JP3862539B2 - 圧力流体の給排方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力流体を供給および排出する方法に関し、例えば、工作機械のテーブルに着脱自在に固定されるワークパレットに圧油を給排するのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧力流体の給排方法には、従来では、特公平3−47975号公報に記載されたものがある。その従来技術は次のようになっている。
ソケットとプラグとからなる急速継手の接続時には、エアーシリンダによって上記ソケットを上記プラグへ進出させ、まず、そのソケットの先端と上記プラグの先端とを封止し、次いで、上記のソケット内の第1閉止部材と上記プラグ内の第2閉止部材とを突き合わせ、これにより、上記ソケット内の第1逆止部材と上記プラグ内の第2逆止部材とを強制的に開く。そして、上記エアーシリンダの押圧力によって上記ソケットを上記プラグへ接続した状態に保持し、その状態で上記のソケットの第1給排ポートから上記プラグの第2給排ポートへ圧油を供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は次の問題がある。
上記の接続状態では、ソケットの第1逆止部材とプラグの第2逆止部材とが常時開弁されているので、上記の第1給排ポートへの圧油供給を停止すると、上記の第2給排ポートの圧油が上記の第1給排ポートを通って外部へ排出されてしまう。従って、上記ソケットとプラグとの分離後にも上記の第2給排ポートに圧力を保持するためには、上記の第1給排ポートへ圧油を供給したままで上記ソケットと上記プラグとを分離する必要がある。その結果、上記ソケットの先端と上記プラグの先端との封止部分から圧油が漏れやすくなる。
本発明の目的は、継手の分離時に圧力流体が漏れるのを防止できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、例えば、図1から図4に示すように、次の手順を備える。
第1ブロック1に固定した第1継手21と第2ブロック2に固定した第2継手22とを接続および分離することによって上記の第1ブロック1の第1給排ポート51と上記の第2ブロック2の第2給排ポート78との間で圧力流体を供給および排出する方法であって、
上記の圧力流体を上記の第1給排ポート51から上記の第2給排ポート78へ供給するときには、
まず、上記の第1ブロック1と上記の第2ブロック2とを接近させることによって、上記の第1継手21内の第1流路44と上記の第2継手22内の第2流路66とを保密状に連通させると共に、上記の第1流路44内の第1閉止部材45と上記の第2流路66内の第2閉止部材67とを突き合わせて、その突き合わせ状態の第2閉止部材67と上記の第2継手22内の逆止部材72との間に接当隙間Bを形成し、
次いで、上記第1ブロック1と上記第2ブロック2とをロック状態Xのロック手段3によって固定し、その状態で、上記の第1給排ポート51へ圧力流体を供給し、これにより、その圧力流体を上記の第1流路44と上記の第2流路66と逆止弁座71内と逆止弁室70とを経て前記の第2給排ポート78へ供給し、引き続いて、弾性部材73の付勢力によって前記の逆止部材72を上記の逆止弁座71に閉止接当させ、
その後、上記の第1給排ポート51の圧力流体を外部へ排出すると共に、上記のロック手段3を上記ロック状態Xからアンロック状態Yへ切り換えて上記の第1ブロック1と上記の第2ブロック2とを離間させ、
上記とは逆に、上記の第2給排ポート78へ供給された圧力流体を上記の第1給排ポート51へ排出するときには、
まず、上記の第1ブロック1と上記の第2ブロック2とを接近させることによって、上記の第1流路44と上記の第2流路66とを保密状に連通させると共に、上記の第1閉止部材45と上記の第2閉止部材67とを突き合わせ、
次いで、上記の第1ブロック1と上記の第2ブロック2とを前記ロック状態Xの前記ロック手段3によって固定し、その状態で、操作手段59が上記の第1閉止部材45と上記の第2閉止部材67とを順に介して前記の逆止部材72を前記の逆止弁座71から離間させ、これにより、前記の第2給排ポート78の圧力流体を前記の逆止弁室70と上記の逆止弁座71内と前記の第2流路66と前記の第1流路44とを経て前記の第1給排ポート51へ排出し、
