JP5052188B2 - ロック構造体 - Google Patents

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Description

本発明はロック機構を有するロック構造体に関する。
障害物が自動車のフード(ボンネット)に衝突した際の衝突エネルギを吸収することを目的として、自動車のフードを持ち上げる構造が提案されている。衝突時に、車両前端部を支点としてフードを持ち上げることにより、フードの裏側に空間を設ける。障害物がフードに衝突した際、フード裏側に設けられた空間の分、フードが裏側方向に変形可能となり、フードの変形による衝突エネルギの吸収量を向上させることができる。
この様なフード持ち上げ構造は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1によれば、フードはその後方において回動軸において車体に対して回動可能に係合されている。通常動作においては、フードは車体に対して回動して開く。衝突などの非常時には、アクチュエータが回動軸の係合されたリンクロッドを持ち上げることにより、フードの後方が持ち上がる。アクチュエータは、火薬等の爆発力によってシリンダからロッドが突出し、動力を発生する。
特開2004−203379号公報
フードの持ち上げによる衝撃緩和機構においては、フードの変形による衝撃の吸収に加えて、フードの沈み込みによっても衝撃を吸収することが重要である。フードに加わった衝撃に従って、フードを支えるアクチュエータのロッドがシリンダ内に戻ることにより、フードが沈むことによって衝撃を吸収する。これにより、更に衝撃吸収性能を高めることができる。
アクチュエータのロッドがシリンダ内に戻ることによって衝撃を緩和する機構を用いる場合、ロッドがシリンダ内に戻る際にロッドに加えられる荷重を調整することが重要となる。弱い力でロッドがシリンダ内に戻ってしまう場合、衝撃を十分吸収することなく、フードが元に戻ってしまうこととなる。一方、荷重が強すぎる場合、十分な衝撃吸収を実現することができない。また、安定した衝撃吸収性能を発揮するためには、ロッドがシリンダ内に戻る間、ロッドに対して略一定の荷重がかかるようにする必要がある。
このようにシリンダ内に戻るロッドに所望の荷重を加えるワンウェイ・ロック構造として、ボール・ロック機構が知られている。ボール・ロック機構はロッドとシリンダとの間に収容されているボールを有しており、ロッドがシリンダ内に戻る際に収容空間内の内壁に当接することによってロッドに荷重を加える。
ここで、一度動作したアクチュエータのワンウェイ・ロックを解除して、フードをもとの状態に戻すことが要求される場合がある。例えば、アクチュエータがなんらかの理由により誤動作した場合、アクチュエータのワンウェイ・ロックを解除してフードを元の状態に戻すことが要求される。さらに、このような状況において、できるだけ容易な方法及びシンプルな機構により、ロック解除を実現することが望ましい。
また、上記アクチュエータに限らず、所望の位置でロックすることができ、そのロックを簡単に解除できるロック構造体は色々な用途への応用が考えられる。
本発明においては、ロックとそのロックの解除が簡単にできるロック構造体を提供する。
本発明の一つの態様のロック構造体は、シリンダと、前記シリンダに挿通される棒状部材と、前記シリンダに当該シリンダの軸方向に沿って移動自在に嵌合され、テーパ部を有するテーパ部材と、前記テーパ部材を当該テーパ部の内径寸法が漸増する方向へ付勢支持する弾性体と、前記テーパ部材と前記棒状部材との間の空間に収容されており、前記棒状部材が前記テーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動するに従って前記テーパ部に押圧され、前記収容空間の内壁に当接することで前記棒状部材に荷重を加えるロック部材とを有している。この構成により、前記棒状部材が前記テーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動すると前記ロック部材によりロックがかかり、前記テーパ部材を前記弾性体の弾性力に抗して当該テーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動させることによって、前記ロック部材による荷重が外され容易にロックを解除することができる。
好ましい態様として、前記シリンダは、前記シリンダに外嵌され、前記弾性体の前記テーパ部材と当接する側と反対側を支持し、当該シリンダの軸方向に沿って移動可能に配設された筒状部材を更に有する。これにより、テーパ部材と筒状部材との間の距離を調整でき、これらの部材間に存在する弾性体にあらかじめ負荷をかけられ、当該弾性体の弾性力を調整することができる。
更に好ましくは、前記筒状部材は、前記シリンダに対してねじ構造を介して配設されている構成とする。これにより、筒状部材とテーパ部材との間の距離を当該筒状部材を回転させることで簡単に調整でき、容易に弾性体の弾性力を調整できる。
また更に、前記棒状部材は、大径部と小径部とを有しており、前記大径部が前記ロック部材と当接することにより、ロック状態となる構成にすることが好ましい。これにより、シンプルな構成で、任意の箇所でロックをかけることができる。
本発明の別な態様のロック構造体は、テーパ部を有する第一部材と、前記第一部材と対向して空間を形成し、前記第一部材に対して相対的に移動する第二部材と、前記空間内に収容されており、前記第1部材及び第2部材の一方向への相対的移動に従って移動することで前記テーパ部によって押圧され、前記収容空間の内壁に当接することで前記一方向への前記第一部材及び第二部材の相対的移動に荷重を加えるロック部材と、前記第一部材と前記第二部材とにおいて外側に位置する方の部材を、ロックがかかるときに前記外側に位置する方の部材が相対的に移動する方向と一致する方向に付勢支持する弾性体とを有する。この構成により、ロックとロックの解除を容易に行うことができる。
