JP5051074B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ビームの走査を行う光走査装置に関する。
近年、光走査装置の小型化を目的として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用した光走査装置が種々提案されている。
これに対して本願出願人は、3自由度捻り振動系を圧電バイモルフで加振することにより2個の振動モードを励振して、中央に配置されたミラーを2方向に捻り振動させ、2次元の光走査をするように構成した光走査装置を既に提案している(特許文献1参照)。
また、2自由度捻り振動子の2箇所の枠表面に平面コイルを形成して、振動子の外周に永久磁石を4個配置した光走査装置(特許文献2参照)や、3自由度捻り振動子を振動子と下部基板間に作用する静電気力で加振する光走査装置(特許文献3参照)が提案されている。
これらの光走査装置は、2方向の捻り振動を主走査方向と副走査方向に利用してレーザを2次元に走査することで画像生成するスキャンディスプレイ、QRコード、及び2次元バーコード読み取り装置などへの利用が考えられている。また、車載ディスプレイ、モバイル型プロジェクタ、及びハンディ型QRコードリーダ等の、特に小型化が要求される機器への応用において有用である。
ところで、これらの上記振動モード(共振)を利用した光走査装置は、共振周波数付近の周波数を有する外力に対して高いゲインを持っている。即ち、共振周波数付近の周波数を有する外乱振動が作用した場合に、影響を受け振動状態が乱れる。そして振動状態が乱れると、上記の光走査装置をディスプレイに利用した場合には画像の乱れが発生し、バーコード読み取りに利用した場合には正常な読み取りができなくなる。尚、このような外乱振動は移動時に発生し易いので、上記の光走査装置を内蔵する車載用ディスプレイや手持ち用途の機器で問題となる。
このような外乱振動に起因した振動状態の乱れを解決する方法の1つは、外乱振動の周波数に対して、各振動モードの周波数(共振周波数)を高く設計して、外乱振動の周波数の外力に対するゲインを小さくすることである。例えば、車載用途でコクピットに装着する場合は、一般的に600Hz程度以上であれば、外乱振動は少ないと言われており、共振周波数がこれよりある程度高くなるように設計すれば、外乱振動の影響を小さくすることができる。
尚、2次元光走査をする場合は、主走査方向と副走査方向について、2種類の振動モードを利用する。そして、高性能な2次元光走査装置を製造するには、以下の5つの条件を満たす必要がある。即ち、「(1)走査線数大」、「(2)フレームレート大」、「(3)大きいミラーサイズ」、「(4)ミラー剛性大」、「(5)走査角度大」である。
「(1)走査線数大」は、画素数の増加や読み取り分解能向上のために必須である。「(2)フレームレート大」は、画像のちらつき防止や読み取り速度向上のために必要である(すくなくとも60フレーム/秒程度)。「(3)大きいミラーサイズ」は、レーザを照射面で絞ったスポットサイズを画素サイズより小さくするために必要である。「(4)ミラー剛性大」は、適切なビームスポットを得ることを目的としてミラー面を変形し難くするために必要である。「(5)走査角度大」は、主走査方向の画素を多くするため、また大画面を実現するために必要である。
上記(1)と(2)を得るためには、高い共振周波数が必要である。しかし、(1)及び(2)と(3)〜(5)とを両立させる設計は、強度設計とダンピングの観点から一般に困難であると言われている。
まず、強度設計の観点からの困難とは、ミラーサイズと走査角度と高共振周波数の条件下で、材料の許容応力を満足するバネを設計することが困難であるということである。即ち、ミラーサイズを大きくして且つ必要な剛性を得ようとすると、ミラーの慣性モーメントが大きくなる。したがって、高い共振周波数を得るためには、大きいバネ定数が必要となる。しかし、大きいバネ定数を得ようとすると変位量に対するバネ内での発生応力が大きくなる。このため、大きいバネの変位量すなわち走査角を確保しようとすると許容応力を超えてしまい、設計が成り立ちにくくなる。これを解決するためには、ミラーサイズは大きいが慣性モーメントは小さく、かつ必要な剛性が確保されているようなミラー設計の工夫が必要である。
次に、ダンピングの観点からの困難とは、大きいミラーを、高い共振周波数で且つ大きい振幅(大きい走査角度)で振動させることが困難であるということである。なお、ダンピングとは、振動する剛体の周囲の気体に振動の運動エネルギーが伝わり、剛体の振動の運動エネルギーが奪われてしまうことである。ところでダンピングは、剛体の運動の速度に比例する。これを下記に説明する。
簡単化のために1自由度振動系を考えると、捻り振動系の運動方程式は式(2)で表される。尚、式(2)における「J」は慣性モーメント、「c」はダンピング係数、「k」はバネ係数、「T」はトルク、「f」は周波数、「t」は時間を表す。
ここで、左辺の2項目はダンピングの項である。ダンピングは、式(2)で表されるように、速度に比例する力であり、速度が大きいほど大きくなる。
また、ミラーが大きくなるほど回転軸から外周までの距離が長くなるため、周速度が大きくダンピングが大きくなる。また、振幅が大きくなるほど剛体の運動速度が大きくなり、ダンピングが大きくなる。さらに、共振周波数が高くなるほど剛体の運動速度が大きくなり、ダンピングが大きくなる。
これらより、ミラーを大きくすること、角度振幅を大きくすること、及び共振周波数を高くすることの両立は困難である。
これを解決するために、「(A)ダンピングで奪われるエネルギーに負けない運動エネルギーを供給できるような強力な加振源の工夫」、「(B)ダンピングが小さいミラー形状の工夫」、「(C)運動を妨げる気体そのものの除去」、「(D)周囲の気体の流れを改善する工夫」等が考えられる。
(A)については、小型かつ強力なアクチュエータが成り立ちにくいため普遍的課題である。例えば、静電気力を利用する櫛歯アクチュエータの場合には、櫛歯の本数を増やすことや、櫛歯の回転半径を大きくしてトルクを大きくすること考えられる。しかし、いずれも減衰を大きくする作用がある。
(B)については、ミラーを円形や楕円形にする等が考えられるが、特別な形状は考えにくい。
(C)については、例えば、光走査装置が実装された空間を所定の圧力環境(真空)にして密閉する等の方法が提案されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
(D)については、例えば、パッケージに穴を開ける方法や(特許文献7参照)、光走査装置の近傍に流路やバルブを形成し周りの流体の流れを良くする方法(特許文献8参照)が提案されている。
特開平7−199099号公報 特開2004−198648号公報 特開2005−250078号公報 特開2004−314292号公報 特開2004-341320号公報 特開2005-91544号公報 特開2005-173437号公報 特開2000−314846号公報
しかし上述の特許文献4〜6に記載の技術では、長期間密閉して所定の圧力環境を安定維持するために、信頼性がある頑丈な封止手段が必要であり、光走査装置のコストアップの要因となると考えられる。
また上述の特許文献7,8に記載の技術では、高周波数になると流路の抵抗が大きくなり、ダンピング低減の効果が小さくなると考えられる。さらに、能動的に作動するバルブを形成することは、構造の複雑化を招き、光走査装置のコストアップの要因となると考えられる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、周囲を密閉することなく且つ構造を複雑化することなくダンピングを低減して、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きいミラーを振動させることを可能にする光走査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の光走査装置は、光を反射させる反射面を有する第1剛体部材と、第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、第1剛体部材と第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、第1剛体部材を捩じり振動させる弾性変形部材とを備え、第1剛体部材及び弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する光走査装置であって、一端に第1剛体部材に対面する開口を有するとともに他端が閉口されて、内部に気体が流れる流路である閉管型気体流路を備え、閉管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の4分の1の奇数倍の長さに、閉管型気体流路の開口端補正を施した長さであることを特徴とする。
このように構成された請求項1に記載の光走査装置では、第1剛体部材及び弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する。このため、第0剛体部材を固定端とし、弾性変形部材を捩じれ振動系の捻じり軸として第1剛体部材が振動する。
そして、第1剛体部材が振動すると、第1剛体部材が振動できる空間内の気体には圧縮力および膨張力が交互に作用する。この圧縮力および膨張力は、第1剛体部材に対面する開口を介して閉管型気体流路内の気体を運動させ、加振力を与える。その結果、閉管型気体流路内の気体は、第1剛体部材の振動と同期して振動する。
なお閉管型気体流路は固有の共振周波数を有し、その共振周波数は、閉管型気体流路の管の長さに依存する。すなわち、第1剛体部材の振動が共振周波数に等しくなると、閉管型気体流路内の気体が共振する。
さらに、閉管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の4分の1の奇数倍の長さに、閉管型気体流路の開口端補正を施した長さである。このため、閉管型気体流路内の共振振動は、開口を有する一端(以下、開口端ともいう)側付近が振動の腹、閉口された他端が振動の節になる。なお、共振振動の腹の部分は開口端から若干外側に位置し、開口端から腹の部分までの長さは管断面を円と考えた場合の管半径のおよそ0.6倍といわれている。これは開口端補正と呼ばれる。
