JP2006205106A - ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリ塩化ビフェニール(PCB)の脱塩素化分解処理工程から排出される、固形のPCB分解残渣の有効な分離処理方法を提供すること。
【解決手段】 PCBを金属ナトリウムにて脱塩素化分解処理して得られる、高分子化したポリビフェニール、食塩及び絶縁油を含む固形の分解残渣を処理するに際して、(a)抽剤として水溶性の有機溶媒を用いて、該分解残渣を抽出処理し、該分解残渣中に存在する前記絶縁油を溶媒抽出して、脱油する工程と、(b)該脱油工程を経た前記分解残渣に対して、水を抽剤とする抽出操作を実施し、該分解残渣に混入した前記有機溶媒と共に、該分解残渣中に存在する前記食塩を除去して、前記ポリビフェニールを固形分として取り出す脱塩工程とを採用した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法に係り、特に、ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解処理によって生じる固形の分解残渣から、ポリビフェニール、食塩及び絶縁油を効果的に分離することの出来る処理方法に関するものである。
ポリ塩化ビフェニール(PCB)は、化学的に安定、絶縁性、不燃性等という特性を有しているところから、トランスやコンデンサ等の絶縁性媒体、熱交換器の熱媒体、感圧紙等に広く使用されていたが、その毒性が問題となって、今日においては、その回収、保管が義務付けられ、また、その無害化処理も、種々検討されてきている。
そして、そのようなPCBの無害化処理の方法として、PCBをそのまま焼却する方法の他、金属ナトリウムを用いて、PCBを脱塩素化分解処理する、所謂SD法が、実用的な方法の一つとして提案され、実用化されている(非特許文献1参照)。このSD法によれば、金属ナトリウム粒子を分散させた溶媒(絶縁油)中において、PCBに金属ナトリウムを反応させ、その結合塩素を食塩として取り出す一方、ビフェニール同士を相互に結合せしめることにより、高分子化して、無害の高分子化合物(ポリビフェニール)が形成されるようになっている。
しかしながら、かかるSD法によるPCBの脱塩素化分解処理工程において生じる、PCBの脱塩素化分解物であるポリビフェニールは、固体であるところから、反応媒体である絶縁油とは、遠心分離機等の適当な分離手段を用いて、固液分離され、固形の分解残渣として取り出されることとなるが、そのような分解残渣には、高分子化したポリビフェニールと共に、脱塩素化分解処理によって生じた食塩が含まれることとなる他、反応媒体である絶縁油も必然的に混入することとなり、しかも、食塩が絶縁油にて包まれているところから、単なる洗浄(抽出)操作のみでは、それら成分は、簡単には分離し難く、そのために、現状、何等有効利用することなく、焼却処理されているに過ぎないのである。
しかして、そのようなSD法において生じた多量の食塩を含む固形のPCB分解残渣をそのまま焼却した場合にあっては、食塩を含む多量の灰が発生して、煙管腐食が激しくなり、そのため、スチームを発生させるための熱エネルギーとして利用することが困難である問題を内在する他、焼却炉の器壁材の損傷が激しくなる等という問題も惹起することとなる。
日本曹達株式会社ホームページ(http://www.nippon-soda.co.jp/pcb/index.html)
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、PCBの脱塩素化分解処理工程から排出される固形のPCB分解残渣の有効な分離処理方法を提供することにあり、また他の課題とするところは、そのような固形のPCB分解残渣から、ポリビフェニール、食塩及び絶縁油を、それぞれ分離して、その有効利用を容易と為す方法を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かくの如き課題の解決のために、ポリ塩化ビフェニールを金属ナトリウムにて脱塩素化分解処理して得られる、高分子化したポリビフェニール、食塩及び絶縁油を含む固形の分解残渣を処理する方法にして、(a)抽剤として水溶性の有機溶媒を用いて、該分解残渣を抽出処理し、該分解残渣中に存在する前記絶縁油を溶媒抽出して、脱油する工程と、(b)該脱油工程を経た前記分解残渣に対して、水を抽剤とする抽出操作を実施し、該分解残渣に混入した前記有機溶媒と共に、該分解残渣中に存在する前記食塩を除去して、前記ポリビフェニールを固形分として取り出す脱塩工程とを、含むことを特徴とするポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法を、その要旨とするものである。
