JP5052486B2 - 吸着材 - Google Patents

吸着材

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Description

本発明は、吸着ヒートポンプ用吸着材およびこれを用いた吸着ヒートポンプに関し、更に詳しくは、自動車等から得られる熱源を利用して効率的な吸脱着を実現できる吸着ヒートポンプ用吸着材、およびこれを用いた吸着ヒートポンプに関するものである。

吸着ヒートポンプは、ビル、工場等に設置され、それらから排出される廃熱や温熱等を利用したエネルギー資源の有効利用を図るものとして使用されている。また、住宅や車両にも適応が検討されている。こうした吸着ヒートポンプにおいては、吸着材を加熱して水等の吸着物質を吸着材から脱着させる脱着プロセスと、吸着物質を脱着させた後の吸着材を冷却して吸着物質を吸着材に吸着させる吸着プロセスとが繰り返されて動作する。そうした脱着プロセスと吸着プロセスとが効率的に繰り返されるためには、吸着物質を吸脱着する吸着材が、供給される熱源に応じた吸着特性を有することが必要となる。

一般に、コジェネレーション機器、燃料電池、自動車エンジン等の冷却水や太陽熱等により得られる熱は、120℃以下、多くは105℃以下、より多くは60〜100℃程度の比較的低温であるため、そうした低温廃熱でも効率的に吸脱着する吸着材の開発が求められている。

中でも、廃熱が多量に発生し、エアコンを使用することで燃費がさらに低下する問題を抱える自動車では、そうした吸着材を備えたコンパクトな吸着ヒートポンプの実用化が強く求められている。
特開平9−178292号公報

しかしながら、吸着ヒートポンプ用吸着材として従来より検討されているY型ゼオライトは相対蒸気圧がほぼ0に近い値であっても吸着物質を吸着するので、吸着物質を脱着させるには、相対蒸気圧をほぼ0にするために150℃〜200℃以上の高温が必要となる。したがって、Y型ゼオライトは、上述した低温廃熱を利用した吸着ヒートポンプに用いることが難しいという問題がある。

同様に検討されているA型シリカゲルは低い相対蒸気圧での吸着特性が充分でなく、また、界面活性剤のミセル構造を鋳型として合成したメソポーラスシリカ(FSM−10など)(上記特許文献1を参照。)は低い相対蒸気圧で吸着しないので、上述したコジェネレーション機器、燃料電池、自動車エンジン等の冷却水や太陽熱等により得られる熱を利用した吸着ヒートポンプを構成できないという問題がある。

さらに、従来の吸着材の中でもメソポーラスシリカは、その吸着特性の改善の要求のみならず、その構造が壊れやすく、しかも工業的に製造しにくくコストがかさむという問題も指摘されていた。Y型ゼオライトやA型シリカゲルは低コストで壊れにくいが性能が不十分である。

本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、自動車等から得られる熱源を利用して効率的な吸脱着を実現できる吸着ヒートポンプ用吸着材、およびこれを用いた吸着ヒートポンプを提供することにある。

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、相対蒸気圧(相対湿度と同義。以下同じ。)と吸着量との間に特定の関係が成り立つ吸着材が、吸着ヒートポンプ、特に車両に搭載される吸着ヒートポンプに用いる吸着材として有利であることを見出して本発明に到達した。

上記課題を解決する本発明の吸着ヒートポンプは、吸着物質と、吸着物質を吸脱着する吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結され、前記吸着物質の蒸発を行う蒸発部と、前記吸脱着部に連結され、前記吸着物質の凝縮を行う凝縮部とを備え、前記吸着物質の蒸発を行って前記吸着材に吸着させるときの該吸着材の温度が30〜60℃である吸着ヒートポンプであって
前記吸着材がゼオライト該ゼオライトが結晶性アルミノフォスフェートであり、フレームワーク密度が10T/nm以上18T/nm以下であり、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.12g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上、0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有することを特徴とする

この吸着ヒートポンプによれば、上記の吸脱着特性を有する吸着材を備えるので、多量に発生する廃熱の有効利用やエアコン駆動に基づく燃費低下の改善を課題とする自動車等に搭載される吸着ヒートポンプとして、極めて適している。

この吸着ヒートポンプにおいて、(1)前記該ゼオライトが結晶性鉄アルミノフォスフェートであること、(2)前記結晶性鉄アルミノフォスフェートが、X線波長1.5418ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも、9.5±0.3、10.1±0.3、12.8±0.3、19.5±0.3、20.4±0.3、24.3±0.3および30.7±0.4の回折角(2θ)に回折ピークが現れること、(3)前記ゼオライトが結晶性シリコンアルミノフォスフェートであること、(4)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上0.4g/g以下であることが好ましい。

上記課題を解決する本発明の吸着材の第1の特徴は、吸着物質と、該吸着物質を吸脱着する吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結され、前記吸着物質の蒸発を行う蒸発部と、前記吸脱着部に連結され、前記吸着物質の凝縮を行う凝縮部とを備え、前記吸着物質の蒸発を行って前記吸着材に吸着させるときの該吸着材の温度が30〜60℃である、上述した吸着ヒートポンプに使用するための吸着材であって
前記吸着材がゼオライト該ゼオライトが結晶性アルミノフォスフェートであり、フレームワーク密度が10T/nm以上18T/nm以下であり、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.12g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有することを特徴とする

この吸着材において、(1)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上0.4g/g以下であること、(2)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.05g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.2g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.12g/g以上であること、(3)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.07での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上であること、の何れかであることが好ましい。

また、この吸着材において、
(i)骨格構造内に少なくともFe、AlおよびPを含有する結晶性鉄アルミノフォスフェートであって、そのフレームワーク密度が10T/nm以上16T/nm以下であること、
(ii)前記結晶性鉄アルミノフォスフェートが、X線波長1.5418ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも、9.5±0.3、10.1±0.3、12.8±0.3、19.5±0.3、20.4±0.3、24.3±0.3および30.7±0.4の回折角(2θ)に回折ピークが現れること、
(iii)前記Fe、AlおよびPが、下記式1〜3のモル比で骨格構造を構成していること、
0.001≦x≦0.3 …1
(xは、Fe、AlおよびPの合計に対するFeのモル比を示す)
0.2≦y≦0.6 …2
(yは、Fe、AlおよびPの合計に対するAlのモル比を示す)
0.3≦z≦0.6 …3
(zは、Fe、AlおよびPの合計に対するPのモル比を示す)、
(iv)骨格構造内に少なくともSi、AlおよびPを含有する結晶性シリコンアルミノフォスフェートであって、該結晶性シリコンアルミノフォスフェートは、Si、AlおよびPの合計に対するSiのモル比率が9%より大きく、フレームワーク密度が10T/nm以上16T/nm以下であること、
(v)前記Si、AlおよびPが、下記式4〜6のモル比で骨格構造を構成していること、
0.09<p≦0.30 …4
(pは、Si、AlおよびPの合計に対するSiのモル比を示す)
0.30≦q≦0.60 …5
(qは、Si、AlおよびPの合計に対するAlのモル比を示す)
0.30≦r≦0.60 …6
(rは、Si、AlおよびPの合計に対するPのモル比を示す)
の何れかであることが好ましい。

上述した特徴を有する本発明の吸着材によれば、前記吸着材が、55℃で測定された吸着等温線において、(a)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.12g/g以下であるので、そうした相対蒸気圧の条件下で優れた脱着性能を示す。このような相対蒸気圧条件は、脱着温度としては比較的低温の加熱温度条件によりもたらされるので、例えばジェネレーション機器、燃料電池、自動車エンジン等の廃熱を利用した100〜120℃以下程度の比較的低温の加熱温度条件下であっても、吸着物質を吸着材から良好且つ効率的に脱着させることができる。さらに、(b)相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上0.4g/g以下であるので、そうした相対蒸気圧の条件下で優れた吸着性能を示す。このような相対蒸気圧条件は、吸着温度としては比較的高温の温度条件によりもたらされるので、例えば自動車のラジエター等で得られる30〜60℃程度の冷却水を利用した比較的高温の冷却温度条件下であっても、吸着物質を吸着材に良好且つ効率的に吸着させることができる。さらに、(c)相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上と大きいので、加熱して脱着させる温度と冷却して吸着させる温度の差が小さくても、良好且つ効率的な吸着/脱着サイクルを達成できる。その結果、例えば自動車等のように、100〜120℃以下程度の加熱温度と、30〜60℃程度の冷却温度とからなるわずかな温度差の吸着ヒートポンプシステムに適用することができる。以上、本発明の吸着材は、こうした吸脱着特性を有するので、多量に発生する廃熱の有効利用やエアコン駆動に基づく燃費低下の改善を課題とする自動車用吸着ヒートポンプ等に、好ましく適用することができる。

上記課題を解決する本発明の吸着材の第2の特徴は、骨格構造内に少なくともFe、AlおよびPを含有する結晶性鉄アルミノフォスフェートであって、当該結晶性鉄アルミノフォスフェートは、X線波長1.5418ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも、9.5±0.3、10.1±0.3、12.8±0.3、19.5±0.3、20.4±0.3、24.3±0.3および30.7±0.4の回折角(2θ)に回折ピークが現れること、にある。

