JP5057834B2 - ランタノイドアルミネート膜の製造方法 - Google Patents

ランタノイドアルミネート膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ランタンアルミネート膜のようなランタノイドアルミネート膜の製造方法に関し、特に、電気的な絶縁性能に優れたランタノイドアルミネート膜の製造方法に関する。
半導体集積回路の微細化が進展するにつれて、薄い膜厚でも電気的な絶縁性能を保つことができる絶縁膜が必要とされている。従来の半導体集積回路においては、シリコン酸化膜(SiO膜)が万能絶縁膜として利用されてきた。しかしながら、今後は半導体集積回路中の機能に応じた材料を使い分ける必要があると考えられている。
高誘電率かつ低リーク電流が要求される電界効果トランジスタのゲート絶縁膜や、NAND型不揮発性メモリのフローティングゲートとコントロールゲート間の絶縁膜としては、ランタノイドアルミネート膜、例えば、ランタンアルミネート膜が有望視されている。
ランタノイドアルミネート膜の成膜については、PLD(Pulsed Laser Deposition)法や、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法といった手法で検討が進められてきた。これらの方法は、小さな試料を長時間要して作成する高コストな研究用途向けの手法であり、かならずしも量産化には適していない。産業的に量産化する観点からは、大きな試料にも適用可能で、簡易、かつ、低コストのスパッタリング法を用いることが適当である。
また、半導体集積回路に適用される絶縁膜のスパッタリング法について、例えば、シリケート膜に関しては特許文献1に、強誘電体膜については特許文献2に記載されている。
特開2003−234471号公報 特開2003−224123号公報
発明者らは、ランタノイドアルミネート膜の一つである、ランタンアルミネート膜についてスパッタリング法による成膜の検討を行った。この際、まず、成膜しようとするランタンアルミネート膜と同一組成、すなわち、LaAlOの単体のターゲットを使用した。しかしながら、単体のターゲットを用いたスパッタリング法で形成された、ランタンアルミネート膜は、半導体集積回路へ適用するには膜のリーク電流レベルが高いという問題があった。
この原因は、次のように考えられる。LaAlOの単体のターゲットを使用する場合、La(ランタン)の電気陰性度が小さいことに起因して、電気陰性度が大きく、しかも電子親和力も大きい酸素への電子付着反応が生ずる。このため、スパッタターゲット表面近傍の酸素負イオンの生成率が高くなる。このような現象に起因して、基板に成膜されるランタンアルミネート膜の組成ズレが生じリーク電流を上昇させる。
この現象をより詳細に説明すると以下のようになる。酸素負イオンが高い割合で発生すると、酸素負イオンがプラズマ中のターゲット近傍のシース電位により、数百万度相当以上の非常に高いエネルギーへと加速される。酸素負イオン自体の半減期は数ミリ秒程度と短い。このため、大多数の酸素負イオンはシース電位で加速された後に中性酸素と電子へと乖離する。
しかしながら、酸素負イオンが持っていた非常に高い運動エネルギーと運動量は、運動量保存の法則により、乖離後の中性酸素が引き継ぐ。そして、高エネルギーで、しかも高い運動量を持つ中性酸素が発生する。このような機構で発生した中性酸素の高速ビームは、ターゲットに対して主に鉛直方向への運動量を持つ。
このような高エネルギーかつ高運動量の粒子がランタンアルミネートを成膜している基板に入射する。すると、基板自体へ損傷を与えるのみでなく、既に堆積されているランタンアルミネート膜にも損傷を与えうる。
すなわち、入射粒子の持つエネルギーは数百万度以上に相当する。このため、ランタンアルミネート膜の、中性粒子が入射された極近傍の極微小領域に限れば数百万度以上に相当するようなランタンとアルミニウムと酸素の原子運動が生ずる。このため、ランタンと比較して軽い原子であるアルミニウムが選択的に膜から蒸発する。また、酸化アルミニウムの沸点が3000℃と、酸化ランタンの4200℃に対して低いことも、アルミニウムの選択的な蒸発を促進させる。このようにして、基板に成膜されるランタンアルミネート膜の組成ズレが生じ、この膜のリーク電流を上昇させる。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、スパッタリング法による成膜の組成ズレを抑制することにより、電気的な絶縁性能に優れたランタノイドアルミネート膜の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様のランタノイドアルミネート膜の製造方法は、真空チャンバ内に、LnAlOの第1のターゲットと、Alの第2のターゲットを保持し、前記真空チャンバ内に基板を搬送し、前記真空チャンバ内に、スパッタリングガスを導入し、前記第1のターゲットと、前記第2のターゲットをスパッタリングし、前記基板上にランタノイドアルミネート膜を成膜することを特徴とする。
ここで、前記ランタノイドアルミネート膜のAl/Ln(モル比)が0.98以上1.19以下であることが望ましい。
ここで、前記ランタノイドアルミネート膜のAl/Ln(モル比)が0.98以上1.02以下であることが望ましい。
ここで、前記基板の表面と前記第1のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下、前記基板の表面と前記第2のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下であることが望ましい。
