JP5049653B2 - 薄葉紙処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、薄葉紙処理剤に関する。
トイレットペーパーやティッシュ等の薄葉紙においては、よりソフトな使用感が求められる。薄葉紙にソフトな使用感を与える方法として、抄紙した薄葉紙の表面に、風合いを向上する処理剤を塗布等することが試みられている。例えば、グリセリンや糖類等の親水成分を薄葉紙に塗布することにより、毛羽立ちを抑制する手法が広く知られている。しかし、グリセリンや糖類などの親水成分の塗布による方法は、しっとり感ややわらかさが付与されザラツキ感は軽減されるものの、べたつき感が強まってしまうという欠点が生じる。
そこで、前記親水成分に、パラフィン等の鉱物油(特許文献1)や、動植物油(特許文献2)、ラノリンやひまし油のアルキレンオキシド付加物(特許文献3)等の親油性化合物を併用した薄葉紙処理剤を用いることにより、薄葉紙に滑らかさを付与して、べたつき感を抑える方法が提案されている。
さらに、両性界面活性剤やアミン化合物等の第三成分を併用した薄葉紙処理剤を用いて薄葉紙を処理することにより、滑らかさ、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)をより向上させる方法も提案されている(特許文献4)。
また、柔軟化剤として生分解性の分子内にエステル結合を有する第4級アンモニウム塩を、保湿剤としてグリセリン等の多価アルコール化合物を使用することで、薄葉紙に柔軟性、吸水性を付与することができる薄葉紙処理剤が提案されている(特許文献5)。
特開平5−156596号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平7−82662号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006−118089号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平9−296389号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特表平8−511069号公報(特許請求の範囲、実施例等)
しかしながら、これらの従来提案されている薄葉紙処理剤においても、滑らかさ、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)の改善効果は十分とはいえない。
また、親油性化合物や界面活性剤を配合した薄葉紙処理剤においては、保存安定性(液安定性)に問題がある。
通常、薄葉紙処理剤は製造後に保存、輸送等されるため、薄葉紙処理剤を製造してから薄葉紙に塗布するまでの間にはタイムラグが生ずる。すなわち、薄葉紙処理剤の製造場所から塗布作業を行う工場への移送や倉庫での保管の期間や、その際の温度条件を考慮した液安定性の向上は重要な課題である。特に、比重が軽く親油性の極めて高い親油性化合物を含む薄葉紙処理剤においては、薄葉紙処理剤中に親油性化合物を均一に溶解、または分散した液の状態を安定して維持することが難しい。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、滑らかさ、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)が良好な薄葉紙が得られ、かつ液安定性が良好な薄葉紙処理剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の薄葉紙処理剤は、下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有し、(A)/(B)で表される前記(A)成分と(B)成分の質量比が0.1〜19.0であり、かつ(C)成分が、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計のうち55〜99質量%であることを特徴とする。
(A)エステル結合を有する第4級アンモニウム塩、(B)炭素数8以上22以下の脂肪酸と、ポリエチレンオキシド付加ソルビタンのエステル、(C)多価アルコール。
さらに、水を0.5〜50質量%含有することが好ましい。
本発明の薄葉紙処理剤は、ささらに、グリセリンのアルキレンオキシド付加物、及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物(D)を含有することが好ましい。
また、本発明の薄葉紙処理剤は、さらに、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸と脂肪族アルコールのエステル、及びパラフィンからなる群から選ばれる1種以上の油性成分(E)を含有することが好ましい。
本発明の薄葉紙処理剤は液安定性が良好であり、かつ薄葉紙に適用すると、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)が良好な薄葉紙が得られる。
「(A)成分」
