JP3996524B2 - 流体圧シリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気圧などの流体圧力によってピストンロッドを軸方向に往復動する流体圧シリンダに関し、特に、ロック機構を備えた流体圧シリンダに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体組立ラインには、プレス工程において成型されたパネル材をスポット溶接などによって接合する複数の工程が設けられている。これらの工程としては、車体の土台を形成するアンダーボデー工程、車体の側面部を形成するサイドボデー工程、アンダーボデーとサイドボデーとを接合することにより車体の骨格を形成するメインボデー工程、メインボデーにドアやフードなどを組み付けるメタルライン工程などがある。これらの工程のための作業ステージを備えた車体組立ライン上には複数の搬送台車が設けられており、各パネル材は搬送台車に固定されて各作業ステージを移動することになる。車体組立ラインの最終ステージと最初のステージとは復帰ラインによって連結されており搬送台車は車体組立ライン上を循環される(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
搬送台車はクランプアームを備えており、搬送台車上に配置されたパネル材は所定の位置に位置決めされた状態でクランプアームによって固定される。このクランプアームを揺動させるための駆動源としては空気圧シリンダが用いられることが多く、搬送台車にエア配管が接続されることで空気圧シリンダに圧縮空気が供給される。しかしながら、搬送台車は各作業ステージ間を移動するため、移動時には搬送台車よりエア配管を取り外す必要がある。このように、搬送台車が移動する中間の作業ステージにおいて、搬送台車に設けられる空気圧シリンダには、圧縮空気の供給が断たれた状況下でパネル材をクランプ状態で保持する性能が要求される。
【0004】
この要求を満たすため、クランプアームが連結されるピストンロッドを固定するロック機構を備えた空気圧シリンダが開発されており、パネル材を固定した状態でピストンロッドの移動を規制することによって、圧縮空気が断たれた状態であってもパネル材をクランプ状態に保持することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−283034号公報 (第4頁、図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロック機構を備えた空気圧シリンダは、ロック機構を作動制御するための専用ポートを有するため、ピストンロッドを往復動させる2つの給排ポートと合わせて3つのポートが設けられていた。このように3つのポートを空気圧シリンダに設けることは、空気圧シリンダの大型化や高コスト化を招来するだけでなく、空気圧の供給制御についても複雑な制御方法が要求されることになっていた。
【0007】
本発明の目的は、専用ポートを設けることなく作動流体の簡易な供給制御によってロック機構を作動させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の流体圧シリンダは、ピストンロッドに固定されるメインピストンを往復動自在に収容し、前記メインピストンの一方側に第1圧力室を区画形成するとともに、前記メインピストンの他方側に第2圧力室を区画形成するシリンダ本体と、前記ピストンロッドに締結する締結位置と前記ピストンロッドの締結を解除する解除位置とに移動自在に前記シリンダ本体内に組み込まれ、前記締結位置に向けてばね力が加えられる一方、前記ばね力に対向する推力を発生するロック解除圧力室を区画形成するロックスリーブと、前記シリンダ本体に設けられ、前記締結位置に移動した前記ロックスリーブに所定のクリアランスを介して対向するロッドカバーと、前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを第1方向に移動させる作動流体を前記第1圧力室に案内する第1給排ポートと、前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを前記第1方向と逆向きの第2方向に移動させる作動流体を前記第2圧力室に案内する第2給排ポートと、前記第1圧力室と前記ロック解除圧力室とに接続され、前記ピストンロッドを前記第2方向に移動させる際に、前記第1圧力室の背圧を前記ロック解除圧力室に案内して前記ロックスリーブを前記解除位置に移動させる連通路とを有し、前記第2方向に移動する前記ピストンロッドの停止によって背圧が低下する際には、前記ばね力によって前記ロックスリーブを前記締結位置に移動させるとともに、前記ばね力を前記ロックスリーブから前記ピストンロッドに伝達して前記ピストンロッドを前記クリアランスの範囲内で前記第2方向に移動可能とすることを特徴とする。
【0009】
本発明の流体圧シリンダは、ピストンロッドに固定されるメインピストンを往復動自在に収容し、前記メインピストンの一方側に第1圧力室を区画形成するとともに、前記メインピストンの他方側に第2圧力室を区画形成するシリンダ本体と、前記ピストンロッドに締結する締結位置と前記ピストンロッドの締結を解除する解除位置とに移動自在に前記シリンダ本体内に組み込まれるロックスリーブと、前記シリンダ本体に収容され、前記ロックスリーブに前記締結位置に向けてのばね力を加えるとともに前記ばね力に対向する推力を発生させるロック解除圧力室を前記シリンダ本体内に区画形成するロックピストンと、前記シリンダ本体に設けられ、前記締結位置に移動した前記ロックスリーブに所定のクリアランスを介して対向するロッドカバーと、前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを第1方向に移動させる作動流体を前記第1圧力室に案内する第1給排ポートと、前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを前記第1方向と逆向きの第2方向に移動させる作動流体を前記第2圧力室に案内する第2給排ポートと、前記第1圧力室と前記ロック解除圧力室とに接続され、前記ピストンロッドを前記第2方向に移動させる際に、前記第1圧力室の背圧を前記ロック解除圧力室に案内して前記ロックスリーブを解除位置に移動させる連通路とを有し、前記第2方向に移動する前記ピストンロッドの停止によって背圧が低下する際には、前記ばね力によって前記ロックスリーブを前記締結位置に移動させるとともに、前記ばね力を前記ロックスリーブから前記ピストンロッドに伝達して前記ピストンロッドを前記クリアランスの範囲内で前記第2方向に移動可能とすることを特徴とする。
【0010】
本発明の流体圧シリンダは、前記連通路は前記ピストンロッドの外周面に沿った連通隙間であることを特徴とする。
【0011】
本発明の流体圧シリンダは、前記締結位置に向かう前記ロックスリーブの移動により、前記ピストンロッドの外周に配置されるボール部材が前記ピストンロッドに押圧されることを特徴とする。
【0012】
本発明の流体圧シリンダは、前記ロックピストンは前記ピストンロッドの軸方向に往復動することを特徴とする。
【0013】
本発明の流体圧シリンダは、前記ロックピストンは前記ピストンロッドの径方向に往復動することを特徴とする。
【0014】
本発明の流体圧シリンダは、前記ロックピストンと前記ロックスリーブとの間にトグル機構が設けられ、前記ロックピストンの推力は前記トグル機構を介して前記ロックスリーブに加えられることを特徴とする。
【0015】
本発明の流体圧シリンダは、前記第1給排ポートから排出される作動流体の流れを制御する絞り機構を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の流体圧シリンダは、前記ロックスリーブを手動により前記解除位置に移動させる解除機構を有することを特徴とする。
【0017】
