JP5060055B2 - 窒化化合物半導体基板及び半導体デバイス - Google Patents

窒化化合物半導体基板及び半導体デバイス Download PDF

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Description

本発明は、窒化化合物半導体基板及び半導体デバイスに関する
窒化物半導体(GaN、AlGaN、AlInGaN系)を用いた発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)をはじめとする半導体デバイスにおいて、その特性および信頼性向上のためには結晶欠陥密度(転位密度)を低減することが必須となる。結晶欠陥(結晶転位)密度の低減の手法として、基板結晶表面に周期的にストライプの三角ファセット溝を形成した後に、横方向成長による埋め込み成長を用いることで、欠陥密度を低減することが知られている。
下記特許文献1によれば、サファイア基板上に、GaN、あるいはAlNからなる低温バッファ層を介してGaN層が成長されている。GaN層表面に、例えば、SiOから成るストライプマスクが周期的に形成され、その上に再びGaNオーバーグロース層が成長されている。GaNオーバーグロース層は、ストライプマスクのない部分、即ちGaN層が露出した領域でのみ成長を開始し、しばらくすると、ストライプマスク上を横方向に成長した結晶が、その上を覆いつくす。そして、最終的に、表面が平坦な膜となる。
このようなGaNオーバーグロース層の成長の過程において、本来、成長方向に真上に貫通する転位は、結晶合体部を除いてストライプマスク上には殆ど存在しない。その結果、中央部を除いたストライプマスク上のGaNオーバーグロース層には転位の少ない領域が形成されるとされている。
同文献によれば、この製造方法を用いることにより、ほぼ全面に低転位なAlNを含むIII族窒化物半導体基板が作製可能となり、高性能短波長発光素子や受光素子が実現できる可能性が示されている。
国際公開WO2003/025263パンフレット
しかしながら、特に、短波長用の結晶成長では、例えば埋め込み層を構成するAlGaN層のAl組成を高くする必要があるが、下地層に用いるGaN層などと格子間隔が大きく異なり(AlGaN格子定数<GaN格子定数)、埋め込み層内に大きな引っ張り歪みが発生する、この引っ張り歪より、実際には、埋め込み層内に多数のクラックが発生するため、デバイスの歩留まりが向上しない
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、全面に渡って転位密度を低減し、クッラク発生を防止することが可能な窒化化合物半導体基板及び半導体デバイスを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る窒化化合物半導体基板は、下地となる第1GaN系半導体層と、第1GaN系半導体層の表面上に部分的に形成された結晶成長制限部と、第1GaN系半導体層上に成長し、厚み方向に沿った断面が三角波形状であって、結晶成長制限部の直上に三角波の谷が位置する第2GaN系半導体層と、第2GaN系半導体層上に形成されたAlN、AlGaN又はInAlGaNからなり、厚さ5〜1000nmの歪み抑制層と、歪み抑制層上に形成されたAlGaN又はInAlGaNからなり、格子定数が歪み抑制層よりも大きい埋め込み層とを備え、前記第2GaN系半導体層と前記歪み抑制層との間に介在するAlN、AlGaN、InAlGaN、GaN又はInGaNからなり、厚さ5〜100nmの中間層を更に備えることを特徴とする。 また、前記第1及び第2GaN系半導体層はGaNであり、前記結晶成長制限部はSiO であり、前記中間層はAlNであり、前記歪み抑制層はAlGaNであり、前記埋め込み層はAlGaNであることを特徴とする。
下地となる第1GaN系半導体層上には第2GaN系半導体層が成長するが、部分的にマスク等の結晶成長制限部が設けてあるため、結晶成長制限部上では横方向成長が行われる。したがって、結晶成長制限部上の結晶性は高くなる。また、第2GaN系半導体層の第1GaN系半導体層上に成長した部分は、結晶成長制限部上に成長した部分とは縦方向の成長速度が異なるため、第2GaN系半導体層の厚み方向に沿った断面は三角波形状となる。