(A)成分は、分子内にエステル結合を有する第4級アンモニウム塩(以下、エステル型第4級アンモニウム塩ということもある。)であり、具体的には下記一般式(I)で表されるトリエステル型第4級アンモニウム塩((a−1)成分)、一般式(II)で表されるジエステル型第4級アンモニウム塩((a−2)成分)、及び、一般式(III)で表されるモノエステル型第4級アンモニウム塩((a−3)成分)の混合物である。該混合物中における(a−1)、(a−2)(a−3)の各成分の割合は、後述のエステル型第4級アンモニウム塩の合成過程における長鎖脂肪酸類とトリアルカノールアミンの縮合反応における長鎖脂肪酸類のトリアルカノールアミンに対する反応モル比(長鎖脂肪酸類/トリアルカノールアミン)によって変化する。
Figure 0005049653
一般式(I)〜(III)中、R〜R及びR〜Rは、それぞれ炭素数9〜23、好ましくは13〜19のアルキル又はアルケニル基である。9以上であることにより、薄葉紙に適用したときにソフトな風合いを付与でき、23以下であることにより、液安定性の高い薄葉紙処理剤とすることができる。
また、(a−1)〜(a−3)の各成分の分子内におけるR〜R及びR〜Rは原料の長鎖脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基に相当する部分である。(A)成分中に存在する該「長鎖脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基」の合計のうちの50質量%以上が、炭素数17以上であることが風合い付与の観点から望ましい。該炭素数17以上の「長鎖脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基」の占める割合は65質量%以上がより好ましく、75質量%以上が特に好ましい。
一分子中に存在するR〜Rまたは一分子中に存在するR〜Rはそれぞれ、飽和高級脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基(以下、飽和残基ということもある。)または不飽和高級脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基(以下、不飽和残基ということもある。)のいずれか一方のみであってもよく、両者が併存していてもよい。(A)成分中に存在する「長鎖脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基」のうち該飽和残基/不飽和残基の比率は、質量比で10/0〜1/9の範囲内であるのが望ましく、風合い付与の観点からは好ましくは10/0〜3/7、特に好ましくは10/0〜5/5である。不飽和残基が存在する場合、その立体異性体構造がシス体またはトランス体のいずれか一方のみであってもよく、あるいは両者が併存していてもよく特に限定はない。しかし、合成効率を鑑みた経済性の観点からは、不飽和残基におけるシス体/トランス体の比率は、質量比で25/75〜100/0の範囲内であるのが望ましい。
一般式(I)〜(III)中、R4は、炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
一般式(I)〜(III)中、pは2〜4の整数であり、好ましくは2または3であって、特に2が好ましい。pが3の場合、−C2p−で表される基は、イソプロピレン基が望ましい。
一般式(I)〜(III)中、nは2〜4の整数であり、好ましくは2である。また、mは0〜3の整数であり、好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。一分子中の各n、m及びpは、それぞれ互いに同一であってもよく、あるいは相互に異なっていてもよい。
はアニオンを示し、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンイオンやメチル硫酸、エチル硫酸等のアルキル硫酸イオン、メチル炭酸イオンが好ましく、塩素イオン、臭素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンがより好ましく、さらにはメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンが好ましい。特にメチル硫酸イオンが、設備の腐食性など、実用上の観点から好ましい。
前記エステル型第4級アンモニウム塩は、例えば長鎖脂肪酸類(長鎖脂肪酸またはその低級アルコールエステル)とトリアルカノールアミンを縮合反応後、得られたエステルアミンをジアルキル硫酸などの4級化剤により4級化することにより得ることができる。長鎖脂肪酸類とトリアルカノールアミンの縮合反応においては、長鎖脂肪酸類のトリアルカノールアミンに対する反応モル比(長鎖脂肪酸類/トリアルカノールアミン)は1.3〜2.2の範囲が好ましく、1.5〜2.0が更に好ましい。必要に応じて、互いに異なる反応モル比で前記縮合反応を行って得られる複数種の組成物を混合して使用してもよい。該長鎖脂肪酸類のトリアルカノールアミンに対する反応モル比を1.3以上で行うと、エステル化における未反応のトリアルカノールアミンの量を低減できる。逆に2.2以下ではトリエステル型第4級アンモニウム塩の生成量を抑制でき、風合い及び安定性の観点で好ましい。
エステル型第4級アンモニウム塩の合成に使用できる長鎖脂肪酸類は、具体的にはオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和高級脂肪酸;ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和高級脂肪酸;及びこれらの低級アルコールエステルである。特に牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油などの天然油脂を分解、精製して得られる脂肪酸などに代表される動植物油由来の脂肪酸、若しくはそのメチルエステルが好ましい。前記長鎖脂肪酸類は油脂の分解前又は分解後に水添を行ったものでもよい。
