JP2004322668A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストンロッド5を中空のシリンダ1の内径よりも小径に形成する。ピストンロッド5をシリンダ1の軸線L方向に相対移動可能となるようにシリンダ1の内部に挿入する。ロック機構30は、シリンダ1の内壁に設けられた第1テーパ面31、ピストンロッド5の外壁に設けられた第2テーパ面33、及びロック部材36を備える。第1テーパ面31はシリンダ1の一端側に向かって拡開するように傾斜させる。第2テーパ面33はピストンロッド5の一端側に向かって拡開するように傾斜させる。ロック部材36は、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた状態で、第1テーパ面31と第2テーパ面33との間に挟まれて、ピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動をロックする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクチュエータは、例えば、衝突時の乗員の安全性を向上させるために車両に設けられる安全装置や、車両が歩行者に衝突した場合に歩行者にかかる衝撃を緩和するために車両に設けられる安全装置等に具備されている。
【0003】
例えば、自動車の前面衝突時にシートベルトが正規の状態で乗員に装着されていないと、シートベルトに拘束された乗員が下方へ潜り込む姿勢になり、腰ベルトが骨盤から外れてしまう現象、いわゆる、サブマリン現象が生じることがある。このようなサブマリン現象が生じると、乗員の臀部あるいは下肢が前下方に移動し、下肢が乗員前方のインストルメントパネルに二次衝突する等のおそれがある。このようなサブマリン現象を抑制するための装置としては、従来、自動車の先端部に設けられたセンサが衝突を検知したときに、アクチュエータを動作させて機械的にシート先端部を持上げるシート装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、走行中の自動車の前面から歩行者に衝突すると、歩行者の下半身が自動車の先端部であるバンパに当たるので、歩行者は自動車のフードに跳ね上げられることが多い。このような場合、歩行者はフードに頭部等を打ち付けてしまうことがある。そのため、歩行者がフードに跳ね上げられた際の衝撃を緩和する装置として、自動車の先端部に設けられたセンサが衝突を検知したときに、アクチュエータを動作させてフードを所定量上方に押上げるフード装置が知られている。すなわち、フードが上方に押上げられると、フードとエンジンルーム内の各装置との間に隙間ができるため、歩行者が跳ね上げられてフードに衝突した際にこのフードが変形して、その衝撃によるエネルギーの一部を吸収するようになる(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−1136号公報(段落0010〜段落0023、図2,図3,図6〜図9)
【0005】
【特許文献2】
特開2002−29367号公報(段落0009〜段落0018、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような安全装置に具備されるアクチュエータでは、ピストンロッドをシリンダから突出させた状態でピストンロッドのシリンダに対する相対移動をロックするロック機構が備えられている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用シート装置に具備される従来のアクチュエータは、ロック機構を構成するために、ケーシング、ボール等のロック部材、及びばね等の多数の部品を必要としている。そのため、特許文献1に記載のアクチュエータは、構造が複雑であって高価となり易く、しかも、大型化し易い。
【0008】
一方、特許文献2に記載の車両用フード装置に具備される従来のアクチュエータもまた、特許文献1に記載のアクチュエータと同様に、ロック機構を構成するために、ロック部材、圧縮ばね、及び圧縮ばねを受けるブッシュ等の多数の部品を必要としている。したがって、特許文献2に記載のアクチュエータもまた、構造が複雑であって高価となり易く、しかも、大型化し易い。しかも、特許文献2に記載のアクチュエータは、ロック部材がピストンロッドの側方からシリンダの内部空間に突出するように構成されている。そのため、アクチュエータがさらに大型化しがちである。
【0009】
この発明は、このような事情にもとづいてなされたものであり、簡単な構造で安価なロック機構を具備するアクチュエータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の観点に基づく本発明のアクチュエータは、中空のシリンダと、前記シリンダの内径よりも小径に形成され、前記シリンダの軸線方向に相対移動可能となるように前記シリンダの内部に挿入されたピストンロッドと、前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック機構と、を具備し、前記ロック機構が、前記シリンダの内壁に設けられ前記シリンダの一端側に向かって拡開するように傾斜する第1テーパ面、前記ピストンロッドの外壁に設けられ前記ピストンロッドの一端側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面、及び、前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記第1テーパ面と前記第2テーパ面との間に挟まれて前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック部材を備えていることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、ピストンロッドの一端側がシリンダの一端側から突出すると、ロック部材がシリンダの内壁に設けられシリンダの一端側に向かって拡開するように傾斜する第1テーパ面とピストンロッドの外壁に設けられピストンロッドの一端側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面との間に挟まれるので、ピストンロッドのシリンダに対する相対移動がロックされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
