JP5060103B2 - 磁気特性および粒子サイズ分布の優れた希土類鉄ガーネット粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気特性および粒子サイズ分布の優れた希土類鉄ガーネット粒子に関する。より詳細には、本発明は、飽和磁化量および保持力の点で優れ、粒子サイズ分布が狭い希土類鉄ガーネット粒子に関する。
現在、希土類鉄ガーネット粒子は、生体物質結合用の磁性担体またはインクジェットプリンタ用の磁性インクとして利用することが検討されている(特許文献1および特許文献2参照)。磁性粒子(例えば、主に酸化鉄から成る粒子)が黒色または茶色の濃い色調を一般的に有しているのに対し、かかる希土類鉄ガーネット粒子は黄色または黄緑色の明るい色調を有している。具体的な数値で表すと、L表色系でのL*がマグネタイト、γ酸化鉄で30以下であるのにたいして、後述する本特許の希土類鉄ガーネット粒子では40以上と明るい色調の粒子を得ることができる。従って、希土類鉄ガーネット粒子を生体物質結合用の磁性担体として用いると、かかる色調を通じて、希土類鉄ガーネット粒子に結合した生体物質を光学機器または目視で検出することができる。また、希土類鉄ガーネット粒子は、それが有する黄色または黄緑色を基本にして種々の色調に着色できるので、希土類鉄ガーネット粒子をインクジェットプリンタ用の磁性インクとして用いた場合には、種々の色調の磁性インクを製造することができる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されている希土類鉄ガーネット粒子は、焼成によって製造している。焼成する工程において、粒子同士が焼結しひとつの粒子となってしまうので、製造された粒子の粒子サイズ分布が広いものとなっている。つまり、焼成によって製造された粒子の粒子サイズ分布の変動係数は、0.7以上程度である。従って、希土類鉄ガーネット粒子を生体物質結合用の磁性担体として用いた場合には、粒子サイズ分布の違いからくる比表面積の影響で、粒子1gあたりに結合する生体物質の量が変動してしまい、定量的に結果を得ることができなくなるので、検出時の定量性が劣ってしまう等の問題が懸念される。また、希土類鉄ガーネット粒子をインクジェットプリンタ用の磁性インクとして用いた場合には、粒子サイズの分布が広い場合、平均粒径がプリンタヘッドの口径以下であっても、最大サイズが口径以上になる可能性が十分にあるので、プリンタヘッドの目詰まりが起こりやすくなる等の問題が懸念される。
ちなみに、例えば特許文献3および特許文献4のように、焼成を用いない希土類鉄ガーネット粒子の製造方法も存在しており、希土類鉄ガーネット粒子が水熱反応を利用して製造されている。しかしながら、特許文献3の製造法は、370℃以上の高い温度条件下で水熱反応を行っていると共に、そのような高い温度条件を形成する点で製造効率は良いとはいえない。また、特許文献4の製造方法は、130〜350℃の温度条件下で水熱反応を実施しているものの、本発明者らが行った追試験において、製造された粒子の飽和磁化量が約(0.02A・m/kg、保磁力が0.001kA/m)となっており、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途として粒子を用いるには磁気特性が好ましくない。
特開2005−17013号公報 特開2000−211924号公報 特開昭62−108735号公報 特開平3−159917号公報
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものである。つまり、本発明の課題は、磁気特性および粒子サイズ分布(粒径分布)の双方の点で優れた希土類鉄ガーネット粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来必須と考えられていた焼成工程を除くと共に、従来とは異なるマイクロ波を用いた水熱反応を実施することによって、磁気特性および粒子サイズ分布の双方の点で優れた希土類鉄ガーネット粒子を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
磁気特性および粒子サイズ分布の双方の点で優れた希土類鉄ガーネット粒子を得ることできる本発明の製造方法は、
(i)希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合し、得られる混合水溶液において希土類金属および鉄を含んで成る析出物を生じさせる工程、ならびに
(ii)析出物を含んだ混合水溶液にマイクロ波を照射することによって150〜300℃の温度条件下で析出物を水熱反応に付し、析出物から粒子を形成する工程
を含んで成る製造方法である。
かかる製造方法によって得られる本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.005μm〜5μm、飽和磁化量が0.5〜30A・m/kg、保磁力が2〜16kA/mであって、当該粒子の粒子サイズ分布の変動係数が0.05〜0.5となっている。
