以下、本発明の第一実施形態であるデジタルカメラ(撮影装置)について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一実施形態であるデジタルカメラの外観構成を示す正面斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態であるデジタルカメラの外観構成を示す背面斜視図である。
本実施形態のデジタルカメラ10は、複数(図1では二つを例示)の撮像手段(撮像系ともいう)を備えたデジタルカメラ(本発明の複眼デジタルカメラに相当)であって、同一被写体を複数視点(図1では左右二つの視点を例示)から撮影可能となっている。
デジタルカメラ10のカメラボディ12は、矩形の箱状に形成されており、その正面には、図1に示すように、一対の撮影レンズ14R、14L、ストロボ16等が設けられている。また、カメラボディ12の上面には、シャッタボタン18、電源/モードスイッチ20、モードダイヤル22等が設けられている。
一方、カメラボディ12の背面には、図2に示すように、モニタ24、ズームボタン26、十字ボタン28、MENU/OKボタン30、DISPボタン32、BACKボタン34、マクロボタン36等が設けられている。
また、図示されていないが、カメラボディ12の底面には、三脚ネジ穴、開閉自在なバッテリカバー等が設けられており、バッテリカバーの内側には、バッテリを収納するためのバッテリ収納室、メモリカードを装着するためのメモリカードスロット等が設けられている。
左右一対の撮影レンズ14R、14Lは、それぞれ沈胴式のズームレンズで構成されており、マクロ撮影機能(近接撮影機能)を有している。この撮影レンズ14R、14Lは、それぞれデジタルカメラ10の電源をONすると、カメラボディ12から繰り出される。
なお、撮影レンズにおけるズーム機構や沈胴機構、マクロ撮影機構については、公知の技術なので、ここでは、その具体的な構成についての説明は省略する。
ストロボ16は、キセノン管で構成されており、暗い被写体を撮影する場合や逆光時などに必要に応じて発光される。
シャッタボタン18は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる二段ストローク式のスイッチで構成されている。デジタルカメラ10は、静止画撮影時(例えば、モードダイヤル22で静止画撮影モード選択時、又はメニューから静止画撮影モード選択時)、このシャッタボタン18を半押しすると撮影準備処理、すなわち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)の各処理を行い、全押すると、画像の撮影・記録処理を行う。また、動画撮影時(例えば、モードダイヤル22で動画撮影モード選択時、又はメニューから動画撮影モード選択時)、このシャッタボタン18を全押すると、動画の撮影を開始し、再度全押しすると、撮影を終了する。なお、設定により、シャッタボタン18を全押している間、動画の撮影を行い、全押しを解除すると、撮影を終了するようにすることもできる。なお、静止画撮影専用のシャッタボタン及び動画撮影専用のシャッタボタンを設けるようにしてもよい。
電源/モードスイッチ20は、デジタルカメラ10の電源スイッチとして機能するとともに、デジタルカメラ10の再生モードと撮影モードとを切り替える切替手段として機能し、「OFF位置」と「再生位置」と「撮影位置」の間をスライド自在に設けられている。デジタルカメラ10は、この電源/モードスイッチ20を「再生位置」に位置させると、再生モードに設定され、「撮影位置」に位置させると、撮影モードに設定される。また、「OFF位置」に位置させると、電源がOFFされる。
モードダイヤル22は、撮影モードの設定に用いられる。このモードダイヤル22は、カメラボディ12の上面に回転自在に設けられており、図示しないクリック機構によって、「2D静止画位置」、「2D動画位置」、「3D静止画位置」、「3D動画位置」にセット可能に設けられている。デジタルカメラ10は、このモードダイヤル22を「2D静止画位置」にセットすることにより、2Dの静止画を撮影する2D静止画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグ168に、2Dモードであることを表すフラグが設定される。また、「2D動画位置」にセットすることにより、2Dの動画を撮影する2D動画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグ168に、2Dモードであることを表すフラグが設定される。
また、「3D静止画位置」にセットすることにより、3Dの静止画を撮影する3D静止画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグ168に、3Dモードであることを表すフラグが設定される。さらに、「3D動画位置」にセットすることにより、3Dの動画を撮影する3D動画撮影モードに設定され、2D/3Dモード切替フラグ168に、3Dモードであることを表すフラグが設定される。後述するCPU110は、この2D/3Dモード切替フラグ168を参照して、2Dモード又は3Dモードのいずれであるかを把握する。
モニタ24は、かまぼこ状のレンズ群を有したいわゆるレンチキュラレンズが前面に配置されたカラー液晶パネル等の表示装置である。このモニタ24は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として利用されるとともに、各種設定時にGUIとして利用される。また、撮影時には、撮像素子で捉えた画像がスルー表示され、電子ファインダとして利用される。
ここで、モニタ24で立体視表示が可能となる仕組みについて図面を参照しながら説明する。
図11は、モニタ24で立体視表示が可能となる仕組みについて説明するための図である。モニタ24の前面(観者の視点(左眼EL、右眼ER)が存在するz軸方向)には、レンチキュラレンズ24aが配置されている。レンチキュラレンズ24aは、複数の円筒状凸レンズを図11中x軸方向に連ねることで構成される。
モニタ24に表示される立体視画像の表示領域は、右眼用短冊画像表示領域24Rと左眼用短冊画像表示領域24Lとから構成されている。右眼用短冊画像表示領域24R及び左眼用短冊画像表示領域24Lは、それぞれ画面の図11中y軸方向に細長い短冊形状をしており、図11中有x軸方向に交互に配置される。
レンチキュラレンズ24aの各凸レンズは、観者の所与の観察点を基準として、それぞれ一組の右眼用短冊画像表示領域24R及び左眼用短冊画像表示領域24Lを含む短冊集合画像表示領域24cに対応した位置に形成される。
図11では、観者の右眼ERには、レンチキュラレンズ24aの光屈折作用により、モニタ24の右眼用短冊画像表示領域24Rに表示された右眼用短冊画像が入射される。また、観者の左眼ELには、レンチキュラレンズ24aの光屈折作用により、モニタ24の左眼用短冊画像表示領域24Lに表示された左眼用短冊画像が入射される。したがって、観者の右眼は右眼用短冊画像のみを、観者の左眼は左眼用短冊画像のみを見ることになり、これら右眼用短冊画像の集合である右眼用画像及び左眼用短冊画像の集合である左眼用画像による左右視差により立体視が可能となる。
