JP4654580B2 - 吸着ヒートポンプの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着ヒートポンプ用吸着材および吸着ヒートポンプに関するものであり、詳しくは、一層低温の排熱を利用でき、かつ、吸脱着における吸着量差が大きく、一層大きな吸着性能を発揮し得るゼオライト系の吸着材、ならびに、当該吸着材を使用した吸着ヒートポンプに関するものである。
近年、コージェネレーションシステムにおいては、冬場の電力・熱需要に対する夏場の電力需要の偏りに対応するため、吸着材の蓄熱機能を利用し、内燃機関などから排出される低温の排熱を有効活用することが検討されている。コージェネレーションシステムを含む環境共生型熱エネルギー利用システムにおいて、吸着ヒートポンプは、補助動力を用いることなく、低質熱エネルギーを熱源として作動させ得る最も優れた排熱回収手段の一つであり、その本格導入が期待されている。
周知の通り、吸着ヒートポンプは、吸着材の吸着・脱着現象に付随して起こる相変化を利用して熱の汲み上げを行うシステムであり、吸着材によって水などの吸着質を吸着・脱着する吸着器と、吸着器における吸着操作に伴って吸着質の蒸発により冷熱を生成する蒸発器と、吸着器で脱着された吸着質の蒸気を凝縮させて蒸発器に供給する凝縮器とから主に構成される。吸着ヒートポンプの作動過程においては、吸着材を加熱再生する際、エンジン等の排熱を回収することが出来る。
ところで、利用可能な熱源の温度は排熱発生側のシステムによって大きく異なる。例えば、高温側の熱源として利用されるガスエンジンコージェネレーションや固体高分子型燃料電池の排熱温度は60℃〜80℃であり、自動車エンジンの冷却水の温度は85℃〜90℃である。一方、冷却側の熱源温度も装置の設置場所によって異なる。例えば、自動車の場合はラジエターで得られる温度であり、ビルや住宅などでは水冷塔や河川水などの温度である。従って、吸着ヒートポンプの操作温度範囲は、ビルなどに設置する場合には低温側が25〜35℃、高温側が60〜80℃、自動車などに設置する場合には低温側が30〜40℃、高温側が85〜90℃程度である。
上記の吸着ヒートポンプにおいては、コージェネレーションシステム等に適用する場合、特に、吸着材の吸着特性が重要な要素である。一般的な吸着材、例えば、A型シリカゲル、13X等のゼオライトは、吸着性能が低いため、上記のシステムに適用せんとすると、吸着時に使用する冷媒を含め、大量に必要となり、装置の大型化などの問題を惹起する。また、同様の目的で検討されているメソポーラスシリカ(FSM−16等)は、界面活性剤のミセル構造を鋳型として合成したものであり、低い相対蒸気圧では吸着しないため、実際、コジェネレーション機器や燃料電池などの冷却水から得られる低温排熱を利用し難いと言う問題がある。もっとも、吸着特性の改善も試みられているが、構造が壊れ易く、しかも、工業的に製造し難いためにコストが嵩むと言う問題も指摘されている。
すなわち、上記の様な排熱を利用する場合の吸着材の特性としては、吸着材の周囲が比較的高い温度でも装置を充分に作動させるため、低い相対蒸気圧で吸着質を吸着する必要があり、また、装置を小型化するため、吸着材の吸脱着量が十分に大きい必要がある。そして、吸着材の再生に低温熱源を利用するため、脱着温度が低い必要がある。
上記の様な問題に対し、本願発明者等は、先に、吸着ヒートポンプ用の吸着材として、より低い相対蒸気圧で吸着質を吸着(より高温で吸着)し、より高い相対蒸気圧で吸着質を脱着(より低温で脱着)し、しかも、吸脱着量の一層大きなSAPO−34と称する吸着材、ならびに、当該吸着材を使用した吸着ヒートポンプを提案している。上記の吸着材は、骨格構造にアルミニウムとリンとヘテロ原子とを含むゼオライトから成る。斯かる吸着材は、25℃の水蒸気吸着等温線における相対蒸気圧が0.05以上で且つ0.30以下の範囲で0.15変化したときの吸着量変化が0.18g/g以上の相対蒸気圧域を有し、また、フレームワーク密度が10.0T/1,000Å以上で且つ16.0T/1,000Å以下である。
特開2002−372332号公報
ところで、昨今、コージェネレーションシステムの排熱利用においては、一層の省エネルギー化を図る観点から、より一層低温の排熱をより一層高温の環境において有効利用する技術が求められている。具体的には、高温側熱源としての排熱温度が60〜80℃であるのに対し、低温側の熱源温度は25〜45℃である。すなわち、例えば、工場や住宅などに空調用として吸着ヒートポンプを使用せんとした場合、建物の断熱効果などを考慮すると、低温側の熱源温度は外気温度から10℃程度高い温度となる。従って、上記のSAPO−34に比べても、より一層低温の排熱を利用でき、かつ、吸脱着における吸着量差が大きく、一層大きな吸着性能を発揮し得る新たな吸着材が要望される。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的低い相対蒸気圧域で吸着質を吸脱着でき、例えば、低温側の熱源温度が45℃、高温側の熱源温度が60℃以下でも駆動させ得る吸着ヒートポンプ用吸着材、および、当該吸着材を使用した効率の良い吸着ヒートポンプを提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の温度領域で吸脱着し、かつ、吸脱着における吸着量差が大きく、出力密度が大きくなる特定のゼオライト系吸着材を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、吸着材を使用した吸着ヒートポンプの運転方法であって、前記吸着ヒートポンプは、吸着熱を放出しつつ吸着材に吸着質を吸着する操作、および、外部の温熱により前記吸着材から吸着質を脱着する操作を繰り返す吸着器と、吸着質の蒸発により得られた冷熱を外部へ取り出すと共に、発生した吸着質の蒸気が前記吸着器に回収される蒸発器と、前記吸着器で脱着された吸着質の蒸気を外部の冷熱により凝縮させると共に、凝縮した吸着質を前記蒸発器に供給する凝縮器とを備えており、前記吸着材として、骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトから成り、かつ当該ゼオライトの骨格構造がAFI型であり、そのフレームワーク密度が16.0T/1,000Åより大きく且つ19.0T/1,000Å以下であり、吸着温度(Ta)、脱着温度(Td)及び冷熱生成温度(Tcool)が次式(1)及び(2)を満たす関係において、吸着温度(Ta)における水蒸気吸着量と脱着温度(Td)における水蒸気吸着量との差が0.1g/g以上である吸着材を用い、前記吸着器において25〜45℃の吸着温度(Ta)で吸着操作し、60〜75℃の脱着温度(Td)で脱着操作することを特徴とする吸着ヒートポンプの運転方法に存する。
