシャ55に対して手元側に移動させることが可能である。
アプリケータ本体51の先端には、口金80が挿入されている。口金80には内ネジが形成されており、この内ネジを内視鏡2の口金8(図6参照)に螺合することにより、アプリケータ50を内視鏡2に固定することが可能である。口金80の外側面には、周方向に沿って溝81が形成されている。一方、アプリケータ本体51には、アプリケータ本体51の径方向に雌ネジ孔が形成されており、この雌ネジ孔に、雄ネジ82が螺入されている。雄ネジ82の先端はアプリケータ本体51の内側に突き出している。口金80の溝81には、雄ネジ82の先端が緩く嵌め込まれている。これにより、内視鏡2に固定された口金80に対してアプリケータ本体51を自由に回転させることが可能である。雄ネジ82を雌ネジ孔にさらに螺入してその先端を溝81の底面に押し当てると、口金80に対してアプリケータ本体51を任意の位置に保持することが可能である。
図6には、組織締付装置S1と共に使用される内視鏡2として、リニア走査型超音波内視鏡が図示されている。この内視鏡2は、体外で使用される操作部3から延びる可撓性の挿入部4を備えている。操作部3には、挿入部4の先端部分を湾曲させるノブ3Aや各種のボタン3Bが配設されている。挿入部4の先端には、カバー5が取り付けられている。このカバー5には、超音波装置6が取り付けられている。超音波装置6は、挿入部4の軸線を含む平面上に膨出しており、円弧状の外周に沿って複数の超音波振動子が配置されている。さらに、内視鏡2には、アプリケータ50の先端部を側方に向けて送り出せるように、起上台7が設けられている。起上台7を手元で操作することにより、挿入部4の先端から送り出されるアプリケータ50の挿入部60の方向を調整することが可能である。なお、内視鏡2は、その他のプローブ型の超音波装置を備えても良い。また、超音波装置6を有しない内視鏡を使用することもできる。この場合には、体外で使用する超音波装置や、X線装置、磁気共鳴画像(MRI)装置、CT(Computerizing Tomography)装置を併用する。
次に、上記のように構成された組織締付装置S1を用いて、十二指腸に総胆管を固定して両者を連通させる手技を説明する。このような手技は、図7に示すように、十二指腸乳頭Dpが腫瘍Trによって閉塞して胆汁の排出ができなくなり、胆汁が血液に溶け込んで黄疸を起こしたケースで実施される。この手技によって胆汁を総胆管Cbから十二指腸Ddに直接に排出することが可能である。
最初に、患者の口から内視鏡2の挿入部4を挿入する。内視鏡2は、上部消化管である十二指腸Ddに挿入される。超音波装置6で十二指腸Ddの外側の状態を調べ、十二指腸乳頭Dpより胃St側で、総胆管Cbに近くて手技に適切な場所を探す。
アプリケータ50は、図8に示すように、事前に第一シャフト56aを操作して刺入具52をアプリケータ本体51に対して後退させるとともに、第二シャフト62を操作してスタイレット53をアプリケータ本体51に対して後退させておく。さらに、第一リング部材58aおよび第二リング部材59aを同時に操作してシース54およびステントプッシャ55をアプリケータ本体51に対して後退させておく。ただし、第一リング部材58aについては、第二リング部材59aに最も近いところに配置しておく。この状態では、組織締付具10Aを内部に挿入された刺入具52は、その先端がステント30Aの内部に配置されるまで、シース54の内側に引き込まれている。
内視鏡2の作業用チャンネルにアプリケータ50の挿入部60を挿入して前進させ、アプリケータ50を内視鏡2に固定する。これにより、挿入部60の先端を、内視鏡2の挿入部4の先端から突き出させる。そして、突き出した挿入部60の向きを起上台7によって調整する。
内視鏡2に設けられた超音波装置6を使って十二指腸Dd越しに総胆管Cbを走査し、刺入具52を総胆管Cbに刺入する位置を決める。そして、図9に示すように、雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51に押し込み、刺入具52の先端をシース54の先端に取り付けられたステント30Aの先端から突き出させる。これにより、刺入具52の鋭利な先端が、十二指腸Ddの腸壁Wdに内側から外側に向けて刺し通され、続いて総胆管Cbの管壁Wcに外側から内側に向けて刺し通される。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。
図10に示すように、レバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。例えば、レバー63を決まった回数だけ操作する。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの第二組織固定部12が押し出される。第二組織固定部12は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、総胆管Cbの管壁Wcの内側に掛止する。
雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51から少し引き出し、刺入具52のステント30Aの先端からの突出長を短くする。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。これにより、刺入具52の先端が十二指腸Ddの腸壁Wdの内側面から少し離間する。
図11に示すように、再びレバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。例えば、レバー63を決まった回数だけ操作する。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの繋ぎ部13および第一組織固定部11が押し出される。第一組織固定部11は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、十二指腸Ddの腸壁Wdの内側に掛止する。