ズームボタン26は、撮影レンズ14R、14Lのズーム操作に用いられ、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとで構成されている。
十字ボタン28は、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、カメラの設定状態に応じた機能が割り当てられる。たとえば、撮影時には、左ボタンにマクロ機能のON/OFFを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにストロボモードを切り替える機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ24の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのON/OFFを切り替える機能が割り当てられる。また、再生時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、上ボタンにモニタ24の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、モニタ24に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
MENU/OKボタン30は、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、デジタルカメラ10の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
メニュー画面では、たとえば露出値、色合い、ISO感度、記録画素数などの画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否かなど、デジタルカメラ10が持つ全ての調整項目の設定が行われる。デジタルカメラ10は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
DISPボタン32は、モニタ24の表示内容の切り替え指示等の入力に用いられ、BACKボタン34は入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
縦撮り/横撮り切替ボタン36は、縦撮り又は横撮り(縦撮りモード又は横撮りモード)のいずれで撮影を行うかを指示するためのボタンである。縦撮り/横撮り検出回路166は、このボタンの状態により、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影を行うかを検出する。
高さ検出部38は、基準面(例えば、地面)からの距離を検出するための回路である。図1及び図2に示すように、高さ検出部38は、縦撮りのいずれの姿勢でも高さを検出できるように、カメラボディ12の両側面に設けられている。
図3は、図1及び図2に示したデジタルカメラ10の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態のデジタルカメラ10は、二つの撮像系それぞれから画像信号を取得できるように構成されており、CPU110、高さ検出回路38、操作部(シャッタボタン18、電源/モードスイッチ20、モードダイヤル22、ズームボタン26、十字ボタン28、MENU/OKボタン30、DISPボタン32、BACKボタン34、2D/3Dモード切替ボタン36等)112、ROM116、フラッシュROM118、SDRAM120、VRAM122、撮影レンズ14R、14L、ズームレンズ制御部124R、124L、フォーカスレンズ制御部126R、126L、絞り制御部128R、128L、撮像素子134R、134L、タイミングジェネレータ(TG)136R、136L、アナログ信号処理部138R、138L、A/D変換器140R、140L、画像入力コントローラ141R、141L、デジタル信号処理部142R、142L、AF検出部144、AE/AWB検出部146、3D画像生成部150、圧縮・伸張処理部152、メディア制御部154、メモリカード156、表示制御部158、モニタ24、電源制御部160、バッテリ162、ストロボ制御部164、ストロボ16等を備えている。
図1中右側の撮像手段Rは、主として、撮影レンズ14R、ズームレンズ制御部124R、フォーカスレンズ制御部126R、絞り制御部128R、撮像素子134R、タイミングジェネレータ(TG)136R、アナログ信号処理部138R、A/D変換器140R、画像入力コントローラ141R、デジタル信号処理部142R等から構成される。
図1中左側の撮像手段Lは、主として、撮影レンズ14L、ズームレンズ制御部124L、フォーカスレンズ制御部126L、絞り制御部128L、撮像素子134L、タイミングジェネレータ(TG)136L、アナログ信号処理部138L、A/D変換器140L、画像入力コントローラ141L、デジタル信号処理部142L等から構成される。
CPU110は、カメラ全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、操作部112からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って各部を制御する。
バス114を介して接続されたROM116には、このCPU110が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ(後述するAE/AFの制御周期等)等が格納されており、フラッシュROM118には、ユーザ設定情報等のデジタルカメラ10の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
SDRAM120は、CPU110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用され、VRAM122は、表示用の画像データ専用の一時記憶領域として利用される。
左右一対の撮影レンズ14R、14Lは、ズームレンズ130ZR、130ZL、フォーカスレンズ130FR、130FL、絞り132R、132Lを含んで構成され、所定の間隔をもってカメラボディ12に配置されている。
ズームレンズ130ZR、130LRは、図示しないズームアクチュエータに駆動されて光軸に沿って前後移動する。CPU110は、ズームレンズ制御部124R、124Lを介してズームアクチュエータの駆動を制御することにより、ズームレンズの位置を制御し、撮影レンズ14R、14Lのズーミングを行う。
フォーカスレンズ130FR、130FLは、図示しないフォーカスアクチュエータに駆動されて光軸に沿って前後移動する。CPU110は、フォーカスレンズ制御部126R、126Lを介してフォーカスアクチュエータの駆動を制御することにより、フォーカスレンズの位置を制御し、撮影レンズ14R、14Lのフォーカシングを行う。