この吸着材において、回折角(2θ)10.1±0.3で現れるピーク強度が、回折角(2θ)9.5±0.3で現れるピーク強度の10%以上であることが好ましく、回折角(2θ)19.5±0.3で現れるピーク強度が、回折角(2θ)9.5±0.3で現れるピーク強度の10%以上であることがより好ましい。

さらに、こうした吸着材のフレームワーク密度が10T/nm以上18T/nm以下であり、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.12g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有することが好ましく、さらに(1)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上であること、(2)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.05g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.2g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.12g/g以上であること、(3)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.0g/g以上0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.07での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上であること、の何れかであることが好ましい。

以上、第1、第2の特徴を有する吸着材は、その吸脱着特性が、比較的低温の加熱温度条件下での脱着性能に優れ、比較的高温の冷却温度条件下での吸着性能に優れ、さらに、その加熱温度と冷却温度の差が小さくても十分な吸着量差があるので、良好且つ効率的な吸着/脱着サイクルを達成できる。その結果、多量に発生する廃熱の有効利用やエアコン駆動に基づく燃費低下の改善を課題とする自動車用吸着ヒートポンプ用等に、好ましく適用することができる。

本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材によれば、その吸脱着特性が、比較的低温の加熱温度条件下での脱着性能に優れ、比較的高温の冷却温度条件下での吸着性能に優れ、さらに、その加熱温度と冷却温度の差が小さくても十分な吸着量差があるので、良好且つ効率的な吸着/脱着サイクルを達成できる。その結果、多量に発生する廃熱の有効利用やエアコン駆動に基づく燃費低下の改善を課題とする自動車用吸着ヒートポンプ用等に、好ましく適用することができる。

また、本発明の吸着ヒートポンプによれば、上記の吸脱着特性を有する吸着材を備えるので、多量に発生する廃熱の有効利用やエアコン駆動に基づく燃費低下の改善を課題とする自動車等に搭載される吸着ヒートポンプとして、極めて適している。

以下、本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材およびそれを用いた吸着ヒートポンプについて、図面を参照しつつ説明する。

(吸着ヒートポンプの構成)
先ず、本発明の吸着材が適用される吸着ヒートポンプについて説明する。図1は、吸着ヒートポンプの一例を示す概念図である。

吸着ヒートポンプは、吸着物質と、吸着物質を吸脱着する吸着材と、吸着材が充填され且つ吸着物質の吸脱着により発生した熱を熱媒に伝達する吸脱着部(吸着塔1、2ともいう)と、吸着物質の蒸発により得られた冷熱を外部へ取り出す蒸発部(蒸発器4ともいう)と、吸着物質の凝縮により得られた温熱を外部へ放出する凝縮部(凝縮器5ともいう)とから主に構成されている。

吸着塔1、2は、その内部に熱交換器を収納している。そして、吸着材は、その熱交換器の表面に接着し、さらに充填塔内に充填されている。この吸着塔1、2では、そこに供給される熱源(冷却水/冷却水)により吸着/脱着が選択的に起こり、熱に基づく発熱反応や吸熱反応を起こしている。吸着塔1と吸着塔2は、吸着物質配管30により相互に接続され、その配管途中には、制御バルブ31〜34が設けられている。その配管30内では、吸着物質の蒸気または蒸気と液体との混合物として存在している。

蒸発器4と凝縮器5は、吸着物質配管30を介して、吸着塔1、2に接続されている。配置態様としては、図1に示すように、蒸発器4と凝縮器5との間に並列態様となるように配置されている。

凝縮器5には、吸着材から脱離した気体状(例えば水蒸気)の吸着物質が吸着塔1、2から導入される。凝縮器5は、熱交換器を備え、その気体状の吸着物質を凝縮する。その熱交換器には、外気等で冷却された熱媒体(例えば、ラジエターで冷却された冷却水など)が供給される。凝縮器5で凝縮された吸着物質(例えば、再生された凝縮水)は、戻し配管3により蒸発器4に送られる。

蒸発器4は、凝縮された吸着物質を蒸発させるための装置である。蒸発器4の内部は略真空に保たれた状態で冷媒(例えば、水)が封入され、さらに熱交換器を備えている。その熱交換器により、例えば室内器300にて室内に吹き出すエアコン空気と熱交換した熱媒体(例えば、水にエチレングリコール系の不凍液を混合した流体など)と、上記の冷媒とが熱交換される。なお、符号41は、蒸発器4からの冷房出力となる冷水の入口、符号51は、凝縮器5に対する冷却水の入口である。符号42および52は、それぞれ冷水および冷却水の出口である。また、冷水配管41および42には、室内空間(空調空間)と熱交換するための室内機300と、冷水を循環するポンプ301が接続されている。

また、吸着塔1には熱媒配管11が、吸着塔2には熱媒配管21がそれぞれ接続され、その熱媒配管11および21には、それぞれ切り替えバルブ115および116並びに215および216が設けられている。また、熱媒配管11および21には、それぞれ吸着塔1および2内の吸着材を加熱または冷却するための加熱源または冷却源となる熱媒が流れる。熱媒は、特に限定されず、吸着塔内の吸着材を有効に加熱・冷却できればよい。

温水は、切り替えバルブ115、116、215、および216の開閉により、入口113および/または213より導入され、各吸着塔1および/または2を通過し、出口114および/または21、4より導出される。冷却水も同様の切り替えバルブ115、116、215、および216の開閉により、入口111および/または211より導入され、各吸着器1および/または2を通過し、出口112および/または212より導出される。また、熱媒配管11および/または21には、図示しないが、外気と熱交換可能に配設された室外機、温水を発生する熱温熱媒を循環するポンプが接続されている。熱源としては特に限定されず、例えば自動車エンジン、ガスエンジンやガスタービンなどのコジェネレーション機器および燃料電池などが挙げられ、また、自動車用として用いる時には、自動車エンジン、自動車用燃料電池が好ましい熱源の例として挙げられる。

なお、こうした構成の吸着ヒートポンプを操作する場合には、運転に必要な吸脱着量が得られるように環境温度における吸着等温線から操作条件を求め、通常は装置を運転する上で最大の吸脱着量が得られるように操作条件を決定する。

(吸着ヒートポンプの運転方法)
次に、吸着式ヒートポンプの運転方法について説明する。

第1行程では、制御バルブ31および34を閉鎖し、制御バルブ32および33を解放し、吸着塔1においては脱着工程(再生工程)を、吸着塔2において吸着工程を行う。また、切り替えバルブ115、116、215および216を操作し、熱媒パイプ11には温水を流通させ、熱媒パイプ21には冷却水を流通させる。

吸着塔2を冷却する際には、冷却塔等の熱交換器により外気や河川水等と熱交換して冷やされた冷却水が熱媒パイプ21を通して導入される。その冷却水は、通常30〜40℃程度に冷却される。また、制御バルブ32の開操作により蒸発器4内の水は蒸発し、水蒸気となって吸着塔2に流れ込み、吸着材に吸着される。蒸発温度での飽和蒸気圧と吸着材温度(一般的には30〜60℃、好ましくは35〜55℃、更に好ましくは40〜50℃)に対応した吸着平衡圧との差により水蒸気移動が行われ、蒸発器4においては蒸発の気化熱に対応した冷熱、即ち冷房出力が得られる。吸着塔の冷却水の温度と蒸発器で生成する冷水温度との関係から、吸着側相対蒸気圧φ2(ここでφ2は、後述するが、蒸発器で生成する冷水温度における吸着物質の平衡蒸気圧を、吸着塔の冷却水の温度における吸着物質の平衡蒸気圧で除すことにより求められる。)が決定される。本発明においては、その吸着側相対蒸気圧φ2は、0.1である。

脱着(再生)工程にある吸着塔1は、通常80〜120℃、好ましくは90〜110℃、更に好ましくは95〜105℃の温水により加熱され、その温度範囲に対応した平衡蒸気圧になり、凝縮器5の凝縮温度30〜60℃(これは凝縮器を冷却している冷却水の温度に等しい)での飽和蒸気圧で凝縮される。吸着塔1から凝縮器5へ水蒸気が移動し、凝縮されて水となる。水は戻し配管3により蒸発器4へ戻される。凝縮器5の冷却水の温度と温水の温度との関係から脱着側相対蒸気圧φ1(ここでφ1は、後述するが、凝縮器の冷却水の温度における吸着物質の平衡蒸気圧を、温水の温度における吸着物質の平衡蒸気圧で除すことにより求められる。)が決定される。本発明においては、その脱着側相対蒸気圧φ1は、0.02である。

次に、第2行程では、吸着塔1が吸着工程となり、吸着塔2が脱着(再生)工程となるように、制御バルブ31〜34および切り替えバルブ115、116、215、および216が切り替えられる。こうした切り替え操作により、同様に蒸発器4から冷熱、即ち冷房出力を得ることができる。以上の第1および第2行程を順次切り替えることで吸着ヒートポンプは連続運転される。

なお、ここでは2基の吸着塔を設置した場合の運転方法を説明したが、吸着材が吸着した吸着物質の脱着を適宜おこなうことにより、いずれかの吸着塔が吸着物質を吸着できる状態を維持できれば吸着塔は何基設置してもよい。