本発明の吸着材によれば、例えば、低温側の熱源温度が45℃、高温側の熱源温度が60℃以下と言う比較的低い相対蒸気圧域で吸着質を吸脱着でき、しかも、吸脱着における吸着量差が大きいため、低温の熱を有効に利用でき、効率よく吸着ヒートポンプを駆動することが出来る。また、本発明の吸着ヒートポンプによれば、低温の熱で効率よく駆動するため、コージェネレーションシステム等の排熱を有効に活用でき、一層の省エネルギー化を図ることが出来る。
以下、本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材(以下、「吸着材」と言う。)及び吸着ヒートポンプについて詳細に説明するが、以下の記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明は、これらの内容に特定されるものではない。
先ず、本発明の吸着材について説明する。吸着ヒートポンプに要求される吸着特性からすると、吸着ヒートポンプの操作蒸気圧範囲は、高温熱源温度(Thigh)、低温熱源温度(Tlow1)、低温熱源温度(Tlow2)及び冷熱生成温度(Tcool)から求められる脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)によって決定される。脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)は、以下の式により算出でき、脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)との間が操作可能な相対蒸気圧範囲である。
ここで、高温熱源温度(Thigh)とは、吸着材から吸着質を脱着して吸着材を再生する際に加熱する熱媒の温度を意味し、低温熱源温度(Tlow1)とは、凝縮器の吸着質の温度を意味し、低温熱源温度(Tlow2)とは、再生後の吸着材を吸着に共する際に冷却する熱媒の温度を意味し、冷熱生成温度(Tcool)とは、蒸発器の吸着質の温度すなわち生成した冷熱の温度を意味する。上記の式中、平衡蒸気圧(Tlow1)、(Thigh)、(Tcool)及び(Tlow2)は、夫々、上記の各温度(Tlow1)、(Thigh)、(Tcool)及び(Tlow2)における平衡蒸気圧を示し、これらは吸着質の平衡蒸気圧曲線を利用して、温度から求めることが出来る。
吸着ヒートポンプにおいて、吸着質が最も一般的な水である場合の操作蒸気圧範囲を例示すると、吸着側相対蒸気圧(φ2)は、冷熱生成温度(Tcool)が11℃、低温熱源温度(Tlow2)が35℃の場合で0.24となる。また、脱着側相対蒸気圧(φ1)は、低温熱源温度(Tlow1)が35℃、高温熱源温度(Thigh)が65℃の場合で0.22となる。従って、吸着ヒートポンプを作動する相対水蒸気圧範囲(φ1〜φ2)は0.22〜0.24となり、吸着材としてはこの範囲で吸着量の変化の大きなものが好ましい。
本発明においては、比較的高温の環境で吸着ヒートポンプを使用するため、吸着材の吸着温度(Ta)は25〜45℃が好ましい。吸着温度(Ta)の上限は、夏期の外気温度に応じて決定され、夏期の外気温度が30〜38℃程度とすると、コジェネレーション装置の設置場所の条件変動などを考慮して40〜45℃程度である。吸着温度(Ta)の下限に関しては特に限界はないが、例えば、家庭用コジェネレーション装置へ組み込まれる固体高分子型燃料電池が夏期の朝方に作動する様な場合を想定し、かつ、比較的高温の環境で使用することを想定すると、吸着温度(Ta)の下限は、通常25〜30℃、好ましくは30℃以上である。すなわち、吸着温度(Ta)は、一般的には25〜45℃、好ましくは30〜43℃、更に好ましくは35〜40℃である。
吸着材の脱着温度(Td)は、上記の様な吸着温度(Ta)に対し、以下の式(1)で示す範囲にある必要がある。
脱着温度(Td)を上記の様な範囲に規定する理由は次の通りである。すなわち、脱着温度(Td)は、利用する排熱の温度によって決定されるが、例えば、燃料電池の排熱は70〜80℃程度であり、実際にはこれを更に熱変換して利用するため、利用可能な熱の温度は実際の排熱温度よりも10℃程度低い温度となる。従って、斯かる温度が脱着温度(Td)の下限であり、吸着温度(Ta)との温度差Ta+28℃となる。脱着温度(Td)の上限は100℃である。水の沸点を越える様な脱着温度(Td)は、装置上の問題を惹起すること、実際に供給される排熱の温度よりも高い温度であること等の観点からして実用的ではない。具体的な脱着温度(Td)の範囲は、排熱の一般的な利用環境を考慮した場合、通常58〜85℃、好ましくは60〜80℃、更に好ましくは60〜75℃である。
一方、冷熱生成温度(Tcool)は、以下の式(2)で示す範囲である。
上記の冷熱生成温度(Tcool)とは、吸着質が吸着されることにより蒸発潜熱を奪われて冷やされた際の吸着質の温度、すなわち、吸着される水の吸着前後の平均温度であり、吸着質量と吸着量の関係から一義的に決まる温度である。斯かる温度については、より低い方が生成熱としての価値は大きいが、下限は利用可能な温度の価値を基準に決定される。実質的には、吸着ヒートポンプを作動させるため、冷熱生成温度(Tcool)は(Ta−25)℃を越えることが必要である。一方、冷熱生成温度(Tcool)は25℃未満であれば実用的に冷熱として使用可能である。冷熱生成温度(Tcool)の下限は、好ましくは5℃、更に好ましくは7℃であり、上限は、好ましくは20℃、更に好ましくは15℃である。