その後、上記のロック手段3を上記ロック状態Xから前記アンロック状態Yへ切り換えて上記の第1ブロック1と上記の第2ブロック2とを離間させるのである。
【0005】
上記の請求項1の発明は、次の作用効果を奏する。
第1ブロックの第1給排ポートから第2ブロックの第2給排ポートへ圧力流体を供給し終えた後に、第2継手内の逆止部材が弾性部材によって逆止弁座に閉止接当するので、上記の第1給排ポートの圧力流体を外部へ排出しても上記の第2給排ポートの圧力を所定の圧力に保持できる。そして、その第1給排ポートの圧力流体を外部へ排出して前記の第1流路および前記の第2流路の圧力を消失させた状態で第1継手と第2継手とを分離することにより、その分離時に圧力流体が漏れるのを防止できる。
しかも、上記の分離時には、上記の第1流路の圧力を消失させているので、第1継手から第2継手へ圧力流体の圧力が作用しない。このため、その圧力流体による力を受け止める必要がない。
【0006】
請求項2の発明に示すように、上記の請求項1の発明には次の手順を加えることが好ましい。
即ち、前記の操作手段59を、前記の第1閉止部材45に対面するピストン54と作動室56とによって構成し、前記の圧力流体を前記の第1給排ポート51から前記の第2給排ポート78へ供給するにあたり、
まず、上記の作動室56へ強制開弁用の圧力流体を供給し、これにより、上記ピストン54と前記の第1閉止部材45と前記の第2閉止部材67とを介して前記の逆止部材72を前記の逆止弁座71から離間させて、上記の第1給排ポート51へ供給した圧力流体を前記の第2給排ポート78へ供給し、次いで、上記の作動室56の強制開弁用の圧力流体を外部へ排出し、その後、前記の第1給排ポート51の圧力流体を外部へ排出するのである。
【0007】
上記の請求項2の発明は、次の作用効果を奏する。
第1給排ポートから第2給排ポートへ圧力流体を供給するときに、逆止部材を強制的に開くことによって、その圧力流体を供給する全期間にわたって大きな開き隙間を確保できる。このため、その圧力流体の供給を短時間でおこなえる。そのうえ、上記の強制的に開弁された逆止部材は、圧力脈動によるチャタリングを防止できるので、弁面または弁座の損傷を防止できる。このため、逆止性能を長期間にわたって良好な状態に保てる。
しかも、前述した既設の操作手段を利用して上記の効果を達成できるので、新たな構成を追加する必要がなくなり、簡素な構成で安価に実施できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1から図4によって説明する。
この実施形態では、マシニングセンタのテーブルとワークパレットとの間で圧油を給排する方法に本発明を適用した場合を例示してある。
【0009】
まず、上記の給排方法を適用した給排装置の全体構造を図1の模式図によって説明する。
マシニングセンタのテーブル(第1ブロック)1とワークパレット(第2ブロック)2とにわたって複数セットのロック手段3および複数セットの急速継手4が設けられる。上記ワークパレット2の上面には複数の油圧クランプとワークピース(いずれも図示せず)とが配置されている。そして、これら油圧クランプに上記の急速継手4を介して圧油を供給または排出することによって上記ワークピースを固定および固定解除可能になっている。
なお、ここでは、上記ロック手段3と上記の急速継手4とをそれぞれ1セットだけ図示してある。
【0010】
上記ロック手段3は次のように構成されている。
上記ワークパレット2の下部にテーパスリーブ6とプルロッド7とが同心上に固定される。また、前記テーブル1から支持筒8が上向きに突出され、その支持筒8のテーパ周面9が上記テーパスリーブ6の下部のテーパ周面10を受け止めるようになっている。上記の支持筒8の筒孔内に、多数のコレットチャック11が周方向へ配置される。
【0011】
上記ロック手段3の右半図のロック状態Xでは、上油圧室13へ供給した圧油がピストン14とピストンロッド15と上記コレットチャック11とを介して前記プルロッド7を下向きに引っ張る。これにより、上記ワークパレット2が上記の支持筒8に位置決め固定される。これに対して、上記ロック手段3の左半図のアンロック状態Yでは、下油圧室16へ供給した圧油が上記ピストン14と上記ピストンロッド15とを介して上記コレットチャック11を斜め上向きに退避させる。これにより、上記ワークパレット2を上昇させることが許容される。
