JP5060012B2 - 医薬又は化粧料 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、特に水生生物由来の生理活性物質の医薬または化粧料としての用途に関する。
背景技術
水生生物由来の生理活性物質としてはフコイダンが知られている。フコイダンとは藻類、棘皮動物等に含まれている硫酸化フコース含有多糖であり、硫酸化フコースを構成糖として含むものである。
フコイダンの生理作用としては、がん増殖抑制活性、がん転移抑制活性、抗凝血活性、抗ウィルス活性等が知られており、医薬品等としての用途開発が期待されている。
本発明はフコイダンの新たな生理作用に関し、その目的はフコイダン、その分解物またはその塩を利用した医薬または化粧料を提供することにある。
発明の開示
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする、β型トランスフォーミング増殖因子産生増強を必要とする疾患の治療剤もしくは予防剤、しわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、およびコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤、のいずれかとして使用される医薬に関する。なお、本明細書において、本発明の第1の発明の主題を単に「医薬」という場合がある。
本発明の第2の発明は、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする、β型トランスフォーミング増殖因子産生増強用、しわ改善用もしくは予防用、皮膚の弾力性向上用もしくは弾力性維持用、皮膚肥厚改善用もしくは予防用、およびコラーゲン減少抑制用もしくは産生増強用、のいずれかに使用される化粧料に関する。なお、本明細書において、本発明の第2の発明の主題を単に「化粧料」という場合がある。
本発明の第3の発明は、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を個体に投与することを特徴とする、β型トランスフォーミング増殖因子産生増強方法、しわ改善もしくは予防方法、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持方法、皮膚肥厚改善もしくは予防方法、およびコラーゲン減少抑制方法もしくは産生増強方法、のいずれかの方法に関する。
本発明の第4の発明は、β型トランスフォーミング増殖因子産生増強、しわ改善もしくは予防、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持、皮膚肥厚改善もしくは予防、およびコラーゲン減少抑制もしくは産生増強、のいずれかを行う薬剤を製造するための、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上の使用に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の医薬および化粧料は、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする。本発明の所望の効果の発現は、本発明者らが見出した当該有効成分により発揮される、β型トランスフォーミング増殖因子(TGF−β)産生増強作用、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用に基づくものである(以下、これらの有効成分の作用を単に「生理作用」という場合がある)。
なお、本明細書において「増強」には、本発明の有効成分の作用前に比し、作用後において目的物質の量が増加するという態様と共に、本発明の有効成分を作用させることにより目的物質を生起せしめるという態様(誘導)を含む。
本発明において有効成分として使用されるフコイダンとは硫酸化フコースを構成成分として含む硫酸化フコース含有多糖であり、前記生理作用を有していれば良く、特に限定はない。当該フコイダンの好適な材料としては、藻類、例えばガゴメ昆布、マ昆布、トロロ昆布、ワカメ、クロメ、アラメ、カジメ、ジャイアントケルプ、レッソニア ニグレセンス、モズク、オキナワモズク、アスコフィラム ノドッサム、エクロニア マキシマ(Ecklonia maxima)、ダービリア(Durvillaea)等の昆布目、ながまつも目、ひばまた目等の褐藻類に属する海藻等、および棘皮動物、例えばナマコ、ウニ、ヒトデ等が例示される。中でも、昆布目の海藻は優れたTGF−β産生増強作用を有するフコイダンを多く含んでおり、原料として好適である。従って、本発明において有効成分として使用されるフコイダンとしては藻類由来または棘皮動物由来のものが好ましく、褐藻類由来のものがより好ましい。
これらのフコイダンの調製はそれぞれ公知の方法で調製すれば良く、粗調製物、精製物又はいくつかの分子種に分けたフコイダン等を本発明に使用できる。
例えばガゴメ昆布からフコイダンを調製し、該フコイダンからグルクロン酸含有フコイダン(以下、U−フコイダンと称す)とグルクロン酸非含有フコイダン(以下、F−フコイダンと称す)を分離でき、本発明の有効成分としてそれぞれのフコイダンを使用できる。また、ガゴメ昆布から硫酸化フコガラクタン(以下、G−フコイダンと称す)を調製し、使用できる。
U−フコイダン及びF−フコイダンは、例えばガゴメ昆布からフコイダンを調製後、陰イオン交換樹脂、界面活性剤等を用いて分離される。ガゴメ昆布由来U−フコイダン及びF−フコイダンの存在比は約1:2であり、U−フコイダンはフコース、マンノース、ガラクトース、グルクロン酸等を含み硫酸含量は約20%、F−フコイダンはフコースとガラクトースを含み、硫酸含量は約50%、分子量は両物質共に約20万を中心に分布している(第18回糖質シンポジウム要旨集、第159頁、1996年)。
例えばガゴメ昆布から調製したフコイダン溶液をDEAE−セルロファインA−800カラムにアプライ後、NaCl含有緩衝液にて濃度勾配法により溶出させることにより、U−フコイダンとF−フコイダンに分離できる。第1図にその1例を示す。すなわち第1図はU−フコイダンとF−フコイダンの分離を示す図であり、図中前ピークがU−フコイダン、後ピークがF−フコイダンである。
フコイダンを含有するナマコとしては、例えば特開平4−91027号公報に記載のナマコがあり、当該公報記載の方法にてナマコよりフコイダンを調製できる。また、市販のフコイダンを使用することもできる。
本発明において有効成分として使用するフコイダンの分解物(以下、本発明の分解物と称することがある。)は、酵素学的方法、化学的方法、物理学的方法等の公知の方法にてフコイダンを分解し、TGF−β産生増強作用、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用を指標として所望の分解物を選択することにより得られる。
本発明で使用するフコイダンの分解物の好適な調製方法としては、例えば酸分解法があり、フコイダンの酸分解により、前記生理作用を有する分解物を調製できる。
本発明で使用するフコイダンの酸分解条件としては、本発明の分解物が生成する条件であれば、特に限定はない。例えばフコイダンを酸水溶液等に溶解またはけん濁し、酸分解反応を行うことにより、本発明の分解物を得ることができる。また、反応時の加熱により、本発明の分解物の生成に必要な時間が短縮される。フコイダンを溶解またはけん濁する酸の種類は特に限定するものではないが、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸、また陽イオン交換樹脂、陽イオン交換繊維、陽イオン交換膜等の固体酸が使用可能である。
酸の濃度も特に限定はないが、好ましくは0.0001〜5規定、より好ましくは0.01〜1規定程度の濃度で使用可能である。また、反応温度も特に限定はないが好ましくは0〜200℃、より好ましくは20〜130℃に設定すれば良い。
また、反応時間も特に限定はないが、好ましくは数秒〜数日に設定すれば良い。酸の種類と濃度、反応温度及び反応時間は、本発明の分解物の生成量、分解物の重合度により適宜選択すれば良い。例えば、本発明の分解物の製造に際しては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸を使用し、酸の濃度は数10mM〜数M、加熱温度は50〜110℃、好適には70〜95℃、加熱時間は数分〜24時間の範囲から適宜選択することにより、本発明の分解物を調製できる。フコイダンの酸分解物としてはガゴメ昆布由来フコイダンの酸分解物が例示され、当該分解物はTGF−β産生増強作用、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用の強い新生理機能を有する食物繊維としても使用できる。
本発明の分解物は、TGF−β産生増強作用、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用を指標としてさらに分画でき、例えば酸分解物をゲルろ過法、分子量分画膜による分画法等により分子量分画できる。
ゲルろ過法の例としては、セルロファインGCL−300を使用し、例えば分子量25000超、分子量25000〜10000超、分子量10000〜5000超、分子量5000以下等の任意の分子量画分を調製でき、セルロファインGCL−25を用い、例えば分子量5000以下の画分を分子量5000〜3000超、分子量3000〜2000超、分子量2000〜1000超、分子量1000〜500超、分子量500以下等の任意の分子量画分に調製できる。
また、本発明の分解物は、限外ろ過膜を用いて工業的に分子量分画でき、例えばダイセル社製FE10−FUSO382を用いて分子量30000以下の画分を、同FE−FUS−T653を用いて分子量6000以下の画分を調製できる。更にナノフィルター膜を用いて分子量500以下の画分を得ることもでき、また、これらのゲルろ過法や分子量分画法を組み合せて任意の分子量画分を調製できる。