すなわち、三角波の谷は結晶成長制限部の直上に位置する。三角波の山の位置には欠陥や転位が残るが、その山の頂上の面積は小さく、全面に渡って転位密度を低減し、クラック発生を防止することが見込まれる。特に、AlGaN又はInAlGaNからなる埋め込み層と、第2GaN系半導体層との間には、第2GaN系半導体層との格子歪を緩和するよう、埋め込み層と同様の材料からなり格子定数が小さな歪み抑制層が介在しているため、埋め込み層内には圧縮応力が生じて引っ張り歪みが導入されず、クラックの発生を防止できる。
特に、Alの組成比が10%を超えた場合に、この構造は有効である。すなわち、Alの組成比が高い場合に、膜厚が厚くても、低欠陥でかつクラックの無い埋め込み層を形成することが可能となる。
また、結晶成長制限部は、絶縁体からなるマスクによって構成されていることが好ましい。絶縁体のマスクを用いた場合、第2GaN系半導体層の縦方向の結晶成長が確実に抑制される。
また、本発明の窒化化合物半導体基板は、第2GaN系半導体層と歪み抑制層との間に介在するAlN、AlGaN、InAlGaN、GaN又はInGaNからなる中間層を更に備えることが好ましい。このような中間層、特に300℃から800℃の低温で成長させた低温中間層を用いた場合には歪み抑制層への歪みを緩和し歪み抑制層の成長を良好におこなうことができる。
また、本発明に係る半導体デバイスは、上述の窒化化合物半導体基板と、窒化化合物半導体基板上に形成された半導体機能素子とを備えることを特徴とする。欠陥が低減されクラックの無い化合物半導体基板上に形成された半導体デバイスは、半導体機能素子の部分の光学特性、電気伝導特性に優れることとなる。
窒化化合物半導体基板は全面に渡って転位密度を低減し、クッラク発生を防止することができ、これを用いた半導体デバイスは光学特性、電気伝導特性に優れることとなる。
以下、実施の形態に係る化合物半導体基板及び半導体デバイスについて、添付の図面に基づいて説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、実施の形態に係る化合物半導体基板の縦断面図である。なお、層構造の明確化のため、各層のハッチングの記載は省略する。
基板A上に緩衝層Bを成長し、この上に下地となる第1GaN系半導体層D1を成長し、第1GaN層D1の露出表面上に結晶成長制限部Cを部分的に設ける。複数の結晶成長制限部Cは紙面に垂直な方向に延びている。結晶成長制限部Cは、ストライプ状であってもよく格子状であってもよい。この表面上に第2GaN系半導体層D2を成長させる。第2GaN系半導体層D2の縦断面は三角波形状となり、結晶成長制限部Cの直上に三角波の谷が位置する。第2GaN系半導体層D2の露出表面上に中間層Eを成長し、この上に歪み抑制層Fが成長しており、歪み抑制層F上に埋め込み層Gが成長し、表面が平坦となっている。
図2は、窒化化合物半導体基板の平面図である。
GaN系半導体層Dの三角波断面の山の位置Yと谷の位置Tとが交互に並んでいる。山の位置Yと谷の位置Tとの間に低欠陥(低転位)領域が形成されている。
図3は、各構成要素に用いることができる材料を示す表である。
基板Aの材料としては、サファイア、SiC、Si、GaN、Ga、ZnOを用いることができ、緩衝層Bの材料としては、GaN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaNを用いることができる。
結晶成長制限部Cの材料としてはSiOやSiNを用いることができる。結晶成長制限部Cは、絶縁体からなるマスクによって構成されている場合、第2GaN系半導体層D2の縦方向の結晶成長が確実に抑制される。
さらに、GaN系半導体層Dの材料としては、GaN、InGaN、AlGaN、InAlGaNを用いることができる。
中間層Eの材料としては、AlN、AlGaN、InAlGaN、GaN又はInGaNを用いることができる。中間層Eは、第2GaN系半導体層D2と歪み抑制層Fとの間に介在しており、このような中間層E、特に300℃から800℃の低温で成長させた低温中間層を用いた場合には、歪み抑制層Fへの歪みを緩和し歪み抑制層Fの成長を良好におこなうことができる。
また、歪み抑制層Fの材料としては、AlN、AlGaN、InAlGaNを用いることができ、埋め込み層Gの材料としてはAlGaN、InGaNを用いることができる。
なお、緩衝層Bや中間層Eは挿入しないでも上述の効果を得ることができ、成長マスクとしての結晶成長制限部Cは空隙を用いることも可能である。
各要素A〜Gの好適な材料と厚みの範囲の一例は以下の通りである。
・A:サファイア/50〜1000μm
・B:GaN/5〜100nm
・C:SiO/50〜500nm
・D:GaN/0.1〜20μm
・E:AlN/5〜100nm
