JP5055602B2 - 変圧器の運転制御装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、変圧器を電力系統に接続したときに、変圧器に過渡的に流れる励磁突入電流を抑制するための運転制御装置および方法に関する。
励磁突入電流を抑制するためには、変圧器に電流を投入するときのタイミングの制御が重要である。
特開2004−208394号公報(特許文献1)に記載される技術では、各相毎に、変圧器側電圧を積分することによって磁束信号が算出され、開極指令が入力されてから変圧器側電圧がゼロ値に収束した時点の磁束値と開極指令が入力される前の磁束信号の中心値との差が、残留磁束として算出される。そして、残留磁束の絶対値が最も大きい相が閉極第1相に設定される。閉極第1相の電流の投入タイミングについては、閉極第1相の残留磁束、並びに予め求められている三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に基づいて、投入点における定常磁束値と残留磁束値との最大誤差の絶対値である投入磁束誤差が最小となる閉極位相が算出され、閉極第1相の目標閉極位相として設定される。
残り二相の電流の投入タイミングについては、予め求められている三相遮断器のプレアーク特性および閉極時間ばらつき特性に基づいて、残留磁束が0である場合に投入磁束誤差が最小となる閉極位相が算出され、残り二相の目標閉極位相として設定される。そして、基準点から残り二相の目標閉極位相までの時間と、予め設定しておいた三相電源の周期の整数倍に相当する遅延時間とを合計した時間が、残り二相の目標閉極時刻として設定される。
また、特開2006−40566号公報(特許文献2)に記載される技術では、三相中のいずれか1つの相の電圧零点で遮断器の各消弧室の各接触子が、三相同時に開極されて電流が遮断される。そして、電圧零点で開極した上記1つの相を第1投入相として、変圧器の残留磁束を考慮して、投入時の励磁突入電流が最小となる最適な閉極時刻が第1投入相の投入目標点に設定される。このときの第1投入相の投入目標点は、変圧器の上記1つの相の残留磁束が定常磁束と一致する点である。残りの二相の電流の投入タイミングについては、第1投入相の閉極時刻点以降の任意の時刻における第1投入相の電圧零点が、第2投入相および第3投入相の投入目標点に設定される。
特開2004−208394号公報 特開2006−40566号公報
従来技術では、遮断器の閉極動作時間のばらつきや、プレアーク時間のばらつきのために、三相にうちの最初に電流を投入する第1投入相の投入タイミングが、目標投入時刻からずれることが起こり得る。このような場合、第1投入相に流れる電流による磁束が、残留している直流分磁束に重畳することになるので、過渡的な磁気飽和が発生して励磁突入電流が流れることになる。この場合、残り二相について、第1投入相の電圧が0となるタイミングに電流が投入されたとしても、残り二相にも変圧器にとって過酷となる励磁突入電流が過渡的に流れることになる。
したがって、本発明の目的は、遮断器の閉極動作時間およびプレアーク時間などにばらつきがある場合でも、変圧器に励磁突入電流が流れる期間をできるだけ短くすることが可能な運転制御装置および方法を提供することである。
本発明の変圧器の運転制御装置は、電力系統に接続された変圧器と、電力系統と変圧器との間に接続され、三相交流の各相ごとに電流の遮断および投入が可能な遮断器と、遮断器の電力系統側の各相の電圧を計測する第1の電圧計測部と、遮断器の変圧器側の各相の電圧を計測する第2の電圧計測部と、開極指令および閉極指令を受けて、遮断器による各相の電流の遮断および投入のタイミングを制御する制御部とを備える。ここで、制御部は、閉極指令を受けた場合に、第1、第2の電圧計測部の計測値に基づいて決定した目標投入時刻に、遮断器が三相のうち第1相の電流を投入するように制御し、励磁突入電流の抑制効果を確認する判定条件が満たされるか否かを判定する。そして、判定条件が満たされない場合には、遮断器の第1相の電流を遮断し、第1、第2の電圧計測部の計測値に基づいて再決定した目標投入時刻に、遮断器が第1相の電流を再投入するように制御し、判定条件が満たされるか否かを再判定する。判定条件が満たされた場合には、第1相を除く残りの二相の電流を投入する。
本発明によれば、第1相の電流の投入後に、励磁突入電流が抑制されているか否かが判定される。そして、励磁突入電流の抑制効果が確認された場合に、残りの二相について遮断器が投入されるので、変圧器に励磁突入電流が流れる期間を最小限に抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1における変圧器の運転制御装置1の構成を示すブロック図である。図1を参照して、変圧器の運転制御装置1は、変圧器30と、遮断器10とを含む。
変圧器30は、Y−Δ結線で接続された三相変圧器である。具体的には、変圧器30の電源側の巻線は、中性点が接地されたY結線で接続され、負荷側の巻線は、Δ結線で接続される。