吸着材に要求される特性の1つとして、吸着量差、すなわち、吸着温度(Ta)における水蒸気吸着量と脱着温度(Td)における水蒸気吸着量との差が挙げられる。吸着量差は、(1)吸着温度(Ta)における吸着等温線と、(2)脱着温度(Td)における吸着等温線とを用いて、(a)冷熱生成温度(Tcool)と吸着温度(Ta)から決定される相対湿度(脱着側相対蒸気圧)での吸着量と、(b)吸着温度(Ta)と脱着温度(Td)から決定される相対湿度(脱着側相対蒸気圧)での吸着量の差を意味する。
本発明において、吸着量差は、0.1[g・HO/g・吸着材]以上であることが必要であり、0.12g/g以上が好ましく、0.135g/g以上が更に好ましく、0.15g/g以上がより一層好ましい。吸着量差が上記の値よりも小さい場合には、必要とする吸着材の容積が大きくなり、装置が大型化するため好ましくない。吸着量差の上限は特に制限はないが、吸着材の材料上の制約からすると、通常は0.3g/g程度以下である。
上記の吸着量差の違いは、具体的には吸着ヒートポンプにおいて以下の様に影響する。
例えば、吸着ヒートポンプを冷房装置として使用し、5.0kW(=18,000kJ)の冷房能力(木造南向き和室16畳程度の冷房能力)を得る場合を想定すると、吸着材の吸着量差が0.1g/gの場合、吸着ヒートポンプにおける吸着材の必要量は、以下の式により12.0kgとなる。ただし、水の蒸発潜熱量は約2500kJ/kgであり、吸脱着の切り替えサイクルを10分(6回/時間)とする。
吸着ヒートポンプにおいて、吸着量は多い程良いが、吸着材の重量および容積は少ない程良い。すなわち、吸着ヒートポンプにおいては、設置面積に制約を受ける場合が多いため、より小型化を図った上でより大きな性能が求められる。従って、吸着材としては、吸着量差に関して上記の要件を満足するものがよい。吸着量差が小さい場合には、吸着材の必要量が大きくなり、装置が大型化するので好ましくない。例えば、吸着材の吸着量差が0.05g/gであった場合、吸着材の必要量が24kgとなる。
本発明の吸着材は、上記の様な吸着特性を備えていることにより、前記の如く、低温側熱源の温度が30℃以上で且つ高温側熱源の温度が60℃以下と言う厳しい条件、あるいは、低温側吸着条件が45℃以上で且つ高温側脱着条件が75℃以下と言う厳しい条件下でも吸着ヒートポンプを駆動させることが出来、また、上記の様に大きな吸着量差を有していることにより、吸着ヒートポンプを一層コンパクトに構成できる。
また、本発明の吸着材は、蓄熱材であるから、その特性を出力の面から規定することが出来る。すなわち、吸着材の出力密度(単位質量当たりの出力)は、上記の吸着量差、蒸発潜熱および吸着ヒートポンプでの吸脱着サイクルによって特定できる。例えば、吸着量差が0.12g/g、水の蒸発潜熱が約2500kJ/kgであり、10分サイクルで水を吸着したとすると、吸着材の出力密度は、以下の演算の様に0.5kw/kgとなる。吸着材の出力密度は、吸着量差と同様に、より大きい方が望ましいが、吸着材の材料上の制約や吸着ヒートポンプにおける吸着サイクルの設計上の制約から、1.5kw/kg程度以下である。
また、吸着材の出力密度については、吸着ヒートポンプを実稼動させる場合の装置の大きさを考慮して設計する必要がある。通常、吸着ヒートポンプにおいては、吸着質を吸着・脱着する吸着器(吸着器モジュール)が少なくとも2基以上設けられており、これらの切替操作により装置全体として吸着機能を連続的に発揮する。しかも、各吸着器は、例えば、特開2001−213149号公報などに記載の様に、多数のフィン等から成る熱交換部材の表面に吸着材を付着させ且つ熱交換部材を密閉容器内に収容した構造を備えている。そして、吸着器においては、吸着材が占有する部分と、熱交換部材自体が占有する部分とが存在し、吸着材が占める容積は実質的に約50%である。
従って、実際のスケールからすると、吸着器における吸着材の充填密度は、最大で800kg/m、最小で500kg/m、平均で600kg/mであるため、吸着器に要求される単位容積あたりの出力密度は、吸着材の吸着材の出力密度を0.5kw/kgとすると、以下の式から約150kw/mとなる。吸着器の出力密度の上限と下限は、吸着材の出力密度に依存し、通常は150〜450kw/m程度である。
更に、吸着材の出力密度については、システムである吸着ヒートポンプ全体としての出力密度を考慮して規定されることも重要である。上記の公知文献にも記載の通り、吸着ヒートポンプは、上記の様な吸着器の他、吸着質の蒸発により冷熱を生成して外部へ取り出す蒸発器と、吸着器で脱着された吸着質の蒸気を凝縮させ且つ凝縮により得られる温熱を外部へ放出する凝縮器を備えている。そして、蒸発器と吸着器を接側する配管や、吸着器と凝縮器を接側する配管の長さ等にもよるが、本発明者等が特開2002−372332号公報にて開示した様に、上記の吸着器の出力密度は、吸着ヒートポンプの出力密度の1.5倍程度に設計される必要がある。従って、吸着ヒートポンプの出力密度は、吸着器の出力密度を150kw/mとすると、100kw/mである。通常、吸着ヒートポンプの出力密度の設計範囲は100〜300kw/m程度である。
本発明の吸着材は、骨格構造に少なくともアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライト、すなわち、結晶性鉄アルミノフォスフェートから成る。しかも、そのフレームワーク密度は、IZA(International Zeolite Association)の「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001」に示されている数値で16.0T/1,000Åより大きく且つ19.0T/1,000Å以下とされる。フレームワーク密度の下限は、16.2T/1,000Å以上が好ましく、フレームワーク密度の上限は、18.0T/1,000Å以下が好ましい。
