JPH07308331A - 体内の管腔閉塞用器具 - Google Patents

体内の管腔閉塞用器具

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JPH07308331A
JPH07308331A JP6106386A JP10638694A JPH07308331A JP H07308331 A JPH07308331 A JP H07308331A JP 6106386 A JP6106386 A JP 6106386A JP 10638694 A JP10638694 A JP 10638694A JP H07308331 A JPH07308331 A JP H07308331A
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JP
Japan
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coil
shape
lumen
memory alloy
shape memory
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JP6106386A
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English (en)
Inventor
Hirohiko Shiraishi
裕比湖 白石
Masayoshi Yanagisawa
正義 柳沢
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 開存した動脈管等の人体の管腔器管を手術に
よることなく、閉塞できるようにしたこと。 【構成】 両端にリング2が形成され、かつ体温程度の
設定温度で、両端部分が中央部分に向かって、円錐コイ
ル状または渦巻きコイル状に回復する形状記憶合金コイ
ル1からなることを特徴とする体内の管腔閉塞用器具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば先天的に開存し
た動脈管などの人体の管腔器管を閉鎖するために使用す
る体内の管腔閉塞用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体の体壁穴の例としては、本来閉鎖し
ているべき大動脈と肺動脈の間にある先天性心奇形のー
つである動脈管開存部の穴などがある。この動脈管開存
は、発見されればすみやかに(多くは乳幼児期に)手術
などにより治療する必要がある。
【0003】動脈管開存の治療は従来、管腔を開胸手術
によって外側から結紮あるいは切離により閉鎖する方法
がとられてきた。手術は確実であるが開胸が必要なた
め、全身麻酔が必要で侵襲が大きく、反回神経麻痺や術
後感染症など危険が高いという欠点があった。そこで動
脈管開存をカテーテルを用いて血管内腔に治具を留置し
て血流を遮断する、手術によらない治療法がRushk
indらによって開発された。このRushkindら
によって開発された治具では治療術施行後も残存短絡を
残し、完全に治療し得ないという欠点がある。
【0004】国内ではこのRushkindの動脈管閉
塞栓を用いて試験的に約30例の臨床研究が成されたが
残存短絡が30%程度に認められ、完治するのは約70
%と報告されている。また閉鎖栓が開存した動脈管に適
切に留置できずに肺動脈に脱落するなどの合併症が報告
されている。欧米ではこのカテーテルを用いた動脈管開
存の治療法が盛んに行われているが、国内と同様の問題
点(残存短絡や合併症)が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題点を解決する手段として、ー体型スプリングにより
作製されたコイルを体腔内に挿入して患部の穴を閉塞す
る方法が、複雑な形状をしたRushkindの動脈管
閉塞治具より安全で効果が高いという点で優れていると
考えた。しかし、体腔内の穴に閉塞治具として適するに
は、穴の壁に引っ掛かり固定しやすい形状と大きさにす
る必要がある。しかし、このような形状と大きさにする
と治具を体腔内に挿入して固定する操作が極めて困難に
なる。この体腔内で穴に固定しやすい形状と大きさがあ
り、なおかつ挿入して固定する操作がしやすいという二
つの性質を兼ね備えている必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題を
解決するために、挿入時には挿入に適した形状であり、
患部を閉塞する時には閉塞に適した別の形状に体内で変
化させるものが良い。このため温度により形状が変化す
る形状記憶合金からなる器具を開発したものである。す
