JP5047978B2 - インスリン複合体の調製のための方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、式インスリン−オリゴマーのインスリン−オリゴマー複合体のための方法に関する。上記方法は、式G−A−V−R−[B鎖]−R−D−A−D−D−R−[A鎖]の前駆体IP−Fのクローニングおよび発現ならびに発現された生合成前駆体を、活性化オリゴマーとの複合、ついでプロテアーゼ処理および精製に供し、活性インスリン−オリゴマー複合体を得ることを含む。
発明の背景
膵島のβ細胞は、タンパク質分解されたとき生物学的に活性なポリペプチドインスリンを生じるプロインスリンとして知られる、インスリンの1本鎖前駆体を分泌する。インスリン分子は種を越えて高度に保存されており、一般にジスルフィド結合によって連結されたアミノ酸の2本の鎖から成る。天然ヒトインスリン分子(分子量5,807ダルトン)は、アミノ末端にグリシンを有する21アミノ酸残基のA鎖;およびアミノ末端にフェニルアラニンを有する30アミノ酸残基のB鎖を有する。インスリンは、単量体として存在してもよく、または2量体または3個の2量体から形成される6量体に凝集していてもよい。単量体は受容体に結合する能力を備え、生物学的に活性な形態である。
インスリンポリペプチドは、体内のグルコースの輸送、利用および貯蔵を制御する責任を担う主要ホルモンである。インスリンの不十分な生産またはインスリンに対する受容体の感受性低下の結果としての炭水化物代謝の欠陥は、生物学的障害である糖尿病を導く。糖尿病は、グルコースを利用する正常な能力を損ない、その結果として血糖値を上昇させる(高血糖症)。グルコースが血液中に蓄積したとき、過剰なレベルの糖は尿中に排泄される(糖尿)。糖尿病の他の症状は、尿量および頻度の上昇、口渇、かゆみ、空腹、体重減少および衰弱を含む。糖尿病は、治療せずに放置したとき、ケトーシス、ついで吐き気および嘔吐を伴うアシドーシスに至る。毒性生成物が蓄積し続けたとき、患者は、死に至らせる、糖尿病性昏睡に陥る。2種類の糖尿病が存在する。I型はインスリン依存性糖尿病、すなわちIDDMである。IDDMは、以前は「若年発症糖尿病」と呼ばれた。IDDMでは、インスリンが膵臓によって分泌されず、外部の供給源から供給されねばならない。II型、すなわち成人発症糖尿病は、通常は食事によって管理できるが、一部の進んだ症例ではインスリンが必要である。
伝統的に、ウシおよびブタインスリンがヒトにおける糖尿病を治療するためにほとんど独占的に使用された。組換え技術の開発と共に、ヒトインスリンの商業規模での製造が発酵によって可能となった。さらに、天然ヒトインスリンに匹敵する生物活性を有する遺伝子操作されたインスリン類似体が、疾患に対抗するために開発された。しかし、糖尿病の治療は、典型的にはインスリンの定期的な注射を必要とする。インスリン注射の不便さゆえに、非注射経路による投与のためのインスリンを製剤するべく様々なアプローチが試みられてきた。そのような公表文献のリストは以下を含む:米国特許第4,338,306号(Kitaoら)では、インスリンの直腸投与のためのインスリンおよび炭素数8〜14の脂肪酸、ならびにそれらの非毒性塩の医薬組成物を報告する;米国特許第4,579,730号(Kidronら)では、インスリンの経口投与のための胆汁酸またはそのアルカリ金属塩を含む腸溶被覆したインスリン組成物を報告する;米国特許第5,283,236号(Chiouら)では、より高い分子量のポリペプチドの全身吸収を助けるための透過促進剤を含むインスリン組成物、ならびに薬剤が鼻涙管に入り込み、循環中へと吸収される、目を通してのインスリンの全身送達のためのペプチダーゼ阻害剤を報告する;