・F:AlGaN/5〜1000nm
・G:AlGaN/0.1〜20μm
図4は、図1に示した窒化化合物半導体基板の模式図である。同図には、埋め込み成長による欠陥(転位)の伝搬の様子が記載されている。
この窒化化合物半導体基板は、第1GaN系半導体層D1の表面上に部分的に形成された結晶成長制限部Cと、第1GaN系半導体層D1上に成長し、厚み方向に沿った断面が三角波形状であって、結晶成長制限部Cの直上に三角波の谷の位置Tが存在する第2GaN系半導体層D2と、第2GaN系半導体層D2上に形成された歪み抑制層Fと、歪み抑制層F上に形成され、格子定数が歪み抑制層Fよりも大きい埋め込み層Gとを備えている。
下地となる第1GaN系半導体層D1上には第2GaN系半導体層D2が成長するが、部分的にマスク等の結晶成長制限部Cが設けてあるため、結晶成長制限部C上ではGaN系半導体の横方向成長が行われる。したがって、結晶成長制限部C上の結晶性は高くなる。横方向結晶成長時においては、破線で示されるように、欠陥(転位)も横方向に延びて成長する。但し、谷の位置Tでは、両側から中心に向かって横方向成長した結晶同士が衝突するため、その結晶性は低下している。
第2GaN系半導体層D2の第1GaN系半導体層D1上に成長した部分は、結晶成長制限部C上に成長した部分とは縦方向の成長速度が異なるため、第2GaN系半導体層D2の厚み方向に沿った断面は三角波形状となり、谷の位置Tは結晶成長制限部Cの直上に位置する。
三角波の山の位置Yには欠陥や転位が残るが、その山の位置Yの頂上の面積は小さく、基板の全面に渡って転位密度を低減し、クラックの発生を防止することが見込まれる。埋め込み層Gは、AlGaN又はInAlGaNからなり、第2GaN系半導体層D2との間には、第2GaN系半導体層D2との格子歪を緩和するよう、埋め込み層Gと同様の材料からなり格子定数が小さな歪み抑制層Fが介在しているため、埋め込み層G内には圧縮応力が生じて引っ張り歪みが導入されず、クラックの発生を防止できる。
AlGaN又はInAlGaNにおいて、Alの組成比を増加させると、エネルギーバンドギャップが短波長側にシフトする化合物半導体における格子定数は、原子半径が大きい元素が含まれているほど大きくなる傾向があり、また、格子定数が大きいほどエネルギーバンドギャップは小さくなる傾向がある。青色や紫外線などの短波長の光に対応する半導体機能素子を形成するためには、Alの組成比を増加させて、エネルギーバンドギャップを広くする必要があるが、窒化化合物半導体では、Alの組成比の増加に伴い結晶転位密度も増加する傾向がある。また、GaNなど結晶格子間隔の大きい結晶膜上に、AlGaNなど格子間隔の小さい膜を成長する場合には、引っ張り歪みが生じるためクラックが生じやすい。Al組成が高い場合やAlGaN膜厚が厚い場合には、この傾向は顕著となる。
上述の構造は、結晶転位密度が増加する場合、結晶格子間隔の差が大きな場合、すなわち、Alの組成比が10%を超えた場合に特に有効である。Alの組成比が高い場合に、膜厚が厚くても、低欠陥でかつクラックの無い埋め込み層Gを形成することが可能となる。
図5は、図1に示した窒化化合物半導体基板の表面顕微鏡写真を示す図である。
基板Aとしてサファイア、緩衝層Bとして低温GaN、結晶成長制限部CとしてSiO、GaN系半導体層DとしてGaN、中間層Eとして低温AlN、歪み抑制層FとしてAlGaN、埋め込み層GとしてAlGaNを用いた。この表面顕微鏡写真によれば、クラックの無い平滑な面が形成されている。
図6は、図1に示した窒化化合物半導体基板から歪み抑制層Fを省略した窒化化合物半導体基板(比較例)の表面顕微鏡写真を示す図である。
結晶成長制限部Cのストライプ方向とは垂直な方向に沿って多数のクラックが生じていることが観察される。
図7は、図5で用いた窒化化合物半導体基板の表面カソードルミネッセンス像を示す図である。この写真中の黒い点は、転位に起因する非発光領域を示している。広いエリアに低転位の領域を形成されていることが観察される。
図8は、窒化化合物半導体基板100上に、下部コンタクト層4、下部クラッド層5、活性層7、キャリアブロック層8、上部クラッド層10が順次積層されている。上部クラッド層10上に上部コンタクト層11が形成されている。上部コンタクト層11の上部表面には透明電極15を介して上部電極13が接触している。下部コンタクト層4は露出面を有しており、この露出面上に下部電極14が接触している。なお、透明電極15及び下部電極14は、それぞれp型のコンタクト層11及びn型のコンタクト層4とオーミック接触する。