したがって、振動する第1剛体部材が開口端に近づく過程では、開口端付近の気体は、閉管型気体流路内の共振振動によって閉管型気体流路内に向かう力を受ける。さらに、振動する第1剛体部材が開口端から遠ざかる過程では、開口端付近の気体は、閉管型気体流路内の共振振動によって閉管型気体流路の外側に向かう力を受ける。すなわち、開口端付近の気体は、第1剛体部材の移動方向と同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動する第1剛体部材のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい第1剛体部材を振動させることが可能になる。また、閉管型気体流路を形成することによりダンピングを低減しているため、光走査装置を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
また請求項1に記載の光走査装置では、請求項2に記載のように、閉管型気体流路を2つ備え、この2つの閉管型気体流路の開口端は、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置されるようにするとよい。
このように構成された光走査装置によれば、第1剛体部材のうち、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んだ片側の部分だけでなく、もう片側の部分についても、閉管型気体流路の共振振動によって第1剛体部材のダンピングを低減することができる。つまり、閉管型気体流路を1つ備えている光走査装置と比較して、ダンピングを更に低減することができる。
また請求項3に記載の光走査装置は、第1剛体部材に対面する開口を両端に有し、内部に気体が流れる流路である第1開管型気体流路を備え、第1開管型気体流路の両端は、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置され、第1開管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の整数倍の長さに、第1開管型気体流路の開口端補正を施した長さであることを特徴とする。
このように構成された請求項3に記載の光走査装置では、第1剛体部材の振動により、第1剛体部材に対面する開口を介して第1開管型気体流路の気体を運動させ、加振力を与える。その結果、第1開管型気体流路内の気体は、第1剛体部材の振動と同期して振動する。
なお第1開管型気体流路は固有の共振周波数を有し、その共振周波数は、第1開管型気体流路の管の長さに依存する。すなわち、第1剛体部材の振動が共振周波数に等しくなると、閉管型気体流路内の気体が共振する。
さらに、第1開管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の整数倍の長さに、第1開管型気体流路の開口端補正を施した長さである。このため、第1開管型気体流路内の共振振動は、第1開管型気体流路の一端(以下、第1開口端ともいう)側付近と、他端(以下、第2開口端ともいう)側付近が振動の腹になるとともに、第1開口端と第2開口端との位相角の差が0°となる。すなわち、一方の開口端で気体が吐き出されているときに、他方の開口端で気体が吸い込まれている状態となる。
したがって、振動する第1剛体部材が第1開口端に近づく過程、換言すると、振動する第1剛体部材が第2開口端から遠ざかる過程では、第1開口端付近の気体は、第1開管型気体流路内の共振振動によって第1開管型気体流路内に向かう力を受けるとともに、第2開口端付近の気体は、第1開管型気体流路の外側に向かう力を受ける。すなわち、第1開口端および第2開口端付近の気体は、第1剛体部材の移動方向と同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動する第1剛体部材のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい第1剛体部材を振動させることが可能になる。また、第1開管型気体流路を形成することによりダンピングを低減しているため、光走査装置を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
また請求項3に記載の光走査装置では、請求項4に記載のように、第1開管型気体流路を2つ備えるようにしてもよい。このように構成された光走査装置によれば、第1開管型気体流路を1つ備えている光走査装置と比較して、ダンピングを更に低減することができる。
また請求項5に記載の光走査装置は、第1剛体部材に対面する開口を両端に有し、内部に気体が流れる流路である第2開管型気体流路を備え、第2開管型気体流路の両端は、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置され、第2開管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数で気体が振動するときの波長と等しい長さに、第2開管型気体流路の開口から捩じれ振動系までの距離の2倍の長さを減算した長さであることを特徴とする。
このように構成された請求項5に記載の光走査装置では、捩じれ振動系の共振周波数で第1剛体部材が振動しているときに、周辺の気体もその共振周波数の圧力波を発する。そして、第2開管型気体流路の一端(以下、第3開口端ともいう)側の開口と、他端(以下、第4開口端ともいう)側の開口は、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置されている。以下、振動する第1剛体部材のうち、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んだ片側の部分で第3開口端に近い方を第3開口端側振動子と、もう片側の部分を第4開口端側振動子ともいう。
このため、第3開口端側振動子が第3開口端に近づく過程で第3開口端側振動子と第3開口端との間の空間で発生した圧力波は、第3開口端の開口から第2開管型気体流路内に入り第2開管型気体流路内を通過して、第4開口端の開口から第2開管型気体流路の外側に出て、第4開口端側振動子に到達する。
また、第2開管型気体流路の長さは、捩じれ振動系の共振周波数で気体が振動するときの波長と等しい長さに、第2開管型気体流路の開口から捩じれ振動系までの距離の2倍の長さを減算した長さである。このため、第3開口端側振動子と第3開口端との間の空間で発生した圧力波が、第4開口端側振動子に到達するのは、圧力波が発生してから、第1剛体部材が一周期振動したときである。
したがって、第4開口端側振動子が第4開口端から遠ざかる過程で、圧力波が第4開口端側振動子に到達する。このため圧力波は、第1剛体部の変位を加勢する方向の力として作用する。
これにより、振動する第1剛体部材のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい第1剛体部材を振動させることが可能になる。また、第2開管型気体流路を形成することによりダンピングを低減しているため、光走査装置を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
また請求項5に記載の光走査装置では、請求項6に記載のように、第2開管型気体流路の長さ方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が急に小さくなり、その後に徐々に大きくなるように、第2開管型気体流路の内壁から突出する突出部を備えるようにするとよい。
このように構成された請求項6に記載の光走査装置では、当該第2開管型気体流路の断面積が急に小さくなり部分における気体の圧力が急に高くなり、断面積が徐々に大きく部分における圧力が低くなる。そして、気体は圧力の高いほうから低いほうへ流れるため、流れ方向が一定になり、逆止弁的効果が得られる。これにより、第2開管型気体流路内の圧力波の進行方向を、第3開口端から第4開口端へ向かう方向、または第4開口端から第3開口端へ向かう方向の何れかに設定することができる。
また請求項6に記載の光走査装置では、請求項7に記載のように、第2開管型気体流路を2つ備えるようにするとよい。このように構成された光走査装置によれば、第2開管型気体流路を1つ備えている光走査装置と比較して、ダンピングを更に低減することができる。
また請求項7に記載の光走査装置では、請求項8に記載のように、第2開管型気体流路の両端の開口のうち、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで一方の側に配置された開口を一端側開口、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで他方の側に配置された開口を他端側開口とし、2つの第2開管型気体流路のそれぞれに備えられた突出部は、一端側開口から他端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出するようにしてもよい。
このように構成された光走査装置によれば、2つの第2開管型気体流路内の圧力波の進行方向を、一端側開口から他端側開口に向かう方向に設定することができる。このため、例えば、2つの第2開管型気体流路内の圧力波の進行方向を、上記の第3開口端から第4開口端へ向かう方向に設定した場合には、上記の第3開口端側振動子が気体に圧力波を与え、上記の第4開口端側振動子が、2つの第2開管型気体流路内を通過した圧力波による加勢力を受けるようにすることができる。