遮断器10は、R相1R、S相1S、T相1Tの各相を含む電力系統の回線と変圧器30との間に接続される。遮断器10は、各接触子13R,13S,13Tが設けられた消弧室11R,11S,11Tと、各接触子13R,13S,13Tの開閉を行なう操作装置12R,12S,12Tとを含む。R,S,T相の各相の接触子13R,13S,13Tを独立に開閉させるため、操作装置12R,12S,12Tは、各相ごとに個別に設けられる。
変圧器の運転制御装置1は、さらに、遮断器10の電力系統側に設けられた第1の電圧計測部15R,15S,15Tと、遮断器10の変圧器30側に設けられた第2の電圧計測部35R,35S,35Tと、遮断器10の変圧器30側に設けられた電流計測部40R,40S,40Tと、制御部80とを含む。
電圧計測部15R,15S,15Tおよび電圧計測部35R,35S,35Tは、たとえば、計器用変圧器であり、各相の電圧を計測するために各相ごとに設けられる。
電流計測部40R,40S,40Tは、たとえば、計器用変流器であり、遮断器10を流れる各相の交流電流を計測するために各相ごとに設けられる。
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを含むコンピュータをベースに構成され、開極/閉極指令50に応じて遮断器10の開閉を制御する。前述の電圧計測部15R,15S,15T、電圧計測部35R,35S,35T、および電流計測部40R,40S,40Tの計測値は、コンピュータに内蔵されるA/D(Analog to Digital)コンバータによってデジタル変換されて制御部80に入力される。さらに、制御部80には、操作装置12R,12S,12Tの周囲温度、操作圧力、制御電圧の計測データ60が入力される。励磁突入電流を抑制するために、制御部80は、各計測値および計測データ60に基づいた適切なタイミングで遮断器10の操作装置12R,12S,12Tに開極信号90A/閉極信号90Bを出力し、遮断器10の各接触子13R,13S,13Tを開極/閉極させる。
制御部80の構成を機能的な観点から見ると、制御部80は、基準時刻検出部81と、残留磁束検出部83と、動作制御部82とを含む。これらの各部81〜83の機能は、制御部80を構成するコンピュータがプログラムを実行することによって実現される。
基準時刻検出部81は、電力系統側の電圧計測部15R,15S,15Tの計測値を用いた演算処理を行なう。たとえば、基準時刻検出部81は、遮断器10に開極/閉極信号を出力するための基準時刻を決定するために、電力系統側の交流電圧の零点を検出する。
残留磁束検出部83は、変圧器側の電圧計測部35R,35S,35Tの計測値を用いた演算処理を行なう。たとえば、残留磁束検出部83は、遮断器10の遮断時に変圧器30側で計測された電圧波形を積分することによって、変圧器30の各相の鉄心に残留する残留磁束を算出する。
動作制御部82は、基準時刻検出部81および残留磁束検出部83の演算結果に基づいて、遮断器10の開閉動作を制御する。動作制御部82は、開極指令50Aに応じて遮断器10へ出力する開極信号90Aの出力時刻を算出するための開極タイミング演算部84と、閉極指令50Bに応じて遮断器10へ出力する閉極信号90Bの出力時刻を算出するための閉極タイミング演算部85とを含む。
さらに、動作制御部82は、励磁突入電流の抑制効果を確認するための励磁突入電流判定部86を含む。実施の形態1では、電流投入後の予め定める判定時間の間に、電流計測部40R,40S,40Tで計測される電流の絶対値が、予め定める閾値電流を超えたか否かという判定条件によって、励磁突入電流の抑制効果が確認される。ここで、励磁突入電流の抑制効果を判定するための判定時間として交流電源の1周期分の時間を設定すれば必要十分である。また、閾値電流は、たとえば、変圧器の定格電流の50%から100%の間で任意に設定される。
以下、遮断器10の開閉動作の手順に従って、制御部80の機能をさらに詳しく説明する。
図2は、図1の制御部80による、遮断器10の開閉動作の制御手順を示すフローチャートである。図2は、開極指令50Aを受けた制御部80が、閉極状態にある遮断器10を開極させ、その後、閉極指令50Bを受けて再び閉極させるまでの制御手順を示すものである。以下、図3〜図5を適宜参照しながら、図2に示す制御部80の制御手順について具体的に説明する。
図2を参照して、制御部80は、遮断器10の開極指令50Aおよび閉極指令50Bのいずれも受信していない場合には(ステップS5でNO)、ステップS1〜ステップS4を繰返して実行する。
ステップS1では、遮断器10の変圧器30側の電圧(以下、変圧器電圧と記載する場合がある。)が、電圧計測部35R,35S,35Tによってモニタされる。続くステップS2では、制御部80の残留磁束検出部83が、モニタされた変圧器電圧を取得し、制御部80の内蔵メモリに蓄積する。メモリに蓄積された変圧器電圧は、ステップS9,S14で、遮断器10の開極時に変圧器30の鉄心に残留する残留磁束を算出するために用いられる。