組織締付具10Aは、刺入具52から押し出されると、第一組織固定部11に掛止された十二指腸Ddの腸壁Wdと第二組織固定部12に掛止された総胆管Cbの管壁Wcとを互いに押し付け合うようにして、十二指腸Ddと総胆管Cbとを締め付ける。
図12に示すように、第二シャフト62を少し引いてスタイレット53の先端を刺入具52の内側に格納する。そして、雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aを再びアプリケータ本体51に押し込み、刺入具52の先端をステント30Aの先端から突き出させる。これにより、刺入具52の鋭利な先端が、組織締付具10Aの内側の十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに刺し通される。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。さらにレバー63を操作して第二シャフト62を第一シャフト56aにすべて押し込む。これにより、スタイレット53の滑らかな先端が刺入具52の鋭利な先端から突き出すので、刺入具52の鋭利な先端が不用意に周囲の組織を傷つける心配がない。
図13に示すように、雄ネジ76を緩め、第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させる。これにより、シース54およびステントプッシャ55の、アプリケータ本体51に第一シャフト56aを介した固定された状態における刺入具52との相対位置が変化し、刺入具52に沿ってステント30Aが押推される。そして、ステント30Aの拡張部31が、組織締付具10Aの内側から十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに、刺入具52によって先んじて開設された穿孔を押し広げるようにしながら刺し通される。拡張部31が十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通すると、ステント30Aは、留置部32を腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に配置され、拡張部31を総胆管Cbの内側に突き出させ、抜け防止部33を十二指腸Ddの内側に残した状態で、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置される。ステント30Aを留置したら、雄ネジ76を締めて第二リング部材59aをアプリケータ本体51に固定する。
図4に示すピン77をアプリケータ本体51に押し込みながら、図14に示すように、第一リング部材58aをアプリケータ本体51の後端に向けて移動させる。このとき、第二リング部材59aはアプリケータ本体51に固定されているので、シース54のステントプッシャ55との相対位置が変化し、シース54が手元側に引っ張られる。ところが、ステント30Aはステントプッシャ55の先端面に当接しているので、定位置に留まろうとする。そのため、シース54の先端が弾性変形し、ステント30Aの突起33aがシース54の小孔54aから外れる。突起33aが小孔54aから外れると、シース54の先端はステントプッシャ55に引き込まれる。これにより、ステント30Aがアプリケータ50の挿入部60の先端から離脱する。
雄ネジ61を緩め、第一シャフト56aをアプリケータ本体51から引き出し、刺入具52の先端をシース54の先端に引き込む。そして、雄ネジ61を締めて第一シャフト56aをアプリケータ本体51に固定する。続いて、内視鏡2からアプリケータ50を取り外す。以上で組織締付具10Aによる十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcの締め付け、ならびにステント30Aの十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcの内部への留置を終える。その結果、十二指腸Ddと総胆管Cbとがステント30Aの貫通孔34を通じて連通し、胆汁が総胆管Cbから十二指腸Ddに排出される。
組織締付具10Aが生体内に留置されると、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcが組織締付具10Aによって圧迫され、組織締付具10Aの内側の生体組織が虚血状態になる。虚血状態が続くと、生体組織が壊死を起こす。一方、組織締付具10Aの外側では、腸壁Wdと管壁Wcとが組織締付具10Aの全周にわたって癒着する。その結果、壊死した生体組織は組織締付具10Aおよびステント30Aとともに腸壁Wdおよび管壁Wcから脱落してしまう。組織締付具10Aおよびステント30Aは後に排泄される。壊死した生体組織が脱落した腸壁Wdおよび管壁Wcには、吻合孔が形成される。この吻合孔を通じて、十二指腸Ddと総胆管Cbとが連通し、胆汁が総胆管Cbから十二指腸Ddに排出される。吻合孔の周囲は全周にわたって癒着しているので、胆汁が腸壁Wdと管壁Wcとの間から腹腔に漏れ出すことはない。
アプリケータ50によれば、レバー63を軽く握るように操作するだけで、組織締付具10Aを刺入具52から簡単に、かつ正確に押し出すことができる。また、ステント30Aを、シース54の先端から、適切なタイミングで分離させることができる。その結果、組織締付具10Aおよびステント30Aを、生体内の所望の位置に、適切に留置することができる。
また、アプリケータ50によれば、シース54およびステントプッシャ55を使ってステント30Aを十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに押し付けるとき、刺入具52が定位置に保持されて動かないので、刺入具52によって不意に臓器を傷つけることがなく、安全である。
次に、刺入具52の先端から押し出される組織締付具10Aの挙動について説明する。