なわち本発明は両端にリングが形成され、かつ体温程度
の設定温度で、両端部分が中央部分に向かって、円錐コ
イル状に回復する形状記憶合金コイルからなることを特
徴とする体内の管腔閉塞用器具を請求項1とし、両端に
リングが形成され、かつ体温程度の設定温度で、両端部
分が渦巻きコイル状で中央部分が直線状或いは螺旋状に
回復する、形状記憶合金コイルからなることを特徴とす
る体内の管腔閉塞用器具を請求項2とし、前記の形状記
憶合金コイルの中央部分を、直線状或いは螺旋状に形成
したことを特徴とする請求項1記載の体内の管腔閉塞用
器具を請求項3とし、前記の形状記憶合金コイルの形状
回復温度を、18〜35℃としたことを特徴とする請求
項1または請求項2記載の体内の管腔閉塞用器具を請求
項4とし、前記の形状記憶合金コイルの合金組成を、N
i50.5〜52.0at%,Ti49.5〜48.0
at%のNi−Ti合金としたことを特徴とする請求項
1または2記載の体内の管腔閉塞用器具を請求項5と
し、前記の形状記憶合金コイルの合金組成を、Ni5
0.5〜52.0at%,Ti49.5〜48.0at
%のNiまたは/およびTiのー部をV,Cr,Fe,
Co,Cu,Nb,Pdの何れか1種または2種以上を
0.01〜0.5at%の範囲で置換したNi−Ti系
合金としたことを特徴とする請求項1または2記載の体
内の管腔閉塞用器具を請求項6とし、前記の形状記憶合
金コイルを形成する線材の線径を、0.1〜0.7mmと
したことを特徴とする請求項1または2記載の体内の管
腔閉塞用器具を請求項7とし、前記の形状記憶合金コイ
ルの両端部の底面の直径を、5〜15mmとしたことを特
徴とする請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具
を請求項8とし、前記の形状記憶合金コイルの全長を、
5〜25mmとしたことを特徴とする請求項1または2記
載の体内の管腔閉塞用器具を請求項9とし、前記の形状
記憶合金コイルの両端に形成するリングの周長を、2〜
15mmとしたことを特徴とする体内の管腔閉塞用器具を
請求項10とし、前記の形状記憶合金コイルを形成する
線材の表面粗さを、1μm以上としたことを特徴とする
請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具を請求項
11とするものである。
【0007】
【作用】本発明は上記のように、両端部分が中央部分に
向かって円錐コイル状または両端部分が渦巻きコイル状
で中央部分が直線状に或いは螺旋状に、体温において回
復する形状記憶合金コイルを体内の管腔閉塞用器具とし
たもので、形状記憶合金コイル(以下単にコイルと云
う)が常温(18℃未満)ではゆるい螺旋状であるた
め、管腔(静脈)に挿入する際、大きな皮膚切開を必要
としない。従って、股静脈から挿入する際、コイルを螺
旋状としてカテーテルに巻き付け、ガイドワイヤーを使
用することによりガイディングシースを介して患部まで
進め、コイルの中心が動脈管に重なったところでガイド
ワイヤーを抜き去り、体温で形状を回復させ動脈管の大
動脈側と肺動脈側に、それぞれの穴の壁に引っ掛かり固
定される。さらに、カテーテルも抜き去ることで閉塞用
器具が目的とする患部へ留置される。
【0008】ここで形状記憶効果とは、マルテンサイト
温度領域で変形した材料を、マルテンサイト逆変態温度
(オーステナイト変態温度)以上に加熱すると、変形前
の形状に回復する現象であり、実用化されているものに
Ni−Ti合金およびこれに第三元素を添加したNi−
Ti系合金、Cu−Zn−Al系合金その他があるが、
本発明においては、耐食性、強度等が優れたNi−Ti
合金およびこれに第三元素を添加したNi−Ti系合金
が望ましい。
【0009】本発明に関わる器具の形状記憶合金の形状
回復温度は、体温との関係で18〜35℃であることが
望ましい。この形状回復温度が18℃未満では、挿入の
途中で体温により温められて形状が回復しやすくなる。
挿入の途中で形状が回復してしまうと危険が高く、形状
が回復した器具を体外に取り出すのが困難となる。ま
た、形状回復温度が35℃を越える材料で作成された器
具では、通常の体温で形状記憶開始が困難になり、体温
より高い熱を作用させないと体腔の患部にうまく装着
(固定)し得ない。
【0010】本発明器具は、このような形状記憶合金線
を材料として閉塞に適したコイル形状に形成されてお
り、前もって形状回復温度以上(変態点以上の温度で)
で図1〜3の如き形状のコイル状に記憶させてある。図
1に示すものは両端部分が中央部分に向かって円錐コイ
ル状に記憶されており、挿入後はこの形状に回復する。
この場合両端部が円錐の底面状に広がり、中心部が細く
