JP5054139B2 - プリント装置およびシート処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送ローラを用いてシートを搬送してプリントを行なうプリント装置に関する。
特許文献1には、速度センサでシート表面をダイレクトに速度計測して、プリントヘッドのインク吐出タイミングを制御するプリント装置が開示されている。図10は特許文献1の図25に開示されるプリント装置を簡略化した図である。ロール状に巻かれたシート500は上流側の搬送ローラ対501と下流側の搬送ローラ対502で搬送され、プリントヘッド503によってプリントされる。上流側の搬送ローラ対501とプリントヘッド503の間には、シートの移動速度をダイレクトに計測する速度センサ504(レーザドップラ式センサ)が配置されている。速度センサ504で計測された搬送速度に応じてプリントヘッド503の駆動制御タイミングが補正され、高品質のプリントを実現している。
特開2009−6655号公報
特許文献1の装置では、上流側の搬送ローラとプリントヘッドの間に速度センサが配置されている。速度センサ(レーザドップラ式センサ)は大きな設置スペースが必要なので、その分だけ搬送ローラとプリントヘッドとの間の距離が大きくなる。そのため、シートを導入した際に搬送ローラからプリントヘッドに到る間にシート先端部が浮き上がって、最上流のプリントヘッドのノズルとシート先端が接触する可能性が高まる。
これを抑止するには、速度センサとプリントヘッドの間の距離を極力小さくする必要がある。しかし、速度センサとプリントヘッドが近づくほどに、以下に列挙する問題が顕在化する。
(1)シートが速度センサの計測位置から最上流のプリントヘッドに至るまでの時間内に、速度センサでの計算を済ませてインク吐出タイミングを制御することが間に合わなくなる可能性が高まる。この問題は、シートの搬送速度が大きくするほどに高まるので、プリント速度を向上させることが困難になる。
(2)プリントヘッドによるプリント領域と速度センサの計測位置とが近づくと、プリント直後にシートがインクを吸収する際に発生するコックリング(局所的なシート浮き)が、計測位置にまで影響を及ぼす可能性が高まる。もしセンサの計測位置でシートの浮きが生じると計測誤差の要因となる。
(3)プリントヘッドと速度センサが近づき且つその間に遮蔽物がないと、プリントヘッドからインクを吐出した際に発生して飛散するインクミスト(微細なインク滴)が速度センサに付着しやすくなる。速度センサ(レーザドップラ式センサ)は発光部および受光部を有しており、発光部や受光部にインクミストが付着すると検出信号レベルが低下して、安定した計測を行なうことができなくなる。
本発明は上記課題の認識に基づいてなされたものである。本発明の目的の一つは、シート搬送の高速化と速度センサの計測精度を高レベルで両立させること、言い換えるとプリントスループットとプリント品質を高い次元で両立したプリント装置の提供である。本発明の別の目的は、長期間に渡る稼動でも高いプリント品質を維持することができるプリント装置の提供である。
本発明は、シートの第1面と第2面に両面プリントを行なうことが可能なプリント装置であって、連続したシートを保持して供給するためのシート供給部と、インクジェット方式のプリントヘッドを備えたプリント部と、シートの表裏を反転させる反転部と、を備え、両面プリントにおいては、前記シート供給部から供給されたシートは前記プリント部において前記第1面に複数の画像が順次プリントされ、プリントされたシートは前記反転部に導かれ、次いで前記反転部から再び前記プリント部に供給される表裏が反転したシートは前記プリント部において前記第2面に複数の画像が順次プリントされるものであり、
前記プリントヘッドの近傍には、前記プリントヘッドの上流側でシートをニップしてシートを搬送する第1ローラ対と、前記プリントヘッドの下流側でシートをニップしてシートを搬送する第2ローラ対と、前記第1ローラ対の上流側でシートをニップしてシートを搬送する第3ローラ対と、前記第1ローラ対のニップ位置と前記第3ローラ対のニップ位置の間、シート面を計測することでシートの移動速度に関する情報を取得するダイレクトセンサと、前記第1面に複数の画像と共に前記プリント部で形成されたマークを、前記第2面へのプリントの際に、前記第1ローラ対のニップ位置と前記第3ローラ対のニップ位置の間で読み取るマーク読取器と、が設けられており、前記ダイレクトセンサで取得した前記情報に基づいて、前記プリントヘッドの駆動制御シートの搬送制御の少なくと一方補正されるともに、前記マーク読取器での読み取りの結果に基づいて、前記第1面にプリントされた複数の画像それぞれに位置合わせして前記第2面に複数の画像がプリントされることを特徴とする。
本発明によれば、シート搬送の高速化と速度センサの計測精度を高レベルで両立させることができ、プリントスループットとプリント品質を高い次元で両立したプリント装置が実現する。
プリント装置の内部構成を示す概略図 制御部のブロック図 片面プリントモードでの動作を説明するための図 両面プリントモードでの動作を説明するための図 はプリント部の詳細な構成図 ダイレクトセンサの周辺の位置関係を示す上面図 ダイレクトセンサの別の形態を示す図 プリント部の別の形態を示す図 シリアル型のプリントヘッドの例を示す図 従来例の模式図