また請求項7に記載の光走査装置では、請求項9に記載のように、第2開管型気体流路の両端の開口のうち、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで一方の側に配置された開口を一端側開口、捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで他方の側に配置された開口を他端側開口とし、2つの第2開管型気体流路のうち、一方の第2開管型気体流路に備えられた突出部は、一端側開口から他端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出し、他方の第2開管型気体流路に備えられた突出部は、他端側開口から一端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出するようにしてもよい。
このように構成された光走査装置によれば、2つの第2開管型気体流路のうち、一方の第2開管型気体流路内の圧力波の進行方向を、一端側開口から他端側開口に向かう方向に設定し、他方の第2開管型気体流路内の圧力波の進行方向を、他端側開口から一端側開口に向かう方向に設定することができる。このため、上記の第3開口端側振動子が、気体に圧力波を与えるとともに第4開口端側振動子からの圧力波による加勢力を受け、同様に、上記の第4開口端側振動子が、気体に圧力波を与えるとともに第3開口端側振動子からの圧力波による加勢力を受けるようにすることができる。
また請求項10に記載の光走査装置は、内部に気体を収容可能な容器である気体収容容器と、第1剛体部材に対面する開口を一端に有するとともに、気体収容容器に接続された開口を他端に有し、内部に気体が流れる流路である第3開管型気体流路とを有し、ヘルムホルツ共振器として構成された気体共振器を備え、気体共振器の共振周波数は、捩じれ振動系の共振周波数に等しいことを特徴とする。
このように構成された請求項10に記載の光走査装置では、第1剛体部材の振動により、第1剛体部材に対面する開口を介して第3開管型気体流路の気体を運動させ、加振力を与える。その結果、気体共振器内でヘルムホルツ共振が発生する。
そして、気体共振器の共振周波数が捩じれ振動系の共振周波数に等しい。このため、第3開管型気体流路内の気体が、第1剛体部材の振動と同期して振動する。
したがって、振動する第1剛体部材が第3開管型気体流路の一端側の開口(以下、開口端という)に近づく過程では、開口端付近の気体は、第3開管型気体流路内の共振振動によって第3開管型気体流路内に向かう力を受ける。さらに、振動する第1剛体部材が開口端から遠ざかる過程では、開口端付近の気体は、第3開管型気体流路内の共振振動によって第3開管型気体流路の外側に向かう力を受ける。すなわち、開口端付近の気体は、第1剛体部材の移動方向と同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動する第1剛体部材のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい第1剛体部材を振動させることが可能になる。また、気体共振器を形成することによりダンピングを低減しているため、光走査装置を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
そして、請求項10に記載の光走査装置において、気体共振器の共振周波数が捩じれ振動系の共振周波数に等しくなるようにするためには、請求項11に記載のように、捩じれ振動系の共振周波数をf、第3開管型気体流路の長さをl、第3開管型気体流路の断面積をS、気体収容容器の体積をV0、音速をv、円周率をπ、第3開管型気体流路の開口端補正の値をδとして、第3開管型気体流路の長さ、第3開管型気体流路の断面積、及び気体収容容器の体積は、下式(1)を満たす値であるようにするよい。
なお、第3開管型気体流路の開口端補正δは、第3開管型気体流路の管端近傍の気体を、第3開管型気体流路内で共振振動する気体に含めるための値である。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態について図面をもとに説明する。
図1(a)は本発明が適用された第1実施形態の2次元光走査装置1の斜視図、図1(b)は2次元光走査装置1の分解斜視図、図2は光走査部2の構成を示す平面図、図3(a)は図2における領域R1の拡大図、図3(b)は図2における領域R2の拡大図、図4は流路形成部4の斜視図、図5は図1(a)のA−A断面部を示す斜視図である。
2次元光走査装置1は、図1(a)に示すように、2次元的に光ビームの走査を行う光走査部2と、光走査部2のダンピングを低減するためのダンピング低減部3とを備え、ダンピング低減部3上に光走査部2が載置されて構成される。
そしてダンピング低減部3は、図1(b)に示すように、気体が流れる流路(図4の閉管型気体流路12を参照)が形成された流路形成部4と、流路形成部4を支持する支持部5とを備え、支持部5上に流路形成部4が載置されて構成される。
まず光走査部2は、SOI(Silicon On Insulator)ウエハを半導体プロセスで加工して製造されたものである。SOIウエハは、3層構造となっており、本実施形態では、厚さ50umのSOI層と、厚さ1umのシリコン酸化膜層と、厚さ400umのベースシリコン層とからなる。
光走査部2は、図2に示すように、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成された円形状の第3フレーム104と、SOI層表面からシリコン酸化膜層までトレンチエッチングを行うことで形成された溝(以下、トレンチ溝という)103a及びトレンチ溝103bによって第3フレーム104に対して所定の隙間を介して設けられた八角形状の第2フレーム103と、トレンチ溝102a及びトレンチ溝102bによって第2フレーム103に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第1フレーム102と、トレンチ溝101aによって第1フレーム102に対して所定の隙間を介して設けられた矩形状の第0フレーム101とを備える。
また、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102が形成されている領域には、裏面からベースシリコン層とシリコン酸化膜層とをエッチング除去することで形成された凹部108が形成されている。即ち、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102は、SOI層で構成されている。
更に、第3フレーム104と第2フレーム103との間は、トレンチ溝103a及びトレンチ溝103bによって第2フレーム103に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層107(以下、第3捻りバネ107という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第3捻りバネ107は、第3フレーム104の重心を通る中心軸k上に設けられている。これにより、第3フレーム104は、中心軸kを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
同様に、第2フレーム103と第1フレーム102との間は、トレンチ溝102a及びトレンチ溝102bによって第1フレーム102に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層106(以下、第2捻りバネ106という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第2捻りバネ106は、第3フレーム104と第2フレーム103との重心を通る中心軸j上に設けられている。これにより、第1フレーム102は、中心軸jを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
また、第1フレーム102と第0フレーム101との間は、トレンチ溝101aによって第0フレーム101に対して所定の隙間を介して設けられたSOI層105(以下、第1捻りバネ105という)により、互いに対向する2箇所で連結されている。これら2つの第1捻りバネ105は、第3フレーム104と第2フレーム103と第1フレーム102との重心を通る中心軸i上に設けられている。これにより、第1フレーム102は、中心軸iを回転軸として、捩じり振動可能に構成される。
尚、第0フレーム101には、第1フレーム102と連結されていない側の第1捻りバネ105の端部105aが連結される連結部113が形成されている。この連結部113は、トレンチ溝101aによって、第0フレーム101のその他の領域と電気的に絶縁されたSOI層により構成されている。
従って、連結部113と第1フレーム102とは第1捻りバネ105を介して電気的に接続されている。同様に、第1フレーム102と第2フレーム103とは第2捻りバネ106を介して、第2フレーム103と第3フレーム104とは第3捻りバネ107を介して電気的に接続されている。
また、第1捻りバネ105、第2捻りバネ106、及び第3捻りバネ107は、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生するように構成されている。
従って、第0フレーム101が固定されることにより、第3フレーム104、第2フレーム103、及び第1フレーム102は3自由度構造を構成する。
以下、第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104、第2捻りバネ106、及び第3捻りバネ107をまとめて振動子領域114という。
また、第1フレーム102の左側端縁102c及び右側端縁102dには、図3(a),(b)に示すように、櫛歯状に形成された櫛歯部112(図3(a)参照)及び櫛歯部110(図3(b)参照)が設けられている。そして、第0フレーム101には、第1フレーム102の櫛歯部112及び櫛歯部110と対向する位置にそれぞれ、櫛歯部112と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部111(図3(a)参照)、及び櫛歯部110と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯部109(図3(b)参照)が設けられている。