本発明で使用できる前記生理作用を有するフコイダンの分解物としては、以下の式(I)〜式(IV)で表される化合物が例示され、これらの化合物は国際公開第97/26896号パンフレット、国際公開第99/41288号パンフレット、国際公開第00/50464号パンフレットに記載の方法で調製できる。また、本発明の分解物としては、国際公開第97/26896号パンフレット、国際公開第99/41288号パンフレット、国際公開第00/50464号パンフレットに記載のフコイダンの分解物も例示される。
Figure 0005060012
(式中、RはOH又はOSOHである。)
Figure 0005060012
(式中、RはOH又はOSOHである。)
Figure 0005060012
(式中、RはOH又はOSOHである。)
Figure 0005060012
(式中、RはOH又はOSOHである。)
なお、式(I)で表される化合物の例としては後述の式(V)で表される化合物が、式(II)で表される化合物の例としては後述の式(VI)および式(VII)が、また、式(III)で表される化合物の例としては式(VIII)で表される化合物が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、例えば前記F−フコイダンを、アルテロモナス sp.SN−1009(FERM BP−5747)が産生するエンド型硫酸化多糖分解酵素(F−フコイダン特異的分解酵素)を用いて分解し、得られた分解物より精製して得ることができる。当該化合物中の硫酸基の含量、部位についてはその分解物中より、任意のものを精製できる。また当該分解物中には式(I)で表される化合物の多量体も含有されており、目的に応じて分離、精製できる。
式(II)と式(III)で表される化合物は、例えば前記U−フコイダンを、フラボバクテリウム sp.SA−0082(FERM BP−5402)が産生するエンド型硫酸化多糖分解酵素(U−フコイダン特異的分解酵素)を用いて分解し、得られた分解物より精製して得ることができる。当該化合物中の硫酸基の含量、部位については任意のものを分解物中より精製できる。また当該分解物中には各々式(II)または式(III)で表される化合物を基本骨格とする、その多量体も含有されており、目的に応じて分離、精製できる。
また、ガゴメ昆布由来フコイダンを、アルテロモナス sp.SN−1009(FERM BP−5747)が産生するF−フコイダン特異的分解酵素およびフラボバクテリウム sp.SA−0082(FERM BP−5402)が産生するU−フコイダン特異的分解酵素で分解し、得られた分解物を精製して、前記G−フコイダンを調製できる。
前記フラボバクテリウム sp.SA−0082はG−フコイダンを特異的に分解するエンド型硫酸化多糖分解酵素(G−フコイダン特異的分解酵素)をも産生する。当該G−フコイダン特異的分解酵素をG−フコイダンにさらに作用させて当該G−フコイダンの分解物を調製し、目的に応じ分解物を精製し、当該分解物中より本発明において有効成分として使用しうる分解物を調製することもできる。式(IV)で表される化合物はその例である。当該化合物中の硫酸基の含量、部位については任意のものを分解物中より精製できる。また、当該分解物中には式(IV)で表される化合物を基本骨格とする、その多量体も含有されており、目的に応じて分離、精製できる。
なお、上記各酵素については、国際公開第97/26896号パンフレットおよび国際公開第00/50464号パンフレットに記載されている。
また、後述の製造例2−(3)に記載のごとく、フコイダンまたはその分解物に対し硫酸基をさらに付加してなる高硫酸化体も本発明において有効成分として使用し得る。
本発明において有効成分として使用されるフコイダンまたはその分解物の塩としては、たとえば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示される。たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、またはジエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。これらの塩は、たとえば、フコイダン等に存在する硫酸基やカルボキシル基を公知の方法により塩に変換することで得られる。かかる塩としては薬理学的に許容され得る塩が好ましい。
なお、本発明の有効成分の生理作用の発現は後述の実施例に記載の方法により評価することができる。たとえば、TGF−β産生増強作用については実施例1に記載の方法により、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用については、実施例5、6、8、9および/または10に記載の方法により評価することができる。なお、細胞内でのI型コラーゲンの産生量は、その前駆体であるI型プロコラーゲン(typel pro−collagen)産生量に反映される。すなわち、I型プロコラーゲン産生量を調べることにより、I型コラーゲン産生の変化を知ることができる。
本発明の第1の態様である医薬は、本発明における前記有効成分を含有してなるものであり、TGF−β産生増強を必要とする疾患の治療剤もしくは予防剤、しわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、またはコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤として提供される。
トランスフォーミング増殖因子(TGF)にはα型(TGF−α)とβ型(TGF−β)が存在する。特にTGF−βは細胞増殖の抑制、細胞分化の促進、免疫機能の抑制、繊維芽細胞の走化性の亢進など多彩な生理活性を有し、さまざまな疾患の治癒に関連すると考えられている。例えば糖尿病性網膜症、粥状動脈硬化の初期病変、骨折、心筋梗塞、虚血再還流後の心筋梗塞、脳梗塞、網膜剥離などの治療または予防効果、創傷治癒促進効果などが知られている。従って、TGF−β産生を増強することにより、これらの疾患の治療または予防効果が期待される。
すなわち、本発明において、TGF−β産生増強を必要とする疾患とはTGF−β産生を増強することにより治療または予防することが可能な疾患であり、例えば糖尿病性網膜症、粥状動脈硬化、骨折、心筋梗塞、虚血再還流後の心筋梗塞、脳梗塞、網膜剥離、創傷などが例示される。本発明の有効成分はTGF−β産生増強作用を有しており、当該有効成分を含有してなる、本発明の治療剤または予防剤は、かかる疾患の治療または予防に有効である。なお、TGF−βには様々なアイソフォームが存在するが、本発明において有効成分として使用されるフコイダン、その分解物および/またはそれらの塩は、TGF−βのアイソフォームの中でも、特にTGF−βを産生増強する作用に優れており、当該有効成分により産生増強されるTGF−βとしては好適にはTGF−βが例示される。
また、本発明の有効成分は、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、および/またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用を有する。従って、当該有効成分を含有してなる、本発明のしわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、あるいはコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤は、しわ改善もしくは予防等に優れた効果を発揮する。たとえば、本発明のしわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、またはコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤を肌に塗布することにより、日光暴露、紫外線照射、乾燥等の外的要因、および老化現象として起こる内的要因により誘発される、いずれのしわ形成、皮膚の弾力性の低下、皮膚の肥厚の増大またはコラーゲン減少をも改善または予防することができる。なお、本発明において、しわ改善とは、しわの長さを短くする、しわの深さを浅くする、もしくはしわをなくすことを意味する。
続いて、本発明の医薬の製造方法について説明する。本発明の医薬は、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分とするものであり、当該有効成分を公知の医薬用担体と組合せて製剤化すれば良い。一般的には、本発明にかかる有効成分を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合し、所望により、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とする。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、外用剤とすることもできる。
医薬用担体は、本発明の医薬の投与形態および剤型に応じて選択することができ、経口剤の場合は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等が利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を配合することもできる。
一方、非経口剤の場合は、常法に従い本発明の有効成分を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等に溶解ないし懸濁させ、所望により殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えることにより調製することができる。
外用剤としては、経皮投与用の固体、半固体または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤などの液状製剤、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用の貼付剤などとすることもできる。
本発明の医薬は、適宜、製薬分野における公知の方法により製造することができる。本発明の医薬における本発明の有効成分の含有量は、投与形態、投与方法などを考慮し、当該医薬を用いて好ましくは後述の投与量範囲で当該有効成分を投与できるような量であれば特に限定されるものではない。