以下、インクジェット方式を用いたプリント装置の実施形態を説明する。本例のプリント装置は、長尺で連続したシート(搬送方向において繰り返しのプリント単位(1ページあるいは単位画像という)の長さよりも長い連続したシート)を使用し、片面プリントおよび両面プリントの両方に対応した高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。なお、本明細書では、1つのプリント単位(1ページ)の領域内に複数の小さな画像や文字や空白が混在していたとしても、当該領域内に含まれるものをまとめて1つの単位画像という。つまり、単位画像とは、連続したシートに複数のページを順次プリントする場合の1つのプリント単位(1ページ)を意味する。プリントする画像サイズに応じて単位画像の長さは異なる。例えばL版サイズの写真ではシート搬送方向の長さは135mm、A4サイズではシート搬送方向の長さは297mmとなる。
本発明はプリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置などプリント装置に広く適用可能である。プリント処理はインクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、液体現像方式など方式は問わない。また、本発明はプリント処理に限らず連続したシートに種々の処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を行なうシート処理装置にも適用可能である。
図1はプリント装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれたシートを用いて、シートの第1面と第1面の背面側の第2面に両面プリントすることが可能となっている。プリント装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、加湿部20、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。なお、シート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを保持して供給するためのユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。また、連続したシートであれば、ロール状に巻かれたものに限らない。例えば、単位長さごとのミシン目が付与された連続したシートがミシン目ごとに折り返されて積層され、シート供給部1に収納されるものでもよい。
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて通過させることでデカール力を作用させてカールを軽減させる。
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。
プリント部4は、搬送されるシートに対して上方からプリントヘッド14によりシート上にプリント処理を行なって画像を形成するユニットである。つまり、プリント部4はシートに所定の処理を行なう処理部である。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つのプリントヘッドを有する。なお、色数およびプリントヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
プリント部4において、プリントヘッド14の上流には、所定の計測位置でシート面を直接計測することでシートの移動状態(移動速度や移動距離)に関する情報を取得するダイレクトセンサ108が設けられている。また、上記計測位置の裏側からプリントヘッド14によってシートに形成されたマークを読み取るマーク読取器122が設けられている。ダイレクトセンサ108およびマーク読取器122の詳細については後述する。
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像をスキャナによって光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しくプリントされたかを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
カッタ部6は、プリント後のシートを所定長さに切断する機械的なカッタを備えたユニットである。カッタ部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラも備えている。
情報記録部7は、切断されたシートの非プリント領域にプリントのシリアル番号や日付などのプリント情報(固有の情報)を記録するユニットである。記録はインクジェット方式、熱転写方式などで文字やコードをプリントすることで行なわれる。情報記録部7の上流側且つカッタ部6の下流側には、切断されたシートの先端エッジを検知するセンサ23が設けられている。つまり、センサ23はカッタ部6と情報記録部7による記録位置との間でシートの端部を検知する、センサ23の検知タイミングに基づいて情報記録部7で情報記録するタイミングが制御される。
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
以上のシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を第1経路と称する。第1経路はプリント部4から乾燥部8までの間にUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。