また、連結部113には端子部115が設けられる。この端子部115は、連結部113のSOI層上に形成されたシリコン酸化膜をエッチング処理により除去してコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にアルミ薄膜を堆積することにより形成される。この端子部115を介して電圧を印加することにより、振動子領域114のSOI層全体を等電位にすることができる。
なお、ここでは、端子部とは、SOI層上に形成されたシリコン酸化膜をエッチング処理により除去してコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にアルミ薄膜を堆積することにより形成されるものを指すものとする。
また、トレンチ溝116によって分離形成された領域117のSOI層上にはシリコン酸化膜が形成されており、このシリコン酸化膜上に、櫛歯部109の表面上まで覆ってアルミ薄膜118が形成されている。このアルミ薄膜118に電圧を印加することで、櫛歯部109の表面に電圧を印加することができる。また、領域117には端子部119が設けられている。これにより、端子部119を介して電圧を印加することにより、櫛歯部109のSOI層にも電圧を印加することができる。そして、この領域117に、周期的な電圧を印加することにより、振動子領域114に加振力を印加することができる。
また、トレンチ溝120によって分離形成された領域121のSOI層上にはシリコン酸化膜が形成されており、このシリコン酸化膜上に、櫛歯部111の表面上まで覆ってアルミ薄膜122が形成されている。このアルミ薄膜122を電極として、櫛歯部111と櫛歯部112との間の静電容量を検出することができる。また、領域121には端子部123が設けられており、端子部123を電極として、櫛歯部111のSOI層と櫛歯部112との間の静電容量を検出することができる。
また、トレンチ溝124によって分離形成された領域125は、領域117と領域121とを電気的に隔てるために設けられている。尚、領域125の略全面には端子部が設けられており、この端子部を接地することにより、領域125のSOI層を接地電位に保持することができる。
次に、光走査部2の動作原理を説明する。
光走査部2は、第0フレーム101を固定端として、中心軸i,j,kに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。即ち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する各フレームの捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。以下、これら3つの振動モードをそれぞれ、振動モード1、振動モード2、振動モード3という。
尚、櫛歯部109に電圧を印加すると、櫛歯部110との間に静電気力が発生する。また、第1フレーム102が1周期振動する間に櫛歯部110は櫛歯部109に2回最接近する。このため、共振周波数の2倍に近い周期的静電気力が加われば、3自由度捻り振動子を共振状態にできる(以下、共振状態にするための加振力を周期的加振力という)。また、櫛歯部110が櫛歯部109に最接近する毎に、周期的加振力を作用させることができる。
そして、振動モード1、振動モード2、振動モード3の各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
ここで、例えば、
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r2を「1:0.01:−50」、
振動モード3における第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の振幅比r3を「1:0.02:−0.03」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
尚、各振動モードにおける振幅比は、左から第1フレーム102、第2フレーム103、第3フレーム104の順で記述している。例えば、上記の振幅比r1は、第1フレーム102の振幅が「1」とすると、第2フレーム103の振幅が「−20」、第3フレーム104の振幅が「0.5」となることを示す。
また、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各フレーム間の位相角は0度または180度となる。そこで、振幅比を記述する際に、位相角の差が0度の場合は符号を「+」、180度の場合は符号を「−」とする。例えば、上記の振幅比r1は、第1フレーム102と第3フレーム104との位相角の差が0度となり、第1フレーム102と第2フレーム103との位相角の差が180度となることを示す。
そして、各振動モードの共振周波数と振幅比を上記のように設計すると、振動モード1では、主に第2フレーム103と、第2フレーム103に繋がった第3フレーム104とが1000Hzで大きく捻り振動する。また、振動モード2では、主に第3フレーム104が5000Hzで大きく捻り振動する。
このため、第3フレーム104の鏡面部分でレーザ光を反射させるとともに、振動モード1と振動モード2とを同時に励振させることにより、振動モード2を主走査方向(5000Hz)、振動モード1を副走査方向(1000Hz)として、2次元的にレーザ光を走査することができる。
また流路形成部4は、図4に示すように、例えばシリコンやアルミを材料とした板形状の本体部11の内部に、一端12aに開口13を有するとともに他端12bが閉口された流路12(以下、閉管型気体流路12という)が2つ形成されて構成される。以下、一端12aを開口端12a、他端12bを閉口端12bともいう。
なお図5に示すように、本体部11の上面11a側に開口13が、本体部11の下面11b側に、流路となる溝14が、半導体プロセスまたは機械加工により形成されている。そして、本体部11の下面11bと、板形状の支持部5の上面5aとを銀ペースト等で接着固定することにより、閉管型気体流路12が形成される。
また開口13の下方には傾斜部15が設けられている。これにより、閉管型気体流路12に流入または閉管型気体流路12から流出する気体の流れがスムーズになる。さらに、2つの開口13は、光走査部2の中心軸iを挟んで両側に配置される。
また支持部5は、一般的なセラミックパッケージ、セラミック基板、またはFR4基板等であり、シリコンチップを実装できるものである。
次に、ダンピング低減部3によるダンピング低減のメカニズムを説明する。図6は2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
図6に示すように、閉管型気体流路12は、他端12bが閉口されている。このために、他端12b側の気体は自由に運動できない。一方、一端12aは開口されている。このため、一端12a側の気体は自由に運動できる。
また振動子領域114が振動すると、振動子が振動できる空間内の気体には圧縮力および膨張力が交互に作用する。この圧縮力および膨張力は、開口13を介して閉管型気体流路12内の気体を運動させ、加振力を与える。
そして、一端12a側付近の気体に対して管軸方向D1に周期的加振力を与えると、管軸方向D1に気体が運動し、気体の波が発生する。なお、気体中では剪弾力は伝わらない。このため気体中では、横波が発生せず縦波のみが伝播する。そして縦波は、閉口された他端12b(閉口端12b)側で反射し、開口された一端12a(開口端12a)側に向かう。さらに周期的加振力を気体に与えれば、気体が往復運動し、気体の振動が発生する。そして、周期的加振力の周波数が気体の往復運動の周波数に近づくと、気体の振動が共振状態になる。なお共振状態では、閉管型気体流路12内の圧力エネルギーと気体の運動エネルギーが交換を繰り返しており、総エネルギーが保存される。
図7(a)に示すように、閉管型気体流路12内の気体GAが共振状態になると、その共振の振幅分布は、開口端12a側付近が振動の腹R1、閉口端12b側が振動の節R2になる(図7(a)中の縦波振幅AMを参照)。つまり開口端12a付近で、気体GAの振動の振幅が最も大きくなる。なお、図7(a)の矢印Y1は、気体GAが管軸方向D1に振動していることを示す。
そして、閉管型気体流路12内の気体を共振状態にするためには、開口端12a側付近が振動の腹、閉口端12b側が振動の節になるようにしなければならない。このため、図7(b)に示すように、閉管型気体流路12の管の長さl(以下、管長さlという)を、共振振動の波長λ(以下、共振振動波長λという)の1/4倍、3/4倍、5/4倍、・・・、(2n―1)/4倍近傍にする必要がある(「n」は1以上の整数)。
但し、管長さlを共振振動波長λの3/4倍以上とすると管長さlが長くなるので、通常は共振振動波長λの1/4倍を利用するとよい。しかし周波数が極めて高くなると、管の長さが短くなりすぎ、加工が難しくなると考えられる。このため適宜、共振振動波長λの3/4倍以上の長さを選択するとよい。
なお、共振振動の腹の部分は開口端から若干外側に位置し、開口端から腹の部分までの長さは管断面を円と考えた場合の管半径のおよそ0.6倍といわれている(例えば、「振動・波動論講義-物理実験を取り入れて-、際本泰士 著、コロナ社、pp116」、「振動と波動、吉岡大二郎 著、東京大学出版会、pp120」を参照)。これは開口端補正と呼ばれる。
このため管長さlは、管の半径を「r」として式(3)で表される。
ここで、開口13は矩形状であるので、開口13の辺の長さを「a」、「b」とすると、開口13の面積Sは式(4)で表される。
また円の面積は、円の半径を「r」とすると式(5)で表される。
したがって、半径rは式(6)で表される。
このため、閉管型気体流路12の開口端補正δは式(7)で表される。
以下に、共振振動の周波数f(以下、共振振動周波数fという)が14kHz、28kHz、40kHzの場合における閉管型気体流路12の管長さlの計算例を表1に示す。
なお、表1における管長さlの値は、式(3)で「n=1」として計算した値である。
また共振振動波長λは、気体の流速を「V」とすると式(8)で表される。
λ = V/f ・・・(8)
