JP5061289B2 - 気体吸着性物質および気体吸着材 - Google Patents

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本発明は、気体吸着性物質と、その気体吸着性物質を含む気体吸着材に関するものである。
気体吸着性物質は、真空保持、希ガス中の微量ガスの除去、蛍光灯中のガスの除去等様々な分野で用いられている。
半導体製造工業で用いられている希ガスは、希ガス中の窒素、炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水素、水蒸気などを除去し、高純度に精製することが望まれている。特に、その中でも安定な分子である窒素を除去することは困難である。
希ガス中の窒素、あるいは炭化水素などを取り除く従来の方法としては、例えば、ジルコニウム、バナジウム及びタングステンからなる三元合金のゲッター材と希ガスを加熱下に接触させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
これは、合金を100〜600℃の温度で希ガスと接触させることにより、希ガスから窒素等の不純物を除去するものである。
また、従来の別の方法としては、ジルコニウム、鉄、マンガン、イットリウム、ランタンと、希土類元素の1種の元素を含み、窒素に対して高ガス吸着効率を備える無蒸発ゲッター合金を用いる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
これは、合金を300〜500℃の間の温度で10〜20分間活性化処理を行うことにより、水素、炭化水素、窒素等の吸着に対して室温でも作用することができるものである。
また、従来のさらに別の方法としては、低温で窒素を吸着する性質があるBa−Li合金を用いる方法がある(例えば、特許文献3参照)。
これは、断熱ジャケット内に真空を維持するためのデバイスであり、Ba−Li合金からなり、室温においても窒素等のガスに対して反応性を示す。
また、これはBaによる窒素吸着であり、Liではなく、Na、Kでも問題ないという記載がある。
また、酸素吸収剤として鉄粉、酸化促進物質、フィラー、水分供与体からなるものがある(例えば、特許文献4参照)。
これは、食品、医薬品等の品質保持用途に利用される酸素吸収剤であり、酸素吸収には水分が必要である。
特開平6−135707号公報 特表2003−535218号公報 特許第2627703号公報 特許第3252866号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の技術では、300〜500℃で加熱し続けることが必要であり、高温での加熱であるためエネルギーコストが大きく環境にも悪く、また、低温でのガス吸着を望む場合は使用できない。
また、特許文献2に記載の上記従来の技術では、300〜500℃の前処理が必要であり、高温での前処理が困難な場合のガス除去、例えばプラスチック袋中のガスを常温下で除去することは困難である。
また、特許文献3に記載の上記従来の技術では、活性化のための熱処理を必要とせず常温で窒素吸着可能であるが、さらなる高活性化、大容量化が望まれていると共に、Baは劇物指定物質であるため、工業的に使用するには環境や人体に対して問題のないものが望まれている。
また、作製のため合金を溶融する必要があり、製造にかかるエネルギーが大きくなる。
また、特許文献4に記載の上記従来の技術では、酸素吸収に水分が必要であり、微量の水分も嫌う雰囲気では使用することができない。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、気体吸着活性が高く、特に窒素あるいは酸素に対する吸着性能が高い気体吸着性物質を得ることにより、常温常圧、あるいは常温減圧下でも窒素あるいは酸素を吸着可能とすることを目的とする。
さらには、環境や人体に対して問題のないものを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の気体吸着性物質は、少なくともLiと、硬度が5以上である固体物質とを含み、かつ25℃常圧下で少なくとも窒素もしくは酸素を吸着する気体吸着性物質である。
Liは、通常は表面に被膜が形成される等の理由で不活性化し、窒素あるいは酸素を吸着することができない。
しかしながら、Liの硬度が0.6であるのに対し、硬度が5以上の固体物質を共存させることにより、前記固体物質がLiを磨砕したりし、Liの表面が削られ活性な表面を新生することが可能となる。従って、常温で窒素あるいは酸素を速やかに吸着可能となる。
また、上記の本発明の気体吸着性物質において、上記固体物質として、少なくとも酸化物を含むことを特徴としている。