本発明の流体圧シリンダは、前記ロックピストンを手動により前記ばね力に対向させて移動させる解除機構を有することを特徴とする。
【0018】
本発明の流体圧シリンダは、前記ボール部材を手動により前記ピストンロッドの軸方向に移動させる解除機構を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の流体圧シリンダは、前記ピストンロッドの往復動によりクランプアームを揺動させることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、第1圧力室とロック解除圧力室とを連通する連通路を設けるようにしたので、第2給排ポートより作動流体を供給してピストンロッドを移動するときには、メインピストンの移動により生ずる背圧をロック解除圧力室に供給することができ、ロックスリーブを解除位置に保持することができる。
【0021】
これにより、ロックスリーブとピストンロッドとの締結を制御する専用の給排ポートを設ける必要がなく、流体圧シリンダに対する作動流体の給排制御も簡易にすることができ、流体圧シリンダの小型化と低コスト化を達成することができる。
【0022】
また、ピストンロッドが停止したときには、背圧が低下するためロックスリーブをばね力によって締結位置に移動させることができ、締結状態となったロックスリーブを介してばね力をピストンロッドに伝達することができる。
【0023】
これにより、たとえば、流体圧シリンダを用いてワークをクランプする際には、ワークを確実に保持することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は搬送台車10によって自動車車体を構成するパネル材を搬送するようにした車体組立ラインの一部を示す平面図である。搬送台車10は複数の車輪11を有し、最初の作業ステージS1から最終の作業ステージSnまで走行する。最初の作業ステージS1では車体を構成するパネル材がワークWとして搬送台車10に搬入され、最終の作業ステージSnでは所定の組立作業が終了したワークWが搬送台車10から取り外されることになる。それぞれの搬送台車10にはワークWをクランプつまり締め付けて固定するためのクランプ機構12が設けられている。図1においては、それぞれの搬送台車10には2つずつクランプ機構12が設けられているが、ワークWのサイズなどに応じて任意の数のクランプ機構12を搬送台車10に設けることができる。
【0026】
図2は図1のクランプ機構12を示す正面図であり、このクランプ機構12には本発明の一実施の形態である流体圧シリンダ16が組み付けられている。搬送台車10にはワークWを支持する支持台13が設けられ、この支持台13にはワークWをクランプするためのクランプアーム14がピン15を中心に揺動自在に装着されている。支持台13には流体圧シリンダ16がこれに固定されたクレビス17の部分でピン18により揺動自在に装着されており、流体圧シリンダ16のピストンロッド19がクランプアーム14にピン20を介して連結されている。ピストンロッド19が所定のストロークで前進方向つまり流体圧シリンダ16の内部から突出する方向に移動すると、クランプアーム14はワークWをクランプする。
【0027】
図3は図2の流体圧シリンダ16を示す断面図である。この流体圧シリンダ16は、メインピストン21が軸方向に往復動自在に収容されるシリンダチューブ22と、これに取り付けられロックユニット23を収容するロックケース24とを備えており、シリンダチューブ22の端部にはエンドカバー25が取り付けられ、ロックケース24の端部にはロッドカバー26が取り付けられている。これらのシリンダチューブ22、ロックケース24、エンドカバー25およびロッドカバー26によりシリンダ本体27が形成されている。
【0028】
シリンダチューブ22内に収容されるメインピストン21によって、シリンダチューブ22内は第1圧力室であるクランプ解除圧力室30と第2圧力室であるクランプ圧力室31とに区画されており、圧力室30に連通する第1給排ポートとしての給排ポート32はロッドカバー26に形成され、圧力室31に連通する第2給排ポートとしての給排ポート33はエンドカバー25に形成されている。給排ポート32より圧力室30に圧縮空気を供給するとメインピストン21はエンドカバー25方向のクランプ解除位置に向けて後退移動する一方、給排ポート33より圧力室31に作動流体である圧縮空気を供給するとメインピストン21はロッドカバー26方向のクランプ位置に向けて前進移動することになる。
【0029】
メインピストン21はシール材34が設けられた環状の第1ディスク35と、円筒部36を有する第2ディスク37とを備えており、第2ディスク37の円筒部36の内周面には雌ねじ36aが形成されている。また、第1ディスク35と第2ディスク37との間には環状の磁石38が挟み込まれており、シリンダチューブ22に設けられた図示しないセンサにより磁石38を介してメインピストン21の位置を検出できるようになっている。
【0030】
また、一端に雄ねじ19aが形成されるピストンロッド19は、雄ねじ19aを介してメインピストン21の第2ディスク37にねじ結合されるとともに、ロッドカバー26に往復動自在に支持されている。メインピストン21に固定されたピストンロッド19は、圧力室31と圧力室30とに対する作動流体である圧縮空気の給排制御により、メインピストン21と一体になって軸方向に移動する。
【0031】
ロックケース24内に収容されるロックユニット23は、ピストンロッド19の外周に複数配置されるボール部材としての鋼球39と、これら複数の鋼球39を保持するとともにピストンロッド19に貫かれて設けられる筒状の保持器40とを備えており、保持器40はピストンロッド19に対して摺動自在となる。また、ロックユニット23はテーパ面41aを有するロックスリーブ41を保持器40の外周側に備えており、このロックスリーブ41はロックケース24に摺動自在となって収容される。このように、ピストンロッド19の外周面19bとロックスリーブ41のテーパ面41aとの間には複数の鋼球39が配置されており、ロックスリーブ41を軸方向に移動させることによって、ロックユニット23は、鋼球39をピストンロッド19に押圧する締結状態と、ピストンロッド19に対する押圧を解除する解除状態とに切り換えられる。
【0032】
ロックスリーブ41とロッドカバー26との間にはフランジ部42を備える底付き円筒状のばね受け部材43が設けられており、ばね受け部材43のフランジ部42とロッドカバー26との間には解除用ばね部材44が設けられている。この解除用ばね部材44はロックスリーブ41と当接するフランジ部42を介して、ロックスリーブ41を解除位置に向けて所定のばね力によって付勢する。つまり解除用ばね部材44はロックスリーブ41をエンドカバー25側の後退方向に付勢する。また、ばね受け部材43の底部45と保持器40との間には保持用ばね部材46が設けられており、この保持用ばね部材46は保持器40をエンドカバー25側の後退方向に所定のばね力によって付勢する。
【0033】
また、ロックケース24内には保持器40に隣接して位置決めスリーブ47が設けられている。位置決めスリーブ47はピストンロッド19に貫かれるとともに、その一端がロックケース24に当接する。このように、ロックケース24に当接する位置決めスリーブ47は、保持用ばね部材46による保持器40および鋼球39の後退移動を所定の位置で規制するためのストッパとなる。
【0034】
また、位置決めスリーブ47の外周には環状のロックピストン48が設けられ、ロックピストン48は位置決めスリーブ47とロックケース24とに対して摺動自在となっている。ロックケース24内はロックピストン48により、ロック用ばね部材49が収容されるばね室50と、ロックユニット23が収容されるロック解除圧力室51とに区画されている。ロック用ばね部材49によってロックピストン48はロッドカバー26側の前進方向に所定のばね力で付勢される一方、ロック解除圧力室51に供給される圧縮空気によって、ロックピストン48はばね力に抗するようにエンドカバー25側の後退方向に所定の推力で付勢される。なお、ロックケース24内のばね室50は図示しない連通孔によって大気開放される。