絞り132R、132Lは、たとえば、アイリス絞りで構成されており、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作する。CPU110は、絞り制御部128R、128Lを介して絞りアクチュエータの駆動を制御することにより、絞り132R、132Lの開口量(絞り値)を制御し、撮像素子134R、134Lへの入射光量を制御する。
なお、CPU110は、この撮影レンズ14R、14Lを構成するズームレンズ130ZR、130ZL、フォーカスレンズ130FR、130FL、絞り132R、132Lを駆動する際、左右の撮影レンズ14R、14Lを同期させて駆動する。すなわち、左右の撮影レンズ14R、14Lは、常に同じ焦点距離(ズーム倍率)に設定され、常に同じ被写体にピントが合うように、焦点調節が行われる。また、常に同じ入射光量(絞り値)となるように絞りが調整される。
撮像素子134R、134Lは、所定のカラーフィルタ配列のカラーCCDで構成されている。CCDは、その受光面に多数のフォトダイオードが二次元的に配列されている。撮影レンズ14R、14LによってCCDの受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU110の指令に従ってTG136R、136Lから与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子134R、134Lから順次読み出される。
なお、この撮像素子134R、134Lには、電子シャッタの機能が備えられており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッタ速度)が制御される。
なお、本実施の形態では、撮像素子としてCCDを用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
アナログ信号処理部138R、138Lは、撮像素子134R、134Lから出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関二重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールするためのAGS回路を含み、撮像素子134R、134Lから出力される画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅する。
A/D変換器140R、140Lは、アナログ信号処理部138R、138Lから出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。
画像入力コントローラ141R、141Lは、A/D変換器140R、140Lから出力された画像信号を取り込んで、SDRAM120に格納する。
デジタル信号処理部142R、142Lは、CPU110からの指令に従いSDRAM120に格納された画像信号を取り込み、所定の信号処理を施して輝度信号Yと色差信号Cr、CbとからなるYUV信号を生成する。
図4は、このデジタル信号処理部142R、142Lの概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、デジタル信号処理部142R、142Lは、ホワイトバランスゲイン算出回路142a、オフセット補正回路142b、ゲイン補正回路142c、ガンマ補正回路142d、RGB補間演算部142e、RGB/YC変換回路142f、ノイズフィルタ142g、輪郭補正回路142h、色差マトリクス回路142i、光源種別判定回路142jを備えて構成される。
ホワイトバランスゲイン算出回路142aは、AE/AWB検出部146で算出された積算値を取り込んでホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。
オフセット補正回路142bは、画像入力コントローラ141R、141Lを介して取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号に対してオフセット処理を行う。
ゲイン補正回路142cは、オフセット処理された画像信号を取り込み、ホワイトバランスゲイン算出回路142aで算出されたゲイン値を用いてホワイトバランス調整を行う。
ガンマ補正回路142dは、ホワイトバランス調整された画像信号を取り込み、所定のγ値を用いてガンマ補正を行う。
RGB補間演算部142eは、ガンマ補正されたR、G、Bの色信号を補間演算して、各画素位置におけるR、G、B3色の信号を求める。すなわち、単板式の撮像素子の場合、各画素からは、R、G、Bのいずれか一色の信号しか出力されないため、出力しない色を周囲の画素の色信号から補完演算により求める。たとえば、Rを出力する画素では、この画素位置におけるG、Bの色信号がどの程度になるかを周りの画素のG、B信号から補間演算により求める。このように、RGB補完演算は、単板式の撮像素子に特有のものなので、撮像素子134に三板式のものを用いた場合には不要となる。
RGB/YC変換回路142fは、RGB補間演算後のR、G、B信号から輝度信号Yと色差信号Cr、Cbを生成する。
ノイズフィルタ142gは、RGB/YC変換回路142fで生成された輝度信号Yと色差信号Cr、Cbに対してノイズ低減処理を施す。
輪郭補正回路142hは、ノイズ低減後の輝度信号Yに対し、輪郭補正処理を行い、輪郭補正された輝度信号Y’を出力する。
一方、色差マトリクス回路142iは、ノイズ低減後の色差信号Cr、Cbに対し、色差マトリクス(C−MTX)を乗算して色調補正を行う。すなわち、色差マトリクス回路142iには、光源対応の色差マトリクスが複数種類設けられており、光源種別判定回路142jが求めた光源種に応じて、使用する色差マトリクスを切り替え、この切り替え後の色差マトリクスを入力された色差信号Cr、Cbに乗算し、色調補正された色差信号Cr’、Cb’を出力する。
光源種別判定回路142jは、AE/AWB検出部146で算出された積算値を取り込んで光源種を判定し、色差マトリクス回路142iに色差マトリクス選択信号を出力する。
なお、本実施の形態のデジタルカメラでは、上記のようにデジタル信号処理部をハードウェア回路で構成しているが、当該ハードウェア回路と同じ機能をソフトウェアにて構成することも可能である。
AF検出部144は、一方の画像入力コントローラ141Rから取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号を取り込み、AF制御に必要な焦点評価値を算出する。このAF検出部144は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面に設定された所定のフォーカスエリア内の信号を切り出すフォーカスエリア抽出部、及び、フォーカスエリア内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカスエリア内の絶対値データを焦点評価値としてCPU110に出力する。