酸化物を用いることにより、Liの活性がより維持される傾向がある。これは、例えばLiと金属を組み合わせると、不純物として酸素を含有しやすい金属をLiが還元することにより、Liが劣化される可能性があることが考えられる。
従って、Liと、安定的に酸素を含む酸化物との構成にすることにより、上記Liの酸化をより抑制できると考える。
また、前記Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下になっていることを特徴とする。
粒径を1mm以下とすることにより、Li外層部だけでなく、Li内部まで窒化あるいは酸化されやすくなり、Liあたりの気体吸着量が増大し、材料を有効に使うことができる。
また、上記の本発明の気体吸着性物質において、少なくともLiと、前記固体物質の一部とが、相溶していることが好ましい。
Liと前記固体物質の一部とが相溶することにより、界面が増大し、活性が向上すると考えられる。
また、上記の本発明の気体吸着性物質において、少なくともLiと、前記固体物質とが、メカニカルアロイングにより混合されていることが好ましい。
メカニカルアロイすることにより、Liと前記固体物質とを高エネルギーで磨砕、混合することができ、前記固体物質によるLiを削る効果が増大し、Li新生面露出や細分化効果が増大する。また、前記固体物質も削られ細分化されるので、Liを細分化することに対しさらに効果的となるのである。
また、メカニカルアロイすることにより、機械的エネルギーがLiや前記固体物質に蓄積され、出発点で有するエネルギーよりもメカニカルアロイ後に有するエネルギーの方が増大し、さらに高活性化することが考えられる。
また、本方法で作製することは、溶融等が必要なく熱エネルギーが必要でないため、環境的あるいはコスト的にも優れている。
また、本発明の気体吸着材は、少なくとも、相互に金属間化合物をつくらない少なくとも2種の金属からなりかつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きいことを特徴とする気体吸着合金と、上記気体吸着性物質とを含むことを特徴とする気体吸着材である。
相互に金属間化合物をつくらない金属であり、かつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きい金属で、通常では相互作用をもたないような金属を用いることにより、その中に含まれる金属の活性を向上させることが可能である。従って、金属と気体との反応性が向上し気体吸着活性が高くなるのである。
この理由としては、模式的に述べると、例えばLi−Fe系合金ではLi原子とFe原子が安定な化学結合をつくらないため、強制的にそれらの原子を隣接させると、互いに他の第三元素と結合しようとする働きが一層大きくなり、吸着活性が高くなるためであると考えられる。
このように、異なる気体吸着活性をもつ、前記気体吸着合金と、本発明の気体吸着性物質を組み合わせることにより、吸着対象気体への暴露直後には活性な方が気体を急速に吸着し、より活性の低い方が前者よりも緩やかに吸着をするといった、速効性にも吸着活性維持にも優れた気体吸着材を得ることができるのである。
本発明の気体吸着性物質は、特に窒素あるいは酸素に対する吸着活性が高い合金を得ることができる。
請求項1に記載の気体吸着性物質の発明は、少なくともLiと、硬度が5以上である固体物質とを含み、かつ25℃常圧下で少なくとも窒素もしくは酸素を吸着することを特徴とする。
ここで、硬度が5以上である固体物質としては、Si、B、c−C(ダイヤモンド)、SiO2、SiC、c−BN(立方晶窒化ホウ素)、Al23、MgO、TiO2等があげられる。
また、その他の成分を添加することも可能である。
また、ここでいう硬度とは10段階のモース硬度を指す。
また、上記固体物質の確認方法としては、例えばX線回折にて、Liと、固体物質のピークが確認できる等の方法で行ってもよいが、特に指定するものではない。
また、前記固体物質の含有率は5mol%以上95mol%以下であることが望ましい。それは、気体吸着性物質100mol%に対し、固体物質が5mol%よりも少なくなると、延性の高いLiが多くなることにより、固体物質と均一に混合しにくくなり、また、95mol%より多くなると活性の高いLiが減少し気体吸着活性が小さくなるためである。
また、好ましくは、前記固体物質の密度が5g/cm3以下であることが好ましい。前記固体物質を用いることにより、密度が0.53g/cm3のLiと組み合わせたときでも密度上昇が少なく、また、単位重量あたりの窒素吸着量を増大することができる。
従って、例えば、本気体吸着性物質を製品に組み込んだときでも重量増加が少なく、かつ窒素吸着量を確保できるのである。