【0035】
続いて、圧力室31、圧力室30およびロック解除圧力室51に圧縮空気を供給するための供給流路について説明する。図4は図3のA−A線に沿ってロッドカバー26の構造を示す断面図である。図4に示すように、ロッドカバー26には径方向に3つの給排ポート32が形成されており、使用状況に応じていずれか1つの給排ポート32に給排用の配管が接続される。この配管は排気ポートを備えた流路切換弁を介して空気圧源に接続されており、流路切換弁の切換作動によって給排ポート32には圧縮空気が供給される一方、給排ポート32より圧縮空気が排出される。なお、使用しない給排ポート32はプラグ52によって閉塞される。
【0036】
また、ロッドカバー26の内部にはガイド筒体53が組み込まれており、ガイド筒体53の外周面には3つの給排ポート32と連通する流路溝54が形成され、この流路溝54とガイド筒体53の内周面に形成される流路溝55とを連通する連通孔56が形成されている。ガイド筒体53には連通孔56に入り込むように絞り機構としてのニードル57が装着されており、外周面に雄ねじ57aが形成されたニードル57をねじ込むことによって、連通孔56の流路断面積を変化させることができ、連通孔56を通過する圧縮空気の流れつまり流量を制御することができる。
【0037】
このような連通孔56を経て流路溝55に案内された圧縮空気は圧力室30とロック解除圧力室51とに供給される。ばね受け部材43、保持器40および位置決めスリーブ47の内径はピストンロッド19の外径よりも若干大きく設定されており、ばね受け部材43、保持器40および位置決めスリーブ47とピストンロッド19との間には連通路として連通隙間58が設けられている。この連通隙間58を介して給排ポート32に連通した流路溝55と圧力室30およびロック解除圧力室51とは連通されるため、給排ポート32より圧力室30およびロック解除圧力室51に対する圧縮空気の給排制御を行うことができる。
【0038】
図3に示すように、エンドカバー25にも圧力室31に連通された複数の給排ポート33が形成されており、使用状態に応じていずれか1つの給排ポート33に給排用の配管が接続される。この配管は前述の配管と同様に排気ポートを備えた流路切換弁を介して空気圧源に接続されており、流路切換弁の切換作動によって給排ポート33には圧縮空気が供給される一方、給排ポート33より圧縮空気が排出される。従って、給排ポート33より圧力室31に対する圧縮空気の給排制御を行うことができる。なお、使用しない給排ポート33はプラグ59によって閉塞される。
【0039】
続いて、流体圧シリンダ16の動作について説明する。図5(A)はロックユニット23が解除状態となった流体圧シリンダ16の一部を示す断面図であり、図5(B)はロックユニット23が締結状態となった流体圧シリンダ16の一部を示す断面図である。
【0040】
まず、メインピストン21がエンドカバー25側の後退限位置に配置された状態、つまりピストンロッド19がシリンダ本体27内に引き込まれた状態から、ピストンロッド19およびメインピストン21を前進移動させる際におけるロックユニット23の動作について説明する。
【0041】
メインピストン21が後退限位置に配置された状態では、給排ポート32から圧力室30とロック解除圧力室51とに圧縮空気が供給された状態となっている。圧力室30には連通隙間58を介して圧縮空気が供給され、ロック解除圧力室51には連通隙間58から保持器40と鋼球39との隙間を経て圧縮空気が供給される。このロック解除圧力室51に加えられる空気圧によってロックピストン48にはロック用ばね部材49を圧縮する後退方向に推力が加えられ、ロックピストン48はエンドカバー25側に後退移動する。なお、圧力室30に供給された空気圧を受けるロックピストン48の受圧面積は、ロック用ばね部材49のばね力に抗する推力を発生させるに十分な面積に設定されている。
【0042】
ロックピストン48が後退移動すると、解除用ばね部材44からのばね力によってロックスリーブ41もロックピストン48とともに解除位置に向けて後退移動することになり、ロックスリーブ41の端面とロッドカバー26の端面との間には、図5(A)に示すように、所定のクリアランスC1が設けられた状態となる。このように、ロックスリーブ41が解除位置に作動すると、スリーブ41のテーパ面41aと鋼球39との間には所定のクリアランスC2が設けられるため、ロックユニット23は、鋼球39がピストンロッド19に押圧されることのない解除状態となる。
【0043】
このような状態のもとで、給排ポート32より圧力室30内の圧縮空気を排出するとともに、給排ポート33より圧力室31に圧縮空気を供給すると、メインピストン21とピストンロッド19とは図5(A)に矢印aで示す前進方向に向けて移動される。このとき、圧力室30内の空気はメインピストン21の移動に伴って給排ポート32より排出されるが、圧力室30およびロック解除圧力室51と給排ポート32とを連通する連通孔56に設けられたニードル57によって給排ポート32からの排出流量は制限される。つまり、メインピストン21の移動に伴って圧力室30内の空気は圧縮されるため、圧力室30にはメインピストン21の移動速度に応じた背圧が生じることになる。なお、ニードル57は調節式の絞り機構であるため、この背圧を容易に設定することができる。
【0044】
この圧力室30に生じる背圧は、連通隙間58を介してロック解除圧力室51に加えられるため、ロックピストン48にはロック用ばね部材49を圧縮する後退方向に推力が加えられ、ロックピストン48は解除位置に保持されることになる。なお、圧力室30に生じた背圧を受けるロックピストン48の受圧面積は、背圧によってもロック用ばね部材49のばね力に抗する推力を発生させるに十分な面積に設定されている。
【0045】
つまり、給排ポート33より圧力室31に圧縮空気を供給することによって、ピストンロッド19を前進方向に移動させる際に、ロックユニット23は解除状態に保持されるため、ピストンロッド19の前進移動が可能となる。
【0046】
なお、圧力室31に圧縮空気を供給することにより、ピストンロッド19を矢印a方向に前進移動させる場合について説明したが、圧力室31内の圧縮空気を排出するとともに圧力室30に圧縮空気を供給することにより、ピストンロッド19を矢印b方向に後退移動させる場合であっても、圧力室30とロック解除圧力室51とは連通隙間58を介して連通されるため、ロックユニット23は解除状態となる。
【0047】
このように、ピストンロッド19を前後進移動させる場合には、給排ポート32から供給される空気圧やメインピストン21の移動によって生じる背圧によって、ロックユニット23を解除状態とすることができ、ピストンロッド19の前後進移動が許容される。
【0048】
続いて、締結状態に切り換えられるロックユニットの動作について説明する。ピストンロッド19とメインピストン21とが停止された場合、つまりピストンロッド19の前進移動が機械的に制限された場合や、圧力室30に対する圧縮空気の供給が停止された場合などにはロックユニット23が締結状態に切り換えられる。
【0049】
ピストンロッド19の前進移動が機械的に制限されることによってメインピストン21が停止すると、圧力室30内の空気は給排ポート32より排出されるため、圧力室30内の背圧は徐々に低下する。そして、ロック用ばね部材49のばね力に対向してロックピストン48に加えられていた後退方向の付勢力は背圧低下に伴って低下する。背圧が低下して付勢力が所定の推力を下回ると、ロックピストン48はロック用ばね部材49のばね力によって前進方向に付勢され、ロックスリーブ41を締結位置に向けて押し込みながら前進移動することになる。
【0050】