本発明の吸着ヒートポンプは、吸着物質の吸脱着部を備えた従来公知の各種の空調装置、具体的には除湿空調装置(いわゆるデシカント空調装置)として利用できる。

(吸着ヒートポンプの作動原理)
こうした構成と運転方法からなる吸着ヒートポンプの作動原理等について説明する。

吸着ヒートポンプの操作蒸気圧範囲は、脱着側相対蒸気圧φ1と吸着側相対蒸気圧φ2によって決定される。φ1とφ2は、次式により算出でき、φ1aとφ2aとの間が操作可能な相対蒸気圧範囲である。

脱着側相対蒸気圧φ1=平衡蒸気圧(Tlowl)/平衡蒸気圧(Thigh)
吸着側相対蒸気圧φ2=平衡蒸気圧(Tcool)/平衡蒸気圧(Tlow2)
ここで、Thigh(高温熱源温度)は、吸着材から吸着物質を脱着して吸着材を再生する際に加熱する熱媒の温度であり、Tlow1(低温熱源温度)は、凝縮部の吸着物質の温度であり、Tlow2(低温熱源温度)は、再生後の吸着材を吸着に供する際に冷却する熱媒の温度であり、Tcool(冷熱生成温度)は、蒸発部の吸着物質の温度すなわち生成した冷熱の温度である。なお、平衡蒸気圧は、吸着物質の平衡蒸気圧曲線を用いて温度から求めることができる。

以下、吸着物質が水である場合の操作相対蒸気圧範囲を例示する。吸着側相対蒸気圧φ2は、冷熱生成温度(Tcool)が10℃の場合、低温熱源温度(Tlow2)が50℃の場合は0.10となり、55℃の場合は0.08となる。脱着側相対蒸気圧φ1は、低温熱源温度(Tlow1)が30℃の場合、高温熱源温度が120℃の場合は0.02となり、110℃の場合は0.03となる。

以上より、ガスエンジンコージェネレーション、固体高分子型燃料電池または自動車エンジンの廃熱、特に自動車エンジンの廃熱を利用して吸着式蓄冷熱装置を駆動させる蓄冷熱システムの場合、操作相対蒸気圧範囲(φ1〜φ2)は0.02〜0.10、更に好ましくは0.03〜0.08となる。

(充填される吸着材容量)
次に、吸着ヒートポンプに充填される吸着材の容量について説明する。一般的な自動車エアコンの冷房能力Rは、およそ3.0kW(=10,800kJ/hr)である。そうした冷房能力を得る吸着ヒートポンプの容量は、種々の車両のエンジンルーム調査から少なくとも15リットル以下とすることが望ましいとされている。

車両のエンジンルームに搭載する吸着ヒートポンプは、吸着塔、蒸発器、凝縮器および制御バルブ類で構成される。これらを概略一体に形成したアツセンブリを15リットル以下の容量にするためには、蒸発器と凝縮器とバルブ類の体格はおよそ4.5リットルで形成され、吸着塔本体の容量はおよそ10.5リットル以下で形成される。吸着塔内における吸着剤の充填率および吸着剤のかさ密度は通常それぞれ約30%、約0.6kg/リットルである。したがって、充填可能な吸着剤重量(W)は、10.5×30%×0.6=1.89kg程度となる。

(吸着材の吸着量差)
次に、吸着材に求められる特性、特に吸着量差について説明する。上述した吸着ヒートポンプでの冷房能力Rは、次式Aで表される。

R=(W・△Q・ηc・△H/τ)・ηh …(A)
ここで、Wは吸着塔1台(片側)に充填される吸着剤重量、△Qは吸着時と脱離時の条件における平衡吸着量振幅で前記吸着量差(Q2−Q1)、ηcは平衡吸着振幅△Qに対する切り替え時間内の実際の吸着振幅の割合を示す吸着振幅効率、△Hは水の蒸発潜熱、τは吸着工程と脱着工程との切り替え時間、ηhは吸着材や熱交換器が温水温度と冷却水温度との間を温度変化することによるヒートマス損失を考慮したヒートマス効率、を示す。

Rは前述のように3kWであり、Wは1.89kg/2=0.95kgである。また、我々の過去の検討から、τは短い方が好ましいが、例えば、およそ120s(秒)とすると、△H、ηc、ηhの値は、それぞれ、およそ2500kJ/k、0.6、0.85であることが得られている。式Aから△Qを求めると、
△Q=R/W/ηc/ΔH・τ/ηh =3.0/0.95/0.6/2500/120/0.85=0.075kg/kg
となる。すなわち、自動車用吸着式ヒートポンプに用いる吸着剤としては、△Qは0.08g/g以上、好ましくは0.12g/g以上、より好ましくは0.15g/g以上である。

以上、吸着ヒートポンプを自動車に適用することを前提に説明したが、上記の特性を満足するものであれば定置用など他の用途にも十分適用可能であることは言うまでもない。

吸着ヒートポンプは、吸着材が吸着物質を吸脱着する能力を駆動源として利用している。吸着ヒートポンプにおいては、吸着物質として、水、エタノールおよびアセトンなどが使用できるが、中でも安全性、価格、蒸発潜熱の大きさから、水が最も好ましい。吸着物質は、蒸気として吸着材に吸着されるが、吸着材は、狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きい材料が好ましい。狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きいと、同じ条件で同等の吸着量を得るために必要な吸着材の量を減らし、冷却熱源と加熱熱源の温度差が小さくても吸着ヒートポンプを駆動できるからである。

本発明の吸着ヒートポンプに用いられる吸着材は、直接大気中の水蒸気を吸着する除湿器、デシカント空調装置、調湿建材などに用いられ、また、吸着ヒートポンプのように真空中で水蒸気しか存在しない環境で吸着材として使用される。

(吸着材−1)
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材は、その吸脱着特性に特徴がある。すなわち、55℃で測定された吸着等温線において、(1)相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.12g/g以下、好ましくは0.1g/g以下であり、(2)相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上、好ましくは0.15g/g以上であり、(3)相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有している。こうした吸着材は、多量の廃熱を発生し、エアコンを使用することで燃費がさらに低下する問題を抱える自動車に搭載する吸着ヒートポンプの吸着材として適している。

吸着ヒートポンプは、上述したように、吸脱着部(吸着物質を吸脱着する吸着材を備えた部分)、蒸発部(吸脱着部に連結され、吸着物質の蒸発を行う部分)および凝縮部(吸脱着部に連結され、吸着物質の凝縮を行う部分)から構成される。

以下においては、上記構成からなる吸着ヒートポンプを自動車に搭載した場合において、吸着ヒートポンプの各部と上述した(i)〜(iii)の特徴との関係について説明する。

特徴(i)−脱着性能:本発明の吸着材は、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.12g/g以下、中でも0.1g/g以下の脱着性能を有している。自動車等においては、廃熱で加熱された80〜120℃程度の温水により吸着塔が80〜120℃程度に加熱され、ラジエターで冷却された30〜60℃程度の冷却水により凝縮部が30〜60℃程度に冷却され、吸着塔の温度が120℃で凝縮部の温度が30℃の場合、相対蒸気圧は約0.02となる。そのため、相対蒸気圧0.02における吸着物質の吸着量が0.12g/g以下となる本発明の吸着材は、その相対蒸気圧下で優れた脱着性能を有している。なお、吸着塔が120℃以下の低い温度例えば115℃程度となる場合、または、凝縮部の温度が30℃よりも高い温度例えば35℃程度となる場合には、それらの間の相対蒸気圧は0.02よりも大きくなる。そのため、0.02よりも高い相対蒸気圧で十分な脱着が行われることが必要であることから、相対蒸気圧0.02の条件下における吸着量としては、より小さい値、例えば0.05g/g以下であることが好ましい。なお、これらの吸着量の下限は特に規定されないが、0または0に近いほど好ましい。

特徴(ii)−吸着性能:本発明の吸着材は、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上、中でも0.15g/g以上の吸着性能を有している。自動車等において、吸脱着部はラジエターで冷却された冷却水により30〜60℃程度に冷却され、蒸発部は熱交換器により10℃程度となり、吸着部の温度が50℃で蒸発部の温度が10℃の場合、それらの間の相対蒸気圧は約0.10となる。そのため、相対蒸気圧0.10における吸着物質の吸着量が0.13g/g以上となる本発明の吸着材は、その相対蒸気圧下で優れた吸着性能を有している。なお、より好ましくは、相対蒸気圧0.10における吸着物質の吸着量が0.15g/g以上であり、特に好ましくは0.20g/g以上である。さらに、より小さい相対蒸気圧(例えば0.08)での吸着量が0.2g/g以上の吸着性能を有する吸着材であることが好ましい。こうした吸着材によれば、例えば自動車のラジエターで得られる30〜60℃程度の冷却水で冷却される比較的高温の冷却温度条件下であっても、吸着物質を吸着材に良好且つ効率的に吸着させることができる。なお、これらの吸着量の上限は特に規定されないが、通常、0.40g/g程度である。

特徴(iii)−変化率:本発明の吸着材は、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上である。上述したように、自動車等において、脱着に係る相対蒸気圧0.02と、吸着に係る相対蒸気圧0.1との差が小さく、その変化率(相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上)が大きいので、同じ条件で同等の吸着量/脱着量を得るために必要な吸着材の総量を減らすことができると共に、吸着に係る冷却温度と脱着に係る加熱温度との差が小さい場合でも良好且つ効率的な吸着/脱着サイクルを達成できる。その結果、例えば自動車等のように、吸脱着部が120℃程度、蒸発部が10℃程度、凝縮部が30℃程度の温度差を有するシステムにも好ましく適用することができる。