ここで、気体の流速すなわち音速は、標準気体では331[m/s]であるので、共振振動波長λの算出において標準気体の音速を用いている。
[閉管型気体流路内の気体の動き]
このように構成された2次元光走査装置1における閉管型気体流路12内の気体の動きを図8を用いて説明する。
振動子領域114は中心軸iを回転軸とする捻り振動をする。このため、振動子領域114の中心軸iを挟んで片側の空間で気体に圧縮力が作用する一方、もう片側の空間では膨張力が作用する。逆の場合も同様である。
図8に示すように、振動子領域114の姿勢を位相角で表すと、振動子領域114が水平な状態は0°、左へ最大傾いた状態は90°、再び水平な状態は180°、右へ最大傾いた状態は270°となる。
なお図8において、振動子領域114の中心軸iを挟んで左側に開口13が形成されている閉管型気体流路12を左側流路、右側に開口13が形成されている閉管型気体流路12を右側流路という。
まず、振動子領域114が左回転して位相角90°に近づく過程では、振動子領域114の左側は下側に向かい、左側流路の開口端付近の気体は、下側へ移動させられる力を受ける(矢印Y11を参照)。このとき、振動子領域114の右側は上側に向かう。そして右側流路の開口端12a付近の気体は、上側へ移動させられる力を受ける(矢印Y12を参照)。
さらに、振動子領域114が右回転して位相角180°を経て位相角270°に近づく過程では、振動子領域114の左側は上側に向かい、左側流路の開口端付近の気体は、上側へ移動させられる力を受ける(矢印Y13を参照)。このとき、振動子領域114の右側は下側に向かい、右側流路の開口端付近の気体は、下側へ移動させられる力を受ける(矢印Y14を参照)。
これらの力により閉管型気体流路12が共振する。そして閉管型気体流路12が共振状態になると、閉管型気体流路12内部の気体は大きく振動するようになる。
また、振動子領域114が左回転して位相角90°に近づく過程では、左側流路の開放端付近の気体は、振動運動に従い下側へ移動する。振動子領域114の左側は下側に向かうが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
このとき、右側流路の開放端付近の気体は、上側へ移動する。振動子領域114の右側は上側に向うが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
さらに、振動子領域114が右回転して位相角180°を経て位相角270°に近づく過程では、左側流路の開放端付近の気体は、振動運動に従い上側へ移動する。振動子領域114の左側は上側に向かうが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。このとき、右側流路の開放端付近の気体は、下側へ移動する。振動子領域114の右側は下側に向うが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動子領域114のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい振動子領域114を振動させることが可能になる。また、閉管型気体流路12を形成することによりダンピングを低減しているため、2次元光走査装置1を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
[ダンピング低減効果のエネルギー的説明]
上記のダンピング低減効果をエネルギー的に説明することもできる。
左側流路および右側流路がない場合は、振動子領域114の運動が振動子領域114周辺の気体分子の運動に伝わり、その運動が周辺の気体の運動へと広く拡散してしまう。したがって、周辺気体分子の運動にエネルギーを奪われる分だけのエネルギーを振動子領域114に供給しなければならない。
一方、閉管型気体流路12が共振している場合は、気体の運動と圧力変化がエネルギー変換を繰り返しており、エネルギーが保存されている。閉管型気体流路12の管壁での摩擦や、管端からの音響散逸でエネルギーを奪われるエネルギーのみ振動子領域114から供給される。従って、その分だけのエネルギーを振動子領域114に供給すればよい。つまり、閉管型気体流路12を設けた場合は、閉管型気体流路12がない場合に比べ、振動子領域114から奪われる運動エネルギーが小さくなり、ダンピングによる振幅の減衰を低減することができる。
ところで、数十kHzもの高周波数で気体が共振現象するかどうかであるが、発明者の調べによれば、犬の訓練で用いられる犬笛は30kHzが用いられており、このような高周波数でも気体は共振することがわかる。
また補足ではあるが、人間の可聴範囲の上限は20kHzと言われている。したがって、本発明で採用する共振周波数が20kHzより高いものであれば、音が耳障りになることはないといえる。
なお、閉管型気体流路12を2次元光走査装置1のような多自由度振動子に適用した場合には、周波数が高いほうがダンピングは大きい。このため、利用する周波数のうち最も高いものに、閉管型気体流路12の共振周波数を合わせればよい。
以上説明した実施形態において、2次元光走査装置1は本発明における光走査装置、振動子領域114は本発明における第1剛体部材、第0フレーム101は本発明における第0剛体部材、第1捻りバネ105は本発明における弾性変形部材である。
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態について図面とともに説明する。尚、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態における2次元光走査装置1は、流路形成部4の構成が変更された点以外は第1実施形態と同じである。図9は流路形成部4の斜視図である。
第2実施形態の流路形成部4は、図9に示すように、板形状の本体部11の内部に、一端22aに開口23aを有するとともに他端22bに開口23bを有する流路22(以下、開管型気体流路22という)が2つ形成されて構成される。以下、一端22aを開口端22a、他端22bを開口端22bともいう。
次に、第2実施形態のダンピング低減部3によるダンピング低減のメカニズムを説明する。図10は、第2実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
図10に示すように、開管型気体流路22は、一端22a及び他端22bがともに開口されている。このため、一端22a側および他端22b側の気体は自由に運動できる。
したがって、開管型気体流路22内の気体を共振状態にするためには、開口端22a側付近が振動の腹、開口端22b側が振動の腹になるようにしなければならない。このため、図11に示すように、開管型気体流路22の管長さlを、共振振動波長λの1/2倍、2/2倍、3/2倍、・・・、n/2倍近傍にする必要がある(「n」は1以上の整数)。
ここで、振動子領域114の振動と、開管型気体流路22での共振振動を同期させることを考える。具体的には、振動子領域114の中心軸iを挟んで片側の空間で気体に圧縮力が作用するとき、もう片側の空間では気体に膨張力が作用するようにする。つまり、振動子領域114の両側で共振振動の位相を反転させる。これにより、片側の開口端から気体が吐き出されているときに、もう片側の開口端に気体が吸い込まれるという状態にすることができる。
まず、開管型気体流路22の管長さlが振動波長λの1/2倍、3/2倍、・・・、(2n−1)/2倍である場合には、両側の開口端で位相角の差が180°である。すなわち、一方の開口端で気体が上向きに流れているときに、他方の開口端で気体が下向きに流れている(矢印Y21,Y22,Y25,Y26を参照)。つまり、一方の開口端で気体が吐き出されているときに、他方の開口端で気体が吐き出されている状態である。このため、振動子領域114の振動と、開管型気体流路22での共振振動との同期がとれない。
一方、開管型気体流路22の管長さlが振動波長λの2/2倍、4/2倍、・・・、2n/2倍である場合には、両側の開口端で位相角の差が0°である。すなわち、一方の開口端で気体が上向きに流れているときに、他方の開口端で気体が上向きに流れている(矢印Y23,Y24,Y27,Y28を参照)。つまり、一方の開口端で気体が吐き出されているときに、他方の開口端で気体が吸い込まれている状態である。このため、振動子領域114の振動と、開管型気体流路22での共振振動との同期をとることができる。
このため、開管型気体流路22の管長さlは、管の半径を「r」として式(9)で表される。
以下に、共振振動の周波数f(以下、共振振動周波数fという)が14kHz、28kHz、40kHzの場合における開管型気体流路22の管長さlの計算例を表2に示す。
なお、表2における管長さlの値は、式(9)で「n=1」として計算した値である。
[閉管型気体流路内の気体の動き]
このように構成された2次元光走査装置1における開管型気体流路22内の気体の動きを図12を用いて説明する。
振動子領域114は中心軸iを回転軸とする捻り振動をする。このため、振動子領域114の中心軸iを挟んで片側の空間で気体に圧縮力が作用する一方、もう片側の空間では膨張力が作用する。逆の場合も同様である。
まず、振動子領域114が左回転して位相角90°に近づく過程では、振動子領域114の左側は下側に向かい、左側流路の開口端付近の気体は、下側へ移動させられる力を受ける(矢印Y31を参照)。このとき、振動子領域114の右側は上側に向かう。そして右側流路の開口端12a付近の気体は、上側へ移動させられる力を受ける(矢印Y32を参照)。
さらに、振動子領域114が右回転して位相角180°を経て位相角270°に近づく過程では、振動子領域114の左側は上側に向かい、左側流路の開口端付近の気体は、上側へ移動させられる力を受ける(矢印Y33を参照)。このとき、振動子領域114の右側は下側に向かい、右側流路の開口端付近の気体は、下側へ移動させられる力を受ける(矢印Y34を参照)。
これらの力により開管型気体流路22が共振する。そして開管型気体流路22が共振状態になると、閉管型気体流路12内部の気体は大きく振動するようになる。
