JP5061585B2 - 燃費報知装置 - Google Patents

燃費報知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5061585B2
JP5061585B2 JP2006308867A JP2006308867A JP5061585B2 JP 5061585 B2 JP5061585 B2 JP 5061585B2 JP 2006308867 A JP2006308867 A JP 2006308867A JP 2006308867 A JP2006308867 A JP 2006308867A JP 5061585 B2 JP5061585 B2 JP 5061585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
fuel consumption
reference value
instantaneous fuel
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006308867A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008120320A (ja
Inventor
由和 本地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2006308867A priority Critical patent/JP5061585B2/ja
Publication of JP2008120320A publication Critical patent/JP2008120320A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5061585B2 publication Critical patent/JP5061585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両の運転者にその車両の瞬間燃費を報知する技術に関する。
近年、環境保護や資源保護に対する関心の高まりに伴い、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車など電動機を動力源として走行する車両(以下、「低公害車」とも呼ぶ)が普及し始めている。また、従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど内燃機関を動力源として走行する車両の運転者の中にも、燃費(1リットルなど単位量の燃料で走行可能な距離)の良い運転(所謂エコドライブ)を行うため、走行中の瞬間燃費の推移を把握することを望むものもいる。このようなニーズに応えるための技術としては、特許文献1や特許文献2に開示された技術が挙げられる。特許文献1や特許文献2に開示された技術では、所謂瞬間燃費計により計測された瞬間燃費の値をインストルメントパネルなどに設けられた表示部へ表示することによって、運転者に瞬間燃費を把握させる。
特開2005−289183号公報 特許3780521報
しかしながら、逐次表示される瞬間燃費を目視確認しながら運転することは、余所見運転になりかねず極めて危険である。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、余所見運転の危険を招くことなく瞬間燃費を運転者に把握させることを可能にする技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、車両内に設けられたスピーカと、前記車両の走行状態を反映した音を表す走行音信号を生成し、前記スピーカへ供給する音信号生成手段と、予め定められた計測タイミング毎に、前記車両の走行速度およびその計測タイミングにおける燃料消費量から算出される瞬間燃費と所定の基準値とを比較し、瞬間燃費が所定の基準値を上回っている場合と下回っている場合とで異なる加工制御信号を生成する制御手段と、前記音信号生成手段から前記スピーカへ供給される走行音信号に前記加工制御信号にしたがった加工を施す音信号加工手段と、を有することを特徴とする燃費報知装置を提供する。
より好ましい態様においては、上記燃費報知装置の制御手段は、瞬間燃費が所定の基準値を下回っていると判定した場合に、瞬間燃費と基準値との差を反映した加工制御信号を生成することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明は、車両内に設けられたスピーカと、前記車両の走行状態を反映した音を表す音信号を生成する信号生成手段と、前記音信号から走行音信号を生成して前記スピーカへ供給する手段であって、和音構成情報が与えられた場合に、前記和音構成情報に従って前記音信号のピッチと協和関係にあるピッチを有する協和音の音信号を生成し、前記協和音の音信号を前記音信号生成手段から受け取った音信号に付加して前記走行音信号を生成する和音構成手段を含む走行音信号生成手段と、予め定められた計測タイミング毎に、前記車両の走行速度およびその計測タイミングにおける燃料消費量から算出される瞬間燃費と所定の基準値とを比較し、瞬間燃費が所定の基準値を上回っている場合と下回っている場合とで異なる和音構成情報を生成して前記和音構成手段に与える制御手段と、を有することを特徴とする燃費報知装置を提供する。