【0012】
前記の急速継手4は、上記テーブル1に固定したソケット(第1継手)21と上記ワークパレット2に固定したプラグ(第2継手)22とによって構成される。
上記のテーブル1の上面に収容穴1aが凹入形成され、その収容穴1aに上記ソケット21の第1ハウジング25が上下の封止具26・27によって保密状に挿入される。その第1ハウジング25のフランジ28が複数のボルト29によって上記テーブル1に固定される。
【0013】
また、前記ワークパレット2の下面に収容穴2aが凹入形成され、その収容穴2aに前記プラグ22の第2ハウジング32が封止具33によって保密状に挿入される。その第2ハウジング33のフランジ34が複数のボルト35によって上記のワークパレット2に固定される。
【0014】
そして、図1に示すように、上記テーブル1に対して上記ワークパレット2を下降させて上記の急速継手4を接続し、次いで、前記ロック手段3を前記のアンロック状態Yから前記のロック状態Xへ切り換える。そして、その状態で上記の急速継手4を介して上記テーブル1と上記ワークパレット2との間で圧油を供給または排出するのである。
【0015】
上記の急速継手4の具体的な構造を図2の縦断面図によって説明する。
前記ソケット21は次のように構成されている。
上記の第1ハウジング25の上部内に摺動筒40がOリング41を介して上下移動自在で保密状に挿入される。その摺動筒40の筒孔の先端に第1閉止弁座42が形成されるとともに、その第1閉止弁座42の周囲に環状封止具43が設けられる。
【0016】
上記の摺動筒40内の第1流路44に第1閉止部材45が挿入され、その第1閉止部材45の下部がスリーブ46によって支持される。上記の摺動筒40が第1進出バネ48によって上向きに付勢されると共に、第1閉じバネ49の付勢力によって上記の第1閉止部材45の上端が前記の第1閉止弁座42に閉止接当する。
上記の第1流路44が、前述の封止具26・27の間に形成した周溝50を経て第1給排ポート51へ連通される。なお、参照符号52は第1円筒フィルタである。
【0017】
また、上記の第1ハウジング25の下部内にピストン54がOリング55を介して保密状に挿入され、そのピストン54が前記の第1閉止部材45の下端に所定の隙間を空けて下側から対面される。上記Oリング55の下側に形成した作動室56が別の給排ポート57へ連通される。
上記ピストン54と上記の作動室56と戻しバネ58によって操作手段59が構成されている。
【0018】
前記プラグ22は次のように構成されている。
前記の第2ハウジング32の下部に押筒62が設けられる。その押筒62の下面に、前記の環状封止具43に対面する封止面63が形成され、上記の押筒62の筒孔の下部に第2閉止弁座64が設けられる。
上記の第2ハウジング32の下半部内の第2流路66に第2閉止部材67が上下移動自在に挿入される。その第2閉止部材67の下端が第2閉じバネ68によって上記の第2閉止弁座64に閉止接当される。
【0019】
また、上記の第2ハウジング32の上半部内に逆止弁室70と逆止弁座71とが上下に形成され、その逆止弁室70に挿入した逆止部材72が逆止バネ(弾性部材)73によって上記の逆止弁座71に閉止接当される。そして、この図2の状態では、上記の逆止部材72と前記の第2閉止部材67との間には離間隙間Aが形成されている。
なお、参照符号76は第2円筒フィルタ、参照符号77は円盤フィルタ77、参照符号78は第2給排ポートである。
【0020】
次に、上記構成の給排装置の使用方法を、上記の図2と図3および図4によって説明する。
前記の第1給排ポート51から前記の第2給排ポート78へ圧油を供給するときには、上記の給排装置は次のように使用される。
【0021】
図2の分離状態では、前記のロック手段3がアンロック状態Yへ切り換えられ(図1を参照)、前記の第1給排ポート51および前記の別の給排ポート57の各圧力が消失されている。この状態で、前記のテーブル1に対して前記ワークパレット2を下降させていく。