なっているので体腔の穴の壁に引っ掛かり固定しやす
い。またコイルの両端に形成されたリングは、挿入時に
カテーテルおよびガイドワイヤーに係止するためのもの
である。
【0011】コイルの形状としては、図3に示すよう
に、両端部分が渦巻きコイル状で、中央部分を直線状或
いは螺旋状に形成したものでもよく、また図2に示すよ
うに両端部分が中央部分に向かって円錐コイル状になっ
ており、中央部分を直線状或いは螺旋状に形成しても同
様の効果がある。
【0012】本発明において形状記憶合金コイルの合金
組成をNi50.5〜52.0at%,Ti49.5〜
48.0at%としたのはNiが50.5at%未満で
は、形状回復温度が35℃以下にならず、またNiが5
2.0at%を越えると形状記憶効果がなくなり、さら
に線材の加工中に割れが起こるからである。
【0013】また上記の合金Niまたは/およびTiの
ー部をV,Cr,Fe,Co,Cu,Nb,Pdの何れ
か1種または2種以上を0.01〜0.5at%の範囲
で置換するのは、これらの元素は形状記憶効果を阻害す
ることなく、コイルの加工性に寄与するからであるが、
0.01at%未満ではその効果は小さく、0.5at
%を越えると加工性が悪くなるからである。
【0014】本発明においてコイルを形成する線材の線
径を0.1〜0.7mmとしたのは0.1mm未満では留置
される時の固定のためのバネ力が血流に抗しきれないか
らであり、0.7mmを越えると挿入時の変形に際して変
形量が大きくなるため、形状回復温度以上に加熱しても
完全に形状が回復しなくなるからである。
【0015】本発明においてコイル両端部底面の径を5
〜15mm、コイル全長5〜25mmとしたのは、コイル底
面の径が5mm未満では患部の穴の径より小さくなり固定
されなくなるからであり、15mmを越えると挿入時の変
形に際して変形量が大きくなるため形状回復温度以上に
加熱しても完全に形状が回復しなくなるからである。ま
た15mmを越えると固定される部位の血管の内径より大
きくなり血管を痛めるからである。さらにコイル全長が
5mm未満では患部の穴の長さより短くなり固定されなく
なるからであり、25mmを越えると穴の長さより長くな
り過ぎ至適な位置に固定されなくなるからである。
【0016】本発明においてコイル両端部がリング状に
してあるのは挿入時にリング内にガイドワイヤーを通し
てカテーテルに固定するためであり、リング周長を2〜
15mmとしたのは2mm未満ではガイドワイヤーがはいっ
て行かないからであり、15mmを越えるとリング径がガ
イディングシース内径より大きくなるためシースへ挿入
できなくなるからである。
【0017】本発明においてコイルを形成する線材の表
面粗さを、1μm以上としたのはコイルの表面が粗い方
が血栓が付着して閉塞に寄与するが、1μm未満では血
栓が付着し難いからである。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。 (実施例1)表1に示す種々の組成のNi−Tiおよび
Ni−Ti系合金を常法に従い、真空溶解鋳造により1
00mmφ×800mmlの鋳塊を作成し、これを外削後熱
間圧延により8mmφの荒引線とし、その後焼鈍と冷間伸
線加工を繰り返し行って0.1〜0.7mmφの線材と
し、さらに図1〜3に示すようなコイル状に成形し、5
00℃、1時間の記憶処理を行い形状回復性と加工性を
調べた。形状回復性と加工性の評価は下記の様にした。 形状回復性 18〜35℃における形状回復後、残留歪が生じないも
の・・・・○ 18〜35℃における形状回復後、残留歪が生じたもの
・・・・・× 加工性 材料に割れ等のトラブルが生じないもの・・・・・○ 材料に割れ等のトラブルが生じたもの・・・・・・× これらの結果を表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1および表2から明らかなように、本発
明に係る合金NO.1〜NO.36はいずれも良好な形
状回復性を示し、また加工性も良好なことが判る。これ
に対して比較例の合金NO.37、NO.38は形状回
復性が劣り、NO.39、NO.40は加工性が悪いこ
とが認められる。
【0022】(実施例2)実施例1、表1のNo.3のコ
イルについて、コイルの形状回復温度とコイル挿入作業
性について調べた。コイル挿入作業性等は、後述するよ
うな、ガイドワイヤー、カテーテル、ガイデイングシー
スを用いて人体内に挿入する方法に基いて、動物(犬)
について実験を行ったもので、評価は下記の様にした。 コイル挿入作業性 コイルが何のトラブルもなくスムーズに患部に挿入で
き、しっかり装着固定できたもの・・・・・○ コイルが挿入途中で形状回復してしまい挿入作業ができ