第1〜第9の実施形態では、シリンダ及びピストンロッドの一端側(図1〜図6、図8,図9において左側)を前側、他端側(図1〜図6、図8,図9において右側)を後側として説明する。
【0013】
以下、図1〜図6を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態のアクチュエータ40は、図1に示すように、中空のケーシング3を有する中空のシリンダ1、動力発生装置としてのガス発生装置4、先端キャップ6を有するピストンロッド5、及びピストン7等を備えている。このアクチュエータ40は、ガス発生装置4に着火することにより、図2に示すように、シリンダ1の前端側からピストンロッド5の前端側が突出するように構成されている。この実施形態では、ピストンロッド5は、後述するロック溝32よりも前側となる前端側部分5aの殆どがシリンダ1の前端側から突出する。
【0014】
詳しくは、金属製のシリンダ1は、シリンダ本体2及びシリンダ本体2の前端部に設けられたケーシング3を有している。シリンダ本体2の後端部には、ガス発生装置4が設けられている。ガス発生装置4は、ガスを発生させるための火薬を収容するガス発生部4aを有しており、このガス発生部4aからはガス発生部4a内に収容される図示しないガス発生体に着火するためのリード線4bが延出している。このガス発生装置4は、このガス発生部4aをシリンダ本体2の後端部に嵌合させた状態でシリンダ1の後端部に設けられている。ケーシング3は、シリンダ1の一部であって、このシリンダ1のキャップとして機能するとともに、後述するロック機構30として機能する。なお、このケーシング3については後述する。
【0015】
また、このガス発生装置4は、リード線4bを外部に延出させた状態でキャップ状の支持部材9によって覆われている。そして、この支持部材9をシリンダ1の後端部に螺合させることにより、ガス発生装置4はシリンダ1に固定されている。なお、動力発生装置は、ガス発生装置4に限定されるものではなく、例えば、アキュムレータ等を用いてもよい。
【0016】
金属製のピストンロッド5は、シリンダ1の内径よりも小径に形成されている。ピストンロッド5の前端部には雄ねじ部20が設けられており、この雄ねじ部20に先端キャップ6が螺合されている。ピストンロッド5の後端部には、シリンダ1の軸線L(ピストンロッド5の軸線と同じ)方向に相対移動可能なピストン7が一体に設けられている。
【0017】
ピストンロッド5は、図1に示すように、先端キャップ6を露出させた状態で、ピストン7とともに軸線L方向に相対移動可能となるようにシリンダ1の内部に挿入されている。
【0018】
ピストン7は、その周方向に沿うリング状の溝部7aを有しており、この溝部7aにピストン7とシリンダ1との間を気密に保つピストンリング8(シールリング)が設けられている。このピストンリング8により、シリンダ1の内部のピストン7とガス発生部4aとの間のガス室10は気密に保たれている。
【0019】
ロック機構30は、図3〜図6に示すように、第1テーパ面31を有するケーシング3、第2テーパ面33を有するロック溝32、及びロック部材としてのCリング36等を備えている。
【0020】
第1テーパ面31は、シリンダ1の内壁に設けられている。この実施形態では、第1テーパ面31は、シリンダ1の内壁の一部をなすケーシング3の内壁に周方向に沿うように設けられている。この第1テーパ面31は、シリンダ1の前側に向かって拡開するように傾斜している。
【0021】
ロック溝32は、ピストンロッド5の外壁に周方向に沿うように設けられている。ロック溝32は、前側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面33と、この第2テーパ面33の後端縁と連続しかつ軸線Lと略平行となるように設けられている環状平面34と、この環状平面34の後端縁から後側に向かって拡開するように傾斜する第3テーパ面35とを有している。つまり、第2テーパ面33、環状平面34、及び第3テーパ面35は、ピストンロッド5の外壁に設けられている。
【0022】
また、図6に示すように、軸線Lと直交する線分を垂線P、第1テーパ面31と垂線Pとのなす角度を第1テーパ面31の傾斜角θ1、第2テーパ面33と垂線Pとのなす角度を第2テーパ面33の傾斜角θ2とすると、このロック機構30ではθ1>θ2の関係となるように、第1テーパ面31及び第2テーパ面33が設計されている。
【0023】
断面略真円状のCリング36は、ピストンロッド5とシリンダ1の第1テーパ面31との間に位置して、ケーシング3内に収容されている。図5に示すように、Cリング36の断面直径Dはロック溝32の深さHの略2倍となっている。なお、図中符号OはCリング36の真円形状の断面の中心を示している。
【0024】