本発明の医薬は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与できる。投与方法も特に限定はなく、内用、外用および注射によることができる。本発明のしわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、あるいはコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤については、前記外用剤として皮膚に塗布して投与するのが特に好適であり、それにより所望の効果、例えばしわ改善または予防効果を得ることができる。注射剤は、例えば静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与することができる。
本発明の医薬の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及び当該医薬の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される有効成分の投与量で、好ましくは成人1日当り0.1〜2000mg/kgである。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。また、本発明の医薬はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。また、フコイダン、その分解物および/またはそれらの塩をTGF−β産生増強用、しわ改善もしくは予防用、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持用、皮膚肥厚改善もしくは予防用、および/またはコラーゲン減少抑制用もしくは産生増強用の飲食品の原料として用いても良い。
また、本発明において有効成分として使用されるフコイダン、その分解物および/またはそれらの塩はその生理作用により、TGF−βの機能研究、しわ形成、皮膚の弾力性の低下、皮膚の肥厚、コラーゲン減少のメカニズムの研究や、また、本発明の医薬の他、種々のTGF−βが関連する疾病用医薬、しわ改善剤または予防剤、皮膚の弾力性向上剤または弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤または予防剤、およびコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤のスクリーニングにも有用である。
本発明の第2の態様である化粧料は本発明の前記有効成分を含有してなり、TGF−β産生増強用化粧料、しわ改善用もしくは予防用化粧料、皮膚の弾力性向上用もしくは弾力性維持用化粧料、皮膚肥厚改善用もしくは予防用化粧料、またはコラーゲン減少抑制用もしくは産生増強用化粧料として提供される。本発明の化粧料の所望の効果の発現は、かかる化粧料に含まれる有効成分が有する前記生理作用に基づくものである。また、皮膚内部でTGF−β産生が増強されれば、皮膚の張りや弾力性を高めることができるものと推定され、TGF−β産生増強作用は、しわ改善作用もしくは予防作用等に対し相乗的に働くものと思われる。従って、本発明の化粧料によれば、たとえば、皮膚の張りや弾力性を効果的に向上させることができる。すなわち、本発明によりフコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分とするTGF−β産生増強作用、しわ改善作用もしくは予防作用、皮膚の弾力性向上作用もしくは弾力性維持作用、皮膚肥厚改善作用もしくは予防作用、またはコラーゲン減少抑制作用もしくは産生増強作用に優れた化粧料が提供される。
なお、有効成分として使用するフコイダンは藻類由来または棘皮動物由来であるものが好ましく、藻類としては褐藻類であるのが好ましい。また、フコイダンの分解物としては、特に限定はないが上記式(I)〜式(IV)で表される化合物から選択される化合物を好適に使用できる。
本発明の化粧料における本発明の有効成分の含有量は、通常、好ましくは0.0001〜20重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.03〜3重量%である。
また、本発明の化粧料には、本発明の有効成分以外のその他の成分として、所望により1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸塩等の保湿剤、流動パラフィン、ワセリン、オリーブ油、スクワラン、ラノリン、合成エステル油等の皮膚柔軟剤、ヤシ油、パームオイル等の油脂類、ビタミンE等のビタミン類、ミツロウ、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリン酸等の界面活性剤、ステアリルアルコール等の乳化安定助剤、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の可溶化剤、メチルパラベン等の防腐剤、顔料、抗酸化剤、紫外線吸収剤、薬理活性物質、基剤、界面活性剤等を含有させることができる。さらに、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸に代表される多糖類等の保水作用を有するものを併用してもよい。
本発明の化粧料の形状としては、有効成分の前記生理作用を期待しうるものであれば特に限定はなく、たとえば、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、浴用剤、洗顔剤、浴用石ケン、浴用洗剤または軟膏が好適である。
本発明の化粧料は、本発明の有効成分および所望により前記その他の成分を原料として用い、化粧品分野における公知の方法に従って適宜製造することができる。また、たとえば、後述の食品、飲料等と同様にして飲食品分野における公知の方法に従って経口摂取に適する化粧料を製造することもできる。
たとえば、本発明の有効成分を前記含有量範囲で含む化粧料を、それぞれの用途形態に応じて所望の量、例えばローション類であれば、例えばヒトの顔面全体に適用するような場合、1回の使用当たり好ましくは0.01〜5g、より好ましくは0.1〜2g程度を用いれば、TGF−βの産生増強効果、しわ改善効果もしくは予防効果、皮膚の弾力性向上効果もしくは弾力性維持効果、皮膚肥厚改善効果もしくは予防効果、および/またはコラーゲン減少抑制効果もしくは産生増強効果が得られ、肌に張りや艶を与え、美肌効果が得られる等、本発明の所望の効果が得られる。
また、経口摂取に適する化粧料とした場合、当該化粧料の経口摂取のための有効量としては、本発明の有効成分がその生理作用を示し得る量を摂取できるような量であればよく、特に限定はないが、たとえば、通常、成人一日当たり好ましくは0.1mg〜10g、より好ましくは2mg〜5g、さらに好ましくは10mg〜2gである。
なお、本明細書中に記載の皮膚とは、顔、首、胸、背中、腕、手、脚、足、及び頭皮などの人や動物の外側を覆い包んでいる部分すべてを含む。
また、本発明の第3の態様として、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を個体に投与することを特徴とする、TGF−β産生増強方法、しわ改善もしくは予防方法、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持方法、皮膚肥厚改善もしくは予防方法、またはコラーゲン減少抑制方法もしくは産生増強方法を提供する。
本発明の態様において使用するフコイダン、その分解物およびそれらの塩は、本発明における前記有効成分と同様であり、個体に投与するフコイダンは藻類由来または棘皮動物由来であるものが好ましい。また、藻類としては褐藻類であるのが好ましい。なお、本明細書において「個体」とは哺乳動物、中でもヒトである。
かかる方法は、たとえば、TGF−β産生の増強が必要であると予想される、または、その必要のあるヒトに対し、前記有効成分を、好ましくは、本発明の治療剤または予防剤として投与することにより行うことができ、かかる投与によりTGF−βの産生を増強せしめる。その結果、たとえば、TGF−β産生増強を必要とする疾患の治療または予防効果が期待できる。また、かかる方法は、しわ改善もしくは予防等を所望するヒトに対し、前記有効成分を、好ましくは、本発明のしわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、またはコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤として投与することにより行うことができ、かかる投与により、しわ改善もしくは予防等の所望の効果を得ることができる。有効成分の投与方法、投与量などは、当該有効成分の投与に使用する本発明の医薬の投与方法、投与量などに従えばよい。なお、本発明の態様においては、本発明により提供される、前記化粧料や後述の食品、飲料または飼料を用いることもできる。
また、本発明の別の態様として、本発明にかかる前記有効成分を含有、添加および/または希釈してなる、TGF−β産生増強用、しわ改善用もしくは予防用、皮膚の弾力性向上用もしくは弾力性維持用、皮膚肥厚改善用もしくは予防用、またはコラーゲン減少抑制用もしくは産生増強用の食品、飲料または飼料を提供する。本発明の食品、飲料または飼料は、有効成分の生理作用により、本発明の有効成分に感受性を示す個体における、TGF−β産生増強を必要とする疾患の症状改善もしくは予防、しわ改善もしくは予防、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持、皮膚肥厚に伴う症状改善もしくは予防、および/またはコラーゲン減少に伴う症状の改善もしくは予防に極めて有用である。
なお、本発明の態様において、「含有」とは食品、飲料、または飼料中に本発明で使用される有効成分が含まれるという態様を、「添加」とは食品、飲料、または飼料の原料に、本発明で使用される有効成分を添加するという態様を、「希釈」とは本発明で使用される有効成分を、食品、飲料、または飼料の原料で希釈するという態様をいうものである。また、本発明の前記化粧料についての記載における「含有」の語は、本発明の態様にいう含有、添加、希釈の意を含むものである。