ここで、前記スパッタリング中の前記基板の温度が500℃以上650℃以下であることが望ましい。
ここで、前記スパッタリングガス中の酸素分圧が1.6×10−6Pa以上3.0×10−3Pa以下であることが望ましい。
ここで、前記ランタノイドアルミネート膜の成膜レートが0.0003nm/秒以上0.04nm/秒以下であることが望ましい。
ここで、前記ランタノイドアルミネートがランタンアルミネートであり、前記LnAlOがLaAlOであることが望ましい。
ここで、前記基板の半径をr(mm)、前記基板の重心をとおり前記基板の表面に垂直な線と、前記第1のターゲットの重心をとおり前記第1のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離をs1(mm)、前記基板の重心をとおり前記基板の表面に垂直な線と、前記第2のターゲットの重心をとおり前記第2のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離をs2(mm)とした場合に、r/2≦s1≦r+30、かつ、r/2≦s2≦r+30の関係を充足することが望ましい。
ここで、前記スパッタリングガスの全圧が、0.1Pa以上2.0Pa以下であることが望ましい。
ここで、前記スパッタリングガス導入前の前記真空チャンバの真空度が2×10−8Pa以下であることが望ましい。
ここで、前記スパッタリング中に、前記基板を回転させることが望ましい。
ここで、前記回転において、自転速度をvs(回/秒)、公転速度をvo(回/秒)、前記ランタノイドアルミネート膜の成膜時間をt(秒)とした場合に、1/t≦vs≦1082、または、1/t≦vo≦1082の関係を充足することが望ましい。
ここで、前記スパッタリングガス中に、活性酸素生成装置からOまたはO(D)を供給することが望ましい。
ここで、前記スパッタリングガスが、アルゴンガスを主成分とすることが望ましい。
本発明によれば、スパッタリング法による成膜の組成ズレを抑制することにより、電気的な絶縁性能に優れたランタノイドアルミネート膜の製造方法を提供することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本明細書中において、ランタノイドアルミネートとは、ランタノイド元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho,Er、Tm、Yb、Luの中のいずれか1種類以上)とアルミニウム(Al)との化合物の酸化物をいう。
また、本明細書中では、ランタノイドアルミネート膜のリーク電流を表す際に、印加する電界の指標として、実効酸化膜厚換算電界を用いる。実効酸化膜厚換算電界を求める場合、まず、評価する膜の厚さを同等の誘電率を有するシリコン酸化膜の膜厚に換算する。そして、実際に評価するランタノイドアルミネート膜にかけた電圧からフラットバンド電圧を引いた電圧を、算出したシリコン酸化膜の膜厚で除して、実効酸化膜厚換算電界とする。
電界効果トランジスタのゲート絶縁膜や、NAND型不揮発性メモリのフローティングゲートとコントロールゲート間の絶縁膜には、高誘電率かつ低リーク電流が要求される。したがって、上記実効酸化膜厚換算電界を指標にリーク電流を評価することで、膜の実用性を適切に判断することが可能となる。
そして、本明細書中において組成比とは、全てモル組成比を意味するものとする。
本発明の実施の形態のランタノイドアルミネート膜の製造方法は、真空チャンバ内に、LnAlOの第1のターゲットと、Alの第2のターゲットを保持し、真空チャンバ内に基板を搬送し、この真空チャンバ内に、スパッタリングガスを導入し、第1のターゲットと、第2のターゲットをスパッタリングし、基板上にランタノイドアルミネート膜を成膜する。
発明者らは、ランタノイドアルミネートの一つであるランタンアルミネート膜を、スパッタリング法によって形成する際、LaAlO(ランタンアルミネート)単体のターゲットからのスパッタをまず検討した。しかしながら、上述のように、LaAlOの単体のターゲットでは、膜のリーク電流レベルを十分に抑制できなかった。
発明者らは、膜のリーク電流レベルが高くなる要因の一つを、スパッタ中に発生する中性酸素の高速ビームに起因するランタンアルミネート膜の組成ズレであると考えた。すなわち、成膜されるランタンアルミネート膜から、中性酸素の高速ビームにより、アルミニウムが選択的に蒸発する。これによって、ランタンアルミネート膜の組成がLaAlOからズレ、膜中のAl/Ln(モル比)が1以下になる。この組成ズレのためにリーク電流が増大すると考えるのである。
そこで、LaAlOの単体のターゲットに代えて、La(酸化ランタン)のターゲットと、Al(酸化アルミニウム)のターゲットのコスパッタリング法によって組成ズレを抑制することを検討した。しかしながら、酸化ランタンは大気中の水分や二酸化炭素を吸収して水酸化ランタンや炭酸ランタン水和物などに容易に変化する。よって、結晶膨張が発生し、ターゲットが崩壊するという問題が発生する。
また、酸化ランタンターゲットの大気暴露をなるべく抑制するような手法を用いたとしても、酸化ランタンターゲット表面に水分や二酸化炭素が吸収される。このようなターゲットをプレスッパタリングやスパッタリングしても、スパッタガスであるアルゴンなどによって、ターゲットが衝撃を受けることにより、空気中の二酸化炭素に起因する炭素分が酸化ランタンターゲットの奥深くまでもぐりこんでしまう。したがって、成膜されるランタンアルミネート膜の炭素汚染の原因となるという問題が生じる。