従って、そのような本発明に係る処理方法によれば、PCB分解残渣を各成分に分離するために、脱油工程と脱塩工程とが、別個に順次実施され、そして脱油工程においては、水溶性の有機溶媒を抽剤として用いて、分解残渣を抽出処理することにより、かかる分解残渣中に存在する絶縁油が、先ず、溶媒抽出されることとなるのであり、次いで、そのような脱油工程を経た分解残渣中に残存する食塩は、その後の脱塩工程において、水を抽剤とする抽出操作によって、かかる分解残渣に混入した有機溶媒と共に、効果的に除去せしめられ、以て、PCBの主体である高分子化されたポリビフェニールを、食塩や絶縁油とは分離した形態において、固形物として、有利に取り出し得ることとなるのである。
なお、かかる本発明に従うポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法において、前記水溶性の有機溶媒としては、有利には、低級脂肪族アルコール、中でもイソプロピルアルコールが用いられ、これによって、分解残渣中の絶縁油を効率的に溶媒抽出する一方、それら絶縁油と抽出溶媒とを効果的に分離せしめ得て、回収抽剤や回収油として、その利用を図ることが出来る。
また、本発明の望ましい態様においては、前記脱油工程と前記脱塩工程が、それぞれ、複数段の抽出操作によって実施されることとなる。そのような繰り返しの抽出操作の実施によって、目的とする抽出成分を、分解残渣より効率的に抽出、分離せしめ得て、それぞれの工程における抽出効率を有利に高めることが出来る。
さらに、本発明に従うポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法の望ましい態様の他の一つによれば、前記脱油工程における抽出操作によって得られる抽出液を蒸留して、前記絶縁油と前記有機溶媒とを分離、回収することが行なわれ、それら絶縁油や有機溶媒の回収、利用が図られ得ることとなる。
加えて、本発明に従う処理方法の望ましい態様の更に他の一つによれば、前記脱塩工程前半の抽出操作によって得られる抽出液を蒸留して、前記有機溶媒を塩水から分離、回収することが行なわれ、これによって、その回収された有機溶媒を、先の脱塩工程における抽剤としての再利用に供し得るのである。
なお、本発明にあっては、また、前記脱塩工程において、前記分解残渣中に存在する苛性ソーダが、塩酸によって中和せしめられる操作も、効果的に採用され、それによって、苛性ソーダも、食塩に変換せしめられて、除去されることにより、分解残渣の処理工程におけるトラブルの発生を未然に阻止することが可能となる。
このように、本発明に従うポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法にあっては、PCBの脱塩素化分解処理工程から排出される固形のPCB分解残渣を、高分子化したポリビフェニールと食塩、更には混入した反応媒体としての絶縁油が、効果的に分離されることによって、その取り出された固形物であるポリビフェニールを、固形燃料として、有利に利用することが出来ることとなるのであり、従来の食塩の存在下における焼却処理において発生する問題を悉く解消し得ることとなったのであり、また、分解残渣中に存在する食塩や絶縁油も、それぞれ別個に取り出されることになるところから、それぞれの再利用や廃棄処分が、極めて容易となり、資源のリサイクルにも大いに寄与し得ることとなるのである。