反転部9は両面プリントを行う際に表(おもて)面プリントが終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。反転部9は、乾燥部8を通過したシートを再びプリント部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経てプリント部4に到る経路(ループパス)(第2経路と称する)の途中に設けられている。反転部9はシートを巻き取るための回転する巻取回転体(ドラム)を備えている。表面のプリントが済んで切断されていない連続シートは巻取回転体に一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取回転体が逆回転して巻き取り済みシートはデカール部2に供給され、プリント部4に送られる。このシートは表裏反転しているのでプリント部4で裏面にプリントを行うことができる。両面プリントのより具体的な動作については後述する。
排出搬送部10は、カッタ部6で切断され乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、反転部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを第2経路と第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置には可動フラッパを有する経路切替機構が設けられている。
ソータ部11と排出部12は、シート供給部1の側部で且つ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に仕分けるためのユニットである。仕分けられたシートは、複数のトレイからなる排出部12に排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んでプリント部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
加湿部20は加湿気体(空気)を生成して、プリント部4のプリントヘッド14とシートの間に供給するためのユニットである。これにより、プリントヘッド14のノズルのインク乾燥が抑制される。加湿部20の加湿方式は、気化式、水噴霧式、蒸気式などの方式が採用される。気化式には、本実施形態の回転式の他に、透湿膜式、滴下浸透式、毛細管式などがある。水噴霧式には、超音波式、遠心式、高圧スプレー式、2流体噴霧式などがある。蒸気式には、蒸気配管式、電熱式、電極式などがある。加湿部20とプリント部4は第1ダクト21で接続され、更に加湿部20と乾燥部8は第2ダクト22で接続されている。乾燥部8ではシートを乾燥させる際に多湿且つ高温の気体が生成される。この気体は第2ダクト22を通して加湿部20に導入されて、加湿部20での加湿気体生成の補助エネルギとして利用される。そして、加湿部20で生成された加湿気体は第1ダクト21を通してプリント部に導入される。
制御部13は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、記憶装置、各種制御部を備えたコントローラ(制御部)、外部インターフェース、およびユーザが入出力を行なう操作部15を有する。プリント装置の動作は、コントローラまたはコントローラに外部インターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等のホスト装置16からの指令に基づいて制御される。
図2は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ(破線で囲まれる範囲)は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)はプリント装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202はCPU201が実行するためのプログラムやプリント装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203はCPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)はCPU201が実行するためのプログラム、プリントデータ、プリント装置の各種動作に必要な設定情報を記憶読出することが可能である。操作部15はユーザとの入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。例えば、タッチパネル付きのディスプレイが用いられ、装置の動作ステータス、プリント状況、メンテナンス情報(インク残量、シート残量、メンテナンスステータスなど)等がユーザに対して表示される。ユーザはタッチパネルから各種の情報入力を行なうことができる。
