JP5061716B2 - ノイズ除去回路 - Google Patents
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図7は、従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図7において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ1102に電力を供給する電源1101、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ1102、昇降圧コンバータ1102から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ1103および車両を駆動する電動機1104が設けられている。なお、電源1101は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
図8において、昇降圧コンバータ1102には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ1103に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1111、1112が設けられている。
図9において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオン(導通)すると、IGBT1105を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源1101へ回生される。
ここで、スイッチング素子のオン時間(ON Duty)を変更することで、昇降圧の電圧を調整することが可能であり、概略の電圧値は以下の(1)式にて求めることができる。
VL/VH=ON Duty(%) (1)
ただし、VLは電源電圧、VHは昇降圧後の電圧、ON Dutyはスイッチング素子SW1、SW2のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
また、車体筐体に接地される制御回路1111、1112側は低圧であり、スイッチング素子SW1、SW2に接続されるアーム側は高圧となる。このため、スイッチング素子SW1、SW2の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、アーム側とは、絶縁トランスを用いて制御回路1111、1112と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
ここで、キャリア信号伝送方式では、伝送されるロジック信号の論理に基づいて振幅変調された高周波キャリア信号にて1次巻線を励磁し、2次巻線の出力電圧をローパスフィルタにて平滑してロジック信号が取り出される。
ここで、キャリア信号伝送方式では、ロジック信号がハイレベルの期間に常にキャリア信号にて絶縁トランスが励磁され、絶縁トランスの巻線抵抗による発熱を抑えることができないことから、微細加工技術を適用して形成された絶縁トランスによる信号伝送では状態遷移信号伝送方式を用いることが提案されている。
図10および図11において、信号伝送回路には、入力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを検出する変換回路KU0、入力信号の立ち上がりエッジに応じたパルス電流を伝送するセット用絶縁トランスTL1およびパルス信号の立ち下がりエッジに応じたパルス電流を伝送するリセット用絶縁トランスTL2が設けられている。
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の両端はダイオードD1を介して接続されるとともに、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の一端は、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1のドレインに接続され、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1の他端は電源電位VCC1に接続されている。
そして、否定論理積回路U3Aの出力端子はインバータU2Cを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr1のゲートに接続されるとともに、否定論理積回路U3Bの出力端子はインバータU2Dを介してNチャンネル電界効果型トランジスタTr2のゲートに接続されている。
また、演算増幅器U4Bの非反転入力端子は、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の一端に接続されるとともに、抵抗R5を介して電源電位VCC2に接続され、演算増幅器U4Bの反転入力端子は、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4の他端に接続されるとともに、抵抗R4を介して接地されている。
そして、セット用絶縁トランスTL1の1次巻線M1が励磁されると、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に起電力が発生し、セット用絶縁トランスTL1の2次巻線M2に発生した起電力は、演算増幅器U4Aに導かれる。また、リセット用絶縁トランスTL2の1次巻線M3が励磁されると、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に起電力が発生し、リセット用絶縁トランスTL2の2次巻線M4に発生した起電力は、演算増幅器U4Bに導かれる。
また、特許文献2には、入力信号の立ち上がりまたは立ち下がりを検出し、その検出時点から積分を行う積分回路と、その積分結果が所定値になった時に入力信号の立ち上がりまたは立ち下がりが一定時間継続したとして有効とするとともに、その積分回路をリセットする方法が開示されている。