組織締付具10Aは、まず、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通した刺入具52の先端から、第二組織固定部12だけを突き出すように押し出される。第二組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程で、当初のコイル形に逐次形状を復帰させ、総胆管Cbの管壁Wcに掛止する。
第二組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程で、自らの形状を当初のコイル形に復帰させようとする力を生じる。この力が総胆管Cbの管壁Wcに作用することによって、組織締付具10Aがスタイレット53の押出量以上に総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことがある。ところが、組織締付具10Aには、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に繋ぎ部13が設けられており、かつ第二組織固定部12と繋ぎ部13との間に屈曲部15が形成されている。これにより、第二組織固定部12がすべて押し出されてしまうと、図10に示すように、第二組織固定部12は、刺入具52の先端から押し出される過程とは、軌道を変化させる。組織締付具10Aの屈曲部15が刺入具52の先端から押し出されると、刺入具52による拘束を解かれた第二組織固定部12が、屈曲部15の角度に依存して向きを変化させるためである。第二組織固定部12の向きが変化すると、第二組織固定部12が自らの形状を当初のコイル形に復帰させようとする力を生じても、その力が総胆管Cbの管壁Wcに作用しなくなるので、組織締付具10Aがスタイレット53の押出量以上に総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことはない。
その後、組織締付具10Aは、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcから抜き出された刺入具52の先端から、残っていた第一組織固定部11まですべて押し出される。第一組織固定部11は、刺入具52の先端から押し出される過程で、当初のコイル形に逐次形状を復帰させ、十二指腸Ddの腸壁Wdに掛止する。
第一組織固定部11が十二指腸Ddの腸壁Wdに掛止し、第二組織固定部12が総胆管Cbの管壁Wcに掛止することにより、腸壁Wdと管壁Wcとが締め付けられる。繋ぎ部13は、締め付けられた腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に留置される。第一組織固定部11と第二組織固定部12との間には隙間Gが設けられているので、腸壁Wdと管壁Wcとが、均等な力で互いに押し付け合うように締め付けられる。
繋ぎ部13の第一組織固定部11に対する角θ1の大きさ、および繋ぎ部13の第二組織固定部12に対する角θ2の大きさは、いずれも45°以下であることが好ましい(図3参照)。角θ1,θ2の大きさが45°よりも大きければ、組織締付具10Aを刺入具52の先端から押し出す過程で、角θ1をなす屈曲部14や、角θ2をなす屈曲部15が刺入具52の内面に接し、強い摩擦力を生じてしまう。そのため、組織締付具10Aを刺入具52から滑らかに押し出すことが困難になる。
第一組織固定部11と第二組織固定部12との間の隙間Gの大きさは、15ミリメートル以下であることが好ましい。隙間Gの大きさが15ミリメートル以下であれば、内視鏡2を使ってアプローチすることができる臓器のほぼすべてにおいて、アプリケータ50を用いて生体組織を固定することが可能である。
ただし、処置すべき器官の肉厚や、個々の患者の特徴に応じて任意に選択できるように、組織締付具10Aには、隙間Gの大きさが異なるものが複数種類用意されている。これらを適切に選択して使用すると、様々な状況において適切な処置を行うことができる。
組織締付具の構造は、上記実施形態において説明したものに限らない。例えば、図15に示す組織締付具10Bにおいては、その本体(すなわち線材10)とは別に、第一組織固定部11と第二組織固定部12との連結部分に、ストッパ16が設けられている。ストッパ16は、組織締付具10Bの本体よりも径の大きな管部材16aからなり、内側に線材10を挿通され、第一組織固定部11と第二組織固定部12との連結部分に配置されたうえで、内側に接着剤を充填されることにより、線材10に固定されている。ストッパ16は、十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Bが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことを防止する。
なお、管部材16aを金属などの塑性変形が容易な材料で製作し、その管部材16aをカシメることによって線材10に固定してもよい。
図16に示す組織締付具10Cには、線材10とは別の、コイル形に巻かれた別の線材(支持線材)17がさらに設けられている。線材17は、一端を管部材16aに挿入され、管部材16aに充填された接着剤によって線材10に固定されている。線材17は、管部材16aとともに、十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Cが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことを防止する。
なお、管部材16aを金属などの塑性変形が容易な材料で製作し、その管部材16aをカシメることによって線材17を線材10に固定してもよい。また、図17に示すように、管部材16aを廃し、線材17の一端を線材10に溶接することによって線材17を線材10に固定してもよい。
図18に示すように、線材17を、組織締付具10Cの本体に、線材17の内側に線材10を通すように配置したうえで、線材17の一端を線材10に固定してもよい。また、図19に示すように、線材17を、線材10に沿わせるように配置したうえで、線材17の一端を線材10に固定してもよい。