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、プリント装置で扱うプリントデータの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られたプリントデータは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいてプリントデータに応じてプリント部4のプリントヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は更にプリント装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、加湿部20の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて個別ユニット制御部209によりそれぞれのユニットの動作が制御される。外部インターフェース205は、コントローラをホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
ホスト装置16は、プリント装置にプリントを行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、プリント装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリントは、片面プリントモードと両面プリントモードとでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
図3は片面プリントモードでの動作を説明するための図である。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面(第1面)のプリントがなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次プリントして複数の画像を並べて形成していく。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において単位画像ごとに切断される。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面にプリント情報が記録される。そして、カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。一方、最後の単位画像の切断でプリント部4の側に残されたシートはシート供給部1に送り戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。このように、片面プリントにおいては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。
図4は両面プリントモードでの動作を説明するための図である。両面プリントでは、表(おもて)面(第1面)プリントシーケンスに次いで裏面(第2面)プリントシーケンスを実行する。最初の表面プリントシーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面プリントの動作と同じである。カッタ部6では切断動作は行わずに、連続シートのまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、反転部9の側の経路(第2経路)にシートが導びかれる。第2経路においてシートは、順方向(図面では反時計回り方向)に回転する反転部9の巻取回転体に巻き取られていく。プリント部4において、予定された表面のプリントが全て終了すると、カッタ部6にて連続シートのプリント領域の後端が切断される。切断位置を基準に、搬送方向下流側(プリントされた側)の連続シートは乾燥部8を経て反転部9でシート後端(切断位置)まで全て巻き取られる。一方、この巻取りと同時に、切断位置よりも搬送方向上流側(プリント部4の側)に残された連続シートは、シート先端(切断位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1に巻き戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻しによって、以下の裏面プリントシーケンスで再び供給されるシートとの衝突が避けられる。
上述の表面プリントシーケンスの後に、裏面プリントシーケンスに切り替わる。反転部9の巻取回転体が巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与されたカールの矯正がなされる。つまり、デカール部2は第1経路においてシート供給部1とプリント部4の間、ならびに第2経路において反転部9とプリント部4の間に設けられて、いずれの経路においてもデカールの働きをする共通のユニットとなっている。シートの表裏が反転したシートは、斜行矯正部3を経て、プリント部4に送られて、シートの裏面にプリントが行なわれる。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において予め設定されている所定の単位長さ毎に切断される。カットシートは両面にプリントされているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。このように、両面プリントにおいてはシートは第1経路、第2経路、第1経路、第3経路の順に通過して処理される。
次に、上述の構成のプリンタにおけるプリント部4についてさらに詳しく説明する。図5はプリント部4の構成図である。プリント部4において、シートSは第1ローラ対、第2ローラ対、第3ローラ対の3種類のローラ対で図中の矢印A方向に搬送される。第1ローラ対は、駆動力を持つ搬送ローラ101と従動回転するピンチローラ102からなるローラ対である。第2ローラ対は、駆動力を持つ複数の搬送ローラ103a〜103gと、従動回転する複数のピンチローラ104a〜104gからなる各ローラ対(7組)を指す。第3ローラ対は、駆動力を持つ搬送ローラ105と従動回転するピンチローラ106からなるローラ対である。搬送ローラ101には、ローラの回転状態を検出するためのロータリエンコーダ109が設けられている。
