JP5051350B2 - 滅菌バック用積層体および滅菌バック - Google Patents

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Description

本発明は、医療器具を滅菌する際に使用される滅菌バックおよび滅菌バックの作成に使用される滅菌バック用積層体に関する。
手術用具等の医療器具は、滅菌処理が施されて使用に供せられ、また、手術時に発生する医療廃棄物も同様に滅菌処理が施されて廃棄処分されている。滅菌処理は、例えば酸化エチレンガス雰囲気下に一定時間曝したり、また、オートクレーブ中で高温水蒸気で一定時間加熱したり、電子線やγ線等の放射線に曝すことにより行われる。
滅菌バックは、通常、水蒸気や酸化エチレンガスは透過するが細菌は透過しない滅菌紙と、プラスチックフィルム積層体とを重ねあわせた後、周辺部をヒートシ−ルして製袋され、手術用具等の被滅菌物が封入されて、上述の滅菌処理に曝される。そして、滅菌処理に際しては、被滅菌物が滅菌処理されたことを確認するために、滅菌紙の外側表面に滅菌温度の水蒸気、酸化エチレンガスまた放射線と反応して変色する滅菌インジケータインキ印刷層(以下、インジケータ変色剤層ともいう)を付けた滅菌バックが知られている(特許文献1)。しかしながら、バックの外側表面にインジケータ変色剤層を付けても、滅菌処理に際して変色剤が溶出して滅菌紙や被滅菌物を汚染したり、また、保存する際も水や消毒剤等と接触または湿気を吸収して反応性の低下や脱色による変色異常を起こしてしまうという問題がある。そのため、滅菌バックの外側にインジケータ変色剤層を設けただけでは、安心できないものである。
そのため、プラスチックフィルム積層体の積層構造における中間層として、インジケータ変色剤層を設けたものが知られている(特許文献2)が、この滅菌バックは、滅菌インジケータインキ印刷層上にドライラミネート接着剤としてポリウレタン系接着剤層を使用してシーラントフィルムをドライラネートして形成されており、保存するにつれてインジケータ変色剤層を構成する染料等の変色成分が拡散移行し、滅菌処理時には基材フィルム中に拡散移行した成分の変色が阻害され、変色ムラ等の変色不良が生じるという問題がある。手術用具等の医療器具や医療廃棄物等の滅菌処理はその確実性が求められ、滅菌処理の完了の確認には明瞭な変色が必要とされるが、変色不良を生じると、滅菌処理の信頼性を損ねるという問題がある。
実願平4−67675号(実開平6−29546号公報)マイクロフィルム全文 特開2001−70414号公報
本発明は、滅菌インジケータインキ印刷層が滅菌紙や被滅菌物を汚染することがなく、また、保存後にあっても、滅菌処理完了時の発色、変色または消色が明瞭で、信頼性の高い滅菌バック用積層体、および滅菌バックの提供を課題とする。
本発明の滅菌バック用積層体は、基材フィルムの片面に滅菌インジケータインキ印刷層が設けられると共に、該滅菌インジケータインキ印刷層を介して基材フィルム面に水性アンカーコート層が設けられ、該水性アンカーコート層側を内側とする該基材フィルムと、ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムとがポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれる押出コート層を介して押出ラミネートされたことを特徴とする。
また、本発明の滅菌バック用積層体における水性アンカーコート層が、ポリエチレンイミンを含むものであり、乾燥塗工量が0.01g/m2 〜1g/m2 であることを特徴とする。
本発明の他の滅菌バック用積層体は、ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムの片面に滅菌インジケータインキ印刷層が設けられる一方、基材フィルムの片面にアンカーコート層が設けられ、前記ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムと前記基材フィルムとが滅菌インジケータインキ印刷層側、アンカーコート層側をそれぞれ内側としてポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれる押出コート層を介して押出ラミネートされたことを特徴とする。
本発明の他の滅菌バック用積層体におけるアンカーコート層が、ポリウレタン系接着剤を含むものであり、乾燥塗工量が0.01g/m2 〜1g/m2 であることを特徴とする。
本発明の滅菌バックは、本発明の滅菌バック用積層体におけるヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムを内側として滅菌紙と重ね合わされ、内部に被滅菌物が封入されるよう前記滅菌バック用積層体と滅菌紙における重ね合わせ周辺部がヒートシ−ルされて製袋されることを特徴とする。