以上、特徴(i)〜(iii)の吸脱着特性を有する吸着材は、従来の吸着材に対比して、吸着プロセスがより低い相対蒸気圧条件下で起こり、脱着プロセスがより高い相対蒸気圧条件下で起こる点に特徴があり、さらに、わずかな相対湿度変化により、その吸着量が変化する点に特徴がある。その結果、廃熱が多量に発生し、エアコンを使用することで燃費がさらに低下する問題を抱える自動車に搭載する吸着ヒートポンプの吸着材として適している。

(吸着材−2)
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材は、ゼオライトであって、そのゼオライトが結晶性アルミノフォスフェートであり、特に、そのフレームワーク密度が、IZAのATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001において示してある数値で、10T/nm(=1000Å)以上、18.0T/nm以下であることが好ましく、10.0T/nm以上、16.0T/nm以下であることがより好ましい。この範囲のフレームワーク密度を有する吸着材は、上述した好ましい吸脱着特性を示すことができる。フレームワーク密度が10T/nm未満に場合には、将来合成が実現されても構造的に不安定となりやすく、18.0T/nmを超える場合には、吸着量が十分でない。

本発明に用いられるゼオライトは、結晶性アルミノフォスフェートであり、天然のゼオライトでも、人工のゼオライトでもよく、例えば、人工のゼオライトでは、International Zeolite Association (IZA)の規定による結晶性アルミノフォスフェート類などが含まれる。また、フレームワーク密度の値は、ゼオライトの構造により決まるものであり、その構造としては、IZAが定めるコードで示すと、AFG、AEI、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、*BEA、BOG、CHA、DFO、EAB、ERI、EMT、FAU、GIS、GME、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MEI、MER、OFF、PAU、PHI、RHO、THO、VFIなどを挙げることができる。なお、上述した吸脱着特性の観点でよりよいものとしては、AEI、AFX、GIS、CHA、VFI、AFS、LTA、FAU、AFYを挙げることができ、更に好ましいものとしては、CHAを挙げることができる。

フレームワーク密度とは、1nm(=1000Å)あたりの骨格を形成する酸素以外の原子(T原子)の数であり、したがって、フレームワーク密度は細孔容量と相関がある。一般に、より小さいフレームワーク密度のゼオライトはより大きい細孔容量を有し、その結果、吸着容量が大きくなるので好ましい。また、現在合成されていないゼオライトであっても、合成された場合にフレームワーク密度が上記範囲内にあれば、本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材として好適に使用できると予想される。

こうしたゼオライトの構造は、XRD(X-ray diffraction)により決定され、その構造によりフレームワーク密度を実測し、評価することができる。なお、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERには、ゼオライトの構造とフレームワーク密度の関係が記載されている。

(アルミノフォスフェート)
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材としては、結晶性アルミノフォスフェート類が用いられる。結晶性アルミノフォスフェート類は、その骨格構造にアルミニウム(Al)とリン(P)を含み、さらにAlやPの一部が、ヘテロ原子で置換された結晶性メタロアルミノフォスフェート類を含む。この場合のヘテロ原子は、ゼオライトの親水性をより向上させるために置換する原子であり、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、スズ、カルシウム、硼素等の一種または二種以上を挙げることができる。本発明においては、特に、鉄(Fe)、ケイ素(Si)が好ましく用いられる。

以下において、ヘテロ原子としてFeを用いたゼオライトである結晶性鉄アルミノフォスフェート(以下、FAPOと表す)、ヘテロ原子としてSiを用いたゼオライトである結晶性シリコンアルミノフォスフェート(以下、SAPOと表す)について説明する。

(FAPO中の各原子の存在割合)
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材として好ましいFAPOにおいては、骨格構造内に含有されているFe、AlおよびPが、下式1〜3で表されるモル比で存在していることが好ましい。

0.001≦x≦0.3 …1
(xは、Fe、AlおよびPの合計に対するFeのモル比を示す)
0.2≦y≦0.6 …2
(yは、Fe、AlおよびPの合計に対するAlのモル比を示す)
0.3≦z≦0.6 …3
(zは、Fe、AlおよびPの合計に対するPのモル比を示す)

また、下式1’〜3’で表されるモル比(式中、x、y、zは上記と同じ)で構成されていることがより好ましい。

0.01≦x≦0.25 …1’
0.23≦y≦0.58 …2’
0.33≦z≦0.58 …3’

また、下式1”〜3”で表されるモル比(式中、x、y、zは上記と同じ)で構成されていることがさらに好ましい。

0.03≦x≦0.20 …1”
0.25≦y≦0.55 …2”
0.35≦z≦0.55 …3”

FAPOは、低い相対湿度(相対蒸気圧)で大きな吸着量を示すと共に、極めて低湿度(低相対蒸気圧)においては吸着量が小さい吸着等温線の性質を持った吸着材となる。この理由については、骨格構造内に上記範囲のFeが存在するものは、3価で存在するFeと5価で存在するPとの間で見かけ上電荷が補償されると考えられ、同じ結晶構造のものでも骨格構造にFe以外の元素を含むもの(例えばSiを含むSAPOなど)に比べて骨格構造の極性が小さくなり、また、骨格構造にAlとPしか含まないAlPOに比べると3価元素がFeとAlの2種類であるため、AlPOよりは極性が生じやすくなるためと考えられる。

なお、鉄のモル比が上記範囲を超える場合には、構造安定性が低下する傾向にある。一方、鉄のモル比が上記範囲より小さい場合には、構造安定性が低下する傾向が生じたり、鉄の量が少なくなるので鉄の吸着性能に与える効果が小さくなり好ましくない。

FAPOの骨格構造内には、Fe、AlおよびP以外の他の元素が含まれていてもよく、吸脱着特性に影響を及ぼさない。他の元素としては、例えば、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。通常、他の元素(M)と鉄(Fe)のモル比(M/Fe)は3以下、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下である。他の元素のモル比がそうした範囲内にあることにより、鉄の吸着性能に対する効果が顕著に現れるという利点があり、他の元素と鉄とのモル比が3を超える場合には、鉄の吸着性能に対する効果があまりあらわれないという現象が起こることがある。

このFAPOは、他のカチオンと交換可能なカチオン種を持つものを含むが、その場合のカチオンとしては、プロトン、Li、Na、Kなどのアルカリ元素、Mg、Caなどのアルカリ土類元素、La、Ce等の希土類元素、Fe,Co,Ni等の遷移金属元素などが挙げられる。これらのうち、プロトン、アルカリ元素、アルカリ土類元素が、吸着性能、安定性という観点から好ましい。

上記の原子の各モル比は、元素分析により決定するが、元素分析は試料を塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により決定できる。

(FAPOの結晶構造)
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材に係るFAPOの内、特に好ましいものは、以下の結晶構造を有するという特徴がある。

すなわち、本発明は、骨格構造に少なくとも、鉄、アルミニウムおよびリンを含み、少なくとも表1に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを有する鉄アルミノフォスフェートを含み、これは鉄アルミノフォスフェートの中でも特に好ましい材である。

表1は、粉末X線回折測定により得られた上記FAPOの主要な回折ピークが現れる回折角(2θ)を示している。なお、通常、粉末X線回折測定は空気中で行うので、ここで測定に供した試料は、雰囲気空気中で再水和されたものである。表1中の相対強度は、記号vs、s、m、w、vwにより示され、これらはそれぞれ極めて強い、強い、中庸、弱い、極めて弱い、に相当する。

表1において、回折角10.1±0.3の2番ピークは、後述のI/I×100の値が10以上であることが、この構造の特徴を良く反映しているという観点から好ましく、15以上であることがより好ましい。また、回折角19.5±0.3の4番ピークは、I/I×100の値が10以上であることが、この構造の特徴を良く反映しているという観点から好ましく、15以上であることがより好ましい。

なお、その4番ピークは、通常2本のピークに分かれる場合が多いが、試料の状態や測定条件の微妙な相違により、2本のピークが重なることもある。いずれにしても、その回折角19.5±0.3の範囲内でのI/I×100の値を満たしているものが少なくとも1本以上あればよい。

(結晶構造の測定)
上述した表1のX線回折ピークは、標準的X線粉末回折装置で測定されたX線回折パターンから得られたデータである。具体的な測定方法としては、ターゲットにCuを用い、40kV・30mAに出力設定されたX線管球を線源とし、試料により回折された回折X線をモノクロメーターにてKα線に単色化されたものを検出することにより行われる。光学条件は、発散スリット=1°、散乱スリット=1°、受光スリット=0.2mmで測定し、回折ピークの位置は、2θ(回折角)として表される。なお、θは、記録紙上に観察されるブラッグ角度である。オングストローム単位における面間隔(d)はブラッグの条件式:2dsinθ=λ、から得られる。ここで、λ=1.54184Åである。なお、ピーク位置はピークトップとして表す。強度はバックグラウンドを差し引いた後の回折ピークの高さから測定し、I/I×100の値で表す。ここで、Iは最も強いピークの強度であり、Iは他のピークのそれぞれにおける強度である。本発明の場合、通常Iは、2θ=9.5±0.2°のピークとなる。また、通常、2θの測定は、人的誤差と機械的誤差との両者を受ける。以上の誤差等を考慮して、測定値の±の範囲を約プラスマイナス0.3°として規定した。