本発明の更に別な態様のロック構造体は、第一のシリンダと、第二のシリンダと、前記第一のシリンダおよび前記第二のシリンダに挿通される棒状部材と、前記第一のシリンダに当該シリンダの軸方向に沿って移動自在に嵌合され、第一のテーパ部を有する第一のテーパ部材と、前記第二のシリンダに当該シリンダの軸方向に沿って移動自在に嵌合され、第二のテーパ部を有する第二のテーパ部材と、前記第一のテーパ部材と前記棒状部材との間の空間に収容されており、前記棒状部材が前記第一のテーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動するに従って前記第一のテーパ部に押圧され、前記収容空間の内壁に当接することで前記棒状部材に荷重を加える第一のロック部材と、前記第一のロック部材を前記第一のテーパ部の内径寸法が漸増する方向へ押し込み、ロックを解除する第一のロック解除部材と、前記第二のテーパ部材と前記棒状部材との間の空間に収容されており、前記棒状部材が前記第二のテーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動するに従って前記第二のテーパ部に押圧され、前記収容空間の内壁に当接することで前記棒状部材に荷重を加える第二のロック部材と、前記第二のロック部材を前記第二のテーパ部の内径寸法が漸増する方向へ押し込み、ロックを解除する第二のロック解除部材とを有しており、前記第一のテーパ部材と前記第二のテーパ部材とが、互いのテーパ部の内径寸法が漸増する方向側の端部同士を対向させて配設されている。この構成により、一方向だけでなく、双方向のロックとそのロックの解除が容易にできる。
好ましくは、前記第一のテーパ部材と前記第二のテーパ部材とが、互いのテーパ部の内径寸法が漸増する方向側の端部同士を突き合わされて結合されている構成とする。これにより、シンプルな構造で無段階に位置調整をすることができる。
更に好ましくは、前記第一のロック解除部材を当該第一のロック解除部材が前記第一のロック部材を押し込む方向と反対方向へ付勢支持する第一の弾性体と、前記第二のロック解除部材を当該第二のロック解除部材が前記第二のロック部材を押し込む方向と反対方向へ付勢支持する第二の弾性体とを有する構成とする。これにより、ロックとロック解除動作が容易になる。
本発明のまた更に別な態様のロック構造体は、シリンダと、前記シリンダに挿通される棒状部材と、前記シリンダに当該シリンダの軸方向に沿って移動自在に嵌合され、テーパ部を有するテーパ部材と、前記テーパ部材と前記棒状部材との間の空間に収容されており、前記棒状部材が前記テーパ部の内径寸法が漸減する方向へ移動するに従って前記テーパ部に押圧され、前記収容空間の内壁に当接することで前記棒状部材に荷重を加えるロック部材と、前記ロック部材を前記テーパ部の内径寸法が漸増する方向へ押し込み、ロックを解除するロック解除部材とを有している。この構成により、ロックとロック解除が容易に行える。
本発明によりロック機構を有するロック構造体のロックを解除することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
まず、第一の好ましい形態として、自動車のフード後端部を持ち上げるアクチュエータに本発明のロック構造体を適用した場合について説明する。本形態のアクチュエータはワンウェイ・ロック機構を有し、そのロックを解除する機構に特徴を有する。
図1は本実施形態に係るアクチュエータ200によってフード101の後端部が持ち上げられた状態の自動車100を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る自動車100は、フロントガラス102の前方にエンジンルーム103が設けられている。エンジンルーム103の上にはフード101が設けられており、通常時はフード101によってエンジンルーム103が覆い隠されている。
車体に設けられた衝突検知装置104が衝突を検知すると、アクチュエータ200が動作し、図1に示すようにフード101のフロントガラス102側である後端部を持ち上げる。これにより、フード101とエンジンルーム103との間に空間が形成され、この空間の分、フード101が変形および移動可能となる。フード101に対象物が衝突した際、フード101が変形および移動することにより、対象物に対する衝撃を低減することができる。図1に示すように、本実施形態においては2つのアクチュエータ200が設けられており、アクチュエータ200の突出するロッドの先端部(ヘッド)とフード101とは係合している。
次に、図2、図3を用いて本実施形態に係るアクチュエータ200の全体構造及び動作について説明する。図2は、本実施形態に係るアクチュエータ200の動作前の状態を示す断面図である。アクチュエータ200は多段式アクチュエータであり、内側から第1シリンダ201、第2シリンダ202、第3シリンダ203、ロッド204を有している。アクチュエータ200はさらに、ヘッド205、ガス発生器206及びガス噴出空間207を有する。本形態のアクチュエータ200はワンウェイ・ロック機構及びその解除機構を有しているが、ヘッド205は、アクチュエータ200の動作前において、ロック機構及びその解除機構を覆っている。このため、ロック解除機構が徒に触れられることを防止することができる。ロック機構については後に詳述する。
ガス発生器206は、図1に示す衝突検知装置104と接続されており、車両に設けられた衝突検知装置104が衝突を検知すると、衝突検知装置104から入力された電気信号に従ってガス噴出空間207にガスを噴出する。ガス発生器206がガスを噴出し、ガス噴出空間207の圧力が上昇することにより、図3に示すように、ロッド204及び第1シリンダ201、第2シリンダ202が持ち上げられ、ヘッド205が上昇する。ヘッド205はフード101と係合しており、ヘッド205が上昇することにより、図1に示すようにアクチュエータ200がフード101の後端部を持ち上げる。多段式アクチュエータであるので、第1シリンダ201及び第2シリンダ202は、それぞれシリンダから突出する棒状部材であると同時に棒状部材を収容するシリンダでもある。