線材17は、コイル形に巻かれた形状をなす必要はない。例えば、図20に示すように、フックのような形状をなしていてもよい。
図21に示す組織締付具10Dにおいては、第一組織固定部11をなす線材の外径が、第二組織固定部12をなす線材の外径よりも大きい。これにより、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に、ストッパ16としての段差18が形成されている。この段差18が十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Dが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことを防止する。
図22に示す組織締付具10Eにおいては、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に位置する線材が、第一組織固定部11および第二組織固定部12とは逆方向に1周巻かれたコイル状をなしている。これにより、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に、ストッパ16としてのコイル部19が形成されている。このコイル部19が十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Eが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことを防止する。
なお、図23に示すように、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に位置する線材を、第一組織固定部11および第二組織固定部12とは逆方向に屈曲させることにより、第一組織固定部11および第二組織固定部12から突き出した部分を形成してもよい。これにより、第一組織固定部11と第二組織固定部12との間に、ストッパ16としての突起20が形成される。
図24に示す組織締付具10Fは、線材10とは別に、第一組織固定部11と第二組織固定部12との連結部分に、ストッパ16としての環部材21をさらに備えている。環部材21は、例えばゴムなどの伸縮性のある弾性材料からなり、線材10を内側に通され、線材10との間の摩擦によって線材10に取り付けられている。この環部材21が十二指腸Ddの腸壁Wdに係止して、組織締付具10Fが総胆管Cbの内側に引き込まれてしまうことを防止する。
環部材21は、当初、線材10には取り付けられておらず、図25に示すように、刺入具52の先端の外側に、自らの弾性力によって刺入具52の先端を締め付けるようにして装着されている。十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通した刺入具52の先端から、第二組織固定部12を押し出し、続いて十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcから刺入具52の先端を抜き出す。その後、図26に示すように、刺入具52に対してシース54を移動させ、刺入具52の先端に装着された環部材21を刺入具52の前方に押し出す。これにより、環部材21は収縮して線材10に密着し、線材10との間の摩擦によって線材10に取り付けられる。
次に、組織締付具10Aに締め付けられた十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置されるステント30Aの挙動について説明する。
第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させると、ステント30Aは刺入具52に沿って押推され、拡張部31の先端が、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに押し付けられる。拡張部31は、先端から後端に向けて拡径する円錐状をなしているので、腸壁Wdおよび管壁Wcに押し付けられると、刺入具52によって先んじて開設された穿孔を押し広げながら前進し、腸壁Wdおよび管壁Wcを貫通する。拡張部31が腸壁Wdおよび管壁Wcを貫通すると、留置部32が腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に配置される。ステント30Aは、総胆管Cbから十二指腸Ddへの抜けを拡張部31の返しによって防止されるとともに、十二指腸Ddから総胆管Cbへの抜けを抜け防止部33によって防止される。
ステントの形態は、上記実施形態において説明したものに限らない。例えば、図27に示すステント30Bにおいては、先端から後端に向けて滑らかに拡径する拡張部31の周囲の先端から後端にかけての一部に、螺旋状に起伏する雄ネジ部35が形成されている。
拡張部31に雄ネジ部35が形成されたステント30Bを十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置するには、雄ネジ82を緩めたうえで、第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させながら、内視鏡2に固定された口金80に対してアプリケータ本体51を雄ネジ部35の螺入方向に回転させる。アプリケータ本体51を回転させると、ステント30Bもアプリケータ本体51とともに回転し、拡張部31が雄ネジ部35の働きによって腸壁Wdおよび管壁Wcの内部に積極的に進入する。拡張部31が腸壁Wdおよび管壁Wcを貫通した後は、雄ネジ部35によってステント30Bの腸壁Wdおよび管壁Wcからの抜けが確実に防止される。
なお、雄ネジ部35は、図28に示すように、留置部32にも連続して形成されていてもよいし、図29に示すように、雄ネジ部35は、拡張部31から留置部32にかけて同径をなすように形成されていてもよい。留置部32にも雄ネジ部35が形成されることにより、ステント30Bの腸壁Wdおよび管壁Wcからの抜けがより確実に防止される。