各要素の材料の一例は以下の通りである。
・下部コンタクト層4:AlGaN(n型)
・下部クラッド層5:AlGaN(n型)
・活性層7:GaN井戸層/AlGaN障壁層
・キャリアブロック層8:AlGaN
・上部クラッド層10:AlGaN(p型)
・上部コンタクト層11:GaN(p型)
・透明電極15:ITO
この半導体デバイスは、上述の窒化化合物半導体基板100と、窒化化合物半導体基板100上に形成された半導体機能素子(発光素子)とを備えている。欠陥が低減されクラックの無い窒化化合物半導体基板100上に形成された半導体デバイスは、下地の結晶性を継承するため、発光素子の光学特性、電気伝導特性は優れることとなる。なお、窒化化合物半導体基板100上には他の半導体機能素子、MESFET等も形成することができる。
次に、上述の窒化化合物半導体基板の製造方法について説明する。
本実施形態では、結晶を成長させる方法として有機金属気相成長(MOCVD)法が用いられるが、本発明はこれに限定されず、分子線成長(MBE)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法等、他の成長方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、窒素原料ガスとしてアンモニア(NH)を含むガスが、III族原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)やトリメチルアルミニウム(TMA)を含むガスが、n型ドーピング原料ガスとしてシラン(SiH)を含むガスが、p型ドーピング原料ガスとしてジシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を含むガスが用いられるが、本発明はこれに限定されない。
工程(1)GaN層成長工程
サファイア基板(基板A)を、MOCVDによる結晶成長を行うことが可能な空間(MOCVD室)に導入して固定し、MOCVD室内を水素雰囲気にする。次に、サファイア基板に対して1050℃で5分間の熱処理を行い、サファイア基板の表面を清浄化する。このように適切な条件で熱処理を行うことで、サファイア基板の表面の汚染物質が取り除かれると共に、表面の平面度が向上する。
次に、サファイア基板の温度を475℃まで降温し、トリメチルガリウムを含むIII族原料ガス、及び窒素原料ガス等を供給して、サファイア基板上に膜厚が25nmの緩衝層Bを成長させる。そして、1075℃まで昇温し、トリメチルガリウムを含むIII族原料ガス、及び窒素原料ガス等を供給して、緩衝層上に膜厚が緩衝層より厚い2.5μmのGaN層(第1のGaN系半導体層D1)を成長させる。
工程(2)SiOストライプ形成
工程(1)で得られた基板をMOCVD室から取り出し、プラズマCVDによる成膜が可能な空間(プラズマCVD室)に導入して固定する。次に、上記の基板上に、膜厚が300nmのSiO膜を堆積させる。次に、通常のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりSiO膜を加工して、幅3μmで周期6μmのSiOの周期ストライプパターンを形成する。また、ストライプの方向は、GaN[1−100]方向である。次に、SiOストライプ(結晶成長制限部C)を形成した基板を、再度、MOCVD成長室に導入して固定し、MOCVD室をアンモニア雰囲気にして、1075℃で5分間の熱処理を行う。
工程(3)GaN三角ファセット形成
その後、成長圧力6.7×10Pa、基板温度925℃でGaNを成長させ、三角波断面有する第2のGaN系半導体層D2(三角ファセット構造)を形成する。
工程(4)中間層成長工程
前工程でGaNの三角ファセットを形成した後、基板の温度を550℃まで降温し、GaN層の表面上に膜厚が10nmの中間層Eを成長させる。
工程(5)化合物層成長工程
工程(4)で得られた基板を1125℃まで昇温し、中間層Eの上に膜厚が約120nmのAl0.6Ga0.4N層(AlX1GaY1N系化合物層:歪み抑制層F)を成長させる。次に、膜厚が8.4μmのAl0.15Ga0.85N層(AlX2GaY2N系化合物層:埋め込み層G)を成長させる。これにより、GaNの三角ファセット構造が埋め込まれ、基板の表面が平坦化されて、窒化化合物半導体基板が得られる。なお、これらの膜厚は、平坦な基板上に成長させた場合の膜厚に換算した値である。また、成長圧力は1.0×10Paとした。
工程(6)半導体デバイス製造工程