ステップS3では、遮断器10の電力系統側の電圧(以下、電源電圧と記載する場合がある。)が、電圧計測部15R,15S,15Tによってモニタされる。モニタされた電源電圧は、制御部80の基準時刻検出部81によって取得され、ステップS7,S10で開極および閉極のタイミングを算出するために用いられる。
次のステップS4で、遮断器10の操作装置12R,12S,12Tの周囲温度、操作圧力、制御電圧の計測データ60が、制御部80の動作制御部82によってモニタされる。モニタされた計測データは、ステップS7,S10で開極および閉極のタイミングを算出するために用いられる。
上記ステップS1〜S4を繰返して実行しているときに、開極指令50Aを受信すると(ステップS5でYES、ステップS6でYES)、制御部80は、ステップS7〜S9の遮断器10の開極動作を順に実行する。遮断器10の開極動作では、遮断器10が三相とも同時に遮断される。
図3は、遮断器10の開極動作を説明するためのタイミングチャートである。図3において、縦軸は、上から順に、各相の電源電圧、遮断器10の主回路の開極/閉極状態、開極指令50A、遮断器10の接触子の動作軌跡(トラベル)、開極信号90Aを表わす。また、図3の横軸は経過時間を示す。
図3を参照して、時刻t1で開極指令50Aを受けると、制御部80の基準時刻検出部81は、電力系統側の電圧計測部15R,15S,15Tで計測された電圧値に基づいて各相の電圧零点の周期を検出する。そして、いずれか1つの相(ここではR相)を基準相に選択して、基準相の電圧零点を基準時刻Tstandard(図3で時刻t2)に設定する。基準相の選択情報、基準時刻Tstandardは、制御部80のメモリに記憶される。
また、制御部80の開極タイミング演算部84は、後述する遮断時間Tbreakを考慮に入れて、遮断器10を三相同時に遮断する時刻である目標遮断時刻Ttarget(図3で時刻t5)を設定する。目標遮断時刻Ttargetは、基準相(R相)の電圧零点に設定され、制御部80のメモリに記憶される。
さらに、開極タイミング演算部84は、遮断器10に開極信号90Aを出力する時刻(図3で時刻t3)を算出するために、操作装置12R,12S,12Tの周囲温度、操作圧力、制御電圧の計測データ60に基づいて、予測される遮断時間Tbreakを計算する。算出された遮断時間Tbreakは、制御部80のメモリに記憶される。ここで、遮断時間Tbreakは、開極動作時間Topenと基準相(R相)のアーク時間Tarcとの和で表わされる。開極動作時間Topenは、動作制御部82が開極信号90Aを遮断器10に出力してから、遮断器10の接触子13R,13S,13Tが開極するまでの時間(図3で時刻t3〜t4の時間)である。アーク時間Tarcは、遮断器10の基準相(R相)の接触子13Rの開極後、アーク放電が消滅することによって電流が遮断されるまでの時間(図3で時刻t4〜t5までの時間)である。
このように、遮断器10を流れる電流の消滅を意味する遮断と、機械的な接触子13R,13S,13Tの開極とは区別される。そして、上述のように、基準相(R相)の接触子13Rが未接触の状態のアーク時間Tarcを考慮に入れることによって、目標遮断時刻Ttargetを正確に予測することが可能になる。
こうして、開極タイミング演算部84は、開極信号90Aの出力時刻を、目標遮断時刻Ttarget(図3で時刻t5)から遮断時間Tbreakを減じた時刻(図3で時刻t3)に設定して、制御部80のメモリに記憶する。また、開極タイミング演算部84は、基準時刻Tstandardから開極信号90Aを出力する時刻までの間(図3で時刻t2〜t3の時間)を、動作同期時間Tcontとして算出して、制御部80のメモリに記憶する。
この結果、制御部80の動作制御部82は、基準時刻Tstandard(時刻t2)から動作同期時間Tcontが経過した時刻t3に、開極信号90Aを遮断器10に出力する。予測どおりであれば、時刻t3から開極動作時間Topenが経過した時刻t4に、遮断器10の接触子13R,13S,13Tが三相同時に開極される。そして、時刻t4からさらにアーク時間Tarcが経過した目標遮断時刻Ttarget(時刻t5)に電流が遮断される。
なお、実施の形態1では、開極動作時間Topenが三相とも同じであるとしている。これらが各相ごとに異なる場合には、開極タイミング演算部84は、各相ごとに異なる開極動作時間Topenに基づいて、開極信号90Aの出力時刻を各相ごとに算出する。
再び図2を参照して、遮断器10の開極動作の手順をまとめると次のようになる。
まず、ステップS7で、制御部80の開極タイミング演算部84は、上述の目標遮断時刻Ttargetおよび開極信号90Aの出力時刻(図3の時刻t3)を計算して、これらの時刻を制御部80のメモリに記憶する。
次のステップS8で、制御部80の動作制御部82が、ステップS7で計算した出力時刻で開極信号90Aを遮断器10に出力することによって、遮断器10が遮断される。
次のステップS9で、制御部80の残留磁束検出部83は、変圧器側の電圧計測部35R,35S,35Tで計測された電圧波形に基づいて、各相ごとの残留磁束を計算し、計算した残留磁束を制御部80のメモリに蓄積する。以下、図4を参照して、残留磁束の計算方法について説明する。