また、特許文献3、4には、排他的論理和回路と遅延回路とを用いることで、パルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとを検出する方法が開示されている。
図12において、下アーム側のIGBT1105が導通して電流Icが0Aから600Aに変化している間に、この電流Icの変化の時間微分に相当する電圧波形がノイズとして信号伝送回路の入力信号S1に重畳しているのが判る(領域R1)。
また、特許文献2に開示された方法では、ノイズが連続して到来すると、積分回路が積分を続けるため、正規の入力ではないにもかかわらず、その入力が有効として出力されるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、ノイズが連続して到来した場合においても、入力信号に重畳されるノイズの影響を低減しつつ、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことが可能なノイズ除去回路を提供することである。
図1は、本発明の一実施形態に係る信号伝送回路が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュール(IPM:Inteligent Power Module)の概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。ここで、制御回路1は、CPU4または論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
また、制御回路1には、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1、SD1をそれぞれ生成する変換回路KU1、KD1および空芯型絶縁トランスTU1、TD1の2次巻線に発生する電圧パルスのレベルに基づいてゲートドライブ用PWM信号SU0、SD0を復元する復元回路PU1、PD1が設けられている。
すなわち、上アーム2側において、ゲートドライブ用PWM信号SU0の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス信号SU1は、空芯型絶縁トランスTU1を介して復元回路PU1に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC8から出力されたアラーム信号SU2は、空芯型絶縁トランスTU2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CUから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SU3は、空芯型絶縁トランスTU3を介してCPU4に入力される。
そして、CPU4は、IGBT5、6の導通または非導通をそれぞれ指示するゲートドライブ用PWM信号SD0、SU0を生成し、ノイズ除去回路NU1、ND1をそれぞれ介して変換回路KD1、KU1にそれぞれ入力する。
さらに、細かい監視を行う場合には、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6がアナログPWM変換器CD、CUにそれぞれ入力される。そして、アナログPWM変換器CD、CUは、過熱検知信号SD6、SU6のアナログ値をデジタル信号にそれぞれ変換することにより、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3をそれぞれ生成し、空芯型絶縁トランスTD3、TU3をそれぞれ介してCPU4にIGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3を伝送する。そして、CPU4は、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3からIGBT5、6のチップ温度をそれぞれ算出し、予め設けられた数段階の閾値に応じて、IGBT5、6のスイッチング周波数の段階的な低下を行ったり、スイッチング停止を行ったりすることができる。
図2において、半導体基板11には引き出し配線層12が埋め込まれるとともに、半導体基板11上には1次コイルパターン14が形成されている。そして、1次コイルパターン14は引き出し部13を介して引き出し配線層12に接続されている。そして、1次コイルパターン14上には平坦化膜15が形成され、平坦化膜15上には、2次コイルパターン17が形成され、2次コイルパターン17は保護膜18にて覆われている。そして、保護膜18には、2次コイルパターン17の中心を露出させる開口部19が形成され、開口部19を介して2次コイルパターン17の中心にボンディングワイヤを接続することにより、2次コイルパターン17からの引き出しを行うことができる。
そして、1次コイルパターン14に印加された電流により生成された磁束φ=L1*I1の大部分が2次コイルパターン17の鎖交磁束となり、2次コイルパターン17の両端には、dφ/dTに比例するM21*dI1/dTの電圧が得られる。ただし、L1は1次コイルパターン14の自己インダクタンス、I1は1次コイルパターン14に流れる電流、M21は1次コイルパターン14と2次コイルパターン17の相互インダクタンスである。
図3において、ノイズ除去回路NU1には、入力信号S1の立ち上がり側のノイズを除去する立ち上がり側グリッジパルス阻止部21および入力信号S1の立ち下がり側のノイズを除去する立ち下がり側グリッジパルス阻止部22が設けられている。
そして、立ち上がり側グリッジパルス阻止部21において、入力信号S1がロウレベルからハイレベルに変化すると、D型フリップフロップ23の出力がロウレベルからハイレベルに変化し、D型フリップフロップ23の出力が積分回路24にて積分される。