本発明の食品または飲料の製造法は特に限定されるものではなく、調理、加工及び一般に用いられている食品または飲料の製造法による製造を挙げることができ、製造された食品または飲料に本発明で有効成分として使用されるフコイダン、その分解物及び/又はそれらの塩が含有、添加及び/又は希釈されていれば良い。
本発明の食品または飲料としては特に限定はないが、例えば穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅等)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシング等)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆等)、食肉加工品(ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージ等)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮等)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリーム等)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料等)、菓子類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類等)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュール等)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料等)、調味料(しょうゆ、ソース、酢、みりん等)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥又は濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープ等)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツカクテル等)、固形食品、液体食品(スープ等)、香辛料類等の農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品等が挙げられる。
本発明の食品または飲料における本発明の有効成分の含有量は特に限定されず、その官能と作用発現の観点から適宜選択できるが、たとえば、食品100重量部当たり好ましくは0.0001重量部以上、より好ましくは0.001〜10重量部であり、、たとえば、飲料100重量部当たり好ましくは0.0001重量部以上、より好ましくは0.001〜10重量部である。
また、本発明により、本発明の前記有効成分を含有、添加及び/又は希釈してなる生物用の飼料(以下、本発明の飼料と称することがある。)が提供され、さらに、別の一態様として、前記有効成分を生物に投与することを特徴とする生物の飼育方法が提供される。さらに本発明の別の一態様として、前記有効成分を含有することを特徴とする生物飼育用剤が提供される。
これらの発明において、生物とは例えば養殖動物、ペット動物等であり、養殖動物としては家畜、実験動物、家禽、魚類、甲殻類又は貝類が例示される。飼料としては体調の維持及び/又は改善用飼料が例示される。生物飼育用剤としては浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤が例示される。
これらの発明によれば、それらを適用する前記例示するような生物において、本発明における有効成分の生理作用に基づき、本発明の医薬と同様の効果が期待できる。たとえば、しわ改善効果もしくは予防効果、皮膚の弾力性向上効果もしくは弾力性維持効果、皮膚肥厚改善効果もしくは予防効果、および/またはコラーゲン減少抑制効果もしくは産生増強効果の他、TGF−β産生増強を必要とする疾患、たとえば、糖尿病性網膜症、粥状動脈硬化、骨折、心筋梗塞、虚血再還流後の心筋梗塞、脳梗塞、網膜剥離の治療もしくは予防効果または創傷治癒促進効果を得ることができる。
本発明の飼料において、本発明で使用される前記有効成分は通常、対象生物の体重1kg、1日当たり0.01〜2000mg投与される。投与は、たとえば、当該有効成分を、人工配合飼料の原料中に添加混合して調製した飼料を用いて行う、または、人工配合飼料の粉末原料と混合した後、その他の原料とさらに添加混合して調製した飼料を用いて行うことができる。対象生物用の飼料中の本発明の有効成分の含有量は特に限定はなく、目的に応じて設定すれば良いが、好ましくは0.001〜15重量%の割合が適当である。
人工配合飼料としては、魚粉、カゼイン、イカミールなどの動物性原料、大豆粕、小麦粉、デンプンなどの植物性原料、飼料用酵母などの微生物原料、タラ肝油、イカ肝油などの動物性油脂、大豆油、菜種油などの植物性油脂、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、抗酸化剤などを原料とする人工配合飼料が挙げられる。また魚肉ミンチ等の魚類用飼料が挙げられる。
本発明の飼料の製造方法に特に限定はなく、一般の飼料に準じて製造することができ、製造された飼料中に本発明の前記有効成分の有効量が含有、添加および/または希釈されていればよい。
また、本発明の有効成分をプール、水槽、保持タンクまたは飼育領域の水、海水等に直接、添加し、対象生物を浸漬することにより、投与することもできる。この浸漬方法は対象生物の飼料摂取量が低下したときに特に有効である。水または海水中の本発明で使用される前記有効成分の濃度は特に限定はなく、目的に応じて適宜設定すれば良いが、好ましくは0.00001〜1重量%の割合が適当である。
また、本発明の有効成分を含有する飲料を飼育用飲料として対象生物に摂取させても良い。飲料中の本発明の有効成分の濃度は特に限定はなく、目的に応じて適宜設定すれば良いが、好ましくは0.0001〜1重量%の割合が適当である。本発明の有効成分を含んでなる生物飼育用剤、例えば浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤はそれ自体公知の方法で調製すれば良い。該生物飼育用剤における有効成分の含有量は、本発明の所望の効果が得られ得る限り特に限定されるものではない。
本発明のこれらの飼料等が適用できる生物としては限定はないが、前記養殖動物としては、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマ等の家畜、マウス、ラット、モルモット、ウサギ等の実験動物、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ダチョウ等の家禽、マダイ、イシダイ、ヒラメ、カレイ、ブリ、ハマチ、ヒラマサ、マグロ、シマアジ、アユ、サケ・マス類、トラフグ、ウナギ、ドジョウ、ナマズ等の魚類、クルマエビ、ブラックタイガー、タイショウエビ、ガザミ等の甲殻類、アワビ、サザエ、ホタテ貝、カキ等の貝類が、前記ペット動物としてはイヌ、ネコ等が挙げられ、陸上・水中動物に広く適用できる。
本発明により提供される、本発明の有効成分を生物に投与する生物の飼育方法は、たとえば、前記本発明の飼料および/または生物用飼育用剤を、それらにより本発明の所望の効果が得られ得るように投与対象の生物に対し投与することにより行うことができる。
本発明の飼料を摂取させること、または本発明の有効成分の含有液に対象生物を浸漬することにより、家畜、実験動物、家禽、魚類、甲殻類、貝類、ペット動物等の体調を良好に維持したり、改善させたりすることができる。
本発明の食品、飲料または飼料としては、本発明で有効成分として使用されるフコイダン、その分解物および/またはそれらの塩が含有、添加および/または希釈されており、その生理作用を発現させるための有効量が含有されていれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の経口的に摂取可能な形状物も包含する。なお、本発明にかかる有効成分は、当該生理作用と食物繊維機能とを合わせ持つ健康食品素材として、食品、飲料または飼料の製造素材として極めて有用である。
さらに、本発明の別の態様として、TGF−β産生増強、しわ改善もしくは予防、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持、皮膚肥厚改善もしくは予防、およびコラーゲン減少抑制もしくは産生増強、のいずれかを行う薬剤を製造するための、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上の使用を提供する。
なお、本発明において有効成分として使用されるフコイダン、その分解物および/またはそれらの塩はラットへの経口投与において1g/kg体重を経口単回投与しても死亡例は認められない。また、副作用の発生も認められない。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は特段の事情がない限り重量%を意味する。
製造例1
(1)ガゴメ昆布を充分乾燥後、乾燥物20kgを自由粉砕機(奈良機械製作所製)により粉砕した。
水道水900リットルに塩化カルシウム二水和物(日本曹達社製)7.3kgを溶解し、次にガゴメ昆布粉砕物20kgを混合した。液温12℃から液温90℃となるまで40分間の水蒸気吹込みにより水温を昇温させ、次いでかくはん下90〜95℃に1時間保温し、次いで冷却し、冷却物1100リットルを得た。
次いで固液分離装置(ウエストファリアセパレーター社製CNA型)を用い、冷却物の固液分離を行い、約900リットルの固液分離上清液を調製した。
固液分離上清液360リットルをダイセル社製FE10−FC−FUS0382(分画分子量3万)を用い、20リットルまで濃縮した。次いで水道水を20リットル加え、また20リットルまで濃縮するという操作を5回行い、脱塩処理を行い、ガゴメ昆布由来の抽出液25リットルを調製した。
該溶液1リットルを凍結乾燥し、ガゴメ昆布由来フコイダン乾燥物13gを得た。