図4は、変圧器電圧と、変圧器30の残留磁束との関係を示すグラフである。図4の縦軸は、上から順に変圧器電圧、変圧器磁束である。変圧器磁束は、変圧器電圧を積分することによって得られる磁束信号である。また、横軸は経過時間を表わす。
図4を参照して、時刻t1で遮断器10が遮断されると、変圧器電圧は次第に減衰して零電圧に収束する。変圧器電圧が零電圧に収束した時刻t2における直流分の一定の磁束信号が残留磁束Fresidである。
具体的に残留磁束Fresidを算出するために、図1の残留磁束検出部83は、変圧器側の電圧計測部35R,35S,35Tの計測値である変圧器電圧を一定時間分遡って記憶するように構成されている。残留磁束検出部83は、遮断器10が遮断される時刻t1より以前の、たとえば1周期分に相当する時間の磁束信号の平均値を算出することによって、磁束信号の零値を算出する。そして、残留磁束検出部83は、変圧器電圧が零電圧に収束した時刻t2の磁束から、算出した磁束信号の零値を減ずることによって残留磁束Fresidを算出する。
再び図2を参照して、制御部80は、ステップS7〜S9の開極動作を実行した後、ステップS1に戻ってステップS1〜S4を繰り返す。そして、次に、閉極指令50Bを受けると(ステップS5でYES、ステップS6でNO)、制御部80は、ステップS10〜S15に示される遮断器10の閉極動作を実行する。
遮断器10の閉極動作では、三相のうち1つの相の電流が先行して投入され、続いて残りの二相の電流が投入される。実施の形態1の場合、遮断器10の遮断時に電圧零点で遮断されたR相の電流が最初に投入される。以下では、最初に電流が投入される相を第1投入相と記載する。
図5は、遮断器10の第1投入相(R相)の閉極動作を説明するためのタイミングチャートである。図5において、縦軸は、上から順に、電源電圧、遮断器10の主回路の開極/閉極状態、閉極指令50B、遮断器10の接触子の動作軌跡(トラベル)、閉極信号90Bを表わす。また、図5の横軸は経過時間を示す。
図5を参照して、時刻t1で閉極指令50Bを受けると、制御部80の基準時刻検出部81は、電力系統側の電圧計測部15R,15S,15Tで計測された電源電圧に基づいて各相の電圧零点の周期を検出する。そして、基準時刻検出部81は、第1投入相であるR相の電圧零点を、基準時刻Tstandard(図5で時刻t2)に設定して、制御部80のメモリに記憶する。
さらに、基準時刻検出部81は、電力系統側の電圧計測部15R,15S,15Tで計測された電源電圧の電圧波形を積分することによって、各相の定常磁束を算出する。定常磁束は、周期的に変化する定常状態の磁束である。
また、制御部80の閉極タイミング演算部85は、後述する投入時間Tmakeを考慮に入れて、遮断器10の第1投入相(R相)の電流の投入時刻である目標投入時刻T1target(図5で時刻t4)を設定して、制御部80のメモリに記憶する。目標投入時刻T1targetは、変圧器の第1投入相(R相)の定常磁束と第1投入相(R相)の残留磁束とが一致する時刻である。これによって、第1投入相(R相)の電流の投入後の励磁突入電流を最小限に抑制することができる。
さらに、閉極タイミング演算部85は、操作装置12R,12S,12Tの周囲温度、操作圧力、制御電圧の計測データ60に基づいて、予測される投入時間Tmakeを計算する。ここで、投入時間Tmakeは、動作制御部82が閉極信号90Bを遮断器10に出力してから、遮断器10の接触子13Rが接近してプレアーク(先行アーク)が始まるまでの時間(図5の時刻t3〜t4の時間)である。投入時間Tmakeは、閉極動作時間Tcloseからプレアーク時間Tprearcを減じたものに等しい。閉極動作時間Tcloseは、動作制御部82が閉極信号90Bを遮断器10に出力してから、遮断器10の第1投入相(R相)の接触子13Rが閉極するまでの時間(図5で時刻t3〜t5の時間)である。また、プレアーク時間Tprearcは、遮断器10の接触子13Rが接近することによってアーク放電が生じている時間(図5の時刻t4〜t5の時間)である。
このように、遮断器10を流れる電流の発生を意味する投入と、機械的な接触子13R,13S,13Tの閉極とは区別される。そして、上述のように、第1投入相(R相)の接触子13Rが未接触状態のプレアーク時間Tprearcを考慮に入れることによって、目標投入時刻T1targetを正確に予測することが可能になる。
こうして、閉極タイミング演算部85は、R相の目標投入時刻T1targetから投入時間Tmakeを減じた時刻を、R相の閉極信号90Bの出力時刻(図5で時刻t3)に設定して、制御部80のメモリに記憶する。さらに、閉極タイミング演算部85は、基準時刻TstandardからR相の閉極信号90Bを出力するまでの時間(図5で時刻t2〜t3の時間)を、R相の動作同期時間Tcont1として算出して、制御部80のメモリに記憶する。
この結果、図1の動作制御部82は、基準時刻Tstandard(図5で時刻t2)から動作同期時間Tcont1が経過した時刻t3に、遮断器10にR相の閉極信号90Bを出力する。予測どおりであれば、投入時間Tmakeが経過した時刻t5の目標投入時刻T1targetに、変圧器30のR相に電流が流れ始める。