また、Cリング36は、ロック溝32に嵌るようにその直径が設定されている。そのため、ピストンロッド5がシリンダ1に挿入されている初期状態では、Cリング36は、図4に示すように、ロック溝32よりも大径に形成されているピストンロッド5の前端側部分5aの外壁により弾性的に押し広げられるように拡径した状態で、このピストンロッドの前端側部分5aに先端に寄せて嵌め止めされている。
【0025】
また、ケーシング3には、Cリング36がピストンロッド5から外れてケーシング3の前側開口から出てしまうのを抑止するために、リング状の外れ止め部材37が設けられている。ケーシング3内には、第1テーパ面31の前端縁と連続するようにリング状の溝部38が設けられており、外れ止め部材37はこの溝部38に嵌め込まれている。また、外れ止め部材37は、図4に矢印Xで示すようにケーシング3の先端部3aを内側に向けて折り曲げることでかしめられている。
【0026】
アクチュエータ40の組立て方法について図2を参照して説明する。
ピストンロッド5をシリンダ本体2に挿入する。ケーシング3には、予め第1テーパ面31及び溝部38を形成しておく。外れ止め部材37をケーシング3の溝部38に嵌め込む。ケーシング3の先端部3aを軸線Lと略直交するように内側に折り曲げることで外れ止め部材37をかしめる。
【0027】
Cリング36を径が広がる方向に弾性変形させながらピストンロッド5に嵌める。ピストンロッド5をシリンダ本体2内に収容する。ケーシング3をシリンダ本体2に取り付ける。これにより、Cリング36はケーシング3内に収容される。
【0028】
ピストンロッド5の前端部に先端キャップ6を取り付ける。シリンダ本体2の後端部にガス発生装置4を設け、支持部材9でシリンダ本体2に固定する。
【0029】
このように、シリンダ1が内壁に第1テーパ面31が設けられたケーシング3を有しているので、このケーシング3によって第1テーパ面31及び外れ止め部材37をユニット化させることができる。したがって、ロック機構30を容易にアクチュエータ40に具備させることができる。しかも、アクチュエータ40自体の組立ても簡単である。
【0030】
次に、ロック機構30の動作について図4〜図6を参照して説明する。
【0031】
ピストンロッド5がシリンダ1に挿入されている状態では、図4に示すように、Cリング36は、径が広がる方向に弾性変形した状態でピストンロッド5の前端側部分5aに先端に寄せて嵌められている。なお、このとき、Cリング36は、ピストンロッド5と前端側部分5a(図4で接触位置Pで示す位置)で接しているとともに、シリンダ1と第1テーパ面31(図6で接触位置Qで示す位置)で接している。なお、この状態では、Cリング36はシリンダ1と接していなくてもよい。
【0032】
ピストンロッド5がシリンダ1の前端側から突出すると、Cリング36は、このピストンロッド5の外壁上を、ピストンロッド5の前端側部分5aから後側に向けて摺動される。このとき、ケーシング3には外れ止め部材37が設けられているので、Cリング36がピストンロッド5から外れて、ケーシング3の外に飛び出すことはない。ピストンロッド5がシリンダ1の前端側から完全に突出すると、図5に二点鎖線に示されている位置に設けられていたCリング36は、図5に実線で示すように縮径しながらロック溝32に嵌る。なお、このとき、Cリング36は、ピストンロッド5と環状平面34(図5において接触位置Rで示す位置)で接している。
【0033】
その後、ピストンロッド5に図5において矢印Yで示す方向から荷重が与えられると、Cリング36は、ロック溝32に嵌った状態で前側から後側に移動する。そして、図6に実線で示すように、第1テーパ面31と第2テーパ面33との間に挟まれる。なお、このとき、Cリング36は、ピストンロッド5と第2テーパ面33(図6において接触位置Sで示す位置)及び環状平面34(図6において接触位置Tと示す位置)で接しているとともに、シリンダ1と第1テーパ面31(図6において接触位置Uで示す位置)で接している。これにより、ピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動がロックされる。
【0034】
比較例として図7に示すようなアクチュエータを想定する。図7中符号91はシリンダ、符号92はピストンロッドを示している。この比較例では、ロック機構は、ロック部材としての板ばね状のCリング93、接触端面94を有してシリンダ1の内壁に設けられた凹部、及び接触端面95を有してピストンロッド92の外壁に設けられた凹部を備えている。接触端面94,95は、夫々軸線L0と略直交している。この比較例では、Cリング93が接触端面94,95に挟まれることで、ピストンロッド92のシリンダ91に対する相対移動がロックされる。
【0035】
この比較例では、ロック状態においてピストンロッド92にベクトルGの負荷が入力されると、Cリング93に、内側(図7において上側)からベクトルGv=ベクトルGの力が入力され、外側(図7において下側)からベクトルGw=−ベクトルGの力が入力される。すなわち、Cリング93には、このCリング93を歪ませる方向に力が入力されることとなる。したがって、ロック強度は弱い。しかも、板ばね状のCリング93は、一般的にプレス加工により形成するので、径を小さくするのが難しく、ロック機構が大型化し易い。
【0036】
これに対し、本実施形態では、図6に示すように、断面略真円状のCリング36は、ロック状態において、第2テーパ面33上である接触位置Sと,環状平面34上である接触位置Tと、第1テーパ面31上である接触位置位置Uとで接している。
【0037】