(2)製造例1−(1)記載のフコイダン乾燥物7gを、50mM塩化ナトリウムと10%エタノールを含む20mMイミダゾール緩衝液(pH8)700mLに溶解し、遠心分離により不溶物を除去した。DEAE−セルロファインA−800カラム(φ11.4cm×48cm)(生化学工業社製)を同緩衝液にて平衡化し、遠心分離上清をアプライ後、同緩衝液で洗い、50mMから1.95Mの塩化ナトリウム濃度勾配により溶出させた(1フラクション:250mL)。フェノール硫酸法及びカルバゾール硫酸法にて、総糖量及びウロン酸含量を各々求め、溶出順にフラクション43〜49、フラクション50〜55、フラクション56〜67の画分を得た。次に、これらの画分を電気透析により脱塩後凍結乾燥し、フラクション43〜49よりI画分(340mg)、フラクション50〜55よりII画分(870mg)、フラクション56〜67よりIII画分(2.64g)をそれぞれ調製した。
第1図にガゴメ昆布由来フコイダンのDEAE−セルロファインA−800カラム溶出パターンを示す。第1図において縦軸はカルバゾール硫酸法での530nmの吸光度(図中黒丸)、フェノール硫酸法での480nmの吸光度(図中白丸)、及び電導度(mS/cm:図中白四角)、横軸はフラクション番号を示す。図中前ピークがU−フコイダン、後ピークがF−フコイダンである。
(3)ガゴメ昆布から硫酸化フコース含有多糖画分を調製した。すなわち、市販の乾燥ガゴメ昆布2kgを穴径1mmのスクリーンを装着させたカッターミル(増幸産業社製)で破砕し、20リットルの80%エタノール中に懸濁後25℃で3時間攪拌し、ろ紙でろ過した。得られた残さを40リットルの100mM塩化ナトリウムを含む30mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)に懸濁し、95℃で2時間放置後、穴径106μmのステンレス製ふるいでろ過した。このろ液に200gの活性炭、4.5リットルのエタノール、12,000Uのアルギン酸リアーゼK(ナガセ生化学工業社製)を添加し、25℃で20時間攪拌後、遠心分離した。得られた上清を排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で4リットルに濃縮後、遠心分離で不溶物を除去し、5℃で24時間放置した。生じた沈殿を遠心分離で除去し、得られた上清を限外ろ過機を用いて100mM塩化ナトリウムで溶媒交換した。この溶液を4℃以下に冷却後、塩酸でpHを2とし、生じた沈殿を遠心分離により除去した。得られた上清のpHを水酸化ナトリウムで8とし、4リットルに濃縮後、限外ろ過機により20mM塩化ナトリウムに溶媒交換した。この溶液中の不溶物を遠心分離で除去後、凍結乾燥し、ガゴメ昆布由来フコイダンの乾燥物76gを得た。また、上記と同様の方法でマコンブ由来フコイダン、レッソニア ニグレセンス由来フコイダン、エクロニア マキシマ由来フコイダン、ダービリア由来フコイダンをそれぞれ調製した。
(4)乾燥ガゴメ昆布500gを細断し、10リットルの80%エタノールで洗浄後、50リットルの1mM塩化カリウムを含有する10%エタノール中にて、25℃で3日間攪拌し、網目の直径32μmのステンレス金網でろ過してF−フコイダン含有ろ液約45リットルを得た。
(5)乾燥ガゴメ昆布500gを細断し、10リットルの80%エタノールで洗浄後、50リットルの1mM塩化カリウムを含有する10%エタノール中にて、25℃で3日間攪拌し、網目の直径32μmのステンレス金網でろ過してろ液約45リットルを得た。このろ液34リットルを80℃で3時間加熱した後、50℃まで冷却した。これを分子量1万カットの限外ろ過OMEGAカセット(フィルトロン社製)で液温50℃に保ちながら濃縮した。さらに50℃に加温した蒸留水5リットルで脱塩を行い、同蒸留水200mLを加えて流路を2回洗浄して回収し濃縮液1.5リットルを得た。これを凍結乾燥し、8.2gのF−richフコイダンを得た。なお、F−rich−フコイダンとは、硫酸化フコースを構成糖の主成分として含むフコイダンをいう。
製造例2
(1)アルテロモナス sp.SN−1009(FERM BP−5747)を、グルコース 0.25%、ペプトン 1.0%、酵母エキス 0.05%を添加した人工海水(ジャマリンラボラトリー社製)pH8.2からなる培地600mLを分注して殺菌した(120℃、20分間)2リットルの三角フラスコに接種し、25℃で26時間培養して種培養液とした。ペプトン 1.0%、酵母エキス 0.02%、下記製造例2−(2)に記載の硫酸化多糖 0.2%、及び消泡剤(信越化学工業社製KM70)0.01%を添加した人工海水pH8からなる培地20リットルを30リットル容のジャーファメンターに入れて120℃、20分間殺菌した。冷却後、上記の種培養液600mLを接種し、24℃で24時間、毎分10リットルの通気量と毎分250回転のかくはん速度の条件で培養した。培養終了後、培養液を遠心分離して菌体及び培養上清を得た。この培養上清を、排除分子量1万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により濃縮後85%飽和硫安塩析し、生じた沈殿を遠心分離により集め、10分の1濃度の人工海水を含む20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.2)に対して充分透析し、硫酸化多糖に選択的に作用するエンド型硫酸化多糖分解酵素(F−フコイダン特異的分解酵素)液600mLを調製した。
(2)乾燥したガゴメ昆布2kgを直径1mmのスクリーンを装着させたカッターミルにより粉砕し、得られた昆布のチップを20リットルの80%エタノール中に懸濁し、25℃で3時間かくはんし、ろ紙でろ過後、残渣を充分洗浄した。得られた残渣を、上記製造例2−(1)で調製したF−フコイダン特異的分解酵素液30mL、10%エタノール、100mM塩化ナトリウム、及び50mM塩化カルシウムを含む20リットルの50mM イミダゾール緩衝液(pH8.2)に懸濁し、25℃で48時間かくはんした。この懸濁液を網目の直径32μmのステンレス金網でろ過し、残渣を50mM塩化カルシウムを含む10%エタノールで洗浄した。更にその残渣を10リットルの50mM塩化カルシウムを含む10%エタノール中に懸濁し、3時間かくはん後、ステンレス金網でろ過、洗浄した。更にその残渣を同条件で懸濁後、16時間かくはんし、直径32μmのステンレス金網でろ過、洗浄した。
得られたろ液及び洗浄液を集め、排除分子量3000のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により限外ろ過し、ろ過液と非ろ過液に分離した。
このろ過液をロータリーエバポレーターで約3リットルに濃縮後、遠心分離して上清を得た。この上清を排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩し、この溶液に0.1Mとなるように酢酸カルシウムを添加し、生じた沈殿を遠心分離により除去した。この上清を50mM酢酸カルシウムで平衡化させたDEAE−セルロファインA−800カラム(樹脂量4リットル)にかけ、50mM酢酸カルシウム及び50mM塩化ナトリウムで充分洗浄後、50mM〜800mMの塩化ナトリウムの濃度勾配でカラム吸着物を溶出させた。この時の分取量は1本当り500mLで行った。分取した画分をセルロースアセテート膜電気泳動法[アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第37巻、第197〜202頁(1970)]により分析したところ塩化ナトリウム濃度が約0.4Mで溶出される硫酸化糖(フラクションナンバー63付近)は実質的に不純物を含まないことが明らかになった。
そこで、まずフラクションナンバー63の液を150mLに濃縮後、濃度が4Mとなるように塩化ナトリウムを添加し、あらかじめ4Mの塩化ナトリウムにより平衡化したフェニルセルロファインカラム(樹脂量200mL)(生化学工業社製)にかけ、4Mの塩化ナトリウムにより充分洗浄した。非吸着性の硫酸化糖画分を集め、排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩し、脱塩液505mLを得た。
この脱塩液のうち40mLを10%エタノールを含む0.2Mの塩化ナトリウムによって平衡化させたセルロファインGCL−90のカラム(4.1cm×87cm)(生化学工業社製)にかけて、ゲルろ過を行った。分取は1フラクション当り9.2mLで行った。
全フラクションに対して総糖量をフェノール硫酸法〔アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)、第28巻、第350頁(1956)〕により分析した。
この結果、硫酸化糖は1つのピークを形成したので、そのピークの中央部分、フラクションナンバー63〜70を集め、排除分子量300の膜を装着させた電気透析器により脱塩後、凍結乾燥し、112mgの下記式(V)で表される化合物の乾燥品を得た。該化合物を7−12SFd−Fと称す。
Figure 0005060012
(3)製造例1−(2)記載の方法で調製したF−フコイダン98mgを5mLのDMSOに溶解し、室温にてピペリジン硫酸980mgを添加した後、80℃にて2時間攪拌した。反応液を冷却後、分子量1000カットの透析膜にて2日間透析した。得られた透析内液を陽イオン交換カラム〔アンバーライトIRA−120(Na)〕(オルガノ社製)に供じた後、減圧乾固することによりF−フコイダンの高硫酸化体98mgを調製した。
(4)製造例2−(2)記載の方法で調製した7−12SFd−F34mgを4mLのDMSOに溶解し、その後、製造例2−(3)と同様の操作で、7−12SFd−Fの高硫酸化体34mgを調製した。
製造例3