しかしながら、遮断器の閉極動作時間およびプレアーク時間は、遮断器10の操作装置12R,12S,12Tの周囲温度、操作圧力、制御電圧などに依存するため、ばらつきが生じる。この結果、実際のR相の電流の投入時刻は、目標投入時刻T1targetからずれる場合がある。実施の形態1の遮断器10の閉極動作の手順は、この投入時刻のずれを考慮に入れたものである。
再び図2を参照して、遮断器10の閉極動作の手順を説明する。
閉極指令50Bを受けると、まず、ステップS10で、制御部80の閉極タイミング演算部85は、第1投入相(R相)の目標投入時刻T1target、および第1投入相(R相)の閉極信号90Bの出力時刻(図5の時刻t3)を計算して、これらの時刻を制御部80のメモリに記憶する。
次のステップS11で、制御部80の動作制御部82は、ステップS10で計算した出力時刻で閉極信号90Bを遮断器10に出力する。これによって、遮断器10の第1投入相(R相)の電流が投入される。
次のステップS12で、制御部80の励磁突入電流判定部86は、遮断器10の第1投入相(R相)の電流の投入後、1周期の判定時間の間に、電流計測部40R,40S,40Tで計測される電流が、閾値電流を超えているか否かを判定する。閾値電流を超える電流が検出されて励磁突入電流が生じている場合は(ステップS12でYES)、ステップS13に進む。
ステップS13で、制御部80の動作制御部82は、第1投入相(R相)の開極信号90Aを遮断器10に出力する。これによって、遮断器の第1投入相(R相)の電流は、再び遮断される。
次のステップS14で、制御部80の残留磁束検出部83は、変圧器側の電圧計測部35R,35S,35Tで計測された電圧波形を積分することによって、各相ごとの残留磁束を再計算する。残留磁束検出部83は、再計算した残留磁束を制御部80のメモリに蓄積する。この後、ステップS1に戻ってステップS1〜S4を繰り返す。再度、閉極指令50Bを受けると(ステップS5でYES、ステップS6でNO)、ステップS10〜S15の閉極動作が再実行される。
一方、ステップS12で、制御部80の励磁突入電流判定部86が、励磁突入電流が生じていないと判定した場合には(ステップS12でNO)、ステップS15に進む。ステップS15では、遮断器10のS相,T相の電流が、第1投入相であるR相の電圧零点で投入される。
具体的には、R相の場合と同様に、制御部80の閉極タイミング演算部85は、遮断器10のS相,T相の電流が、第1投入相であるR相の電圧零点で投入されるように、S相,T相の目標投入時刻T2targetを算出する。動作制御部82は、目標投入時刻T2targetよりも投入時間Tmakeだけ前の時刻に、S相,T相の閉極信号90Bを遮断器10に出力する。こうして、遮断器10のS相,T相の電流が投入されることによって、遮断器を開極してから再び閉極するまでの手順が終了する。
以下、運転制御装置1の各相の電圧、電流、および磁束の波形を用いて、実施の形態1の遮断器10の閉極動作の手順についてさらに詳しく説明する。
図6は、目標投入時刻T1targetで遮断器10の第1投入相(R相)の電流が投入された場合における、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。図6の縦軸は、上から順に、電源電圧、変圧器電圧、電流、変圧器30の各相の磁束を表わし、横軸は時間を表わす。また、磁束のグラフの実線は、変圧器30の鉄心に実際に生じている磁束を表わし、破線は定常磁束を表わす。
図6を参照して、遮断器10のR相の電流は、投入時刻T1onで投入され、遮断器10のS相,T相の電流は、投入時刻T2onで投入される。また、投入時刻T1onは、R相の目標投入時刻T1targetに等しく、投入時刻T2onは、S相,T相の目標投入時刻T2targetに等しい。
投入時刻T1onより前では、変圧器30の鉄心には残留磁束が生じている。図6に示すように、第1投入相(R相)の残留磁束が最も大きく、S相とT相の残留磁束は、第1投入相(R相)の約1/2になっている。この理由は、第1投入相(R相)の電圧零点で、遮断器10が三相同時に遮断されているからである。
次に、図6の目標投入時刻T1targetでは、第1投入相(R相)の残留磁束と定常磁束とが等しくなっている。このタイミングで、第1投入相(R相)の電流が投入されるので、投入後の第1投入相(R相)の磁束の直流分はほぼ0になり(磁束の正負の振幅がほぼ等しい)、励磁突入電流を最小限に抑制することができる。また、第1投入相(R相)の電流の投入後に、変圧器30の第1投入相(R相)の電流によって生じるS相,T相の磁束についても、磁束の直流分がほぼ0になっている。また、S相とT相の磁束は、互いにほぼ等しくなっている。
この結果、第1投入相(R相)の電圧零点である目標投入時刻T2targetでは、S相,T相に生じている磁束とS相,T相の定常磁束とが等しくなる。このタイミングで遮断器10のS相,T相が投入されるので、S相,T相についても励磁突入電流を最小限に抑制することができる。