本発明によれば、余所見運転の危険を招くことなく瞬間燃費を運転者に把握させることが可能になる、といった効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施する際の最良の形態について説明する。
(A:第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃費報知装置の構成例を示すブロック図である。この燃費報知装置は、走行中の車両(本実施形態では、ガソリンエンジン車)の乗車スペースにその車両の走行状態を反映した音(例えば、エンジン音など;以下、走行音)を放音する一方、瞬間燃費を所定の計測タイミング毎(例えば、走行を開始してから一定時間間隔毎)に計測して所定の基準値と比較し、その比較結果に応じた変化を上記走行音に与えて瞬間燃費が所定の基準値を下回っているのか、それとも上回っているのかを運転者に報知するものである。なお、以下では、瞬間燃費が所定の基準値を上回っている状態(すなわち、単位量の燃料で走行可能な距離が所定の基準距離よりも長い状態)を「燃費が良い状態」と呼び、逆に、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている状態(すなわち、単位量の燃料で走行可能な距離が所定の基準距離よりも短い状態)を「燃費が悪い状態」と呼ぶ。
図1に示す例では、吸気音、エンジンルーム内の音、排気音、車外音(例えば、走行中の風きり音やタイヤと路面の摩擦音など)が上記走行音の構成要素として選択されており、マイク11〜14は、それらの音を収音可能な位置に配置されている。フィルタ21〜24は、マイク11〜14から得られる各電気信号から吸気音としての特徴を有する成分、エンジンルーム内の音としての特徴を有する成分、排気音としての特徴を有する成分、車外音としての特徴を有する成分を各々選択して出力するフィルタである。ミキサ30は、フィルタ21〜24を通過した音信号から上記走行音を示す左右2チャネルの音信号(以下、走行音信号)XLおよびXRを合成して出力する。つまり、本実施形態においては、図1のマイク11〜14、フィルタ21〜24およびミキサ30は、走行音信号を生成する音信号生成手段の役割を担っている。走行音加工部40は、制御部100から与えられる加工制御信号により走行音信号XLおよびXRを各々加工して走行音信号YLおよび走行音信号YRを出力する装置である。なお、制御部100による加工制御信号の生成態様については後述する。
信号処理部50は、走行音信号YLおよびYRに各々所定の信号処理を施して左右2チャネルのスピーカ60Lおよび60Rに出力する回路である。走行音信号YLおよびYRは、信号処理部50内の、左右各チャネルに対応したATT(減衰器)51Lおよび51Rと、HPF(高域通過フィルタ)52Lおよび52Rと、LPF(低域通過フィルタ)53Lおよび53Rと、遮音特性フィルタ54Lおよび54Rを順次通過し、最終的な走行音信号ZLおよびZRとしてスピーカ60Lおよび60Rの各々に出力される。このスピーカ60Lおよび60Rは、本実施形態に係る燃費報知装置が搭載された車両の乗車スペース内に配置され、各々供給された音信号に応じた音をその乗車スペース内へ放音するものである。
ATT51Lおよび51Rは、走行音信号YLおよびYRのレベルをスピーカ駆動に適したレベルに調整するものである。HPF52Lおよび52RとLPF53Lおよび53Rは、スピーカ60Lおよび60Rからの出力に適さない不要な高域成分および低域成分をATT51Lおよび51Rの各出力信号から除去する。遮音特性フィルタ54Lおよび54Rは、車両の車体の遮音特性、すなわち、車両の動力源から車体を介して運転者の耳へ伝わる音の伝達系の特性をシミュレートしたフィルタである。図1では詳細な図示を省略したが、上記遮音特性フィルタとスピーカとの間には、周波数対利得特性の制御が可能な動的フィルタが介挿されている。この動的フィルタを用いることによって、単位時間当たりのエンジン回転数が例えば3000rpm付近である場合には、400Hz付近の利得を持上げ、単位時間当たりのエンジン回転数が例えば6000rpm付近である場合には、1kHz付近の利得を持上げるように周波数対利得特性を制御する等、エンジン回転数に応じて定まる周波数帯域の利得を持上げることによって、上記乗車スペースへ放音されるエンジン音にそのエンジン回転数に応じた迫力を与えることができる。
図1に示すように、制御部100には操作部110とECU(Engine Control Unit)120が接続されており、ECU120には、アクセル開度センサ、エンジン回転数センサ、走行速度センサ、インジェクションノズルセンサ等の各種センサ(図1では、何れも図示省略)が接続されている。