(1)乾燥ガゴメ昆布2kgを穴径1mmのスクリーンを装着したカッターミル(増幸産業社製)により破砕し、20リットルの80%エタノール中で25℃、3時間攪拌後ろ過、洗浄した。得られた残渣を50mM塩化カルシウム、100mM塩化ナトリウム、10%エタノール、及び製造例2−(1)で調製したアルテロモナス sp.SN−1009由来F−フコイダン特異的分解酵素を1U含む20リットルの30mMイミダゾール緩衝液(pH8.2)に懸濁し、25℃で2日間攪拌し、穴径32μmのステンレス金網でろ過し、洗浄した。得られた残渣を100mM塩化ナトリウム、10%エタノール、及び4gのアルギン酸リアーゼ(ナガセ生化学工業製)を含む40リットルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.6)に懸濁し、25℃で4日間攪拌後、遠心分離し上清を得た。この上清中に含まれるアルギン酸の低分子化物を除去するため排除分子量10万のホロファイバーを装着した限外ろ過機により2リットルに濃縮後、10%エタノールを含む100mM塩化ナトリウムで溶媒交換した。この溶液に等量の400mM酢酸カルシウムを添加攪拌後、遠心分離し、得られた上清を氷冷しながら、1Nの塩酸でpH2とした。生じた沈殿を遠心分離により除去し、得られた上清を1Nの水酸化ナトリウムによりpH8とした。この溶液を限外ろ過により1リットルに濃縮後、100mM塩化ナトリウムで溶媒交換した。この時生じた沈殿は遠心分離により除去した。得られた上清中の疎水性物質を除去するため、上清に1Mとなるように塩化ナトリウムを加えて、1M塩化ナトリウムで平衡化した3リットルのフェニルセルロファインカラム(生化学工業製)にかけ、素通り画分を集めた。この画分を限外ろ過機により濃縮後、20mM塩化ナトリウムで溶媒交換し、凍結乾燥した。凍結乾燥物の重量は29.3gであった。
(2)上記の凍結乾燥物15gを400mM塩化ナトリウム及び国際公開第97/26896号パンフレット記載のフラボバクテリウム sp.SA−0082(FERM BP−5402)を培養し、該培養物から得られたエンド型硫酸化多糖分解酵素(U−フコイダン特異的分解酵素)を9U含む1.5リットルの50mMトリス塩酸緩衝液に溶解し、25℃で6日間反応後、エバポレーターで約300mLに濃縮した。濃縮液を排除分子量3500の透析チューブに入れて徹底的に透析し、透析チューブ内に残った液を、50mM塩化ナトリウムで平衡化した4リットルのDEAE−セルロファインA−800カラムにかけ、50mM塩化ナトリウムで充分洗浄後、50〜650mMの塩化ナトリウムの濃度勾配によるカラム吸着物の溶出を行った。更に同カラム吸着物を650mM塩化ナトリウムで充分溶出させた。溶出画分のうち650mM塩化ナトリウムで溶出した画分を硫酸化フコガラクタン画分として集め、排除分子量10万の限外ろ過機により濃縮後、10mMの塩化ナトリウムで溶液を置換し、凍結乾燥して硫酸化フコガラクタンの凍結乾燥物を0.85g得た。得られた硫酸化フコガラクタン(G−フコイダン)は、構成糖としてガラクトースとフコースを含有し、そのモル比は、約2:1であった。
製造例4
製造例1−(3)で得られたガゴメ昆布由来フコイダンに製造例3−(2)記載のU−フコイダン特異的分解酵素を作用させ分解物の調製を行った。
すなわち、2.5%のフコイダン溶液16mLと、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)12mLと4M塩化ナトリウム4mLと32mU/mLの前記U−フコイダン特異的分解酵素溶液8mLを混合し、25℃で48時間反応させた。
反応液をセルロファインGCL−300(生化学工業社製)のカラムにより分子量分画し、分子量2000以下の画分を集めた。この画分をマイクロアシライザーG3(旭化成社製)により脱塩後、DEAE−セファロースFFカラム(ファルマシア社製)により3つの画分に分離し、脱塩後、凍結乾燥し、それぞれ41mg、69mg、及び9.6mgの精製物を得た。質量分析により、これらはそれぞれ分子量が564、724、1128でありNMR分析により下記式(VI)、(VII)、(VIII)で表される化合物であることを確認した。これらをそれぞれ3−1S、3−3S、6−2SFd−Uと称す。
Figure 0005060012
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製造例5
市販のワカメ メカブの乾燥物1kgを穴の径が1mmのスクリーンを装着させたカッターミルで破砕後、10リットルの80%エタノール中に懸濁し、3時間攪拌後、ろ紙でろ過し、残査を得た。残査を50mM塩化ナトリウムを含む40mMリン酸緩衝液(pH6.5)20リットルに懸濁し95℃で2時間処理した。処理液を37℃まで冷却後、10%となるようにエタノールを添加し、市販のアルギン酸リアーゼK(ナガセ生化学工業社製)を12000U添加後、室温で24時間攪拌した。得られた処理液を遠心分離し、その上清を排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で2リットルに濃縮後、生じた沈殿を遠心分離で除去した。得られた上清を5℃に冷却後0.5Nの塩酸を添加してpHを2とした後30分間攪拌し、生じた沈殿を遠心分離で除去した。上清のpHを0.5N水酸化ナトリウムで8とし、限外ろ過で溶媒を20mM塩化ナトリウムに置換した。溶液のpHを8に調整後、遠心分離して得られた上清を凍結乾燥し、90.5gのワカメ メカブ由来フコイダンを得た。
製造例6
製造例1−(1)記載の方法で調製したガゴメ昆布由来フコイダン2gを100mLの水に溶解し、そのpHをクエン酸にてpH3に調整後、100℃で3時間処理し、当該フコイダンの酸分解物を調製した。この酸分解物をセルロファインGCL−300カラム、又はセルロファインGCL−25カラムによるゲルろ過で分子量分画し、分子量25000超(A画分)、25000〜10000超(B画分)、10000〜5000超(C画分)、5000〜2000超(D画分)、2000〜500超(E画分)、500以下(F画分)に分画した。更にこれらの画分及び酸分解物をそれぞれ脱塩後凍結乾燥し、酸分解物の各分画物及び酸分解物を調製した。
製造例7
市販の塩蔵モズク5kgを20リットルのエタノールと混合し、はさみで細断した。1晩放置後ろ紙でろ過し、得られた残査を12.5リットルの水に懸濁し、95℃で2時間放置した。処理液をろ紙でろ過後、350mM塩化ナトリウムを含む2.5%塩化セチルピリジニウム溶液を2600mL添加し3日放置した。上清部分を廃棄し、沈殿部分を遠心分離して、その上清も廃棄した。得られた沈殿に2.5リットルの350mM塩化ナトリウムを添加後ホモジナイザーで均一にし遠心分離した。この洗浄操作を3回繰り返した。得られた沈殿に400mLの400mM塩化ナトリウムを添加後、ホモジナイザーで均一にし、80%となるようにエタノールを添加して30分間攪拌後ろ紙でろ過した。得られた残渣に500mLの塩化ナトリウム飽和80%エタノールを添加後、ホモジナイザーで均一にし、1リットルとなるように塩化ナトリウム飽和エタノールを添加して30分間攪拌後ろ紙でろ過した。この洗浄操作をろ液の波長260nmの吸光度が実質的に0になるまで繰り返した(通常5回)。得られた残査を1.5リットルの2Mの塩化ナトリウムに溶解後、不溶物を遠心分離で除去し、2M塩化ナトリウムで平衡化した100mLのDEAEセルロファインA−800のカラムを素通りさせた。素通り画分を排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で2リットルに濃縮後、限外ろ過により溶媒を2mM塩化ナトリウムに置換した。この溶液を遠心分離して得られた上清を凍結乾燥し、22.9gのモズク由来フコイダンを得た。
製造例8
マナマコを5kg解体し、内臓を除去し、体壁を集めた。体壁湿重量200g当り500mLのアセトンを加え、ホモジナイザーで処理後ろ過し、残渣をこれ以上着色物質がでなくなるまでアセトンで洗浄した。この残渣を吸引乾燥し、140gの乾燥物を得た。この乾燥物に0.4M塩化ナトリウム水溶液2.8リットルを加え、100℃で1時間処理後、ろ過し、残渣を0.4M塩化ナトリウム水溶液で充分洗浄し、抽出液3.7リットルを得た。この抽出液に5%のセチルピリジニウムクロリドをこれ以上沈殿が生じなくなるまで加え、生じた沈殿を遠心分離で集めた。この沈殿を0.4M塩化ナトリウム水溶液に懸濁後再度遠心分離し、得られた沈殿に1リットルの4M塩化ナトリウム水溶液を添加し、ホモジナイザーで処理後、かくはんしながら4リットルのエタノールを添加し、1時間かくはん後、ろ過し、沈殿を得た。この沈殿に対して、80%エタノールに懸濁後ろ過という工程を上清の波長260nmの吸光度が実質的に0になるまで繰り返した。得られた沈殿を2リットルの2M塩化ナトリウム水溶液に懸濁し、不溶物を遠心分離により除去した。上清を排除分子量3万の膜を備えた限外ろ過機により限外ろ過し、完全に脱塩後、凍結乾燥し3.7gのナマコ由来フコイダンを得た。
製造例9
市販の塩蔵オキナワモズク625gを4375mLの30mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)に懸濁し、ホモジナイザーにより8000回転/分で5分間処理後、95℃で1時間処理し、遠心分離して上清を得た。この上清に10gの活性炭を添加後30分間攪拌し、遠心分離して上清を得た。この上清を排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で2リットルに濃縮後、20mMの塩化ナトリウムで溶媒置換し、凍結乾燥して10.9gのオキナワモズク由来フコイダン画分の乾燥物を得た。
製造例10
粉砕したヒバマタ(Fucus vesiculosus)の乾燥物1kgを、10リットルの80%エタノール中に懸濁し、3時間攪拌後、ろ紙によりろ過し、残渣を得た。残渣を100mM塩化ナトリウムを含む30mMリン酸緩衝液(pH6)30リットルに懸濁し95℃で2時間処理した。処理液を37℃まで冷却後、100gの活性炭を添加し30分間攪拌した。市販のアルギン酸リアーゼKを3000U添加後、10%となるようにエタノールを添加し室温で24時間攪拌した。得られた処理液を遠心分離し、その上清を排除分子量10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で2リットルに濃縮後、生じた沈殿を遠心分離して除去した。この上清に100mM塩化ナトリウムを加えながら限外ろ過し、色素を除去した。得られた非ろ過液を5℃に冷却後0.5Nの塩酸を添加してpHを2とした後30分間攪拌し、生じた沈殿を遠心分離により除去した。上清のpHを0.5Nの水酸化ナトリウムにより8とし、限外ろ過により溶媒を20mMの塩化ナトリウムに置換した。溶液のpHを8に調整後、遠心分離して得られた上清を凍結乾燥し、71gのヒバマタ由来フコイダンを得た。
実施例1