表1のX線回折ピークを有するFAPOは、水の吸脱着により粉末X線回折ピーク位置が変化することにも特徴がある。すなわち、水が吸着している状態では表1に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを示し、水が脱離している状態では表2に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを示す。こうした水の吸脱着による変化は、例えば、XRD−DSC装置(リガク社製、RINT2000、熱流束型DSC)で測定することができる。表2中の相対強度の記号は、表1と同様である。なお、表1、表2のX線回折ピークはCHA型の一種である。

なお、上記表2のX線回折ピークを持つFAPOは、テンプレートが含有されていても良いし、テンプレートの一部、または全部が窒素焼成などの方法により除去されていても良い。

以上説明した少なくとも表1に示すX線回折ピークを示すFAPOは、こうした結晶構造上の特徴を有する限りは、骨格構造内に他の元素が含まれていても良い。他の元素としては、上述と同様に、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などがあげられる。通常、他の元素が含有限度を超えて含まれる場合には、少なくとも表1に示すX線回折ピークを示さない。他の元素の含有限度は、他の元素(M)と鉄(Fe)のモル比(M/Fe)で1以下であり、そのモル比が0.7以下、さらに0.5以下である場合には、表1に示すFAPOの構造になりやすいという利点がある。

また、こうした結晶構造上の特徴を有する限りにおいて、このゼオライトは他のカチオンと交換可能なカチオン種を持つものを含んでいてもよい。そうした場合のカチオンとしては、プロトン、Li、Na、Kなどのアルカリ元素、Mg、Caなどのアルカリ土類元素、La,Ce等の希土類元素、Fe,Co,Ni等の遷移金属元素などがあげられる。中でも、プロトン、アルカリ元素、アルカリ土類元素が好ましい。

(SAPO中の各原子の存在割合)
次に、本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材として好ましいSAPO(結晶性シリコンアルミノフォスフェート)について説明する。

SAPOにおいて、骨格構造内に含有されているSi、AlおよびPが、下式4〜6で表されるモル比で存在していることが好ましい。

0.09<p≦0.3 …4
(pはSi、AlおよびPの合計に対するSiのモル比を示す)
0.3≦q≦0.6 …5
(qはSi、AlおよびPの合計に対するAlのモル比を示す)
0.3≦r≦0.6 …6
(rはSi、AlおよびPの合計に対するPのモル比を示す)

また、SiおよびAlについては、下式4’、5’で表されるモル比(式中、pおよびqは上記と同じである)で構成されていることがより好ましい。

0.092≦p≦0.25 …4’
0.33≦q≦0.58 …5’

また、上記の組成のSi、Al、Pの範囲内であるならば、骨格構造内に他の元素が含まれていてもよく、吸脱着特性に影響を及ぼさない。他の元素としては、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。また、このゼオライトは、他のカチオンと交換可能なカチオン種を持つものを含むが、その場合のカチオンとしては、プロトン、Li、Na、Kなどのアルカリ元素、Mg、Caなどのアルカリ土類元素、La,Ce等の希土類元素、Fe,Co,Ni等の遷移金属元素などがあげられる。中でも、プロトン、アルカリ元素、アルカリ土類元素が、吸着性能、安定性の観点から好ましい。

SAPOは、上述のように、その骨格構造内にAl、PおよびSiを含有するものである。このSAPOにおいては、Siが4価であるため、そのSiが3価のAlや5価のPと置換することにより、極性を持つことになる。したがって、SAPOは、含有するSi量を増加させることにより、より低湿条件(低相対蒸気圧条件)で水の吸着が開始するという好ましい傾向がある。このSAPOにおいて、Si、AlおよびPの合計に対するSiのモル比を9%より大きくすることにより、Y型ゼオライトのように極めて低い相対湿度領域(低相対蒸気圧領域)から吸着物質(例えば水蒸気)の吸着を生じさせることができる。それゆえ、Siの含有割合は大きい方がよいが、あまり大きすぎると構造が安定でなくなるので、その上限はおよそ30%程度とする。好ましいSiモル比は9.2%以上であり、より好ましいSiモル比は9.5%以上である。

このSAPOは、FAPOに比べて低い湿度領域(低相対蒸気圧領域)から吸着が生じるので、脱着プロセスにおいてはやや不利ではある。しかし、FAPOと同様に温度依存性があるため、Y型のゼオライトのようなほとんど温度依存性の無いものに比べては、100℃程度の排熱でも水が脱着しやすいという利点がある。

SAPOのモル比は元素分析により決定するが、元素分析は試料を塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により決定できる。

(FAPOおよびSAPOの製造条件)
FAPOおよびSAPOの製造条件は特に限定さないが、通常、アルミニウム源、鉄源またはケイ素源、リン源およびテンプレートを混合した後、水熱合成して製造される。以下、FAPOとSAPOの製造方法について、共通する部分と異なる部分に分けて、その一例を説明する。

先ず、アルミニウム源、鉄源またはケイ素源、リン源、および、テンプレートを混合する。

アルミニウム源:アルミニウム源は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられるが、擬ベーマイトが取り扱い易く反応性が高いので好ましい。

鉄源:鉄源はFAPOの場合の主要材料として使用される。鉄源も特に限定されず、通常、硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄等の無機酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄等の有機酸鉄、鉄ペンタカルボニル、フェロセン等の鉄有機金属化合物などが挙げられる。これらのうち、無機酸鉄、有機酸鉄が水に溶け易いという点で好ましく、なかでも硝酸第二鉄、硫酸第一鉄などの無機酸鉄化合物がより好ましい。場合によってはコロイド状の鉄水酸化物等を用いても良い。

ケイ素源:ケイ素源はSAPOの主要材料として使用され、fumedシリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸エチル、ケイ酸メチルなどが用いられる。

リン源:リン源としては通常リン酸が用いられるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。

その他の元素:FAPOやSAPOの骨格構造内には、上述の吸脱着特性を損なわない限りにおいて、他の元素が含まれていてもよい。他の元素としては、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。

テンプレート:テンプレートとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、モルホリン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、2−メチルピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、N−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタンイオン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン、2−イミダゾリドン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン、ヘキサメチレンイミン、等の1級アミン、2級アミン、3級アミン、ポリアミンが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。このなかでも、モルホリン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、イソプロピルアミン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドが反応性の点で好ましく、工業的にはより安価なモルホリン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミンがより好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。

(水性ゲルの調製)
上述のアルミニウム源、鉄源またはケイ素源、リン源およびテンプレートを混合して水性ゲルを調合する。混合順序は条件により異なるが、通常は、先ず、リン酸源、アルミニウム源を混合し、これに鉄源またはケイ素源と、テンプレートとを混合する。

FAPOに係る水性ゲルの組成は、酸化物のモル比で表して、0.01≦FeO/P≦1.5であり、さらに合成のし易さの観点からは0.02≦FeO/P≦1.0が好ましく、0.05≦FeO/P≦0.8がより好ましい。また、P/Alの比は、0.6以上1.7以下であり、さらに合成のし易さの観点からは0.7以上1.6以下が好ましく、0.8以上1.5以下がより好ましい。また、水の割合の下限としては、Alに対して、モル比で3以上であり、合成のし易さの観点からは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。水の割合の上限としては、200以下、合成のし易さや生産性の高さの観点からは150以下が好ましく、120以下がより好ましい。水性ゲルのpHは、4〜10であり、合成のし易さの観点からは5〜9が好ましく、5.5〜8.5がより好ましい。

SAPOに係る水性ゲルの組成は、酸化物のモル比で表して、0.2≦SiO/Al≦2であり、合成のし易さの観点からは0.3≦SiO/Al≦1.8が好ましく、0.4≦SiO/Al≦1.5がより好ましい。また、P/Alの比は、0.6以上1.4以下であり、合成のし易さの観点からは0.7以上1.3以下が好ましく、0.8以上1.2以下がより好ましい。また、水の割合の下限としては、Alに対して、モル比で3以上であり、合成のし易さの観点からは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。水の割合の上限としては、200以下、合成のし易さや生産性の高さの観点からは150以下が好ましく、120以下がより好ましい。水性ゲルのpHは、5〜10であり、合成のし易さの観点からは6〜9が好ましく、6.5〜8.5がより好ましい。

なお、各水性ゲル中には、所望により、上記以外の成分を共存させても良い。このような成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒が挙げられる。

(水熱合成)
水熱合成は、水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧下、または結晶化を阻害しない気体の加圧下で、攪拌または静置状態で所定温度を保持することにより、行われる。水熱合成の条件は、100〜300℃であり、合成のし易さの観点からは120〜250℃が好ましく、150〜220℃がより好ましい。