なくなったもの・・・・・× コイル装着固定性 コイルが患部に装着固定できたもの・・・・・○ コイルが患部に装着固定できないもの・・・・× これらの結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかに、本発明に係る回復温度
20℃,30℃の形状回復温度を有するコイルは、コイ
ル挿入作業性およびコイル装着固定性がともに良好であ
る。これに対して形状回復温度が45℃のものは患部に
装着できず13℃のものは挿入途中で形状が回復してし
まい挿入作業ができない。
【0025】(実施例3)実施例1、表1のNo.3のコ
イルについて、コイルの線径とそのバネ力および形状回
復性について調べた。実験方法は実施例2と同様に動物
実験により、評価方法は下記の様にした。 バネ力 患部の血流に抗してコイルがその形状を維持できたもの
・・・・○ 患部の血流に抗し切れずコイル形状を維持できないもの
・・・・× 形状回復性 形状回復後残留歪が生じないもの・・・・○ 形状回復後残留歪が生じたもの・・・・・× これらの結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4から明らかなように本発明に係るコイ
ル線径0.3,0.5mmφのものはバネ力および形状回
復性が共に良好である。これに対してコイル線径0.0
7mmφのものはバネ力が弱く、血流に抗し切れずコイル
形状を維持できず、0.8mmφのものは、形状回復後残
留歪みが生じ、形状が完全に回復しない。
【0028】(実施例4)実施例1、表1のNo.3のコ
イルについて、コイルの円錐底面の直径とコイル装着固
定性および形状回復性について調べた。実験方法は実施
例2と同様で、評価は下記の様にした。 コイル装着固定性 コイル円錐底面が患部血管壁に引っ掛かり固定できるも
の・・・・○ コイル円錐底面が患部血管壁に引っ掛からず固定できな
いもの・・× 形状回復性 形状回復後残留歪みが生じないもの・・・○ 形状回復後残留歪みが生じたもの・・・・・× これらの結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】表5から明らかなように本発明に係るコイ
ル円錐底面の直径が6mmと12mmのコイルは、コイル装
着性、形状回復性ともに良好である。これに対してコイ
ル円錐底面径が4mmと小さいものは、患部穴径より小さ
いためコイル円錐底面が患部血管壁に引っ掛からず、固
定出来ない。コイル円錐底面が17mmと大きいものは、
形状回復後残留歪みが生じ、形状が完全に回復しない。
【0031】(実施例5)実施例1、表1のNo.3のコ
イルについて、コイルの長さとコイル装着固定性につい
て調べた。実験方法は実施例2と同様で、評価は下記の
様にした。 コイル固定性 コイル円錐底面が患部血管壁に引っ掛かり固定できるも
の・・・・○ コイル円錐底面が患部血管壁に引っ掛からず固定できな
いもの・・× この結果を表6に示す。
【0032】
【表6】
【0033】表6から明らかなように本発明に係るコイ
ル長さが8mm、20mmのコイルは、コイル装着固定性が
良好である。これに対してコイル長さが4mmと短いもの
と29mmと長いものは、コイル円錐底面が患部血管壁に
引っ掛からず至適な位置に固定できない。
【0034】(実施例6)実施例1、表1のNo.3のコ
イルについて、コイルを形成する線材の表面粗さと血栓
の付着性について調べた。実験方法は実施例2と同様で
評価は下記の様にした 内径2mmの開存部を24時間以内に完全閉鎖する・・・
・○ 内径2mmの開存部を24時間以内に完全閉鎖できない・
・× この結果を表7に示す。
【0035】
【表7】
【0036】表7から明らかなように本発明に係るコイ
ルを形成する線材の表面粗さが1μm以上のコイルは、
血栓の付着性が良好である。これに対し表面粗さが1μ
m未満のコイルは血栓の付着性が悪い。
【0037】以上の実施例においては、図1に示すよう
な両端部分が中央部分に向かって円錐コイル状に回復す
るコイルについて述べたが、図2および図3に示す形状
のコイルについても前記と同様の効果を発揮する。また
コイルの両端に形成するリングの周長については、カテ
ーテルの大きさ、ガイドワイヤーの太さ等により、コイ
ルを引っ掛け易いように適宜選択するもので2〜15mm
が望ましい。
【0038】(実施例7)次に本発明の器具の使用例に
ついて説明する。図1〜図3は本発明のー実施例に係る
体内の管腔閉塞用器具の正面図であり、図1の1に示す
ものは、両端部分が中央部分に向かって細くなる円錐状
に回復するように記憶された形状記憶合金コイルで、コ
イルの両端にはカテーテルとガイドワイヤーにより、カ
テーテルに固定するためのリング2が形成されている。