また、本発明の気体吸着性物質は、25℃常圧下で少なくとも窒素もしくは酸素を吸着可能とするものであるが、窒素もしくは酸素以外の気体、例えば、水素、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、炭化水素を吸着するものであってもよい。窒素あるいは酸素以外に吸着する気体については、特に指定するものではない。
また、本発明において吸着量の測定方法については、特に指定するものではなく、吸着容量法、重量法等、公知のものを利用でき、少なくとも窒素あるいは酸素の吸着を確認できればよい。
また、本発明の気体吸着性物質は、1gあたり窒素もしくは酸素を1cm3以上吸着可能、さらに好ましくは3cm3以上吸着可能、さらに好ましくは5cm3以上吸着することが好ましい。その吸着量の測定は、例えば、吸着している過程にある、一部吸着した気体吸着性物質を取り出し、その気体吸着性物質に対し窒素吸着量を測定してもよく、また一部吸着もしくは吸着活性を失った気体吸着性物質に対し、加熱する等の方法で窒素を追い出し、その窒素量と、加熱後の気体吸着性物質とから1gあたりの窒素吸着量を求めてもよい。
また、ここでいう吸着とは、表面への吸着の他に内部への吸収、あるいは収着も含むものとする。
また、本発明における吸着材は、常温、あるいは約80℃以下の雰囲気にて、常圧以下、特に低圧領域での吸着が可能である。
また、気体吸着性物質の使用形態としては、粉体、圧縮成型、ペレット化、シート状、薄膜状、あるいは別容器への収容、他物質への蒸着といった使用方法をあげられるが、特に指定するものではない。
また、請求項2に記載の気体吸着性物質の発明は、請求項1に記載の発明における前記固体物質が少なくとも酸化物を含むことを特徴とする。
ここで、酸化物とは、Al23、MgO、SiO2、TiO2等である。
あるいは、三元素以上含む酸化物であってもよい。
また、請求項3に記載の気体吸着性物質の発明は、請求項1もしくは2のいずれか一項に記載の発明において、前記Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下になっていることを特徴とする。
粒径1mm以下とは、少なくとも一部の粒径が1mm以下となっていればよく、一般的な確認方法で確認することが可能である。また、気体吸着前の粒径であっても、吸着後の粒径であっても、特に指定するものではない。
また、請求項4に記載の気体吸着性物質の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも前記Liと前記固体物質の少なくとも一部とが相溶していることを特徴とする。
ここで、少なくとも一部が相溶しているとは、少なくとも一部が物理的に2種の物質を分離できない状態のことをいう。例えば2種の物質の境界面の一部が原子レベルで物質同士が混合している等の状態をいうが、これに限定するものではない。
また、請求項5に記載の気体吸着性物質の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも前記Liと前記固体物質とがメカニカルアロイングにより混合されていることを特徴とする。
ここで、メカニカルアロイングで混合するとは、機械的に混合する方法を指し、特に指定するものではない。また、高活性な気体吸着合金を作製するため、不活性気体中、例えばAr、He等の雰囲気中、あるいは真空下でメカニカルアロイングを行うことが好ましい。
また、メカニカルアロイングを行う際、別にCを添加したり、冷却下で行ったり、アルコール等を少量滴下したりして、容器への付着を防いだりすることもできる。
また、請求項7に記載の気体吸着材の発明は、少なくとも、相互に金属間化合物をつくらない少なくとも2種の金属からなりかつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きいことを特徴とする気体吸着合金と、請求項1から6のいずれか一項に記載の気体吸着性物質とを含むことを特徴とする。
ここで、金属同士が金属間化合物をつくらないことは、例えばX線回折から確認できる。
ここで、混合のエンタルピーが0より大きいことは、例えば相図から確認できる。混合のエンタルピーが0より大きい金属種の相図には、非固溶型、あるいは共晶型といったことを表す相図が含まれる。
また、ここでいう合金とは、2種以上の金属によって構成される物質のことをいう。
また、前者の気体吸着合金と後者の気体吸着物質とを含むとは、前者と後者を一度に混合する、あるいは予め前者の気体吸着合金と気体吸着物質を別々に作製して同一雰囲気中で使用する、あるいは別々に作製したものをその後混合する、またその混合物を圧縮成形する、あるいは各々別にペレット化して同雰囲気中で使用する、あるいはどちらかをどちらかで被覆する等の方法があるが特に指定するものではない。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の気体吸着性物質は、Liと固体物質の2種の物質からなる。この固体物質は環境等に対して問題のないものを用いている。