本発明の製造方法は、焼成工程を経ることなく、マイクロ波を用いた水熱反応で希土類鉄ガーネット粒子を製造することを特徴としている。また、マイクロ波を用いた水熱反応を150〜300℃という比較的低い温度条件下で行う点も本発明の特徴である。
本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、磁気特性および粒子サイズ分布の双方の点で優れている。つまり、本発明の製造方法で得られる本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、飽和磁化量が0.5〜30A・m/kg、保磁力が2〜16kA/mであると共に、粒子の粒子サイズ分布の変動係数が0.05〜0.5と粒子サイズ分布が狭くなっているので、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途に特に適している。
発明を実施するための形態
以下にて、本発明の製造方法を詳細に説明すると共に、それによって得られる本発明の希土類鉄ガーネット粒子も併せて説明する。
図1に本発明の製造フローを示す。まず、工程(i)では、希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合することによって、得られる混合水溶液において析出物を生じさせる。かかる混合では、酸性水溶液中の希土類金属イオンおよび鉄イオンと、アルカリ水溶液中のアルカリイオンとが反応することによって、希土類金属イオンと鉄イオンとの双方が沈殿物として析出してくる。従って、本明細書において「析出物」は、「沈殿物」または「共沈物」と称すことができる。かかる析出物は、希土類金属および鉄を含んで成り、即ち、希土類鉄ガーネットを構成する基本元素を含んで成る。
工程(i)で用いる「希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液」は、希土類金属の酸性塩および鉄の酸性塩を水に溶解させることによって得られる水溶液である。従って、希土類金属および鉄はイオンの形態で酸性溶液中に一般に存在する。酸性塩の種類は、特に制限されるものではないが、得られる希土類鉄ガーネット粒子を水洗する際に不純物が粒子に残留しにくいものが好ましく、例えば硝酸塩または塩化物塩を挙げることができる。酸性水溶液の希土類金属の濃度は、好ましくは0.15〜2mol/l、より好ましくは0.1〜1.2mol/mlである。希土類金属の種類は、それが希土類金属である限り特に制限されるものではないが、イットリウム(Y)、スカンジウム元素、インジウム元素、ネオジム元素、イッテルビウム元素またはエルビウム元素等の3価のイオン価数を有する希土類金属が好ましい。鉄は3価のイオン価数を有するものが好ましい。酸性水溶液の鉄の濃度は、好ましくは0.05〜4mol/ml、より好ましくは0.05〜2.5mol/mlである。尚、本明細書において「3価のイオン価数を有する」とは「水溶液中等において3価のイオンを形成する」という意味に解すことができるものである。
一般式R12(式中、Rは、3価のイオン価数を有する希土類元素または当該希土類元素の一部を当該希土類元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、
Mは、3価のイオン価数を有する鉄元素または当該鉄元素の一部を当該鉄元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、また、
Oは酸素原子である)で表される元素組成を有する希土類鉄ガーネット粒子を得る場合において、Rを「イットリウム元素(Y)の一部をビスマス元素(Bi)で置換した複合元素」とするには、酸性塩として、イットリウムの酸性塩(例えば硝酸イットリウム)およびビスマスの酸性塩(例えば硝酸ビスマス)を用いることになる。この場合、工程(ii)で行う水熱反応の温度条件をより低くできると共に、得られる希土類鉄ガーネット粒子の色調をより明るくできる点で好ましい。尚、イットリウムとビスマスとから成る複合元素中のビスマスの割合を以下の式で定義されるXBi(%)により表すと、XBiが1〜50(%)であることが好ましく、より好ましくは1〜30(%)である。このようなXBi範囲の下限値を下回ると、水熱反応温度を低減できる効果が少なくなる一方、そのようなXBi範囲の上限値を上回ると、得られる粒子の飽和磁化量が過度に低下する傾向がある。
Bi=Bi/(Y+Bi)×100
(式中、XBi:イットリウムとビスマスとから成る複合元素中のビスマスの割合[%]、Bi:ビスマスの物質量[mol],Y:イットリウムの物質量[mol])
同様に、上記一般式R12のMを「3価のイオン価数を有する鉄元素(Fe)の一部をアルミニウム元素(Al)、ガリウム元素(Ga)、スカンジウム元素(Sc)、インジウム元素(In)、クロム元素(Cr)、ネオジム元素(Nd)、イッテルビウム元素(Yb)またはエルビウム元素(Er)で置換した複合元素」とするには、酸性塩として鉄の酸性塩(例えば硝酸鉄)の他に、アルミニウム、ガリウム、スカンジウム、インジウム、クロム、ネオジム、イッテルビウムまたはエルビウムの酸性塩を用いることになる。