また、拡張部31や留置部32に形成される起伏は、雄ネジ部35に限らない。例えば、ベローズ状の規則的な突起であってもよいし、後述する開削部37のような不規則な形状であってもよい。
図30に示すステント30Cにおいては、先端から後端に向けて滑らかに拡径する拡張部31の周囲に、その中間部から後端に向けて鋭利な稜線36が設けられている。拡張部31には、ステント30Cの長手方向に沿って複数の溝36aが形成されており、稜線36は、溝36aの内面と拡張部31の外周面とが当接する部分に形成されている。
第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させると、ステント30Cは刺入具52に沿って押推され、拡張部31の先端が、十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに押し付けられる。拡張部31は、鋭利な稜線36によって腸壁Wdおよび管壁Wcの生体組織を切り裂きながら前進し、腸壁Wdおよび管壁Wcを貫通する。これにより、拡張部31が十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通し易くなる。
稜線36の始端は、拡張部31の外径がほぼ2ミリメートルになる部分に位置し、稜線36はこの部分よりも後方に形成される。稜線36の始端が、拡張部31の外径がほぼ2ミリメートルよりも大きい部分(図30のDm部分)に位置すると、拡張部31の稜線36が形成されていない部分を生体組織に押し込むために必要な力が大きくなり、結果的に拡張部31が十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通し難くなる。
図31に示すステント30Dにおいては、先端から後端に向けて滑らかに拡径する拡張部31の周囲に、その中間部から後端に向けて開削部37が設けられている。開削部37には、その中間部から留置部32にかけて大径部38が設けられており、この大径部38に、ステント30Dの長手方向に沿って切欠部38aが形成されている。切欠部38aと大径部38の外周面とが当接する部分には、鋭利な稜線38bが形成される。
第一リング部材58aおよび第二リング部材59aをアプリケータ本体51の先端に向けて移動させながら、内視鏡2に固定された口金80に対してアプリケータ本体51を開削部37の開削方向に回転させると、ステント30Dもアプリケータ本体51とともに図中の矢印方向に回転し、拡張部31が、開削部37の鋭利な稜線38bによって生体組織を切り裂きながら前進し、腸壁Wdおよび管壁Wcを貫通する。これにより、拡張部31が十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcを貫通し易くなる。
図32に示すステント30Eにおいては、留置部32に、狭窄部40が形成されている。これにより、ステント30Eの腸壁Wdおよび管壁Wcからの抜けがより確実に防止される。
なお、狭窄部40は、図32のようなくびれに限らない。例えば、図33に示すように、留置部32の一部の径を細くしたものであってもよい。
図34に示すステント30Fにおいては、拡張部31の周囲に、複数の突起41が等間隔を空けて形成されている。これにより、ステント30Fの腸壁Wdおよび管壁Wcからの抜けがより確実に防止される。
なお、突起41の形状や数は特に限定されない。例えば、図35および図36に示す様々な形状の突起42、43を、拡張部31に設けてもよい。
図37に示すステント30Gにおいては、拡張部31に、その表面から貫通孔34に通じる小孔44が形成されている。ステント30Gが十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置されると、胆汁が貫通孔34の総胆管Cb側の一端からだけでなく、小孔44を通じて貫通孔34に流れ込むので、ステント30Gを介した胆汁の流れが促進される。
なお、小孔44の形状や数は特に限定されない。例えば、図38に示す形状の小孔45を拡張部31に形成してもよい。
図39に示すステント30Hにおいては、留置部32に、その表面から貫通孔34に通じる小孔46が形成されている。ステント30Hが十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに留置されると、貫通孔34を流れる胆汁が、腸壁Wdおよび管壁Wcの組織締付具10Aに囲まれた範囲に、小孔46を通じて接触する。組織締付具10Aによって締め付けられた腸壁Wdおよび管壁Wcは、組織締付具10Aに沿って全周にわたって癒着し、瘻孔(fistula)を形成するが、治癒に向かう過程で胆汁にふれると炎症を起こす。これにより、腸壁Wdと管壁Wcとの癒着が促進される。
なお、小孔46の形状や数は特に限定されない。例えば、図40および図41に示す形状の小孔47、48を留置部32に形成してもよい。また、図37から図41に示す小孔は、図27から図36に示すステントに組み合わせることが可能である。
本実施形態においては、シース54の先端に小孔54aが形成され、ステント30Aに小孔54aに係合可能な突起33aが形成されている。これに代えて、図42に示すように、シース54の先端に、ベローズ部54bを設け、ステント30A(ステント30B〜30Hを含む)の内周面にも同様のベローズ状の突起33bを形成してもよい。ベローズ部54bと突起33bとを噛み合わせるように係合させることにより、シース54の先端にステント30Aを着脱可能に取り付けることができる。
アプリケータの構造は、上記実施形態において説明したものに限らない。例えば、図43に示すアプリケータにおいては、スタイレット53の先端に、スタイレット53の他の部分と比較して柔らかい柔軟部90が設けられている。すなわち、スタイレット53の先端には、スタイレット53よりも細い芯金91が、前方に突き出すように接続されている。芯金91のまわりに、芯金91を内側に通すようにして、金属製または樹脂製の柔軟なコイル92が配設されている。コイル92の外径は、スタイレット53の外径にほぼ等しく、コイル92の外周面はスタイレット53の外周面に滑らかに繋がっている。芯金91の先端には、コイル92の先端を塞ぐようにして、閉塞チップ93が固定されている。閉塞チップ93の先端面93aは滑らかに形成されている。