固体物質の種類を変えた気体吸着性物質の窒素、酸素、空気吸着の評価結果を実施例1から3に示す。
(実施例1)
固体物質としてSiを使用した。1molのLiと5molのSiとを、Ar雰囲気中、ステンレス製ボールによる遊星ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して気体吸着性物質(Li−Si)を得た。なお、Siの硬度は6.5、密度は2.3g/cm3である。
メカニカルアロイングにより混合することにより、2種の物質の境界面の一部がナノレベルで混合しており、2種の物質同士の境界面で相溶が生じていると考えられる。
また、目視により、Liが1mm以下の粉末になっていることを確認した。
次に、Ar雰囲気下で気体吸着性物質(Li−Si)の吸着特性を、図1の吸着材評価装置1にて評価した。
吸着材評価装置1は、ガスボンベ4が第一バルブ5を通じて、また、真空ポンプ6が第二バルブ7を通じて、所定容積をもつ気体供与部8に接続されている。また、気体供与部8から、第三バルブ9を経てサンプル管3に接続されている。また、サンプル管3には、圧力ゲージ10が接続されている。また、気体供与部8と、第三バルブ9との間は取り外し可能となっている。
まず、気体吸着性物質2は、Ar雰囲気にて、取り外した状態のサンプル管3(図示せず)に密閉し、第三バルブ9を閉めた状態で、気体供与部8に接続した。
それから、第一バルブ5は閉めた状態で、第二バルブ7、その後第三バルブ9を開け、系内を真空排気する。その後、系内が十分低圧になったところで、第三バルブ9、第二バルブ7を閉め、第一バルブ5を開け、ガスボンベ4から、サンプル管3内が所定圧になるよう、気体供与部8にガスを導入し、第一バルブ5を閉める。そして、第三バルブ9を開け、気体吸着性物質2に気体を暴露させることにより、気体吸着特性を評価した。
サンプル管内が約80000Paとなるよう、窒素を導入したときの、時間と圧力変化の関係を図2に示す。
図2に示すように、約40分でほぼ0Paとなった。
(実施例2)
固体物質としてAl23を使用した。1molのLiと1.1molのAl23とを、Ar雰囲気中、ステンレス製ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して、気体吸着性物質(Li−Al23)を得た。なお、Al23の硬度は9、密度は3.97g/cm3である。
また、目視により、Liが1mm以下の粉末になっていることを確認した。
次に、Ar雰囲気下で気体吸着性物質(Li−Al23)をサンプル管3に密閉し、実施例1と同様の方法で、吸着材評価装置1にて吸着特性を評価した。
サンプル管内が約60000Paとなるよう、窒素を導入したときの、時間と圧力変化の関係を図3に示す。
吸着初期では、実施例1に比べて、初期圧が低いにもかかわらず、吸着速度が速く、活性が高いことがわかる。
また、サンプル管内が約60000Paとなるよう、酸素を導入したときの、時間と圧力変化の関係を図3に示す。
また、サンプル管内に、第一バルブ5から雰囲気空気(湿度63%)を導入し、約55000Paとした。そのときの、時間と圧力の関係を図4に示す。
さらに、吸着量を測定するため、気体吸着性物質(Li−Al23)をQuantachrome社製Autosorb−1−Cにより、窒素・酸素吸着量評価を行った。
窒素吸着量を評価することにより、約5300Paで21.98cm3/gSTP、約92000Paにて30.45cm3/gSTP吸着することを確認した。また、酸素吸着量を評価することにより、約900Paにて1.99cm3/gSTP、約92000Paにて6.31cm3/gSTP吸着することを確認した。
(実施例3)
固体物質としてMgOを使用した。1molのLiと2molのMgOとを、ステンレス製ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して、気体吸着性物質(Li−MgO)を得た。なお、MgOの硬度は5.5、密度は3.6g/cm3である。
また、目視により、Liが1mm以下の粉末になっていることを確認した。
次に、Ar雰囲気下で気体吸着性物質(Li−MgO)をサンプル管3に密閉し、実施例1と同様の方法で、吸着材評価装置1にて吸着特性を評価した。
サンプル管内が約60000Paとなるよう、窒素を導入したときの、時間と圧力の関係を図5に示す。
また、サンプル管内が約65000Paとなるよう、窒素約80%、酸素約20%の混合空気を導入したときの、時間と圧力の関係を図6に示す。
また、サンプル管内を窒素約310Paとしたときの、時間と圧力変化の関係を図7に示す。
図7より、約6.5分で50Paに到達し、さらに圧力が下がる傾向を示した。