工程(i)で用いるアルカリ水溶液は、NaOH、KOHまたはNH等のアルカリを水に溶解させることによって得られる水溶液である。従って、アルカリ水液中ではアルカリはイオンの形態で一般に存在する。アルカリ水溶液のアルカリの濃度は、好ましくは0.5〜15mol/l、より好ましくは0.5〜10mol/lである。ここで、アルカリ水溶液中には、酸性溶液に含まれる希土類金属および鉄のイオン価数に応じた量のアルカリイオンが含まれていることが好ましく、希土類金属および鉄のイオン価数以上のイオン価数を全体として有するアルカリイオンが含まれていることが好ましい。例えば酸性水溶液中に含まれるイオンがイットリウムイオンおよび鉄イオンである場合では、それらのイオンは3価であるので、析出物を得るには、アルカリ水溶液中に1価のアルカリイオンが3モル当量以上存在していることが必要である(より具体的に言えば、酸性水溶液中に含まれる3価イオンの物質量の3倍以上に相当する物質量の1価アルカリイオンが存在していることが必要である)。尚、4モル当量以上の多量のアルカリイオンが存在していると、飽和磁化量の大きいイットリウム鉄ガーネット粒子を最終的に得ることができるので好ましい。但し、アルカリ水溶液中にアルカリイオンが必要以上に多く存在すると、得られる希土類鉄ガーネット粒子を水洗する際に、その水洗回数が多くなり水洗処理が非効率となり得るので、アルカリイオンが12モル当量以上とならないことが好ましい。
希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合する際の温度条件は、特に制限はなく、例えば常温(より好ましくは10〜90℃程度)であってよい。混合する際の圧力条件も特に制限はなく、大気圧下で行うことができる。好ましくはスリワンモータやマグネティックスターラーなどの撹拌機を用いてアルカリ水溶液を攪拌させながら、そのアルカリ水溶液に対して、等速滴下が可能な滴下ポンプ等で「希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液」を滴下供給することによって、酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合することが好ましい。尚、混合した後、必要に応じて、得られた混合水溶液を静置させてもよい。
工程(ii)では、工程(i)で得られた析出物を150〜300℃の温度条件下の水熱反応に付す。水熱反応に付すことによって混合水溶液中の析出物から希土類鉄ガーネット粒子を合成する。水熱反応に際しては、析出物が含まれている混合水溶液にマイクロ波を照射して150〜300℃の温度条件にする。より具体的に説明すると、工程(i)で得られる「析出物を含んだ混合水溶液」を水熱反応用の耐圧容器に仕込み、外部からマイクロ波を混合水溶液に対して照射する。水熱反応の温度条件は150〜300℃である。粒子サイズ分布がより狭い粒子を得るにはより低い温度が好ましい一方、磁気特性の優れた粒子を得るには200℃付近の温度が好ましい(特に、温度条件が低すぎたり高すぎたりすると、磁性を殆ど帯びていない粒子が得られることになる)。従って、水熱反応の温度条件は、より好ましくは170〜280℃、更に好ましくは190〜240℃である。水熱反応の圧力条件は、0.4〜10MPaであることが好ましく、より好ましくは0.8〜7MPa、更に好ましくは1.2〜3.5MPaである。また、水熱反応処理は、一般的には、1分〜2時間、より好ましくは30分から〜1時間行うことが好ましい。
本発明の製造方法は、工程(ii)の水熱反応に際してマイクロ波を用いることを特徴の1つとする。マイクロ波を混合水溶液に照射することによって、混合水溶液の昇温を速やかにできる。ここで、マイクロ波の照射は、「析出物を含んだ混合水溶液」の温度が目標温度に達するまで継続するが、目標温度に達した後も、温度を一定に保つために出力を変化させつつ照射を続けることが好ましい。工程(ii)で照射するマイクロ波の周波数は、「析出物を含んだ混合水溶液」を目標温度(即ち、150〜250℃の温度)にまで加熱できるものであれば、特に制限はないが、例えば2.45GHzである。工程(ii)で照射するマイクロ波の出力についても目標温度にまで加熱できるのであれば特に制限はないが、出力を大きくすると目標温度に達する時間を短くできる一方、出力を低くすれば混合水溶液の温度を一定に保ちやすくなる。尚、マイクロ波の出力を可変制御できれば、目標温度に達する時間の短縮化と温度制御との双方を適宜行うことができるので特に好ましい。マイクロ波の出力を可変制御できる装置としては、マイルストーンゼネラル社製の「MicroSYNTH(マイクロシンス)」を挙げることができる。
尚、本発明では、水熱反応に付す混合水溶液に他の物質を添加する必要はない。その意味で、本明細書にいう「水熱反応」は、水が主体的に存在する条件下(粒子構成物質を除く)で行う高温・高圧反応といえる。つまり、析出物の周囲には、酸性水溶液およびアルカリ水溶液に起因した水(析出物を形成しなかった希土類金属イオン、鉄イオンおよびアルカリイオンが場合によっては依然含まれ得る水)が主体的に存在している。ここで、温度の均一性、共沈反応の析出のしやすさの点から、水のみが存在する場合が好ましい。また水熱反応に付される混合水溶液中の析出物と水との質量比(析出物:水)は、好ましくは1:10〜1:500であり、より好ましくは1:15〜1:100である。