米国特許第5,658,878号(Backstromら)では、インスリンと、下気道におけるインスリンの吸収を高める炭素鎖長10(すなわちカプリン酸ナトリウム)、12(ラウリン酸ナトリウム)または14(ミリスチン酸ナトリウム)の飽和脂肪酸のナトリウム塩とを報告する;米国特許第5,853,748号(Newら)では、インスリンの経口投与のために、腸のpHを7.5〜9のpHに調整するために使用される、インスリン、胆汁酸塩または胆汁酸、および炭酸または重炭酸イオンの腸溶被覆組成物を報告する。米国特許第6,200,602号(Wattsら)は、錠剤、カプセルまたはペレットが近位結腸に達するまでインスリンと吸収促進剤の放出を防ぐため、剤皮中に、分散剤と共に炭素数6〜16の脂肪酸およびその塩の混合物または中鎖脂肪酸のモノ/ジグリセリドの混合物を含む吸収促進剤を有する、インスリンの結腸送達のためのインスリンの薬剤送達組成物を報告する。
経口投与によってインスリンを送達するためのいくつかの試みが文献中に認められる。糖尿病患者において正常血糖を達成するためのインスリンの経口投与に関連する問題は、薬学および医学文献において広く記述されている。胃腸管内の消化酵素はインスリンを速やかに分解し、生物学的分解産物を生じる。胃では、たとえば、経口投与されたインスリンは酵素的タンパク質分解と酸性分解を受ける。腸における生存は過度のタンパク質分解によって妨げられる。管腔において、インスリンは、胃および膵酵素、エキソおよびエンドペプチダーゼ、ならびに刷子縁ペプチダーゼを含む様々な酵素に浴びせられる。インスリンがこの酵素攻撃を生き延びた場合でも、インスリンがインビボでその受容体に到達できる前に横切られねばならない生物学的障壁がインスリンの経口投与を制限し得る。たとえばインスリンは、管腔から血流に入るその能力を制限する、低い膜透過性を有し得る。
インスリンなどの医薬的に活性なポリペプチドは、薬剤−オリゴマー複合体の多分散混合物を提供するために、ポリエチレングリコールの多分散混合物またはポリエチレングリコール含有ポリマーの多分散混合物と複合されてきた;米国特許第4,179,337号(Davisら)では、インスリンなどのポリペプチドを、Union Carbideによって供給されるMPEG−1900およびMPEG−5000などの様々なポリエチレングリコールと複合することを報告する。米国特許第5,567,422号(Greenwald)では、5,000ダルトンの数平均分子量を有する、m−PEG−OH(Union Carbide)などのポリエチレングリコールと生物学的に活性な求核試薬の複合を報告する。
ポリエチレングリコール修飾糖脂質ポリマーおよびポリエチレングリコール修飾脂肪酸ポリマーとインスリンなどのポリペプチドの複合は、米国特許第5,359,030号(Ekwuribeら)の中で報告されている。
米国特許第6,011,008号(Dombら)では、過ヨウ素酸酸化によって多糖をジアルデヒドに活性化すること;(b)ジアルデヒドを干渉アニオンおよび副産物から精製すること;および(c)複合体を形成するためにシッフ塩基形成によって酸化感受性物質を精製ジアルデヒドに結合することを含む、酸化感受性物質の水溶性多糖複合体を生産するための方法を報告する。場合により、工程(c)の複合体を、還元物質によってアミン複合体に還元する。pH8.9のホウ酸緩衝液中の純粋な酸化AG(アラビノガラクタン)の溶液を4℃で一晩インスリンと反応させることにより、アミンまたはイミン結合を通して酸化AG(アラビノガラクタン)に複合した。透明な溶液を、セルロース透析膜を通して透析し、溶液を凍結乾燥して、白色固体115mgを生成した。
米国特許第6,022,524号(Maisanoら)では、DTPAおよびジメチルスルホキシド(DMSO)の溶液中のブタインスリンとGd−DTPAの複合を報告しており、加熱して攪拌することによって調製し、その後室温に冷却して、DMSO300m
l中のNHS11.73g(0.102mol)の溶液を添加し、次にDMSO400ml中のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド19.6g(0.097mol)の溶液を1滴ずつ添加した。混合物を16時間攪拌し、その後ろ過して、ろ液を50℃および5Paでの蒸発によって約160ml容量の濃厚油に濃縮する。