ところで、かくの如き本発明に従うPCBの脱塩素化分解残渣の処理方法において、その対象とされるPCB分解残渣は、一般に、SD法の如きPCBの脱塩素化分解処理工程から排出される固形分であって、具体的には、鉱物油等の絶縁油を反応媒体として用い、PCBを金属ナトリウムにて脱塩素化分解処理せしめ、その後、その反応生成物を適当な分離機にて固液分離することによって得られる固形物であって、そのような固形物は、主として、結合塩素の金属ナトリウムによる脱塩素化反応によって高分子化されたビフェニール(ポリビフェニール)と、そのような脱塩素化反応によって生じた食塩(固体状)から構成され、また、分離機によっては完全に分離され得ない、それら固形のポリビフェニールや食塩に付着する絶縁油等が含まれているものである。なお、そのような分解残渣には、また、金属ナトリウムが水と反応して形成される苛性ソーダも含まれるようにもなるのである。
そして、本発明にあっては、かくの如きPCB分解残渣を、二段階の溶媒抽出操作にて脱油・(中和)・脱塩し、その分離された成分を有効活用しようとするものであって、その処理フローの一例に係る概要が、図1に示されている。
すなわち、かかる図1において、PCB分解残渣は、先ず、脱油工程に付されて、そのような分解残渣中に存在する絶縁油が溶媒抽出されて、脱油せしめられる。その際、脱油用抽剤としては、絶縁油をよく溶解し得ると共に、水溶性の有機溶媒であることが必要であり、また、望ましくは、絶縁油との蒸留分離を容易にするために、沸点が約120℃以下であることが好ましく、更に、常温で液体であることが好ましく、加えて、後工程の脱塩工程における抽剤である水への溶解量が大であり、且つ水との蒸留分離が容易であるものが好ましいのである。なお、その際、水と共沸をしてもよいが、ボトム側に塩水を残すようにするために、水と最低共沸をし、且つ共沸組成における水濃度が、出来るだけ低いほうが好ましいと言うことが出来る。
このため、本発明において、脱油工程における脱油用抽剤として用いられ得る水溶性の有機溶媒としては、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、1,4−ジオキサン、sec−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、酢酸エチル等を挙げることが出来るが、その中でも、炭素数が3〜5程度の低級脂肪族アルコールが好適に用いられ、特に、イソプロピルアルコールが有利に用いられることとなる。
そして、そのような脱油工程における抽出操作によって得られる、絶縁油等の油分を溶解してなる抽出液は、脱油工程から取り出されて、蒸留操作に付され、以て、脱油用抽剤(有機溶媒)は、回収抽剤として分離される一方、絶縁油等の油分からなる回収油が、再生重油として取り出されることとなる。なお、分離された回収抽剤は、繰り返し再使用されるようになっている。
次いで、かかる脱油工程を経て、絶縁油等の油分が除去されたPCB分解残渣には、水を抽剤とする抽出操作が施され、かかる分解残渣に混入した脱油用抽剤(有機溶媒)と共に、そのような分解残渣中に依然として存在する食塩が抽出液中に抽出されて、分離除去せしめられることとなるが、その際、脱油用抽剤は、食塩と共に、水に抽出されて、脱塩工程前半において、抽出液として流出せしめられ、そして、その抽出液が、蒸留されて、塩水と抽剤に分離せしめられるのである。また、その分離された塩水は、海域に廃棄される一方、回収された抽剤は、脱油工程で回収した抽剤と併せて、再利用され得るようになっているのである。
また、脱塩工程の後半において得られる、僅かに食塩と抽剤(脱油用)を含んだ抽出液は、廃水として、活性汚泥処理、砂濾過処理、更には必要に応じて活性炭処理等が施されて、河川等に排出せしめられることとなる。なお、そのような活性汚泥処理の有効な遂行のために、脱塩工程後半において取り出される抽出液中の塩分濃度が、3000ppm程度以下となるように、調整されることとなる。
そして、かくの如き脱油工程及び脱塩工程を経て得られるPCB分解残渣の脱油脱塩残渣には、最早、絶縁油や食塩が含まれないものとなり、固形のポリビフェニール(PCB)の脱塩素高分子化物にて、実質的に構成されるものとなるところから、それは、固形燃料として、有利に利用することが出来るのである。即ち、その燃焼に際して、従来のPCB分解残渣の燃焼時に食塩の存在によって惹起される如き各種の問題は、何等惹起され得なくなったのである。