前工程で得られた基板の上に、SiをドープしたAl0.15Ga0.85N層(Siドープコンタクト層)を3μm、Al0.15Ga0.85N層(第1クラッド層)を250nm、AlGaN量子井戸構造(活性層)、Al0.35Ga0.65N層(キャリアブロック層)を20nm、MgをドープしたAl0.15Ga0.85N層(Mgドープクラッド層)を250nm、MgをドープしたGaN層(コンタクト層)を50nm、順に成長させて、半導体構造物を得た。
また、窒化化合物半導体基板及び半導体デバイスの製造方法は、サファイア基板上に直接上述の工程(2)の工程においてSiOストライプを形成し、以下の工程(3−2)及び上述の工程(4)及び工程(5)を経ることによって形成してもよい。
工程(3−2)GaN三角ファセットの形成工程
工程(2)で得られた基板を、基板温度475℃まで昇温し、膜厚が25nmの緩衝層を成長させる。その後、成長圧力6.7×10Paで、基板温度925℃まで昇温しGaNの三角ファセット構造を形成する。
なお、三角ファセットGaN上へAlN緩衝層を挿入して横方向埋め込み成長を行う場合、上述の特許文献1の方法では、埋め込まれるAlGaN層のAl組成が10%を越えると、GaNとAlGaN層との格子定数が大きく異なるため、歪みが十分に緩和されず、実際には多くのクラックが発生してしまう。特に、レーザ構造等のように、埋め込み層の膜厚が10μm程度以上となるような場合には、多くのクラックが発生してしまう。
一方、本発明では低温AlN中間層を介して歪みを緩和したAlGaN歪み抑制層を成長した後に、AlGaN歪み抑制層よりも格子定数が大きいAlGaN層を成長することで(AlGaN歪み抑制層からAlGaN層は圧縮応力を受ける)、クラックの発生を防止している。
なお、化合物半導体基板は、図1とは別の構造を採用することも可能である。
図9は、第2実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。
この窒化化合物半導体基板は、図1に示したものと比較して緩衝層Bを備えていない点のみが異なり、基板A上に直接、第1GaN系半導体層D1が成長している。各要素の材料の一例は以下の通りである。
・A:Ga
・C:SiO
・D:GaN
・E:AlN
・F:AlGaN
・G:AlGaN
図10は、第3実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。
この窒化化合物半導体基板は、図1に示したものと比較して基板A、緩衝層B、GaN系半導体層Dの材料が同一である点のみが異なり、これらは一体化している。一体化したGaN系半導体層をHとする。各要素の材料の一例は以下の通りである。
・H:GaN
・C:SiO
・E:AlGaN
・F:InAlGaN
・G:InAlGaN
図11は、第4実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。
この窒化化合物半導体基板は、基板Aと、基板A上に成長し、緩衝層を兼用する第1GaN系半導体層D1と、この上に成長した第2GaN系半導体層D2を備えている。結晶成長制限部Cは、基板Aの表面に形成された凹部内の空隙として与えられており、中間層E、歪み抑制層F、埋め込み層G積層構造は、図1に示したものと同一である。各要素の材料の一例は以下の通りである。
・A:サファイア
・C:空隙
・D1:GaN
・D2:AlGaN
・E:AlN
・F:AlGaN
・G:AlGaN
図12は、第5実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。
この窒化化合物半導体基板は、図11に示したものと比較して、結晶成長制限部Cが、基板Aの表面から上方に向けてGaN系半導体層Dを侵食した形状の空隙として与えられている点のみが異なる。この空隙は、例えば、空隙内に絶縁層やホトレジストを形成しておき、GaN系半導体層Dの形成後にこれを溶解することによって形成することができる。各要素の材料の一例は以下の通りである。
・A:サファイア
・C:空隙
・D1:InGaN
・D2:GaN
・E:AlGaN
・F:InAlGaN
・G:InAlGaN
図13は、縦断面が三角波形状を有する第2GaN系半導体層D2の平面図(a)及び斜視図(b)である。この第2GaN系半導体層D2の表面形状は上述のものとは異なる。すなわち、図13(a)に示すように、GaNは六方晶をしており、紙面に垂直な方向にc軸が延びているが、本例では、1つの結晶格子のc軸の延長線上に頂点を有する六角錐が形成されている(図13(b)参照)。このような構造(周期六角錐ファセット構造)の場合も、第2GaN系半導体層D2の縦断面は三角波形状となる。