米国特許第6,309,633号(Ekwuribeら)は、室温でトリエチルアミンおよびDMSOの存在下にラウリン酸PEGとインスリンを複合するための固体インスリンの使用を報告する。30分ごとにHPLCによって反応を観測した。分取HPLCを用いて複合体を精製した。
米国特許第6,828,297号(Ekwuribeら)では、活性化オリゴマーとの複合およびB29修飾PEG7−ヘキシル−インスリンの精製のために亜鉛含有または亜鉛不含ヒトインスリンを使用することによってPEG7−ヘキシル−インスリンを製造するための方法を報告する。ジメチルスルホキシドおよびトリエチルアミン中のインスリンを22±4℃で活性化オリゴマーと反応させた。有機溶媒と低分子量不純物を除去するために粗反応混合物を透析またはダイアフィルタし、酢酸アンモニウム緩衝液に対して交換して、凍結乾燥する;それをさらに、0.5%トリエチルアミン/0.5%リン酸緩衝液(TEAP A)で平衡化させたRP−HPLCに供する。カラムを、TEAP AおよびTEAP B(80%アセトニトリルおよび20%TEAP A)溶媒系を使用して勾配流で溶出した。複合体を含む画分をプールし、溶出緩衝液と溶媒を酢酸アンモニウム緩衝液に対する透析またはダイアフィルトレーションによって除去し、凍結乾燥して、PEG7−ヘキシル−インスリン、B29モノコンジュゲートの白色粉末(純度>97%)を生成した。現在、既存の先行技術は、使用されるインスリンが生物学的に活性な形態である複合インスリンを製造するための出発物質として純粋なインスリン粉末または結晶の使用を教示する。
本発明は、式Z−[B鎖]−Q−[A鎖](式中、Zはリーダーペプチド配列であり、B鎖はヒトインスリンまたはその類似体のB鎖であり、QはA鎖とB鎖の間のリンカーペプチド配列であり、A鎖はヒトインスリンまたはその類似体のA鎖である)の前駆体IP−Xからのインスリン−オリゴマー複合体の製造を容易にする。
前駆体IP−Xを、B鎖上のLysB29位置およびリーダーペプチドZのN末端アミノ酸でオリゴマーと複合する。その後、IP−X−オリゴマー複合体をプロテアーゼ処理、ついで精製に供して、活性インスリン−オリゴマー複合体を得る。
出発物質は前駆体IP−Xを含む発酵ブロスである。IP−Xを含むブロスを、イオン交換、HPLC、RP−HPLCのようなクロマトグラフィと結晶化の組合せに供し、IP−Xを精製する。
本発明は、インスリン−オリゴマー複合体を製造する上でより簡単で経済的であり、生物学的に活性な形態の純粋なインスリン結晶を得ることに関わるいくつかの工程、たとえば活性インスリンを得るためのインスリン前駆体のトランスペプチド化およびインスリン前駆体の切断ならびに純粋なインスリン結晶を得るためのいくつかのクロマトグラフィ精製工程、たとえばイオン交換クロマトグラフィ、HPLCおよびRP−HPLCが回避される。
発明の要旨
本発明は、式G−A−V−R−[B鎖]−R−D−A−D−D−R−[A鎖]のIN−105前駆体IP−Fを発現すること、IP−FのLysB29位置およびリーダーペプチドGAVRのN末端アミノ酸Glyで複合する活性化オリゴマーでIP−Fを処理することを含む、インスリン−オリゴマー複合体IN−105を製造する方法に関する。IP−Fを、一般式−OC−(CH−(OCHCH)−OCH(式中、nは1〜8の整数であり、2つのnは異なるかまたは同じである)を有するオリゴマーとの複合に供する;好ましい実施形態では、活性化オリゴマーは、ために分子式C1423NO(CAS.No.622405−78−1)を有し、式インスリン−OC−CH−CH−(OCHCH−OCHのIN−105を得る。