そこで、ランタン金属のターゲットと、アルミニウム金属のターゲットを、酸素を含むスパッタガス雰囲気中で、化成スパッタすることを検討した。しかしながら、ランタン金属は、アルカリ金属並みに反応性が高いため、酸化ランタンターゲットの場合と同様のターゲットが崩壊するという問題が一層深刻になる。
さらに、ランタンアルミネートのターゲットにおいて、ランタンとアルミニウムの組成比を、あらかじめアルミニウムが多くなるようにした単体のターゲットにより成膜することも検討した。しかしながら、酸化ランタンと酸化アルミニウムの2元系で安定な単一層として存在するのは、ベータ構造としてのAl:La=11:1の組成比か、ペロブスカイト構造としてのAl:La=1:1の組成比か、あるいは、7:33相またはR相として知られているAl:La=7:33の組成比のみである。
使用するターゲットが、これら3相以外の中間的な組成では、酸化ランタンのターゲットを用いる場合と同様の問題が生ずる。すなわち、結晶膨張が発生し、ターゲットが崩壊するという問題が発生する。
未反応の酸化ランタンが残りターゲットが崩壊することは、ランタン比率の高い組成比のターゲットにおいては、ペロブスカイト構造を形成するのに用いられた酸化ランタン以外の酸化ランタンが残留することから自明である。また、アルミニウム比率の高い組成比のターゲットにおいてターゲットが崩壊することは、ペロブスカイト構造を形成しきれなかった酸化ランタンが残留することと、酸化アルミニウムが空孔率の高い構造をとり、空気中の水分を吸収し水酸化アルミニウム化してしまうことによる。
以上のターゲットに関する検討を経て、発明者らは、LaAlOの第1のターゲットと、Alの第2のターゲットを用いるコスパッタリング法が、ランタンアルミネート膜の組成ズレを抑制する上で望ましいことを見出すに至った。
図1は、本発明の実施の形態のランタノイドアルミネート膜の製造方法に用いられるスパッタ装置の基本構成を示す断面図である。
このスパッタ装置は、真空チャンバ10、基板12を保持して回転する回転機構14、基板12を加熱するためのヒータ16を備えている。そして、第1のターゲット18を保持するとともに、RF電力を印加するための第1のスパッタカソード20を備えている。そして、第2のターゲット22を保持するとともに、RF電力を印加するための第2のスパッタカソード24を備えている。さらに、基板12と、第1のターゲット18および第2のターゲット22の間にスパッタリングガスを供給するためのガス導入管26を備えている。また、チャンバ10内を排気するための排気ポンプ28を備えている。
なお、図示はしないが、基板12と、第1のターゲット18および第2のターゲット22との間の空間に磁場を印加するためのマグネットがカソード内に配置されている。この構成により、マグネトロンスパッタリングが可能となっている。また、第1のターゲット18と、第2のターゲット22は、基板12に対して傾斜を持たせて配置する、いわゆるオフアクシス配置が可能となっている。
次に、本実施の形態のランタノイドアルミネート膜の製造方法について、ランタンアルミネート膜の成膜を例に説明する。
まず、LaAlOの第1のターゲット18と、Alの第2のターゲット22を準備し、それぞれをスパッタ装置内の第1のスパッタカソード20と第2のスパッタカソード24に保持させる。そして、例えば、(100)面を表面とするnタイプの単結晶シリコンウェーハを基板12として準備する。
そして、基板12に対して希フッ酸処理を行い、表面の自然酸化膜を剥離する。その後、基板12をスパッタ装置の真空チャンバ内に搬送し、回転機構14により保持する。このとき、第1のターゲット12の表面と、基板12の表面とのなす角度θが90度となるよう配置する。また、同様に、第2のターゲット12の表面と、基板12の表面とのなす角度θが90度となるよう配置する。
図2および図3はターゲットの表面と基板の表面との関係についての説明図である。なお、これらの図では、便宜上、2枚ではなく、第1のターゲット18のみを示しているが、第2のターゲット22についても、第1のターゲット18と同様な関係が満たされる。そして、図2は、基板に垂直な真空チャンバ断面を示す説明図であり、図3は、基板に、平行な真空チャンバ断面を示す説明図である。
ここで、基板12は半径r(mm)の円形を呈している。そして、ターゲット面の表面と、基板の表面のなす角度θは、ターゲットの表面に垂直で、ターゲット裏面からターゲット表面方向に向きを持つような第1のベクトルT(図2中太字斜字)と、基板表面に垂直で、基板裏面から基板表面方向に向きを持つような第2のベクトルS(図2中太字斜字)とのなす角度をいう。
そして、図4に示すように、第1のターゲット18の重心から仮想的に延ばした第1の線TT’が、基板12の重心から鉛直に仮想的に延ばした第2の線SS’と交わらずに互いに捩れの関係にあるような配置にする。このとき、第1の線TT’と第2の線SS’との最短距離、すなわち、図4中のTc−Sc間の距離をs1(mm)とする。また、同様に第2のターゲットの場合の最短距離をs2(mm)とする。
ここで、例えば、第1のターゲットの表面が平面でない場合、ターゲットの表面とは、実際のターゲット面の表面を近似するような平面を意味するものとする。例えば、図5に示すように実際のターゲット面が波打っている場合には、図中太線で示す、波を均したような平面が近似平面として適切である。また、実際のターゲットの表面を近似するような適切な平面が存在しない場合、ターゲットの表面とは、ターゲットの重心を通り、法線ベクトルが基板方向となるような平面の一つを意味する。第2のターゲットについても同様である。