ここで、アクセル開度センサとは、走行速度の増加を指示するためのアクセルペダルの踏み込み量を検出するためのセンサであり、エンジン回転数センサおよび走行速度センサとは、各々エンジンの回転数および車両の走行速度を検出するためのセンサである。また、インジェクションノズルセンサとは、エンジンの燃焼ルーム内への燃料の噴射量を検出するためのセンサである。ECU120は、車両の動力源たるエンジンの駆動制御を行う一方、瞬間燃費計122を含んでおり、上記各センサによる検出結果(具体的には、走行速度および燃料噴射量)から瞬間燃費を所定の測定タイミング毎に算出し、その算出結果を制御部100へ通知する。
制御部100は、ECU120から所定の計測タイミング毎に通知される瞬間燃費と所定の基準値とを比較し、瞬間燃費がその基準値を上回っているのか、それとも、下回っているのかを判定する。そして、制御部100は、瞬間燃費が基準値を上回っている場合と下回っている場合とで異なる加工制御信号を生成し、走行音加工部40へ供給する。具体的には、制御部100は、瞬間燃費が基準値を下回っている場合には、所定の振幅変調率での振幅変調を行わせるための周期的な変調信号m(t)を生成し、加工制御信号として走行音加工部40に供給する。一方、瞬間燃費が基準値を上回っている場合には、制御部100は、上記振幅変調を施さないことを示す加工制御信号を走行音加工部40に供給する。
次に本実施形態の動作を説明する。図2(a)において、実線は、時刻t=0に走行を開始した車両にて計測される瞬間燃費の推移を示しており、破線は上記基準値を示している。なお、本実施形態では、車両が走行を開始してからの時間経過に伴って、上記基準値の値を変化させる場合について説明するが、一定の基準値を用いるようにしても良いことは勿論である。
車両が走行している間、制御部100は、「1」を最大振幅値とする正弦波、より詳しくは次式に示す周期的な波形の変調信号m(t)を生成する。
m(t)=1−(k/2)・(sin(2πft+θ)+1) ……(1)
上記式(1)において、fは変調信号m(t)の変調周波数、kは変調の深さである。
図3は、この変調信号m(t)を示す波形図である。
変調信号m(t)を生成するに当たり、制御部100は、気筒数Nとエンジン回転数r(rpm)とから下記式(2)に従い、走行音(エンジン音)の基音の周波数である基本周波数f0を算出する。なお、エンジン回転数rについては、ECU120から取得するようにすれば良い。次いで制御部100は、この基本周波数f0と周波数補正係数jを用いて下記式(3)により変調周波数fを決定する。
f0=(r/60)・(N/2) (Hz) ……(2)
f=j・f0 (Hz) ……(3)
ただし、上記式(2)は4サイクルエンジンの場合の基本周波数f0を示している。
そして、制御部100は瞬間燃費と基準値とを比較した結果、図2(b)に示すように、瞬間燃費が基準値を上回っている期間については、上記変調信号m(t)における振幅変調率kを「0」とする。従って、この期間においては、振動成分が全くなく、値が「1」のである変調信号m(t)が加工制御信号として走行音加工部40に送られる。一方、瞬間燃費が基準値を下回っている期間については、制御部100は、図2(b)に示すように振幅変調率kを0<k<1の範囲の所定値k0にセットし、その振幅変調率kを用いて式(1)に示す変調信号m(t)を生成して走行音加工部40へ供給する。このようにして加工制御信号が生成される結果、瞬間燃費が基準値を下回っている期間だけ、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音に振幅変調が施され、その振幅変調を聴き取ることによって運転者は、その期間は燃費が悪い状態であることを把握することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている場合にのみ、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音に振幅変調が施されるため、運転者は振幅変調の有無を聞き分けることによって燃費が悪い状態であるのか、それとも、燃費が良い状態であるのか、を把握することができる。このように、本実施形態によれば、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音の聴感から、瞬間燃費が悪い状態であるか否かを把握することが可能であるため、余所見運転を引き起こすようなことはない。なお、本実施形態では、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている場合にのみ、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音に振幅変調を付与する場合について説明したが、上記基準値と瞬間燃費との差を振幅変調率に反映させるようにしても良い。具体的には、基準値を下回る度合いが大きいほど振幅変調の深さを大きくするようにすれば良い。このようにすると、瞬間燃費が所定の基準値を下回っているか否かのみならず、下回っている場合には、その度合いを運転者に把握させることが可能になる。