また、トリアルカノールアミンとしては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好ましく、これらは、単独でも組み合わせて用いてもよい。これらのうちトリエタノールアミンが更に好ましい。
なお、アンモニアにアルキレンオキシドを付加してトリアルカノールアミンを合成する際に、アルキレンオキシド−(C2nO)−が付加した付加体が生成する。該付加体を除去したトリアルカノールアミンを用いると、前記一般式(I)〜(III)におけるmが全て0となり、該付加体を除去せずに用いると該mが1以上のものが得られる。
4級化反応は、無溶媒、もしくはエタノールなどの溶媒存在下の何れで行ってもよい。無溶媒で反応を行った場合は、反応後、溶媒を添加してもよい。4級化剤としては、塩化メチルなどのハロゲン化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などのジアルキル硫酸が好ましく、更には塩化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸が好ましく、反応性が高い点でジメチル硫酸、ジエチル硫酸が特に好ましい。エステルアミンに対する4級化剤のモル比(4級化剤/エステルアミン)は、0.90〜1.5が好ましく、0.95〜1.1が更に好ましいが、ジアルキル硫酸を使用する場合は安全性の観点から0.90〜1.0が好ましく、0.94〜0.99が更に好ましい。4級化反応の温度は40℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
(A)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
「(B)成分」
(B)成分は、炭素数8以上22以下の脂肪酸と、ポリエチレンオキシド付加ソルビタンのエステルである。脂肪酸とポリオキシエチレン付加ソルビタンのエステルの構造は、一般式(IV)で表され、別名ツィーン類、或いはポリソルベート類として知られる。
一般式(IV)中のRは、炭素数8以上22以下の脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基に相当し、炭素数7〜21のアルキル又はアルケニル基である。Rの炭素数が7より小さいと、目的とする風合い向上効果が得られず、液の安定性も低下する。Rの炭素数が21より大きいと、やはり目的とする風合い向上効果が得られず、液の安定性も低下する。風合い向上効果と、液の安定性の観点から、Rの炭素数は11〜19が好ましく、11〜17がより好ましい。Rは具体的には、例えばオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和高級脂肪酸に由来する残基、あるいはステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和高級脂肪酸に由来する残基が好ましい。
一般式(IV)中のa、b、cはオキシエチレンの付加モル数を表す。一分子におけるa〜cの合計は5〜100であり、下限以上とすることにより(A)成分との併用によるゲル化、増粘効果が得られ、上限以下とすることにより過度な増粘による紙への塗布加工工程などにおけるハンドリング性の悪化を防ぐことができる。該a〜cの合計は、より良好な増粘効果が得られる点で、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜30である。
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
Figure 0005049653
(A)成分と(B)成分の配合量の質量比((A)成分/(B)成分)を、0.1〜19.0の範囲内とすることで、エステル型第4級アンモニウム塩と脂肪酸のポリオキシエチレン付加ソルビタンエステルの併用効果によるゲル化、増粘が起こり、ぬめり感、しっとり感といった目的とする風合い向上効果が得られ、さらに液安定性が良好なものとなる。前記(A)成分と(B)成分の配合比は、0.2〜10.0であることが両者の併用効果がより高くなる点で好ましく、0.4〜4.0とすることが特に好ましい。
「(C)成分」
(C)成分は多価アルコールである。(C)成分は親水性成分であり、主として基剤として機能する。また、(C)成分を配合することにより、薄葉紙の風合いも向上する。
(C)成分は、2価以上のアルコールであれば特に限定することなく用いることができる。中でも2〜3価のアルコールが好ましく、特に3価のアルコールが好ましい。また、炭素数は、適度な親水性の確保によって保水力が向上し、風合いも向上することから、2〜10であることが好ましい。
具体的には、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられ、中でもグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが好ましく、特にグリセリンが好ましい。