そのため、ピストンロッド5にベクトルFの荷重が入力されると、Cリング36にはピストンロッド5を介して2方向から力が入力されることとなる。すなわち、Cリング36には、接触位置SからベクトルFsの力、接触位置TからベクトルFtの力が入力される。なお、ベクトルFは図5において矢印Yで示す方向と同じ方向である。したがって、シリンダ1には、Cリング36を介して、ベクトルFc=(ベクトルFs+ベクトルFt)の力が入力される。
【0038】
また、ピストンロッド5には、シリンダ1にかかる力の反作用として、ベクトルFcと同じ大きさかつ逆の向きであるベクトルFpの力が入力される。
【0039】
以上のように、ピストンロッド5にベクトルFの荷重が入力されると、シリンダ1及びピストンロッド5には夫々これらを圧縮する方向に力がかかる。
【0040】
このように、ロック機構30は、第1テーパ面31、第2テーパ面33、及び断面略真円状のCリング36を備えているため、比較例と比べて大きなロック強度を得ることができる。しかも、断面略真円状のCリング36は板ばね状のCリング93と比べて小径化し易い。したがって、ロック機構30の小型化が実現できる。
【0041】
また、この実施形態では、垂線Pとのなす角度を第1テーパ面31の傾斜角θ1が、第2テーパ面33と垂線Pとのなす角度を第2テーパ面33の傾斜角θ2よりも大きくなるように、第1テーパ面31及び第2テーパ面33が設計されている。そのため、ピストンロッド5に図5において矢印Yで示す方向から大きな荷重が入力されるほど、Cリング36はさらに力で第1テーパ面31と第2テーパ面33との間で強固に挟まれる(強固に噛み合う)こととなる。したがって、ピストンロッド5に図5において矢印Yで示す方向から荷重が入力されても、ロック機構30によるピストンロッド5のロックが外れ難い。
【0042】
この実施形態のアクチュエータ40は、以下のようにして動作する。リード線4bを介してガス発生体に電流が供給されるとガス発生体が着火する。ガス発生体が着火すると、ガス発生体は急速に燃焼して、ガス室10にガスが噴出される。これにより、ガス室10内の圧力が高まるので、ピストン7がピストンロッド5とともにシリンダ1の前側に突き出る方向に移動する。ピストンロッド5の前端側部分5aがシリンダ1の前端部から突出すると、Cリング36が縮径してピストンロッド5のロック溝32に嵌る。その後、図5において矢印Yで示す方向からピストンロッド5に所定の荷重が与えられると、Cリング36は第1テーパ面31と第2テーパ面33との間に挟まれる。したがって、ピストンロッド5はロック機構30によりシリンダ1に対する相対移動が良好なロック強度でロックされる。
【0043】
以上のように、本実施形態のアクチュエータ40は、ロック機構30が、シリンダ1の内壁に設けられシリンダ1の一端側に向かって拡開するように傾斜する第1テーパ面31、ピストンロッド5の外壁に設けられピストンロッド5の一端側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面33、及び、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた状態で第1テーパ面31と第2テーパ面33との間に挟まれてピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動をロックするロック部材としてのCリング36を備えている。したがって、簡単な構成かつ安価であってしかもロック強度が大きいロック機構30を具備するアクチュエータ40を得ることができるようになる。
【0044】
また、シリンダ1は一端部に中空のケーシング3を有しており、第1テーパ面31はこのケーシング3の内壁に設けられている。また、ロック部材としてのCリング36はケーシング3内に収容されている。このように構成することで、ロック機構30の一部をユニット化できるので、ロック機構30を簡単にアクチュエータ40に組み込むことができる。
【0045】
さらに、ロック部材として、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた時に第2テーパ面33と接触するように縮径するCリング36を用いることで、ロック機構30を簡単な構成でかつ安価に実現できる。
【0046】
以下、図8を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0047】
この実施形態では、シリンダ本体2とケーシング3とを一体化させたシリンダ1を用いている。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0048】
この実施形態によれば、シリンダ本体2とケーシング3とを一体化させているので、アクチュエータの構成部材を減らすことができる。
【0049】
以下、図9を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
【0050】
この実施形態では、ロック機構30が第1の実施形態と異なっている。すなわち、ロック機構30は、第1テーパ面31を有するケーシング3、接触端面52を有する落込み部50、第2テーパ面33を有するロック溝32、及びロック部材としてのCリング等を備えている。
【0051】
落込み部50は、第1テーパ面31の後端縁と連続する環状平面51、及びシリンダ1の内壁の一部をなす環状平面51の後端縁から軸線Lに対して略直交するようにシリンダ1の内側に向かって立上るように設けられた接触端面52を有して、シリンダ1の内壁の周方向に沿うように設けられている。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0052】
この実施形態のロック機構30は以下のように動作する。
【0053】
