JP5058302B2 - スケール除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属ナトリウムを用い絶縁油に混入するPCBを脱塩素化し無害化する反応槽の内壁面に付着するスケールの除去方法に関する。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、不燃性で化学安定性及び電気絶縁性に優れるため、従来、電気機器の絶縁油などとして使用されていたが、その有害性から現在では使用が禁止され、保管されているPCB及びPCBを含有する廃油などについても、平成13年に制定された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)」により、平成28年7月までに処理を完了することが義務付けられている。
PCBの脱塩素化技術は、これまでに多くの方法が提案されており、幾つかの方法は実用化されている。金属ナトリウムとPCBとを反応させPCBを脱塩素化させる方法は、PCB混入絶縁油の無害化処理に使用され、処理プラントも稼働中である。金属ナトリウムとPCBとを反応させるとPCBが脱塩素化され、ビフェニル、塩化ナトリウム、ビフェニルが重合したビフェニル重合物、水酸化ナトリウムが生成するが、この生成物に関しては幾つかの問題が指摘され、これに対する対策案が提案されている。
例えば、従来の反応槽では、反応槽内に析出するビフェニル重合物、塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの固形分が反応槽の底部に設けられた排出管を閉塞させるとし、反応槽の底面と面一又は突出する状態で排出口を閉止する底栓弁を備える反応槽が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、PCBを脱塩素化した後の固形のPCB残渣には、高分子化したポリビフェニルに食塩、絶縁油が含まれるため有効利用できないとして、固形のPCB残渣からポリビフェニル、食塩、絶縁油をそれぞれ分離する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2005−319415号公報 特開2006−205106号公報
本発明者の経験では、PCB微量混入絶縁油を処理する場合には、特許文献1に記載の問題点は特に発生していない。またPCB微量混入絶縁油を処理するとき反応槽内に析出するビフェニル、ビフェニル重合物は、イソプロピルアルコールで洗浄可能なことも経験済みである。本発明者の経験によれば、金属ナトリウムを用いてPCB微量混入絶縁油を無害化処理するとき、被処理油がPCB微量混入絶縁油のみである場合には、特に問題となるような事象は発生しないが、他の物質が混入したPCB微量混入絶縁油を処理するときには、PCB微量混入絶縁油のみを処理するときには全く見られない問題が発生した。
例えばPCB微量混入絶縁油を抜き出した後に柱上変圧器を破砕しこれを真空加熱し回収される留出液とPCB微量混入絶縁油とを混合し、これを金属ナトリウムを用いて処理すると、スケールが反応槽の壁面、攪拌翼の表面、攪拌軸の表面(以下、反応槽の壁面、攪拌翼の表面、攪拌軸の表面を合わせて反応槽内壁面と言う)に付着する。このスケールは運転を重ねる毎に成長し、スケールが反応槽から剥離し排出口を閉塞させる事象が発生した。排出口がスケールで閉塞されると復旧作業に多大の時間と労力を必要とすることは改めて言うまでもない。また反応槽壁面にスケールが付着すると熱伝達も阻害される。我々の知る限りこれまでにスケールが反応槽内壁面に付着するとの指摘、報告はされていない。反応槽内壁面に付着するスケールを洗浄することができれば、反応槽を定期的に洗浄することで対処できるが、このスケールは、ビフェニル、ビフェニル重合物とは異なり、イソプロピルアルコールを含め有機溶剤には殆ど溶解せず、従来の洗浄方法は効果がない。PCB混入絶縁油の無害化処理に当たり、不純物を含むPCB混入絶縁油の処理は避けて通ることができず、反応槽内壁面に付着するスケールの対策が急務となっている。