すると、図3に示すように、前記プラグ22の封止面63が上記ソケット21の環状封止具43に封止接当して、押筒62が第1進出バネ48と第1閉じバネ49に抗して摺動筒40及び第1閉止部材45を下向きに退入させていく。そして、その第1閉止部材45が前記ピストン54によって受け止められると、上記の第1閉止部材45の上端から第1閉止弁座42が離間すると共に第2閉止弁座64から第2閉止部材67の下端が離間する。
【0022】
上記の図3の接続状態では、上記の第1閉止部材45と前記の第2閉止部材67とが突き合っており、その開き位置の第2閉止部材67と閉じ位置の逆止部材72との間に接当隙間Bが形成されている。また、前記ピストン54のストップ用フランジ54aの上側にはピストン用ストロークCが形成されている。上記の接当隙間Bは上記ピストン用ストロークCよりも小さい値に設定してある。
次いで、その接続状態で前記のロック手段3をロック状態Xへ切り換えておく(図1を参照)。
【0023】
引き続いて、前記の操作手段59によって前記の逆止部材72を強制的に開く。即ち、図4に示すように、前記の別の給排ポート57から前記の作動室56へ強制開弁用の圧油を供給して前記ピストン54を上昇させる。すると、そのピストン54が前記の第1閉止部材45と前記の第2閉止部材67とを介して前記の逆止部材72を前記の逆止弁座71から離間させる。その逆止弁座71と上記の逆止部材72との間に形成される開き隙間Dは、前記ピストン54の前記のピストン用ストロークCよりも小さい値に設定してある。
【0024】
その状態で、前記の第1給排ポート51へ圧油を供給する。すると、その圧油は、前記の第1流路44と前記の第2流路66と逆止弁座71内と逆止弁室70とを経て前記の第2給排ポート78へ流出する。
その圧油供給時には、前記の摺動筒40に設けた前記Oリング41の封止部分の内側断面積に加わる油圧力が前記の第2ハウジング32へ上向きに作用するが、その作用する力が前記ロック手段3によって受け止められる。このため、前記ワークパレット2がテーブル1から浮き上がることが防止される。
【0025】
上記の圧油供給が完了すると、前記の図3に示すように、まず、前記の別の給排ポート57の圧油を外部へ排出する。これにより、前記ピストン54が戻しバネ58によって下降すると共に、前記の第1閉止部材45および第2閉止部材67が第1閉じバネ49および第2閉じバネ68によって下降し、前記の逆止バネ73によって前記の逆止部材72が前記の逆止弁座71に閉止接当する。その後、前記の第1給排ポート51の圧油を外部へ排出する。
【0026】
引き続いて、前記のロック手段3をロック状態Xからアンロック状態Yへ切り換える。この場合、前記の第1ハウジング25から第2ハウジング32へ作用する力は、前記の第1流路44の油圧力が消失しているので、前記の第1進出バネ48および前記の第1閉じバネ49の付勢力だけの弱い力となっている。このため、前記ワークパレット2が浮き上がることがない。
最後に、図2に示すように、前記テーブル1に対して上記ワークパレット2を上昇させて、上記の急速継手4を分離するのである。この分離時には、第1給排ポート51への圧油の供給を停止した状態で急速継手4が分離されるので、ソケット21の環状封止具43とプラグ22の封止面63との接続部から油が漏れるのを防止できる。
【0027】
なお、前述の圧油供給時には、別の給排ポート57に強制開弁用の圧油を供給せずに、第1給排ポート51だけに圧油を供給してもよい。
より詳しくいえば、図3の接続状態において、上記の第1給排ポート51に圧油をを供給すると、その圧油が前記の逆止部材72を押し開いて第2給排ポート78へ供給されていく。そして、前記の第2給排ポート78の圧力が設定圧力に到達すると、上記の逆止部材72が逆止バネ73によって逆止弁座71に閉止接当される。この状態で、上記の第1給排ポート51への圧油の供給を停止すればよい。
【0028】
上述した圧油供給とは逆に、上記の第2給排ポート78の圧油を第1給排ポート51へ排出するときには、上記の給排装置が次のように使用される。
上記の圧油供給時と同様に、まず、図2の分離状態で前記テーブル1に対して前記ワークパレット2を下降させ、次いで、図3に示すように、前記の急速継手4を接続する。この場合も、上記の第1供給ポート51および前記の別の給排ポート57の各圧油を外部へ排出させている。このため、前記の第1ハウジング25から第2ハウジング32へ作用する力は、前記の第1進出バネ48および前記の第1閉じバネ49の付勢力だけの弱い力であり、前記ワークパレット2が浮き上がることがない。