ピストンロッド5がシリンダ1の前端側から突出すると、Cリング36は、第1の実施形態と同様に、縮径しながら第2ロック溝32に嵌る。その後、ピストンロッド5に図9において矢印Zで示す方向から荷重が与えられると、Cリング36は、第2ロック溝32に嵌った状態でピストンロッド5とともに前側から後側に移動して落込み部50に落ち込む。これにより、Cリング36は第2テーパ面33と接触端面52との間に挟まれるので、ピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動がロックされる。
【0054】
この実施形態によれば、ピストンロッド5がシリンダ1から突出した時に、Cリング36が接触端面52と第2テーパ面33との間に挟まれ、これにより、ピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動がロックされるように構成されている。そのため、簡単な構造で安価なロック機構を具備するアクチュエータが得られる。
【0055】
しかも、この実施形態では、Cリング36は接触端面52により後方への移動が抑制されている。したがって、ロック後に図9において矢印Zで示す方向から荷重が与えられても、Cリング36が噛み合いが増す方向に摺動するのを抑止できる。
【0056】
なお、接触端面52は、軸線Lと直交する方向(垂線P方向)が好ましいが、接触端面52と垂線Pとのなす角度が第1テーパ面31と垂線Pとのなす角度よりも小さくなるように設ければ、ロック後に図9において矢印Zで示す方向から荷重が与えられても、Cリング36は噛み合いが増す方向に摺動しない。
【0057】
以下、図10を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
【0058】
この実施形態では、Cリング36と置換してCリング61を用いている。このCリング61は、断面形状が第1の曲率半径r1を有する第1の円弧61aとこの第1の曲率半径r1よりも大きい第2の曲率半径r2を有する第2の円弧61bとを直線または曲線で繋いでなる卵形状となっている。第1及び第2の曲率半径r1,r2は夫々、第1テーパ面31と第2テーパ面33とのなす角度により調整すればよい。すなわち、第1及び第2の曲率半径r1,r2は、ロック状態において、第1の円弧61aと第2の円弧61bとを繋ぐ直線または曲線が第1テーパ面31と第2テーパ面33とに良好に接するように設定するのが好ましい。
【0059】
このCリング61は、第1の円弧61a側の前方外側に向けて、第1テーパ面31に沿うようにケーシング3内に収容されている。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0060】
この実施形態によれば、ロック部材として上述のようなCリング61を用いているので、Cリング61と第1テーパ面31との接触面積を大きくすることができるとともに、Cリング61と第2テーパ面との接触面積を大きくすることができる。したがって、ロック時の剛性が向上するので、更に良好なロック性能が得られる。
【0061】
以下、図11〜図13を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。
【0062】
この実施形態では、Cリング36と置換してOリング62を用いている。Oリング62は、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた時に第2テーパ面33と接触するように縮径するループ状の縮径部品62bと、縮径部品62bの軸線方向に沿うようにこの縮径部品62bに所定の間隔で設けられた複数のロック部品としてのローラ62aとを有している。縮径部品62bは、弾性体、例えば合成ゴム等により形成することができる。また、ローラ62aは、例えば金属や硬質ゴム等により形成することができる。
【0063】
このOリング62は、図13に示すように、各ローラ62aに長手方向に沿うような貫通孔を形成し、縮径部品62bをこの貫通孔に貫通させることで、ローラ62aが縮径部品62bと同軸となるようにしている。なお、ローラ62aは、縮径部品62b上において摺動可能としてもよく、また、所定の位置に留まるように縮径部品62bに固定してもよい。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0064】
ところで、ピストンロッド5の径が小さい場合、Cリング36もこれに対応させて径を小さくする必要がある。したがって、このような場合には、Cリング36にあまり大きな撓み量を持たせることができない。また、Cリング36は、断面径を大きくするのに伴って、拡径時の応力が高くなる。したがって、Cリング36の断面径は、大きくしすぎると塑性変形し易くなるので、塑性変形しない程度に小さくする必要がある。
【0065】
このような理由から、ピストンロッド5の径が小さい場合に適用されるリング部材は十分に縮径できない場合があり、噛み合い量の低下を引き起こす、ロック強度不足となる、他の部品の高精度化が必要となる等のおそれがある。
【0066】
これに対し、上述のようなOリング62は、Cリング36と比べて縮径状態と拡形状態との差を大きくすることができる。したがって、この実施形態によれば、ロック状態における噛み合いの深さを大きくすることができるため、第1の実施形態と比べてロック強度を大きくすることができる。しかも、この実施形態によれば、他の部品の高精度化が不要である。さらに、この実施形態によれば、ローラ62aの断面径を調整することで噛み合い量を調節することができる。したがって、この実施形態は、ピストンロッド5の径が小さい場合に好適である。
【0067】