第1搬送ローラ対の下流のプリント領域110には、各色に対応した7つのライン型プリントヘッド14a〜14gがシート搬送方向に沿って並べられている。ライン型プリントヘッド14a〜14gとピンチローラ104a〜104gは1つずつ交互に配置されている。プリントヘッド14a〜14gのそれぞれに対向した位置には、プラテン112a〜112gが設けられ、シートSを支持するようになっている。プリントヘッド14a〜14gの対向位置それぞれにおいて、シートSは上流下流の両側がローラ対でニップされ且つプラテンで支持されるのでシート搬送の挙動が安定する。特に最初にシートが導入される際には、シート先端が短い周期で複数のニップ位置を通過していくので、シート先端の浮きが抑制され安定したシート導入がなされる。
ダイレクトセンサ108はシート面を直接計測することでシートの移動状態(移動速度または移動距離)に関する情報をシートからダイレクトに取得する非接触型光学センサである。第1ローラ対のニップ位置と第3ローラ対のニップ位置の間が計測位置111となっている。ダイレクトセンサ108は計測位置111でシート面を計測することでシートの移動状態に関する情報を取得する。本例では、ダイレクトセンサ108はレーザドップラ式センサである。レーザドップラ式センサは移動面にレーザを照射してドップラシフトを捉えて移動速度や移動距離を計測する速度センサである。レーザドップラ式センサのより詳細な構成の計測原理については、上述の特許文献1(特開2009−6655号公報)やその他文献でも広く知られているのでここでは説明を省略する。
計測位置111において、シートSを挟んでダイレクトセンサ108と対向する位置には、マーク読取器122が設けられている。マーク読取器122は、ダイレクトセンサ108によるシートSの計測位置の裏側からシートSの第1面に形成されたマーク読み取る。マーク読取器122は、シート面を照明する光源(例えば白色LED)と、照明されたシート面で反射される光をRGB成分ごとに検出するフォトダイオードあるいはイメージセンサ等の受光器を有する。受光器の信号レベルの変化あるいは撮像データの画像解析によってマークを読み取ることができる。マーク読取器122は上述した両面プリントモードの裏面プリントの際に、シートSの第1面に形成された画像位置を示すマークを読み取って裏面画像を位置合わせするために用いられる。
ダイレクトセンサ108は、原理上、シートSの表面(第1面)、裏面(第2面)のどちらからでもシートSの移動状態を計測することができる。これに対して、マーク読取器122はシートの裏面側からシートSを読み取る必要がある。マーク読取器122を裏面側に配置したことに伴なって、対向するダイレクトセンサ108はシートSの表面側に配置している。このため、シート搬送方向Aにおける第1ローラ対と第3ローラ対の間の距離を増大させないで済む。なお、ダイレクトセンサ108はシートSの裏面側に配置してもよい。この場合は、シート搬送方向Aと交差するシート幅方向(紙面垂直方向)にダイレクトセンサ108とマーク読取器122を並べて配置すれば、第1ローラ対と第3ローラ対の間の距離を増大させずに済む。ダイレクトセンサ108とマーク読取器122の両方を裏面側に配置すれば、プリント中にプリントヘッド14から発生するインクミストがシートSで遮られるので、センサへのインクミスト付着による検出性能の劣化が抑止されるという効果も期待できる。
プリント部4において、第3搬送ローラ対のさらに上流には噴出口25が設けられている。噴出口25は、加湿部20で生成され第1ダクト21を通してプリント部4に導入される加湿気体の導入口である。噴出口25から噴出された加湿気体は、プリントヘッド14とシートSの間に上流から下流に向けて流れることで、プリントヘッド14のノズルのインク乾燥が抑制される。
図6は、ダイレクトセンサ108、マーク読取器122、第1ローラ対、噴出口25、最上流のプリントヘッド14aの位置関係を示す上面図である。ダイレクトセンサ108はシート幅方向に沿って2つ設けられている。上方から見たとき、2つのダイレクトセンサ108の間にマーク読取器122が位置している。ダイレクトセンサ108をシート幅方向に2つ設けたことで、搬送されるシートSの搬送速度が2箇所の計測位置で異なる(スキューの動きがある)場合でも、シートの挙動を正確に計測することができる。更に、一方のダイレクトセンサ108が計測不能になったとしても、もう一方のセンサでバックアップすることができるので信頼性が向上する。なお、ダイレクトセンサ108の個数は3つ以上にしてもよいし、1つだけにしてもよい。
搬送ローラ101に当接するピンチローラ102、ならびに搬送ローラ105に当接するピンチローラ106は、ともにシート幅方向に沿って複数の小ローラに分割されている。そのため、図6の矢印に示すように、噴出口25から導入された加湿気体は、隣り合う小ローラ同士の隙間およびピンチローラの外側を流れて、最上流のプリントヘッド14aとシートSの隙間に到達する。そして、加湿気体は全てのプリントヘッド14a〜14gとシートSの隙間を上流から下流に流れる。ピンチローラ104a〜104gも同様にシート幅方向に沿って複数の小ローラに分割されており、隣り合う小ローラ同士の隙間を流れていく。