主として工程(ii)の処理に起因して、得られる希土類鉄ガーネット粒子の磁気特性が向上する(具体的な磁気特性については後述する)。これは、水熱反応処理に際して合成される希土類鉄ガーネット粒子がマイクロ波を吸収し、かかる粒子自体の温度が周囲の水溶媒の温度よりも高温状態となり、その結果、粒子の結晶性が向上することが要因の1つとして考えられる。あるいは、マイクロ波の「非熱効果」と呼ばれる効果が存在し得ることに起因して粒子の結晶性が向上することも要因の1つとして考えられる。尚、ここでいう「非熱効果」とは、溶媒もしくは粒子が加熱されること以外にマイクロ波のエネルギーが使われた際に生じる効果のことを意味している。
ちなみに、マイクロ波による水熱反応処理を行わなかったり、水熱反応処理の温度条件が150〜300℃の範囲から逸脱したりすると、上述したような磁気特性および変動係数を有する粒子を得ることができない点に留意されたい。
工程(ii)で形成または合成された粒子は、洗浄、濾過および乾燥に付すことが好ましい。粒子を洗浄することによって、粒子表面から不純物を除去できる。洗浄は、水を用いた水洗が好ましいものの、水以外にもエタノール、メタノールといったアルコール系をはじめとする水に可溶な溶媒を用いて粒子を洗浄してもよい。濾過は、洗浄に際して行ってよく、洗浄液などを粒子から除去できる。粒子の乾燥は、好ましくは10〜150℃、より好ましくは40〜90℃の温度条件下で行うことが好ましい。乾燥機を用いて粒子を乾燥させてよいものの、自然乾燥により粒子を乾燥させてもかまわない。
以上のような本発明の製造方法によって、本発明の希土類鉄ガーネット粒子を得ることができる。かかる希土類鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.005〜5μm、飽和磁化量が0.5〜30A・m/kgおよび保磁力が2〜16kA/mであって、粒子の粒子サイズ分布の変動係数が0.05〜0.5であることを特徴とする。
ここで「粒子サイズ」とは、粒子のあらゆる方向における長さのうち最大となる長さを実質的に意味している。そして、本明細書でいう「平均粒子サイズ」とは、粒子の電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真に基づいて例えば300個の粒子のサイズを測定し、その数平均として算出した粒子サイズを実質的に意味している。本発明の希土類鉄ガーネット粒子の平均粒子サイズは、0.005〜5μmとなっているが、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.4〜5μmの平均粒子サイズとなり得る。
本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途として用いる上で好ましい磁気特性を有しており、その意味で本発明の粒子の磁気特性は優れているといえる。即ち、本発明の希土類鉄ガーネット粒子の飽和磁化量は、0.5〜30A・m/kg(0.5〜30emu/g)であり、好ましくは0.5〜25A・m/kg(0.5〜25emu/g)である。同様に、本発明の希土類鉄ガーネット粒子の保磁力は、2〜16kA/mであり、好ましくは2〜10kA/m、より好ましくは2.5〜5kA/mである。尚、本明細書にいう「飽和磁化量」および「保磁力」の値は、振動試料型磁力計(東英工業製、型式VSM−5)を用いて測定される値である。具体的には、「飽和磁化量」は、1270kA/m(16キロエルステッド)の磁界を印加した際の磁化量から求められる飽和磁化の値である。「保磁力」は、1270kA/mの磁界を印加した後、磁界をゼロに戻し、更に、磁界を逆方向に徐々に増加させた場合において、磁化量がゼロになる印加磁界の値である。
また、本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途として用いる上で好ましい粒子サイズ分布を有しており、その意味で本発明の粒子の粒子サイズ分布は優れているといえる。即ち、本発明の希土類鉄ガーネット粒子の粒子サイズ分布の変動係数は、0.05〜0.5であり、場合によっては0.2〜0.5、更に場合によっては0.15〜0.35(例えば0.26および0.33)または0.4〜0.5(例えば0.46)である。変動係数は、その値がより小さいほど粒子サイズ分布がより狭く、複数個の粒子間において粒子サイズのバラツキがより少ないことを意味している一方、その値がより大きいほど粒子サイズ分布がより広く粒子サイズのバラツキがより大きいことを意味している。例えば、変動係数が0.5よりも大きくなると粒子サイズのバラツキが大きいとされ、上述の用途には適さなくなる。従って、変動係数は「0」に近いほど好ましいが、変動係数「0」は粒子サイズのバラツキが全くないことを意味しており、現実的でないことから、本発明の製造方法で現実的に達成され得る「0.05」を変動係数の下限値として規定している。尚、本明細書にいう「変動係数」は、粒子サイズ測定により得られた全データを統計処理して算出される係数であって、次式(式1)により定義される。