以下、図13を参照して本発明の第6の実施形態を説明する。
【0068】
この実施形態では、Cリング36と置換してOリング63を用いている。このOリングは、第5の実施形態と同様に、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた時に第2テーパ面33と接触するように縮径するループ状のチューブからなる縮径部品63bと、縮径部品63bの軸線方向に沿うようにこの縮径部品63bに所定の間隔で設けられた複数のロック部品としてのローラ63aとを有している。縮径部品63bとしては、例えば合成ゴム等の弾性体により形成されたチューブを用いることができる。また、ローラ63aは、例えば金属や硬質ゴム等により形成することができる。
【0069】
このCリング36は、ローラ63aを縮径部品63bと同軸となるようにこの縮径部品63b内に収容することで形成されている。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0070】
この実施形態によれば、第5の実施形態と同様に、ロック状態における噛み合いの深さを大きくすることができるため、第1の実施形態と比べてロック強度を大きくすることができる。しかも、他の部品の高精度化が不要である。また、ローラ63aの断面径を調節することで噛み合い量を調節することができる。したがって、この実施形態もまた、ピストンロッド5の径が小さい場合に好適である。
【0071】
以下、図14を参照して本発明の第7の実施形態を説明する。
【0072】
この実施形態では、Oリング62と置換して、ローラ62aの代わりにボール64aを備えたOリング64を用いている。また、図中符号64bは、縮径部品62bと同様に形成された縮径部品である。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1及び第5の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。この実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この実施形態によれば、ボール64aの断面径を調節することで噛み合い量を調節することができる。
【0073】
以下、図15を参照して本発明の第8の実施形態を説明する。
【0074】
この実施形態では、Oリング63と置換して、ローラ63aの代わりにボール65aを備えたOリング65を用いている。また、図中符号65bは、縮径部品63bと同様に形成された縮径部品である。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1及び第6の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。この実施形態によれば、第5の実施形態や第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この実施形態によれば、ボール65aの断面径を調整することで噛み合い量を調節することができる。
【0075】
以下、図16を参照して本発明の第9の実施形態を説明する。
【0076】
本実施形態では、Cリング36と置換してCリング66を用いている。Cリング66は、ピストンロッド5の一端側をシリンダ1の一端側から突出させた時に第2テーパ面33と接触するように縮径するCリング状の縮径部品66bと、縮径部品66bの軸線方向に沿うようにこの縮径部品66bに所定の間隔で設けられた複数のロック部品としてのローラ66aとを有している。なお、ロック部品としては、ボールを用いてもよい。縮径部品66bは、金属ワイヤ等により形成することができる。また、ローラ66aは、例えば金属や硬質ゴム等により形成することができる。
【0077】
このCリング66は、各ローラ66aに長手方向に沿うような貫通孔を形成し、縮径部品66bをこの貫通孔に貫通させることで、ローラ66aが縮径部品66bと同軸となるようにしている。なお、ローラ66aは、縮径部品66b上において摺動可能としてもよく、また、所定の位置に留まるように縮径部品66bに固定してもよい。なお、他の構成は、図示しない部分を含めて上述した第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0078】
上述のようなCリング66は、ローラ66aで接触面積を稼ぐことができるため、縮径部品66bはCリング36と比べて細線化することができる。したがって、縮径部品66bの応力をCリング36の応力と比べて小さくすることができるので、縮径部品66bの撓みをCリング36の撓みと比べて大きくすることができる。
【0079】
このように、Cリング66では、Cリング36と比べて縮径状態と拡形状態との差を大きくすることができるので、ロック状態における噛み合いの深さを大きくすることができる。よって、この実施形態では、ロック溝32が小径であっても、ピストンロッド5のシリンダ1に対する相対移動を良好にロックすることができるアクチュエータが得られる。
【0080】
なお、第3〜第9の実施形態では、シリンダ本体2とケーシング3とを別体としているが、第2の実施形態のように、シリンダ本体2とケーシング3とを一体としてもよい。
【0081】
これらの実施形態のアクチュエータ40が備えるロック機構30は、上述のように簡単な構成であるため、ロック機構30を小型化することができる。これに伴い、これらのアクチュエータ40では、長手方向を短くしたり、径を小さくしたりする等の小型化が実現可能であるため、車両搭載性が向上する。したがって、これらのアクチュエータ40は、例えば、後述するフード装置70やシート装置80等(図17及び図18参照)に好適に用いることができる。