各シリンダ201〜203は、その突端側(各部材が突出する側)にワンウェイ・ロック機構であるボール・ロック機構を有している。具体的には、各シリンダ201〜203の突端には、内周面にテーパ部が形成されているテーパ部材216が設けられている。本形態はこのテーパ部材216に特徴を有する。この点については後に詳述する。
第1シリンダ201とロッド204との間、第2シリンダ202と第1シリンダ201との間、そして第3シリンダ203と第2シリンダ202との間のそれぞれにおいて、テーパ部材216が周囲を囲む空間内に、ロック・ボール213が収容されている。また、各空間内には、ラバー・リング214が設けられている。各シリンダ201〜203の開口突端側には押し付けリング215がシリンダ201〜203内に係止されており、ラバー・リング214を空間内に押圧している。
各段のロック・ボール213は、各シリンダ202、203、201からそれぞれ突出したシリンダ201、202及びロッド204が、対応するシリンダ202、203、201内に押し戻される際に減速荷重を加える。ラバー・リング214は、図4に示すような構造を有している。ラバー・リング214は、図4に示すように、弾性を有するリング状の部材であって、その片側に複数の切り欠き214aが形成されている。
各切り欠き214a内にロック・ボール213が位置する。夫々の切り欠き214aは、ラバー・リング214の一周に亘って互いに等間隔で形成される。図4の例においては、ラバー・リング214は5つの切り欠き214aを有し、各切り欠き214aに対応した5つのロック・ボール213が例示されている。切り欠き214a内にロック・ボール213を配置することで、ロック・ボール213の円周方向における移動を規制して、ロック・ボール213が適正に減速荷重を与えるように所定位置に保持する。
図5は、筒状の第1シリンダ201とロッド204との間に形成されているボール・ロック機構を有する第一のロック構造体20の詳細を示す図である。他のシリンダ202、203のボール・ロック機構も同様の構造を有している。本形態のボール・ロック機構は、そのロックを解除することができる。図5は、ロッド204が、テーパ部261の内径寸法が漸減する方向、つまり、この図においてはロッド204が第1シリンダ201内に戻る方向に移動して、ロッド204がロックされている状態を示しており、図6は、ボール・ロック機構のロックが解除された状態を示している。
閉じたリング状のテーパ部材216とロッド204が対向して形成された空間内にロック・ボール213が収容されている。金属により形成されたテーパ部材216は、テーパ部261、テーパ部261よりも突端側(先端側)、つまり、テーパ部の内径寸法が漸増する方向側に位置するストレート部262、そして、その先端の塑性変形された塑性部263を有している。塑性部263はかしめによって内側に塑性変形されており、押し付けリング215を固定している。ストレート部262は内径がほぼ一定である。ストレート部262の反先端側に連続するテーパ部261は、先端側から反先端側に向かってその内径寸法が漸減している。従って、収容空間内においてテーパ部261の内径のうちもっとも広い径とストレート部262の内径とは略等しい。
押し付けリング215は、ラバー・リング214を反突出側に押圧している。ロッド204は、押し付けリング215およびラバー・リング214を貫通している。ロッド204の断面は、第1シリンダ201の円形の開口形状と略相似形状であって、その外径は押し付けリング215の内径およびラバー・リング214の内径と略等しい。ロック・ボール213は、ラバー・リング214、テーパ部261およびロッド204によって挟持される。ラバー・リング214は、ロック・ボール213を弾性力によってテーパ部261に押し付けている。
ロッド204外周面とストレート部262との間隔は、ロック・ボール213の直径よりも広い。また、ロッド204外周面とテーパ部261の反突端側部分との間隔は、ロック・ボール213の直径よりも狭い。ロック・ボール213は夫々の切り欠き214aに収容され、テーパ部261に当接し、ロッド204とテーパ部261との間で挟持される。具体的には、テーパ部261の内径が第1シリンダ201の奥側に向かって徐々に狭くなっていくことで、テーパ部261とロッド204との間隔が狭くなっていき、その間隔がある地点でロック・ボール213の直径よりも狭くなる。その地点よりも奥側が減速空間である。ロック・ボール213は、テーパ部261とロッド204との両方に当接する地点において、テーパ部261とそれに対向するロッド204との間で挟持される。
球形のロック・ボール213は、ロッド204の外周に沿って配置され、ロッド204(及びテーパ部材216)に食い込むことにより、ロッド204に減速荷重を加える。従って、ロック・ボール213はロッド204よりも強度の高い部材で形成される。ロック・ボール213は、ロッド204とテーパ部261との間の空間、即ち、ロッド204とテーパ部261との間隔がロック・ボール213の直径よりも狭い空間において、その荷重性能(ロック性能)を発揮する。
テーパ部材216、ロッド204は夫々金属材料で形成されている。上述した通り、ロック・ボール213は、テーパ部261とロッド204とで挟持され、ロッド204に減速荷重を加える場合は、ロッド204に食い込む。従って、ロッド204はロック・ボール213よりも強度の低い金属で形成されている。また、ロック・ボール213がテーパ部261、即ちテーパ部材216の内壁側よりもロッド204に主に食い込むようにするため、テーパ部材216はロッド204よりも強度の高い金属で形成されている。
ボール・ロック機構の動作についてより詳細に説明する。ロッド204が第1シリンダ201に収納された状態からアクチュエータ200が作動すると、ロッド204が第1シリンダ201(テーパ部材216)に対して相対的に移動し、第1シリンダ201の外部へ向かって突出する。ロッド204とテーパ部261との間で挟持されたロック・ボール213が突端側に向かって回転する。ロッド204が第1シリンダ201から飛び出す間は、ロック・ボール213はロッド204に対してほとんど荷重を加えない。