CPU110は、AF制御時、このAF検出部144から出力される焦点評価値が極大となる位置をサーチし、その位置にフォーカスレンズ130FR、130FLを移動させることにより、主要被写体への焦点合わせを行う。すなわち、CPU110は、AF制御時、まず、フォーカスレンズ130FR、130FLを至近から無限遠まで移動させ、その移動過程で逐次AF検出部144から焦点評価値を取得し、その焦点評価値が極大となる位置を検出する。そして、検出された焦点評価値が極大の位置を合焦位置と判定し、その位置にフォーカスレンズ130FR、130FLを移動させる。これにより、フォーカスエリアに位置する被写体(主要被写体)にピントが合わせられる。
AE/AWB検出部146は、一方の画像入力コントローラ141Rから取り込まれたR、G、Bの各色の画像信号を取り込み、AE制御及びAWB制御に必要な積算値を算出する。すなわち、このAE/AWB検出部146は、一画面を複数のエリア(たとえば、8×8=64エリア)に分割し、分割されたエリアごとにR、G、B信号の積算値を算出する。
CPU110は、AE制御時、このAE/AWB検出部146で算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値を取得し、被写体の明るさ(測光値)を求めて、適正な露光量を得るための露出設定を行う。すなわち、感度、絞り値、シャッタ速度、ストロボ発光の要否を設定する。
また、CPU110は、AWB制御時、AE/AWB検出部146で算出されたエリアごとのR、G、B信号の積算値をデジタル信号処理部142のホワイトバランスゲイン算出回路142a及び光源種別判定回路142jに加える。
ホワイトバランスゲイン算出回路142aは、このAE/AWB検出部146で算出された積算値に基づいてホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。
また、光源種別判定回路142jは、このAE/AWB検出部146で算出された積算値に基づいて光源種を検出する。
圧縮・伸張処理部152は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、静止画に対しては、JPEG規格に準拠した圧縮処理が施され、動画に対してはMPEG2やMPEG4、H.264規格に準拠した圧縮処理が施される。
メディア制御部154は、CPU110からの指令に従い、メモリカード156に対してデータの読み/書きを制御する。
表示制御部158は、CPU110からの指令に従い、モニタ24への表示を制御する。すなわち、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号をモニタ24に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換してモニタ24に出力するとともに、所定の文字、図形情報をモニタ24に出力する。
電源制御部160は、CPU110からの指令に従い、バッテリ162から各部への電源供給を制御する。
ストロボ制御部164は、CPU110からの指令に従い、ストロボ16の発光を制御する。
高さ検出部38は、基準面(例えば、地面)からの撮影高さ(距離)を検出するための回路である。
縦撮り/横撮り検出回路166は、縦撮り/横撮り切替ボタン36の状態により、縦撮りであるか横撮りであるかを検出する。
2D/3Dモード切替フラグ168には、2Dモードであること又は3Dモードであることを表すフラグが設定される。
次に、上記構成のデジタルカメラ10の動作について図面を参照しながら説明する。
〔撮影時動作〕
図5は、第一実施形態のデジタルカメラ10の動作(撮影時動作)を説明するためのフローチャートである。
以下の処理は、主として、CPU110がSDRAM120等に読み込まれた所定プログラムを実行することにより実現される。縦撮り/横撮り切替ボタン36の操作により縦撮りモード又は横撮りモードのいずれかが設定されている状態の下、シャッタボタン18の一段目をオンすると(ステップS10:Yes)、縦撮り/横撮り検出回路166は、縦撮り/横撮り切替ボタン36の状態により、縦撮りモードが設定されているか横撮りモードが設定されているかを検出する(ステップS12)。
縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、2Dモードへ切り替えられる(ステップS13)。すなわち、3Dモードが解除され、自動的に2Dモードへ切り替えられる。そして、2D/3Dモード切替フラグ168に2Dモードであることを表すフラグが設定される。
これにより、自動的に適切なモードを設定することが可能となる。また、利用者は、モードの設定を意識することなく、迅速に縦撮りを行うことが可能となる。また、3Dモードの解除にも使うことが可能となる。
次に、基準面(例えば、地面)からの撮影高さ(距離)を検出する(ステップS14)。例えば、高さ検出回路38は、基準面に対して光や電波を発射し反射して戻ってくるまでの時間を計測し、これにより、撮影高さを検出する。あるいは、利用者が操作部112等を操作することにより撮影高さを設定してもよい。
次に、二つの撮像手段R、L(本発明の複数の撮像手段に相当)のうちの駆動する撮像手段(本発明の一部の撮像手段に相当)を決定する(ステップS15)。例えば、撮影高さ(複数距離)と該撮影高さがステップS14で検出された場合に選択される撮影手段R又はLを識別する識別子との対応関係をROM118等に格納しておく。そして、撮影高さが検出された場合(ステップS14)、その検出された撮影高さに対応する撮像手段を識別する識別子をROM118から読み出し、この識別子により識別される一方の撮像手段R又はLを駆動する撮像手段として自動的に決定する。
これにより、撮影高さに対応した撮像手段R又はLで縦撮りすることになるので、低いアングルで撮影したいときは、より低いアングルで撮影できるなど、最適アングルで撮影することが可能となる。
次に、ステップS15で決定した駆動する撮像手段R又はLを識別するための表示を表示する(ステップS16)。例えば、モニタ24あるいはカメラボディ12に別途設けた表示器に表示する。利用者は、この表示を視認することで、現在どの撮像手段R又はLが駆動しているのか、又は、どの撮像手段R又はLにより撮影が行われるのかを把握することが可能となる。
この表示としては、例えば、撮像手段R又はLの識別番号、あるいは、複数の撮像手段R、Lを含む模式図のうち駆動する撮像手段R又はLに相当する部分を、点滅表示させたり、異なる色で強調表示することが考えられる。
次に、ステップS16の表示により識別される撮像手段R又はLで良いか否かを決定する(ステップS17)。ステップS16の表示により識別される撮像手段R又はLとは別の撮像手段R又はLを選択する場合、例えば、操作部112の操作により所望の撮像手段R又はLを選択し、この選択した撮像手段R又はLを、駆動する撮像手段として決定する(ステップS17:No、ステップS18)。