【0082】
図17は、第1の実施形態のアクチュエータ40を備えたフード装置70を示している。以下、車両の進行方向を前側として説明する。なお、第2〜第9の実施形態のアクチュエータ40を用いてもよい。
【0083】
このフード装置70は、例えば自動車Wの前部に設けられたエンジンルームを覆うように開閉自在に設けられたフード71に適用することができる。このフード装置70は、衝突検出センサ72、制御部73、及びアクチュエータ40を備えている。
【0084】
衝突検出センサ72は、車体と歩行者との衝突を検知するセンサであって、フロントバンパ74に設けられている。アクチュエータ40は、ピストンロッド5の突出側をフード71側(上側)に向けた状態で、フード71の下側に配置されている。制御部73は、衝突検出センサ72が衝突を検知したときに、リード線4bに電流を流すようになっている。
【0085】
このように構成されたフード装置70では、自動車Wが歩行者に衝突して衝突検出センサ72が動作すると、これと連動して、アクチュエータ40が動作する。ピストンロッド5がシリンダ1の先端部から突き出る方向に移動して、フード71を所定量上方に押上げると、フード71とエンジンルーム内の各装置との間に隙間ができる。このため、歩行者が跳ね上げられてフード71に衝突した際に、このフード71が変形してその衝撃によるエネルギーの一部を吸収できる。
【0086】
図18は、第1の実施形態のアクチュエータ40を備えたシート装置80を示している。以下、車両の進行方向を前側として説明する。なお、第2〜第9の実施形態のアクチュエータ40を用いてもよい。
【0087】
このシート装置80は、例えば自動車W(図17参照)に適用することができる。このシート装置80は、座部89aと背もたれ部89bとを有するシート本体89、衝突検出センサ72、制御部73、リンク機構81、及びアクチュエータ40を備えている。
【0088】
車体に固定されたシートレール82には、前後方向にスライド可能なシートフレーム83が設けられている。このシートフレーム83は、図示しないロック機構により所望の位置で固定されるようになっている。シートフレーム83には、支持部84を介してリンク機構81が回動可能に設けられている。リンク機構81は、例えば、一対のリンク部材85(一方のみ図示)とこれらのリンク部材85を繋ぐ連結部86とを備えて構成されている。
【0089】
一方のリンク部材85は、互いに略直交する長部87と短部88とを有して、略L字状に形成されている。他方のリンク部材85は、図示しないが、長部68のみを有してI字状に形成されている。一方のリンク部材85は、長部87と短部88との交差点、すなわち、角部で支持部84に支持されている。他方のリンク部材85は、その一端部がシートフレーム83に支持されている。そして、一方のリンク部材85の長部87側の端部と他方のリンクの他端部とが連結部86で繋がれている。また、一方のリンク部材85の短部88側の端部には、アクチュエータ40のピストンロッド5が連結されている。制御部73は、衝突検出センサ72が衝突を検知したときに、リード線4bに電流を流すようになっている。
【0090】
このように構成されたシート装置80では、自動車Wが衝突して衝突検出センサ72が動作すると、これと連動してアクチュエータ40が動作する。ピストンロッド5がシリンダ1の先端部から突き出る方向に移動すると、一方のリンク部材85が、図19に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に回動し、シート本体89の座部89aの幅方向に延びる連結部86によって機械的に座部89aの先端部を持上げられる。したがって、このシート装置80では、いわゆるサブマリン現象を抑制できる。
【0091】
また、本発明のアクチュエータは、シート装置80及びフード装置70に限らず種々の装置に広く適用することができる。本発明のアクチュエータは、例えば、バックルをシートベルトが緊張する方向に牽引するアクチュエータを有するバックルプリテンショナ装置や、バックルプリテンショナ装置を備えたシート装置等にも適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれは、簡単な構造で安価なロック機構を具備するアクチュエータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータをピストンロッドがシリンダに挿入されている状態で示す断面図。
【図2】図1のアクチュエータの一部をピストンロッドがシリンダから突出している状態で示す断面図。
【図3】図1のアクチュエータを示す分解斜視図。
【図4】図1のアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがシリンダに挿入されている状態で示す断面図。
【図5】図1のアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがシリンダから突出している状態であってかつロック機構にロックされる途中の状態で示す断面図。
【図6】図1のアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがロック機構にロックされた状態で示す断面図。