本発明の目的は、金属ナトリウムを用い絶縁油に混入するPCBを脱塩素化し無害化する反応槽の内壁面に付着するスケールの除去方法を提供することである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、金属ナトリウムを用い絶縁油に混入するPCBを脱塩素化し無害化する反応槽の内壁面へ付着するスケールは、絶縁油に混入するC=O結合及びC−O結合を含む油酸化変質物が金属ナトリウム、又は前記油酸化変質物が金属ナトリウム、反応促進剤と反応し生成した反応生成物である鹸化物、炭酸塩、有機酸塩が反応槽内壁面へ付着し、析出したものであること、これら鹸化物、炭酸塩、有機酸塩は極性が強いため金属面に付着しやすく油に不溶であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、PCB混入絶縁油に金属ナトリウムと反応促進剤とを添加し、これらを反応させPCBを脱塩素化する反応槽において、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油を脱塩素化するとき反応槽内壁面に付着するスケールの除去方法であって、スケールは、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油と金属ナトリウム及び/又は油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油と金属ナトリウムと反応促進剤とが反応し生成する反応生成物が前記反応槽の内壁面に付着、積層成長したものであり、反応槽内壁面に付着するスケールを水と絶縁油とからなる洗浄液で溶解除去することを特徴とするスケール除去方法である。
また本発明において、前記洗浄液でスケールを溶解除去するとき反応槽に絶縁油を張り込み、その後、水を添加しスケールを溶解除去することを特徴とする。
また本発明において、前記洗浄液でスケールを溶解除去するとき加温状態で行うことを特徴とする。
また本発明において、前記油酸化変質物は、C=O結合及びC−O結合を含むことを特徴とする。
また本発明において、前記油酸化変質物は、PCB混入絶縁油を抜き取った後の柱上変圧器を破砕し、該破砕物を真空加熱し回収される紙木類乾留物を含む留出液に含まれることを特徴とする。
本発明に係るスケール除去方法は、PCB混入絶縁油に金属ナトリウムと反応促進剤とを添加し、これらを反応させPCBを脱塩素化する反応槽において、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油を脱塩素化するとき反応槽内壁面に付着するスケールを水と絶縁油とからなる洗浄液で溶解させ除去する方法であり、従来、除去対策に苦慮していた反応槽内壁面に付着するスケールを簡単に除去することができる。PCBの無害化処理において本発明に係るスケール除去方法を用い定期的にスケール除去を行えば、従来見られたスケールによるトラブルを回避することが可能で、PCB混入絶縁油の無害化処理を安定的に行うことができる。
本発明に係るスケール除去方法を適用するPCB混入絶縁油無害化処理装置1のプロセスフロー図である。 紙木類乾留物を含む絶縁油と紙木類乾留物を含まない絶縁油をフーリエ変換赤外分光法FTIRで分析した結果を示す図である。 本発明に係るスケール除去方法の手順を示すフローチャートである。
本発明に係るスケール除去方法は、金属ナトリウムを用い絶縁油に混入するPCBを脱塩素化し無害化する反応槽の内壁面に付着するスケールの除去方法であって、スケールは、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油を処理するとき生成する反応生成物が付着、積層成長したものであり、反応槽内壁面に付着するスケールを洗浄液で溶解除去することを特徴とする。本発明に係るスラッジ除去方法は、図1に示すPCB混入絶縁油無害化処理装置1に適用することができる。
まずPCB混入絶縁油無害化処理装置1の処理プロセスと反応槽内壁面に付着するスケールについて説明する。PCB混入絶縁油無害化処理装置1は、SPプロセス(soduim pulverulent dispersion)法を用いてPCB混入絶縁油を無害化する装置であり、金属ナトリウムとPCBとを反応させPCBを脱塩素化する。
PCB混入絶縁油無害化処理装置1は、被処理油を貯留する貯留タンク13、被処理油に含まれる水を除去する減圧蒸留槽15、PCBを金属ナトリウムと反応させ脱塩素化する反応槽17、PCBの脱塩素化を確認するための分解確認槽19、処理済油に含まれる残存金属ナトリウムを水和させ、さらに中和する抽出中和槽21、処理済油と水とを分離する油水分離槽23、水を回収する洗浄水再生設備25を備える。
被処理油は、柱上変圧器から抜き出されたPCB微量混入絶縁油と、PCB微量混入絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器を破砕しこれを真空加熱し回収される留出液との混合物であり、これらは貯留タンク13に貯留された後、減圧蒸留槽15に送られる。