上記の範囲のフレームワーク密度を有するゼオライトは、上述した好ましい吸着脱着特性を有する。フレームワーク密度が上記の範囲よりも小さい場合には、吸着量差は大きくなる傾向はあるが、適当な相対湿度範囲で吸脱着を起こさなかったり、構造が不安定になり、耐久性に問題を生じる虞がある。一方、フレームワーク密度が上記の範囲よりも大きい場合には、吸着量差が小さくなり過ぎるため、吸着ヒートポンプ用として不適当である。
ここで、フレームワーク密度とは、ゼオライトの1,000Åあたりの酸素以外の骨格を構成する原子(T原子)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。フレームワーク密度は細孔容量と相関があり、一般的に、より小さいフレームワーク密度のゼオライトはより大きい細孔容量を有し、その結果、吸着容量が大きくなる。上記の様なゼオライトの構造は、XRD(X-ray diffraction)により決定され、その構造によりフレームワーク密度を実測し、評価することができる。なお、「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIER」には、ゼオライトの構造とフレームワーク密度の関係が記載されている。
フレームワーク密度の小さいものは、全体的な吸着量の増加と言う観点からは好ましいが、より低湿度での吸着材として適しており、本発明において求める相対蒸気圧範囲、すなわち、より高湿度における吸着性能と言う観点からは不適当である。本発明においては、上記の範囲の通り、むしろフレームワーク密度の大きいものが適している。
本発明におけるゼオライトの構造としては、IZAが定めるコードで示すと、ABW、AEL、AEN、AET、AFI、AFN、AFO、AHT、ANA、APC、APD、AST、ATN、ATO、ATS、ATT、BPH、BRE、CON、CZP、DFT、EDI、FER、LAU、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MWW,OSI,SAT、SOD、STT、TER、VNI、VSV、ZONが挙げられる。これらのうち、AEL、AET、AFI、AST、ATSが好ましく、AFIがより好ましい。
本発明の吸着材を構成するゼオライトにおいて、結晶性鉄アルミノフォスフェートの鉄は骨格内のアルミニウム及び/又はリンと置換されている。そして、斯かるゼオライトとしては、骨格構造にアルミニウムとリンと鉄を含むゼオライトであって、以下の式(1)、(2)及び(3)で表される原子の存在割合を有するものが好ましい。
そして、上記の原子の存在割合のなかで、鉄の存在割合が、下記式(4)で表されるものが好ましく、下記式(5)で表されるものが更に好ましい。
本発明において、結晶性鉄アルミノフォスフェートの骨格構造内には、Fe、Al及びP以外の他の元素が含まれていてもよい。他の元素としては、例えば、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。通常、他の元素(M)と鉄(Fe)のモル比(M/Fe)は3以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは0.5以下である。モル比(M/Fe)が斯かる範囲にない場合は、本発明において要求される吸着性能を十分に発揮できない。
上記の原子の各モル比は元素分析により特定できるが、通常、元素分析においては、塩酸水溶液で試料を加熱溶解した後、ICP分析を行う。本発明の吸着材は、基本的に上記ゼオライトから成るものであるが、その性能を損わない範囲において、他の吸着材を混合したり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
本発明において、上記の結晶性鉄アルミノフォスフェートは、その製造条件については特に限定されるものではないが、通常、アルミニウム源、鉄源、リン源およびテンプレートを混合した後、水熱合成して製造される。以下、その一例を説明する。
先ず、アルミニウム源、鉄源、リン源、および、テンプレートを混合する。アルミニウム源としては、特に限定されないが、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウム等が挙げられ、取扱いが容易な点および反応性が高いの点で、擬ベーマイトが好ましい。
鉄源としては、これも特に限定はされないが、通常、硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄等の無機酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄等の有機酸鉄、鉄ペンタカルボニル、フェロセン等の鉄有機金属化合物などが挙げられる。これらのうち、無機酸鉄、有機酸鉄が水に溶けやすい点で好ましく、中でも、硝酸第二鉄、硫酸第一鉄などの無機酸鉄化合物がより好ましい。場合によってはコロイド状の鉄水酸化物等を使用してもよい。
リン源としては、通常、リン酸が用いられるが、リン酸アルミニウムを使用することも出来る。また、鉄アルミノフォスフェートの骨格構造内には、前述の吸脱着特性を損なわない限りにおいて、他の元素が含まれていてもよい。他の元素としては、ケイ素、リチウム、マグウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。
テンプレートとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、モルホリン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、2−メチルピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、N−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタンイオン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン、2−イミダゾリドン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン、ヘキサメチレンイミン等の1級アミン、2級アミン、3級アミン、ポリアミンが挙げられる。これらは混合して使用してもよい。この中でも、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジ−n−イソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドが反応性の点で好ましく、工業的にはより安価なトリエチルアミンが一層好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記のアルミニウム源、鉄源、リン源およびテンプレートを混合して水性ゲルを調合する。混合順序は条件により異なるが、通常は、先ず、リン酸源、アルミニウム源を混合し、これに鉄源と、テンプレートとを混合する。上記の水性ゲルの組成は、通常、酸化物のモル比で表して、0.01≦FeO/P≦1.5であり、更に合成のし易さの観点からは、0.02≦FeO/P≦1.0が好ましく、0.05≦FeO/P≦0.5がより好ましい。また、P/Alのモル比は、0.6以上で且つ1.7以下であり、更に合成のしやすさの観点からは、0.7以上で且つ1.6以下が好ましく、0.8以上で且つ1.5以下がより好ましい。
また、水の割合の下限は、Alに対してモル比で3以上であり、合成のし易さの観点からは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。水の割合の上限は200以下、合成のし易さ及び生産性の高さの観点からは150以下が好ましく、120以下がより好ましい。水性ゲルのpHは4〜10であり、合成のし易さの観点からは5〜9が好ましく、5.5〜8.5がより好ましい。なお、各水性ゲル中には、所望により、上記以外の成分を共存させてもよい。この様な成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒が挙げられる。
水熱合成は、上記の水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧下、または、結晶化を阻害しない気体の加圧下において、攪拌または静置状態で所定温度を保持することにより行われる。水熱合成の際の温度は100〜300℃であり、合成のし易さの観点からは150〜250℃が好ましく、170〜220℃がより好ましい。反応時間は、3時間〜30日であり、合成のし易さの観点からは5時間〜15日が好ましく、7時間〜7日がより好ましい。そして、水熱合成した後は、生成物を分離し、次いで、水洗、乾燥した後、空気などを使用した焼成を施し、含有する有機物の一部または全部を除去することにより、上記の結晶性鉄アルミノフォスフェートを得ることが出来る。
上記の様な本発明の吸着材は、比較的低い相対蒸気圧において狭い範囲の相対蒸気圧変化で大きな吸着量変化を得られるため、低温熱源温度の下限に制限がある場所、すなわち、例えば冷房すべき空間の温度が比較的高い工場などに適用する吸着ヒートポンプや調湿空調装置の吸着材として好適に使用することが出来る。
次に、上記の吸着材の適用例として、本発明の吸着ヒートポンプについて図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係る吸着ヒートポンプ用吸着材の適用例としての吸着ヒートポンプの構成の一例を示すフロー図である。
本発明の吸着ヒートポンプは、上記の吸着材を使用した吸着ヒートポンプであり、概略、図1に示す様に、吸着材を充填して成り、吸着熱を放出しつつ吸着材に吸着質を吸着する操作、および、外部の温熱により吸着材から吸着質を脱着する操作を繰り返すと共に、吸着質の吸着操作により発生した熱を熱媒に伝達する吸着器(1)及び(2)と、吸着質の蒸発により得られた冷熱を外部へ取り出すと共に、発生した吸着質の蒸気が吸着器(1)及び(2)に回収される蒸発器(4)と、吸着器(1)及び(2)で脱着された吸着質の蒸気を外部の冷熱により凝縮させると共に、凝縮した吸着質を蒸発器(4)に供給し且つ吸着質の凝縮により得られた温熱を外部へ放出する凝縮器(5)とを備えている。
吸着材が充填された吸着器(1)及び(2)は、各入口側および各出口側がそれぞれ吸着質配管(30)により相互に接続され、吸着質配管(30)には、制御バルブ(31)〜(34)が設けられる。なお、吸着質配管(30)内において、吸着質は、蒸気または液体と蒸気の混合物として存在する。
一方の吸着器(1)には熱媒配管(11)が接続され、他方の吸着器(2)には熱媒配管21が接続される。熱媒配管(11)には、切替バルブ(115)及び(116)が設けられ、熱媒配管(21)には、切替バルブ(215)及び(216)が設けられる。そして、熱媒配管(11)及び(21)は、各々、吸着器(1)及び(2)内の吸着材を加熱するための加熱源となる熱媒、または、吸着材を冷却するための冷却源となる熱媒が流れる様になされている。熱媒としては、吸着器(1)及び(2)内の吸着材を有効に加熱または冷却し得る限り、各種の媒体を使用できる。
吸着器(1)は、脱着操作の際、切替バルブ(115)及び(116)の開閉により、入口(113)より例えば温水を導入し、出口(114)に排出する様になされている。また、吸着操作の際、切替バルブ(115)及び(116)の開閉により、入口(111)から例えば冷却水を導入し、出口(112)に排出する様になされている。一方、吸着器(2)は、脱着操作の際、切替バルブ(215)及び(216)の開閉により、入口(213)より例えば温水を導入し、出口(214)に排出する様になされている。また、吸着操作の際、切替バルブ(215)及び(216)の開閉により、入口(211)より例えば冷却水を導入し、出口(212)に排出する様になされている。