(C)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
特に液安定性の点から、グリセリンと他の多価アルコールを併用すると好ましい。該他の多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2価のアルコール、またはソルビトールが好ましい。
併用する場合、グリセリンの配合量は、(C)成分中、40質量%以上であることが好ましく、特に60質量%以上であることが好ましい。40質量%以上にすることにより、薄葉紙の保湿性が向上し、しっとり感と柔らかさが向上する。
(C)成分の配合量は、(A)、(B)および(C)成分の合計のうち55〜99質量%が好ましく、65〜99質量%がより好ましく、70〜99質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上とすることにより保湿性が向上し、しっとり感が向上する点で風合いが向上する。上限値以下であることにより、相対的に(A)成分、(B)成分の好ましい含有量を確保でき、柔軟性や滑らかさが向上する点で風合いが向上する。
また、薄葉紙処理剤中の(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計の配合量は、好ましくは50〜99.5質量%であり、より好ましくは70〜99質量%であり、さらに好ましくは85〜98質量%である。上記範囲の下限値以上であると、本発明の効果を充分に発揮することができる。上限値以下であると、(A)〜(C)成分以外に水を含有させて液安定性が向上させることができるほか、後述の(D)、(E)成分の配合量も確保できる。
「(D)成分」
(D)成分は、グリセリンのアルキレンオキシド付加物(D1)、及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物(D2)からなる群から選ばれる1種以上の化合物である。
(D)成分は、多価アルコール(C)中における(A)成分と(B)成分によるゲルの形成を促進し、更に保湿力が向上して、しっとり感及びぬめり感をより向上させる効果を有する。
(D2)成分は、グリセリンの2分子以上の縮合体(ポリグリセリン)にアルキレンオキシドが付加した化合物である。該ポリグリセリンにおける重合度(縮合体の1分子を構成しているグリセリンの分子数)は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。
(D1)成分および(D2)成分におけるアルキレンオキシドの付加モル数は、グリセリンまたはポリグリセリンの1モルに対して10〜100が好ましく、30〜80がより好ましい。
具体的には、グリセリン、またはジグリセリン、トリグリセリンなどのポリグリセリンに対し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを単独或いは、混合(ブロック、ランダム)付加したものが挙げられる。付加するアルキレンオキシドは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム、或いはブロック共重合物であることが、風合い向上効果がより高くなるため好ましい。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合比(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)がモル数基準で5/95〜95/5の範囲内であるものが、風合い向上効果がより高くなる点で好ましく、10/90〜90/10の範囲内であるものが更に好ましい。
(D)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(D)成分の配合量は、(A)、(B)および(C)成分の合計に対して0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上とすることにより、目的とする風合い向上効果を得ることができ、上限値以下とすることにより過度なゲル形成を防ぎ、良好なハンドリング性を得ることができる。また、該上限値よりも多く配合してもそれ以上の添加に見合う風合い向上効果は得ることができない。
「(E)成分」
(E)成分は、油性成分である。
本発明の薄葉紙処理剤は、さらに脂肪酸(E1)、脂肪族アルコール(E2)、脂肪酸と脂肪族アルコールのエステル(E3)、及びパラフィン(E4)からなる群から選ばれる1種以上の油性成分(E)を含有することが好ましい。(E)成分は、滑らかさを向上する。また、紙への塗布加工工程での泡立ち抑制にも効果がある。
脂肪酸(E1)は、炭素数8〜20の脂肪酸が好ましく、炭素数16〜18の脂肪酸がより好ましい。具体例としてはイソステアリン酸、ステアリン酸が挙げられる。
脂肪族アルコール(E2)は、炭素数8〜20の直鎖又は分岐の高級アルコールが好ましく、炭素数16〜18の直鎖又は分岐の高級アルコールがより好ましい。具体例としてはイソステアリルアルコール、オレイルアルコールが挙げられる。
脂肪酸と脂肪族アルコールのエステル(E3)は、炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数1〜5の脂肪族アルコールのエステルが好ましく、具体例としてはオレイン酸メチルやステアリン酸メチルが挙げられる。