以上、説明したように、上述の窒化化合物半導体基板は、サファイア基板、酸化ガリウム基板、SiC基板、Si基板など窒化物とは異なる異種基板または窒化物基板上に、AlGaN層を有している。なお、歪み抑制層F(AlX1GaY1N系化合物層)及び埋め込み層G(AlX2GaY2N系化合物層)は、0<X1≦1、0≦X2<1、X1>X2の関係を満たすことが好ましい。上述のGaN、AlN、AlGaN各層は表記した主要元素により構成される他、さらに微量のAl、Inを添加することによりAlInGaN層として実現してもよいが、この場合も、歪み抑制層Fの格子間隔<埋め込み層Gの格子間隔となる組成が条件となる。
本発明は、化合物半導体基板及び半導体デバイスに利用することができる。
実施の形態に係る化合物半導体基板の縦断面図である。 窒化化合物半導体基板の平面図である。 各構成要素に用いることができる材料を示す表である。 図1に示した窒化化合物半導体基板の模式図である。 図1に示した窒化化合物半導体基板の表面顕微鏡写真を示す図である。 図1に示した窒化化合物半導体基板から歪み抑制層Fを省略した窒化化合物半導体基板(比較例)の表面顕微鏡写真を示す図である。 図5で用いた窒化化合物半導体基板の表面カソードルミネッセンス像を示す図である。 窒化化合物半導体基板100上に、下部コンタクト層4、下部クラッド層5、活性層7、キャリアブロック層8、上部クラッド層10が順次積層されている。 第2実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。 第3実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。 第4実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。 第5実施形態に係る窒化化合物半導体の縦断面図である。 縦断面が三角波形状を有する第2GaN系半導体層D2の平面図(a)及び斜視図(b)である。
符号の説明
4・・・下部コンタクト層、5・・・下部クラッド層、7・・・活性層、8・・・キャリアブロック層、10・・・上部クラッド層、11・・・上部コンタクト層、13・・・上部電極、14・・・下部電極、15・・・透明電極、100・・・窒化化合物半導体基板、A・・・基板、B・・・緩衝層、C・・・結晶成長制限部、D・・・GaN系半導体層、E・・・中間層、F・・・抑制層、T・・・谷の位置、Y・・・山の位置、




Claims (4)

  1. 下地となる第1GaN系半導体層と、
    前記第1GaN系半導体層の表面上に部分的に形成された結晶成長制限部と、
    前記第1GaN系半導体層上に成長し、厚み方向に沿った断面が三角波形状であって、前記結晶成長制限部の直上に前記三角波の谷が位置する第2GaN系半導体層と、
    前記第2GaN系半導体層上に形成されたAlN、AlGaN又はInAlGaNからなり、厚さ5〜1000nmの歪み抑制層と、
    前記歪み抑制層上に形成されたAlGaN又はInAlGaNからなり、格子定数が前記歪み抑制層よりも大きい埋め込み層と、
    を備え
    前記第2GaN系半導体層と前記歪み抑制層との間に介在するAlN、AlGaN、InAlGaN、GaN又はInGaNからなり、厚さ5〜100nmの中間層を更に備える、
    ことを特徴とする窒化化合物半導体基板。
  2. 前記結晶成長制限部は、絶縁体からなるマスクによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化化合物半導体基板。
  3. 前記第1及び第2GaN系半導体層はGaNであり、前記結晶成長制限部はSiO であり、前記中間層はAlNであり、前記歪み抑制層はAlGaNであり、前記埋め込み層はAlGaNであることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化化合物半導体基板。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化化合物半導体基板と、
    前記窒化化合物半導体基板上に形成された半導体機能素子と、
    を備えることを特徴とする半導体デバイス。
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