図3に示すように、ロッド204が第1シリンダ201から完全に突出した状態でロッド201が自重もしくはヘッド205、フード101の重さ等の作用により第1シリンダ201の奥側へ戻るように移動すると、ロッド204とテーパ部261との相対的な移動に伴い、ロック・ボール213は、テーパ部261のテーパ面上を、その内径が狭くなる方向、即ち、奥側に向かって回転して移動する。
この時、図5に示すように、ロック・ボール213は、テーパ部261の内壁とそれに対向するロッド204との間隔が狭い方向に移動し、テーパ部261のテーパ面によってロッド204に押しつけられる。これにより、ロック・ボール213は、それを収容する空間の内壁の一部を形成するロッド204に食い込む。これにより、ロック・ボール213はロッド204に対して荷重を加え、ワンウェイ・ロック機構、即ちロッド204が第1シリンダ201から突出する方向にはロックされず、第1シリンダ201の内部に戻る方向にはロックされる機構が実現される。このような作用により、ロッド204の第1シリンダ201の奥側に向かう移動速度を減速させることができる。また、ロック・ボール213が停止した状態で、ロッド204に対して過重を加えることにより、ロッド204に略一定の荷重を加える。
本形態のボール・ロック機構は、ロック解除機構を有している点に特徴を有している。図5に示すように、テーパ部材216は、第1シリンダ201の外周面に第一シリンダ201の軸方向に沿って移動自在に嵌合されている。図5の例において、テーパ部材216の反突出側端267と第1シリンダ201の外面に設けられた段差面268との間にバネ217が配設されている。このバネ217により、テーパ部材216は、その下端からロッド204の突出方向へ付勢支持されている。つまり、テーパ部材216は、そのテーパ部261の内径寸法が漸増する方向へ付勢されている。
本形態においては、第1シリンダ201と別部材として形成されたテーパ部材216をテーパ部261の内径寸法が漸減する方向へ、バネ217の弾性力に抗して押し込むことによって、テーパ部材216を第1シリンダ201及びロッド204に対して相対的に移動することができる。つまり、図5に示したロック状態において、テーパ部材216を矢印A方向へ押すことによって、テーパ部材216は、図6の状態となる。この状態において、ボール・ロックが解除されている。
より具体的に説明する。図5の例においては、ロック・ボール213は、収容空間内において、収容空間内の反突端側の谷底面266と離間している。図5の例においては、谷底面266は第1シリンダ201の先端となっている。テーパ部材216は第1シリンダ201に移動自在に嵌合されているので、谷底面266とテーパ部材216のテーパ部261の相対距離は可変である。ロック解除においては、テーパ部材216を谷底面266に向かって押し込む。
テーパ部材216がロッド204及び第1シリンダ201に対して、突出方向と反対側(反突出方向)に相対的に移動すると、押し付けリング215がテーパ部材216と共に反突出方向に移動する。押し付けリング215に押圧されることで、ラバー・リング214及びロック・ボール213も谷底面266に向かって移動する。その後、ロック・ボール213は谷底面266にぶつかり停止する。この状態から、テーパ部材216はさらに反突出側に移動することができる。
この移動に従って弾性体であるラバー・リング214がつぶれ、停止しているロック・ボール213に対してテーパ部材216が相対的に谷底面266に向かって移動する。つまり、ロック・ボール213は、テーパ部材216に対して、テーパ部261からストレート部262に向かって相対的に移動する。ロック・ボール213は、テーパ部材216の内径が大きくなる方向に移動することになり、ロックが解除される。
ボール・ロック機構は、被ロック部材(ロッド204)との摩擦によってロック・ボール213がテーパ部261のテーパ面によって押し付けられることで、その圧力により、ロック・ボール213が被ロック部材(ロッド204)に食い込み、作動位置でロックさせる。従って、上述のようにテーパ部材216をシリンダ201と別部材とし、テーパ部261の奥に設ける谷底面266に近づけることで、テーパ部261とロッド204との間で内壁に噛み込んだロック・ボール213を谷底面266がテーパ間口(大口径方向)へ押し上げ、ロック・ボール213の食い込みを無くしてロックが解除される。
テーパ部材216を、第1シリンダ201に移動自在に嵌合し、バネ217により付勢支持することによって、ロック状態においては、テーパ部材216を所定位置で係止することができる。そして、ロック解除するときにおいては、バネ217の弾性力に抗してテーパ部材216を谷底面266の方向へ押し込むことができ、それにより、テーパ部材216を解除位置へ移動させることができる。ここで、テーパ部261と谷底面266とは、ロック・ボール213がテーパ部261とロッド204との間で内壁に食い込むために十分な距離を有することが重要である。また、ボール・ロックを解除するため、テーパ部材216は、ロック・ボール213を停止するストッパである谷底面266に対して、十分な距離を移動できることが重要である。
図5の例においては、テーパ部材216のテーパ部下端面269と第1シリンダ201のテーパ部材216の嵌合部に設けられた段差面270との間の距離が、テーパ部材216の移動距離を規定する。
また、本形態においては、テーパ部材216をバネ217により付勢支持しているので、ロック状態において、ロッド204にバネ217の弾性力より大きな力が加えたれた場合、バネ217は圧縮される。それにともない、テーパ部材216が矢印A方向に移動しロックが解除される。このように、第一のロック構造体20は、ある一定以上の荷重が加わっても、自動的にロックが解除されるので、ロック構造体あるいは当該ロック構造体を含むシステムが破壊されるようなある一定以上の荷重が加わった場合でも、これらが破壊されることを防止することができる。つまり、一種の安全装置としての機能も有している。
本形態の第一のロック構造体20のロック力の上限値は、テーパ部材216を付勢支持するバネ217の弾性力により決まるため、弾性力の異なるバネを適宜選択して採用することによりロック力の上限値を調整することができる。