パラフィン(E4)は平均分子量で200〜800の流動パラフィンが好ましく、より好ましくは250〜450で、具体例としてはモレスコホワイト55、200(松村石油製)などが挙げられる。
(E)成分として、上記のうちでも炭素数16〜18の高級アルコールまたは炭素数16〜18の脂肪酸が好ましく、特にイソステアリルアルコール、オレイルアルコール、またはイソステアリン酸が好ましい。
(E)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(E)成分の配合量は(A)、(B)および(C)成分の合計に対して0.01〜11質量%が好ましく、0.02〜8質量%がより好ましく、0.1〜6質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上とすることにより、目的とする風合い向上効果と泡立ち抑制効果を得ることができ、上限値以下とすることにより(C)成分の多価アルコールの配合量とのバランスが良くなり、(C)成分と相溶性に乏しい(E)成分を配合しても液安定性を維持できる。また、該上限値よりも多く配合してもそれ以上の添加に見合う風合い向上効果は得ることができない。
「水」
本発明の薄葉紙処理剤においては、水を配合することが好ましい。水を配合することにより、さらに液安定性が向上する。
水は、例えばイオン交換水を使用することが望ましい。
水の配合量は、薄葉紙処理剤中、下限値については0.5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上である。上限値については、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。下限値以上であることにより液安定性が向上し、上限値以下であることにより、塗布工程において、泡立ちが生じて塗布直後の薄葉紙にシワが生じる現象を抑制することができる。
「任意成分」
また、薄葉紙処理剤には、その他任意成分を配合することができる。
例えば、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。特に本発明の組成物は、界面活性剤成分を含有しているため、加工時に泡立ちやすい。そこで、消泡剤を使用することが好ましい。
消泡剤としては、ポリシロキサン、無機フィラー複合コンパウンド型シリコーンまたはそれらのエマルション、POE(ポリオキシエチレン)変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エタノール、高級アルコールにPOE(ポリオキシエチレン)および/またはPOP(ポリオキシプロピレン)を付加した付加体等が使用できる。このうちポリシロキサンは、ジメチルシリコーン、ヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーンこれらのポリシロキサンはそのまま用いてもよいが、水を用いてエマルション化したものが好適に用いられる。
防腐剤としては、例えば安息香酸塩、メチルパラベン、エチルパラベン等のオキシ安息香酸系防腐剤;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジンに代表される有機窒素系防腐剤;1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等に代表される有機窒素硫黄系防腐剤;1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、ビストリブロモメチルスルホンに代表されるような有機ブロム系防腐剤;4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンで代表されるような有機硫黄系防腐剤等が挙げられる。
防腐剤の配合量は、薄葉紙処理剤中、好ましくは0.005〜2質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
その他の任意成分としては、果糖、ブドウ糖、オリゴ糖等の糖類;ビタミンC、ビタミンE等の抗酸化剤;香料;消臭剤;色素;エキス類等が挙げられる。
薄葉紙処理剤は、各配合成分を均一に混合することにより、得ることができる。
薄葉紙処理剤は、20℃におけるpHが2〜9の範囲であることが好ましく、3〜8の範囲がより好ましい。そのために、必要に応じて適当なpH調整剤(例えば水酸化ナトリウム、硫酸等)を添加することができる。pHが上記の範囲であると液安定性が向上する。また、肌に対してよりやさしく低刺激性になり好ましい。
薄葉紙処理剤は薄葉紙に適用される。例えば、本発明の薄葉紙処理剤を薄葉紙に塗布することにより、風合い等の良好な薄葉紙が得られる。
処理対象の薄葉紙としては、特に限定はなく、従来公知の抄紙法で得られた紙を用いることができる。
薄葉紙に薄葉紙処理剤を塗布する方法は、従来公知の方法、例えば、ロール転写法、スプレー塗布法等の任意の方法を採用できる。
薄葉紙処理剤の塗布量としては、水を除いた有効成分換算質量で、薄葉紙の乾燥質量に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。下限値以上にすることにより、風合いが向上する。上限値以下にすることにより、シワ等が生じて薄葉紙の外観を損なう傾向を抑制でき、また、経済的にも有利である。