減圧蒸留槽15は、ジャケット付き攪拌槽であり、ジャケットに加熱した熱媒を供給することで被処理油を加熱する。また減圧蒸留槽15は、槽内を減圧し被処理油に含まれる水を蒸発させ凝縮し回収する減圧装置(図示を省略)を備え、貯留タンク13から送られた被処理油は、ここで90℃程度に加熱、0.0142Mpa程度に減圧され、被処理油に含まれる水が除去される。減圧蒸留槽15で水分が除去された被処理油は反応槽17に送られる。
反応槽17は、ジャケット付き攪拌槽であり、ここで減圧蒸留槽15で水分が除去された被処理油に金属ナトリウムが添加される。金属ナトリウムは、絶縁油中に金属ナトリウムの微粒子を分散させた金属ナトリウム分散体(SD:soduim dispersion)として反応槽17に添加される。被処理油と金属ナトリウムとは、攪拌されながらジャケットに供給される加熱した熱媒により90℃程度まで加熱され、PCBは金属ナトリウムと反応し脱塩素化し、被処理油は無害化される。なお、金属ナトリウム分散体を添加し所定の時間経過後に、反応促進剤として所定量の水が添加される。反応槽17の気相部には窒素ガスが供給されている。PCB微量混入絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器を破砕しこれを真空加熱し回収される留出液が含まれるPCB微量混入絶縁油を処理すると反応生成物が生成する。この反応生成物は金属面に付着しやすいため、反応槽17内、攪拌翼27及び攪拌軸29の表面に付着し、積層成長しスケールとなる。
反応槽17でPCBが脱塩素化された被処理油(処理済油)は、分解確認槽19に送られ、サンプリングライン20を介してサンプリングされ、処理済油中のPCB濃度が所定の濃度以下になっているか確認される。ここでPCBが所定濃度以下に達していないことが確認されると、処理済液を反応槽17に返送し再度、PCBの脱塩素化を行う。処理済油は、PCB濃度が所定の濃度以下であることが確認されると冷却され、その後に抽出中和槽21に送られる。
分解確認槽19から送られる処理済油は、抽出中和槽21で多量の水と混合され、処理油済中に残存する金属ナトリウムが水和される。さらに金属ナトリウムが水和され生成した水酸化ナトリウムを中和させるための炭酸ガスが吹き込まれ所定のpHに調整された後、油水分離槽23に送られる。
油水分離槽23に送られる多量の水を含む処理済油は、油水分離槽23で静置され比重差により油相31と水相33とに分離される。上層の油相31は、処理済油タンク35に送られ貯留される。一方、下層の水相33は、水を回収する洗浄水再生設備25に送られる。
洗浄水再生設備25は、乾燥機37を備え、水を蒸発させ回収すると共に水に含まれる塩化ナトリウム等を蒸発乾固させる。油水分離槽23から送られる水は静置分離水受槽39に一度、貯留された後、乾燥機37に送られ加熱される。蒸発した水は、凝縮器41で凝縮し凝縮水槽43に貯留される。この水は抽出中和槽21に送られ、金属ナトリウムを水和させるための水として使用される。一方、水に溶解していた塩化ナトリウム等は乾燥汚泥として回収される。このようにPCB混入絶縁油無害化処理装置1は、水を系外に排出しないクローズドシステムとなっている。
PCB微量混入絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器を破砕しこれを真空加熱し回収される留出液が含まれるPCB微量混入絶縁油を被処理油とする場合、被処理油には、C=O結合及びC−O結合を含む油酸化変質物が含まれる。C=O結合及びC−O結合を含む油酸化変質物が含まれる理由は、次の通りである。絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器には、PCB微量混入絶縁油が付着しているためこれを回収する目的で絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器は、破砕機で破砕され真空加熱炉で真空加熱される。このとき柱上変圧器には、紙、木が含まれているため、これら乾留物が留出液に含まれる。図2は、紙木類乾留物を含む絶縁油と紙木類乾留物を含まない絶縁油をフーリエ変換赤外分光法FTIRで分析した結果を示す図である。紙木類乾留物を含む絶縁油にはC=Oのピーク1750cm−1が強く表れている。C=O結合を含む油酸化変質物としては、カルボン酸、エステル、アルデヒド、ケトンがある。
油酸化変質物を含むPCB微量混入絶縁油と金属ナトリウム、反応促進剤である水との代表的な反応は、次式で示される。
Figure 0005058302