さらに、吸着量を測定するため、気体吸着性物質(Li−MgO)をQuantachrome社製Autosorb−1−Cにより、窒素・酸素吸着量評価を行った。
窒素吸着量を評価することにより、約45Paで5.44cm3/gSTP、約92000Paにて26.64cm3/gSTP吸着することを確認した。また、酸素吸着量を評価することにより、約45Paで1.94cm3/gSTP、約92000Paにて11.93cm3/g吸着することを確認した。
(実施例4)
固体物質としてMgOを使用した。1molのLiと1molのMgOとを、ステンレス製ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して、気体吸着性物質(Li−MgO)を得た。
次に、Ar雰囲気下で気体吸着性物質(Li−MgO)をサンプル管3に密閉し、実施例1と同様の方法で、吸着材評価装置1にて吸着特性を評価した。
サンプル管内を、窒素約96000Paとしたときの、時間と圧力の関係を、時間と圧力の関係を図8に示す。
窒素暴露と同時に、速やかに窒素を吸着することを確認した。
次に本発明の実施の形態1の気体吸着性物質に対する比較例を示す。
(比較例1)
気体吸着性物質として、Li単体をメカニカルアロイングしようとしたが、そのままではメカニカルアロイングによる均一な細分化ができなかった。
(比較例2)
気体吸着性物質として、粒径約1cmのLiの吸着特性を評価した。サンプル管内を、窒素約80000Paとした。結果、2時間経過してから圧力が減少し始めた。
(比較例3)
気体吸着性物質として、1molのLiと5molのAuとをメカニカルアロイングしたが、均一な細分化はできなかった。なお、Auの硬度は2.5、密度は19.3g/cm3である。
また、実施例1と同様の方法で、吸着材評価装置1にて吸着特性を評価した。
サンプル管内を、約50000Paの窒素雰囲気としたとき、雰囲気圧力は少し減少したが、大幅な減少は見られなかった。
以上のように、本発明のかかる気体吸着性物質は、気体吸着活性が高く、特に窒素あるいは酸素に対する吸着性能が高いため、蛍光灯中のガスの除去、断熱等の真空保持、希ガス中の微量ガスの除去、気体分離等様々な分野で用いることができる。
本発明の実施の形態における気体吸着性物質の吸着特性の評価に用いた吸着評価装置の概略構成図 本発明の実施例1における、サンプル管内が約80000Paとなるよう窒素を導入したときの気体吸着性物質による窒素の吸着特性を示す特性図 本発明の実施例2における、サンプル管内が約60000Paとなるよう窒素を導入したときの気体吸着性物質による窒素の吸着特性と、サンプル管内が約60000Paとなるよう酸素を導入したときの気体吸着性物質による酸素の吸着特性とを示す特性図 本発明の実施例2における、サンプル管内が約55000Paとなるよう雰囲気空気を導入したときの気体吸着性物質による空気の吸着特性を示す特性図 本発明の実施例3における、サンプル管内が約60000Paとなるよう窒素を導入したときの気体吸着性物質による窒素の吸着特性を示す特性図 本発明の実施例3における、サンプル管内が約65000Paとなるよう窒素約80%、酸素約20%の混合空気を導入したときの気体吸着性物質による混合空気の吸着特性を示す特性図 本発明の実施例3における、サンプル管内を窒素約310Paとしたときの気体吸着性物質による窒素の吸着特性を示す特性図 本発明の実施例4における、サンプル管内を窒素約96000Paとしたときの気体吸着性物質による窒素の吸着特性を示す特性図
符号の説明
2 気体吸着性物質

Claims (4)

  1. 少なくともLiと、硬度が5以上である固体物質とを含み、少なくとも前記Liと、前記固体物質の少なくとも一部とが相溶しており、前記固体物質が少なくとも酸化物を含み、かつ25℃常圧下で少なくとも窒素もしくは酸素を吸着することを特徴とする気体吸着性物質。
  2. 前記Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下になっていることを特徴とする請求項に記載の気体吸着性物質。
  3. 少なくともLiと、25℃における硬度が5以上でありかつ密度が4g/cm以下である固体物質とを含み、かつ25℃常圧下で窒素を5cm/g以上吸着可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載の気体吸着性物質。
  4. 少なくとも、相互に金属間化合物をつくらない少なくとも2種の金属からなりかつ前記2種の金属の混合のエンタルピーが0より大きいことを特徴とする気体吸着合金と、請求項1からのいずれか一項に記載の気体吸着性物質とを含むことを特徴とする気体吸着材。
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