ロックスリーブ41の端面とロッドカバー26の端面との間に設けられていたクリアランスC1が所定の距離まで縮まると、ロックスリーブ41のテーパ面41aと鋼球39との間に設けられていたクリアランスC2が無くなり、ピストンロッド19の外周面19bとロックスリーブ41のテーパ面41aとに鋼球39が接触した状態となる。この状態はロックユニット23の締結作動が開始された状態である。
【0051】
さらに、ロックピストン48によってロックスリーブ41は前進方向に押し込まれ、ロックスリーブ41とロッドカバー26とのクリアランスが図5(B)に示すクリアランスC3まで縮められる。この締結位置までロックスリーブ41が押し込まれた状態となると、ロックスリーブ41によって鋼球39がピストンロッド19に押圧され、鋼球39がピストンロッド19の外周面に食い込んだ状態、つまり締結状態となる。このように、ロックユニット23が締結状態に切り換えられると、メインピストン21によるピストンロッド19の前進移動はその停止位置において規制される。
【0052】
また、ロックユニット23が締結状態に切り換えられた状態であっても、ロックスリーブ41とロッドカバー26との間には所定のクリアランスC3が設けられるため、ロックスリーブ41は更なる前進移動が可能な状態となっている。そして、ピストンロッド19と締結されたロックスリーブ41に加えられるロック用ばね部材49のばね力は、ロックスリーブ41からピストンロッド19の前進方向に加えられ、ピストンロッド19は更に前進方向に押し込まれることになる。つまりロックユニット23が締結状態に切り換えられた状態で、2つの給排ポート32,33からの圧縮空気の供給が断たれた後でも、ロック用ばね部材49の力で、クリアランスC3の寸法の範囲内でピストンロッド19は前進する力をもっている。
【0053】
なお、ロックスリーブ41の移動に伴ってばね受け部材43が前進移動した場合にも、鋼球39を保持する保持器40とばね受け部材43の底部45との間に設けられる保持用ばね部材46によって、保持器40は位置決めスリーブ47に当接した状態を保たれるため、鋼球39の位置が移動することはなく、確実にロックユニット23を締結状態に切り換えることができる。
【0054】
前述の説明では、ピストンロッド19の前進移動が規制され、メインピストン21が停止した場合について説明したが、圧力室31に供給されていた圧縮空気を停止することでメインピストン21を停止させることによっても、同様にロックユニット23を締結状態に切り換えることができる。
【0055】
また、ピストンロッド19を後退移動させる場合であっても、圧力室30に供給される圧縮空気の供給を停止して圧力を低下させ、ロック解除圧力室51の内圧を下げることによっても、ロックユニット23を締結状態に切り換えることができる。
【0056】
このように、ピストンロッド19の前進移動時に、ピストンロッド19の移動を機械的に制限したり、圧力室31に対する圧縮空気の供給を停止することによってメインピストン21を停止させた場合や、ピストンロッド19の後退移動時に圧力室30内の圧縮空気を排出した場合などには、ロックユニット23は締結状態に切り換えられ、メインピストン21によるピストンロッド19の前後進移動は規制される。
【0057】
次いで、前述の流体圧シリンダ16を備えたクランプ機構12の作動を、車体組立ライン上での搬送台車10の移動とともに説明する。まず、図2に示すように、搬送台車10に組み込まれた流体圧シリンダ16は、流体圧シリンダ16のピストンロッド19を前進移動させることにより、クランプアーム14をワークWに向けて揺動させることができ、支持台13に搭載されたワークWを締め付け固定することができる一方、ピストンロッド19を後退移動させることによってワークWに対する締め付け固定を解除することができる。
【0058】
図2に示すように、流体圧シリンダ16に圧縮空気を供給するため搬送台車10に設けられた給排ジョイント60には、給排ポート33に接続される給排ホース61と、給排ポート32に接続される給排ホース62とが接続されており、圧力室31と圧力室30とロック解除圧力室51に対する圧縮空気の供給と、これら圧力室31,30,51からの圧縮空気の排出とは給排ジョイント60を介して行われる。
【0059】
また、図1に示すように、最初の作業ステージS1には搬送台車10の給排ジョイント60に接続される給排ジョイント63が設けられており、この給排ジョイント63は図示しない空気圧源に流路切換弁を介して接続されている。これらの給排ジョイント60,63は、搬送台車10が最初の作業ステージS1に配置されたときに相互に接続されるため、空気圧源から圧力室31,30,51に対して圧縮空気を供給することができ、圧力室31,30,51内の空気を外部に排出することができる。
【0060】
最初の作業ステージS1に搬送台車10が移動されると、相互に接続された給排ジョイント60,63を介して、給排ポート32より圧力室30に圧縮空気が供給される一方、圧力室31の空気は給排ポート33より排出される。このような給排制御により、ロックピストン48の後退に伴ってロックスリーブ41が解除位置に移動され、ロックユニット23が解除状態に切り換えられるとともに、メインピストン21によりピストンロッド19は後退方向に移動される。ピストンロッド19がシリンダ本体27内に引き込まれる後退移動によりクランプアーム14は上方に開かれ、搬送台車10はワークWの搬入状態となる。
【0061】
続いて、図示しない搬送装置によって搬送台車10の支持台13上にワークWが搬入されると、給排ジョイント60,63を介して、圧力室30に供給されていた圧縮空気が給排ポート32より排出開始される一方、給排ポート33より圧力室31に圧縮空気が供給開始される。このような給排制御により、ピストンロッド19が前進移動するとともに、メインピストン21の前進移動により高められる圧力室30内の背圧によって、ロックユニット23の解除状態は保たれる。
【0062】
所定のストロークまでピストンロッド19がシリンダ本体27内から突出する前進移動を行うと、下方に閉じられるクランプアーム14の先端はワークWに当接して、ワークWを締め付け固定するとともに、ピストンロッド19の前進移動を停止させる。ピストンロッド19の停止に伴ってメインピストン21が停止されるため、圧力室30内の背圧つまりロック解除圧力室51内の背圧は徐々に低下し、ロックピストン48はロック用ばね部材49のばね力によって前進方向に移動する。
【0063】
これにより、ロックユニット23が締結状態に切り換えられるため、ロック用ばね部材49のばね力はロックスリーブ41を介してピストンロッド19の前進方向に加えられ、ピストンロッド19が更に前進方向に押し込まれる。つまり、最初の作業ステージS1において、メインピストン21によるピストンロッド19の前進移動と、ロック用ばね部材49によるピストンロッド19の押し込みとにより支持台13上にクランプされたワークWは、締結状態となったロックユニット23によってそのクランプ状態が保持されることになる。
【0064】
このようにワークWが固定された最初の作業ステージS1でスポット溶接等の作業が完了すると、続く作業ステージS2に搬送台車10は移動される。このとき、相互に接続されていた給排ジョイント60,63の接続が解除され、圧力室31の圧縮空気が排出される場合であっても、ロックユニット23はロック用ばね部材49のばね力を用いてピストンロッド19を前進方向に押し付けるため、ワークWのクランプが解除されることはない。従って、搬送台車10の移動中に振動や衝撃が加えられた場合にも、ワークWに対するクランプアーム14の締め付け力が緩むことはなく確実にワークWはクランプされる。
【0065】
搬送台車10が複数の作業ステージを移動しながらワークWは加工され、最終の作業ステージSnでの加工作業が完了すると、ワークWは車体組立ラインの外に搬出される。図1に示すように、最終の作業ステージSnには前述の給排ジョイント63と同様の給排ジョイント64が設けられている。搬送台車10が最終の作業ステージSnに配置されると、給排ジョイント60,64は相互に接続されるため、圧力室31,30,51に対する給排制御が可能となる。