例えば、ステント30Aを腸壁Wdおよび管壁Wcに留置するとき、スタイレット53の柔軟部90を刺入具52の鋭利な先端から突き出させておく。これにより、柔軟部90が周囲の組織に当たっても、芯金91およびコイル92がたわんで柔軟部90が変形するので、刺入具52の鋭利な先端が不用意に周囲の組織を傷つける心配がない。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態について説明する。なお、上記第一の実施形態において既に説明した構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の組織締付装置S2は、図44に示すように、組織締付具10A(不図示)と、ステント30Aと、アプリケータ100と、を備えている。アプリケータ100のスタイレット操作部101は、第一シャフト56aの後端からその内部に挿入された円筒状の第二シャフト62と、刺入具52を支持する第一シャフト56aの後端に同シャフトの長手方向の軸線を中心に回転可能に支持されたグリップ102とを備えている。グリップ102には、第一シャフト56aの長手方向に貫通する貫通孔102aが形成されており、この貫通孔102aに第二シャフト62が通されている。
図45に示すように、第二シャフト62の外周面には、第二シャフト62の長手方向の軸線に平行な平面103が、第二シャフト62の先端から後端にかけて形成されている。そのため、第二シャフト62の長手方向に直交する断面の形状は、一部が直線的に切り欠かれた円形をなしている。一方、第二シャフト62を挿入される第一シャフト56aの内側には、第一シャフト56aの長手方向の軸線に平行な平面104が形成されている。そのため、第一シャフト56aの内側空間の断面形状は、第二シャフト62と同様に、一部が直線的に切り欠かれた円形をなしている。第二シャフト62が平面103と平面104とを向かい合わせるようにして第一シャフト56aの内側に挿入されると、第一シャフト56aに対して第二シャフト62の長手方向の軸線を中心とする回転が規制される。
加えて、第二シャフト62の外周面には、第二シャフト62の先端から後端にかけてネジ山105が形成されている。一方、グリップ102の貫通孔102aの内面には、ネジ山105を係合されるネジ溝106が形成されている。グリップ102を一方に回転させると、グリップ102のネジ溝106にネジ山105を係合させた第二シャフト62が第一シャフト56aに押し込まれる。グリップ102を他方に回転させると、第二シャフト62が第一シャフト56aから抜き出される。
グリップ102一回転あたりの第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長は一定である。したがって、グリップ102を回す回数に応じて、第二シャフト62の第一シャフト56aへの挿入長、すなわちスタイレット53の刺入具52への挿入長を制御することが可能である。これは、グリップ102を回す回数に応じて、刺入具52の先端から押し出される組織締付具10Aの長さを制御することが可能であることを意味する。
ここで、本実施形態のように、組織締付具10Aがコイル形をなすときは、グリップ102一回転あたりのスタイレット53の挿入長は、組織締付具10Aの円周のほぼn倍、もしくはほぼn分の1倍(nは自然数)であることが好ましい。例えば、グリップ102一回転あたりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周にほぼ等しければ、グリップ102を一回転させる度に、組織締付具10Aが一巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、グリップ102を二回転させれば、第二組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。また、グリップ102一回転あたりのスタイレット53の挿入長が、組織締付具10Aの円周の二分の一にほぼ等しければ、グリップ102を一回転させる度に、組織締付具10が半巻き分だけ刺入具52の先端から押し出されることになる。さらに、第二組織固定部12が組織締付具10A二巻き分だとすれば、グリップ102を四回転させれば、第二組織固定部12だけを刺入具52の先端から押し出すことが可能である。
上記のように構成された組織締付装置S2を用いて、上記第一の実施形態と同様に、十二指腸に総胆管を固定して両者を連通させる手技を行う際には、刺入具52の鋭利な先端を十二指腸Ddの腸壁Wdおよび総胆管Cbの管壁Wcに刺し通した後、グリップ102を一方に所定の回数だけ回転させて第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの第二組織固定部12が押し出される。第二組織固定部12は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、総胆管Cbの管壁Wcの内側に掛止する。
刺入具52の先端を十二指腸Ddの腸壁Wdの内側面から少し離間させた後、再びグリップ102を一方に所定の回数だけ回転させて第二シャフト62を第一シャフト56aに所定量押し込む。これにより、スタイレット53が刺入具52との相対位置を変化させ、刺入具52の先端から組織締付具10Aの繋ぎ部13および第一組織固定部11が押し出される。第一組織固定部11は、刺入具52から押し出されると、元のコイル形に復帰し、十二指腸Ddの腸壁Wdの内側に掛止する。