図7は、目標投入時刻T1targetからずれて、遮断器10の第1投入相(R相)の電流が投入された場合における、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。図7の縦軸は、上から順に、電源電圧、変圧器電圧、電流、変圧器30の各相の磁束を表わし、横軸は時間を表わす。また、磁束のグラフの実線は、変圧器30の鉄心に実際に生じている磁束を表わし、破線は定常磁束を表わす。
図7では、第1投入相(R相)の電流が投入される投入時刻T1onが、第1投入相(R相)の残留磁束と定常磁束とが等しくなる目標投入時刻T1targetよりも時間DTだけ遅れている。このため、投入後の第1投入相(R相)の磁束の直流分は0にならないので、変圧器30の第1投入相(R相)に励磁突入電流が生じる。また、第1投入相(R相)の電流の投入によってS相,T相に生じる磁束についても、直流分が0にならない。
前述のように、第1投入相(R相)の電流の投入タイミングのずれは、投入時刻T1onから1周期の間の判定時間Tjに検出される電流の絶対値が、閾値電流Ithrを超えたか否かによって判定される。図7の場合、時刻Tdで第1投入相(R相)の電流が閾値電流Ithrを超えたことが検知される。この結果、遮断時刻T1offで遮断器10の第1投入相(R相)の電流が遮断される。
図8は、図7の比較例として、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。図8の縦軸は、上から順に、電源電圧、変圧器電圧、電流、変圧器30の各相の磁束を表わし、横軸は時間を表わす。また、磁束のグラフの実線は、変圧器30の鉄心に実際に生じている磁束を表わし、破線は定常磁束を表わす。
図8は、図7と異なり、遮断器10の第1投入相(R相)の電流は遮断されずに、第1投入相(R相)の電流の投入に続いて、投入時刻T2onで、遮断器10のS相,T相が投入される。この場合、S相,T相の電流の投入時刻T2onが、第1投入相(R相)の電圧零点のタイミングであったとしても、投入時刻T2on以後のS相,T相の磁束の直流分は0にならない。したがって、投入時刻T2on以後では、第1投入相(R相)の励磁突入電流に加えて、S相,T相についても異常な励磁突入電流が生じている。
このように、実施の形態1の変圧器の運転制御装置1によれば、遮断器10の閉極動作時間Tcloseおよびプレアーク時間Tprearcなどのばらつきによって、第1投入相の電流の投入タイミングが目標投入時刻T1targetからずれた場合に、いったん遮断器10の第1投入相の電流が遮断される。そして、遮断時の残留磁束で再計算された目標投入時刻T1targetで、遮断器10の第1投入相が再投入される。この後、第1投入相が適切なタイミングで投入されたことが確認されると、はじめて遮断器の残りの二相の電流が投入される。したがって、実施の形態1によれば、変圧器30に励磁突入電流が流れる期間を最小限に抑制することが可能になる。また、第1投入相の投入時刻が目標投入時刻T1targetからずれたかどうかは、投入後の第1投入相の電流が閾値電流を超えたか否かによって容易に検出することができる。
なお、上述の実施の形態1と異なり、遮断器10の遮断時に、三相のいずれかの相の電圧零点を考慮することなく、三相同時に遮断し、遮断時の残留磁束が最大の相を投入時の第1投入相として用いることもできる。この場合も、実施の形態1と同様に、第1投入相の目標投入時刻は、第1投入相の残留磁束と定常磁束が等しくなる時刻に設定される。また、遮断器10の残りの二相の電流は、第1投入相の電圧零点で投入される。このような方法によっても、実施の形態1と同程度に励磁突入電流を抑制することが可能である。
[実施の形態2]
実施の形態2は、励磁突入電流の抑制効果を確認する判定条件が、実施の形態1と異なる。実施の形態2では、第1投入相の電流の投入時刻T1onを実際に検出して、目標投入時刻T1targetからのずれを判定する。実際の投入時刻T1onと目標投入時刻T1targetとの差が許容範囲にない場合は、投入時の第1投入相の残留磁束と定常磁束とが異なることになるので、励磁突入電流が発生する。
図9は、本発明の実施の形態2における変圧器の運転制御装置1Aの構成を示すブロック図である。図9の運転制御装置1Aは、励磁突入電流判定部86に代えて、投入時刻判定部87を含む点で、図1の運転制御装置1と異なる。さらに、図9の運転制御装置1Aは、電流計測部40R,40S,40Tを含まない点で、図1の運転制御装置1と異なる。その他の点については、運転制御装置1Aは、図1の運転制御装置1と共通するので、共通する点については説明を繰り返さない。
また、図10は、図9の制御部80Aによる、遮断器10の開閉動作の制御手順を示すフローチャートである。図10の制御手順は、図2のステップS12に代えて、ステップS12Aを含む点で、図2の制御手順と異なる。その他の点については、図10の制御手順は、図2の制御手順と共通するので、共通する点については説明を繰り返さない。