また、基板の表面が平面でない場合、基板の表面とは、実際の基板の表面を近似するような平面を意味するものとする。例えば、図6に示すように基板の表面が半球状であった場合、半球の全面が見えるような点から半球方向へのびる直線が法線となるような平面の中で、図中太線で示す、半球付近に存在する平面で近似するのが適切である。また、実際の基板の表面を近似するような適切な平面が存在しない場合、基板の表面とは、基板の重心を通り、法線ベクトルが基板方向となるような平面の一つを意味する。
第1のターゲット18および第2のターゲット22に対して、上記の位置関係を満たすように基板12を搬送した後、第1のターゲット18と第2のターゲット22をスパッタリングし、基板12上にランタンアルミネート膜を成膜する。この時の成膜条件は、例えば、下記の通りとする。

装置真空度:1×10−8Pa
基板半径r:150mm
基板の表面と、第1および第2のターゲットの表面とのなす角度:90度
基板の重心をとおり基板の表面に垂直な線と、第1のターゲットの重心をとおり第1のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離s1:100mm
基板の重心をとおり基板の表面に垂直な線と、第2のターゲットの重心をとおり第2のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離をs2:100mm
第1のターゲットの半径R1:32mm
第2のターゲットの半径R2:27.5mm
スパッタリングガス:アルゴンガス、酸素ガス
スパッタリングガス全圧:1.0Pa
酸素分圧:1.0×10−3Pa
基板温度:600℃
ターゲットRF電力:第1のターゲット=50W、第2のターゲット=33W
成膜膜厚:22nm
成膜レート:0.025nm/秒
成膜時間:880秒
自転速度:0.3回/秒
公転速度:0回/秒
なお、上記条件での成膜において、スパッタリングガス導入前に、図1の排気ポンプ28を駆動させて、装置真空度が上記圧力に保たれる。その後、スパッタリングガスであるアルゴンガスが、ガス導入管26から供給される。
第1のスパッタカソード20と第2のスパッタカソード24とによって、第1および第2のターゲットに上記RF電力が加えられる。この第1のスパッタカソード20と第2のスパッタカソード24のRF電力比を制御することにより、基板12上に成膜されるランタンアルミノイドのAl/La比を制御することが可能となる。なお、上記条件で、Al/La組成比が1.00±0.02のランタンアルミネート膜が得られる。なお、ここで組成比の測定誤差が±0.02である。
また、図1には図示しない酸素ガス導入管から、酸素ガスが導入され、上記酸素分圧に制御される。また、スパッタリングガスの全圧(ここでは、酸素の分圧も含む)は、アルゴンガスの供給量、酸素ガスの供給量と、排気ポンプ28による排気量を調整して、上記圧力に制御される。そして、ヒータ16による加熱で、基板温度は上記温度に制御される。そして、自転速度は、図1の回転機構14により上記回転数に制御される。
図7に、上記条件で成膜されるランタンアルミネート膜のリーク特性を示す。比較のために、ランタンアルミネート単体のターゲットにより室温で成膜されたランタンアルミネート膜のリーク特性も示す。横軸は実効酸化膜厚換算電界、縦軸は単位面積あたりのリーク電流である。なお、単体のターゲットにより成膜されたランタンアルミネート膜のAl/La組成比は0.76である。
図7で、明らかなように本実施の形態のコスパッタリング法によるランタンアルミネート膜の製造方法により、リーク電流が大幅に抑制され、絶縁性能が向上することがわかる。
次に、本実施の形態によるリーク電流の低減に関し、ランタンアルミネート膜のAl/La組成ズレを抑制することが一つの要因となっていることを確認するため、Al/La組成比の異なるサンプルのリーク特性を図8に示す。図8には、Al/La組成比が、本実施の形態により1.00、1.19としたサンプル、および、比較のために図7と同じ単体ターゲットによる0.76のサンプルの結果を示す。なお、図8のサンプルの成膜時の基板温度はすべて室温である。また、図8のコスパッタリング法によるサンプルにおいて、Al/La組成比は、第1のスパッタカソードと第2のスパッタカソードのRF電力比を制御することにより調整する。
図8から明らかなように、単体ターゲットのAl/La組成比0.76から、本実施の形態のコスパッタリング法を用いてAlの組成比率を増加させることにより、リーク電流が抑制されること分かる。もっとも、Al/La組成比が1.19と、1よりも増加すると、リーク電流抑制効果は低下する。したがって、これらの特性より、ランタンアルミネート膜のAl/La(モル比)が0.98以上1.19以下であることが印加電界に対するリーク電流が低減されるという効果が得られるので望ましく、0.98以上1.02以下であることが印加電界に対するリーク電流がより一層低減されるという効果が得られるのでより望ましい。
このように、Al/Laの組成比が1に近づきランタンアルミネート膜の組成ズレが解消することにより、安定なペロブスカイト構造が形成される。したがって、誘電率が上昇すると共に、結晶の不完全性に伴うリーク電流が低減し、結果的に実効酸化膜厚換算電界を指標とするリーク電流が抑制されることになる。また、Alの組成比が増加することにより、ランタンアルミネート膜のバンドギャップが広がる傾向があるため、これによるリーク電流抑制も寄与していることが考えられる。