本発明の薄葉紙処理剤を用いることにより、ぬめり感、滑らかさ、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)が良好な薄葉紙が得られる。また本発明の薄葉紙処理剤は液安定性が良好である。
本発明における作用機序については明確ではないが、(A)成分のエステル型第4級アンモニウム塩が薄葉紙の繊維表面に吸着し、疎水化することにより柔軟性や滑らかさが発現すると考えられる。また、(A)成分のエステル型第4級アンモニウム塩と(B)成分の脂肪酸のポリオキシエチレン付加ソルビタンエステルが(C)成分の多価アルコール中でゲル状の会合体を形成し、薄葉紙を指で触った際に、ゲルが崩れる感触がぬめり感やなめらかさを生じるとともに、会合体に閉じ込められた水分が放出されることでしっとり感が得られると考えられる。また、かかるゲル状態を形成することで液安定性が向上し、保存中の液分離が抑えられる。このゲル状態の形成は薄葉紙処理剤の粘度の上昇によって把握することができる。
このように、本発明によれば、滑らかさ、しっとり感、柔らかさ等の肌触り(風合い)が良好な薄葉紙が得られ、かつ液安定性が良好な薄葉紙処理剤を提供することができる。
本発明の薄葉紙処理剤は、家庭で使用される家庭用薄葉紙の処理に適している。
本発明の薄葉紙処理剤は、例えばパーソナルケア用途及び家庭用品クリーニングに好適な拭き取り製品、ティッシュ等の紙製品(薄葉紙)などに利用することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、配合組成の単位は、質量%(合計100質量%)である。
<合成例1:エステル型第4級アンモニウム塩(A−1)の合成>
−エステルアミンの調製−
長鎖脂肪酸類としてのパーム油脂肪酸740g(2.7モル)と、トリエタノールアミン250g(1.7モル)とを、攪拌器、分縮器、冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた2Lの4つ口フラスコに仕込んだ。次に、窒素を0.4L/minの速度で流入させて、副生する水を系外に留出させながら、1.5℃/minの速度で190℃まで昇温してから10時間反応させた後、反応を停止させた。以上により中間体であるエステルアミン(アルカノールアミンエステル)を調製した。
−エステル型第4級アンモニウム塩の製造−
前記調製したエステルアミン300g(0.53モル)を、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコに仕込み、窒素置換した。その後、90℃に加熱し、4級化剤としてのジメチル硫酸63.6g(0.51モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更にそのままの状態で1時間攪拌した。次いで、約65gのエタノールを滴下しながら冷却し、固形分85質量%のエタノール溶液を調製した。以上によりエステル型第4級アンモニウム塩(A−1)を製造した。
<合成例2:エステル型第4級アンモニウム塩(A−2)の合成>
−エステルアルカノールアミンエステルの調製−
パーム油由来の脂肪酸メチルエステル混合物(ライオンオレオケミカル社製、パステルM180、パステルM181、パステルM16の混合物)788g(2.7モル)と、トリエタノールアミン250g(1.7モル)とを、アルカリ触媒として48質量%NaOH水溶液2.2gを用いて、攪拌器、分縮器、冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた2Lの4つ口フラスコに仕込んだ。次に、窒素を0.4L/minの速度で流入させて、副生するメタノールを系外に留出させながら、1.5℃/minの速度で190℃まで昇温してから6時間反応させた後、反応を停止させた。以上により中間体であるエステルアミンを調製した。
−エステル型第4級アンモニウム塩の製造−
前記調製したエステルアミン300g(0.52モル)を、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた1Lのセパラブルフラスコに仕込み、窒素置換した。その後、90℃に加熱し、4級化剤としてのジメチル硫酸64.0g(0.51モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更にそのままの状態で1時間攪拌した。次いで、約65gのエタノールを滴下しながら冷却し、固形分85質量%のエタノール溶液を調製した。以上によりエステル型第4級アンモニウム塩(A−2)を製造した。
合成例1,2で合成したエステル型第4級アンモニウム塩の性状を表1に示した。分析方法は以下の通りである。
<エステル型第4級アンモニウム塩におけるモノ、ジ、トリエステル組成比の測定>
前記中間体として得られたエステルアミンをイソプロパノール約10mLに希釈し、適度に加温して前記エステルアミンを完全に溶解させた。これを測定試料とし、以下の分析条件で液体クロマトグラフィにて分析し、モノ、ジ、トリ脂肪酸エステルの面積比から組成比を測定した。結果を表1に示す。表1において、組成比の測定結果は、トリエステル型第4級アンモニウム塩(a−1)、ジエステル型第4級アンモニウム塩(a−2)、及びモノエステル型第4級アンモニウム塩(a−3)の総質量を100質量%として、それぞれの割合を質量%で表す。
−分析条件−