アプリケータ100によれば、グリップ102を一方に回転させるだけで、組織締付具10Aを刺入具52から簡単に、かつ正確に押し出すことができる。また、ステント30Aを、シース54の先端から、適切なタイミングで分離させることができる。その結果、組織締付具10Aおよびステント30Aを、生体内の所望の位置に、適切に留置することができる。
本発明の組織締付装置の第一の実施形態を示す図であって、同装置を構成する組織締付具、ステントおよびアプリケータの内部構造を示す断面図である。 上記組織締付装置を構成する組織締付具を示す斜視図である。 上記組織締付具を図2とは異なる方向から見た平面図である。 上記アプリケータに具備される第一、第二リング部材の、同装置内部における配置を示す図であって、上半分は第一、第二リング部材をアプリケータ本体の先端に寄せて配置した状態、下半分は第一、第二リング部材をアプリケータ本体の後端に寄せて配置した状態を示す断面図である。 上記第一リング部材を上記第二リング部材に拘束するためのピンの構造を示す断面図である。 アプリケータの挿入部を内視鏡の作業用チャンネルに挿入した状態を示す図である。 内視鏡の挿入部を十二指腸に挿入した状態を示す図である。 総胆管を十二指腸に固定して両器官を連通する手技を行う際の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 同手技の各工程におけるアプリケータの使用状態を示す断面図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 組織締付具の他の形態を示す図である。 図24に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 図24に示す組織締付具を装着する手順を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 ステントの他の形態を示す図である。 シースとステントとの固定部の他の形態を示す断面図である。 アプリケータの他の形態を示す図である。 本発明の組織締付装置の第二の実施形態を示す図であって、同装置を構成する組織締付具、ステントおよびアプリケータの内部構造を示す断面図である。 図44に示すアプリケータのX−X線に沿う断面図である。
符号の説明
10 高弾性金属線材(線材)
10A、10B、10C,10D、10E、10F 組織締付具
11 第一組織固定部
12 第二組織固定部
13 繋ぎ部
14、15 屈曲部
16 ストッパ
16a 管部材
17 線材(支持線材)
19 コイル部(ストッパ)
20 突起(ストッパ)
21 環部材
30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30H ステント
31 拡張部
32 留置部
33 抜け防止部
33a 突起(取付部)
34 貫通孔
44、45 小孔
46、47、48 小孔
50、100 アプリケータ
52 刺入具
53 スタイレット(締付具プッシャ)
54 シース
54a 小孔(取付部)
55 ステントプッシャ
57、101 スタイレット操作部(締付具プッシャ操作部)
63 レバー
65 リンク機構
93a 先端面
102 グリップ
G 隙間
S1、S2 組織締付装置

Claims (24)

  1. 第一の生体組織と第二の生体組織とを締め付ける組織締付具であって、
    コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり前記第一の生体組織に掛止する第一の組織固定部と、
    コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり前記第二の生体組織に掛止する第二の組織固定部と、
    前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との連結部分に設けられ、前記第一、第二の生体組織のいずれか一方に接して前記組織締付具の前記一方から他方への抜けを阻止するストッパと、
    を備え
    前記ストッパは、前記第一の生体組織側で前記第一の組織固定部がコイル状に復元できるように、前記第二の組織固定部がコイル状に復元する際に生じる力による前記第一の組織固定部における前記線材の軸方向での移動に応じて、前記第一の生体組織に掛止される
    組織締付具。
  2. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記ストッパは、前記線材を内側に通された管部材である組織締付具。
  3. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    前記ストッパは、前記第一、第二の組織固定部から枝分かれした支持線材である組織締付具。
  4. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    記ストッパが、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり、
    前記ストッパは、前記第一、第二の組織固定部とは逆に巻かれたコイル状をなしている組織締付具。
  5. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    記ストッパが、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり、
    前記ストッパは、前記第一、第二の組織固定部とは逆に屈曲された突状をなしている組織締付具。
  6. 請求項1に記載の組織締付具であって、
    記ストッパが、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり、
    前記ストッパは、前記線材を内側に通される環部材であり、前記線材との間の摩擦によって前記線材に固定されている組織締付具。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の組織締付具を内部に挿入される管状の刺入具と、