次に、別の好ましい形態のロック構造体について以下に説明する。
図7は、別の形態である第二のロック構造体21を示す。ここで、第二のロック構造体21は、第一のロック構造体20と同様のボール・ロック機構を備えているので、ボール・ロック機構部分の説明は省略する。第二のロック構造体21は、バネ217を支持する支持部材218を有している。支持部材218は、シリンダ201に外嵌され、バネ217を挟んでテーパ部材216と対向する位置に配設される筒状部材である。支持部材218は、その内周面に雌ねじ構造218aを有している。そして、シリンダ201は、その外周面に雄ねじ構造201aを有しており、この雄ねじ構造201aの部分に支持部材218の雌ねじ構造218aが螺合する。支持部材218を回転することによって、支持部材218がねじ構造に従って、シリンダ201の軸方向に沿って移動可能となる。これにより、テーパ部材216と支持部材218との間の距離を調整することが可能となる。従って、支持部材218の位置を調整してバネ217の圧縮量を調整することによりバネ217の弾性力を調整することができる。
この形態によれば、バネ自体を取り替えるのではなく、支持部材218とテーパ部材216との間の距離を調整するだけでバネの弾性力を調整することができる。
なお、支持部材218が、外力によりねじこまれることが懸念される場合は、支持部材218とシリンダ201にピンを打ち込む、もしくはカシメ等の方法で回転を止める、あるいはネジ・ロック等の方法で回転をとめても良い。
また、第二のロック構造体21においては、ロッド208は、段付ロッドとなっている。つまり、外径寸法が大きい部分(大径部208a)と外径寸法が小さい部分(小径部208b)とを有しいている。
ロッド208において、大径部208aは、シリンダ201から突出した側に設けられており、小径部208bは、その反対方向に連続して設けられている。
大径部208aの外径寸法は、ロッド208が、シリンダ201内へ押し込まれた際に、ボール・ロック機構のボール213と当接する寸法に設定される。一方、小径部208bの外径寸法は、大径部208aの外径寸法より僅かに小さく設定し、ボール・ロック機構の部分をロックされずに通過できるようにする。
次に、第二のロック構造体21の動作について説明する。第二のロック構造体21は、ロッド208を押し込んでいく動作において、途中のある箇所で一旦ロックすることが可能である。例えば、図7に示すように、ロッド208が矢印A方向へ移動すると、ボール・ロック機構の部分においては、小径部208bが通過するので、ロックはかからない。次いで、図8に示すように、大径部208aがボール・ロック機構の部分に差し掛かると、大径部208aとボール213とが当接し、ロックがかかる。このように、小径部208bが通過し始めてから大径部208aがボール213と当接してロックがかかるまでの区間を第一ストロークとする。この第一ストロークでは、もともとの部材間で生じる摩擦にしたがって、ロッド208は矢印A方向へ移動する。つまり、比較的小さな押し込み力でロッドを押し込むことができる。
更にロッド208を押し込むと、図9に示すように、ロック状態のままテーパ部材216がバネ217を圧縮して矢印A方向へ移動する。このとき、バネ217の弾性力がロッドの押し込み力に対する抗力となるため、押し込み力は上昇する。そのまま押し込み力を上昇させていきロッドを押し込み続けると、ロックが解除される部分に到達する。このように一旦ロックがかかってからそのロックが解除される位置までの区間を第二ストロークとする。
また更にロッド208を押し込んでいくと、ボール・ロックの解除とロックを繰り返しながらロッド208は押し込まれていく。つまり、ボール・ロックが解除されるとバネ217が復元し、テーパ部材216が元の位置に戻る。すると、またボール・ロックがかかる。そしてまたバネ217が圧縮されてボール・ロックが解除されるという動作を繰り返し、押し込み力が上がったままロッドは押し込まれていく。そして、最終的には、ロッド208は突き当たりまで押し込まれて停止する。この区間を第三ストロークとする。
この第二のロック構造体21は、ロッドが途中の箇所で、一旦ロックされるところに特徴がある。前記第二ストロークの途中でロッドの押し込み操作を中止すると、バネ217の復元力により、最初にロックされた箇所に戻る。つまり、第二のロック構造体21は、所望のロック位置のいわゆるメモリー機能をもっている。
このようなロッドのストローク操作の途中において一旦ロックできるロック構造体21を適用した例として、レバー式の水道蛇口について説明する。
レバー式の水道蛇口は、レバー操作により水量をコントロールする。図10は、レバー式水道蛇口の構造を模式的に示している。ここで、水道蛇口は、図10(a)に示すように、操作レバー30が斜め上に上げられており流量調整ロッド31がロック構造体21から上方に突出している状態にあるときは、水が止められており、流量はゼロとする。また、図10(c)に示すように、操作レバー30が下げられ、流量調整ロッド31が突き当たりまで押し込まれた状態にあるとき流量は最大とする。
まず、図10(a)に示すように、水が止められた状態から、操作レバー30を下げていく。このとき、第一ストロークに該当し、ロック構造体21に流量調整ロッド31が押し込まれていくが、ボール・ロック機構の部分をロッドの小径部が通過しているので、部材間の摩擦のみの比較的低い押し込み力でレバー操作ができる。次いで、図10(b)に示すように、更に操作レバー30を下げていくと、ボール・ロック機構の部分にロッドの大径部208aが差し掛かかり、ロックがかかる。つまり、第二ストロークに突入する。このとき、ロック位置が、普段よく使用する流量となるレバー位置になるように、ロッドの大径部の位置を調整しておくことにより、レバー操作を普段よく使用する流量位置で一旦止めることができる。
また、大量に水が必要な場合もあるので、その場合は、図10(c)に示すように、更に操作レバー30を押し込み、最大流量の水を出す。このとき、ロック構造体21では、ロック状態から更に強い力で押し込むことにより、第三ストロークに突入させロッドを突き当りまで押し込む。