図5に戻って、シート供給部1から供給されたシートSは、第3ローラ対、第1ローラ対、第2ローラ対の順にそれぞれ所定のニップ位置でニップされて搬送される。第1ローラ対から第3ローラ対までの搬送経路は直線である。なお、ここでいう直線とは厳密な直線に限定されずほぼ直線である形態も含まれる。
各ローラ対がシートを搬送する搬送力については、次の式1の関係を満たすよう設定されている。
第1ローラ対>第2ローラ対>第3ローラ対 (式1)
ローラ対の搬送力はピンチローラのニップ力により決定される。これはニップ力が大きいほどシートとローラ表面の間のスリップが生じ難くなるためである。ニップ力はピンチローラを搬送ローラに対して押圧するバネのバネ圧により決定される。本例では、第1ローラ対のピンチローラ102のバネ圧20kgf、第2ローラ対のピンチローラ104a〜104gの7本トータルのバネ圧4kgf、第3ローラ対のピンチローラ106のバネ圧1kgfとする。このような関係にすることにより、シート搬送精度に関して、第1ローラ対の支配力が最も大きくなるので、各ローラの中で第1ローラ対の搬送制御の精度向上に注力すれば全体としてのシート搬送精度が向上する。
各ローラ対の搬送速度(搬送ローラの周速度)については、次の式2の関係を満たすよう設定されている。
第2ローラ対>第1ローラ対>第3ローラ対 (式2)
第3ローラ対の搬送ローラ105には、同軸上にトルクリミッタが設けられている。トルクリミッタは所定の設定値以上の回転トルクがかかると滑りが生じて力の伝達を制限するものである。搬送ローラ105は搬送ローラ101よりも搬送速度が僅かに小さいので、搬送時には搬送ローラ105のトルクリミッタが作動して、搬送ローラ105が僅かに減速する。そのため、搬送ローラ105に若干の偏心やローラ形状の不均一があっても、全体としてのシート搬送精度にはほとんど影響を与えない。
以上のような搬送力(式1)と搬送速度(式2)の関係により、メインの搬送手段である第1ローラ対のニップ位置(搬送ローラ101とシートSの間)ではほとんどスリップが生じない。第2ローラ対の各ニップ位置(搬送ローラ103a〜103gとシートSの間)では速度差によるスリップを生じる。第3ローラ対のニップ位置(搬送ローラ105とシートSの間)では速度差によるスリップを生じ、且つ、搬送ローラ105はトルクリミッタが作動する。以上の関係を満たすことで、第1ローラ対が全体としての搬送速度を決定づける。また、シートSはいずれのローラ対の間においても弱いテンションが付与され、局所的なシートの浮きが生じることが抑止される。そのため、プリント領域110においては各プリントヘッド14とシートSの距離が一定に保たれて高いプリント精度が維持される。また、ダイレクトセンサ108の計測位置111でも、ダイレクトセンサ108とシートSの距離が一定に保たれて高い計測精度が維持される。
制御部13のコントローラは、ダイレクトセンサ108で計測して取得されたシート搬送状態に関する情報に基づいて、各プリントヘッド14a〜14gそれぞれのノズルのインク吐出タイミング(駆動制御タイミング)を制御する。インク吐出タイミングは、基本的には搬送ローラ101に設けられたロータリエンコーダ109の計測値(検出パルスのカウント)に基づいて制御される。しかし、搬送ローラ101が僅かな偏芯を持っている場合や、搬送ローラ101とシートSの間で僅かなスリップが生じた場合には、ロータリエンコーダ109の計測値とシートSの搬送速度(または搬送距離)の間に誤差が生じる。ダイレクトセンサ108は、シート面の移動状態をダイレクトに計測するため、ロータリエンコーダ109よりもより高精度にシートSの搬送速度(または搬送距離)の情報を取得することができる。ダイレクトセンサ108の計測値とロータリエンコーダ109の計測値誤差の差分を求めることで、誤差の情報を得る。この誤差の情報に基づいて、ロータリエンコーダ109の計測値を補正して、各プリントヘッド14a〜14gでのインク吐出タイミング(個々のノズルに与える駆動パルスのタイミング)を制御する。こうして、搬送ローラ101による僅かな搬送誤差を、プリントヘッドによるプリント形成のタイミングの側で補正して、プリントの高品質化を実現している。
なお、プリント形成のタイミング補正と共に、もしくはプリント形成のタイミング補正は行なわずに、ダイレクトセンサ108での計測の結果を、シート搬送制御にフィードバックして搬送誤差を補正制御するようにしてもよい。シート搬補正制御は、搬送誤差を補正すべく、少なくとも第1ローラ対の搬送速度を変化させるように補正する。好ましくは第2ローラ対および第3ローラ対の搬送速度も変化させる。つまり、制御部13のコントローラは、ダイレクトセンサ108で取得した情報に基づいて、プリントヘッドの駆動制御とシートの搬送制御の少なくと一方を補正するように制御するものである。いずれの方法にせよプリントの高品質化を実現する。
また、第3ローラ対のピンチローラ106が搬送ローラ105に対して接離自在に上下できる駆動機構を設けて、ニップとニップ解除を切り換えるようにしてもよい。ダイレクトセンサ108で計測中は第3ローラ対はニップ状態を維持して不要なときはニップ解除すれば、ニップ解除した際には第3ローラ対が搬送精度に与える影響が小さくなる。