まず、第1投入相(R相)の実際の投入時刻T1onの検出方法について説明する。図7を参照して、投入時刻T1onで第1投入相(R相)の電流が投入されると、変圧器電圧は零電圧から変化する。したがって、予め定める閾値電圧以上の変圧器電圧が生じた時刻を検出することによって、実際の投入時刻T1onが求められる。このように実測した投入時刻T1onを用いて、第1投入相(R相)の電流の投入タイミングのずれが判定される。
具体的には、図7、図9、図10を参照して、図10のステップS12Aで、制御部80Aの投入時刻判定部87は、検出した投入時刻T1onと目標投入時刻T1targetとの差DTの絶対値が、予め定める閾値時間を越えたか否かを判定する。閾値時間は、たとえば、交流電源の1周期の10%程度に定められる。そして、差DTの絶対値が閾値時間を超えた場合には、ステップS13に進み、遮断器10の第1投入相の接触子がいったん開極される。一方、差DTの絶対値が閾値時間を超えない場合には、ステップS15に進み、遮断器10の残りの二相の電流が投入される。
このような実施の形態2の変圧器の運転制御装置1Aによれば、実施の形態1と同様に、変圧器30に励磁突入電流が流れる期間を最小限に抑制することが可能になる。さらに、変圧器電圧が零電圧から変化した時刻と目標投入時刻T1targetとの差DTによって、投入タイミングのずれが判定されるので、実施の形態1と異なり、電流計測部40R,40S,40Tを設ける必要がない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1における変圧器の運転制御装置1の構成を示すブロック図である。 図1の制御部80による、遮断器10の開閉動作の制御手順を示すフローチャートである。 遮断器10の開極動作を説明するためのタイミングチャートである。 変圧器電圧と、変圧器30の残留磁束との関係を示すグラフである。 遮断器10の第1投入相(R相)の閉極動作を説明するためのタイミングチャートである。 目標投入時刻T1targetで遮断器10の第1投入相(R相)が投入された場合における、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。 目標投入時刻T1targetからずれて、遮断器10の第1投入相(R相)の電流が投入された場合における、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。 図7の比較例として、各相の電圧、電流、および磁束の波形を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における変圧器の運転制御装置1Aの構成を示すブロック図である。 図9の制御部80Aによる、遮断器10の開閉動作の制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1A 運転制御装置、1R,1S,1T 電力系統の回線のR相,S相,T相、10 遮断器、13R,13S,13T 接触子、15R,15S,15T 電圧計測部(電力系統側)、30 変圧器、35R,35S,35T 電圧計測部(変圧器側)、40R,40S,40T 電流計測部、50A 開極指令、50B 閉極指令、80,80A 制御部、90A 開極信号、90B 閉極信号、Ithr 閾値電流、T1target 目標投入時刻(第1投入相)、Tclose 閉極動作時間、Tj 判定時間、Tmake 投入時間、Tprearc プレアーク時間。

Claims (15)

  1. 電力系統に接続された変圧器と、
    前記電力系統と前記変圧器との間に接続され、三相交流の各相ごとに電流の遮断および投入が可能な遮断器と、
    前記遮断器の前記電力系統側の各相の電圧を計測する第1の電圧計測部と、
    前記遮断器の前記変圧器側の各相の電圧を計測する第2の電圧計測部と、
    開極指令および閉極指令を受けて、前記遮断器による各相の電流の遮断および投入のタイミングを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記閉極指令を受けた場合に、前記第1、第2の電圧計測部の計測値に基づいて決定した目標投入時刻に、前記遮断器が三相のうち第1相の電流を投入するように制御し、励磁突入電流の抑制効果を確認する判定条件が満たされるか否かを判定し、
    前記判定条件が満たされない場合には、前記遮断器の前記第1相の電流を遮断し、前記第1、第2の電圧計測部の計測値に基づいて再決定した目標投入時刻に、前記遮断器が前記第1相の電流を再投入するように制御し、前記判定条件が満たされるか否かを再判定し、
    前記判定条件が満たされた場合には、前記第1相を除く残りの二相の電流を投入する、変圧器の運転制御装置。
  2. 前記変圧器の運転制御装置は、前記遮断器の前記変圧器側の各相の電流を計測する電流計測部をさらに備え、
    前記判定条件は、前記遮断器の前記第1相の電流が投入されてから予め定める判定時間の間、前記電流計測部で計測された電流の絶対値が、予め定める閾値電流を超えないという条件を含む、請求項1に記載の変圧器の運転制御装置。