特に、振幅変調率k0を大きくすればするほど、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音は不快なものになると考えられ、また、周波数補正係数jとして3/2倍や5/4倍などの単純な整数の組み合わせによる分数では表現できない値を採用すればスピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音の不快度が増すと考えられる。このため、基準値を下回る度合いが大きいほど振幅変調率を大きくするなど上記不快度が増すような制御を行うようにすれば、係る不快感を避けるため、運転者が自然と瞬間燃費の推移に配慮した運転技法を習得することが期待される。
なお、上述した実施形態では、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている場合に、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音に振幅変調を施すことによってその旨を運転者へ報知する場合について説明したが、図2(c)に示すように、瞬間燃費が所定の基準値を上回っている場合には、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音の音圧を所定の標準値とし、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている場合には、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音の音圧を上記標準値から所定量だけ引き上げる旨の制御信号を制御部100に出力させるようにしても良い。また、瞬間燃費が上記基準値を下回っている場合には、両者の差に応じた分だけ標準音圧から音圧を引き上げるようにしても良く、また、上述した振幅変調と組み合わせるようにしても良い。さらに、上述した振幅変調による報知を第1のモードとする一方、音圧変化による報知を第2のモードとして、これら2つのモードの何れにより瞬間燃費の推移を報知するのかを操作部110を介して運転者に適宜選択させるようにしても良い。
(B:第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る燃費報知装置の構成例を示すブロック図である。図4に示す燃費報知装置の構成が、前述した第1実施形態に係る燃費報知装置の構成と異なっている点は、フィルタ21〜24に代えてフィルタ71〜74からなるフィルタ部70を設けた点、走行音加工部40に代えて走行音加工部80を設けた点、およびパラメータメモリ90を新たに設けた点の3点である。なお、図4の信号処理部50における動的フィルタ55Lおよび55Rは、図1にてその図示が省略されていたものであり、第1実施形態に係る燃費報知装置との相違点ではない。以下、第1実施形態に係る燃費報知装置との相違点についてのみ詳細に説明する。
フィルタ71〜74は、マイク11〜14から得られる電気信号に前処理を施す機能と、和音構成情報が与えられた場合に、和音構成情報に従い、各電気信号のピッチと協和関係にあるピッチを有する協和音の音声信号を生成して、前処理を経た電気信号に付加する和音構成機能を備えている。前処理に関する指示情報および和音構成情報は、制御部100により与えられる。なお、和音構成情報、フィルタ71〜74の構成の詳細および制御部100については後述する。
走行音加工部80は、2個のフィルタ80Lおよび80Rにより構成されている。これらフィルタ80Lおよび80Rは、例えば畳み込み演算器により構成されており、走行音信号XLおよびXRに対し、制御部100から与えられる2組のフィルタ係数例を各々畳み込み、その結果得られる走行音信号YLおよびYRを出力する。制御部100は、例えば、図示しない操作子の操作に応じて、フィルタ80Lおよび80Rへ与えるフィルタ係数を切り替える。好ましい態様において、制御部100は、フィルタ80Lおよび80Rに与える2組のフィルタ係数列の相関係数を調節することにより、スピーカ再生音の広がり感の調節を行う。すなわち、スピーカ再生音の音像を広範囲に分散させる場合には、ともにフラットなフィルタ特性に対応し、かつ、相関の低い2組のフィルタ係数列が制御部100からフィルタ80Lおよび80Rに与えられ、スピーカ再生音の音像を狭い範囲に集中させる場合には、急峻なフィルタ特性に対応し、かつ、相関の高い2組のフィルタ係数列を制御部100からフィルタ80Lおよび80Rに与えられる。
制御部100は、所定の計測タイミング毎にECU120から通知される瞬間燃費と所定の基準値とを比較し、瞬間燃費が基準値を下回っている場合と上回っている場合とで各々異なる態様で各部の制御を行う。パラメータメモリ90には、瞬間燃費が上記基準値を上回っている場合と下回っている場合の各々を示す識別子に対応付けて、各部の制御に用いるパラメータが記憶されている。このパラメータのうち主要なものとして和音構成情報がある。制御部100は、瞬間燃費が基準値を下回っていると判定した場合には、その旨を示す識別子に対応付けられたパラメータをパラメータメモリ90から読み出し、そのパラメータに含まれる和音構成情報をフィルタ71〜74に与える一方、瞬間燃費が基準値を上回っていると判定した場合には、その旨を示す識別子に対応付けられたパラメータをパラメータメモリ90から読み出し、そのパラメータに含まれる和音構成情報をフィルタ71〜74に与える。