また、ダイレクトセンサ108は、レーザドップラ式センサ以外の非接触型光学センサを用いることも可能である。例えば、イメージセンサ(CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)を用いたタイプのダイレクトセンサがある。このタイプのダイレクトセンサは、固定されたイメージセンサで移動するシート面を時系列に異なるタイミングで撮像して複数の画像データを取得する。そして、パターンマッチング等の手法により画像データ同士を比較処理することでシートの移動状態(移動距離、移動速度)を取得する。
ダイレクトセンサ108の更に別の形態として、センサ表面がシートSの表面に物理的に接触する接触型ダイレクトセンサであってもよい。図7はその一例の構成を示す。シート面に接触してシートSの移動に伴なって従動回転する読取ローラ120と、読取ローラ120の回転を検出するロータリエンコーダ121からなるダイレクトセンサである。
以上の実施形態においては、プリント部4では、各色のライン型プリントヘッドに対応して第2のローラ対を設けているが、この構成以外も可能である。例えば、図8に示すように、第2とローラ対(搬送ローラ103、ピンチローラ104)を最下流のプリントヘッド14gの下流側に1つだけにしてもよい。単一のプラテン112は複数のプリントヘッド14a〜14gに共通のものとなっている。あるいは、複数のプリントヘッドを複数のグループに分けて、各グループごとに第2ローラ対を設けるようにしてもよい。この構成の場合も、上述した搬送量(式1)と搬送速度(式2)の関係を満たすようにする。
また、プリントヘッド14を、ライン型プリントヘッドに代えて、図9に示すように、シリアル型プリントヘッドとしてもよい。シリアル型のプリントヘッド14aは、キャリッジに搭載され、シート搬送方向Aと交差する方向(図の紙面垂直方向)に往復移動する。単一のプリントヘッド14aには複数色に対応した複数のノズル列が形成されている。プリントヘッド14aの下流側に単一の第2ローラ対(搬送ローラ103、ピンチローラ104)が設けられた構成となっている。この構成の場合も、上述した搬送量(式1)と搬送速度(式2)の関係を満たすようにする。
以上説明した実施形態のプリント装置は、プリントヘッドの上流側でシートをニップする第1ローラ対と、プリントヘッドの下流側でシートをニップする第2ローラ対と、第1ローラ対の上流側でシートをニップする第3ローラ対を備える。そして、第1ローラ対のニップ位置と第3ローラ対のニップ位置の間の計測位置でシート面を計測するダイレクトセンサを設けた配置関係としている。この構成により以下に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)第1ローラ対とプリントヘッドとの間の距離を小さくすることができる。そのため、シートを導入した際に第1ローラ対からプリントヘッドに到る間にシート先端部が浮き上がって、最上流のプリントヘッドのノズルとシート先端が接触する可能性を小さくすることができる。
(2)ダイレクトセンサとプリントヘッドの間の距離が大きいので、シートがダイレクトセンサの計測位置から最上流のプリントヘッドに至るまでに、ダイレクトセンサでの計算を済ませてインク吐出タイミングを制御するための十分な時間を稼ぐことができる。言い換えれば、シートの搬送速度をより大きくしてプリント速度を向上させることができる。
(3)ダイレクトセンサとプリントヘッドの間の距離が大きく、且つ第1ローラ対が間に配置されているので、プリント直後にシートがインクを吸収する際に発生するコックリングが、計測位置にまで影響を及ぼすことを防止している。
以上(1)〜(3)により、シート搬送の高速化とダイレクトセンサの計測精度を高レベルで両立させること、言い換えるとプリントスループットとプリント品質を高い次元で両立したプリント装置の提供される。さらに加えて、以下に列挙する作用効果を得ることができる。
(4)ダイレクトセンサ108とプリントヘッド14の間の距離が大きく、且つ両者の間に第1ローラ対が遮蔽物として配置されているので、プリントヘッドからインクを吐出した際に発生して飛散するインクミストがダイレクトセンサに付着することを軽減している。このため、長期間に渡る稼動でもダイレクトセンサは高い計測精度を維持することでき、高いプリント品質を維持することができる。
(5)加湿部20で生成された気体が、プリントヘッドとシートの隙間に上流から下流に向けて流される。その気流に抗して、インクミストがダイレクトセンサの側に飛散する可能性は小さく、インクミストがダイレクトセンサに付着することをより軽減している。
(6)ダイレクトセンサ108とマーク読取器122がシートを挟んで対向して配置されているので、計測位置111を有効に活用してコンパクトな装置構成で、シートから2種類の情報(移動情報、表面画像の位置情報)を取得することができる。コンパクトな構成で両面プリントが行なえるプリント装置が実現する。
4 プリント部
13 制御部
101 搬送ローラ
102 ピンチローラ
103 搬送ローラ
104 ピンチローラ
105 搬送ローラ
106 ピンチローラ
108 ダイレクトセンサ
122 マーク読取器

Claims (13)

  1. シートの第1面と第2面に両面プリントを行なうことが可能なプリント装置であって、
    連続したシートを保持して供給するためのシート供給部と、