本発明の滅菌バック用積層体および滅菌バックは、滅菌インジケータインキ印刷層に対するドライラミネート用接着剤における残留溶剤の影響がないものとできるので、滅菌処理に際して滅菌インジケータインキ印刷層を明瞭に発色、変色または消色させることができ、滅菌処理の完了の確認に支障を与えることがないものとできる。
図1は、参考例の滅菌バック用積層体(以下、第1の滅菌バック用積層体ともいう)の断面図であり、図中1は滅菌バック用積層体、2は滅菌バック、10は基材フィルム、11は滅菌イジケータインキ印刷層、12はヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層である。
図2は、本発明の滅菌バック用積層体(以下、第2の滅菌バック用積層体ともいう)の断面図であり、図中13はポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層、14はヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂フィルムであり、図1と同一符号は同一内容を示す。
基材フィルム10は、耐熱性、物理的強度に優れる厚さが5〜20μmの透明なプラスチックフィルムで、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム等が例示され、その表面は、コロナ処理等の易接着化処理が施されて、パターン状の滅菌インジケータインキ印刷層11や押出コート層12、13に対する易接着表面とされるとよい。
また、本発明における滅菌バックにおいては、滅菌に使用される酸化エチレンガスや高温水蒸気が、被滅菌物が封入された滅菌バック内部から押出コート層12、13やヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム14層を透過して滅菌インジケータインキ印刷層を変色させるものであり、滅菌インジケータインキ印刷層の変色が確認されれば、被滅菌物の滅菌が確認されるものであるので、滅菌バック中に被滅菌物が封入された状態で印刷層の変色の程度が確認されるように基材フィルム10は透明とされるとよい。
滅菌インジケータインキ印刷層11としては、酸化エチレンガスとの接触処理やオートクレーブ中で高温水蒸気との接触処理に際して発色、変色または消色するインジケータ変色剤層であり、次に示すインキを使用して形成されるとよい。
酸化エチレンガスで変色するインキとしては、(1)一般式:A−N=N−B (式中、Aはアルキル基が付加されていない窒素原子を含有するピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、トリアゾール環、テトラゾール環、インダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環およびチアジアゾール環からえらればれる複素環式化合物残基を示し、該複素環式化合物残基が置換基を有していてもよく、Bは芳香族アミン類等の通常のカップリング成分を表す)で表される分散性染料の少なくとも1種、(2)ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びアクリル酸−メタクリル酸共重合体から選ばれる少なくとも1種、(3)超微粒子状シリカ、酸化アルミニウム及び酸化チタン等の超微粒子状フィラーから選ばれる少なくとも1種、(4)極性溶媒の少なくとも1種からなるエチレンオキサイド滅菌標識用インキ組成物が例示される。
また、(1)チアゾールアゾ系染料と(2)耐熱性のあるノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂等の酸性触媒、(3)ロジン変性マレイン酸変性樹脂等の樹脂、(4)アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系等の各種溶剤とからなるものが例示される。(1)のチアゾールアゾ系染料としては、例えばC.I.Disperse Red 58 、C.I.Disperse Red 88 、C.I.Disperse Red 110、C.I.Disperse Red 117、C.I.Disperse Red 137、C.I.Disperse Red 177、C.I.Disperse Red 179、C.I.Disperse Red 194、C.I.Disperse Violet 43、C.I.Disperse Blue 102 等が例示される。
酸化エチレンガスで変色するインジケータ変色剤層におけるアゾ染料はインキ組成物中0.1〜2.0質量%の範囲で使用される。少ないと印刷時の着色力が低下し、インジケータ変色剤層そのものの色が薄く、変色に際しての変化が小さく、また、多くても色が濃くなり、色の変化が小さくなる。
酸化エチレンガスで変色するインキとしてはサカタインクス(株)製「グラトーンGSN 赤 EO−32、主溶剤はエタノール」、(株)サクラクレパス製「EO−13、主溶剤エタノール」等が市販されており、本発明において好ましく使用できる。