一方、ステップS16の表示により識別される撮像手段R又はLで良ければ(ステップS17:Yes)、ステップS15で決定した撮像手段R又はLのみを駆動する(ステップS19)。これにより、消費電力の低減が可能となる。
次に、図7に示すように、縦撮りフォルダ(図7では縦撮り画像フォルダ)をメモリカード156に設定する(ステップS20)。縦撮りフォルダとは、縦撮りモードが設定されている状態で撮影された場合に、その撮影画像を含むファイルを記録(保存)するためのフォルダである。なお、縦撮りフォルダは、予め設定されていない場合に設定されるのであり、予め設定されている場合には、再度設定されない。
次に、ファイルの初期化を実行する(ステップS21)。
次に、シャッタボタン18の二段目をオンする(本発明の撮影指示に相当)と(ステップS22:Yes)、ステップS15で決定した撮像手段R又はLのみにより撮影が行われ、その決定した撮像手段R又はLのみで撮影した画像(以下縦撮り画像ともいう)を含むファイルが生成される(ステップS23)。この生成されたファイルは、縦撮りフォルダに自動的に振り分けられて記録(保存)されるため、再生等しようとする画像が縦撮りであるか横撮りであるかを(後述の撮影位置欄を参照することなく)フォルダで区別することが可能となる。また、再生等の場合に、2D/3Dの切り替えや、縦横変換要否判定を容易に行うことが可能となる。
また、この生成されたファイルに含まれる画像は、撮像手段R及びLそれぞれから得られる画像を記録するのではなく、撮像手段R又はLのみから得られる画像である。このため、記録媒体の記録容量を無駄に消費することがない。
そして、撮影が終了であれば(ステップS24:Yes)、ヘッダ情報を更新して(ステップS25)処理を終了する。
図7は、以上のようにして縦撮りフォルダに保存されたファイルの構造を説明するための図である。
図7は、縦撮りされた画像を含むファイル(図7中画像1〜画像Nで示すN個のファイル)が縦撮りフォルダに保存されている状態を表している。
各ファイルは、画像情報タグ、サムネイル(サムネイル画像ともいう)、及び、画像(本画像又は主画像ともいう)で構成される。
画像情報タグは、本画像に対する付属情報のことであり、ID番号欄、ファイル名欄、撮影年月日時刻欄、撮影位置欄、2D/3D欄、撮影系欄、縦撮り向き欄、及び、撮影高さ欄で構成される。
ID番号欄には、ファイルを識別するための識別子が記録される。ファイル名欄には、ファイル名が記録される。撮影年月日時刻欄には、撮影年月日及び撮影時刻が記録される。撮影位置欄には、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影したかを識別するための識別子(フラグともいう)が記録される。このような識別子として、例えば、1(=縦撮りを表す)又は0(=横撮りを表す)が記録される。この識別子は本画像ごとに記録されるので、こ識別子を参照することで、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影した画像であるかを区別することが可能となる。また、画像再生等の場合にフラグを参照することで、2D/3Dの切り替えや、縦横変換要否判定を容易に行うことが可能となる。
2D/3D欄には、2Dモード又は3Dモードのいずれで撮影したかを識別するための識別子(例えば、2D/3Dモード切替フラグの内容)が記録される。このような識別子として、例えば、1(=2Dモードを表す)又は0(=3Dモードを表す)が記録される。なお、2Dモード又は3Dモードのいずれで撮影したかを識別するための識別子を含んだファイル名(例えば、ds2d00001.jpg,ds3d0001.jpg)を採用すれば、この2D/3D欄を省略することができる。
撮影系欄には、撮影した撮像手段R又はLを識別するための識別子が記録される。この撮影系欄(フラグ)を参照することで、どの撮像手段R又はLで撮影した画像であるかを識別することが可能となる。このような識別子として、例えば、1(=撮像手段Rを表す)又は0(=撮像手段Lを表す)が記録される。縦撮り向き欄には、縦撮り向き(例えば、右又は左)を識別するための識別子が記録される。このような識別子として、例えば、1(=右を表す)又は0(=左を表す)が記録される。撮影高さ欄には、基準面からの撮影高さが記録される。
なお、画像情報タグに記録されるのは、これらの項目に限定されない。例えば、Exif(Exchangeable image file format)と同様の項目(シャッタースピード、レンズ絞り値、圧縮モード、色空間情報、画素数、メーカ独自情報(メーカーノート)等)を記録するようにしてもよい。
なお、一つの画像については、画像の属性情報、サムネイル画像、本画像が一つのファイルに記録されていてもよいし、それぞれ分けて記録されていてもよい。3Dや多視点画像は、本画像に画像単位で記録される。動画の場合もフィールドやフレーム単位で記録される。動画でMPEG圧縮時は、画像単位やGOP単位でタグ情報が付加されるようにしてもよい。
一方、撮影が終了でないのであれば(ステップS24:No)、ステップS10に戻って再度、ステップS10以下の処理を繰り返す。
次に、ステップS12で横撮りモードが検出された場合の動作について説明する。
横撮りモードが検出されると(ステップS12:No)、3Dモードへ切り替えられる(ステップS26)。すなわち、2Dモードが解除され、自動的に3Dモードへ切り替えられる。そして、2D/3Dモード切替フラグ168に3Dモードであることを表すフラグが設定される。
これにより、自動的に適切なモードを設定することが可能となる。また、利用者は、モードの設定を意識することなく、迅速に横撮りを行うことができる。また、2Dモードの解除にも使える。
なお、3Dモードでの撮影であることを識別するための表示を表示するようにしてもよい。例えば、モニタ24あるいはカメラボディ12に別途設けた表示器に表示する。利用者は、この表示を視認することで、現在どのモードで撮影しているのかを把握することが可能となる。
次に、全ての撮像手段R及びLを駆動する(ステップS27)。この場合、ステップS16と同様、駆動する撮像手段R及びLを識別するための表示を表示してもよい。利用者は、この表示を視認することで、現在撮像手段R及びLの両方が駆動していること、又は、撮像手段R及びLの両方により撮影が行われることを把握することが可能となる。
次に、図8に示すように、3Dフォルダ(図8では横撮り画像用フォルダ配下の3D用フォルダ)をメモリカード156に設定する(ステップS28)。3Dフォルダとは、横撮りモードが設定されている状態で撮影された場合に、その撮影画像を含むファイルを記録(保存)するためのフォルダである。なお、3Dフォルダは、予め設定されていない場合に設定されるのであり、予め設定されている場合には、再度設定されない。