引き続いて、前記のロック手段3をロック状態Xへ切り換える。
【0029】
その後、前記の操作手段59によって前記の逆止部材72を強制的に開く。即ち、図4に示すように、前記の別の給排ポート57から前記の作動室56へ強制開弁用の圧油を供給して前記ピストン54を上昇させる。すると、そのピストン54が前記の第1閉止部材45と前記の第2閉止部材67とを介して前記の逆止部材72を前記の逆止弁座71から離間させる。
これにより、前記の第2給排ポート78の圧油が前記の逆止弁室70と上記の逆止弁座71内と前記の第2流路66と前記の第1流路44とを経て上記の第1給排ポート51へ排出される。
なお、上記の逆止部材72の強制開弁時には、第1ハウジング25から第2ハウジング32へ強制開弁用の上向き力が作用するが、その上向き力も前記ロック手段3によって受け止められる。このため、前記ワークパレット2の浮き上がりを防止できる。
【0030】
上記の圧油排出が完了すると、前記の図3に示すように、まず、前記の別の給排ポート57の圧油を外部へ排出する。これにより、前記の第1閉止部材45および第2閉止部材67が第1閉じバネ49および第2閉じバネ68によって下降すると共に、前記の逆止バネ73によって前記の逆止部材72が前記の逆止弁座71に閉止接当する。
引き続いて、前記のロック手段3をロック状態Xからアンロック状態Yへ切り換える。
最後に、図2に示すように、前記テーブル1に対して上記ワークパレット2を上昇させて、上記の急速継手4を分離するのである。
【0031】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
前記の第1給排ポート51と前記の第2給排ポート78との間で給排される圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の種類の液体や圧縮空気等の気体であってもよい。
また、前記の別の給排ポート57へ供給される圧力流体も、例示した圧油に代えて、他の種類の液体や圧縮空気等の気体であってもよい。
【0032】
前記ロック手段3は、例示の構造に限定されるものでなく、種々の構造を採用可能である。また、そのロック手段3は、工作機械の前記テーブル1に前記ワークパレット2を位置決め固定する手段を利用することに代えて、前記の急速継手4を固定するための専用の手段であってもよい。
前記の操作手段59は、例示した流体圧アクチュエータに限定されるものではなく、電動機やソレノイド等の他の種類のアクチュエータを利用可能である。
【0033】
前記の急速継手4のソケット21とプラグ22とを保密状に接続する構造は、前記の摺動筒40の上面と前記の押筒62の下面との端面封止構造に代えて、周面封止構造にすることも可能である。また、上記ソケット21と上記プラグ22の接続および分離の方向は、例示した垂直方向に代えて、水平方向または斜め方向であってもよい。
【0034】
マシニングセンタのテーブル1に固定される第1継手をソケット21で構成するとともにワークパレット2に固定される第2継手をプラグ22で構成するとしたが、これに代えて、上記の第1継手をプラグ22で構成するとともに上記の第2継手をソケットで構成してもよい。なお、工作機械はマシニングセンタに限定されないことは勿論である。
上記の第1継手を固定する第1ブロックと上記の第2継手を固定する第2ブロックとの組み合わせは、例示したテーブル1とワークパレット2との組み合わせに限定されるものではない。例えば、その組み合わせとして、テーブル1とクランプとの組み合わせ、ワークパレット2とクランプとの組み合わせ等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工作機械のテーブルに設けたソケットとワークパレットに設けたプラグとを接続した状態を示す縦断面視の模式図である。
【図2】上記ソケットと上記プラグとの分離状態の縦断面図である。
【図3】上記ソケットと上記プラグとの接続状態の縦断面図である。
【図4】上記ソケットに設けたピストンによって上記プラグ内の逆止部材を強制的に開いた状態を示し、上記の図3に類似する縦断面図である。
【符号の説明】