また、振動子領域114が左回転して位相角90°に近づく過程では、左側の開放端付近の気体は、振動運動に従い下側へ移動する。振動子領域114の左側は下側に向かうが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
このとき、右側の開放端付近の気体は、上側へ移動する。振動子領域114の右側は上側に向うが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
さらに、振動子領域114が右回転して位相角180°を経て位相角270°に近づく過程では、左側の開放端付近の気体は、振動運動に従い上側へ移動する。振動子領域114の左側は上側に向かうが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。このとき、右側の開放端付近の気体は、下側へ移動する。振動子領域114の右側は下側に向うが、下側の気体が同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動子領域114のダンピングを低減することができる。
以上説明した実施形態において、開管型気体流路22は本発明における第1開管型気体流路である。
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態について図面とともに説明する。尚、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態における2次元光走査装置1は、流路形成部4の構成が変更された点以外は第1実施形態と同じである。図13は流路形成部4の斜視図、図14は2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
第3実施形態の流路形成部4は、図13に示すように、板形状の本体部11の内部に、一端32aに開口33aを有するとともに他端32bに開口33bを有する流路32(以下、開管型気体流路32という)が2つ形成されて構成される。以下、一端32aを開口端32a、他端32bを開口端32bともいう。
なお、開管型気体流路32の中間地点には、開管型気体流路32の管軸方向D1に沿って開管型気体流路32の断面積が急に小さくなり、その後に徐々に大きくなるように、開管型気体流路32の内壁から突出するディフューザ部32cが設けられている。
ディフューザ部32cは、開管型気体流路32内の気体の流れ方向により抵抗が異なり、逆止弁的な作用をする。つまり、流路が急に狭くなる部分では、気体の圧力が急に高くなり、流路が除々に広くなる部分では圧力が低くなる。そして、気体は圧力の高いほうから低いほうへ流れるため、流れ方向が一定になり、逆止弁的効果が得られる。なお、初期状態では連続的ではないが、一旦流れ方向が定まると、気体の慣性効果により同じ方向(図14の矢印Y40を参照)に流れるようになる。
そして、2つの開管型気体流路32のそれぞれに設けられているディフューザ部32cは、開口端32bから開口端32aに向かう方向に沿って開管型気体流路32の断面積が徐々に大きくなるように形成される。
また、開管型気体流路32の管長さlは、開口端32aまたは開口端32bから振動子領域114までの距離を「d」として(図14を参照)、式(9)で表される。
l = λ − 2d ・・・(9)
以下に、共振振動の周波数f(以下、共振振動周波数fという)が14kHz、28kHz、40kHzの場合における開管型気体流路32の管長さlの計算例を表3に示す。
[閉管型気体流路内の気体の動き]
このように構成された2次元光走査装置1における開管型気体流路32内の気体の動きを図15を用いて説明する。
振動子領域114の速度は、振動子領域114が水平になったとき、すなわち位相角0°、180°、360°、540°、・・・の時に最も大きくなる。そして、このときに圧力波が発生する。
振動子領域114が共振振動周波数fで振動している場合には、周辺の気体も周波数fの圧力波を発している。したがって、圧力波の速度Vは式(10)で表される。
V = f・λ ・・・(10)
ここで、管長さlは式(9)で表される長さである。このため、振動子領域114の位相角が0°のときに、振動子領域114の左側で発生した圧力波(矢印Y41を参照)が、開管型気体流路22を通過して(矢印Y42,Y43,Y44を参照)、振動子領域114の右側に到達する(矢印Y45を参照)までの移動距離はλである。したがって、その移動に要する時間tは式(11)で表される。
t = λ/V = λ/f・λ = 1/f ・・・(11)
そして、振動子領域114が共振振動周波数fでするときに、位相角が0°から360°になるまでに要する時間は「1/f」である。したがって、位相角が0°のときに発生した圧力波は、位相角が360°のときに振動子領域114の右側に到達する(矢印Y45を参照)。このとき、振動子領域114の右側は上側へ変位しようとしているので、圧力波は、振動子領域114の変位を加勢する方向の力として作用する。
これにより、振動子領域114のダンピングを低減することができる。
なお、ディフューザ部32cの作用により、開管型気体流路32内の気体は一方向に流れ易くなっている。このため、開管型気体流路32内で気体の流れが衝突することなく、一方向の流れができるので、連続的に圧力波が伝わる。
また、2つの開管型気体流路32のそれぞれに設けられているディフューザ部32cにより、圧力波は開口端32bから開口端32aに向かって進行する。このため、振動子領域114の左側が気体に圧力波を与え、振動子領域114の右側が、2つの開管型気体流路32を通過した圧力波による加勢力を受ける。
以上説明した実施形態において、開管型気体流路32は本発明における第2開管型気体流路、ディフューザ部32cは本発明における突出部である。
(第4実施形態)
以下に本発明の第4実施形態について図面とともに説明する。尚、第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第4実施形態における2次元光走査装置1は、流路形成部4の構成が変更された点以外は第1実施形態と同じである。図16は2次元光走査装置1の分解斜視図、図17は2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
第4実施形態の流路形成部4は、図16に示すように、本体部11の上面11aの中央部に、光走査部2の凹部108が嵌るように突出した突起部41が設けられた点以外は第1実施形態と同じである。
このように構成された2次元光走査装置1では、図17に示すように、第1実施形態の2次元光走査装置1と比較して、振動子領域114を開口端12aにより近づけることができる。これにより、開口端12aで、振動子領域114から気体に加振力をより効果的に作用させることができる。さらに、気体から振動子領域114に、ダンピングを低減させる力を、より効果的に作用させることができる。
但し、開口端12aから管軸方向D1に沿って外側へ開口端補正分離れた位置を開口端補正位置として、振動子領域114が振動できる空間SPは、開口端補正位置と重ならないようにする必要がある。なぜならば、気体の共振の腹と振動子領域114とが干渉すると、気体の共振が阻害されるおそれがあるためである。
(第5実施形態)
以下に本発明の第5実施形態について図面とともに説明する。尚、第5実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図21(a)は本発明が適用された第5実施形態の2次元光走査装置1の斜視図、図21(b)は2次元光走査装置1の分解斜視図、図22は図21(a)のA−A断面部を示す斜視図である。
第5実施形態における2次元光走査装置1は、流路形成部4の構成が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
第5実施形態の流路形成部4は、図21(a)に示すように、板形状の本体部11の内部に、ヘルムホルツ共振器として構成された気体共振器71が2つ形成されて構成される。
気体共振器71は、図21(b)に示すように、気体を収容する気体収容容器72と、本体部11の上面11a側から気体収容容器72に向けて気体が流入可能に気体収容容器72に接続された気体流路73とから構成される。
これらのうち気体収容容器72は、図22に示すように、本体部11の下面11b側に凹部72aが半導体プロセスまたは機械加工により形成され、板形状の支持部5の上面5aを銀ペースト等で接着固定することにより形成される。
また気体流路73は、本体部11の上面11a側に形成された開口73aが一端であり、気体収容容器72に接続される開口73bが他端である通路となるように、半導体プロセスまたは機械加工により形成される。
なお気体共振器71は、気体収容容器72の部分と気体流路73の部分とからなる空間により形成されている。このような空間に外部から気体振動が与えられると、気体共振現象が起きることが知られており、「ヘルムホルツ共振」と呼ばれる。これは、オカリナ等の発音原理やオーディオ用スピーカのバスレフとしても知られる容積型気体振動である。すなわち、気体流路73内の気体は管軸方向D2(図24を参照)に沿って一体的に往復振動し、“気体ピストン”的作用をする。そして、この往復運動が、2次元光走査装置1の捩り振動運動と同期している。つまり、気体共振器71は、ヘルムホルツ共振の共振周波数が、2次元光走査装置1の捩じれ振動系の共振周波数に等しくなるように構成されている。
このように構成された2次元光走査装置1における気体共振器71内の気体の動きを図23(a),(b)を用いて説明する。
図23(a)に示すように、中心軸iを回転軸とする捻り振動をする振動子領域114の図中の左端が、図中の左側の気体流路73(以下、左側気体流路73ともいう)の開口73aに近付くとともに、振動子領域114の図中の右端が、図中の右側の気体流路73(以下、右側気体流路73ともいう)の開口73aから遠ざかるときには、左側気体流路73内の気体G1は図中の下側に移動する(矢印Y51を参照)とともに、右側気体流路73内の気体G2は図中の上側に移動する(矢印Y52を参照)。