Figure 0005060103
本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、球形状または楕円体形状を有していることが一般的であるものの、例えば、板形状、針形状または多面体形状(例えば立方体形状)等の形状もあり得る。
このような本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、希土類鉄ガーネット(希土類元素および鉄元素を含んで成るガーネット構造の酸化物)を含んでなる。ここで、希土類鉄ガーネット粒子は、一般式R12(式中、Rは、3価のイオン価数を有する希土類元素または当該希土類元素の一部を当該希土類元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、
Mは、3価のイオン価数を有する鉄元素(Fe)または当該鉄元素(Fe)の一部を当該鉄元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、また、
Oは酸素原子である)で表される元素組成を有することが好ましい。その中でも、一般式R12のRが、イットリウム元素(Y)またはイットリウム元素(Y)の一部をビスマス元素(Bi)で置換して得られる複合元素であることが好ましい。同様に、一般式R12のMが、3価のイオン価数を有する鉄元素の一部を、アルミニウム元素(Al)、ガリウム元素(Ga)、スカンジウム元素(Sc)、インジウム元素(In)、クロム元素(Cr)、ネオジム元素(Nd)、イッテルビウム元素(Yb)またはエルビウム元素(Er)で置換した複合元素であることも好ましい。尚、Mは、2価〜4価のイオン価数を有する元素または2価〜5価のイオン価数を有する元素を種々に組み合わせて3価のイオン価数となった複合元素であってもよい。
本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、磁気特性および粒子サイズ分布が優れている特徴を有するだけでなく、黄色または黄緑色の色調を有する点でも特徴を有している。従って、本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途に特に適している。具体的には、生体物質結合用の磁性担体として本発明の粒子を用いる場合においては、色が淡色であるために、色素などとともに生体物質を結合させれば、従来の黒色、褐色である磁性粒子よりもはるかに簡便に目視で確認することができる。また、インクジェットプリンタ用の磁性インクとして本発明の粒子を用いる場合には、かかる粒子が有する黄色または黄緑色を基本にして種々の色調に着色できるので、種々の色調の磁性インクを製造することができる。
本発明の希土類鉄ガーネット粒子は明るい色調を有しており、L表色系でLの値が40〜90であることを特徴としている。従来用いられてきたマグネタイトや、γ酸化鉄は30以下の値を持っていることからも、明るい色調であることがわかる。従って、希土類鉄ガーネット粒子を生体物質結合用の磁性担体として用いると、かかる色調を通じて、希土類鉄ガーネット粒子に結合した生体物質を光学機器または目視で検出することができる。また、希土類鉄ガーネット粒子は、それが有する黄色または黄緑色を基本にして種々の色調に着色できるので、希土類鉄ガーネット粒子をインクジェットプリンタ用の磁性インクとして用いた場合には、種々の色調の磁性インクを製造することができる。
尚、本明細書にいうL表色系の値は次のように実施し得られた値である。測定するサンプルをカバーグラスに挟み、端をテープで固定した。それをX-Rite,Inc.製Model939を用いて測定し、3回平均した値を用いた。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
磁気特性および粒子サイズ分布の優れた希土類鉄ガーネット粒子を本発明の製造方法により得ることができることを以下の実施例1〜3および比較例1〜4から確認した。
実施例1
本発明の製造方法を用いてイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。水熱反応処理の温度条件は200℃であった。
まず、硝酸イットリウム0.1molと硝酸鉄0.1785molとを2000mlの水に溶解させ、得られた水溶液に対して、硝酸ビスマス0.007モルが溶解した12Nの硝酸溶液100mlを混ぜ合わせた。次いで、得られた酸性水溶液をアルカリ水溶液(3.415モルの水酸化ナトリウムが2000mlの水に溶解しているアルカリ水溶液)に供給した。この供給に際しては、アズワン製トルネードPM201でアルカリ水溶液を攪拌しながら、そのアルカリ水溶液に対して酸性水溶液を東京理化器械製滴下ポンプMP−Aで約30分かけて滴下供給した。その結果、イットリウム、ビスマスおよび鉄が混合水溶液中で共沈物として析出した。