フィルタ71〜74として、各種のものが考えられる。図5は、フィルタ71〜74の第1の構成例を示すブロック図である。この第1の構成例であるフィルタ71〜74は、前処理部701と、n個のピッチ変換部702−j(j=1〜n)と、n+1個の乗算器703−j(j=0〜n)と、加算器704により構成されている。
前処理部701は、マイク11等の出力信号に対して前処理を施す装置である。前処理としては、次の3つが挙げられる。
a.何もしない。
b.入力音信号に対して雑音抑圧処理を施す。
c.入力音信号における特徴的な倍音成分、すなわち、吸気音、エンジンルーム内の音、排気音、車外音といった音源の種類により定まる特徴的な倍音成分を選択して出力する。
つまり、上記前処理cを実行する前処理部701は、前述したフィルタ21〜24と同一の役割を担う。
上述したパラメータメモリ90において、上記各識別子に対応付けられたパラメータには、この前処理の種類を指定する情報が含まれている。制御部100は、計測された瞬間燃費と上記基準値との大小関係に対応するパラメータをパラメータメモリ90から読み出した場合に、このパラメータから前処理の種類を指示する情報を取り出し、前処理部701に与える。そして、前処理部701は、与えられた情報により指示された前処理をマイク11等の出力信号に施すのである。
n個のピッチ変換部702−j(j=1〜n)は、各々前処理部701の出力信号に対してピッチ変換を施して出力する装置である。制御部100から各フィルタ71〜74に与えられる和音構成情報は、1または複数のピッチ変換部702−jに対するピッチ変換の指示と、それらピッチ変換に用いるピッチ変換比P−j(j=1〜n)を含んでおり、これらは、該当するピッチ変換部702−jに与えられるようになっている。ピッチ変換の指示、および、ピッチ変換比P−jを受け取ったピッチ変換部702−jは、前処理部701から出力される音信号を元のピッチのP−j倍のピッチの音信号に変換して出力する。
乗算器703−j(j=0〜n)は、前処理部701またはピッチ変換部702−k(k=1〜n)の各出力信号に乗算係数kj(j=0〜n)を乗算して出力する。制御部100から各フィルタ71〜74に与えられる和音構成情報には、この乗算係数kj(j=0〜n)も含まれる。加算器704は、前処理部701または乗算器703−j(j=0〜n)の各出力信号を加算して和音の音信号を生成し、ミキサ30に出力する。その際、和音を構成する各音のピッチは、前処理部701から出力される音信号のピッチと、和音構成情報に含まれる1または複数のピッチ変換比P−jにより決定され、和音を構成する各音の音量バランスは、乗算係数kj(j=0〜n)により決定される。
図6は、フィルタ71〜74の第2の構成例を示すブロック図である。この第2の構成例では、第1の構成例におけるピッチ変換部702−j(j=1〜n)が、合成部705−j(j=1〜n)に置き換えられている。図7は、各合成部705−j(j=1〜n)の第1の構成例と同様、ピッチ変換の指示が与えられる合成部705−jには、ピッチ変換比P−jが与えられる。また、各合成部705−j(j=1〜n)には、エンジンの点火タイミングにおいて発生する点火パルスが供給される。合成部705−j(j=1〜n)は、点火パルスに位相同期し、かつ、点火パルスの周波数のP−j倍の周波数を有する鋸歯状波形の掃引信号を出力するPLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)706と、1周期分のエンジン音波形のサンプルデータを記憶し、掃引信号がアドレス信号として供給される波形メモリ707とにより構成されている。合成部705−jでは、ピッチ変換の指示が与えられることにより、エンジンの点火パルスの周波数にピッチ変換比P−jを乗じた掃引周波数の掃引信号がPLL706により発生され、この掃引信号の1回の掃引毎に1周期分のエンジン音波形のサンプルデータが波形メモリ707から読み出され、後段の乗算703−jに供給される。ここで点火パルスの周波数は、前処理部701の出力信号のピッチに対応しているので、波形メモリ707から読み出されるサンプルデータのピッチは、前処理部701の出力信号のピッチのP−j倍となる。
以上が、本実施形態の構成の詳細である。
以下、具体例を挙げ、本実施形態の動作について説明する。
<具体例>
本実施形態では、フィルタ71〜74の前処理部701から出力される音信号をC音(以下、元の音という)とした場合に、この元の音に対して例えば以下のような関係を有する協和音をピッチ変換または合成により生成する。
D:元の音のピッチの9/8倍のピッチを有する音
E:元の音のピッチの5/4倍のピッチを有する音
F:元の音のピッチの4/3倍のピッチを有する音
G:元の音のピッチの3/2倍のピッチを有する音