反応時間は、FAPOにおいては、3時間〜30日であり、合成のし易さの観点からは5時間〜15日が好ましく、7時間〜7日がより好ましい。水熱合成後、生成物を分離し、水洗、乾燥し、焼成等の方法により、含有する有機物の一部、または全部を除去し、FAPOに係るゼオライトを得る。一方、SAPOの反応時間は、3時間〜30日であり、合成のし易さの観点からは5時間〜7日が好ましく、7時間〜3日がより好ましい。水熱合成後、生成物を分離し、水洗、乾燥し、焼成等の方法により、含有する有機物の一部、または全部を除去し、SAPOに係るゼオライトを得る。

(表1に示すFAPOの結晶構造の調整方法)
上記方法により、本発明に用いる種々の構造のFAPO、SAPOが合成できるが、表1に示す回折ピークを有するFAPOは、表2に示す回折ピークを有するFAPOを、酸素を含むガスの存在下で焼成することにより得ることができる。

焼成温度は、200℃以上800℃以下であり、テンプレートの除去のし易さ、および/または、結晶構造の変化のし易さの観点からは300℃以上700℃以下が好ましく、400℃以上650℃以下がより好ましい。焼成時間は、1分から15時間であり、テンプレートの除去のし易さ、および/または、結晶構造の変化のし易さの観点からは2分から10時間が好ましく、5分から8時間がより好ましい。なお、ここでいう焼成時間は、実質的に焼成されるものが処理温度環境中に存在する見かけの時間であり、用いる装置や試料の量により、みかけ上同じ処理時間であっても、装置内での実際の処理時間が若干異なることもある点も留意して設定される。

ガス中の酸素濃度は、2vol%以上であり、テンプレートの除去のし易さ、および/または、結晶構造の変化のし易さの観点からは3vol%以上が好ましく、5vol%以上がより好ましい。酸素以外の含有ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられるが、場合によっては水蒸気、窒素酸化物を体積比で10%まで混合させてもかまわない。焼成ガスは、処理装置内を流通させてもよいし、させなくてもよいが、流通させる場合は、焼成する試料に対する重量空間速度(WHSV)で流通させることが好ましい。その重量空間速度(WHSV)としては、20/h以下、テンプレートの除去のし易さ、および/または、結晶構造の変化のし易さの観点からは15/h以下が好ましく、10/h以下がより好ましい。焼成装置としては、マッフル炉や、管状炉等の任意の加熱装置を用い、固定床、または流動床形式で行われる。

(表2のFAPOの製造方法)
以下に表2に記載の回折ピークを有するFAPOの好ましい製造方法を記載する。FAPOの他の製造方法も上述と同様、通常、アルミニウム源、鉄源、リン源およびテンプレートを混合した後、水熱合成により製造されるが、この他の製造方法は、混合するテンプレートに特徴がある。以下に順次説明する。

先ず、アルミニウム源、鉄源、リン源、およびテンプレートを混合する。

アルミニウム源:アルミニウム源は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどが使用される。中でも、取り扱いやすさや反応性の観点からは擬ベーマイトが好ましい。

鉄源:鉄源も特に限定されず、通常、硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄等の無機酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄等の有機酸鉄、鉄ペンタカルボニル、フェロセン等の鉄有機金属化合物などが使用される。これらのうち、水に対する溶解性の観点からは無機酸鉄、有機酸鉄が好ましく、中でも、硫酸第一鉄などの2価の鉄化合物がより好ましい。

リン源:リン源は通常リン酸であるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。

その他の元素:最終的に、少なくとも表1および表2に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを有する限りは、骨格構造内に他の元素が含まれていても良い。他の元素としては、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などがあげられる。

テンプレート:テンプレートとしては、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、種々のアミン類などが用いられる。アミン類としては、(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(2)シクロアルキル基を有するアミン、および(3)アルキル基を有するアミンなどがあげられる。これらは単独で用いても良いが、4級アンモニウム塩を単独で用いた場合は、結晶性の悪いものができやすいため、少なくとも上記アミンの3つの群のうち、1つ以上の群から各群につき1種以上の化合物を選択して用いるのが好ましい。

ここで、上記の各アミン類について更に詳しく説明する。

最初に、ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物について説明する。ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物は、通常5〜7員環であり、好ましくは6員環である。複素環に含まれるヘテロ原子の個数は通常3個以下、好ましくは2個以下である。ヘテロ原子の種類は窒素以外は特に限定されないが、合成のし易さの観点からは窒素に加えて酸素を含むものが好ましい。ヘテロ原子の位置は特に限定されないが、合成のし易さの観点からはヘテロ原子が相互に隣り合わないものが好ましい。分子量としては、250以下であり、合成のし易さの観点からは200以下が好ましく、150以下がより好ましい。

このようなヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物としては、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、キヌクリジン、ピロリジン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチレンイミンなどが挙げられる。これらのうち、合成のし易さの観点からはモルホリン、ヘキサメチレンイミン、ピペリジンが好ましく、モルホリンが特に好ましい。

次に、シクロアルキル基を有するアミンについて説明する。シクロアルキル基を有するアミンにおいて、そのシクロアルキル基の個数は、アミン1分子に2以下であることが好ましく、1であることがより好ましい。また、シクロアルキル基の炭素数は、通常5〜7で、好ましくは6である。シクロアルキルのシクロ環の数は特に限定されないが、通常1が好ましい。また、シクロアルキル基がアミン化合物の窒素原子と結合しているのが、合成のし易さの点で好ましい。分子量としては、250以下、合成のし易さの観点からは200以下が好ましく、150以下がより好ましい。

このようなシクロアルキル基を有するアミンとしては、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン等が挙げられ、特にシクロヘキシルアミンが好ましい。

次に、アルキル基を有するアミンについて説明する。アルキル基を有するアミンにおいて、そのアルキル基は、アミン1分子に何個入っていてもよいが、好ましくは3である。アルキル基の炭素数は、4以下が好ましく、1分子中の全アルキル基の炭素数の合計が10以下がより好ましい。分子量としては、250以下であり、合成のし易さの観点からは200以下が好ましく、150以下がより好ましい。

このようなアルキル基を有するアミンとしては、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン等があげられ、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミンが合成のし易さの点で好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。

これらの各アミン類を、一種または二種以上組み合わせてテンプレート源とすることができ、水熱合成の原料に供される。なお、この中から1種用いる場合は、(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物の中のモルホリン、または、(2)シクロアルキル基を有するアミンの中のシクロヘキシルアミンが好ましく、その中でもモルホリンが特に好ましい。

これらのうち、好ましい組み合わせとしては、テンプレートとして(i)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(ii)シクロアルキル基を有するアミン、および(iii)アルキル基を有するアミンからなる群の2以上の群からそれぞれ1種以上の化合物を用いることが好ましい。このように組み合わせることにより、所望の元素割合のものや高い結晶性のFAPOを合成し易いという利点/効果がある。中でも、(i)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物を含む2種以上の組み合わせの場合は、所望の元素割合のものや高い結晶性のFAPOを合成し易いという観点から、より好ましい。具体的な好ましい組み合わせとしては、モルホリン、トリエチルアミンおよびシクロヘキシルアミンから2種以上、中でもモルホリンを含む2種以上の組み合わせの場合がより好ましい。これらのテンプレート各群の混合比率は、条件に応じて適時選ぶ必要があるが、混合させる2種のテンプレートのモル比は1:20〜20:1の範囲であり、所望の元素割合のものや、高い結晶性のFAPOを合成し易いという観点からは1:10〜10:1が好ましく、1:5〜5:1がより好ましい。なお、その他のテンプレートが入っていても良いが、その場合には、モル比で通常20%以下であり、10%以下が好ましい。これらのテンプレートは、価格的にも安く、従来のもの(例えばテトラエチルアンモニウムヒドロキシド)等に比べて扱いやすく腐食性等も少ないという利点がある。

それぞれのテンプレートを組み合わせることにより、また、好ましい反応条件で反応させることにより、結晶化速度の向上、所望構造のゼオライトの容易な製造、壊れ難く構造の安定化、不純物の生成の抑制、等の有利な効果が表れる。しかし、単独種からなるテンプレートは、反応条件の広さ、所望のゼオライトの高収率性、速い結晶化速度等の点で、複数混合させてなるテンプレートに比べてやや劣る。したがって、本発明のFAPO(特に表2のXRDのもの)の製造においては、複数種の組み合わせからなるテンプレートが好ましく用いられ、それらのテンプレートが示す相乗作用により単独のテンプレートでは得られない効果を得ることができるという利点がある。

FAPOの他の製造方法における水熱合成については、製造条件において異なる以外は、上述した通常の水熱合成とほぼ同じである。

先ず、鉄源、アルミニウム源、リン酸源、テンプレートおよび水を混合して水性ゲルを調合する。混合順序は制限がなく、用いる条件により適宜選択すればよいが、通常は、まず水にリン酸源、アルミニウム源を混合し、これに鉄源、テンプレートを混合する。

水性ゲルの組成は、所望のものの合成し易さに影響し、アルミニウム源、鉄源およびリン酸源を酸化物のモル比であらわすと、FeO/Alの値は、通常0より大きく1.0以下であり、好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。

また、P/Alの比は、所望のものの合成し易さに影響し、通常0.6以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上であり、通常1.8以下、好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下である。