一般的なレバー式水道蛇口では、このようなロック構造体21を備えていないので、所望の流量を得るためには、操作者がレバーを微調整して適当な位置でレバーを止めている。本形態のロック構造体21を備えるレバー式水道蛇口であれば、比較的低い押し込み力、つまり軽い操作力でレバーを操作していくと、普段よく使用する流量となるレバー位置で一旦ロックをかけることができ、微調整の手間を省いて所望の流量を得ることができる。本形態のロック構造体21においては、ロッドの段差位置、つまりロッドの大径部の位置とロック構造体の位置を調整することで、簡単に好みの流量を得ることができる。また、バネの弾性力を調整することにより、使用するユーザーの力に見合った操作力に調整できる。
次に、更に別の形態のロック構造体について以下に説明する。
図11は、別の形態である第三のロック構造体22を示す。ここで、第三のロック構造体22は、第一のシリンダ221と、第一のテーパ部材222と、第二のシリンダ223と、第二のテーパ部材224と、ロック・ボール213とを備えている。
第一のシリンダ221は、ロッド209が挿通される筒状部材である。第一のシリンダ221には、その軸方向に沿って移動自在に第一のテーパ部材222が嵌合されている。第一のシリンダ221の外周にはバネ225が外嵌されており、当該バネ225の一方は第一のシリンダ221のロッド突出端に設けられたフランジ221aに支持され、他方は第一のテーパ部材222に当接している。これにより、第一のシリンダ221は、第一のテーパ部材222から突出する方向に付勢支持されている。
第一のテーパ部材222は、第一のシリンダ221と同軸の筒状部材であり、その内周面にテーパ部222aを有している。前記テーパ部222aの内径寸法が漸減する方向側に第一のシリンダ221が位置している。第一のテーパ部材222のテーパ部の内径寸法が漸増する方向側端部の外周面には、雄ねじ222bが刻設されている。
第二のシリンダ223は、第一のシリンダ221と同形状である。そして、第二のシリンダ223は、第二のテーパ部材224から突出する方向に付勢支持されている。
第二のテーパ部材224は、第二のシリンダ223と同軸の筒状部材であり、その内周面にテーパ部224aを有している。前記テーパ部224aの内径寸法が漸減する方向側に第二のシリンダ223が位置している。第二のテーパ部材のテーパ部の内径寸法が漸増する方向側端部の内周面には、雌ねじ224bが刻設されている。
第一のテーパ部材222と第二のテーパ部材224とは、互いのテーパ部内径寸法が漸増する側の開口端が突き合わされ、それぞれの雄ねじ222bと雌ねじ224bとが螺合することにより、一体化される。このとき、第一のテーパ部222aと第二のテーパ部224aの内周面とロッド209の外周面により空間が形成される。当該空間の第一のテーパ部材側、および第二のテーパ部材側には、所定個数のロック・ボール213がそれぞれ配設される。ここで、ロック・ボールはラバー・リング226により、所定位置に保持される。
なお、本形態においては、第一のシリンダ221と第二のシリンダ223とは、第一のテーパ部材222と第二のテーパ部材224とに押し込まれることにより、ロックを解除する働きもする。つまり、第一のシリンダ221は、第一のロック解除部材でもあり、第二のシリンダ223は、第二のロック解除部材でもある。
以上のような構造の第三のロック構造体22の動作について以下に説明する。
第三のロック構造体22は、ボール・ロック機構を二つ、互いのテーパ部の内径寸法が漸増する方向側の開口部同士を突き合わせた形状をしている。そして、図11に示すように、通常状態では、ラバー・リング226によりロック・ボール213がそれぞれロック状態の位置に保持されている。このため、内部に挿通されたロッド209は、ロックされており、第三のロック構造体22から抜き差しできない状態にある。つまり、矢印A方向にロッド209を移動しようとすると、第二のテーパ部材224側のロック・ボール213によりロックがかかり、矢印B方向にロッド209を移動しようとすると、第一のテーパ部材222側のロック・ボール213によりロックがかかる。
ここで、図12に示すように、第二のシリンダ223を矢印B方向へ押し込むと、第二のテーパ部材224側のロック・ボール213のロックが解除され、ロッドを矢印A方向へ移動することができる。換言すれば、第三のロック構造体22を矢印B方向へ移動できる。また、逆に第一のシリンダ221を矢印A方向へ押し込めば、第一のテーパ部材222側のロック・ボール213によるロックを解除でき、第三のロック構造体22を矢印A方向へ移動できる。そして、第一のシリンダ221と第二のシリンダ223を両方とも押し込めば、ロッドは矢印A、B双方向に移動させることができる。換言すれば、第三のロック構造体22を双方向に移動できる。
このように、第三のロック構造体22は、ロッド209に対し、その軸方向の双方に移動できるとともに、所望位置でロックをかけることができる。
この第三のロック構造体22を適用した例を以下に説明する。
まず、図13に示すように、第三のロック構造体22にロック解除レバー227を装着する。ここで、ロック解除レバー227は、第三のロック構造体22の両端から第一のシリンダ221と第二のシリンダ223とを同時に押し込めるように、一方側227aで第三のロック構造体22を軸方向に挟持するX字状に組み合わされたアーム部材である。図14に示すように、このロック解除レバー227のアームの他方側227bを矢印C、D方向に力を加え操作することにより、第一のシリンダ221と第二のシリンダ223とがそれぞれ第一のテーパ部材222および第二のテーパ部材224内に押し込まれロックを解除できる。ここで、当該他方側227bのアームに遠隔操作用のワイヤーを取り付け、当該ワイヤーを操作することにより、ロック構造体22のロックとロック解除を遠隔操作することもできる。