この共沈物を含んだ混合水溶液の一部(50ml)を水熱反応用容器に仕込み、マイルストーンゼネラル社製マイクロ波水熱反応装置MicroSYNTHに供することによって、マイクロ波による水熱反応処理を実施した。即ち、共沈物を含んだ混合水溶液にマイクロ波を照射して混合水溶液を昇温させた。具体的には、マイクロ波の最大出力を1000Wとし、かかる出力を測定温度に応じて可変制御することによって10分かけて200℃まで昇温した。その後1時間ほど温度を200℃に維持した。この際の圧力は1.6MPaであった。その後、マイクロ波照射を完全に停止し、混合水溶液を放冷により室温まで冷却した。このような操作によって、共沈物からイットリウム鉄ガーネット粒子を合成することができた。最終的には、得られた粒子を洗浄、濾過および乾燥に付した。
実施例1で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.45μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.26であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は4.39kA/m(55エルステッド)、飽和磁化量は18.3A・m/kg(18.3emu/g)であった。かかる実施例1のイットリウム鉄ガーネット粒子は黄緑色の色調を有していた。L表色系の値はL=58.2、a=+2.7、b=+54.4であった。
実施例2
本発明の製造方法を用いてイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。水熱反応処理の温度条件を220℃にしたこと以外は実施例1と同様な操作でイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。この際の圧力は2.4MPaであった。
実施例2で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.55μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.33であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は4.87kA/m(61エルステッド)、飽和磁化量は21.3A・m/kg(21.3emu/g)であった。かかる実施例2のイットリウム鉄ガーネット粒子は黄緑色の色調を有していた。L表色系の値はL=49.2、a=−1.0、b=+29.8であった。
実施例3
本発明の製造方法を用いてイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。水熱反応処理の温度条件を260℃にしたこと以外は実施例1と同様な操作でイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。この際の圧力は5.0MPaであった。
実施例3で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが4.5μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.46であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は2.51kA/m(31エルステッド)、飽和磁化量は0.6A・m/kg(0.6emu/g)であった。かかる実施例3のイットリウム鉄ガーネット粒子は黄緑色の色調を有していた。L表色系の値はL=52.0、a=−1.5、b=+32.5であった。
比較例1
比較例1では、水熱反応処理の温度条件を140℃にしたこと以外は実施例1と同様な操作でイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。この際の圧力は0.4MPaであった。
比較例1で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.30μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.25であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は0.239kA/m(3.0エルステッド)、飽和磁化量は0.3A・m/kg(0.3emu/g)であった。かかる比較例1のイットリウム鉄ガーネット粒子は褐色の色調を有していた。L表色系の値はL=36.4、a=+11.0、b=+20.4であった。
比較例2
比較例2では、焼結法によってイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。まず、硝酸イットリウム0.1molと硝酸鉄0.1785molとを2000mlの水に溶解させ、得られた水溶液に対して、硝酸ビスマス0.007モルが溶解した12Nの硝酸溶液100mlを混ぜ合わせた。次いで、得られた酸性水溶液をアルカリ水溶液(3.415モルの水酸化ナトリウムが2000mlの水に溶解しているアルカリ水溶液)に供給した。この供給に際しては、アズワン製トルネードPM201でアルカリ水溶液を攪拌しながら、そのアルカリ水溶液に対して酸性水溶液を酸性水溶液を東京理化器械製滴下ポンプMP−Aで約30分かけて滴下供給した。その結果、イットリウム、ビスマスおよび鉄が混合水溶液中で共沈物として析出した。