ところで、かかる図1に示される処理フローを更に具体化してなる一例が、図2に示されており、また、そこで採用される装置構成が、図3に示されている。それら図2及び図3に示される実施形態においては、脱油工程及び脱塩工程のそれぞれにおいて、4段の抽出操作が繰り返し実施される構成が、採用されている。
具体的には、それら図2及び図3において、第1ステップの脱油工程では、PCBの分解残渣と脱油用抽剤とを混合せしめるための混合槽1基と、固液分離のための圧搾式フィルタープレス1基と、濾液受槽の4基とから構成される、4段の溶媒抽出装置が使用されるようになっている。そして、その脱油工程においては、出来るだけ少量の抽剤で、目標の油洗浄性を得るために、PCB分解残渣と脱油用抽剤とが、溶媒抽出機構の全4段を通じて、向流にて流されるようになっている。すなわち、図2に示される如く、溶媒抽出機構の最終段において取り出された抽出液が、その前段の溶媒抽出機構に戻されて、分解残渣と接触せしめられるようになっているのであり、この方式が、順次、前段に移行せしめられて、最初の溶媒抽出機構において、固液分離されて取り出された抽出液が蒸留せしめられて、回収油と回収抽剤に分離せしめられるようになっているのである。
また、第2ステップの脱塩工程においては、上記した脱油工程と同様に、脱油分解残渣と水とを混合せしめるための混合槽1基と、そのような混合槽にて混合して得られる混合物を固液分離するための圧搾式フィルタープレス1基と、濾液受槽の4基とから構成される、2段+2段の計4段の溶媒抽出機構が採用される。そして、かかる脱塩工程の抽剤には、食塩をよく溶かす水が選定されており、また、そのような脱塩工程は、脱油用抽剤の回収率の向上を図り、また、脱塩工程後半から排出される廃水中の塩分、BOD(又はCOD)及び油分(n−ヘキサン抽出物質)の減少を図るとの理由から、前半の2段と後半の2段に分けられている。
そして、かかる脱塩工程においては、その前半の2段は、出来るだけ少量の水で、目標の塩及び脱油用抽剤の洗浄性を得るために、脱油済みのPCB分解残渣と抽剤(水)とを向流に流すようになっている。また、脱塩工程の前半において排出される大半の食塩、前工程の脱油工程からケーキに含まれて持ち込まれる脱油用抽剤(水溶性有機溶剤)の大半を含む抽残液は、2段の蒸留で、食塩水と脱油用抽剤とに分離し、そこで回収された脱油用抽剤は、前段の脱油工程で蒸留回収した抽剤と併せて、再使用され得るようになっている。更に、分離された塩水は、必要に応じて、COD処理等が施されて、海域に廃棄される。また、かかる脱塩工程の後半において排出される少量の塩、脱油用抽剤、油分を含む抽残液は、活性汚泥+砂濾過+活性炭吸着による処理を施し、河川等に放流されることとなるのである。
ところで、図2に示されるPCB分解残渣、脱油、脱塩処理フローは、多量の固体を含む分解残渣の向流洗浄及び固液分離のフローを示しているが、このような方式によれば、抽剤のワンパス洗浄による抽出方式に比べて、抽剤の使用量が約1/4にて、同等の洗浄性(抽出効果)を得ることが出来るのである。尤も、本発明は、そのような向流方式による抽出操作のみに限定されるものでは決してなく、公知の各種抽出操作が、何れも、採用されるものであることは、言うまでもないところである。
また、図3に示されるPCBの分解残渣脱油脱塩処理装置は、少量の分解残渣対応のバッチ処理装置の例であり、これに対して、分解残渣の処理量が多く、連続処理が必要な場合には、混合撹拌槽、デカンター等の連続式脱水機及び濾液受槽を多段に連結してなる構造が採用されることとなる。また、そこで、固液分離のために用いられる圧搾式フィルタープレスに代えて、真空ベルトフィルター、遠心分離機、スーパーデカンターや、その他一般に脱水機と称される固液分離装置が、適宜に用いられることとなる。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明は、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下の実験における百分率及び比は、特に断りのない限り、何れも、重量基準にて表わされるものである。