【0066】
最終の作業ステージSnにおいて、給排ポート32より圧力室30およびロック解除圧力室51に圧縮空気が供給される一方、給排ポート33より圧力室31内の空気が排出されるため、ロック解除圧力室51内の圧力上昇に伴ってロックピストン48が後退方向に移動することにより、ロックユニット23は解除状態に切り換えられる。また、圧力室30内の圧力上昇に伴ってメインピストン21とともにピストンロッド19は後退移動する。ピストンロッド19の後退移動によりクランプアーム14が上方に開かれることで、搬送台車10はワークWの搬出状態に切り換えられ、加工されたワークWは搬送装置によって搬出される。そして、ワークWが搬出された搬送台車10は最初の作業ステージS1に移動される。
【0067】
搬送台車10を最初の作業ステージS1に戻す際に、クランプアーム14を閉じた状態に設定するのであれば、最終の作業ステージSnにおいてワークWが搬出された後に、圧力室31に圧縮空気を供給してピストンロッド19を前進移動させる。
【0068】
これまで説明したように、流体圧シリンダ16のロック解除圧力室51および圧力室30内の圧力が大気開放された状態においては、ロックユニット23が締結状態となるためピストンロッド19の移動は規制され、ロックユニット23を解除状態とするためには圧縮空気の供給が必要となる。たとえば、搬送台車10のクランプ機構12に流体圧シリンダ16を組み込む作業、つまり搬送台車10の製作作業などにおいては、圧縮空気を必要に応じて得られない場合も多く、得られた場合であってもロックユニット23を解除させる作業が繁雑となり、搬送台車10の製作作業における作業効率が低下してしまう。
【0069】
そこで、図3に示すように、ロックピストン48の外周面には係合溝65が形成されており、この係合溝65に先端が入り込む解除機構としての解除ロッド66がロックケース24を貫いて回動自在に装着されている。解除ロッド66の先端部は偏心されており、この解除ロッド66を工具等によって回動させることにより、ロックピストン48をロック用ばね部材49のばね力に対向させて後退方向に移動させることができ、ロックユニット23を解除状態に切り換えることができる。これにより、圧縮空気を用いることなく手動によってロックユニット23を解除することができ、たとえば搬送台車10の製作作業における作業効率を向上させることができる。
【0070】
図6は本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダ70を示す断面図であり、図6においては図3に示された部材と共通する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。なお、図6に示す流体圧シリンダ16は、図3の流体圧シリンダ16に示すロックピストン48の構造を変更した流体圧シリンダ70である。
【0071】
図6に示すように、ロックユニット71を収容するロックケース72には径方向に延びたピストンケース73が形成されている。このピストンケース73にはロックピストン74がピストンロッド19の径方向、つまりピストンロッド19の軸方向に垂直となるように摺動自在に収容されている。ロックピストン74の先端にはテーパ面75aを備えたテーパロッド75が形成されており、テーパ面75aはテーパロッド75の軸心に対して鋭角に形成されている。
【0072】
ピストンケース73内はロックピストン74により、ロック用ばね部材76a,76bが収容されるばね室77とロック解除圧力室78とに区画されており、ロック用ばね部材76a,76bによってロックピストン74はピストンロッド19側に所定のばね力で付勢される一方、ロック解除圧力室78に供給される圧縮空気によって、ロックピストン74はばね力に抗する後退方向に所定の推力で付勢される。
【0073】
また、ロックスリーブ79のエンドカバー25側の端面は、テーパロッド75のテーパ面75aに対応したテーパ面79aに形成されており、テーパ面79aはロックスリーブ79の軸心に対して鈍角に形成されている。
【0074】
このような、流体圧シリンダ70は図3の流体圧シリンダ16と同様に作動させることができる。つまり、ピストンロッド19を前後進移動させる場合には、メインピストン21の移動によって生じる背圧や給排ポート32から連通隙間58を介して供給される空気圧によって、ロック解除圧力室78内の圧力を高めることができ、ロック用ばね部材76a,76bのばね力に抗してロックピストン74を図6に示す位置に後退移動させることができる。このロックピストン74の移動により、ロックスリーブ79は解除用ばね部材44のばね力によって解除位置に後退移動されるため、ロックスリーブ79と鋼球39との接触は回避され、ロックユニット71を解除状態に切り換えることができる。
【0075】
また、ピストンロッド19の前進移動が機械的に制限された場合や、圧力室31に供給されていた圧縮空気の供給が停止された場合などにより、メインピストン21が停止したときには、ロック解除圧力室78内の空気を給排ポート32より排出することによって、ロック解除圧力室78内の圧力を低下させることができ、ロック用ばね部材76a,76bのばね力を用いてロックピストン74をピストンロッド19に向けて前進移動させることができる。ロックピストン74はテーパロッド75を介してロックスリーブ79を締結位置に向けて前進移動させるため、鋼球39をピストンロッド19に押圧することによりロックユニット71を締結状態に切り換えることができる。
【0076】
このとき、ロック用ばね部材76a,76bのばね力は、鋭角に形成されたテーパ面75aと鈍角に形成されたテーパ面79aとを介してロックスリーブ79に伝達されるため、ロック用ばね部材76a,76bのばね力は増大されてロックスリーブ79に伝達される。また、ロックスリーブ79が締結位置に移動すると、ロックスリーブ79の後退方向にテーパロッド75が入り込んだ状態となるため、ロック解除圧力室78に圧縮空気を供給するまでは、ピストンロッド19に加えられる外力等の影響を受けることなく、確実にロックユニット71を締結状態に保持することができる。
【0077】
また、図6の流体圧シリンダ70においても、ロックユニット71を手動によって解除状態に切り換えるための解除機構が設けられている。ロックケース72内には保持器40に隣接して位置決めスリーブ80が設けられている。位置決めスリーブ80はピストンロッド19に貫かれて設けられ、径方向に延びる凸部80aが形成されている。位置決めスリーブ80の一端は保持器40に当接し、他端はロックケース72の端壁に当接した状態となっている。図6に破線で示すように、ロックケース72には位置決めスリーブ80の凸部80aに接触自在となる解除機構としての解除ロッド81が装着されている。凸部80aに接触する解除ロッド81の先端はテーパ状に形成されており、解除ロッド81の外周面には雄ねじが形成されている。解除ロッド81を工具等を用いてねじ込むことにより、解除ロッド81の先端を凸部80aに向けて突出させることができ、接触された凸部80aを介して位置決めスリーブ80をロッドカバー26側の前進方向に移動させることができる。
【0078】
位置決めスリーブ80は保持器40に当接するため、位置決めスリーブ80の移動に伴って保持器40と鋼球39とは前進方向に移動される。このため、鋼球39がロックスリーブ79のテーパ面79bから外され、鋼球39のピストンロッド19に対する押圧も解放される。このように、ボール部材である鋼球39をピストンロッド19の軸方向に移動させることにより、ばね力に抗してロックピストン74を移動させることなく、ロックユニット71を解除状態に切り換えることができ、たとえば、ロック用ばね部材76a,76bのばね力が大きく、手動によってロックピストン74を移動させることが困難な場合であっても容易にロックユニット71を解除状態に切り換えることができる。
【0079】