また、オートクレーブ中で高温水蒸気との接触処理に際して発色、変色または消色するインジケータ変色剤層を使用してもよい。このようなインジケータ変色剤層としては、例えば特開2002−48715に記載される(1)メチン系染料およびシアニン系染料の少なくとも1種、(2)カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する油溶性樹脂、(3)定着色素、(4)有機溶剤からなるインキを使用して形成されるもの、特許第1961878号明細書に記載のインキを使用して形成されるものが例示される。
オートクレーブ中で高温水蒸気との接触処理で変色するインキとしてはサカタインクス(株)製「グラトーンGSS グリーン;主溶剤トルエン」、(株)サクラクレパス製「S−25B、主溶剤エタノール」等が市販されており、本発明において好ましく使用できる。
また、滅菌インジケータインキ印刷層11として、他に、乾熱滅菌、放射線滅菌、ホルマリン滅菌等により発色、変色または消色するインジケータ変色剤層としてもよい。
第1の滅菌バック用積層体においては、上述したインキを基材フィルム上、また、第2の滅菌バック用積層体においては基材フィルム及び/又はシーラントフィルム面に、乾燥塗工量1g/m2 〜5g/m2 で適宜マーク形状にグラビア印刷、オフセット印刷、ナイフコーター印刷により形成されて、インジケータ変色剤層とされる。
また、滅菌インジケータインキ印刷層を有する基材フィルム10表面には、押出コート層に対する接着性をよくすることを目的として乾燥塗工量0.01g/m2 〜1g/m2 でアンカーコート層(不図示)を設けてもよい。アンカーコート層は塗布量も少なく、その種類としては特に限定はないが、水性主体のものが滅菌インジケータインキ印刷層の性能を損なわないために良好であり、押出コート層との接着性に優れる滅菌バック用積層体とでき、また、滅菌インジケータインキ印刷層へのアンカーコート層における残留溶剤の量が少なく、それによる影響を最小限に抑えることができる。水性主体のアンカーコート層としては、例えばポリエチレンイミンの水−メチルアルコール混合溶媒溶液の塗布層が例示される。混合溶媒における混合比(質量比)は、水:アルコール=1:1〜1:5のものが例示される。
本発明の第1の滅菌バック用積層体においては、滅菌インジケータインキ印刷層11を設けた基材フィルム10表面に直接、またはアンカーコート層を介してヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂が10μm〜50μmの膜厚に熔融押出され、押出コート層12が形成される。
ヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂としては、酸化エチレンガスで変色するインジケータ変色剤層の場合は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が例示される。ポリエチレン樹脂としては日本ポリエチレン(株)製「LC600A」、三井化学(株)製「ミラソン14P」、また、ポリプロピレン樹脂としては日本ポリプロ(株)製「FL02C」が例示される。
また、第2の滅菌バック用積層体においては、滅菌インジケータインキ印刷層11を設けた基材フィルム10表面に、ポリオレフィン系樹脂を押出コートしつつ、ヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム14をラミネートするか、または、滅菌インジケータインキ印刷層11を設けたヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム14表面に、ポリオレフィン系樹脂を押出コートしつつ、基材フィルム10をラミネートするとよい。また、滅菌インジケータインキ印刷層11は、基材フィルム10表面、また、ヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム14の両方に設けられてもよい。
特に、ヒートシ−ル可能なポリオレフィン系樹脂フィルム14表面上に滅菌インジケータインキ印刷層11が設けられると共に、ポリオレフィン系樹脂を押出コートしつつ、アンカーコート層が設けられた基材フィルム10を押出ラミネートして、ヒートシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂フィルム14/滅菌インジケータインキ印刷層11/ポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層13/アンカーコート層/基材フィルム10の積層順序の滅菌バック用積層体とすることにより、接着性に優れると同時に、滅菌インジケータインキ印刷層の変色性に優れる滅菌バックとできる。この場合のアンカーコート層は、上記のアンカーコート層に限定されず、通常のアンカーコート層とすることができる。