金属ナトリウムを用いたPCBの公知の脱塩素化分解処理手法である、SD法によって生じた、PCB分解残渣(高分子化物からなる残渣:40%、絶縁油からなる油分:37%、食塩:20%、水分:3%)を用い、それに対して、バッチ方式にて、4段の脱油洗浄テストと、4段の脱塩洗浄テストを実施した。なお、脱油用抽剤としては、工業用イソプロピルアルコール(IPA)を用い、また、脱塩用抽剤としては、市水を用い、更に、各段の洗浄操作においては、それぞれ、フレッシュな抽剤を採用した。
そして、かかるPCB分解残渣に対して、先ず、脱油洗浄テストの1回目を、次のようにして実施した。即ち、500mLのビーカーにPCB分解残渣の100gを収容し、更にIPAの200gを加えて、スターラーで5分間撹拌した後、No.5A濾紙を敷いたブフナー濾過器に移し、10分間吸引濾過を行ない、その得られたケーキの重量と濾液の重量を、それぞれ測定した。また、その得られたケーキ及び濾液について、それぞれ、成分分析を行ない、高分子化物(ポリビフェニール)からなる残渣、絶縁油からなる油分、食塩、水分、抽剤(IPA)の含有量を、それぞれ、求めた。
その後、かかる1回目の脱油洗浄テストにおいて得られたケーキ(成分分析に供された約2.5gを除く、残余のもの)を、ビーカーに戻し、それにフレッシュなIPAの200gを加えて、スターラーで5分間撹拌した後、ブフナー濾過器にて10分間吸引濾過して、その得られたケーキの重量と濾液の重量を、それぞれ、測定すると共に、それらケーキ及び濾液における(高分子化物)残渣、油分、食塩、水分及びIPAの含有量を分析した。その後、この2回目の脱油洗浄テストにおいて得られたケーキを用いて、同様に、3回目及び4回目の脱油洗浄テストを行ない、更に同様にして、重量測定及び成分分析を実施した。
次いで、かかる脱油洗浄テストが施されてなるケーキを用いて、それに対して、更に、脱塩洗浄テストを実施した。先ず、その1回目として、上記4段の脱油洗浄操作が施されてなるPCB分解残渣ケーキをビーカーに収容し、それに、抽剤としての水(市水)の150gを加え、スターラーで5分間撹拌した後、ブフナー濾過器を用いて、10分間吸引濾過し、その得られたケーキの重量と濾液の重量を測定すると共に、それらケーキ及び濾液について、残渣(高分子化物)、油分(絶縁油)、食塩、水分及びIPAの成分分析を実施した。
また、2回目の脱塩洗浄テストは、上記1回目の脱塩洗浄テストが終了したケーキのうち、分析用にサンプリングした約2.5gのケーキを除く、残りのケーキをビーカーに戻し、それに、水150gを加え、スターラーで5分間撹拌した後、ブフナー濾過器を用いて、10分間吸引濾過することにより、固液分離し、そしてその得られたケーキと濾液の重量を、それぞれ測定する一方、それらケーキ及び濾液について、上記1回目と同様に、成分分析を行なった。更に、同様にして、3回目及び4回目の脱塩洗浄テストを行ない、それぞれ得られたケーキ及び濾液について、重量測定と成分分析を実施した。
かくして得られた脱油洗浄テスト及び脱塩洗浄テストの各段におけるケーキと濾液についての分析結果を、下記表1及び図4に示すが、それら表及び図から明らかな如く、4段のIPA洗浄操作からなる脱油処理によって、PCB分解残渣に含浸されている油分(絶縁油)の99.7%が分離除去されているのである。そして、その結果として、かかる脱油済みのPCB分解残渣中には、水が浸透し得るようになり、そのため、同残渣中において油に包含されていた食塩を溶解・溶出することが出来ることとなって、後の4段の水を用いた脱塩工程により、食塩は、99.9%まで除去し得ることとなったのである。
Figure 2006205106
これに対して、比較のために、抽剤としてIPAと水を併用して、PCB分解残渣に対して、脱油工程と脱塩工程を同時に実施する脱油・脱塩洗浄テストを行なった。そして、その際の抽剤としては、IPA/水=1/1の配合割合(重量比)のものを用いた。
先ず、1回目の脱油・脱塩洗浄テストにおいては、500mLのビーカーに、PCB分解残渣の100gを収容し、これに、IPA100gと水100gを加え、スターラーにて5分間撹拌した後、No.5A濾紙を敷いたブフナー濾過器にて、10分間吸引濾過することにより、固液分離して、ケーキと濾液に分け、それぞれの重量を測定する一方、残渣(高分子化物)、油分、食塩、水分及びIPAの含有量について、それぞれ、成分分析を行なった。