次いで、この共沈物をpHが中性付近になるまで水洗した後、濾過して共沈物を分取した。分取した共沈物を容器に仕込んだ後、融剤として臭化カリウム0.857モルと水500ccを容器に供給し、臭化カリウムが水に溶解するまで攪拌混合した。これによって、共沈物が臭化カリウム水溶液中に均一に分散した懸濁液を得た。次いで、この懸濁液をバットに取り出し、90℃で乾燥させて水を除去し、共沈物と臭化カリウムとの均一混合物を得た。この混合物を乳鉢で軽く解砕したのち、プレス成形した。そして、得られた成形物をルツボに入れ、850℃となるまで1時間かけて昇温した後、850℃の温度条件で2時間加熱した。その後、成形物を室温まで放冷により冷却することによって、臭化カリウム中にイットリウム鉄ガーネット粒子を析出させた。最終的には、このイットリウム鉄ガーネット粒子が析出した臭化カリウムを水洗し、臭化カリウムを溶解除去することによって、イットリウム鉄ガーネット粒子を分取した。
比較例2で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.32μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.74であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は5.17kA/m(65エルステッド)、飽和磁化量は24.3A・m/kg(24.3emu/g)であった。かかる比較例2のイットリウム鉄ガーネット粒子は黄緑色の色調を有していた。L表色系の値はL=51.2、a=+3.5、b=+57.0であった。
比較例3
比較例3では、実施例1〜3のようなマイクロ波照射を行わずに、恒温槽中で水熱反応処理を実施することによって、イットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。
まず、硝酸イットリウム0.1molと硝酸鉄0.1785molとを2000mlの水に溶解させ、得られた水溶液に対して、硝酸ビスマス0.007モルが溶解した12Nの硝酸溶液100mlを混ぜ合わせた。次いで、得られた酸性水溶液をアルカリ水溶液(3.415モルの水酸化ナトリウムが2000mlの水に溶解しているアルカリ水溶液)に供給した。この供給に際しては、アズワン製トルネードPM201でアルカリ水溶液を攪拌しながら、そのアルカリ水溶液に対して酸性水溶液を酸性水溶液を東京理化器械製滴下ポンプMP−Aで約30分かけて滴下供給した。その結果、イットリウム、ビスマスおよび鉄が混合水溶液中で共沈物として析出した。
次いで、この共沈物を含んだ混合水溶液の一部(50ml)を水熱反応用容器に仕込んだ後、恒温槽に供して水熱反応処理を実施した。即ち、共沈物を含んだ混合水溶液を昇温させた。具体的には、1時間かけて「共沈物を含んだ混合水溶液」を180℃の温度にまで昇温させた後、この180℃の温度を4時間維持し、その後、放冷により室温まで冷却した。このような操作によって、共沈物からイットリウム鉄ガーネット粒子を合成した。最終的には、得られた粒子を洗浄、濾過および乾燥に付した。この際の水熱反応時の圧力は1.0MPaであった。
比較例3で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.50μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.45であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は0.199kA/m(2.5エルステッド)、飽和磁化量は0.2A・m/kg(0.2emu/g)であった。かかる比較例3で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は黄褐色の色調を有していた。L表色系の値はL=36.3、a=+11.8、b=+20.4であった。
比較例4
比較例4では、実施例1〜3のようなマイクロ波照射を行わずに、恒温槽中で水熱反応処理を実施することによって、イットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。水熱反応処理の温度条件を240℃にしたこと以外は比較例3と同様な操作でイットリウム鉄ガーネット粒子を製造した。この際の圧力は3.5MPaであった。
比較例4で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、平均粒子サイズが0.83μmの球状ないし楕円状であって、変動係数が0.51であり、1270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した保磁力は0.263kA/m(3.3エルステッド)、飽和磁化量は0.3A・m/kg(0.3emu/g)であった。かかる比較例4で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は黄褐色の色調を有していた。L表色系の値はL=37.2、a=+10.5、b=+19.8であった。