次に、ファイルの初期化を実行する(ステップS29)。
次に、シャッタボタン18の二段目をオンする(本発明の撮影指示に相当)と、全ての撮像手段R及びLにより撮影が行われ、その全ての撮像手段R、Lで撮影した画像(以下横撮り画像ともいう)を含むファイルが生成される(ステップS23)。この生成されたファイルは、3Dフォルダに自動的に振り分けられて記録(保存)されるため、再生等しようとする画像が縦撮りであるか横撮りであるかを(後述の撮影位置欄を参照することなく)フォルダで区別することが可能となる。また、再生等の場合に、2D/3Dの切り替えや、縦横変換要否判定を容易に行うことが可能となる。
そして、撮影が終了であれば(ステップS24:Yes)、ヘッダ情報を更新して(ステップS25)処理を終了する。
図8は、以上のようにして3Dフォルダに保存されたファイルの構造を説明するための図である。
図8は、横撮りされた画像を含むファイル(図8中画像1〜画像Nで示すN個のファイル)が3Dフォルダに保存されている状態を表している。
各ファイルは、画像情報タグ、サムネイル(サムネイル画像ともいう)、及び、画像(本画像又は主画像ともいう)で構成される。
画像情報タグは、本画像に対する付属情報のことであり、ID番号欄、ファイル名欄、撮影年月日時刻欄、撮影位置欄、2D/3D欄、及び、撮影系欄で構成される。
ID番号欄には、ファイルを識別するための識別子が記録される。ファイル名欄には、ファイル名が記録される。撮影年月日時刻欄には、撮影年月日及び撮影時刻が記録される。撮影位置欄には、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影したかを識別するための識別子(フラグともいう)が記録される。このような識別子として、例えば、1(=縦撮りを表す)又は0(=横撮りを表す)が記録される。この識別子は本画像ごとに記録されるので、この識別子を参照することで、縦撮り又は横撮りのいずれで撮影した画像であるかを区別することが可能となる。また、画像再生等の場合にフラグを参照することで、2D/3Dの切り替えや、縦横変換要否判定を容易に行うことが可能となる。
2D/3D欄には、2Dモード又は3Dモードのいずれで撮影したかを識別するための識別子(例えば、2D/3Dモード切替フラグの内容)が記録される。このような識別子として、例えば、1(=2Dモードを表す)又は0(=3Dモードを表す)が記録される。なお、2Dモード又は3Dモードのいずれで撮影したかを識別するための識別子を含んだファイル名(例えば、ds2d00001.jpg,ds3d0001.jpg)を採用すれば、2D/3D欄を省略することができる。
撮影系欄には、撮影した撮像手段R又はLを識別するための識別子が記録される。この撮影系欄(フラグ)を参照することで、どの撮像手段R又はLで撮影した画像であるかを識別することが可能となる。このような識別子として、例えば、1(=撮像手段Rを表す)又は0(=撮像手段Lを表す)が記録される。
なお、画像情報タグに記録されるのは、これらの項目に限定されない。例えば、Exif(Exchangeable image file format)と同様の項目(シャッタースピード、レンズ絞り値、圧縮モード、色空間情報、画素数、メーカ独自情報(メーカーノート)等)を記録するようにしてもよい。
なお、一つの画像については、画像の属性情報、サムネイル画像、本画像が一つのファイルに記録されていてもよいし、それぞれ分けて記録されていてもよい。3Dや多視点画像は、本画像に画像単位で記録される。動画の場合もフィールドやフレーム単位で記録される。動画でMPEG圧縮時は、画像単位やGOP単位でタグ情報が付加されるようにしてもよい。なお、複数視点の画像を記録する場合、画像配列の順番は、主要な視点の画像が先に配置されるようにしてもよい。
一方、撮影が終了でないのであれば(ステップS24:No)、ステップS10に戻って再度、ステップS10以下の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態のデジタルカメラ10によれば、縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、二つの撮像手段R、L(本発明の複数の撮像手段に相当)のうちの駆動する撮像手段(本発明の一部の撮像手段に相当)を決定し(ステップS15)、その決定した撮像手段R又はLのみを駆動する(ステップS19)ことになる。すなわち、複眼デジタルカメラ10で縦撮りする場合には、二つの撮像手段R、Lそれぞれを動作させない。
これにより、複眼デジタルカメラ10で縦撮りする場合、省電力を実現することが可能となる。
また、本実施形態のデジタルカメラ10によれば、縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、ステップS15で決定した撮像手段R又はLのみにより撮影が行われ、その決定した撮像手段R又はLのみで撮影した画像(以下縦撮り画像ともいう)を含むファイルが生成され、記録媒体156に記録される。すなわち、複眼デジタルカメラ10で縦撮りする場合には、二つの撮像手段R、Lそれぞれから得られる画像を記録しない。
これにより、複眼デジタルカメラ10で縦撮りする場合、記録媒体156の記録容量を無駄に消費するのを防止することが可能となる。また、3D時画素数内に左右画像を分割して記録する場合等においては、縦撮り画像を高い解像度で表示することができる。
〔再生時動作〕
図9は、第一実施形態のデジタルカメラ10の動作(再生時動作)を説明するためのフローチャートである。
以下の処理は、主として、CPU110がSDRAM120等に読み込まれた所定プログラムを実行することにより実現される。
操作部112の操作により再生の指示が入力され(ステップS30:Yes)、縦撮り/横撮り画像の再生のいずれを行うかが、操作部112(2D/3D表示切替部)の操作により選択されると(ステップS31)、縦撮りモードが設定されているか否かを検出する(ステップS32)。
縦撮りモードが設定されていると(ステップS32:Yes)、2Dモードへ切り替えられる(ステップS33)。すなわち、2D/3Dモード切替フラグ168に2Dモードであることを表すフラグが設定される。
次に、図6に示す縦撮り画像フォルダからファイルを読み出し(ステップS34)、モニタ24にその読み出したファイル中のサムネイル画像を所定形式で表示する(ステップS35)。図6は、フォルダの階層構造を表している。
利用者は、操作部112を操作して、その表示されたサムネイル画像の中からいずれかのサムネイル画像を選択することになる。このように、縦撮りの場合には、縦撮り専用のフォルダからファイル(画像)を読み出すようにしたので、選択が容易でしかもサムネイル画像や本画像の表示(選択させるための表示)も迅速に行うことが可能となる。また、画像の選別も容易に行うことが可能となる。そして、選択したサムネイル画像で間違いなければ、利用者は、操作部112を操作してOKの入力を行う(ステップS36:Yes)。