A:元の音のピッチの5/3倍のピッチを有する音
B:元の音のピッチの15/8倍のピッチを有する音
E♭:元の音のピッチの6/5倍のピッチを有する音
B♭:元の音のピッチの9/5倍のピッチを有する音
本実施形態では、元の音と上記各音における1または複数の音とを組み合わせた和音を構成するための各種の和音構成情報が、上記各識別子に対応付けて、パラメータメモリ90に予め記憶されている。具体的には、瞬間燃費が所定の基準値を下回っていることを示す識別子に対応付けてパラメータテーブル90に記憶されているパラメータには、C音(元の音)の他に、Eb音およびG音(すなわち、マイナーコード)で和音を構成することを示す和音構成情報が含まれており、瞬間燃費が所定の基準値を上回っていることを示す識別子に対応付けてパラメータテーブル90に記憶されているパラメータには、C音の他にE音およびG音(すなわち、メジャーコード)で和音を構成することを示す和音構成情報が含まれている。そして、制御部100は、各計測タイミングにおける瞬間燃費と基準値との大小関係に対応したパラメータをパラメータテーブル90から読み出し、そのパラメータに含まれている和音構成情報をフィルタ71〜74に与える。
図8はこのような制御により得られる動作例を示している。この動作例では、基準値と瞬間燃費との大小関係に対応する2種類の和音構成情報の何れか、1または複数のピッチ変換部702−jまたは合成部705−jに対する指示、それらに与える1または複数のピッチ変換比P−j、乗算係数kj(j=0〜n)がパラメータメモリ90に格納されている。そして、運転時においては、各計測タイミングにて計測された瞬間燃費と基準値との大小関係に対応する和音構成情報が読み出されてフィルタ71〜74に与えられ、図示のように変化する和音がフィルタ71〜74により生成され、スピーカ60Lおよび60Rを介して出力される。
図示の例では、瞬間燃費が基準値を上回っている場合には、運転者はメジャーコードの和音(すなわち、C音、E音およびG音で構成される和音)を聴くことになる一方、瞬間燃費が基準値を下回っている場合には、運転者はマイナーコード(すなわち、C音、E♭音およびG音で構成される和音)を聴くことになる。このため、運転者は、スピーカ60Lおよび60Rから出力される和音の構成の推移から、運転中の瞬間燃費の推移を把握することができる。なお、図8に示す例では、瞬間燃費と基準値との差が小さくなるほど、和音の構成音のうちE音またはE♭音の音量を小さくする場合について例示されているが、これは、マイナーコードからメジャーコードへの切り替わりやその逆の切り替わりが唐突に発生することを回避するためであるが、このような音量制御は必ずしも必須ではない。
以上説明したように、本実施形態によれば、車両において収音した走行音に対し、各計測タイミングにおける瞬間燃費と基準値との大小関係に応じて、元の音とピッチの異なる音を付加し、和音としてスピーカから再生するようにしたので、運転者は、その走行音を聴くことによって瞬間燃費の推移を把握することができる。このように、本第2実施形態によっても、スピーカ60Lおよび60Rから出力される走行音の聴感から、瞬間燃費が所定の基準値を下回っているか否かを把握することが可能であるため、余所見運転を引き起こすようなことはない。
(C:変形)
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態に以下に述べる変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した第1および第2実施形態では、2チャネルのスピーカにより走行音の再生を行ったが、4チャネルや5.1チャネルなどの多チャネルのスピーカにより走行音の再生を行うようにしても良い。
(2)上述した第1および第2実施形態では、ガソリンエンジンを動力源として走行する車両に本発明に係る燃費報知装置を搭載し、そのガソリンエンジンの瞬間燃費の推移を報知する場合について説明した。しかしながら、本発明の適用対象はガソリンエンジン車に限定されるものではなく、例えばディーゼルエンジンなど他の内燃機関を動力源として搭載した車両であっても勿論良く、また、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車のように電動機を動力源として走行する車両であっても良い。
なお、電動機を動力源として走行する車両に本発明を適用する場合には、各計測タイミングにおける走行速度と電力消費量から瞬間燃費を算出するとともに、その車内へ出力する音として、エンジン音の換わりエンジン音を模した擬似エンジン音を用いるようにすれば良い。なお、擬似エンジン音を用いる場合には、その擬似エンジン音に応じた音信号を生成し出力する音信号生成手段として、例えば、その擬似エンジン音の波形データを記憶したメモリなどを用いるようにすれば良い。また、内燃機関を動力源として走行する車両に本発明に係る燃費報知装置を搭載する場合にあっても、マイクによりエンジン音を収音するのではなく、エンジン音の波形データを記憶したメモリを音信号生成手段として用いるようにしても勿論良い。