また、本実施の形態においては、基板の表面と第1のターゲットの表面とのなす角度が90度、基板の表面と第2のターゲットの表面とのなす角度が90度という、いわゆるオフアクシス配置によりスパッタリングを行うとしている。本発明においては、必ずしも、基板の表面と第1のターゲットの表面および第2のターゲットの表面が対向する配置を排除するものではない。すなわち、基板の表面と第1のターゲットの表面および第2のターゲットの表面とのなす角度が180度となることを排除するものではない。
しかしながら、基板の表面と第1のターゲットの表面および第2のターゲットの表面が完全に対向する配置では、基板に照射される中性酸素の高速ビーム量が多くなる。よって、アルミニウムの選択的な蒸発が促進され、Al/La組成比の制御が容易ではない。また、中性酸素の高速ビームによりランタンアルミネート膜に欠陥を誘起し、リーク電流を増加させるおそれもある。
したがって、基板の表面と第1のターゲットの表面および第2のターゲットの表面とが傾斜したオフアクシス配置となっていることが望ましい。さらに、基板の表面と第1のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下、基板の表面と第2のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下であることがより望ましい。
これは、基板の表面と、第1および第2のターゲットの表面とのなす角度が110度より大きくなると、基板に照射される中性酸素の高速ビームによる、アルミニウムの選択的な蒸発の増大、および、膜に対する欠陥の誘起が懸念されるからである。また、基板の表面と、第1および第2のターゲットの表面とのなす角度が70度より小さくなると、基板上のランタンアルミネート膜の成膜レートが低下し、ランタンアルミネート膜の製造コストの増大が懸念されるからである。
また、上記成膜条件例では、基板温度を600℃としたが、本実施の形態は、必ずしもこの温度に限定されるものではない。しかしながら、図9に示すように、室温よりも高温にした方が、リーク電流が抑制されるため望ましい。さらに、基板の温度が500℃以上650℃以下であることがより望ましい。
これは、基板の温度が650℃を超えると、成膜されるランタンアルミネート膜と、基板上の物質が、熱運動により混合しランタンアルミネート膜の組成、構造が変化するおそれがあるからである。また、基板の温度が500℃未満になると、ランタンアルミネート膜中の短距離原子秩序がペロブスカイトのエネルギー極少状態にまで移動するような熱運動エネルギーに達しない。したがって、非ペロブスカイト的な短距離原子秩序となり、誘電率がペロブスカイトより低くなってしまうおそれがあるからである。なお、ランタンアルミネート膜中の短距離原子秩序は高々2nm程度のコヒーレンスであり、通常のX線回折法ではコヒーレンスの有無は判別できない。しかし、EXAFS法(Extended X−ray Absorption Fine Structure)のような手法で、吸収端近傍のスペクトルを観察することで短距離原子秩序の違いを確認することが可能であり、上記基板温度の違いによる差異も確認することができる。
上記成膜条件例では、スパッタリングガス中の酸素分圧を1.0×10−3Paとしたが、本実施の形態において、必ずしもこの値に限定されるわけではない。しかしながら、スパッタリングガス中の酸素分圧が1.6×10−6Pa以上3.0×10−3以下であることが望ましい。
これは、酸素分圧が0の場合には、特に、基板が高温の場合に成膜されるランタンアルミネート膜のリーク電流が増大する傾向にあるからである。そして、装置制御の観点から、1.6×10−6Pa未満の酸素分圧を制御することが困難だからである。また、図10に示すように、酸素分圧が1.0×10−3Paより高くなっても、成膜されるランタンアルミネート膜のリーク電流が増大する傾向にある。このため、酸素分圧が3.0×10−3より高くなると、単体スパッタに対するリーク電流の優位性がなくなるおそれがあるからである。なお、図10に示した酸素分圧3.0×10−3データは、上記成膜条件例の酸素分圧のみを変化させた成膜条件によるものである。
ここで、酸素分圧が高くなった場合にも、成膜されるランタンアルミネート膜のリーク電流が増大する傾向にある理由は、以下のように酸素の活性種比率に起因すると考えられる。すなわち、成膜中に酸素はプラズマによって相互作用を受け、O、O 、O 、O、O 2−、O、O(D)、O(P)などといった粒子として存在する。O 、O、O 2−などの負イオンが、シースで高速に加速されることで高い運動量を持ち、基板上のランタンアルミネート膜の欠陥を誘起する可能性がある点については既に記載した。一方、O、O(D)といった粒子は、内部エネルギーは特に高いものの、O起源でなければ運動エネルギーは高くない。したがって、O、O(D)といった粒子は、高い内部エネルギーのため基板上のランタンアルミネート膜の酸化効率が高く、活性である一方で、運動量が高くないため基板上のランタンアルミネート膜の欠陥を誘起する可能性が小さいという利点がある。このため、適度な酸素分圧は、膜のリーク低減に寄与する。しかしながら、スパッタリングガス中の酸素分圧が増大すると、O(D)+O→O(P)+O、O→O(D)+O→O(P)+Oなどといった相互作用によって活性な酸素粒子が不活性化される。このため、上記O、O(D)といったランタンアルミネート膜の成膜に好ましい粒子種の割合が減少する。したがって、酸素分圧が高くなった場合にも、成膜されるランタンアルミネート膜のリーク電流が増大すると考えられる。