次に、ステップS35でサムネイル画像が選択されたファイルの画像情報タグ中の2D/3D欄を参照して、2D画像であるか否かを判定する(ステップS37)。この判定の結果、2D画像であると判定されたなら(ステップS37:Yes)、2D画像として表示する(ステップS38)。すなわち、2D/3Dモード切替フラグ168の内容(2Dモードであることを表すフラグが設定されている)に従って、モニタ24の右眼用短冊画像表示領域24R及び左眼用短冊画像表示領域24Lには同一の画像(例えば図7中の画像1)が表示されるように表示制御部158等が制御されることになる。この場合、利用者はその表示された画像を立体画像としてではなく、通常の画像として視認することになる。
これにより、縦撮りされた画像が3D画像として視認されるように表示するのを防止できる。すなわち、縦撮りされた画像については、2D画像として視認されるように表示することで、違和感なく視認させることが可能となる。
一方、2D画像でないと判定されたなら(ステップS37:No)、画像を表示することなく、ステップS39に移行する。このように、画像を表示する前に、2D画像であるか否かを判定し、2D画像でなければ画像を表示しないので、画像情報が誤っている場合に、誤った画像を表示することを防止できる。
そして、表示が終了であれば(ステップS39:Yes)、処理を終了する。一方、表示が終了でないのであれば(ステップS39:No)、ステップS30に戻って再度、ステップS30以下の処理を繰り返す。
次に、ステップS32で横撮りモードが検出された場合の動作について説明する。
横撮りモードが選択されると(ステップS32:No)、3Dモードへ切り替えられる(ステップS40)。すなわち、2D/3Dモード切替フラグ168に3Dモードであることを表すフラグが設定される。
次に、図6に示す横撮り画像用フォルダからファイルを読み出し(ステップS41)、モニタ24にその読み出したファイル中のサムネイル画像を所定形式で表示する(ステップS42)。
利用者は、操作部112を操作して表示されたサムネイル画像の中からいずれかのサムネイル画像を選択することになる。そして、選択したサムネイル画像で間違いなければ、利用者は、操作部112を操作してOKの入力を行う(ステップS42:Yes)。
次に、ステップS42でサムネイル画像が選択されたファイルの画像情報タグ中の2D/3D欄を参照して、3D画像であるか否かを判定する(ステップS43)。この判定の結果、3D画像であると判定されたなら(ステップS44:Yes)、3D画像として表示する(ステップS45)。すなわち、2D/3Dモード切替フラグ168の内容(3Dモードであることを表すフラグが設定されている)に従って、モニタ24の右眼用短冊画像表示領域24Rには、右用の画像(例えば図8中の撮影系1画像)が、左眼用短冊画像表示領域24Lには左用の画像(例えば図8中の撮影系2画像)が表示されるように表示制御部158等が制御されることになる。この場合、利用者はその表示された画像を立体画像として視認することになる。
一方、3D画像でないと判定されたなら(ステップS44:No)、画像を表示することなく、ステップS39に移行する。このように、画像を表示する前に、3D画像であるか否かを判定し、3D画像でなければ表示しないので、画像情報が誤っている場合に、誤った画像を表示することを防止できる。
そして、表示が終了であれば(ステップS39:Yes)、処理を終了する。一方、表示が終了でないのであれば(ステップS39:No)、ステップS30に戻って再度、ステップS30以下の処理を繰り返す。
(変形例)
次に、本実施形態のデジタルカメラ10の変形例について説明する。
本実施形態では、図1に示すように、デジタルカメラ10が二つの撮像手段R、Lを備えている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、デジタルカメラ10は、三つ以上の撮影手段を備えていてもよい。また、撮影手段を構成する撮影レンズ等は、図1に示すように横一列に配置されていなくてもよい。例えば、三つの撮像手段を備えている場合には、各撮影レンズは、三角形の各頂点に対応する位置に配置してもよい。同様に、四つの撮像手段を備えている場合には、各撮影レンズは、四角形の各頂点に対応する位置に配置してもよい。
また、本実施形態では、縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、ステップS15で決定した撮像手段R又はLのみにより撮影が行われるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、デジタルカメラ10が三つの撮像手段を備えている場合には、三つの撮像手段のうち、一部の撮像手段(一つ又は二つの撮像手段)のみにより撮影を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、二つの撮像手段R、L(本発明の複数の撮像手段に相当)のうちの駆動する撮像手段(本発明の一部の撮像手段に相当)を決定し(ステップS15)、その決定した撮像手段R又はLのみを駆動し(ステップS19)、その駆動している撮像手段R又はLのみにより撮影が行われるように説明したが本発明はこれに限定されない。
例えば、縦撮りモード検出前(又は検出後)に予め複数の撮像手段のうちの全部を駆動させておく。そして、縦撮りモードが検出されると(ステップS12:Yes)、複数の撮像手段のうちの一部の撮像手段のみで撮影を行うようにしてもよい。これによっても、複眼デジタルカメラで縦撮りする場合、記録媒体の記録容量を無駄に消費するのを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、横撮りモードが検出されると(ステップS12:No)記録される(ステップS23)ファイルには、二つの撮影手段R、Lそれぞれで撮影された画像が含まれるように説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、立体撮影、マルチ視点や全方向の撮影を行い、その撮影の結果得られた画像を含むファイルを記録するようにしてもよい。
また、本実施形態では、デジタルカメラ10では、縦撮り/横撮り切替ボタン36により、縦撮りモード又は横撮りモードの設定が可能となっているように説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、モードダイヤル22の回転停止位置(複数位置)とモードとを対応づけてメモリに格納しておき、モードダイヤル22を手動で操作して所定位置で停止させた場合、前