カラム:Nucleosil 5SB 4.6φ×250mm、溶離液:0.3%−過塩素酸ナトリウム/0.175%モノクロロ酢酸−メタノール溶液、流速:1.0mL/min、検出器:RI(示差屈折計)、試料注入量:100μL。
<アルキル分布の測定>
エステル型第4級アンモニウム塩のアルキル分布は、エステルアミンの原料として用いた長鎖脂肪酸類(合成例1では脂肪酸、合成例2では脂肪酸メチルエステル混合物)をイソプロパノールに溶解して約1%のサンプルを調製し、以下の分析条件でガスクロマトグラフフィーにて分析し、その面積比から求めた。なお、脂肪酸の測定の際にはシリル化剤BSTFAによりシリル化した後にイソプロパノールに溶解し、脂肪酸メチルエステルはそのままイソプロパノールに溶解してサンプルとした。
結果を表1に示す。表1において、アルキル分布の測定結果は、長鎖脂肪酸類の総質量を100質量%とし、そのうち「長鎖脂肪酸からカルボキシ基を除いた残基」の炭素数が15である長鎖脂肪酸類(C15)、該炭素数が17で該残基中の不飽和結合が0個である長鎖脂肪酸類(C17F0)、該炭素数が17で前記不飽和結合が1個である長鎖脂肪酸類(C17F1)、該炭素数が17で前記不飽和結合が2個である長鎖脂肪酸類(C17F1)、および該炭素数が19である長鎖脂肪酸類の、それぞれの割合を質量%で示す。
−分析条件−
機種:Hitachi FID ガスクロG-3000、カラム:GLサイエンス TC-70(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)。
温度:カラム150℃から230℃まで昇温、昇温速度10℃/min、インジェクター及びディテクター240℃、カラム圧力:1.0kgf/cm
Figure 0005049653
<合成例3:グリセリンアルキレンオキシド付加体(D)の合成>
グリセリン22gに対し所定量のプロピレンオキシド(PO)285gと水酸化カリウム触媒2gを加えて加圧付加し、分子量1300の中間体を得た。次に、PO552gとエチレンオキシド(EO)140gを、最終的にグリセリン1モルに対する付加モル数が合計74モルで、付加したEO/POの比が13/60となるようにランダム付加した。最後に、ケイ酸塩(商品名:キョーワード600、協和化学製)1gを用いてカリウム分を除去した後、減圧脱水して「グリセリンEO/PO(13/60)付加体」を得た。
[実施例および比較例]
以下の実施例および比較例では、合成例1,2で得たエステル型第4級アンモニウム塩(A−1)、(A−2)、合成例3で得たグリセリンEO/PO(13/60)付加体、および下記の化合物を用いた。
・モノラウリン酸ポリオキシエチレン(EO20)ソルビタン:商品名LT221、日本油脂製。
・モノラウリン酸ポリオキシエチレン(EO10)ソルビタン:商品名ノニオンLT210、日本油脂製。
・モノラウリン酸ポリオキシエチレン(EO80)ソルビタン:商品名ノニオンLT280、日本油脂製。
・モノオレイン酸ポリオキシエチレン(EO20)ソルビタン:商品名ノニオンOT220、日本油脂製。
・モノステアリン酸ポリオキシエチレン(EO20)ソルビタン:商品名ノニオンST220、日本油脂製。
・グリセリン:ライオン製、食品添加用グリセリン、25℃における粘度420mPa・s。
・ソルビトール:商品名ソルビットD−70、東和化成製。
・イソステアリン酸:商品名イソステアリン酸EX、高級アルコール工業製。
・イソステアリルアルコール:商品名イソステアリルアルコールEX、高級アルコール工業製。
・オレイルアルコール:商品名オレイルアルコール、高級アルコール工業製。
・ジ硬化牛脂メチルアンモニウムクロリド:商品名アーカード2HT、ライオンアクゾ製。
・ヒマシ油EO40モル付加体:商品名HCO−40、青木油脂製。
・ジメチルシリコーン:商品名KF―70、信越化学製、エマルションタイプ(有効分25%)。
<薄葉紙処理剤の調製>
(実施例1〜10、比較例3〜6)
表2、3、4に示す配合で薄葉紙処理剤を調製した。
まず、200mLビーカーに、(C)成分、イオン交換水、(B)成分、(A)成分の順に所定量取り、油浴中で50℃まで加温し、攪拌・混合した。均一となった後、ジメチルシリコーンを加えて、さらに5分間、常温で撹拌・混合した。この後、グリセリンを所定量添加して、均一で透明な状態になるまでさらに撹拌した。この時、pHが5〜6の範囲外であった場合は、1N水酸化ナトリウム又は硫酸を用いてpHを5〜6に調整して、目的とする薄葉紙処理剤を得た。
pHは、ガラス電極pHメーター(堀場製作所製、商品名:F−21)を用い、25℃における薄葉紙処理剤のpHを測定した。
(比較例1、2)
表3に示した組成の薄葉紙処理剤を以下の様にして調製した。
すなわち、実施例1、2において、(B)成分の代わりに、従来の薄葉紙処理剤(例えば前記特許文献3)に用いられている親油性化合物である、ヒマシ油ポリオキシエチレン付加体を用いたことを除き、前記実施例1と同じ手順で目的とする薄葉紙処理剤を得た。
(比較例7)
表3に示した組成の薄葉紙処理剤を以下の様にして調製した。
すなわち、実施例1において(A)成分の代わりに、一般的なカチオン界面活性剤であって分子内にエステル結合を有しない第4級アンモニウム塩である、ジ硬化牛脂メチルアンモニウムクロリドを使用したことを除き、前記実施例1と同じ手順で目的とする薄葉紙処理剤を得た。
(実施例11〜14)
表5に示した組成の薄葉紙処理剤を以下の様にして調製した。