図2に示すものは、図1に示すコイルの中央部分に直線
部3が形成されているものである。さらに図3に示すも
のは、両端部分が渦巻きコイル状で中央部分が直線部3
になるように記憶された形状記憶合金コイルで、コイル
の両端にはリング2が形成されている。
【0039】上記の形状記憶合金コイル(閉塞用器具)
を体内に挿入する用具としては、従来から使用されてい
るガイドワイヤー、カテーテル、ガイディングシース等
があり、ガイドワイヤーは患部に挿入するときのガイド
をするワイヤーである。カテーテルは、上記のコイルを
巻き付けて挿入するパイプ状のものであり、例えば図4
に示すようなもので、カテーテルのー部にコイルのリン
グ部を通す側孔5が設けられている。またガイディング
シースは、図5に示すパイプ状のもので、コイルを巻き
付けたカテーテルを、このガイディングシース6内部を
通して患部に挿入するものである。
【0040】上記の器具を使用して、例えば動脈管開存
8(患部)を閉塞する場合、図6のようにまず従来の方
法によりカテーテルを大腿静脈から肺動脈を経て進め、
このカテーテル内を進めることで、ガイドワイヤー7を
動脈管開存8(患部)に挿入する。このガイドワイヤー
を体内に留置したままで、図7のようにガイドワイヤー
にそてまずガイディングシース6を患部近傍に進めてお
く。上記のガイドワイヤーの他端は、体外にあって図8
に示すように形状記憶合金コイル1が巻き付けられたカ
テーテル4内に挿入される。この際、図9に示すように
ガイドワイヤーが引き伸ばされたコイル1の一方のリン
グ内に挿入されると共に、さらに一方のリング2が側孔
5を外周から内部に通したところに挿入されて、コイル
は引き伸ばされた状態で、カテーテル外周に固定され
る。
【0041】上記のようにコイルがセットされたカテー
テルは、すでに体内に挿入されたガイディングシース内
に挿入されて、ガイディングシース内をガイドワイヤー
を導線としてカテーテルと共に図10〜12に示すよう
に押し込まれて患部に挿入される。上記の挿入はX線透
視下により行われ、図13〜15に示すようにコイルが
患部の穴9に一致したところでコイルを嵌合させてから
ガイドワイヤーを引き抜き、体温により記憶させておい
た形状に回復させる。次いでカテーテルを引き抜き、器
具を患部に留置して、ガイドワイヤーとカテーテルを体
外に抜きさって作業が完了する。この際、操作ミスによ
ってコイルの遠位端が不適切な位置において形状を回復
しても、近位端のリングがガイドワイヤーによってカテ
ーテル内に固定されていれば、器具はカテーテルとガイ
ドワイヤーとともに体外に取り出すことが可能である。
【0042】このようにして装着された器具は、図16
に示すように、開いたコイル状に両端が広がり動脈管の
大動脈側と肺動脈側に、それぞれの穴の壁に引っ掛かり
コイルは固定される。その後、コイル表面に血栓が付着
し、動脈管開存(患部)が閉塞することで治療が完了す
る。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の体内の管
腔閉塞用器具は、形状記憶合金コイルを材料としている
ので、挿入時に血管の損傷が少なく、挿入装着の操作性
に優れ、かつ完全に患部の閉塞が可能となるもので医療
用器具として優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のー実施例に係る体内の管腔閉塞用器具
の正面図
【図2】本発明のー実施例に係る体内の管腔閉塞用器具
の他の例の正面図
【図3】本発明のー実施例に係る体内の管腔閉塞用器具
のさらに他の例の正面図
【図4】本発明の実施例に使用するカテーテルの断面図
【図5】本発明の実施例に使用するガイディングシース
の断面図
【図6】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例でガイ
ドワイヤーを患部へ挿入したときの概略を示す図
【図7】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例でガイ
ディングシースを患部へ挿入したときの概略を示す図
【図8】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例で器具
をカテーテルに巻き付ける状態を示す説明図で矢印はガ
イドワイヤーの進行方向を示す
【図9】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例で器具
をカテーテルに固定する状態を示す説明図で矢印はガイ
ドワイヤーの進行方向を示す
【図10】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例で器