テンプレートの総量は、所望のものの合成し易さや経済性に影響し、Pに対するテンプレートのモル比で、通常0.2以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上であって、通常4以下、好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。また、2種以上のテンプレートの混合比は、所望のものの合成し易さに影響し、条件に応じて適宜選ぶ必要があるが、上記にすでに記したように、例えば、モルホリンとトリエチルアミンを用いる場合、モルホリン/トリエチルアミンのモル比が0.05から20、好ましくは0.1から10、さらに好ましくは0.2から9である。前記2つ以上の群から各群につき1種以上選択されたテンプレートを混合する順番は特に限定されず、テンプレートを調製した後その他の物質と混合してもよいし、各テンプレートをそれぞれ他の物質と混合してもよい。

また、水の割合は、所望のものの合成し易さや経済性に影響し、Alに対して、モル比で通常3以上、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上であって、通常200以下、好ましくは150以下、さらに好ましくは120以下である。水性ゲルのpHは、所望のものの合成し易さに影響し、通常4以上好ましくは4.5以上、さらに好ましくは5以上であって、通常10以下、好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である。

なお、水性ゲル中には、所望により上記以外の成分を共存させても良い。共存させる利点としては、それによる新たな効果が得られる可能性等を挙げることができる。このような成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒があげられる。共存割合は、所望のものの合成し易さに影響し、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩の場合は、Alに対してモル比で通常0.2以下、好ましくは0.1以下であり、アルコール等の親水性有機溶媒の場合は、水に対してモル比で通常0.5以下、好ましくは0.3以下である。

こうした条件下で、水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧下、または結晶化を阻害しない気体加圧下で、攪拌または静置状態で所定温度を保持する事により水熱合成を行う。

水熱合成の反応温度は、所望のものの合成し易さに影響し、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であって、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは220℃以下である。反応時間は、所望のものの合成し易さに影響し、通常2時間以上、好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上であって、通常30日以下、好ましくは10日以下、さらに好ましくは4日以下である。反応温度は反応中一定でもよいし、段階的に変化させてもよい。

水熱合成後においては、生成物を分離する。生成物の分離方法は特に限定されない。通常、濾過またはデカンテーション等により分離し、水洗、室温から150℃以下の温度で乾燥して生成物であるテンプレートを含有したゼオライトを得ることができる。

以上説明した製造方法により、少なくとも表2に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを有する鉄アルミノフォスフェート(FAPO)が得られる。

また、これを窒素等の不活性ガス存在下で、上述した焼成条件で焼成して、テンプレートの一部、あるいは全部を除去する事によっても少なくとも表2に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを有する鉄アルミノフォスフェートが得られる。

(得られたFAPOの吸脱着特性)
以上のように製造されたFAPOは、酸化反応や酸反応用などの触媒や、各種の吸着材などに広く利用される。中でも水蒸気吸着材として優れた性能を示す。

水蒸気吸着材として用いる場合には、シリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物や粘土等のバインダー成分や、熱伝導性の高い成分などと共に使用することができる。このとき、ゼオライトの含有量が水蒸気吸着材全体の60重量%以上であることが好ましい。なお、70%以上であることがより好ましく、80%以上がさらに好ましい。

本発明のFAPOの水蒸気吸着材としての特徴は、相対蒸気圧が極めて低い領域ではほとんど吸着せず、その相対蒸気圧よりもわずかに高い相対蒸気圧条件下で、急激に吸着が起こるという点である。こうした特徴は、通常、吸着が難しくなる低湿、高温領域でも吸着可能で、かつ比較的低温の100℃程度で脱着が可能であることを示す。これは、公知のY型ゼオライトは、相対蒸気圧が極めて低い、ほとんど0に近い領域から急激に吸着するという特性により、吸着物質を脱離させる場合は通常120℃以上のような高温が必要となるのに比べて、本発明のFAPOに係る吸着材は、100℃程度またはそれ以下の温度で吸脱着を可能とするので、そうした温度が供給される用途において好ましい。なお、このような本発明のFAPOの特徴のうち、表1のXRD構造を持つFAPOについては、水の吸脱着による粉末X線パターンの変化で現れる構造の変化に起因していると考えられる。

(吸着材の種類とその吸脱着特性)
以上説明した各吸着材の吸脱着特性について説明する。

上述した高Si−SAPO、FAPOおよび少なくとも表1のXRDパターンを持つFAPO(以下、FAPO−2と表す)からなる吸着材は、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.12g/g以下、好ましくは0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上、好ましくは0.15g/g以上であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有する。吸着材がとくに高Si−SAPOの場合の好ましいものは、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.1g/g以下であり、相対蒸気圧0.07での吸着物質の吸着量が0.15g/g以上であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有する。

また、FAPOおよびFAPO−2からなる吸着材については、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.05g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.2g/g以上であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.15g/g以上となる相対蒸気圧領域を有し、優れた吸脱着特性を示す。

さらに、上記吸着材のうち、FAPO−2からなる吸着材については、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0.05g/g以下であり、相対蒸気圧0.08での吸着物質の吸着量が0.2g/g以上であり、相対蒸気圧0.02以上0.08以下の範囲で相対蒸気圧が0.02変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.15g/g以上となる相対蒸気圧領域を有し、吸着等温線のグラフにおいてその立ち上がりが急峻であり、極めて優れた吸脱着特性を示す。こうした優れた吸脱着特性を有する、FAPO−2は、吸着が難しくなる低湿、高温領域でも吸着可能で、かつ比較的低温の100℃程度で脱着が可能であるので、こうした特性を利用することにより、吸着式蓄冷熱装置、デシカント、除湿、蓄熱システム用などの水蒸気吸着材として利用でき、その効率を向上させたり、これまで適用できなかった条件での作動をおこす事も可能となる。

以下、実施例と比較例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例欄の最後に示した表17は、実施例1〜10および比較例1の吸着材の特性の一覧である。

(実施例1)
実施例1は、テンプレートとしてモルホリンとトリエチルアミンを使用して合成したFAPO−2に関するものである。

水28.05gと85%リン酸11.53gの混合物に、擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)6.8gをゆっくりと加えて攪拌した。これをA液とした。A液とは別に硫酸第一鉄7水和物2.78g、モルホリン5.05g、トリエチルアミン4.35g、水29gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えて、3時間攪拌し、以下の組成を有する出発反応物を得た。

0.2FeSO:Al:P:1.16モルホリン:0.86トリエチルアミン:70H

上記の出発反応物をテフロン(登録商標)内筒の入った200ccのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で160℃で4日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収した。その沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。こうして得られたFAPO中間体の粉末XRDの結果は以下の表3の通りであった。

テンプレートが含まれたFAPO中間体から3gを採取し、縦型の石英焼成管に入れ、100ml/分の空気気流下、1℃/分で550℃まで昇温し、そのまま550℃で6時間焼成を行った。こうして得られたゼオライト(FAPO−2)のXRDを測定したところ、以下の表の通りであった。

また、塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により元素分析を行ったところ、骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が13.8%、アルミニウムが37.4%、リンが48.8%であった。

図2は、ゼオライトを吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定して得られた55℃における水蒸気吸着等温線である。なお、吸着等温線の測定は、前処理を1Pa以下の真空下、120℃5時間で行い、空気高温槽温度60℃、吸着温度55℃、初期導入圧力3.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧118.11mmHg、平衡時間500秒で行った。

さらに、DSC−XRDの測定を行った。測定装置の仕様および条件は以下の通りである。

X線回折装置:RINT2000 Ultima+シリーズ
:DSC部:熱流束型DSC
<XRD条件>
使用X線:CuKα
管電圧、管電流:40kV、50mV
スリット:DS=0.5度、SS=0.5度、RS=0.3mm
測定法:モノクロメーター法+連続測定
走査範囲:5〜40度
<DSC条件>
・脱離過程
室温から150℃:湿度0%窒素、昇温速度 5℃/min
150℃から45℃:湿度0%窒素、昇温速度 5℃/min
・吸着過程
45℃一定 湿度0,5,10,15,20,30%

図3は、ゼオライトを装置内にセットし、湿度度0%の窒素雰囲気下で室温(25℃)から150℃まで昇温し、ゼオライトに吸着した水を脱離させていったときのXRD−DSC変化を示している。また、図4は、水を脱離させた後のサンプルに、上記のDSC条件で湿度を増加させ、水を吸着させていった場合のXRD−DSC変化を示している。図3および図4により、水の脱離・吸着にともないXRDが変化していること、すなわち構造が変化していることがわかる。

図5は、水を脱離させた後の状態(150℃で相対湿度0%での測定)および吸着させた後の状態(45℃で湿度10%での測定)の各XRD図を示す。

下記の表5、表6は、それぞれ図5の水を脱離後、吸着後のX線回折ピークを示すが、これらに示す通り、水の脱離により少なくとも表2に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを示し、水の吸着により少なくとも表1に示すX線回折ピークからなる粉末X線回折パターンを示している。

(実施例2)
実施例2は、合成したテンプレート含有のゼオライトを窒素で焼成した他は、実施例1と同じ条件で作製したものである、表7は、得られたゼオライトのXRD結果である。

図6は、吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定した55℃の水蒸気吸着等温線である。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度60℃、吸着温度55℃、初期導入圧力3.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧118.11mmHg、平衡時間500秒で行った。

(実施例3)
実施例3は、実施例2で得られた窒素焼成サンプルを、実施例1と同じ条件で空気により再焼成をおこなったものである。表8は、得られたゼオライトのXRD結果である。再焼成したゼオライトは、実施例1とほぼ同じであった。