    インクジェット方式のプリントヘッドを備えたプリント部と、
    シートの表裏を反転させる反転部と、
    を備え、両面プリントにおいては、前記シート供給部から供給されたシートは前記プリント部において前記第1面に複数の画像が順次プリントされ、プリントされたシートは前記反転部に導かれ、次いで前記反転部から再び前記プリント部に供給される表裏が反転したシートは前記プリント部において前記第2面に複数の画像が順次プリントされるものであり、
    前記プリントヘッドの近傍には、
    前記プリントヘッドの上流側でシートをニップしてシートを搬送する第1ローラ対と、
    前記プリントヘッドの下流側でシートをニップしてシートを搬送する第2ローラ対と、
    前記第1ローラ対の上流側でシートをニップしてシートを搬送する第3ローラ対と、
    前記第1ローラ対のニップ位置と前記第3ローラ対のニップ位置の間、シート面を計測することでシートの移動速度に関する情報を取得するダイレクトセンサと、
    前記第1面に複数の画像と共に前記プリント部で形成されたマークを、前記第2面へのプリントの際に、前記第1ローラ対のニップ位置と前記第3ローラ対のニップ位置の間で読み取るマーク読取器と、
    が設けられており、
    前記ダイレクトセンサで取得した前記情報に基づいて、前記プリントヘッドの駆動制御シートの搬送制御の少なくと一方補正されるともに、前記マーク読取器での読み取りの結果に基づいて、前記第1面にプリントされた複数の画像それぞれに位置合わせして前記第2面に複数の画像がプリントされることを特徴とするプリント装置。
  2. 前記プリントヘッドはインクジェット方式のライン型プリントヘッドがシート搬送方向に沿って複数並べられたものであり、記ダイレクトセンサでの計測に基づいて複数の前記プリントヘッドそれぞれの駆動制御タイミング制御されることを特徴とする、請求項1記載のプリント装置。
  3. 複数の前記プリントヘッドにそれぞれ対応して、前記第2ローラ対が設けられていることを特徴とする、請求項2記載のプリント装置。
  4. 前記プリント部よりも下流でシートを切断するカッタと、
    前記カッタを通過したシートを排出する排出部と、をさらに有し、
    前記両面プリントにおいては、前記第1面に複数の画像が順次プリントされたシートはその後端が前記カッタで切断されて前記反転部に一時的に収納されその後、前記プリント部において前記第2面に複数の画像が順次プリントされたシートは前記カッタで画像ごとに切断されて前記排出部に排出される
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置。
  5. 前記反転部はシートを巻き取る巻取回転体を有し、前記両面プリントにおいては、前記第1面に複数の画像が順次プリントされたシートは前記巻取回転体に一時的に巻き取られ、その後、前記巻取回転体が逆回転して前記一時的に巻き取られたシートが再び前記プリント部に供給されて前記第2面に複数の画像が順次プリントされることを特徴とする、請求項4記載のプリント装置。
  6. 前記ダイレクトセンサはシートの表面側に配置され、前記マーク読取器はシートの裏面側に配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか記載のプリント装置。
  7. 前記ダイレクトセンサと前記マーク読取器は共にシートの裏面側に配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか記載のプリント装置。
  8. 前記ダイレクトセンサはレーザドップラ式センサであることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載のプリント装置。
  9. 前記第1ローラ対、前記第2ローラ対、前記第3ローラ対はいずれも駆動力が与えられ、
    シートを搬送する搬送力については、前記第1ローラ対>前記第2ローラ対>前記第3ローラ対の関係を満たし、且つ、
    搬送速度については、前記第2ローラ対>前記第1ローラ対>前記第3ローラ対の関係を満たす
    ことを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載のプリント装置。
  10. 前記第3ローラ対にはトルクリミッタが設けられていることを特徴とする請求項記載のプリント装置。
  11. 前記プリントヘッドとシートの隙間に上流から下流に向けて気体を流す手段を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のプリント装置。
  12. 加湿気体を生成する手段と、前記第3ローラ対のニップ位置の上流から前記加湿気体を導入する噴出口を有し、導入された前記加湿気体は、前記第3ローラ対、前記第1ローラ対を流れて前記プリントヘッドとシートとの隙間に達し、前記第2ローラ対のニップ位置まで流れることを特徴とする、請求項11記載のプリント装置。
  13. 前記第3ローラ対はニップの解除が可能であり、少なくとも前記ダイレクトセンサで計測中は前記第3ローラ対はニップ状態を維持することを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のプリント装置。
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