本発明は、式G−A−V−R−[B鎖]−R−D−A−D−D−R−[A鎖]の生合成前駆体配列IP−Fの使用を含む。本発明において使用されるリーダー配列G−A−V−Rは、文献において開示されているような酵母におけるインスリンの発現増強のために必要な負に帯電したアミノ酸を有さない。本発明の方法は、インスリン複合体を製造する上でより簡単で経済的であり、生物学的に活性な形態の純粋なインスリンを得るためのいくつかの工程が回避される。本発明は、IN−105前駆体IP−FのA鎖上またはCペプチド(RDADDR)での複合を含まず、複合がB鎖上(LysB29)およびリーダー鎖G−A−V−RのGlyで起こる生成物を生じ、それを、プロテアーゼ処理に供し、インスリン−オリゴマー複合体IN−105を得る。この方法の結果として複合インスリンの生産の全体的費用が最小限に抑えられる。
詳細な説明
IP−Xは、式Z−[B鎖]−Q−[A鎖](式中、Zはリーダーペプチド配列であり、B鎖はヒトインスリンまたはその類似体のB鎖であり、QはA鎖とB鎖の間のリンカーペプチド配列であり、A鎖はヒトインスリンまたはその類似体のA鎖である)のインスリン−オリゴマー前駆体である。リーダーペプチドは、たとえばペプチド、GAVR、ARR、AARAARGR,HHHHHHAARおよびHHAHAHAHAARを含む。リンカーペプチドQは、たとえばRDADDR、RDALQR、REEAEAEAEPR、RPGR、RAR、RRおよびRを含む。
IP−X前駆体は、大腸菌、ピシア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、CHO細胞等のような適切な発現系によって生産され得る。
本発明においてIP−Xの最も好ましい実施形態は、リーダー配列ZがGAVRであり、B鎖がヒトインスリンのB(1〜30)であり、リンカーペプチドQがRDADDRであり、およびA鎖がヒトインスリンのA(1〜21)である場合である。式G−A−V−R−[B鎖]−R−D−A−D−D−R−[A鎖]によって表わされるIP−X前駆体を以下IP−Fと称する。IP−Fを、ピシア・パストリス発現ベクター、pPIC9KにおいてMat−αシグナルペプチドと共にインフレームでクローニングする。ピシア・パストリス宿主菌株、GS115を組換えプラスミドで形質転換し、IPFを発現するピシアクローンを得る。分泌されたIP−Fをトリプシン、カルボキシペプチダーゼBおよびN−ヒドロキシスクシンアミドエステル(活性化オリゴマー)で処理して、IN105を生成する。
IN−105前駆体IP−Fについての配列
Figure 0005047978
配列:ピシア・パストリスにおける発現のために最適化されたコドン
予測分子量:6907.82Da
推定pI値:5.46
ヌクレオチド(183bp)およびアミノ酸(61aa)
IN−105前駆体IP−FはP.パストリスによって培地中に分泌される。ブロスを遠心分離し、細胞を上清から分離する。疎水性相互作用クロマトグラフィおよびイオン交換クロマトグラフィを含む、前駆体IP−Fの捕獲に使用可能な多くの選択肢がある。本発明では、IP−Fを捕獲するために陽イオン交換クロマトグラフィとHICを使用する。
IN−105前駆体IP−Fの結晶化は、発酵ブロスからSP−セファロース溶出プールへと運ばれる不純物を除去し、これはRP−HPLC−1段階でのカラムの汚損を低減するのを助ける。生成物をイオン交換カラムから溶出するために使用される酢酸アンモニウム塩も結晶化によって除去される。純粋な結晶前駆体はまた、その後の複合工程におけるコストを低減するのに役立ち、反応の効率を高める。結晶形態は凍結して保存することができ、−20℃で保存したとき何日間にもわたって実質的に安定である。