このようなロック解除レバー227を装着した第三のロック構造体22は、例えば、車両用シートのリクライニング装置に適用することができる。図15に示すように、座面フレーム40の後端部40aに回動自在にリクライニングロッド41を装着する。また、当該座面フレームの後端部40aにおける前記リクライニングロッド41の装着部よりも前方側にシートバックフレーム42の下端42aを回動自在に取り付ける。そして、シートバックフレーム42の所定位置に本形態のロック構造体22を装着し、前記リクライニングロッド41を当該ロック構造体22に挿通する。
また、別な例として、図16に示すように、シートバックフレーム42の下端42aにリクライニングロッド41を回動自在に装着する。シートバックフレーム42の下端部42aにおける、前記リクライニングロッド41の装着箇所よりも上方において、シートバックフレーム42を回動自在に座面フレーム40に装着する。そして、本形態のロック構造体22を座面フレームの所定位置に装着し、前記リクライニングロッド41を当該ロック構造体に挿通する。
以上のような構成をとることにより、本形態のロック構造体22は、ロックを解除することにより、図15(b)または図16(b)に示すように、シートバック42を任意の角度に調整することができる。そして所望のリクライニング箇所でロックをかけることができる。本形態のロック構造体により、安価で無段階調整可能なリクライニング装置を提供することができる。
更に別な適用例として、第三のロック構造体22を車両用シートスライドのロック機構にも適用することができる。この場合、シートスライドにおける車体に固定される側のロアレールにガイドロッドを配設する。そして、ロアレール上を摺動するアッパレールに本形態のロック構造体22を装着し、当該ロック構造体22に前記ガイドロッドを挿通させる。この構成により、本形態のロック構造体22のロックを解除することにより、アッパレールを任意の位置に摺動でき、シートをスライドさせることができる。そして、所望位置にてロックをかけることによりシートを所望位置に固定できる。本形態のロック構造体により、安価で無段階調整可能なシートスライドロック機構を提供できる。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加することが可能である。例えば、上記ボール・ロック機構においてラバー・リングを使用することが好ましいが、これを省略してもよい。あるいは、弾性体でなく剛体を用いてロック・ボールを減速空間の入り口に押し付けても良い。ロック・ボールは複数使用して荷重値を調整することが好ましいが、その個数は1個であってもよい。減速荷重を加えるロック部材としてロック・ボールが好ましいが、球状部材と異なるものを使用することも考えられる。
シリンダは円筒ではなく、開口部が四角形等の多角形である筒であっても良く、ラバー・リングはその開口部と略相似形である環状の構造体であっても良い。ロッドについても同様である。ここで、環状とは円形に限られず多角形等も含む。
多段式シリンダにおいては、各ボール・ロック機構もしくは一部のボール・ロック機構に本発明の解除機構を適用することができる。上述の例は、テーパ部材が外周側シリンダに固定されて内周側のロッドもしくはシリンダとの摩擦によりロックするが、テーパ部材を内周側の突出部に固定し外周側のシリンダとの摩擦によりロックする構造に本発明を適用することもできる。このような場合、テーパ部材ではなく、その外周側の部材を相対移動することでロック解除するようにすればよい。また、本発明は自動車のフードのアクチュエータに特に好適であるが、他の用途に本発明を適用してもよい。
本発明に係る各形態において、弾性体としてバネを用いたが、これに限定されるものではなく、弾性体としてゴムを用いても構わない。
本形態に係る第一のロック構造体および第二のロック構造体において、シリンダ内へロッドが押し込まれていくときにロックがかかり、テーパ部材はロッドが押し込まれる方向と逆方向へバネにより圧縮力をかけられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シリンダからロッドが抜き出されるときにロックがかかる構成としてもよく、このとき、テーパ部材はバネにより、引張り力をかけられるように付勢支持される構成とする。本発明において、付勢支持とは、圧縮力をもって支持する場合と引張り力をもって支持する場合の双方を含む。
また、本形態の第二のロック構造体においては、バネを支持する支持部材としてシリンダの外周にねじ構造を介して配設された筒状部材を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第一のロック構造体のように、シリンダの外周に段差を設け、そこで支持するのは勿論のこと、シリンダにピンをはめ込む、Cリング、Eリングを所定箇所に配設して、バネを支持する等の構成としてもよい。このとき、ピン、Cリング、Eリングをはめ込む凹部をシリンダの所定位置にあらかじめ数箇所設けておくことにより、バネの弾性力を調整することができる。
また、本形態の第一のロック構造体および第二のロック構造体においては、シリンダ側のテーパ部材にテーパを設けた構成を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、テーパ部をロッド側に設けてもよい。つまり、本形態では、外側の部材にテーパ部を設けているが、内側の部材にテーパ部を設けてもよい。
また、本形態の第三のロック構造体においては、第一のテーパ部材と第二のテーパ部材とが、その開口端が突き合わされてねじ構造により一体化されている構成を採用しているが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、第一のテーパ部材側のロック構造体と、第二のテーパ部材側のロック構造体とを別体として、互いのテーパ部材の開口端を対向するように配設する構成としてもよい。これにより、例えば、一方向側は、第一のテーパ部材側のロック構造体でロックし、他方向側は、第二のテーパ部材側のロック構造体でロックする。なお、第三のロック構造体における一体化は、ねじ構造に限らず、溶接等により接合して一体化しても構わない。