(3)上述した第1実施形態では、変調信号m(t)として正弦波を用いる場合について説明したが、変調信号m(t)は周期的に振動するものであれば良く、三角波や矩形波であっても良い。
(4)上述した第1実施形態では、瞬間燃費が所定の基準値を下回っている場合に、走行音信号に対して所定の深さの振幅変調を施す場合について説明した。しかしながら、音圧増幅率の制御または振幅変調の制御に代えて、走行音に含まれている「こもり音成分」や「高域成分」を基準値と瞬間燃費との大小関係に応じて強調する制御を行うようにしても良い。
(5)上述した第2実施形態では、ピッチ変換または合成により和音を構成する装置をミキサ30の前段のフィルタ71〜74に設けたが、この和音を構成する装置をミキサ30の後段に設けても良い。或いは、ミキサ30の前段と後段の両方に和音を構成する装置を設け、操作子の操作、或いは基準値と瞬間燃費との大小関係または両者の差に応じて、前段か後段の何れかを選択し、選択した装置に和音を構成する処理を実行させるようにしても良い。
(6)上述した第2実施形態では、フィルタ71〜74の全てに、和音を構成する装置を設けたが、一部のフィルタのみに和音を構成する装置を設けても良い。或いは、フィルタ71〜74の全てに和音を構成する装置を設け、操作子の操作、或いは基準値と瞬間燃費との大小関係または両者の差に応じて和音を構成する処理を実行させる装置を選択するようにしても良い。
(7)上述した第2実施形態において、瞬間燃費が基準値を上回っている場合と下回っている場合とで走行音の和音の構成を変化させることに加えて、フィルタ80Lおよび80Rに与える2組のフィルタ係数列の相関係数を変化させ、音の広がりを変化させるようにしても良い。
本発明の第1実施形態に係る燃費報知装置の構成例を示すブロック図である。 同第1実施形態の動作を示す波形図である。 同第1実施形態における変調信号m(t)の波形を例示する図である。 本発明の第2実施形態に係る燃費報知装置の構成例を示すブロック図である。 同実施形態におけるフィルタ71〜74の第1の構成例を示すブロック図である。 同実施形態におけるフィルタ71〜74の第2の構成例を示すブロック図である。 第2の構成例における各合成部705−iの構成例を示すブロック図である。 同実施形態の動作例を示す波形図である。
符号の説明
100…制御部、110…操作部、120…ECN、122…瞬間速度計、11〜14…マイク、21〜24…フィルタ、30…ミキサ、40…走行音加工部、50…信号処理部、60L,60R…スピーカ、71〜74…フィルタ、80…走行音加工部、80L,80R…フィルタ、90…パラメータメモリ。

Claims (2)

  1. 車両内に設けられたスピーカと、
    前記車両の走行状態を反映した音を表す走行音信号を生成し、前記スピーカへ供給する音信号生成手段と、
    予め定められた計測タイミング毎に、前記車両の走行速度およびその計測タイミングにおける燃料消費量から算出される瞬間燃費と所定の基準値とを比較し、前記瞬間燃費が前記基準値を下回っていると判定した場合に、前記瞬間燃費と前記基準値との差を反映した加工制御信号を生成する制御手段と、
    前記音信号生成手段から前記スピーカへ供給される走行音信号に前記加工制御信号にしたがった加工を施す音信号加工手段であって、前記加工制御信号に反映された前記瞬間燃費と前記基準値との差が大きいほど、音として放音したときの不快度を増す加工を走行音信号に施す音信号加工手段と、
    を有することを特徴とする燃費報知装置。
  2. 前記不快度を増す加工は振幅変調であり、前記制御手段は、前記瞬間燃費と前記基準値との差が大きいほど、深い振幅変調を表す加工制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の燃費報知装置。
JP2006308867A 2006-11-15 2006-11-15 燃費報知装置 Active JP5061585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006308867A JP5061585B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 燃費報知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006308867A JP5061585B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 燃費報知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008120320A JP2008120320A (ja) 2008-05-29