なお、図示しないが、熱媒配管(11)及び(21)には、温水をを供給するため、温水を発生する熱源、温水を循環するポンプが接続され、また、冷却水を供給するため、外気と熱交換可能な室外機が接続されいる。熱源としては、後述する様に、ガスエンジン、ガスタービン等のコジェネレーション機器や燃料電池などを利用できる。
吸着器(1)及び(2)の入口側の吸着質配管(30)には蒸発器(4)が接続され、吸着器(1)及び(2)の出口側の吸着質配管(30)には凝縮器(5)が接続されている。すなわち、上記の吸着器(1)及び(2)は、蒸発器(4)と凝縮器(5)の間に並列に配置されており、そして、凝縮器(5)と蒸発器(4)の間には、凝縮器(5)にて凝縮された吸着質を蒸発器(4)に戻すための戻し配管(3)が設けられている。なお、符号(41)は蒸発器(4)からの冷房出力となる冷水配管、符号(42)は冷水の出口となる冷水配管をそれぞれ示し、冷水配管(41)と冷水配管(42)の間には、室内空間(空調空間)と熱交換するための室内機(300)、および、冷水を循環するポンプ(301)が配置される。また、符号(51)は凝縮器(5)に対する冷却水の入口配管を示し、符号(52)は冷却水の出口配管を示す。
続いて、上記の吸着式ヒートポンプの運転方法について説明する。第1行程では、制御バルブ(31)及び(34)を閉止し、かつ、制御バルブ(32)及び(33)を解放することにより、吸着器(2)において吸着工程を行い、同時に、吸着器(1)において再生工程を行う。また、切替バルブ(115)、(116)、(215)及び(216)を操作し、熱媒配管(11)には温水を流通させ、熱媒配管(21)には冷却水を流通させる。
吸着工程においては、熱媒配管(21)を通し、冷却塔などの外部の熱交換器によって冷やされた冷却水を導入することにより、吸着器(2)を冷却する。冷却水の温度は、周囲の温度から決まり、例えば家庭用燃料電池への組み込みを前提とした場合には25〜45℃である。一方、制御バルブ(32)の開操作により、蒸発器(4)内の水(吸着質)は蒸発し、水蒸気となって吸着器(2)に流れ込み、吸着材に吸着される。蒸発器(4)から吸着器(2)への水蒸気移動は、蒸発温度での飽和蒸気圧と吸着材温度(一般的には25〜45℃、好ましくは30〜43℃、更に好ましくは35〜40℃)に対応した吸着平衡圧との差により行われ、蒸発器(4)においては、水の蒸発に伴う気化熱に応じた冷熱、すなわち、冷房出力を得ることが出来る。
吸着側相対蒸気圧(φ2)(蒸発器(4)で生成する冷水温度における吸着質の平衡蒸気圧を、吸着器(2)の冷却水の温度における吸着質の平衡蒸気圧で除すことにより求められる値)は、吸着器(2)の冷却水の温度と蒸発器(4)で生成する冷水温度との関係から決定されるが、通常、吸着側相対蒸気圧(φ2)は、吸着材が最大に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも大きくなる様に運転するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、吸着材が最大に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも吸着側相対蒸気圧(φ2)が小さい場合には、吸着材の吸着機能を有効に利用できず、運転効率が低下する。上記の吸着側相対蒸気圧(φ2)は環境温度などにより適宜に設定することが出来る。
再生工程において、吸着器(1)は、通常は53〜100℃、好ましくは58〜85℃、更に好ましくは60〜80℃、より一層好ましくは60〜75℃の温水により加熱される。これにより、吸着器(1)の吸着材は、前記の温度範囲に対応した平衡蒸気圧になり、凝縮器(5)の凝縮温度25〜45℃(凝縮器(5)を冷却する冷却水の温度)での飽和蒸気圧で水(吸着質)を脱着する。脱着された水は、吸着器(1)から凝縮器(5)へ水蒸気の状態で移動し、凝縮されて水となる。そして、凝縮器(5)で得られた水は、戻し配管(3)により蒸発器(4)へ循環供給される。
脱着側相対蒸気圧(φ1)(凝縮器(5)の冷却水の温度における吸着質の平衡蒸気圧を、温水の温度における吸着質の平衡蒸気圧で除すことにより求められる値)は、凝縮器(5)の冷却水の温度と温水の温度との関係から決定されるが、脱着側相対蒸気圧(φ1)は、吸着材が急激に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも小さくなる様に運転するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、吸着材が急激に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも脱着側相対蒸気圧(φ1)が大きい場合には、吸着材の優れた吸着機能を有効に利用できない。
上記の脱着側相対蒸気圧(φ1)は、環境温度などにより適宜に設定することが出来るが、脱着側相対蒸気圧(φ1)における吸着量が通常は0.14以下、好ましくは0.10以下となる様な温度条件で運転される。更に、脱着側相対蒸気圧(φ1)における吸着質の吸着量と吸着側相対蒸気圧(φ2)における吸着質の吸着量との差が、通常は0.12g/g以上、好ましくは0.135g/g、より一層好ましくは0.15g/g以上となる様に運転する。
次の第2行程では、吸着器(1)が吸着工程、吸着器(2)が再生工程となる様に、制御バルブ(31)〜(34)、ならびに、切り替えバルブ(115)、(116)、(215)及び(216)を切り替えることにより、上記と同様に、蒸発器(4)から冷熱、換言すれば、冷房出力を得ることが出来る。すなわち、第2行程では、制御バルブ(32)及び(33)を閉止し、かつ、制御バルブ(31)及び(34)を解放することにより、吸着器(1)において吸着工程を行い、同時に、吸着器(2)において再生工程を行う。また、その際、切替バルブ(115)、(116)、(215)及び(216)を操作し、熱媒配管(21)には温水を流通させ、熱媒配管(11)には冷却水を流通させる。