押出コート層12、13は、例えば日本ポリエチレン(株)製「LC600A」等のポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を5μm〜50μmの膜厚の押出して形成されるものであり、また、ヒートシ−ル可能なポリオレフィン系樹脂フィルム14としては、例えば膜厚40μmの東セロ(株)製「FC−S」等の低密度ポリエチレンフィルムや未延伸ポリプロピレン樹脂フィルムが例示される。
次に、図3は、本発明の滅菌バックを説明するための図である。図中、20は被滅菌物、21は滅菌紙、22は周辺部、24は滅菌インジケータインキ印刷層の印刷模様である。
図3に示すように、滅菌バック2は、上述した滅菌バック用積層体1と滅菌紙21とが周辺部22でヒートシ−ルされる。滅菌紙21としては、水蒸気や酸化エチレンガスは透過するが細菌は透過しないクラフト紙、グラシン紙等を利用でき、例えば特種製紙(株)製や(株)巴川製紙所製の滅菌紙が例示される。
三方の周辺部でヒートシ−ルされた滅菌バック2には、被滅菌物20が挿入され、残る一方がヒートシ−ルされて封入された後、滅菌バック2ごと酸化エチレンガス雰囲気下に置かれる。また、オートクレーブ中に入れられて、高温水蒸気雰囲気下に置かれる。
滅菌バック2においては、滅菌紙を通過した酸化エチレンガスまたは高温水蒸気は、被滅菌物20を滅菌した後、積層体におけるヒートシ−ル層を透過して滅菌インジケータインキ印刷層を変色させることができる。また、その変色は滅菌バック用積層体における基材フィルム側から確認される。
以下、本発明を実施例により説明する。
(参考例1)
易接着性表面とされた厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、酸化エチレンガス用グラビアインキとして、サカタインクス(株)製「グラトーンGSN 赤 EO−32、主溶剤はエタノール」を丸印状にグラビア印刷し、乾燥膜厚2μmの滅菌インジケータインキ印刷層を形成した。次いで、滅菌インジケータインキ印刷層を設けたPETフィルム面に、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、LC600A)を30μmの膜厚で押出コートし、滅菌バック用積層体を作成した。
この積層体(100mm×150mm)と滅菌紙(特種製紙(株)製)(100mm×150mm)とを重ね合わせ、3方をヒートシ−ルし、滅菌バックを作成し、使用するまで室温で5日間保存した。保存後、滅菌バック中に被滅菌物としてガーゼ20gを封入した後、酸化エチレンガス雰囲気下に4時間、放置した。滅菌前は赤色を呈していた印刷模様は、滅菌後には青色に完全に変色した。
(参考例2)
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、参考例1で使用した滅菌インジケータインキを同様に印刷し、乾燥膜厚2μmの滅菌インジケータインキ印刷層を形成した。次いで、滅菌インジケータインキ印刷層を設けたPETフィルム面に、下記組成
・ ポリエチレンイミン ・・・ 3質量部
・ 水 ・・・30質量部
・ メチルアルコール ・・・67質量部
からなるアンカーコート剤溶液を0.01g/m2 の塗布量でアンカーコート層を形成した。
次いで、アンカーコート層上に、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、LC600A)を30μmの膜厚で押出コートし、滅菌バック用積層体を作成した。
この積層体(100mm×150mm)と滅菌紙(特種製紙(株)製)(100mm×150mm)とを重ね合わせ、3方をヒートシ−ルし、滅菌バックを作成し、使用するまで室温で5日間保存した。保存後、滅菌バック中に被滅菌物としてガーゼ20gを封入した後、酸化エチレンガス雰囲気下に4時間、放置した。滅菌前は赤色を呈していた印刷模様は、滅菌後には青色に完全に変色した。
(実施例1)
厚さ25μmのポリエチレンフィルム(東セロ(株)製「FC−S」)に、参考例1で使用した酸化エチレンガス用グラビアインキを丸印状に印刷し、乾燥膜厚2μmの滅菌インジケータインキ印刷層を形成した。一方、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、ポリウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製「TM−265」)を0.01g/m2 の塗布量で塗布し、アンカーコート層とした。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムのアンカーコート層面に、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、LC600A)を15μmの膜厚で押出コートしつつ、上記で得た滅菌インジケータインキ印刷層を形成したポリエチレンフィルムを、滅菌インジケータインキ印刷層側からサンドラミネートし、滅菌バック用積層体を作成した。
作成後、参考例1と同様に滅菌バックを作成し、同様に保存した後、被滅菌物を封入し、同様にして酸化エチレンガス滅菌を行った。滅菌インジケータインキ印刷層の変色を確認したところ、滅菌前は赤色を呈していた印刷模様が、滅菌後には青色に完全に変色していた。