図7は本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダ82を示す断面図であり、図8は図7のA−A線に沿って流体圧シリンダ82を示す断面図である。図7および図8においては図3に示された部材と共通する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。なお、図7に示す流体圧シリンダ82は、図3の流体圧シリンダ16に示すロックピストン48の構造を変更した流体圧シリンダ82である。
【0080】
図7に示すように、ロックユニット83を収容するロックケース84にはピストンケース85が径方向に延びて形成されている。このピストンケース85にはロックピストン86がピストンロッド19の径方向、つまりピストンロッド19の軸方向に垂直となるように摺動自在に収容されている。図8に示すように、ロックピストン86は円筒部86aとその先端から延びる2つの押圧凸部86bとを備えており、ロックピストン86はピストンロッド19を跨ぐように形成されている。
【0081】
ピストンケース85内はロックピストン86によりロック用ばね部材87が収容されるばね室88とロック解除圧力室89とに区画されており、ロックピストン86はロック用ばね部材87によってピストンロッド19に向かう前進方向に所定のばね力で付勢される一方、ロック解除圧力室89に供給される圧縮空気によってばね力に抗する後退方向に所定の推力で付勢される。
【0082】
また、ロックケース84内には、ロックスリーブ90に隣接する押圧部材91と、これに向かい合う保持部材92とが摺動自在に収容されている。押圧部材91はロックスリーブ90の端面に当接して配置される一方、保持部材92はロックケース84の端壁に当接して配置される。ここで、図9は押圧部材91を示す斜視図である。図9に示すように、押圧部材91は半円柱状の基部91aとこれから延びるガイド部91bとを備えており、基部91aとガイド部91bとにはロックスリーブ90に当接する略円盤状の押圧板91cが一体となって設けられている。このような押圧部材91の中心にはピストンロッド19が挿通される貫通孔91dが形成されており、基部91aの上面には押圧板91cにかけてガイド溝91eが形成されている。なお、保持部材92は押圧部材91と同様の形状を有しており、保持部材92は押圧板92cがロックケース84の端壁に当接するように配置される。
【0083】
図7および図8に示すように、保持部材91,92の基部91a,92aの上面と、ロックピストン86の押圧凸部86bの下面との間には2組のトグル機構93が設けられており、それぞれのトグル機構93は2つのリンク部材94,95を備えている。リンク部材94,95の両端部94a,94b,95a,95bは滑らかな円弧状に面取りされており、一方のリンク部材94の連結端部94aは凸状に形成され、他方のリンク部材95の連結端部95aは凹状に形成される。また、連結端部94a,95aにはピン孔96が形成されており、凸状の連結端部94aと凹状の連結端部95aとを組み合わせた状態のもとで連結ピン97がピン孔96に挿入され、2つのリンク部材94,95は連結ピン97を介して揺動自在に連結される。
【0084】
このように形成された2組のトグル機構93は、V字状に折り曲げられて基部91a,92aと押圧凸部86bとの間にそれぞれ配置され、リンク部材94,95の連結端部94a,95aは押圧凸部86bの下面に当接する一方、リンク部材94,95の開放端部94b,95bは押圧部材91と保持部材92とに形成されたガイド溝91e,92eにそれぞれ案内される。
【0085】
ロック用ばね部材87によってロックピストン86が前進方向に付勢されると、ロックピストン86は図7に示すクリアランスαの範囲で押し下げられ、押圧凸部86bを介して連結端部94a,95aも下方に押し下げられる。このとき、開放端部94b,95bの下方移動は押圧部材91と保持部材92とにより規制されるため、トグル機構93のリンク部材94,95は広げられ、リンク部材94,95の開放端部94b,95bは互いに離れる方向に移動する。また、保持部材92の移動はロックケース84の端壁によって規制されるため、リンク部材95の開放端部95bの位置が変化することはなく、リンク部材94の開放端部94bがロックスリーブ90に向けて移動することになる。この開放端部94bの移動により、押圧部材91はロックスリーブ90を締結位置に向けて押し込みながら移動するため、ロックユニット83を締結状態に切り換えることができる。
【0086】
なお、押圧部材91のガイド溝91eに接触する開放端部94bの接触部位は、図7および図8に示すように、ピストンロッド19の中心と同じ高さに設定されるため、効率的にロックピストン86の推力をロックスリーブ90に伝達することができる。
【0087】
このような流体圧シリンダ82は、図3の流体圧シリンダ16と同様に作動させることができる。つまり、ピストンロッド19を前後進移動させる場合には、メインピストン21の移動によって生じる背圧や給排ポート32から連通隙間58を介して供給される空気圧によって、ロック解除圧力室89内の圧力を高めることができ、ロック用ばね部材87のばね力に抗してロックピストン86を図7に示す位置に後退移動させることができる。このロックピストン86の移動により、解除用ばね部材44のばね力が解放されて、ロックスリーブ90を解除位置に後退移動するため、ロックスリーブ90と鋼球39との接触を回避してロックユニット83を解除状態に切り換えることができる。
【0088】
また、ピストンロッド19の前進移動が機械的に制限された場合や、圧力室31に供給されていた圧縮空気の供給が停止された場合などにより、メインピストン21が停止したときには、ロック解除圧力室89内の空気を給排ポート32より排出することによって、ロック解除圧力室89内の圧力を低下させることができ、ロック用ばね部材87のばね力を用いてロックピストン86をピストンロッド19に向けて前進移動させることができる。ロックピストン86はトグル機構93を介してロックスリーブ90を締結位置に向けて前進移動させるため、鋼球39をピストンロッド19に押圧することによりロックユニット83を締結状態に切り換えることができる。
【0089】
このとき、ロック用ばね部材87のばね力は、トグル機構93を介してロックスリーブ90に伝達されるため、ロック用ばね部材87のばね力は増大されてロックスリーブ90に伝達される。また、ロックスリーブ90が締結位置に移動すると、ロックスリーブ90の後退方向には、リンク部材94,95が広げられたトグル機構93が配置されるため、ロック解除圧力室89に圧縮空気を供給するまでは、ピストンロッド19に加えられる外力等の影響を受けることなく、確実にロックユニット83を締結状態に保持することができる。
【0090】
このように、トグル機構93を用いることにより、ロックピストン86の推力を増大させてロックスリーブ90に伝達することができるとともに、動力伝達効率を向上させることができるため、ロック用ばね部材87のばね力を小さく設定することができ、流体圧シリンダ82の小型化を達成することができる。
【0091】
なお、図7の流体圧シリンダ82においても図3または図6に示す解除機構を設けても良い。また、トグル機構93は2つのリンク部材94,95を備えているが、さらに多くのリンク部材を備えたトグル機構を設けるようにしても良い。たとえば、4つのリンク部材を用いてW字状に折り曲げられたトグル機構を用いることもできる。
【0092】
図10は本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダ98が設けられたクランプ機構99を示す正面図であり、図11は図10の流体圧シリンダ98を示す断面図である。図10および図11においては図2および図3に示された部材と共通する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0093】