一方、図23(b)に示すように、振動子領域114の図中の左端が、左側気体流路73の開口73aから遠ざかるとともに、振動子領域114の図中の右端が、右側気体流路73の開口73aに近付くときには、左側気体流路73内の気体G1は図中の上側に移動する(矢印Y53を参照)とともに、右側気体流路73内の気体G2は図中の下側に移動する(矢印Y54を参照)。
次に、ヘルムホルツ共振の共振周波数を2次元光走査装置1の捩じれ振動系の共振周波数に等しくするための設計方法を説明する。図24は2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
気体流路73内の気体をマス、気体収容容器72内の気体をバネとして、気体流路73内の気体が空気ピストンとして作用すると考える。
まず、マスの質量mは、式(12)で近似される。
m = ρ・S(l+δ) ・・・(12)
ここで、ρは気体流路73内の気体の密度、Sは気体流路73の断面積、lは気体流路73の管長さである。またδは、気体流路73の管端近傍の気体の質量をマスの質量mに含めるための開口端補正である。
なお開口端補正δは、2次元光走査装置1について適正な値を実験により決定することが望ましい。しかし開口端補正δは、気体流路73の管半径をrとして、式(13)または式(14)で表される値を採用してもよい。
δ = r ・・・(13)
δ = 1.6r ・・・(14)
式(13)は、例えば、「“オーディオの科学”、スピーカーの低域再生能力−ヘルムホルツ共鳴と過渡歪−、[online]、[平成20年8月25日検索]、インターネット<URL : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm>」に基づいている。
また式(14)は、例えば、「太田光雄著、“基礎 物理音響工学”、朝倉書店、pp215」及び「鈴木昭次 他共著、“機械音響工学”、コロナ社、pp40、式(1.1)」に基づいている。
次に、気体収容容器72内の気体のバネ係数を計算する。
まず、高速の気体の振動では断熱膨張・圧縮が起きていると考える。そして、断熱膨張・圧縮していない状態での気体収容容器72内の気体の圧力、体積をそれぞれP0、V0、断熱圧縮後の気体収容容器72内の気体の圧力、体積をそれぞれP、V、さらに比熱比をγとして、気体の状態方程式は式(15)で表される。
さらに式(15)を変形すると式(16)で表される。
ここで、マスの部分が気体流路73の管軸方向D2に沿って距離x移動したとすると、気体収容容器72内の気体の体積Vは式(17)で表される。
そして式(17)を式(16)に代入すると、気体収容容器72内の気体の圧力Pは式(18)で表される。
ここで、式(19)で表されるマクローリン展開を利用した近似式(式(20)を参照)を用いると、気体収容容器72内の気体の圧力Pは式(21)で表される。
したがって、圧力P0と圧力Pとの差は式(22)で表される。
さらに、式(22)で表される圧力差に気体流路73の断面積Sを掛けることにより、気体収容容器72内のマスを押す力は、式(23)で表される。
ここで、バネに取り付けられた物体が往復運動すなわち単振動しているときに、この物体に作用する力Fは、バネ係数をk、バネが自然長から伸び縮みした長さをy(伸びた場合の符号が正)とすると、フックの法則を用いて式(24)で表される。
F = ―k・y ・・・(24)
したがって、式(23)と式(24)とを比較することにより、気体流路73内の気体をマス、気体収容容器72内の気体をバネとした場合の、気体収容容器72内の気体のバネ係数kは、式(25)で表される。
また、バネ係数kのバネに取り付けられた質量mの物体の単振動の周波数は、式(26)で表される。
したがって、式(12)と式(25)を式(26)に代入することにより、気体共振器71の共振周波数は、式(27)で表される。
さらに、音速vは、式(28)で表される。
なお、式(28)は、例えば、「鈴木昭次 他共著、“機械音響工学”、コロナ社、pp2、式(1.1)」に基づいている。
このため、気体共振器71の共振周波数は、気体流路73の数をn(本実施形態ではn=3)とすると、式(29)で表される。
また、上記の文献「鈴木昭次 他共著、“機械音響工学”」によれば、音速vは、式(30)で表され、近似式では式(31)で表される。
ここで、γは比熱比(空気の場合は1.4)、Rはガス定数(287[J/(kg・K)])、Tは絶対温度、tは摂氏温度(t<50℃)である。
さらに、インターネットの「“フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」”、標準状態、[online]、[平成20年8月25日検索]、インターネット<URL : http://ja.wikipedia.org/wiki/標準状態>」には、「気体の標準状態にはSATP(標準環境温度と圧力、standard ambient temperature and pressure)とSTP(標準温度と圧力、standard temperature and pressure)の2種の定義がある。・・・気体の標準状態としては、現在は主にSATPが使われる。」と記載されている。
さらに、SATPは、「温度 25℃(298.15K)、気圧1bar(105Pa)(100.000kPa) の状態」であることが記載されている。
このため、標準状態での音速は、式(29)を用いて、式(32)で表される。
さらに標準状態での音速は、式(30)を用いて、式(33)で表される。
そこで以下に、音速が346m/sである場合に気体共振器71の共振周波数を14kHzにするための設計計算例を表4に示す。なお表4では、気体流路73の数nを3として計算した結果を示している。また、図21,22に示されている2次元光走査装置1は、表4に記載の寸法に基づいて作製されている。
このように構成された2次元光走査装置1では、振動子領域114の振動により、振動子領域114に対面する開口73aを介して気体流路73の気体を運動させ、加振力を与える。その結果、気体共振器71内でヘルムホルツ共振が発生する。
そして、気体共振器71の共振周波数が2次元光走査装置1の捩じれ振動系の共振周波数に等しい。このため、気体流路73内の気体が、振動子領域114の振動と同期して振動する。
したがって、振動する振動子領域114が気体流路73の開口73aに近づく過程では、開口73aの開口端付近の気体は、気体流路73内の共振振動によって気体流路73内に向かう力を受ける。さらに、振動する振動子領域114が開口73aから遠ざかる過程では、開口73aの開口端付近の気体は、気体流路73内の共振振動によって気体流路73の外側に向かう力を受ける。すなわち、開口73aの開口端付近の気体は、振動子領域114の移動方向と同じ方向に移動しているため、気体への抵抗が小さくなる。
これにより、振動する振動子領域114のダンピングを低減することができる。このため、高い共振周波数かつ大きい振幅(大きい走査角度)で大きい振動子領域114を振動させることが可能になる。また、気体共振器71を形成することによりダンピングを低減しているため、2次元光走査装置1を密閉する必要がなく、かつ構造の複雑化を回避できる。
以上説明した実施形態において、気体流路73は本発明における第3開管型気体流路である。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば、流路形成部4に形成する閉管型気体流路12、開管型気体流路22、及び開管型気体流路32は、必要な共振周波数に合わせて、長さを設計し、設計上許される体積内に収まるよう形状を設計すればよい。例えば、流路形成部4の本体部11に閉管型気体流路を形成する場合には、閉管型気体流路12の形状に限定されず、図18(a)〜(d)に示すように、閉管型気体流路51,52,53,54の形状にしてもよい。また図18(a)〜(c)に示すように、本体部11よりも厚さが大きい本体部60の場合には、本体部60の厚さ方向に流路を形成するようにしてもよい(閉管型気体流路61,62,63を参照)。
また上記実施形態においては、2つの閉管型気体流路12、開管型気体流路22、及び開管型気体流路32を流路形成部4に設けたものを示したが、1つのみ設けるようにしてもよいし、3つ以上設けるようにしてもよい。
また上記第3実施形態においては、2つの開管型気体流路32に設けられているディフューザ部32cは、開口端32bから開口端32aに向かって気体が流れるように形成されたものを示した。しかし、2つの開管型気体流路32のうち一方の開管型気体流路32については、ディフューザ部32cの代わりに、図20に示すように、開口端32aから開口端32bに向かって気体が流れるようするために、開口端32aから開口端32bに向かう方向に沿って開管型気体流路32の断面積が急に小さくなり、その後に徐々に大きくなるように、開管型気体流路32の内壁から突出するディフューザ部32dを設けるようにしてもよい。これにより、振動子領域114の片側の半分が、気体に圧力波を与えるとともに、振動子領域114のもう片側の半分からの圧力波による加勢力を受けるようにすることができる。
また上記第3実施形態においては、2つの開管型気体流路32にディフューザ部32cを設けたものを示したが、ディフューザ部を設けないようにしてもよい。この場合には、気体の流れ方向は一意に決定されない。しかし、何らかのきっかけで、一方向に気体が流れ始めると、流体の慣性効果により、その方向の連続的な流れが持続する。即ち、ディフューザ部がなくても、圧力波による加勢効果を振動子領域114に与えることができる。しかし、ディフューザ部を設けたほうが、ディフューザ部のダイオード的作用により安定した流路内の流れを持続することができる。
また上記第5実施形態においては、光走査部2の中心軸iを挟んだ両側のそれぞれについて3つの開口73aが設けられた気体共振器71を示したが、開口73aを2つ以下設けるようにしてもよいし、4つ以上設けるようにしてもよい。