油酸化変質物と金属ナトリウム又は油酸化変質物と金属ナトリウム、反応促進剤とが反応し生成する鹸化物、炭酸塩、有機酸塩等は、絶縁油には溶解せずかつ極性が強いため金属面に付着し易い。このため油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油を処理すると鹸化物、炭酸塩、有機酸塩等が生成し、これらが反応槽17の内壁面に付着、積層成長しスケールとなる。一方、これらスケールは水に溶解するので、スケールが付着した反応槽17を水で洗浄することで除去することができる。以下反応槽内壁面に付着するスケールの除去要領を説明する。
図3は、スケール除去方法の手順を示すフローチャートである。本スケール除去方法は、大略的には、水を洗浄剤とし、水と絶縁油との混合液を洗浄液とし、これをスケールの付着した反応槽17に張り込み、スケールを溶解させ除去する方法である。
まず被処理油を抜出し空の状態のスケールが付着した反応槽17へ絶縁油を張り込む(ステップS1)。絶縁油としては無害化された処理済油を使用することができ、処理済油タンク35に貯留する処理済油を使用する。このように絶縁油に処理済油を使用すれば、絶縁油を別途用意する必要がなく便利である。反応槽17への処理済油の張り込み量は、反応槽内壁面に付着する全てのスケールが処理済油に浸漬するように行う。スケールは被処理油と接触していた領域に付着しているので、処理済油の充填量は、被処理油を処理するときの処理量が目安となる。もちろん反応槽17がほぼ満杯となるように張り込んでもよい。
次に、処理済油を攪拌した状態で反応槽17に所定量の水を徐々に投入する(ステップS2)。水はスケールを溶解させる洗浄剤として機能し、凝縮水槽43に貯留する水を使用することができる。投入する水の量は、反応槽内壁面に付着するスケール量に応じて適宜決定すればよいが、後述の実施例で示すように少量でよい。ステップS1で張り込む処理済油に対する水の投入量は、1〜5容量%程度である。大量の処理済油中に投入された水は攪拌機で攪拌されることにより処理済油中に分散する。これにより少量の水を反応槽17全体に行き渡らせることができ、少量の水で効率的にスケールを溶解させることができる。スケール中に未反応の金属ナトリウムが殆ど含まれていないことはこれまでに確認済みであるが、大量の処理済油中に少量の水を徐々に投入するので、スケール除去を安全に行うことができる。本実施形態では、水を含む処理済油が反応槽17を洗浄する洗浄液となる。
水の投入が完了した後、洗浄液を攪拌しながら50〜80℃まで加温する(ステップS3)。洗浄液を加温することで洗浄速度が速まる。洗浄時間は、反応槽17の大きさ、スケールの付着量等に応じて適宜選択すればよい。反応槽内壁面に付着するスケールは、灰褐色をしており、反応槽17に覗き窓が設けられている場合には、比較的簡単にスケールの除去状態を視認することができる。一度、洗浄方法が確立した後は、洗浄時間を管理することでスケールの徐去を行うこともできる。界面のスケールが除去されたことを確認した後(ステップS4)、洗浄液を分解確認槽19に抜き出す(ステップS5)。
洗浄液を分解確認槽19に抜き出した後、反応槽17内の状態を確認し、全体のスケールが除去されていなければ(ステップS6)、再度、洗浄液を反応槽17に戻し(ステップS7)、水を追加して洗浄を行う。一方、洗浄液を分解確認槽19に抜き出した後、反応槽17内の状態を確認し、全体のスケールが除去されていれば(ステップS6)、反応槽17内を加温し反応槽17内を十分に乾燥させる(ステップS8)。抜き出した洗浄液(洗浄排液)は、PCB含有絶縁油の処理と同様、分解確認槽19、抽出中和槽21、油水分離槽23の順に送り、PCB含有絶縁油を処理するときと同じように、処理済油、水、乾燥汚泥として回収する。このとき反応槽17から排出される洗浄排液を用いて分解確認槽19のサンプリングライン20を洗浄することが好ましい。サンプリングライン20は口径が細いため、反応槽17で生成したスケールが分解確認槽19に送り込まれ、さらにこれがサンプリングライン20に入り込むとサンプリングライン20が閉塞し易い。反応槽17から排出される洗浄排液を用いて分解確認槽19のサンプリングライン20を洗浄すれば、反応槽17の洗浄操作の一連の流れの中でサンプリングライン20の洗浄も行うことができるので効率的である。
上記実施形態で示すように本発明に係るスケール除去方法は、反応槽内壁面に付着するスケールを水で溶解させ除去する方法であるので、安価にまた簡単に行うことができる。またスケールの溶解除去は、水及び絶縁油のみを用いて行うことができ、使用する水及び絶縁油は、PCB混入絶縁油を無害化する際に使用する水及び処理済油を使用することができる。さらに洗浄排液の後処理にPCB混入絶縁油無害化処理工程をそのまま使用することができる。このように本発明に係るスケール除去方法は、系外から新たに薬剤を投入する必要がなく、また系外に廃棄物を排出する必要もなく非常に好ましい。