図2に示すクランプ機構12はピストンロッド19の前進移動によってクランプアーム14を閉じるのに対して、図10に示すクランプ機構99にあっては、ピストンロッド19の後退移動によってクランプアーム14を閉じるようにしている。このようなクランプ機構99に設けられる流体圧シリンダ98としては、図11に示すように、メインピストン21の両端にピストンロッド19,100が装着され、クランプアーム14に連結されるピストンロッド100はシリンダチューブ22に設けられたロッドカバー101を貫いて外部に突出するようになっている。この流体圧シリンダ98に設けられる圧力室31は、ピストンロッド19,100をロッドカバー26側の後退方向に移動させる付勢力を発生する一方、圧力室30はピストンロッド19,100をロッドカバー101側の前進方向に移動させる付勢力を発生することになる。
【0094】
この流体圧シリンダ98は、図3の流体圧シリンダ16と同様に、ピストンロッド19,100を前後進移動させる場合には、メインピストン21の移動によって生じる背圧や給排ポート32から供給される空気圧によって、ロックユニット23を解除状態に切り換えることができる一方、ピストンロッド19,100の後退移動が機械的に制限された場合や、圧力室31に供給されていた圧縮空気の供給が停止された場合などによって、メインピストン21が停止したときには、ロックユニット23を締結状態に切り換えることができる。
【0095】
これまで説明したように、本発明の流体圧シリンダ16,70,82,98は、圧力室30とロック解除圧力室51,78,89とを連通することにより、クランプアーム14がワークWを締め付け固定する際のピストンロッド19の移動停止によって、ロックユニット23,71を作動させクランプアーム14の締め付け固定位置を保持することができる。これにより、ロックユニット23,71の作動を制御するため専用の給排ポートを設ける必要がないとともに、ロックユニット23,71の作動を制御するための圧縮空気の給排制御を必要としない流体圧シリンダ16,70,82,98とすることができる。よって、流体圧シリンダ16,70,82,98の小型化と低コスト化を達成することができる。
【0096】
また、ロック解除圧力室51,78,89および圧力室30と給排ポート32とをピストンロッド19の外周面に沿った連通隙間58を介して連通するため、部材に流路としての孔を形成する必要が無く、流体圧シリンダ16,70,82,98の小型化と低コスト化を達成することができる。
【0097】
なお、図2および図11に示す流体圧シリンダ16,98においては、ロックスリーブ41とロックピストン48とは、材質、加工、組立などの理由から別体に設けられているが、ロックスリーブ41にロックピストン48を一体に形成するようにしても良く、ロックスリーブ41にロックピストン48を一体に固定するようにしても良い。このように、1つのロックスリーブによってロックピストン48の作用を満足するように構成すると、部品点数を削減することができ、流体圧シリンダ16,98の低コスト化を達成することができる。
【0098】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、この流体圧シリンダ16,70,82,98は自動車車体を構成するパネル材をクランプするために使用されているが、パネル材以外をクランプするために用いても良く、クランプ以外の用途に用いることもできる。
【0099】
また、ガイド筒体53に絞り機構としてのニードル57が設けられているが、圧力室30およびロック解除圧力室51,78と給排ポート32とを連通する流路であれば、たとえば、ガイド筒体53の流路溝54,55など他の流路に絞り機構を設けるようにしても良い。また、絞り機構としてはニードル57に限られず、作動流体の流れつまり流量や流速や圧力を制御する絞り機構であれば良く、たとえば、流路にオリフィスを形成した絞り板を設けるようにしても良い。さらに、流路の構造によって作動流体に所定の抵抗を与える場合や、給排ポート32に接続された配管中に絞り機構を設ける場合などには、流体圧シリンダ16,70,82,98から絞り機構を取り外しても良い。
【0100】
さらに、ロックユニット23,71を作動させる際にピストンロッド19に鋼球39を押圧しているが、鋼球39だけでなく他の材料を用いたボール部材であっても良い。また、ボール部材に代えて他の部材を用いるようにしても良く、たとえば、環状の部材の内周面にスリットを形成し、弾性変形によって内径を縮ませるようにした部材を用いるようにしても良い。
【0101】
またさらに、図3または図11に示す流体圧シリンダ16,98においては、ロックスリーブ41を手動によって解除位置に移動させる解除機構や、鋼球39をピストンロッド19の軸方向に移動させる解除機構を設けるようにしても良く、図6に示す流体圧シリンダ70においては、ロックピストン74をロック用ばね部材76a,76bのばね力に対向させて後退方向に移動させる解除機構を設けるようにしても良い。
【0102】
なお、流体圧シリンダ16,70,82,98を作動させる際の作動流体として空気を用いているが、他の流体を用いても良いことはいうまでもない。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、第1圧力室とロック解除圧力室とを連通する連通路を設けるようにしたので、第2給排ポートより作動流体を供給してピストンロッドを移動するときには、メインピストンの移動により生ずる背圧をロック解除圧力室に供給することができ、ロックスリーブを解除位置に保持することができる。
【0104】
これにより、ロックスリーブとピストンロッドとの締結を制御する専用の給排ポートを設ける必要がなく、流体圧シリンダに対する作動流体の給排制御も簡易にすることができ、流体圧シリンダの小型化と低コスト化を達成することができる。
【0105】
また、ピストンロッドが停止したときには、背圧が低下するためロックスリーブをばね力によって締結位置に移動することができ、締結状態となったロックスリーブを介してばね力をピストンロッドに伝達することができる。
【0106】
これにより、たとえば、流体圧シリンダを用いてワークをクランプする際には、ワークを確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送台車によって自動車車体を構成するパネル材を搬送するようにした車体組立ラインの一部を示す平面図である。
【図2】図1のクランプ機構を示す正面図である。
【図3】図2に示す本発明の一実施の形態である流体圧シリンダを示す断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿ってロッドカバーの構造を示す断面図である。
【図5】(A)はロックユニットが解除状態となった流体圧シリンダの一部を示す断面図であり、(B)はロックユニットが締結状態となった流体圧シリンダの一部を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダを示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダを示す断面図である。
【図8】図7のA−A線に沿う断面図である。
【図9】押圧部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施の形態である流体圧シリンダが設けられたクランプ機構を示す正面図である。
【図11】図10の流体圧シリンダを示す断面図である。
【符号の説明】
10 搬送台車
11 車輪
12 クランプ機構
13 支持台
14 クランプアーム
15 ピン
16 流体圧シリンダ
17 クレビス
18 ピン
19 ピストンロッド
19a 雄ねじ
19b 外周面
20 ピン
21 メインピストン
22 シリンダチューブ
23 ロックユニット
24 ロックケース
25 エンドカバー
26 ロッドカバー
27 シリンダ本体
30 クランプ解除圧力室(第1圧力室)
31 クランプ圧力室(第2圧力室)
32 給排ポート(第1給排ポート)
33 給排ポート(第2給排ポート)