  3. 前記判定条件は、前記第1相に電流が投入されたことによって、前記第2の電圧計測部で計測される電圧が零電圧から変化した時刻と、前記目標投入時刻との差の絶対値が、予め定める閾値時間を越えないという条件を含む、請求項1に記載の変圧器の運転制御装置。
  4. 前記目標投入時刻は、前記第1相の定常磁束が、前記第1相の残留磁束に一致するときであり、
    前記定常磁束は、前記第1の電圧計測部で計測された電圧波形を時間積分することによって得られる、周期的に変化する定常状態の磁束であり、
    前記残留磁束は、前記第2の電圧計測部で計測された電圧波形を時間積分することによって得られ、前記開極指令を受けて前記遮断器を遮断した場合に前記変圧器の鉄心に残留する一定の磁束である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変圧器の運転制御装置。
  5. 前記制御部は、前記閉極指令を受けた場合に、前記目標投入時刻よりも前記遮断器の投入時間だけ前の時刻に、前記遮断器の前記第1相の接触子を閉極させるための閉極信号を前記遮断器に出力し、
    前記投入時間は、前記遮断器の接触子が閉極するのに要する閉極動作時間から、プレアーク時間を減じた時間である、請求項4に記載の変圧器の運転制御装置。
  6. 前記制御部は、前記判定条件が満たされた場合には、前記第1相の交流電圧が零になる時刻に、前記遮断器の前記残りの二相の電流を同時に投入する、請求項4または5に記載の変圧器の運転制御装置。
  7. 前記制御部は、前記残留磁束の絶対値が最も大きい相を、前記閉極指令を受けた場合の前記第1相とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の変圧器の運転制御装置。
  8. 前記制御部は、前記開極指令を受けた場合に、三相のいずれか1つの相の交流電圧が零となる時刻で、前記遮断器の三相の電流を同時に遮断し、遮断時に零電圧であった相を、前記閉極指令を受けた場合の前記第1相とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の変圧器の運転制御装置。
  9. 電力系統に遮断器を介して接続された変圧器の運転制御方法であって、
    前記遮断器の前記変圧器側の電圧を計測するステップと、
    前記遮断器の前記電力系統側の電圧を計測するステップと、
    前記遮断器を投入する場合に、三相交流のうち第1相を選択し、前記遮断器の前記変圧器側および前記電力系統側の電圧の計測値に基づいて決定した目標投入時刻で、前記遮断器の前記第1相の電流を投入するステップと、
    励磁突入電流の抑制効果を確認する判定条件が満たされるか否かを判定するステップと、
    前記判定条件が満たされた場合に、前記遮断器の前記第1相を除く残りの二相の電流を投入するステップと、
    前記判定条件が満たされない場合に、前記変圧器の前記第1相の電流を遮断した後、前記第1相の電流を投入するステップ、および前記判定するステップを再実行するステップとを備える、変圧器の運転制御方法。
  10. 前記判定条件は、前記遮断器の前記変圧器側の電流の絶対値が、前記第1相の電流の投入後の予め定める判定時間の間に予め定める閾値電流を超えないという条件を含む、請求項9に記載の変圧器の運転制御方法。
  11. 前記判定条件は、前記遮断器の前記第1相の電流が投入されることによって前記変圧器側の電圧が零電圧から変化した時刻と、前記目標投入時刻との差の絶対値が、予め定める閾値時間を越えないという条件を含む、請求項9に記載の変圧器の運転制御方法。
  12. 前記遮断器を遮断したときに、前記遮断器の前記変圧器側の電圧波形を時間積分することによって前記変圧器の各相の残留磁束を算出するステップと、
    前記遮断器を投入する場合に、前記遮断器の前記電力系統側の電圧波形を時間積分することによって得られる前記変圧器の前記第1相の定常状態の磁束が、算出された前記第1相の残留磁束に等しくなる時刻を、前記目標投入時刻として算出するステップとをさらに備える、請求項9〜11のいずれか1項に記載の変圧器の運転制御方法。
  13. 前記残りの二相の電流を投入するステップでは、前記第1相の交流電圧が零になる時刻に、前記遮断器の前記残りの二相の電流を同時に投入する、請求項12に記載の変圧器の運転制御方法。
  14. 前記残留磁束の絶対値が最も大きい相を、前記遮断器の投入時に最初に電流を投入する前記第1相とする、請求項12または13に記載の変圧器の運転制御方法。
  15. 前記遮断器を遮断する場合に、三相のいずれか1つの相の交流電圧が零となる時刻で、前記遮断器の各相の電流を同時に遮断するステップをさらに備え、
    前記遮断するステップで遮断時に零電圧であった相を、前記遮断器の投入時に最初に電流を投入する前記第1相とする、請求項12または13に記載の変圧器の運転制御方法。
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