ヒト繊維芽細胞(hFB)であるMG−63(ヒト骨肉腫細胞株、ATCC CRL−1427)を10%ウシ胎児血清(FCS、バイオウィッタカー社製)を含むDMEM培地(バイオウィッタカー社製)にて、5%CO存在下、37℃でコンフルエントになるまで培養し、Reagent PackTM(バイオウィッタカー社製)を用いて細胞を5×10個/mLとなるように上記培地に懸濁し、48穴マイクロタイタープレートの各ウェルに500μLずつ分注した。培養2〜3日後、単層hFBがサブ−コンフルエントになった時点で培地を捨て、被検物質として各種フコイダン(製造例1−(1)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(3)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(2)に準じて調製したU−フコイダン、製造例5記載のワカメ メカブ由来フコイダン、製造例10記載のヒバマタ由来フコイダン)を生理食塩水に溶解したもの又は対照として同量の生理食塩水だけを各々添加した1.5%FCS−DMEM培地を添加し、24時間または48時間培養後、培養上清中のTGF−β量をELISA定量法(TGF−βEmaxTM Immuno Assay System;Promega社製)で測定し、被検試料のTGF−β産生増強作用について調べた。これらの結果を表1に示す。また、同様の方法で製造例4記載の3−1S、3−3S、製造例2−(2)記載の7−12SFd−Fおよび製造例2−(4)記載の7−12SFd−Fの高硫酸化体のTGF−β産生増強作用について調べた。その結果を表2に示す。各被検試料の培地中の濃度は表1および2に各々示す。また、MTTアッセイを用い、本実施例で使用した各種フコイダンおよびその分解物のMG−63への影響を調べたところ、MG−63への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
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表1と2に示すように、ヒト繊維芽細胞MG−63において、各種フコイダン又はフコイダン分解物によるTGF−β産生増強作用が確認された。
実施例2
実施例1のMG−63の代わりに、ヒト繊維芽細胞(hFB)であるHT−1080(ヒト繊維肉腫細胞株、ATCC CRL−121)を用い、実施例1と同様にしてHT−1080におけるフコイダンによるTGF−β産生増強について調べた。被検試料には各種フコイダン(製造例1−(1)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(3)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(2)に準じて調製したU−フコイダン、製造例1−(2)に準じて調製したF−フコイダン、製造例5記載のワカメ メカブ由来フコイダン、製造例10記載のヒバマタ由来フコイダン)を生理食塩水に溶解したものを用い、対照には同量の生理食塩水を用いた。その結果を表3と4に示す。また、同様の方法で製造例4記載の3−1S、3−3S、製造例2−(2)記載の7−12SFd−Fおよび製造例2−(3)記載のF−フコイダンの高硫酸化体によるTGF−β産生増強作用について調べた。その結果を表5に示す。また、MTTアッセイを用い、本実施例で使用した各種フコイダンおよびその分解物のHT−1080への影響を調べたところ、HT−1080への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
Figure 0005060012
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表3〜5に示すように、ヒト繊維芽細胞HT−1080において、各種フコイダンまたはフコイダン分解物によるTGF−β産生増強作用が確認された。
実施例3
実施例1のMG−63の代わりに、ヒト繊維芽細胞(hFB)であるHT−1080(ヒト繊維肉腫細胞株、ATCC CRL−121)を用い、実施例1と同様にしてHT−1080におけるフコイダンによるTGF−β産生増強について調べた。被検試料には各種フコイダン(製造例1−(4)記載のF−フコイダン含有ろ液、製造例1−(5)記載のF−rich−フコイダン)を生理食塩水に溶解したものを用い、対照には同量の生理食塩水を用いた。その結果を表6に示す。また、WST−1アッセイにより、本実施例で使用した各種フコイダンの細胞増殖への影響を調べたところ、HT−1080への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
表6に示すように、ヒト繊維芽細胞HT−1080において、F−フコイダン含有ろ液またはF−rich−フコイダンによるTGF−β産生増強作用が確認された。
実施例4
実施例2と同様にしてHT−1080におけるフコイダンによるTGF−β産生増強作用について調べた。被検試料には各種フコイダン(製造例1−(3)で調製したマコンブ由来フコイダン、レッソニア ニグレセンス由来フコイダン、エクロニア マキシマ由来フコイダン、ダービリア由来フコイダン、アスコフィラム ノドッサム由来フコイダン、オキナワモズク由来フコイダン)を生理食塩水に溶解したものを用い、対照には同量の生理食塩水を用いた。その結果を表7と8に示す。また、WSTアッセイにより、本実施例で使用した各種フコイダンの細胞増殖への影響を調べたところ、HT−1080への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
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表7と8に示すように、ヒト繊維芽細胞HT−1080において、各種フコイダンによるTGF−β産生増強作用が確認された。
実施例5
ヒト繊維芽細胞(hFB)であるMG−63(ヒト骨肉腫、ATCC CRL−1427)を10%ウシ胎児血清(FCS、バイオウィッタカー社製)を含むDMEM培地(バイオウィッタカー社製)にて、5%CO存在下、37℃でコンフルエントになるまで培養し、Reagent PackTM(バイオウィッタカー社製)を用いて細胞を5×10個/mLとなるように上記培地に懸濁し、48穴マイクロタイタープレートの各ウェルに500μlずつ分注した。培養2〜3日後、単層hFBがサブ−コンフルエントになった時点で培地を捨て、in vitroでのtype I pro−collagen産生系において、被検試料として製造例1−(4)で調製したF−フコイダン含有ろ液と製造例1−(5)記載のF−rich−フコイダンを生理食塩水に溶解したもの、又は対照として同量の生理食塩水だけを各々添加した1.5%FCS−DMEM培地を添加し、24時間又は48時間培養後、培養上清中のtype I pro−collagen量をPro−collagen type I C−peptide[PIP]EIA Kit(宝酒造社製)を用いて測定した。その結果を表9に示す。また、WST−1アッセイにより、本実施例で使用した各種フコイダンの細胞増殖への影響を調べたところ、MG−63への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
表9に示すように、ヒト繊維芽細胞MG−63において、F−フコイダン含有ろ液及びF−rich−フコイダンによるtypeI pro−collagen産生増強作用が確認された。
実施例6
実施例5と同様の方法で、被検試料として製造例1−(3)で調製したガゴメ昆布由来フコイダン、マコンブ由来フコイダン、レッソニア ニグレセンス由来フコイダン、エクロニア マキシマ由来フコイダンおよびダービリア由来フコイダンを各々用いてtypeI pro−collagen産生量に与える影響を調べた。その結果を表10に示す。なお、本実施例で使用した各種フコイダンの細胞増殖への影響を調べたところ、MG−63への毒性は認められなかった。
Figure 0005060012
表10に示すように、ヒト繊維芽細胞MG−63において、各種藻類由来フコイダンによるtypeI pro−collagen産生増強作用が確認された。
実施例7
ヒト皮膚繊維芽細胞(hSFB)であるHs−68(正常ヒト新生児包皮、ATCC CRL−1635)およびヒト繊維芽細胞(hFB)であるMG−63(ヒト骨肉腫、ATCC CRL−1427)、HT−1080(ヒト繊維肉腫、ATCC CRL−121)の各々を10%ウシ胎児血清(FCS、バイオウィッタカー社製)を含むDMEM培地(バイオウィッタカー社製)にて、5%CO存在下、37℃でコンフルエントになるまで培養し、Reagent PackTM(バイオウィッタカー社製)を用いて細胞を5×10個/mLとなるように上記培地に懸濁し、直径100mmカルチャーフラスコ(IWAKI社製)に10mLずつ分注した。培養2〜3日後、単層hSFBまたhFBがサブ−コンフルエントになった時点で培地を捨て、被検試料として各種フコイダン(製造例1−(1)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(3)記載のガゴメ昆布由来フコイダン、製造例1−(2)に準じて調製したF−フコイダン、製造例1−(2)に準じて調製したU−フコイダン、製造例5に記載のワカメ メカブ由来フコイダン)を生理食塩水に溶解したもの又は対照として同量の生理食塩水だけを各々添加した1.5% FCS−DMEM培地を添加し、24時間培養した後、培養上清を除いた。PBS溶液で洗浄した後、5.3mM EDTA−PBS溶液(GIBCO/BRL社製)によってフラスコから細胞を浮遊させた。次いで繊維芽細胞表面のインテグリンα1β1およびインテグリンα2β1発現量を、抗ヒトインテグリン抗体(α1β1/CD49a/CD29 ENDOGEN社製、α2β1/CD49b/CD29 CHEMICON社製)を用い各インテグリンをFITC染色し、FACScan(Ortho Cytoron Omron社製)で測定した。これらの結果を表11と12に示す。試験は2連で行い、平均値を採用した。表中の値は対照を100%として算出した。
Figure 0005060012