【図7】比較例としてのアクチュエータの一部を示す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがロック機構にロックされた状態で示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがロック機構にロックされた状態で示す断面図。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るアクチュエータのロック部材近傍をピストンロッドがロック機構にロックされた状態で示す断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係るアクチュエータが備えるロック部材を示す斜視図
【図12】図11のロック部材の一部を示す側面図。
【図13】本発明の第6の実施形態に係るアクチュエータが備えるロック部材を示す斜視図。
【図14】本発明の第7の実施形態に係るアクチュエータが備えるロック部材を示す斜視図。
【図15】本発明の第8の実施形態に係るアクチュエータが備えるロック部材を示す斜視図。
【図16】本発明の第9の実施形態に係るアクチュエータが備えるロック部材を示す斜視図。
【図17】図1のアクチュエータを備えたフード装置を示す側面図。
【図18】図1のアクチュエータを備えたシート装置を一部切り欠いて示す側面図。
【符号の説明】
1…シリンダ、5…ピストンロッド、30…ロック機構、31…第1テーパ面、33…第2テーパ面、36,61,66…Cリング(ロック部材)、40…アクチュエータ、52…接触端面、62〜65…Oリング(ロック部材)、62a〜66a…ロック部品、62b〜66b…縮径部品
Claims (8)
- 中空のシリンダと、
前記シリンダの内径よりも小径に形成され、前記シリンダの軸線方向に相対移動可能となるように前記シリンダの内部に挿入されたピストンロッドと、
前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック機構と、を具備し、
前記ロック機構が、
前記シリンダの内壁に設けられ前記シリンダの一端側に向かって拡開するように傾斜する第1テーパ面と、
前記ピストンロッドの外壁に設けられ前記ピストンロッドの一端側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面と、
前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記第1テーパ面と前記第2テーパ面との間に挟まれて前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック部材と、を備えていることを特徴とするアクチュエータ。 - 中空のシリンダと、
前記シリンダの内径よりも小径に形成され、前記シリンダの軸線方向に相対移動可能となるように前記シリンダの内部に挿入されたピストンロッドと、
前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック機構と、を具備し、
前記ロック機構が、
前記シリンダの内壁に設けられ前記シリンダの一端側に向かって拡開するように傾斜する第1テーパ面と、
前記第1テーパ面よりも前記シリンダの他端側に位置し、前記シリンダの内壁から前記シリンダの内側に向かって立上るように設けられた接触端面と、
前記ピストンロッドの外壁に設けられ前記ピストンロッドの一端側に向かって拡開するように傾斜する第2テーパ面と、
前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた状態で前記接触端面と前記第2テーパ面との間に挟まれて前記ピストンロッドの前記シリンダに対する相対移動をロックするロック部材と、を備えていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記シリンダは一端部に中空のケーシングを有しており、前記第1テーパ面は前記ケーシングの内壁に設けられているとともに、前記ロック部材は前記ケーシング内に収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
- 前記ロック部材は、前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた時に前記第2テーパ面と接触するように縮径するCリングであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記Cリングの断面形状が、第1の曲率半径を有する第1の円弧とこの第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を有する第2の円弧とを直線または曲線で繋いでなる卵形状であることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
- 前記ロック部材は、前記ピストンロッドの一端側を前記シリンダの一端側から突出させた時に前記第2テーパ面と接触するように縮径するCリング状若しくはループ状の縮径部品、及び前記縮径部品の軸線方向に沿うように前記縮径部品に所定の間隔で設けられた複数のロック部品を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
- 前記複数のロック部品は、前記縮径部品と同軸となるように夫々設けられた複数のローラであることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
- 前記複数のロック部品は複数のボールであることを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
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-
2003
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