(実施例4)
実施例4は、テンプレートとしてモルホリンを単独で使用して合成したFAPO−2に関するものである。

水210gに85%リン酸86.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)51gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物41.7gを水218gに溶かした液を加え、さらにモルホリン75.7gをゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.4FeSO:Al:P:2モルホリン:70H

こうして得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った1リットルのステンレス製オートクレーブに仕込み、100rpmで攪拌しながら180℃で24時間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。表9は、こうして得られたゼオライトのXRD測定結果である。

これを実施例1と同じ条件で空気気流下焼成を行った。表10は、得られたゼオライトのXRD測定結果である。

このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が17.2%、アルミニウムが29.4%、リンが53.4%であった。

さらに、該ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線を図7に示す。

(実施例5)
実施例5は、テンプレートとしてモルホリンとトリエチルアミンを使用して合成したFAPO−2に関するものである。

水28.05gに85%リン酸11.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)6.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物8.3gを水29gに溶かした液を加え、さらにモルホリン5.05gとトリエチルアミン4.35gを混合した液をゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.6FeSO:Al:P:1.16モルホリン:0.86トリエチルアミン:70H

こうして得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2リットルのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で160℃で4日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。表11は、得られたゼオライトのXRD測定結果である。

これを実施例1と同じ条件で空気気流下焼成を行った。表12は、そうして得られたゼオライトのXRD測定結果である。

このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が13.2%、アルミニウムが38.3%、リンが48.5%であった。

図8は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線、および、同じ装置で測定した25℃における水蒸気吸着等温線である。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度50℃、吸着温度25℃、初期導入圧力3.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧23.76mmHg、平衡時間500秒で行った。

(実施例6)
実施例6は、テンプレートとしてモルホリンとトリシクロヘキシルアミンを使用して合成したFAPO−2に関するものである。

水26gに85%リン酸11.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)5.44gをゆっくりと加え、2時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物8.3gを水26gに溶かした液を加え、さらにモルホリン2.18gとシクロヘキシルアミン7.43gを混合した液をゆっくりと加えてさらに2時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.6FeSO:0.8Al:P:0.5モルホリン:1.5シクロヘキシルアミン:60H

得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2lのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で190℃で1日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。表13は、得られたゼオライトのXRD測定結果である。

これを実施例1と同じ条件で空気気流下焼成を行った。こうして得られたゼオライトのXRDを測定したところ、下記の表の通りとなった。

このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が14.1%、アルミニウムが38.4%、リンが47.4%であった。

図9は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線である。

(実施例7)
実施例7は、テンプレートとしてモルホリンとトリエチルアミンを使用して合成した、Si含有FAPO−2に関するものである。

水28.05gに85%リン酸11.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)6.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物2.78gを水29gに溶かし、それにfumedシリカ(アエロジル200)0.15gを加えた液を加え、さらにモルホリン5.05gとトリエチルアミン4.35gを混合した液をゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.2FeSO:0.05SiO:Al:P:1.16モルホリン:0.86トリエチルアミン:70H

得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2lのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で170℃で2日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。表15は、こうして得られたゼオライトのXRD測定結果である。

これを実施例1と同じ条件で空気気流下焼成を行った。表16は、得られたゼオライトのXRD測定結果である。

このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄とケイ素の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が9.9%、ケイ素が2.8%、アルミニウムが40.7%、リンが46.7%であった。

図10は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線である。なお、上記実施例1〜7で得られたゼオライトは、いずれもCHA型の一種(フレームワーク密度=14.5T/nm)であった。

(実施例8)
実施例8は、テンプレートとしてジイソプロピルエチルアミンとメチルブチルアミンを用いて合成した、AEI型のFAPOである。

水15gに85%リン酸8.07gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)3.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物3.88gを水20gに溶かした液を加え、さらにジイソプロピルエチルアミン4.55gとメチルブチルアミン3.05gを混合した液をゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.4FeSO:0.8Al:P:1ジイソプロピルエチルアミン:1メチルブチルアミン:60H

こうして得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2lのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で170℃で2日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。

得られたゼオライトを550℃で空気気流下焼成した。そのXRDを測定したところ、AEI型(フレームワーク密度=14.8T/nm)であった。このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が9.2%、アルミニウムが42.6%、リンが48.2%であった。

図11は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線を示している。

(実施例9)
実施例9は、テンプレートとしてモルホリンとトリエチルアミンをテンプレートとして合成したCHA型のSi含有FAPOである。

水28.05gに85%リン酸11.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)6.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、硫酸第一鉄7水和物1.4gを水29gに溶かし、それにfumedシリカ(アエロジル200)0.3gを加えた液を加え、さらにモルホリン5.05gとトリエチルアミン4.35gを混合した液をゆっくりと加えてさらに3時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

0.1FeSO:0.1SiO:Al:P:1.16モルホリン:0.86トリエチルアミン:70H

得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2lのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で160℃で3日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。

得られたゼオライトを550℃で空気気流下焼成した。そのXRDを測定したところ、CHA型(フレームワーク密度=14.5T/nm)であった。このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が6.6%、ケイ素が4.6%、アルミニウムが43.6%、リンが43.6%であった。

図12は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線を示している。

(実施例10)
実施例10は、テンプレートとしてシクロヘキシルアミンを使用して合成したCHA型の高Si−SAPOである。

水28.05gに85%リン酸11.5gを加え、これに擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)6.8gをゆっくりと加え、3時間攪拌した。これに、fumedシリカ(アエロジル200)3gを水22gと混合した液を加え、さらにシクロヘキシルアミン9.9gを混合した液をゆっくりと加えてさらに2時間攪拌した。そして以下の組成を有するゲル状の出発反応物を得た。

SiO:Al:P:2シクロヘキシルアミン:60H

こうして得られた混合物をテフロン(登録商標)内筒の入った0.2lのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で200℃で1日間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。

得られたゼオライトを550℃で空気気流下焼成した。そのXRDを測定したところ、CHA型であった。このサンプルを実施例1と同じ方法でICP分析により元素分析を行った。その結果、アルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、ケイ素が12.0%、アルミニウムが49.2%、リンが38.9%であった。

図13は、ゼオライトの吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により、実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線を示している。

(比較例1)
比較例1は、従来のY型ゼオライトである。図14は、東ソー社製のY型ゼオライト(320NAA、シリカ/アルミナ比=5.5)を、吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により実施例1と同じ条件で測定した55℃における水蒸気吸着等温線を示している。

本発明の吸着ヒートポンプの一例を示す概略図である。 実施例1の水の55℃吸着等温線である。 実施例1の水の脱離過程におけるXRD−DSC結果である。 実施例1の水の吸着過程におけるXRD−DSC結果である。 実施例1の水の脱離、吸着状態のXRDである。 実施例2の水の55℃吸着等温線である。 実施例4の水の55℃吸着等温線である。 実施例5の水の55℃と25℃の吸着等温線である。 実施例6の水の55℃吸着等温線である。 実施例7の水の55℃吸着等温線である。 実施例8の水の55℃吸着等温線である。 実施例9の水の55℃吸着等温線である。 実施例10の水の55℃吸着等温線である。 比較例1の水の55℃吸着等温線である。

符号の説明

1 吸着塔
2 吸着塔
3 吸着物質配管
4 蒸発器
5 凝縮器
11 熱媒配管
111 冷却水入口
112 冷却水出口
113 温水入口
114 温水出口
115 切り替えバルブ
116 切り替えバルブ
21 熱媒配管
211 冷却水入口
212 冷却水出口
213 温水入口
214 温水出口
215 切り替えバルブ
216 切り替えバルブ
30 吸着物質配管
31 制御バルブ
32 制御バルブ
33 制御バルブ
34 制御バルブ
300 室内機
301 ポンプ
41 冷水配管(入口)
42 冷水配管(出口)
51 冷却水配管(入口)
52 冷却水配管(出口)

Claims (3)

  1. 骨格構造内に少なくともFe、AlおよびPを含有する結晶性鉄アルミノフォスフェートであって、当該結晶性鉄アルミノフォスフェートは、X線波長1.5418ÅのCu−Kα線による粉末X線回折測定において、少なくとも、9.5±0.3、10.1±0.3、12.8±0.3、19.5±0.3、20.4±0.3、24.3±0.3および30.7±0.4の回折角(2θ)に回折ピークが現れ、且つ、フレームワーク密度が10T/nm以上18T/nm以下であり、55℃で測定された吸着等温線において、相対蒸気圧0.02での吸着物質の吸着量が0g/gより大きく0.12g/g以下であり、相対蒸気圧0.1での吸着物質の吸着量が0.13g/g以上0.4g/g以下であり、相対蒸気圧0.02以上0.1以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときの吸着物質の吸着量変化が0.08g/g以上となる相対蒸気圧領域を有することを特徴とする吸着材。
  2. 回折角(2θ)10.1±0.3で現れるピーク強度が、回折角(2θ)9.5±0.3で現れるピーク強度の10%以上である、請求項に記載の吸着材。
  3. 回折角(2θ)19.5±0.3で現れるピーク強度が、回折角(2θ)9.5±0.3で現れるピーク強度の10%以上である、請求項またはに記載の吸着材。
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