具をガイディングシース内に挿入する状態を示す説明図
で矢印はカテーテルに巻き付けた器具の進行方向を示す
【図11】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例で器
具を患部に到達させた状態を示す説明図
【図12】本発明の体内の管腔閉塞用器具の使用例で器
具を患部に到達させガイドワイヤーを引き抜く状態を示
す説明図で矢印はガイドワイヤーを引き抜く方向を示す
【図13】本発明の体内の管腔塞用器具の使用例でガイ
ドワイヤーの引き抜き直後コイルの両端が広がった状態
を示す説明図
【図14】本発明の体内の管腔塞用器具の使用例でガイ
ドワイヤーをさらに引き抜きコイルの両末端が解放され
た状態を示す説明図
【図15】本発明の体内の管腔塞用器具の使用例でカテ
ーテルが抜去されコイルが患部の穴に装着された状態を
示す説明図
【図16】本発明の体内の管腔塞用器具の使用例で器具
が動脈管開存に装着された状態を示す概略図
【符号の説明】
1 形状記憶合金コイル 2 リング 3 直線部 4 カテーテル 5 側孔 6 ガイディングシース 7 ガイドワイヤー 8 動脈管開存 9 患部の穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 裕比湖 栃木県河内郡南河内町祇園3丁目2番2号 自治医大職員住宅B―205号 (72)発明者 柳沢 正義 栃木県宇都宮市一条4丁目3番5号

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端にリングが形成され、かつ体温程度
    の設定温度で、両端部分が中央部分に向かって、円錐コ
    イル状に回復する形状記憶合金コイルからなることを特
    徴とする体内の管腔閉塞用器具。
  2. 【請求項2】 両端にリングが形成され、かつ体温程度
    の設定温度で、両端部分が渦巻きコイル状で中央部分が
    直線状或いは螺旋状に回復する、形状記憶合金コイルか
    らなることを特徴とする体内の管腔閉塞用器具。
  3. 【請求項3】 前記の形状記憶合金コイルの中央部分
    を、直線状或いは螺旋状に形成したことを特徴とする請
    求項1記載の体内の管腔閉塞用器具。
  4. 【請求項4】 前記の形状記憶合金コイルの形状回復温
    度を、18〜35℃としたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  5. 【請求項5】 前記の形状記憶合金コイルの合金組成
    を、Ni50.5〜52.0at%、Ti49.5〜4
    8.0at%のNi−Ti合金としたことを特徴とする
    請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  6. 【請求項6】 前記の形状記憶合金コイルの合金組成
    を、Ni50.5〜52.0at%,Ti49.5〜4
    8.0at%のNiまたは/およびTiのー部をV,C
    r,Fe,Co,Cu,Nb,Pdの何れか1種または
    2種以上を0.01〜0.5at%の範囲で置換したN
    i−Ti系合金としたことを特徴とする請求項1または
    2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  7. 【請求項7】 前記の形状記憶合金コイルを形成する線
    材の線径を、0.1〜0.7mmとしたことを特徴とする
    請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  8. 【請求項8】 前記の形状記憶合金コイルの両端部の底
    面の直径を、5〜15mmとしたことを特徴とする請求項
    1または2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  9. 【請求項9】 前記の形状記憶合金コイルの全長を、5
    〜25mmとしたことを特徴とする請求項1または2記載
    の体内の管腔閉塞用器具。
  10. 【請求項10】 前記の形状記憶合金コイルの両端に形
    成するリングの周長を、2〜15mmとしたことを特徴と
    する請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具。
  11. 【請求項11】 前記の形状記憶合金コイルを形成する
    線材の表面粗さを、1μm以上としたことを特徴とする
    請求項1または2記載の体内の管腔閉塞用器具。
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