以上の様に、第1及び第2行程を順次に切り替えることにより、吸着ヒートポンプを連続運転することが出来る。なお、図1においては、2基の吸着器(1)及び(2)を備えた吸着ヒートポンプについて例示したが、本発明の吸着ヒートポンプにおいては、吸着材が吸着した吸着質の脱着を適宜行い、何れかの吸着器が吸着質を吸着できる状態を維持できる限り、吸着器は何基設置されていてもよい。
上記の様な本発明の吸着ヒートポンプは、低温排熱を熱源として駆動させることが出来るため、省エネルギー化が求められるコジェネレーションシステム等の各種のシステムに適用できる。以下、本発明に係る吸着ヒートポンプの適用例として、固体高分子型燃料電池の排熱を利用した冷熱生成システム、太陽熱利用給湯器の温熱を利用した冷熱生成システム、エンジンの低温排熱を利用した冷熱生成システム、および、温熱生成システムについて図2〜図5を参照して説明する。
図2は、本発明に係る吸着ヒートポンプの熱源として固体高分子型燃料電池の排熱を利用した冷熱生成システムの構成図であり、図3は、太陽熱利用給湯器の温熱を利用した冷熱生成システムの構成図である。図4は、エンジンの低温排熱を利用した冷熱生成システムの構成図である。また、図5は、本発明に係る吸着ヒートポンプを使用した温熱生成システムの構成図である。なお、図2〜図5においては本発明の吸着ヒートポンプを符号(1A)で示す。
図2に示す冷熱生成システムは、家庭用電源に固体高分子型燃料電池(PEFC)(81)を組み込んだコジェネレーションシステムである。斯かるシステムは、平6−74597号公報、特開2001−213149号公報などに開示されている。PEFC(81)は、発電効率が約40%であり、廃熱を効率的に利用することで総合効率が80%程度まで向上するため、排熱の有効利用方法が各種提案されているが、80℃以下の低温排熱の利用用途が少なく、斯かる低温排熱の有効活用が望まれている。
そこで、図2に示す様に、本発明においては、PEFC(81)から排出される80℃以下の熱を吸着ヒートポンプ(1A)に利用する。すなわち、本発明の吸着ヒートポンプ(1A)において、吸着器(1)及び(2)は、固体高分子型燃料電池(PEFC)(81)から発生した低温排熱を外部の温熱として使用する様になされている。具体的には、PEFC(81)の排熱を熱交換器(82)によって回収し、熱交換器(82)の例えば温水を吸着器(1)及び(2)に導入することにより、吸着材から水(吸着質)を脱着する際の加熱源として利用する。なお、吸着器(1)及び(2)は、吸着時には吸着熱を除去する必要があるため、冷却水を流して熱交換を行うが、斯かる冷却水の供給は、車のラジエータからの排水や水道水などの冷熱源となる冷媒を循環させる方法が一般的であり、場合によっては外部の冷水を使用することも出来る。
吸着ヒートポンプ(1A)は、冷熱生成装置であるから、図2に示す様なシステムに組み込むことにより、排熱利用による冷熱生成が可能となる。また、従来の冷熱生成機器では、冷媒圧縮のためのコンプレッサが必要であるが、図2に示すシステムによれば、コンプレッサ等の装置や動力が必要ないため、省電力を図ることが出来、しかも、熱媒として水を使用できるため、脱フロンの観点からしても環境に好ましい。
図3に示す冷熱生成システムは、太陽熱利用給湯器の温熱を利用して冷熱を生成するシステムである。太陽熱利用給湯器システムは、特開昭63−118564号公報などに開示されている。上記の給湯器システムは、集熱器(83)を含む集熱回路と、貯湯タンク(84)を含む給湯回路とを備え、貯湯タンク(84)の湯温と補給する水温とをセンサーで検出し、貯湯タンク(84)から集熱器(83)に循環させる水量をポンプ制御することにより、貯湯タンク(84)に一定温度の温水を常に一定量蓄える様になされたものである。貯湯タンク(84)の温熱は、本来は給湯により十分に利用可能であるが、季節によっては給湯需要量が変動する。具体的には、冬期には十分利用可能であるが、夏期には熱需要の減少により温熱が余り、その結果、省エネルギー化を達成していないと言う実情がある。
そこで、図3に示す様に、本発明においては、貯湯タンク(84)に蓄えられる湯温の温熱を吸着ヒートポンプ(1A)に利用する。すなわち、本発明の吸着ヒートポンプ(1A)において、吸着器(1)及び(2)は、貯湯タンク(84)に蓄えられる余剰の温熱、換言すれば、太陽熱利用給湯器から発生した低温排熱を外部の温熱として使用する様になされている。具体的には、貯湯タンク(84)に蓄えられた湯温の温熱を蛇腹管構造などの熱交換器によって回収し、熱交換器の例えば温水を吸着器(1)及び(2)に導入することにより、吸着材から水(吸着質)を脱着する際の加熱源として利用する。なお、吸着器(1)及び(2)における吸着熱の除去には、前述と同様に、各種の冷却水を使用でき、また、貯湯タンク(84)に新たに供給する水を冷却水として使用することも出来る。
本発明の吸着ヒートポンプ(1A)は、図3に示す様なシステムに組み込むことにより、余剰の熱を利用して冷熱を生成が可能となる。すなわち、夏期に余剰の温熱を利用することにより、効率の良い冷房を行うことが出来る。しかも、給湯器システムの余剰の熱を利用するため、一層省エネルギー化を促進できる。更に、図3に示すシステムによれば、コンプレッサ等の装置や動力が必要ないため、省電力を図ることが出来、しかも、熱媒として水を使用できるため、脱フロンの観点からしても環境に好ましい。