なお、このような、ランタンアルミネート膜の成膜に好ましい粒子種の割合の減少は、発明者らの見積もりによれば、酸素分圧が1.0×10−3Pa以上の領域で生ずる。
上記現象から考えるに、本実施の形態のランタンアルミネート膜の製造方法において、スパッタリングガス中の基板近傍にOまたはO(D)といった活性酸素を、活性酸素生成装置から直接供給することがリーク電流抑制の観点から望ましい。
上記成膜条件例では、ランタンアルミネート膜の成膜レートを0.025nm/秒としたが、本実施の形態において、必ずしもこの値に限定されるわけではない。しかしながら、成膜レートが0.0003nm/秒以上0.04nm/秒以下であることが望ましい。
なぜなら、成膜レートが0.0003nm/秒未満では、ターゲット付近のプラズマを安定に維持することが容易ではない。また、巨大な真空チャンバが必要となる可能性があり装置コストが増大する。また、成膜レートが遅いため、製造効率がよくないからである。一方、0.04nm/秒を超えると、必要電力量が増えたり、ターゲットの利用効率が悪くなったりするなど、生産コストが増大するおそれがあるからである。
上記成膜条件例では、基板の半径rを150mm、基板の重心をとおり基板の表面に垂直な線と、第1のターゲットの重心をとおり第1のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離s1を100mm、基板の重心をとおり基板の表面に垂直な線と、第2のターゲットの重心をとおり第2のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離s2を100mmとした。本実施の形態において、r、s1、s2の値は必ずしも上記値に限定されるわけではない。しかし、r/2≦s1≦r+30、かつ、r/2≦s2≦r+30の関係を充足することが膜厚の面内均一性を向上させる上では望ましい。
なぜなら、s1またはs2が、r+30よりも大きくなると、通常のスパッタリング成膜条件では、基板の端のランタンアルミネート膜の膜厚が厚くなる傾向が強まるからである。また、s1またはs2が、r/2よりも小さくなると、通常のスパッタリング成膜条件では、基板の中心のランタンアルミネート膜の膜厚が厚くなる傾向が強まるからである。
また、膜厚の均一性の観点からは、r、s1、s2は上記関係を充足することが好ましいが、スパッタ条件調整の容易性、構造の単純化による装置故障頻度の低減、チャンバサイズの縮小および装置設計の容易化による装置製造コスト削減等の観点からは、s1=s2=0mmとすることが望ましい。
上記成膜条件例では、スパッタリングガスの全圧を1.0Paとした。本実施の形態において、スパッタリングガスの全圧は必ずしもこの値に限定されるものではない。しかしながら、スパッタリングガスの全圧が、0.1Pa以上2.0Pa以下であることが望ましい。
なぜなら、スパッタリングガスの全圧が0.1Pa未満の場合は、通常の電荷結合型スパッタカソードでは、プラズマが安定しないおそれがあるからである。また、スパッタリングガスの全圧が2.0Paを超える場合は、スパッタリングされた粒子がスパッタリングガスによって遮蔽されてしまうため、成膜レートが低下するおそれがあるからである。また、スパッタリングガス中の不純物を取り込むことにより、ランタンアルミネート膜のリーク特性が劣化するおそれがあるからである。
上記成膜条件例では、スパッタリングガス導入前の真空チャンバの真空度が1×10−8Paとした。本実施の形態において、スパッタリングガス導入前の真空チャンバの真空度は必ずしもこの値に限定されるものではない。しかしながら、スパッタリングガス導入前の真空チャンバの真空度が8×10−6Pa以下であることが望ましく、2×10−8Pa以下であることがより望ましい。
なぜなら、スパッタリングガス導入前の真空チャンバの真空度が8×10−6Paを超えると、実用的な成膜レートでは、真空度が低いことに起因する不純物の、ランタンアルミネート膜への混入による絶縁特性劣化が懸念されるからである。また、2×10−8Pa以下であるであると、不純物の混入が効果的に防止され、ランタンアルミネート膜の絶縁特性が一層向上することが期待されるからである。
上記成膜条件例では、基板を自転速度0.3回/秒で回転させることとした。しかしながら、本実施の形態において基板を回転させることは必ずしも必要ではない。もっとも、ランタンアルミネート膜厚の面内均一性向上のためには、基板を回転させることが望ましい。そして、基板の自転速度をvs(回/秒)、公転速度をvo(回/秒)、ランタノイドアルミネート膜の成膜時間をt(秒)とした場合に、1/t≦vs≦1082、または、1/t≦vo≦1082の関係を充足することがより望ましい。さらに、3/t≦vs≦10、または、3/t≦vo≦10の関係を充足することがより一層望ましい。
なぜなら、自転速度vs(回/秒)、公転速度vo(回/秒)が1/tよりも小さければ、成膜時間内に、基板が1回転しないため、ランタンアルミネート膜厚の面内均一性の向上が十分でないおそれがあるからである。そして、少なくとも基板が3回転すれば、ランタンアルミネート膜厚の面内均一性が一層向上するためである。また、自転速度vs(回/秒)、公転速度vo(回/秒)が1082を超えると、真空チャンバへの回端導入端子が空気と接する部分での振動が大きくなり、成膜が困難となるおそれがあるからである。そして、自転速度vs(回/秒)、公転速度vo(回/秒)が10であれば、回転が極めて平滑化されるため、安定した成膜が可能となるためである。