また、本形態の第三のロック構造体においては、シリンダをロック解除部材としても機能させた構成としたが、このように、シリンダとロック解除部材とを同一の部材としてもよいし、シリンダとは別にロック解除部材を設けてもよい。また、本形態の第三のロック構造体においては、ロック解除部材をバネにより付勢支持し、外部から力を加えなければ自動的にロック状態になる構成としたが、この態様に限定されるものではない。例えば、バネを配設せず、その都度ロックとロック解除動作を手動で行う構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係るアクチュエータを有する自動車を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアクチュエータの動作前における状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るアクチュエータを動作後における状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るアクチュエータのラバー・リング及びロック・ボールを模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る第一のロック構造体の好ましい一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第一のロック構造体の好ましい一例のロック解除状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第二のロック構造体の好ましい一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第二のロック構造体のロック状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第二のロック構造体のロック解除状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第二のロック構造体を適用したレバー式水道蛇口の構造を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体のロック状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体のロック解除状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体にロック解除レバーを装着した状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体に装着したロック解除レバーを操作している状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体を適用したシートリクライニング装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る第三のロック構造体を適用した別のシートリクライニング装置の構成を模式的に示す側面図である。
符号の説明
20 第一のロック構造体、21 第二のロック構造体、22 第三のロック構造体
30 操作レバー、31 流量調整ロッド、40 座面フレーム
41 リクライニングロッド、42 シートバックフレーム
100 自動車、101 フード、102 フロントガラス、103 エンジンルーム
104 衝突検知装置、200 アクチュエータ、201 第1シリンダ
202 第2シリンダ、203 第3シリンダ、204 ロッド、205 ヘッド
206 ガス発生器、207 ガス噴出空間、208 ロッド、208a 大径部
208b 小径部、209 ロッド、213 ロック・ボール
214 ラバー・リング、214a 切り欠き、215 押し付けリング
216 テーパ部材、217 バネ、218 支持部材、221 第一のシリンダ
222 第一のテーパ部材、223 第二のシリンダ、224 第二のテーパ部材
225 バネ、226 ラバー・リング、227 ロック解除レバー
261 テーパ部、262 ストレート部、263 塑性部、266 谷底面
267 テーパ部材の反突出側端、268 段差面、269 テーパ部下端面
270 段差面

Claims (3)

  1. シリンダと、
    前記シリンダに挿通される棒状部材と、
    前記シリンダに当該シリンダの軸方向に沿って移動自在に嵌合され、テーパ部を有するテーパ部材と、
    前記テーパ部材を当該テーパ部の内径寸法が漸増する方向へ付勢支持する弾性体と、
    前記テーパ部材と前記棒状部材との間の収容空間に収容されており、前記棒状部材が前記テーパ部の内径寸法が漸減する方向である第1の方向へ移動するに従って前記テーパ部に押圧され、前記収容空間の内壁に当接することでロックして前記棒状部材に荷重を加えるロック部材と、
    ロック状態の前記ロック部材の前記第1の方向への移動を止めてロック解除するストッパ部と、を有し
    前記シリンダは、前記シリンダに外嵌され、前記弾性体の前記テーパ部材と当接する側と反対側を支持し、当該シリンダの軸方向に沿って移動可能に配設された筒状部材を更に有し、
    前記第1の方向への前記棒状部材の第1の移動において、前記テーパ部材は、前記棒状部材及びロック状態の前記ロック部材と共に、前記弾性体を圧縮しながら、前記第1の方向へ移動し、
    前記第1の移動の後の、前記第1の方向への前記棒状部材の第2の移動において、前記ストッパ部による前記ロック部材のロック解除と、前記弾性部材の弾性力よる前記第1の方向と反対方向への前記テーパ部材の移動による前記ロック部材のロックと、の繰り返しと共に、前記テーパ部材は前記軸方向に沿って振動し、前記弾性部材は、前記テーパ部材の前記振動と共に伸縮しつつ前記棒状部材への抗力を生成する、ロック構造体。
  2. 前記筒状部材は、前記シリンダに対してねじ構造を介して配設されている、
    請求項1に記載のロック構造体。
  3. 前記棒状部材は、大径部と小径部とを有しており、前記大径部が前記ロック部材と当接することにより、ロック状態となる、
    請求項1または2に記載のロック構造体。
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