記メモリを参照し、そのモードダイヤル22の回転停止位置に応じたモード(縦撮りモード又は横撮りモード)を設定してもよい。あるいは、縦撮りモードと横撮りモードの切替スイッチをカメラボディ12に設けておき、この切替スイッチを手動で切り替えることでモードを設定してもよい。あるいは、モニタ24に表示されるメニュー画面等及び操作部112を手動で操作して縦撮りモード又は横撮りモードを選択し、この選択したモードを設定してもよい。あるいは、重力を利用したセンサーやホール素子、MEMS(micro electro mechanical systems)等を利用したセンサーにより、デジタルカメラ10の姿勢(縦撮りの姿勢か横撮りの姿勢か)を検出し、その姿勢に応じたモードを自動で設定してもよい。
また、本実施形態では、撮影高さ(複数距離)と該撮影高さがステップS14で検出された場合に選択される撮影手段R又はLを識別する識別子との対応関係をROM118等に格納しておく。そして、撮影高さが検出された場合(ステップS14)、その検出された撮影高さに対応する撮像手段を識別する識別子をROM118から読み出し、この識別子により識別される一方の撮像手段R又はLを駆動する撮像手段として自動的に決定するように説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、駆動する撮像手段を選択するための選択スイッチをカメラボディ12に設けておき、この選択スイッチで選択した撮像手段R又はLを、駆動する撮像手段として決定してもよい。この場合、利用者が駆動する撮像手段R又はLを選択する際の参考となるように、検出された基準面からの距離をモニタ24等に表示してもよい。
また、本実施形態では、さらに、3Dモードで測距を行うための距離用発光素子及び距離用撮像素子、これらの駆動/制御回路、距離情報処理回路、及び、距離情報記憶回路を設け、ステップS11で縦撮りモードが検出された場合、これら素子又は回路の一部又は全部への電源供給を停止するように制御してもよい。これにより、縦撮り時の消費電力の低減が可能となる。また、ステップS11で縦撮りモードが検出された場合、距離データを保存しないように制御してもよい。これにより、縦撮り時の記録メディアの無駄な消費を防止できる。
また、本実施形態では、2D、3D撮影とも全画素を記録してもよいし、3D撮影時のみ水平又は垂直に間引いて記録してもよい。視差バリアをON/OFF可能な表示素子では、2D表示の場合は全画素データを、3D表示の場合はR及びLの画像データを、水平又は垂直に間引いて表示素子に送るようにすれば、2Dの解像度を上げて表示することができる。
また、本実施形態では、横撮りでかつ3D撮影時(3D静止画撮影モード時又は3D動画撮影モード時)、二つの撮像手段R及びLそれぞれから得られた画像データから3D画像を生成するようにしてもよい。たとえば、3D静止画撮影モード時は、アナグリフ方式やステレオスコープ方式、平行法、交差法等で観察される立体視用の静止画像を生成し、3D動画撮影モード時は、時分割方式の3D動画を生成するようにしてもよい。なお、この種の3D画像の生成方法については、公知の技術であるので、ここでは、その具体的な生成方法についての説明は省略する。
また、本実施の形態では、音声記録については、特に言及していないが、音声記録ができるようにすることももちろん可能である。
次に、本発明の第二実施形態であるデジタルカメラについて図面を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第二実施形態であるデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態のデジタルカメラは、第一実施形態のデジタルカメラ10と比較して、次の点が相違する。
第一に、本実施形態のデジタルカメラが、所定操作部112の操作により、撮影目的に応じて撮像手段R、L(主として撮影レンズ14R、14L等)間の間隔、及び、撮像手段R、L(主として撮影レンズ14R、14L等)の輻輳角を調整可能に構成されているのに対して、第一実施形態のデジタルカメラは、そのように構成されていない点。
第二に、本実施形態のデジタルカメラが、間隔/輻輳角駆動回路170R、170L、間隔/輻輳角検出回路172R、172L、間隔輻輳角駆動回路174、レンズ間隔輻輳角記憶回路176を備えているのに対して、第一実施形態のデジタルカメラは、そのような回路を備えていない点。
第三に、本実施形態のデジタルカメラが、3D撮影用の測距を行うための構成(距離用発光素子178R、178L及び距離用撮像素子180R、180L、これらの駆動/制御回路182、AD184R、184L、距離情報処理回路186、及び、距離情報記憶回路188等)を備えているのに対して、第一実施形態のデジタルカメラは、そのような測距を行うための構成を備えていない点(ただし、変形例は備えている)。
第四に、本実施形態のデジタルカメラが、高さ検出回路を備えていないのに対して、第一実施形態のデジタルカメラは、高さ検出回路38を備えている点。
他の構成については、第一実施形態と同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、上記構成のデジタルカメラ10の動作について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のデジタルカメラの動作は、図5と同様であるが、次の点が相違する。
第一に、本実施形態のデジタルカメラは、高さ検出回路を備えていないので、図5に示したステップのうち、ステップS14からS18の処理を行わない点。すなわち、基準面からの距離に応じた撮像部を駆動する撮像手段R又はLとして自動的に決定するのではなく、全ての撮像手段R及びLを駆動し(ステップS19)、全ての撮像手段R及びLにより撮影が行われ、その全ての撮像手段R及びLが撮影した画像(全ての撮像手段R及びLが撮影した画像を合成した一つの画像であってもよい)を含むファイルが生成される点(ステップS23)。この生成されたファイルは、所定フォルダに自動的に振り分けられて記録(保存)される。
第二に、所定操作部112の操作により、撮像手段R及びL間の間隔、及び、撮像手段R及びLの輻輳角を調整することが可能であり、この調整後の撮像手段R及びLが撮影した画像(撮像手段R及びLそれぞれ別個の画像でもよいし、合成した結果の一つの画像でもよい)を含むファイルが得られる(ステップS23)点。これにより、縦方向の撮影画角を広げた画像を得ることが可能となる。また、縦方向に多視点の画像を得ることが可能となる。
第三に、ステップS11で縦撮りモードが検出された場合さらに、測距を停止する点。又は、距離データを保存しない点。測距を停止、あるいは、距離データを保存しないよう
にするには、例えば、3D撮影用の測距を行うための構成(距離用発光素子178R、178L及び距離用撮像素子180R、180L、これらの駆動/制御回路182、AD184R、184L、距離情報処理回路186、及び、距離情報記憶回路188等)の一部又は全部への電源供給を停止するように制御することが考えられる。これにより、消費電力の低減が可能となる。また、記録メディアの無駄な消費を防止できる。
他のステップについては、図5と同様であるので説明を省略する。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。