JP5061585B2 true JP5061585B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=39505539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006308867A Active JP5061585B2 (ja) 2006-11-15 2006-11-15 燃費報知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5061585B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4689725B2 (ja) * 2008-08-29 2011-05-25 株式会社ユピテル 車載電子機器及びプログラム
JP5345827B2 (ja) * 2008-11-18 2013-11-20 パイオニア株式会社 車両用走行音生成装置、車両走行音生成方法、車両用走行音生成プログラムおよび車両用走行音生成プログラムを格納した記録媒体
JP5310226B2 (ja) * 2009-04-22 2013-10-09 いすゞ自動車株式会社 燃費走行制御時の補助制御装置
JP5422305B2 (ja) * 2009-08-27 2014-02-19 田淵電機株式会社 電動車両
JP5366017B2 (ja) * 2010-03-02 2013-12-11 株式会社デンソー 車両用報知システム
JP6602809B2 (ja) * 2017-03-28 2019-11-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 擬似走行音発生装置
CN117168558B (zh) * 2023-11-03 2024-01-16 山东奥斯登房车有限公司 一种高端智能房车油耗实时监测方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290489A (ja) * 2000-04-07 2001-10-19 Fuji Heavy Ind Ltd エンジン音質の制御装置
JP2003042000A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Hanshin Electric Co Ltd 燃費表示装置
JP3932098B2 (ja) * 2002-01-31 2007-06-20 株式会社デンソー 車両用配電装置およびユーザー後付け負荷接続用の補助端子
JP4066698B2 (ja) * 2002-04-11 2008-03-26 三菱自動車工業株式会社 運転支援装置
JP4888386B2 (ja) * 2005-03-11 2012-02-29 ヤマハ株式会社 エンジン音加工装置
JP4539608B2 (ja) * 2006-05-18 2010-09-08 ヤマハ株式会社 運転支援装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008120320A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5061585B2 (ja) 燃費報知装置
JP4888386B2 (ja) エンジン音加工装置
US9386366B2 (en) Active design of exhaust sounds
JP5579339B2 (ja) 車両接近通報装置の報知音制御ユニット
JP4508008B2 (ja) 車室内音場制御装置
US9396719B2 (en) Method and device for synthetic generation of an acoustic signal
JP2009046034A (ja) エンジン音加工装置
WO2013136505A1 (ja) 車両接近通報装置の報知音制御ユニット
EP3503089B1 (en) Apparatus for the active control of the sound of the engine of a land vehicle and corresponding method
KR20190118136A (ko) 차량에서의 차량 사운드를 제어하기 위한 방법 및 장치
WO2021033607A1 (ja) 車両用音生成装置
WO2013035167A1 (ja) 車両接近通報装置、およびそれを備えた電動移動体
WO2012101794A1 (ja) 電動移動体の報知音制御装置、および報知音発生装置
JP4539608B2 (ja) 運転支援装置
JP4957168B2 (ja) エンジン音加工装置
JP2021102416A (ja) 音声出力装置
EP3821427B1 (en) Method for generating an audio signal, in particular for active control of the sound of the engine of a land vehicle, and corresponding apparatus
JP5125203B2 (ja) 音加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5061585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3