    前記刺入具に挿入され、前記刺入具に挿入された前記組織締付具を前記刺入具の先端から押し出す締付具プッシャと、
    前記刺入具が内側に挿入され、前記刺入具に対して軸線方向に相対移動可能なシースと、
    を備えるアプリケータ。
  8. 請求項7に記載のアプリケータであって、
    前記締付具プッシャを前記刺入具に対して相対的に移動させる締付具プッシャ操作部をさらに備えるアプリケータ。
  9. 請求項8に記載のアプリケータであって、
    前記締付具プッシャ操作部は、
    前記刺入具を支持する部材に揺動可能に取り付けられたレバーと、
    前記レバーの揺動を前記締付具プッシャの前記刺入具に沿う直線的な運動に変換するリンク機構とを有するアプリケータ。
  10. 請求項9に記載のアプリケータであって、
    前記組織締付具がコイル形をなすとき、前記レバーの操作一回当たりの前記締付具プッシャの移動距離は、前記組織締付具の円周のほぼn倍、もしくはほぼn分の1倍(nは自然数)であるアプリケータ。
  11. 請求項8に記載のアプリケータであって、
    前記締付具プッシャ操作部は、
    アプリケータ本体に回転可能に取り付けられたグリップと、
    前記グリップの回転を前記締付具プッシャの前記刺入具に沿う直線運動に変換するリンク機構とを有するアプリケータ。
  12. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記組織締付具がコイル形をなすとき、前記グリップの一回転当たりの前記締付具プッシャの移動距離は、前記組織締付具の円周のほぼn倍、もしくはほぼn分の1倍(nは自然数)であるアプリケータ。
  13. 請求項7に記載のアプリケータであって、
    前記シースの先端に、ステントが着脱可能に取り付けられ
    前記ステントは、
    先端から後端に向けて拡径する拡張部と、
    前記拡張部の後方に配設された留置部と、
    前記拡張部および前記留置部を長手方向に貫通する貫通孔と、
    を備え、
    前記拡張部は、事前に形成された生体組織の穿孔に押し込まれることにより前記穿孔を拡張しながら前記生体組織を貫通し、
    前記留置部は、前記拡張部が前記生体組織を貫通した後、前記拡張部によって拡張された穿孔内に留置可能に形成されている
    アプリケータ。
  14. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記拡張部は、先端から後端に向けて滑らかに拡径する円錐形状をなし、
    前記拡張部の周囲には、先端から後端にかけての少なくとも一部に起伏が形成されているアプリケータ。
  15. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記拡張部に、その表面から前記貫通孔に通じる小孔が形成されているアプリケータ
  16. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記留置部の周囲に、前記拡張部から連続するように起伏がさらに形成されているアプリケータ
  17. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記留置部に、その表面から前記貫通孔に通じる小孔が形成されているアプリケータ
  18. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記留置部の後方に配設され、前記生体組織からのステントの抜けを防止する抜け防止部をさらに備えるアプリケータ
  19. 請求項1に記載のアプリケータであって、
    前記ステントを前記生体組織に刺し入れるためのシースの先端に着脱可能に取り付けるための取付部をさらに備えるアプリケータ
  20. 請求項3に記載のアプリケータであって、
    前記シースの先端に、前記ステントを前記シースの先端に着脱可能に取り付けるための取付部が設けられているアプリケータ。
  21. 請求項20に記載のアプリケータであって、
    前記シースの先端に取り付けられた前記ステントを前記シースから離脱させるステントプッシャをさらに備えるアプリケータ。
  22. 請求項7に記載のアプリケータであって、
    前記締付具プッシャの先端面が、滑らかに形成されている。
  23. 請求項22に記載のアプリケータであって、
    前記先端面を含む前記締付具プッシャの頭部が柔軟である。
  24. コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり第一の生体組織に掛止する第一の組織固定部と、コイル状に巻かれた高弾性の線材からなり第二の生体組織に掛止する第二の組織固定部と、前記第一の組織固定部と前記第二の組織固定部との連結部分に設けられ、前記第一、第二の生体組織のいずれか一方に接して前記組織締付具の前記一方から他方への抜けを阻止するストッパと、を有し前記ストッパが、前記第一の生体組織側で前記第一の組織固定部がコイル状に復元できるように、前記第二の組織固定部がコイル状に復元する際に生じる力による前記第一の組織固定部における前記線材の軸方向での移動に応じて、前記第一の生体組織に掛止される組織締付具と、
    先端から後端に向けて拡径する拡張部と、前記拡張部に連続する留置部と、前記拡張部および前記留置部を長手方向に貫通する貫通孔とを有するステントと、
    前記組織締付具を内部に挿入される管状の刺入具と、前記刺入具に挿入され、前記刺入具に挿入された前記組織締付具を前記刺入具の先端から押し出す締付具プッシャと、前記刺入具を内側に挿入され、先端に着脱可能に取り付けられた前記ステントを前記刺入具に対して相対的に移動させるシースとを有するアプリケータと、
    を備える組織締付装置。
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