図4に示す冷熱生成システムは、内燃機関を使用し、発電を行い、蒸気、温水および冷水の製造を行うガスタービンコージェネレーションシステムにおいて構築される低温排熱利用システムである。ガスタービンコージェネレーションシステムは、特開2002−266656号公報などに開示されている。周知の通り、斯かるシステムは、例えば、ガスタービン(内燃機関)によって発電機を駆動することにより発電を行い、ガスタービンの燃焼排ガスの熱を排熱回収ボイラで回収して蒸気を発生させ、排熱回収ボイラから供給される蒸気を駆動熱源として吸収式冷凍機により冷水を製造し、また、排熱回収ボイラ4を通過した排ガスの熱を温水ボイラによって更に回収して温水を製造し、そして、温水ボイラで製造した温水を駆動熱源として吸着式冷凍機(吸着ヒートポンプ)により冷水を製造する様になされている。
本発明においては、図4に示す様に、温水ボイラ(85)で回収される温水の熱を吸着ヒートポンプ(1A)に利用する。すなわち、本発明の吸着ヒートポンプ(1A)において、吸着器(1)及び(2)は、内燃機関利用のコジェネレーションシステムから発生する低温排熱を外部の温熱として使用する様になされている。具体的には、温水ボイラ(85)において蛇腹管構造などの熱交換器により温熱を回収し、熱媒としての例えば温水を熱交換器から吸着器(1)及び(2)に導入することにより、吸着材から水(吸着質)を脱着する際の加熱源として利用する。なお、吸着器(1)及び(2)における吸着熱の除去には、前述と同様に、各種の冷却水を使用できる。
本発明の吸着ヒートポンプ(1A)は、図4に示す様なコジェネレーションシステムに組み込むことにより、従来は利用価値の低かった温水の低温排熱を一層有効活用して冷熱を低コストで生成することが出来る。しかも、熱媒として水を使用できるため、環境保護の観点からも好ましい。また、吸収式冷凍機の様に臭化リチウム等の吸収液を使用することがないため、保守管理に手間が掛からず、保守費用も低減できる。更に、ガスタービンと略同時に起動できるため、負荷変動などにも迅速に対応できる。
図5に示す温熱生成システムは、吸着材の吸着熱を利用して温熱を生成するシステムである。吸着ヒートポンプ(1A)は、前述の様に、吸着操作の際、吸着材に所定の吸着能力を発揮させるため、通常の運転時には吸着熱を冷却水などにより除去し、吸着材の温度を下げるが、前記の吸着熱を有効利用することにより、温熱生成が可能となる。
すなわち、本発明の吸着ヒートポンプ(1A)において、吸着器(1)及び(2)は、吸着操作で放出する吸着熱を温熱利用機器に供給可能になされている。具体的には、図5に示す温熱生成システムは、吸着ヒートポンプ(1A)及び貯湯タンク(86)から主に構成され、吸着ヒートポンプ(1A)の吸着器(1)及び(2)には温熱交換用の配管により貯湯タンク(86)の水が冷却水として供給され、貯湯タンク(86)には吸着器(1)及び(2)から温水が戻る様になされている。従って、本発明の吸着ヒートポンプ(1A)は、図4に示す様なシステムとして構成されることにより、蒸発器(4)において冷熱を生成し、かつ、吸着器(1)及び(3)で発生した吸着熱を利用して例えば貯湯タンク(86)で温水を製造することが出来る。
吸着ヒートポンプ(1A)の大きさは、冷房需要に基づいて決定されるとした場合、温熱生成可能量は、(吸着熱量×吸着ヒートポンプの効率)となる。そして、吸着熱量は、(吸着材の吸着量×吸着材の重量×水の蒸発潜熱×1時間あたりのサイクル回数)である。従って、冷熱生成の場合と同様に、上記の条件から吸着ヒートポンプ(1A)の温熱生成能力を求めると、以下の式により約5.0kwとなる。
その結果、家庭用給湯器の一般的な給湯能力(24号:41.8kW)を想定すると、上記の温熱生成システムにより、給湯における消費エネルギーを約12%節約できる。すなわち、吸着ヒートポンプ(1A)を適用した温熱生成システムは、例えば、家庭用給湯器に上記の温熱(温水)を供給することにより、一層の省エネルギー化を図ることが出来、エネルギー効率を向上できる。なお、上記の様な温熱生成システムは、勿論、空調機器に適用することも可能であり、その場合は暖房効率を向上することが出来る。
本発明の吸着材として、結晶性鉄アルミノフォスフェートを以下の通り合成し、その吸着特性を確認した。図6は、実施例としての吸着材の吸着特性を示す吸着等温線のグラフである。
先ず、水30.0gと85%リン酸13.8gの混合物に、擬ベーマイト(コンデア製:25%水含有)7.3gをゆっくりと加えて攪拌した。斯かる混合物を3時間攪拌し、これに硫酸第一鉄7水和物5.0gを水28.0gに溶かした水溶液を加え、更に、トリエチルアミン8.5gを混合して3時間攪拌し、以下の組成を有する出発原料混合物を得た。
次いで、テフロン(登録商標)製の内筒の入った200ccのステンレス製オートクレーブに上記の出発原料混合物を仕込み、静置状態にて200℃で12時間反応させた。反応後はこれを冷却し、デカンテーションにより上澄みを除去して沈殿物を回収した。更に、斯かる沈殿物を水で3回洗浄した後、濾別し、120℃で乾燥した。そして、得られたテンプレート含有のサンプルを3g採取し、縦型の石英焼成管に入れ、200ml/分の空気気流下、1℃/分で550℃まで昇温し、そのまま550℃で6時間焼成を行うことにより、結晶性鉄アルミノフォスフェートを得た。
上記の様にして得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、AFI型のいわゆるFAPO−5であった(フレームワーク密度:17.3T/1,000Å)。また、得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートを塩酸水溶液で加熱溶解し、ICP分析により元素分析を行ったところ、骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が4.6%、アルミニウムが46.4%、リンが49.0%であった。
次に、上記のゼオライトの特性に関し、吸着等温線測定装置(日本ベル(株)製:商品名「ベルソーブ18」)を使用し、25℃、35℃及び45℃における各水蒸気吸着等温線を測定した結果、図6に示す様な吸着等温線が得られた。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽の温度を吸着温度プラス20℃、吸着温度25℃及び45℃に設定す