図11、図12は、基板の回転に関する望ましい条件の説明図である。図11は、基板に垂直な断面を示す説明図であり、図12は、基板に平行な断面を示す説明図である。ここで、基板の回転軸が複数ある場合であっても、基板の重心の軌跡は円(軌跡円)となる。本明細書中では、この軌跡円の中心から軌跡円に対して垂直方向に延びるような直線を、基板の全体回転軸と称することとする。また軌跡円の中心を基板の全体回転中心Cと称することとする。
ここで、図11、図12に示すように、基板12の全体回転中心を原点として、基板12の全体回転軸方向のターゲット18重心との距離が近くなる向きにy軸をとる。また、図11、図12に示すように、基板12の全体回転軸とターゲット18の重心双方を含むような平面上と、基板12表面の交わった位置に一意に定まる直線において基板12の全体回転中心を原点とし、ターゲット18の重心への距離が近くなる向きにx軸をとる。
このような、x軸、y軸の取り方によれば、ターゲットに近くなるほど、x座標値やy座標値が大きくなる。そして、このx、y座標におけるターゲット1の重心の座標を(xt1、yt1)(ただし、x座標値、y座標値の単位はmm)とし、ターゲット1の半径をR1(mm)とし、ターゲット2の重心の座標を(xt2、yt2)(ただし、x座標値、y座標値の単位はmm)とし、ターゲット2の半径をR2(mm)する。
このとき、r≦xt1、かつ、R1+10≦yt1、かつ、r≦xt2、かつ、R2+10≦yt2、を充足することが望ましい。なぜなら、xt1がrより小さくなると、基板上にランタンアルミネート膜の成膜されない領域が生じるおそれが在るからである。また、yt1がR1+10よりも小さくなれば、基板の裏面にランタンアルミネート膜が成膜されるおそれがあるからである。xt2、yt2、R2についても同様である。
上記成膜条件例では、スパッタリングガスとしてアルゴン(Ar)ガスを用いるとした。しかしながら、本実施の形態においては、必ずしも、スパッタリングガスはアルゴンガスに限られること無く、例えば、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス等の希ガスを主成分とするガス等を用いることが可能である。もっとも、アルゴンガスを主成分とするガスを用いることがコストの観点からは、産業的利用に適している。
また、本実施の形態においては、ランタノイドアルミネート膜として、ランタンアルミネート膜を例に説明した。しかしながら、本実施の形態は、ランタン(La)に限らず、その他の、ランタノイド元素(Lnで総称されるCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho,Er、Tm、Yb、Luの中のいずれか1種類以上)についても、適用可能であり、同様の作用、効果を得ることができる。
すなわち、LnAlOの組成のランタノイドアルミネート膜は、すべてペロブスカイト構造を形成する。そして、ランタノイド元素にくらべ、アルミニウムが軽いため、成膜されたランタノイドアルミネート膜から蒸発しやすい。また、酸化アルミニウムの沸点が3000℃と、酸化ランタノイド沸点に対して低いことも、アルミニウムの選択的な蒸発を促進させる。したがって、単体のLnAlO組成のターゲットではランタンの場合同様の組成ズレが生ずる。そして、この組成ズレは、LnAlO組成のランタノイドアルミネートのターゲットと酸化アルミニウムのターゲットを用いたコスパッタリング法により適正化が可能である。
このとき、組成の調整は、ランタノイドアルミネートの第1のターゲットと、酸化アルミニウムの第2のアーゲットのRF電力比を調整することによって可能となる。例えば、それぞれのターゲットに投入する電力量の比率を変化させてサンプルを作製する。そして、これらのサンプルの組成変化をICP発光分析等により分析することで、適切な電力量比を求めることが可能である。また、その他の成膜条件は、ランタノイド元素の化学的性質によって決まるものである。したがって、ランタノイド元素の化学的性質が互いによく似ているため、ランタンアルミネート膜以外のランタノイドアルミネート膜を成膜する場合も、ランタンアルミネート膜を成膜する場合と同様の条件を適用することが可能である。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。上記、実施の形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、実施の形態の説明においては、ランタノイドアルミネート膜の製造方法、製造装置等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされるランタノイドアルミネート膜の製造方法、製造装置等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのランタノイドアルミネート膜の製造方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