(参考例3)
易接着性表面とされた厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、オートクレーブ滅菌用グラビアインキとして、(株)サクラクレパス製「S−25B、主溶剤はエタノール」を丸印状にグラビア印刷し、乾燥膜厚2μmの滅菌インジケータインキ印刷層を形成した。次いで、滅菌インジケータインキ印刷層を設けたPETフィルム面に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製「FL02C」)を30μmの膜厚で押出コートし、滅菌バック用積層体を作成した。
この積層体(100mm×150mm)と滅菌紙(特種製紙(株)製)(100mm×150mm)とを重ね合わせ、3方をヒートシ−ルし、滅菌バックを作成し、使用するまで室温で5日間保存した。保存後、滅菌バック中に被滅菌物としてガーゼ20gを封入した後、オートクレーブで120℃×20分で滅菌処理した。滅菌前は紫色を呈していた印刷模様は、滅菌後には青色に完全に変色した。
(比較例)
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、参考例1で使用した酸化エチレンガス用グラビアインキを丸印状に印刷し、乾燥膜厚2μmの滅菌インジケータインキ印刷層を形成した。次いで、滅菌インジケータインキ印刷層を設けたPETフィルム面に、ポリウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製「TM−265」)を3.0g/m2 塗布した後、厚さ30μmのポリエチレンフィルム(東セロ(株)製「FC−S」)をドライラミネートして滅菌バック用積層体を作成した。
作成後、参考例1と同様に滅菌バックを作成し、同様に保存した後、被滅菌物を封入し、同様にして酸化エチレンガス滅菌を行った。滅菌インジケータインキ印刷層の変色を確認したところ、滅菌前は赤色を呈していた印刷模様が滅菌後には青色に変色したが、一部赤色が残っている部分もあり、変色の程度が不十分であった。
本発明の第1の滅菌バック用積層体の断面図である。 本発明の第2の滅菌バック用積層体の断面図である。 本発明の滅菌バックを説明するための図である。
符号の説明
1は滅菌バック用積層体、2は滅菌バック、10は基材フィルム、11は滅菌インジケータインキ印刷層、12はヒートシ−ル可能なポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層、13はポリオレフィン系樹脂からなる押出コート層、14はヒートシ−ル可能なポリオレフィン系樹脂フィルム、20は被滅菌物、21は滅菌紙、22は周辺部、24は滅菌インジケータインキ印刷層の印刷模様である。

Claims (5)

  1. 基材フィルムの片面に滅菌インジケータインキ印刷層が設けられると共に、該滅菌インジケータインキ印刷層を介して基材フィルム面に水性アンカーコート層が設けられ、該水性アンカーコート層側を内側とする該基材フィルムと、ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムとがポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれる押出コート層を介して押出ラミネートされたことを特徴とする滅菌バック用積層体。
  2. 水性アンカーコート層が、ポリエチレンイミンを含むものであり、乾燥塗工量が0.01g/m2 〜1g/m2 であることを特徴とする請求項1記載の滅菌バック用積層体。
  3. ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムの片面に滅菌インジケータインキ印刷層が設けられる一方、基材フィルムの片面にアンカーコート層が設けられ、前記ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムと前記基材フィルムとが滅菌インジケータインキ印刷層側、アンカーコート層側をそれぞれ内側としてポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂から選ばれる押出コート層を介して押出ラミネートされたことを特徴とする滅菌バック用積層体。
  4. アンカーコート層が、ポリウレタン系接着剤を含むものであり、乾燥塗工量が0.01g/m2 〜1g/m2 であることを特徴とする請求項3記載の滅菌バック用積層体。
  5. 請求項1〜請求項4の少なくとも1つに記載の滅菌バック用積層体が、ヒートシ−ル性を有するポリエチレン樹脂フィルムまたはポリプロピレン樹脂フィルムを内側として滅菌紙と重ね合わされ、内部に被滅菌物が封入されるよう前記滅菌バック用積層体と滅菌紙における重ね合わせ周辺部がヒートシ−ルされて製袋されることを特徴とする滅菌バック。
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