第1実施形態の2次元光走査装置1の斜視図及び分解斜視図である。 光走査部2の構成を示す平面図である。 光走査部2の領域R1,R2の拡大図である。 第1実施形態の流路形成部4の斜視図である。 図1(a)のA−A断面部を示す斜視図である。 第1実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。 閉管型気体流路12内での共振振動を説明する図である。 閉管型気体流路12内の気体の動きを説明する図である。 第2実施形態の流路形成部4の斜視図である。 第2実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。 開管型気体流路22内での共振振動を説明する図である。 開管型気体流路22内の気体の動きを説明する図である。 第3実施形態の流路形成部4の斜視図である。 第3実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。 開管型気体流路32内の気体の動きを説明する図である。 第4実施形態の2次元光走査装置1の分解斜視図である。 第4実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。 閉管型気体流路51,52,53,54の斜視図である。 閉管型気体流路61,62,63の斜視図である。 別の実施形態の流路形成部4の斜視図である。 第5実施形態の2次元光走査装置1の斜視図及び分解斜視図である。 図21(a)のA−A断面部を示す斜視図である。 気体共振器71内での共振振動を説明する図である。 第5実施形態の2次元光走査装置1の断面を模式的に示した図である。
符号の説明
1…2次元光走査装置、2…光走査部、3…ダンピング低減部、4…流路形成部、5…支持部、11…本体部、12…閉管型気体流路、13…開口、14…溝、15…傾斜部、22…開管型気体流路、23a,23b…開口、32…開管型気体流路、32c,32d…ディフューザ部、33a,33b…開口、41…突起部、51,52,53,54…閉管型気体流路、60…本体部、61,62,63…閉管型気体流路、71…気体共振器、72…気体収容容器、73…気体流路、73a,73b…開口、101…第0フレーム、102…第1フレーム、103…第2フレーム、104…第3フレーム、105…第1捻りバネ、106…第2捻りバネ、107…第3捻りバネ、108…凹部、109,110,111,112…櫛歯部、114…振動子領域

Claims (11)

  1. 光を反射させる反射面を有する第1剛体部材と、
    前記第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、
    前記第1剛体部材と前記第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第1剛体部材を捩じり振動させる弾性変形部材とを備え、
    前記第1剛体部材及び前記弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する光走査装置であって、
    一端に前記第1剛体部材に対面する開口を有するとともに他端が閉口されて、内部に気体が流れる流路である閉管型気体流路を備え、
    前記閉管型気体流路の長さは、
    前記捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の4分の1の奇数倍の長さに、前記閉管型気体流路の開口端補正を施した長さである
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記閉管型気体流路を2つ備え、
    この2つの前記閉管型気体流路の開口端は、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 光を反射させる反射面を有する第1剛体部材と、
    前記第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、
    前記第1剛体部材と前記第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第1剛体部材を捩じり振動させる弾性変形部材とを備え、
    前記第1剛体部材及び前記弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する光走査装置であって、
    前記第1剛体部材に対面する開口を両端に有し、内部に気体が流れる流路である第1開管型気体流路を備え、
    前記第1開管型気体流路の両端は、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置され、
    前記第1開管型気体流路の長さは、
    前記捩じれ振動系の共振周波数と等しい周波数で気体が振動するときの波長の整数倍の長さに、前記第1開管型気体流路の開口端補正を施した長さである
    ことを特徴とする光走査装置。
  4. 前記第1開管型気体流路を2つ備えることを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 光を反射させる反射面を有する第1剛体部材と、
    前記第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、
    前記第1剛体部材と前記第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第1剛体部材を捩じり振動させる弾性変形部材とを備え、
    前記第1剛体部材及び前記弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する光走査装置であって、
    前記第1剛体部材に対面する開口を両端に有し、内部に気体が流れる流路である第2開管型気体流路を備え、
    前記第2開管型気体流路の両端は、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで両側に配置され、
    前記第2開管型気体流路の長さは、
    前記捩じれ振動系の共振周波数で気体が振動するときの波長と等しい長さに、前記第2開管型気体流路の開口から前記捩じれ振動系までの距離の2倍の長さを減算した長さである
    ことを特徴とする光走査装置。
  6. 前記第2開管型気体流路の長さ方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が急に小さくなり、その後に徐々に大きくなるように、前記第2開管型気体流路の内壁から突出する突出部を備えることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
  7. 前記第2開管型気体流路を2つ備えることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記第2開管型気体流路の両端の開口のうち、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで一方の側に配置された開口を一端側開口、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで他方の側に配置された開口を他端側開口とし、
    2つの前記第2開管型気体流路のそれぞれに備えられた前記突出部は、
    前記一端側開口から前記他端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  9. 前記第2開管型気体流路の両端の開口のうち、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで一方の側に配置された開口を一端側開口、前記捩じれ振動系の捻じり軸を挟んで他方の側に配置された開口を他端側開口とし、
    2つの前記第2開管型気体流路のうち、
    一方の前記第2開管型気体流路に備えられた前記突出部は、
    前記一端側開口から前記他端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出し、
    他方の前記第2開管型気体流路に備えられた前記突出部は、
    前記他端側開口から前記一端側開口に向かう方向に沿って当該第2開管型気体流路の断面積が徐々に大きくなるように突出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  10. 光を反射させる反射面を有する第1剛体部材と、
    前記第1剛体部材に対して所定の隙間を介して設けられた第0剛体部材と、
    前記第1剛体部材と前記第0剛体部材とを連結させるとともに、回転トルクが作用するときに捩じれ、この捩じれの回転角に応じた大きさで前記捩じれの方向とは逆の方向に回転トルクが発生する弾性体から構成され、前記第1剛体部材を捩じり振動させる弾性変形部材とを備え、
    前記第1剛体部材及び前記弾性変形部材が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する捩じれ振動系を構成する光走査装置であって、
    内部に気体を収容可能な容器である気体収容容器と、
    前記第1剛体部材に対面する開口を一端に有するとともに、前記気体収容容器に接続された開口を他端に有し、内部に気体が流れる流路である第3開管型気体流路と
    を有し、ヘルムホルツ共振器として構成された気体共振器を備え、
    前記気体共振器の共振周波数は、前記捩じれ振動系の共振周波数に等しい
    ことを特徴とする光走査装置。
  11. 前記捩じれ振動系の共振周波数をf、前記第3開管型気体流路の長さをl、前記第3開管型気体流路の断面積をS、前記気体収容容器の体積をV0、音速をv、円周率をπ、前記第3開管型気体流路の開口端補正の値をδとして、
    前記第3開管型気体流路の長さ、前記第3開管型気体流路の断面積、及び前記気体収容容器の体積は、下式(1)を満たす値である
    ことを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。
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