実施例1〜3および比較例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 0005060103
表1の結果から、以下の(イ)〜(ニ)の結論を導くことができる。

(イ)焼結を用いた従来の製造法である比較例2の「変動係数」が0.74であるのに対して、本発明の製造方法である実施例1〜3の「変動係数」がそれぞれ0.26、0.33、0.46であることから、本発明の製造方法で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は、従来のイットリウム鉄ガーネット粒子よりも粒子サイズ分布が狭く、粒子サイズ分布の点で優れている。

(ロ)本発明の製造方法である実施例1〜3の「飽和磁化量」および「保持力」は、マイクロ波を用いていない比較例3,4の「飽和磁化量」および「保持力」よりもそれぞれ数倍〜数十倍以上大きい(特に、実施例2と比較例3との飽和磁化量については百倍ほど実施例の方が大きくなっている)ことから、本発明の製造方法で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子が磁気特性の点で非常に優れている。

(ハ)同様に、本発明の製造方法である実施例1〜3の「飽和磁化量」および「保持力」は、水熱反応処理の温度条件が140℃である比較例1の「飽和磁化量」および「保持力」よりもそれぞれ数倍〜数十倍以上大きいことから、本発明の製造方法の温度条件である150〜300℃(特に200℃〜260℃)は、得られる粒子の磁気特性にとって特に好ましい条件である。
(ニ)本発明の製造方法である実施例1〜3のL値が全て40以上となっていることから、本発明の製造方法で得られたイットリウム鉄ガーネット粒子は明るい色調を有している。
本発明の製造方法で得られる本発明の希土類鉄ガーネット粒子は、生体物質結合用の磁性担体およびインクジェットプリンタ用の磁性インクの用途として供することができる。
図1は、本発明の製造方法の工程を示すフローチャートである。

Claims (9)

  1. 希土類鉄ガーネットを含んで成る粒子であって、
    平均粒子サイズが0.005〜5μm、飽和磁化量が0.5〜30A・m/kgおよび保磁力が2〜16kA/mであって、前記粒子の粒子サイズ分布の変動係数が0.05〜0.5であることを特徴とする粒子。
  2. 前記希土類鉄ガーネットが一般式R12(式中、Rは、3価のイオン価数を有する希土類元素または前記希土類元素の一部を前記希土類元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、
    Mは、3価のイオン価数を有する鉄元素または前記鉄元素の一部を前記鉄元素以外の3価のイオン価数を有する元素で置換した複合元素であり、また、
    Oは酸素原子である)で表される元素組成を有することを特徴とする、請求項1に記載の粒子。
  3. 前記一般式R12のRが、イットリウム元素またはイットリウム元素の一部をビスマス元素で置換した複合元素であることを特徴とする、請求項2に記載の粒子。
  4. 前記一般式R12のMが、前記3価のイオン価数を有する鉄元素の一部を、アルミニウム元素、ガリウム元素、スカンジウム元素、インジウム元素、クロム元素、ネオジム元素、イッテルビウム元素またはエルビウム元素で置換した複合元素であることを特徴とする、請求項2または3に記載の粒子。
  5. 前記平均粒子サイズが0.4〜5μm、前記飽和磁化量が0.5〜25A・m/kgおよび前記保磁力が2.5〜5kA/mであって、前記粒子の粒子サイズ分布の変動係数が0.2〜0.5であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子。
  6. 表色系でLが40〜90の値を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の粒子。
  7. 希土類鉄ガーネットを含んで成る粒子を製造する方法であって、
    (i)希土類金属および鉄を含んで成る酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合し、得られる混合水溶液において希土類金属および鉄を含んで成る析出物を生じさせる工程、ならびに
    (ii)マイクロ波を前記混合水溶液に照射することによって150〜300℃の温度条件下にて前記析出物を水熱反応に付し、前記析出物から前記粒子を形成する工程
    を含んで成る製造方法。
  8. 前記水熱反応を、0.4〜10MPaの圧力条件下で行うことを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の製造方法によって得られる、請求項1〜6のいずれかに記載の粒子。
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