実施の形態のランタノイドアルミネート膜の製造方法に用いられるスパッタ装置の基本構成を示す断面図。 実施の形態のターゲットの表面と基板の表面との関係についての説明図。 実施の形態のターゲットの表面と基板の表面との関係についての説明図。 実施の形態のターゲットの表面と基板の表面との関係についての説明図。 実施の形態のターゲットの表面についての説明図。 実施の形態の基板の表面についての説明図。 実施の形態のランタンアルミネート膜のリーク特性を示す図。 実施の形態のランタンアルミネート膜のリーク特性の組成比依存性を示す図。 実施の形態のランタンアルミネート膜のリーク特性の温度依存性を示す図。 実施の形態のランタンアルミネート膜のリーク特性の酸素分圧依存性を示す図。 実施の形態の基板の回転に関する望ましい条件の説明図。 実施の形態の基板の回転に関する望ましい条件の説明図。
符号の説明
10 真空チャンバ
12 基板
14 回転機構
16 ヒータ
18 第1のターゲット
20 第1のスパッタカソード
22 第2のターゲット
24 第2のスパッタカソード
26 ガス導入管
28 排気ポンプ

Claims (15)

  1. 真空チャンバ内に、LnAlOの第1のターゲットと、Alの第2のターゲットを保持し、
    前記真空チャンバ内に基板を搬送し、
    前記真空チャンバ内に、スパッタリングガスを導入し、
    前記第1のターゲットと、前記第2のターゲットをスパッタリングし、
    前記基板上にランタノイドアルミネート膜を成膜することを特徴とするランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  2. 前記ランタノイドアルミネート膜のAl/Ln(モル比)が0.98以上1.19以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  3. 前記ランタノイドアルミネート膜のAl/Ln(モル比)が0.98以上1.02以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  4. 前記基板の表面と前記第1のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下、
    前記基板の表面と前記第2のターゲットの表面とのなす角度が70度以上110度以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  5. 前記スパッタリング中の前記基板の温度が500℃以上650℃以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  6. 前記スパッタリングガス中の酸素分圧が1.6×10−6Pa以上3.0×10−3Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  7. 前記ランタノイドアルミネート膜の成膜レートが0.0003nm/秒以上0.04nm/秒以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  8. 前記ランタノイドアルミネートがランタンアルミネートであり、前記LnAlOがLaAlOであることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  9. 前記基板の半径をr(mm)、
    前記基板の重心をとおり前記基板の表面に垂直な線と、前記第1のターゲットの重心をとおり前記第1のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離をs1(mm)、
    前記基板の重心をとおり前記基板の表面に垂直な線と、前記第2のターゲットの重心をとおり前記第2のターゲットの表面に垂直な線との間の最短距離をs2(mm)とした場合に、
    r/2≦s1≦r+30、かつ、r/2≦s2≦r+30の関係を充足することを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  10. 前記スパッタリングガスの全圧が、0.1Pa以上2.0Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  11. 前記スパッタリングガス導入前の、前記真空チャンバの真空度が2×10−8Pa以下であることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  12. 前記スパッタリング中に、前記基板を回転させることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  13. 前記回転において、自転速度をvs(回/秒)、公転速度をvo(回/秒)、前記ランタノイドアルミネート膜の成膜時間をt(秒)とした場合に、
    1/t≦vs≦1082、または、1/t≦vo≦1082の関係を充足することを特徴とする請求項12記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  14. 前記スパッタリングガス中に、活性酸素生成装置からOまたはO(D)を供給することを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
  15. 前記スパッタリングガスが、アルゴンガスを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のランタノイドアルミネート膜の製造方法。
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