図1に示すPCB混入絶縁油無害化処理装置1の反応槽内壁面に付着したスケールを次の要領で除去した。
PCB微量混入絶縁油を抜き出した後の柱上変圧器を破砕しこれを真空加熱し回収された留出液が含まれるPCB微量混入絶縁油を被処理油とし、PCB混入絶縁油無害化処理装置1を約2月間運転した後の反応槽17を対象とした。反応槽17の内部を覗き窓から観察すると、反応槽17の壁面、攪拌翼27、攪拌軸29のうち接液部に灰褐色のスケールがびっしりと付着していた。
この反応槽17に、処理済油タンク35から処理済油2500Lを送り込み、反応槽17をほぼ満液状態とした。処理済油を攪拌した状態で、反応槽内圧力、発泡状態に注意しながら反応槽17内に計40Lの水を徐々に投入した。水投入時、反応槽の圧力上昇、発泡は見られなかった。その後、反応槽17のジャケットに加熱した熱媒を供給し、攪拌しながら洗浄液を60℃に加温した。2時間以上この状態を保持し、覗き窓からスケールの溶解を確認した。その後、洗浄排液を分解確認槽19へ移送した。移送の確認は、反応槽17に設けられた覗き窓から目視により行い、このとき反応槽17内の洗浄状態の確認を併せて行った。反応槽17内には全くスケールは残存しておらず、内部は非常にきれいに洗浄されていた。その後、反応槽17内の油溜まりを排出するため、移送完了後30分間、反応槽出口弁を開放した状態で保持した。その後、反応槽17内の水分を除去するため2時間、ジャケット温度を60℃に保持した。なお、反応槽17の気相部には、洗浄開始から乾燥終了まで、継続して窒素ガスを流した。
分解確認槽19では、反応槽17から送られた洗浄排液を用い、60分間サンプリングライン20の循環運転を行い、サンプリングライン20の洗浄を行った。分解確認槽19のサンプリングライン20の洗浄終了後、洗浄排液を抽出中和槽21へ移送した。抽出中和槽21では、洗浄排液に対して凝縮水槽43から2000Lの水を投入し、さらに20Nmの炭酸ガスを吹き込んだ。その後、pH8.2以下を確認し油水分離槽23へ移送し、油相31と水相33とに分離し、上層の油相31は、処理済油タンク35に送った。一方、下層の水相33は、静置分離水槽39に送った。
1 PCB混入絶縁油無害化処理装置
13 貯留タンク
15 減圧蒸留槽
17 反応槽
19 分解確認槽
20 サンプリングライン
21 抽出中和槽
23 油水分離槽
25 洗浄水再生設備
27 攪拌翼
29 攪拌軸
31 油相
33 水相
35 処理済油タンク
37 乾燥機
39 静置分離水受槽
41 凝縮器
43 凝縮水槽

Claims (5)

  1. PCB混入絶縁油に金属ナトリウムと反応促進剤とを添加し、これらを反応させPCBを脱塩素化する反応槽において、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油を脱塩素化するとき反応槽内壁面に付着するスケールの除去方法であって、
    スケールは、油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油と金属ナトリウム及び/又は油酸化変質物を含むPCB混入絶縁油と金属ナトリウムと反応促進剤とが反応し生成する反応生成物が前記反応槽の内壁面に付着、積層成長したものであり、反応槽内壁面に付着するスケールを水と絶縁油とからなる洗浄液で溶解除去することを特徴とするスケール除去方法。
  2. 前記洗浄液でスケールを溶解除去するとき反応槽に絶縁油を張り込み、その後、水を添加しスケールを溶解除去することを特徴とする請求項に記載のスケール除去方法。
  3. 前記洗浄液でスケールを溶解除去するとき加温状態で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスケール除去方法。
  4. 前記油酸化変質物は、C=O結合及びC−O結合を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載のスケール除去方法。
  5. 前記油酸化変質物は、PCB混入絶縁油を抜き取った後の柱上変圧器を破砕し、該破砕物を真空加熱し回収される紙木類乾留物を含む留出液に含まれることを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載のスケール除去方法。
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