次いで、2回目の脱油・脱塩洗浄テストにおいては、かかる1回目の脱油・脱塩テストにおいて得られたケーキから、分析用にサンプリングした約2.5gの濾過ケーキを除いた、残りのケーキをビーカーに戻し、それに、IPAの100gと水の100gを加え、スターラーで5分間撹拌した後、ブフナー濾過器にて10分間吸引濾過することにより、固液分離を行ない、得られたケーキと濾液について、それぞれ、重量測定を行なう一方、1回目と同様にして、それぞれの成分分析を行なった。その後、かかる2回目の脱油・脱塩洗浄テストと同様にして、3回目から8回目の脱油・脱塩洗浄テストを、それぞれ、繰り返し実施した。
かくして得られた8回の脱油・脱塩洗浄テストの繰返しにおいて得られたケーキと濾液についての分析結果を、下記表2に示すが、この表2の結果から明らかな如く、PCB分解残渣を、IPA/水=1/1の混合抽剤にて、抽出処理を行なっても、目的とする油分や食塩は充分に分離除去することが出来ず、PCB分解残渣に含浸された油の約15%、食塩の約20%が分離除去されるに止まった。しかも、脱油操作と脱塩操作とを別個に行なった、前記した本発明例に比べて、脱油率及び脱塩率は共に低く、実用レベルには至っていないことを認めることが出来る。
Figure 2006205106
本発明に従うPCBの脱塩素化分解残渣の処理方法の一例を示すフロー概要図である。 本発明に従うPCBの脱塩素化分解残渣の処理方法の一例を示す具体的なフロー図である。 本発明に従うPCBの分解残渣の処理方法を実施するための装置の一例を示す説明図である。 実施例において得られた、脱油・脱塩洗浄テストを別個に行なった本発明例における、洗浄回数と残油及び残塩率との関係を示すグラフである。 実施例において得られた、脱油・脱塩洗浄テストを同時に実施してなる比較例における、洗浄回数と残油及び残塩率との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. ポリ塩化ビフェニールを金属ナトリウムにて脱塩素化分解処理して得られる、高分子化したポリビフェニール、食塩及び絶縁油を含む固形の分解残渣を処理する方法にして、
    抽剤として水溶性の有機溶媒を用いて、該分解残渣を抽出処理し、該分解残渣中に存在する前記絶縁油を溶媒抽出して、脱油する工程と、
    該脱油工程を経た前記分解残渣に対して、水を抽剤とする抽出操作を実施し、該分解残渣に混入した前記有機溶媒と共に、該分解残渣中に存在する前記食塩を除去して、前記ポリビフェニールを固形分として取り出す脱塩工程とを、
    含むことを特徴とするポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
  2. 前記水溶性の有機溶媒が、低級脂肪族アルコールである請求項1に記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
  3. 前記脱油工程及び前記脱塩工程が、それぞれ、複数段の抽出操作によって実施される請求項1又は請求項2に記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
  4. 前記脱油工程における抽出操作によって得られる抽出液を蒸留して、前記絶縁油と前記有機溶媒とを分離、回収する請求項1乃至請求項3の何れかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
  5. 前記脱塩工程前半の抽出操作によって得られる抽出液を蒸留して、前記有機溶媒を塩水から分離、回収する請求項1乃至請求項4の何れかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
  6. 前記脱塩工程において、前記分解残渣中に存在する苛性ソーダが、塩酸によって中和される請求項1乃至請求項5の何れかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化分解残渣の処理方法。
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