34 シール材
35 第1ディスク
36 円筒部
36a 雌ねじ
37 第2ディスク
38 磁石
39 鋼球(ボール部材)
40 保持器
41 ロックスリーブ
41a テーパ面
42 フランジ部
43 ばね受け部材
44 解除用ばね部材
45 底部
46 保持用ばね部材
47 位置決めスリーブ
48 ロックピストン
49 ロック用ばね部材
50 ばね室
51 ロック解除圧力室
52 プラグ
53 ガイド筒体
54,55 流路溝
56 連通孔
57 ニードル(絞り機構)
57a 雄ねじ
58 連通隙間(連通路)
59 プラグ
60 給排ジョイント
61,62 給排ホース
63,64 給排ジョイント
65 係合溝
66 解除ロッド(解除機構)
70 流体圧シリンダ
71 ロックユニット
72 ロックケース
73 ピストンケース
74 ロックピストン
75 テーパロッド
75a テーパ面
76a,76b ロック用ばね部材
77 ばね室
78 ロック解除圧力室
79 ロックスリーブ
79a,79b テーパ面
80 位置決めスリーブ
80a 凸部
81 解除ロッド(解除機構)
82 流体圧シリンダ
83 ロックユニット
84 ロックケース
85 ピストンケース
86 ロックピストン
86a 円筒部
86b 押圧凸部
87 ロック用ばね部材
88 ばね室
89 ロック解除圧力室
90 ロックスリーブ
91 押圧部材
91a 基部
91b ガイド部
91c 押圧板
91d 貫通孔
91e ガイド溝
92 保持部材
92a 基部
92c 押圧板
92e ガイド溝
93 トグル機構
94,95 リンク部材
94a,95a 連結端部
94b,95b 開放端部
96 ピン孔
97 連結ピン
98 流体圧シリンダ
99 クランプ機構
100 ピストンロッド
101 ロッドカバー

Claims (12)

  1. ピストンロッドに固定されるメインピストンを往復動自在に収容し、前記メインピストンの一方側に第1圧力室を区画形成するとともに、前記メインピストンの他方側に第2圧力室を区画形成するシリンダ本体と、
    前記ピストンロッドに締結する締結位置と前記ピストンロッドの締結を解除する解除位置とに移動自在に前記シリンダ本体内に組み込まれ、前記締結位置に向けてばね力が加えられる一方、前記ばね力に対向する推力を発生するロック解除圧力室を区画形成するロックスリーブと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記締結位置に移動した前記ロックスリーブに所定のクリアランスを介して対向するロッドカバーと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを第1方向に移動させる作動流体を前記第1圧力室に案内する第1給排ポートと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを前記第1方向と逆向きの第2方向に移動させる作動流体を前記第2圧力室に案内する第2給排ポートと、
    前記第1圧力室と前記ロック解除圧力室とに接続され、前記ピストンロッドを前記第2方向に移動させる際に、前記第1圧力室の背圧を前記ロック解除圧力室に案内して前記ロックスリーブを前記解除位置に移動させる連通路とを有し、
    前記第2方向に移動する前記ピストンロッドの停止によって背圧が低下する際には、前記ばね力によって前記ロックスリーブを前記締結位置に移動させるとともに、前記ばね力を前記ロックスリーブから前記ピストンロッドに伝達して前記ピストンロッドを前記クリアランスの範囲内で前記第2方向に移動可能とすることを特徴とする流体圧シリンダ。
  2. ピストンロッドに固定されるメインピストンを往復動自在に収容し、前記メインピストンの一方側に第1圧力室を区画形成するとともに、前記メインピストンの他方側に第2圧力室を区画形成するシリンダ本体と、
    前記ピストンロッドに締結する締結位置と前記ピストンロッドの締結を解除する解除位置とに移動自在に前記シリンダ本体内に組み込まれるロックスリーブと、
    前記シリンダ本体に収容され、前記ロックスリーブに前記締結位置に向けてのばね力を加えるとともに前記ばね力に対向する推力を発生させるロック解除圧力室を前記シリンダ本体内に区画形成するロックピストンと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記締結位置に移動した前記ロックスリーブに所定のクリアランスを介して対向するロッドカバーと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを第1方向に移動させる作動流体を前記第1圧力室に案内する第1給排ポートと、
    前記シリンダ本体に設けられ、前記ピストンロッドを前記第1方向と逆向きの第2方向に移動させる作動流体を前記第2圧力室に案内する第2給排ポートと、
    前記第1圧力室と前記ロック解除圧力室とに接続され、前記ピストンロッドを前記第2方向に移動させる際に、前記第1圧力室の背圧を前記ロック解除圧力室に案内して前記ロックスリーブを解除位置に移動させる連通路とを有し、
    前記第2方向に移動する前記ピストンロッドの停止によって背圧が低下する際には、前記ばね力によって前記ロックスリーブを前記締結位置に移動させるとともに、前記ばね力を前記ロックスリーブから前記ピストンロッドに伝達して前記ピストンロッドを前記クリアランスの範囲内で前記第2方向に移動可能とすることを特徴とする流体圧シリンダ。
  3. 請求項1または2記載の流体圧シリンダにおいて、前記連通路は前記ピストンロッドの外周面に沿った連通隙間であることを特徴とする流体圧シリンダ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記締結位置に向かう前記ロックスリーブの移動により、前記ピストンロッドの外周に配置されるボール部材が前記ピストンロッドに押圧されることを特徴とする流体圧シリンダ。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ロックピストンは前記ピストンロッドの軸方向に往復動することを特徴とする流体圧シリンダ。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ロックピストンは前記ピストンロッドの径方向に往復動することを特徴とする流体圧シリンダ。
  7. 請求項6記載の流体圧シリンダにおいて、前記ロックピストンと前記ロックスリーブとの間にトグル機構が設けられ、前記ロックピストンの推力は前記トグル機構を介して前記ロックスリーブに加えられることを特徴とする流体圧シリンダ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記第1給排ポートから排出される作動流体の流れを制御する絞り機構を有することを特徴とする流体圧シリンダ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ロックスリーブを手動により前記解除位置に移動させる解除機構を有することを特徴とする流体圧シリンダ。
  10. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ロックピストンを手動により前記ばね力に対向させて移動させる解除機構を有することを特徴とする流体圧シリンダ。
  11. 請求項4〜10のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ボール部材を手動により前記ピストンロッドの軸方向に移動させる解除機構を有することを特徴とする流体圧シリンダ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、前記ピストンロッドの往復動によりクランプアームを揺動させることを特徴とする流体圧シリンダ。
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