1…第1ブロック(テーブル)、2…第2ブロック(ワークパレット)、3…ロック手段、21…第1継手(ソケット)、22…第2継手(プラグ)、44…第1流路、45…第1閉止部材、51…第1給排ポート、54…ピストン、56…作動室、59…操作手段、66…第2流路、67…第2閉止部材、70…逆止弁室、71…逆止弁座、72…逆止部材、73…弾性部材(逆止バネ)、78…第2給排ポート、B…接当隙間、X…ロック状態、Y…アンロック状態。

Claims (2)

  1. 第1ブロック(1)に固定した第1継手(21)と第2ブロック(2)に固定した第2継手(22)とを接続および分離することによって上記の第1ブロック(1)の第1給排ポート(51)と上記の第2ブロック(2)の第2給排ポート(78)との間で圧力流体を供給および排出する方法であって、
    上記の圧力流体を上記の第1給排ポート(51)から上記の第2給排ポート(78)へ供給するときには、
    まず、上記の第1ブロック(1)と上記の第2ブロック(2)とを接近させることによって、上記の第1継手(21)内の第1流路(44)と上記の第2継手(22)内の第2流路(66)とを保密状に連通させると共に、上記の第1流路(44)内の第1閉止部材(45)と上記の第2流路(66)内の第2閉止部材(67)とを突き合わせて、その突き合わせ状態の第2閉止部材(67)と上記の第2継手(22)内の逆止部材(72)との間に接当隙間(B)を形成し、
    次いで、上記第1ブロック(1)と上記第2ブロック(2)とをロック状態(X)のロック手段(3)によって固定し、その状態で、上記の第1給排ポート(51)へ圧力流体を供給し、これにより、その圧力流体を上記の第1流路(44)と上記の第2流路(66)と逆止弁座(71)内と逆止弁室(70)とを経て前記の第2給排ポート(78)へ供給し、引き続いて、弾性部材(73)の付勢力によって前記の逆止部材(72)を上記の逆止弁座(71)に閉止接当させ、
    その後、上記の第1給排ポート(51)の圧力流体を外部へ排出すると共に、上記のロック手段(3)を上記ロック状態(X)からアンロック状態(Y)へ切り換えて上記の第1ブロック(1)と上記の第2ブロック(2)とを離間させ、
    上記とは逆に、上記の第2給排ポート(78)へ供給された圧力流体を上記の第1給排ポート(51)へ排出するときには、
    まず、上記の第1ブロック(1)と上記の第2ブロック(2)とを接近させることによって、上記の第1流路(44)と上記の第2流路(66)とを保密状に連通させると共に、上記の第1閉止部材(45)と上記の第2閉止部材(67)とを突き合わせ、
    次いで、上記の第1ブロック(1)と上記の第2ブロック(2)とを前記ロック状態(X)の前記ロック手段(3)によって固定し、その状態で、操作手段(59)が上記の第1閉止部材(45)と上記の第2閉止部材(67)とを順に介して前記の逆止部材(72)を前記の逆止弁座(71)から離間させ、これにより、前記の第2給排ポート(78)の圧力流体を前記の逆止弁室(70)と上記の逆止弁座(71)内と前記の第2流路(66)と前記の第1流路(44)とを経て前記の第1給排ポート(51)へ排出し、
    その後、上記のロック手段(3)を上記ロック状態(X)から前記アンロック状態(Y)へ切り換えて上記の第1ブロック(1)と上記の第2ブロック(2)とを離間させる、ことを特徴とする圧力流体の給排方法。
  2. 請求項1に記載した圧力流体の給排方法において、
    前記の操作手段(59)を、前記の第1閉止部材(45)に対面するピストン(54)と作動室(56)とによって構成し、
    前記の圧力流体を前記の第1給排ポート(51)から前記の第2給排ポート(78)へ供給するにあたり、
    まず、上記の作動室(56)へ強制開弁用の圧力流体を供給し、これにより、上記のピストン(54)と前記の第1閉止部材(45)と前記の第2閉止部材(67)とを介して前記の逆止部材(72)を前記の逆止弁座(71)から離間させて、上記の第1給排ポート(51)へ供給した圧力流体を前記の第2給排ポート(78)へ供給し、
    次いで、上記の作動室(56)の強制開弁用の圧力流体を外部へ排出し、その後、前記の第1給排ポート(51)の圧力流体を外部へ排出する、ことを特徴とする圧力流体の給排方法。
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