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表11と12に示すように、ヒト繊維芽細胞の細胞表面インテグリンα1β1およびα2β1の発現量は、フコイダンを添加することにより、対照と比べやや減少しているものが多かった。すなわち、フコイダンによるインテグリンα1β1およびα2β1の発現増加はほとんど観察されなかった。このことから、本発明におけるフコイダンの効果はインテグリンα1β1およびα2β1の発現増加を伴わないものであるということが分かる。
参考例1
雌性HOS:HR−1ヘアレスマウスを日本SLE社から購入し、予備飼育の後5週齢より実験に用い、低用量(紅斑にならない投与量)紫外線(UVB,290〜320nm)の背部皮膚への照射によりしわ形成を誘導し、マウス皮膚しわ形成モデルを作製した。すなわち、最初1週目にはUVB照射量を5回/週、65mJ/cmとし、これから1週間ごとにUVB照射量を10mJ/cmずつ増加させ、4週目から12週目までのUVB照射量を95mJ/cmとした。対照群はUVB照射されなかった同週齢正常マウスを用いた。UVB照射して12週目のマウスを用いて、経時的に照射された皮膚を観察し、Bisett法(Bisett DL,et al:Photochem & Photobiol,46:367,1987)によってしわ形成の変化を数値化して判断した。すなわち、しわの評価は、0:正常皮膚、1:小しわ、2:中しわ、3:大しわとした。また、皮膚弾力性をキュートメーターSEM575(インテグラル社製)を用いて測定した。13週目からUVB照射せずに24週目まで飼育し、被験部位の皮膚を採取し、組織標本を作製した後、ヘマトキシリン・エオジン染色により、皮膚厚さの測定を行い、対照群と比較した。また、皮膚コラーゲン量は、皮膚を採取し、Sircol Collagen Assay kit(Biocolor社製)を用いて、全タンパク質1mg中のコラーゲン含量について測定した。これらの結果を表13〜16に示す。表中の数字は、5例の平均値±標準誤差を表す。
UVB照射2週目には、対照群と比べUVB照射群マウスの皮膚は本来正常皮膚にあるつやつや感が消失し、かさかさとなった。UVB照射4週目になると、小しわが観察され、8週目になると中しわが観察され、11週目以後には大しわが確認された。また、皮膚弾力性についてはUVB照射群では明らかに低下していた。皮膚の厚さについては明らかに増大した。皮膚コラーゲン量については明らかに減少した。なお、表中の数字は、5例の平均値±標準誤差を表す。
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実施例8
雌性HOS:HR−1ヘアレスマウスを日本SLC社から購入し、予備飼育の後5週齢より実験に用いた。マウス皮膚しわ形成モデルの作製過程及びその条件は参考例1で記述した実験法と同様にした。製造例1−(4)で調製したF−フコイダン含有ろ液をUVB照射しわ誘導期において、あらかじめ1週目からマウス背部に1匹あたり250μlずつ塗布した。溶媒塗布群には1mM塩化カリウムを含む10%エタノールを同様に塗布した。投与は1日1回とし、5回/週、12週間連続で投与し、しわの変化の観察、皮膚弾力性の測定を参考例1と同様の方法で行った。さらに13週目以降はUVB照射は行わず、製造例1−(4)で調製したF−フコイダン含有ろ液をさらに12週間連日塗布し、しわの変化の観察、皮膚弾力性、皮膚厚さ、皮膚コラーゲン量の測定を参考例1と同様の方法で行った。これらの結果を表17〜20に示す。表中の数字は、5例の平均値±標準誤差を表す。その結果、溶媒塗布群、UVB照射群と比較してF−フコイダン含有ろ液塗布群では有意にしわの形成を予防し、さらに皮膚の弾力性の低下についても予防した。また、皮膚の厚さについてもUVBによる増大を予防した。皮膚コラーゲン量についてもUVBによる減少を抑制した。
Figure 0005060012
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実施例9
雌性HOS:HR−1ヘアレスマウスを日本SLC社から購入し、予備飼育の後5週齢より実験に用いた。参考例1と同様にしわを誘導した後、しわの変化の観察、皮膚弾力性の測定を参考例1と同様の方法で行った。製造例1−(4)で調製したF−フコイダン含有ろ液を、13週目からマウス背部に1匹あたり250μlずつ塗布した。溶媒塗布群には1mM塩化カリウムを含む10%エタノールを同様に塗布した。投与は1日1回とし、5回/週、12週間連続行い、しわの変化の観察、皮膚弾力性、皮膚厚さ、皮膚コラーゲン量の測定を参考例1と同様の方法で行った。これらの結果を表21〜24に示す。その結果、溶媒塗布群、UVB照射群と比較してF−フコイダン含有ろ液塗布群では有意にしわの形成を改善し、皮膚の弾力性の低下についても改善し、さらに皮膚コラーゲン量の減少を抑制した。また、皮膚の厚さについてもUVBによる増大を改善した。表中の数字は、5例の平均値±標準誤差を表す。
Figure 0005060012
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実施例10
(1)製造例1−(4)記載のF−フコイダン含有ろ液を含有するクリーム型化粧品を調製した。すなわち、製造例1−(4)記載のF−フコイダン含有ろ液をクリーム(hydrophilic ointment、丸石製薬社製)に25%(v/v)になるように溶解し、F−フコイダン含有クリーム状化粧品を調製した。
(2)雌性HOS:HR−1ヘアレスマウスを日本SLC社から購入し、予備飼育の後5週齢より実験に用いた。マウス皮膚しわ形成モデルの作製過程及びその条件は参考例1で記述した実験法と同様にした。UVB照射によりしわ誘導期を終了した後、しわの変化の観察、皮膚弾力性の測定を参考例1と同様の方法で行った。13週目からマウス背部に1匹あたり、実施例10−(1)で調製したF−フコイダン含有クリーム状化粧品を250μlずつ塗布した。溶媒塗布群にはクリームのみ〔蒸留水:クリーム=25%:75%(v/v)〕を同様に塗布した。投与は1日1回とし、5回/週、12週間連続行い、しわの変化の観察、皮膚弾力性、皮膚厚さ、皮膚コラーゲン量の測定を参考例1と同様の方法で行った。これらの結果を表25〜28に示す。表中のF−フコイダンクリーム塗布群はF−フコイダン含有クリーム状化粧品塗布群のことを示す。表中の数字は、5例の平均値±標準誤差を表す。その結果、溶媒塗布群、UVB照射群と比較してF−フコイダン含有クリーム状化粧品塗布群では有意にしわの形成を改善し、皮膚の弾力性を向上させ、さらに皮膚コラーゲン量についても減少抑制が見られた。また、皮膚の厚さについてもUVBによる増大を改善した。
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寄託された生物材料
(1)寄託機関の名称・あて名
独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6(郵便番号305−8566)
(2)寄託された微生物
(i)アルテロモナス(Alteromonas) sp.SN−1009
原寄託日 :1996年2月13日
国際寄託への移管請求日 :1996年11月15日
受託番号: FERM BP−5747
(ii)フラボバクテリウム(Flavobacterium) sp.SA−0082
原寄託日 :1995年3月29日
国際寄託への移管請求日 :1996年2月15日
受託番号: FERM BP−5402
産業上の利用可能性
本発明により、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする、TGF−β産生増強を必要とする疾患の治療剤もしくは予防剤、しわ改善剤もしくは予防剤、皮膚の弾力性向上剤もしくは弾力性維持剤、皮膚肥厚改善剤もしくは予防剤、およびコラーゲン減少抑制剤もしくは産生増強剤、のいずれかとして使用される医薬が提供される。
更に、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする、TGF−β産生増強用、しわ改善用もしくは予防用、皮膚の弾力性向上用もしくは弾力性維持用、皮膚肥厚改善用もしくは予防用、およびコラーゲン減少抑制用もしくは産生増強用、のいずれかに使用される化粧料が提供される。
また、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上を個体に投与することを特徴とする、TGF−β産生増強方法、しわ改善もしくは予防方法、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持方法、皮膚肥厚改善もしくは予防方法、およびコラーゲン減少抑制方法もしくは産生増強方法、のいずれかの方法が提供される。
さらには、TGF−β産生増強、しわ改善もしくは予防、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持、皮膚肥厚改善もしくは予防、およびコラーゲン減少抑制もしくは産生増強、のいずれかを行う薬剤を製造するための、フコイダン、その分解物およびそれらの塩からなる群より選択される一つ以上の使用が提供される。
従って、本発明によれば、TGF−β産生増強を必要とする疾患の治療もしくは予防、しわ改善もしくは予防、皮膚の弾力性向上もしくは弾力性維持、皮膚肥厚改善もしくは予防、および/または皮膚におけるコラーゲン減少の抑制もしくは産生の増強を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ガゴメ昆布由来フコイダンのDEAE−セルロファインA−800カラム溶出パターンを示す図である。

Claims (2)

  1. ガゴメ昆布由来フコイダンおよびその塩からなる群より選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする、しわ改善用化粧料。
  2. ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、浴用剤、洗顔剤、浴用石ケン、浴用洗剤または軟膏である請求項1に記載の化粧料。
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