そして、積分回路31の積分値S9が閾値に達する前に入力信号S1がロウレベルからハイレベルに変化すると、立ち上がりパルス生成回路34にて入力信号S1の立ち上がりエッジに応じたパルス信号S4が生成され、論理和回路35を介してD型フリップフロップ30および積分回路31に出力されることで、D型フリップフロップ30および積分回路31がクリアされる。
図4および図5において、図3のD型フリップフロップ23にはD型フリップフロップU14A、図3の積分回路24には抵抗R11、コンデンサC11、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr11およびインバータU11C、図3の単パルス化回路25にはインバータU11A、U11B、抵抗R12、コンデンサC12および否定論理積回路U12A、図3のステート判定回路26には否定論理和回路U13B、図3の立ち下がりパルス生成回路27にはインバータU2B、U2Dおよび否定論理積回路U3B、図3の論理和回路28には否定論理和回路U13Aを設けることができる。
また、D型フリップフロップU24Aのクロック端子CLKにはインバータU2E、U2F、U3Aを順次介して信号源Gが接続され、D型フリップフロップU24Aのリセット端子CLRには否定論理和回路U23Aの出力端子が接続されている。また、D型フリップフロップU24Aの入力端子Dは電源電位VCC1に接続され、D型フリップフロップU24Aの非反転出力端子Qは、抵抗R21、インバータU21A、U21Bを順次介して否定論理積回路U22Aの一方の入力端子に接続されるとともに、抵抗R21、インバータU21A、抵抗R22を順次介して否定論理積回路U22Aの他方の入力端子に接続されている。
そして、これらの立ち上がりエッジパルスS4および立ち下がりエッジパルスS5をNチャンネル電界効果型トランジスタTr1、Tr2のゲートにそれぞれ入力することにより、Nチャンネル電界効果型トランジスタTr1、Tr2の誤動作を防止しつつ、セット用絶縁トランスTL1およびリセット用絶縁トランスTL2を励磁させることができる。
図6において、放熱の役割を行う銅ベース71上には、絶縁用セラミックス基板72を介して、IGBTチップ73aおよびFWDチップ73bが実装されている。そして、IGBTチップ73aおよびFWDチップ73bは、ボンディングワイヤ74a〜74cを介して互いに接続されるとともに、主回路電流の取り出しを行う主端子77に接続されている。また、IGBTチップ73aおよびFWDチップ73b上には、IGBTのゲート駆動および監視を行う回路基板75が配置され、IGBTチップ73a、FWDチップ73bおよび回路基板75はモールド樹脂76にて封止されている。ここで、IGBTチップ73aおよびFWDチップ73bは、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子を構成することができ、上アーム用および下アーム用として動作するようにスイッチング素子を直列に接続することができる。また、回路基板75には、スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路を設けることができる。
2 上アーム
3 下アーム
4 CPU
5、6 IGBT
7、8 保護機能付きゲートドライバIC
TU1〜TU3、TD1〜TD3 空芯型絶縁トランス
DU1、DU2、DD1、DD2 ダイオード
RU1、RU2、RD1、RD2、R1、R11、R12、R21、R22、R31 抵抗
C1、C11、C12、C21、C22 コンデンサ
CU、CD アナログPWM変換器
KU1、KD1 変換回路
PU1、PD1 復元回路
NU1、ND1 ノイズ除去回路
11 基板
12 引き出し配線層
13 引き出し部
14 1次コイルパターン
15 平坦化膜
17 2次コイルパターン
18 保護膜
19 開口部
21 立ち上がり側グリッジパルス阻止部
22 立ち下がり側グリッジパルス阻止部
23、30、37、U14A、U14B、U24A D型フリップフロップ
24、31 積分回路
25、32 単パルス化回路
26、33 ステート判定回路
27 立ち下がりパルス生成回路
28、35 論理和回路
29、36 反転回路
34 立ち上がりパルス生成回路
U1A 排他的論理和回路
U2A、U2B、U2C、U2D、U2E、U2F、U3A、U3B、U11A、U11B、U11C、U11D、U21A、U21B、U21C、U21D インバータ
U3A、U3B、U12A、U22A 否定論理積回路
U13A、U13B、U23A、U23B 否定論理和回路
Tr11、Tr21 Nチャンネル電界効果型トランジスタ
71 銅ベース
72 絶縁用セラミックス基板
73a IGBTチップ
73b FWDチップ
74a〜74c ボンディングワイヤ
75 回路基板
76 モールド樹脂
77 主端子
Claims (1)
- パルス信号のパルス幅が所定値を越える場合、前記パルス信号の立ち上がりおよび立ち下がりに基づいて状態を遷移させるとともに、前記パルス信号のパルス幅が前記所定値以下の場合、現在の状態をそのまま維持するようにしたノイズ除去回路であって、
前記パルス信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに基づいて状態反転を行うフリップフロップと、
前記フリップフロップからの出力を積分する積分回路と、
前記積分回路の積分値が閾値に達したかどうかを検出する検出回路と、
前記パルス信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジの検出時、あるいは前記積分回路の積分値が閾値に達した時に、前記積分回路の積分値をクリアするクリア回路とを備えることを特徴とするノイズ除去回路。
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