実施例2において、(A)成分の後に(D)成分および/又は(E)成分を加え、油浴中で50℃まで加温し、攪拌・混合した。均一となった後、ジメチルシリコーンを加えて5分間、常温で撹拌・混合した。その後は実施例2と同じ手順で目的とする薄葉紙処理剤を得た。
上記で得られた各薄葉紙処理剤について、以下の評価を行った。評価結果を表2〜5に示す。
「粘度」
100mLのサンプル瓶に前記調製した薄葉紙処理剤を100g入れ、25℃の恒温槽で2時間温度調整した。その後、B型粘度計(TOKIMEC製)により、1000mPa・s未満はNo.2ロータ、1000〜4000mPa・sはNo.3ロータ、4000〜10000mPa・sはNo4ロータを用い、30rpmで30秒後の値を読み取った。測定値(単位:mPa・s)を表に示す。
ここで、通常処理剤の取り扱い性として常温で流動性が良好であることが望ましい。
その目安として、好ましくは10000mPa・s以下、より好ましくは5000mPa・s以下、さらに好ましくは2500mPa・sである。
「風合いの評価」
薄葉紙処理剤を用いて、下記に示す方法により処理した薄葉紙について、その風合いを以下のようにして評価した。
<薄葉紙の処理方法>
本試験ではスプレー塗布に適用するために、上記実施例および比較例で得られた薄葉紙処理剤を、有効成分(水を除いた成分)換算で20質量%となるようにイオン交換水でそれぞれ希釈した二次処理剤を用いた。
次に、この二次処理剤を未処理のティッシュペーパーに対して、乾燥処理後の塗布量が
対ティッシュ25質量%となるように均一にスプレー塗布し、恒温恒湿室(温度25℃・湿度65%RH)内で24時間放置して乾燥処理した。このようにして得られた処理済みティッシュペーパーについて風合いを評価した。
風合いの評価は、専門パネラにより、処理後のティッシュペーパーのしっとり感、ふんわり感、ぬめり感、滑らかさについて対象品との比較を行い、総合的に官能評価する方法で行った。対象品としては、前記二次処理剤の代わりに、グリセリン(ライオン社製、食品添加用グリセリン)の濃度25質量%水溶液を用いたほかは同様に処理したティッシュペーパーを用いた。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準)
対象品に比べ、非常に良好:◎。
対象品に比べ、良好:○。
対象品に比べ、やや良好:△。
対象品と同等以下:×。
「液安定性」
薄葉紙処理剤を25℃条件下で、2ヶ月保存し、分離の有無を目視で判定し、下記の基準で評価した。
◎:透明均一で分離なし。
○:微濁均一で分離なし。
△:僅かに分離が認められる。
×:完全に分離している。
Figure 0005049653
Figure 0005049653
Figure 0005049653
Figure 0005049653
表2〜5に示した結果より、本発明に係る実施例で得られた薄葉紙処理剤は、液が分離し難くて液安定性に優れるとともに、該薄葉紙処理剤で処理した薄葉紙の風合いが良好であった。
これに対して、(B)成分の代わりにヒマシ油ポリオキシエチレン付加体を用いた比較例1、2は、実施例1、2とそれぞれ比べると、粘度が低く、処理した薄葉紙の風合い、液分離性、および泡立ちにおいて劣る。
(A)成分を用いなかった比較例3では粘度が低く、液は分離しにくいが、薄葉紙の良好な風合いが得られない。
(B)成分を用いなかった比較例4では粘度が低く、液が分離しやすく、薄葉紙の風合いも劣る。
(A)成分と(B)成分を含有するが、(A)/(B)の質量比が大きすぎる比較例5は、液分離性および薄葉紙の風合いが劣り、(A)/(B)の質量比が小さすぎる比較例6は、液は分離しにくいが薄葉紙の風合いが劣る。
(A)成分の代わりに、ジ硬化牛脂メチルアンモニウムクロリドを使用した比較例7は、実施例1、2と比べると粘度が低く、処理した薄葉紙の風合い、液分離性、および泡立ちにおいて劣る。

Claims (4)

  1. 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有し、(A)/(B)で表される前記(A)成分と(B)成分の質量比が0.1〜19.0であり、かつ(C)成分が、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計のうち55〜99質量%であることを特徴とする薄葉紙処理剤。
    (A)エステル結合を有する第4級アンモニウム塩、
    (B)炭素数8以上22以下の脂肪酸と、ポリエチレンオキシド付加ソルビタンのエステル、
    (C)多価アルコール。
  2. さらに、水を0.5〜50質量%含有する請求項1に記載の薄葉紙処理剤。
  3. さらに、グリセリンのアルキレンオキシド付加物、及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物(D)を含有する請求項1または2に記載の薄葉紙処理剤。
  4. さらに、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸と脂肪族アルコールのエステル、及びパラフィンからなる群から選ばれる1種以上の油性成分(E)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄葉紙処理剤。
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