IN−105は、最初に活性化オリゴマーを使用してIP−FをB29リシンで複合し、IP−F−オリゴマー複合体を生成する反応によって生産される。IP−F−オリゴマー複合体をプロテアーゼ処理に供し、この処理でリンカーペプチド(RDADDR)およびリーダー配列(GAVR)が切断され、活性インスリン−オリゴマー複合体が得られる。使用される2つのプロテアーゼはトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBである。LysB29におけるトリプシン切断の確率はきわめて低い。しかしトリプシン切断のためのその他の可能性の高い部位は、B−22(Arg)、C−1(Arg)およびC−6(Arg)のC末端である。2番目のプロテアーゼ(カルボキシペプチダーゼB)処理は、B鎖からの遊離塩基(Arg)アミノ酸を除去するために実施され、この処理で1個の余分なArgがB−30(Thr)と結合して、最終生成物IN−105が得られる。2つのプロテアーゼ処理は、生成物関連不純物の生成を最小限に抑えつつ収率を最大化する最適反応条件下で1回の操作において実施される。
酵素切断反応が完了した後、たとえば最初のRP−HPLC工程で、不純物をIN−105から分離してもよい。本発明では、最初のRPを低いpHで実施し、最終精製を高いpHで実施するときに不純物が除去される。低い負荷および20〜35から出発する勾配を15g/Lの樹脂負荷で実施した。1回目のRP−HPLC工程は93〜95%未満の純度を与えた。除去する必要のある多くの不純物が存在し、1回目のRP−HPLC工程後に残存する不純物は、溶出プールを別の回のRP−HPLCに供することによって精製される。IN−105の最終生成物は97〜98%の純度を有していた。
RP−HPLCは密接に関連する不純物の精製のための最も好ましい工程の1つであるが、イオン交換、HIC(疎水性相互作用クロマトグラフィ)等のような種々の精製手法を用いた低圧クロマトグラフィも使用できる。
実施例1
ピシア・パストリスにおけるIN−105前駆体IP−Fの発現
pPIC9K/IP−FプラスミドをBglIIで消化し、使用して、P.パストリスGS115のエレクトロコンピテント細胞を形質転換した(his4)。再生混合物をYNBD寒天(アミノ酸を含まない1.34%酵母窒素塩基、2%デキストロース、2%寒天)プレートに接種し、30℃で48時間インキュベートした。コロニーを、適切な対照と共にマイクロタイタープレートにおいてYPD(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%デキストロース)ブロス中で増殖させた。次にプレートを、ゲネチシン(G418)を含むYPD寒天(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%デキストロース、2%寒天)プレートに押し付け(stamped)、30℃で48時間インキュベートした。1〜3mg/ml G418に耐性のクローンを発現試験のために使用した。
細胞溶解のためにザイモリアーゼを使用して選択した組換えピシアクローンからゲノムDNAを作製した。遺伝子特異的プライマーを使用してPCRを実施し、ゲノムへのIP−Fの組込みを確認した。GS115宿主菌株を陰性対照として使用した。
P.パストリスにおける発現試験を実施し、クローンをBMGY(1%ペプトン、2%酵母抽出物、1.34%酵母窒素塩基、2%グリセロール、4×10−5%ビオチン、100mMリン酸緩衝液、pH6.0)中30℃で増殖させた。これに続き、BMMY(1%ペプトン、2%酵母抽出物、1.34%酵母窒素塩基、0.5%メタノール、4×10−5%ビオチン、100mMリン酸緩衝液、pH6.0)中のメタノールで誘導した。メタノールによる誘導を合計3日間実施した。各々のクローンからの粗上清を、クマシーブルーで染色したSDS−PAGEで分析した。IP−Fは〜7kDaタンパク質として分泌された。
振とうフラスコ内でのメタノール誘導後3日間、クローンをIP−Fの分泌に関して分析した。Symmetry C18カラム(4.6×250mm、300Å、5ミクロン、Waters)および緩衝液A(水中0.1%TFA)およびB(100%アセトニトリル)を使用して、HPLC法を分析のために用いた。試料を注入する前にカラムを25%緩衝液Aで平衡化させる。試料の評価のためにプログラムされた勾配を1ml/分の流速で適用する:試料注入後プログラムされた勾配の最初の15分間に25%緩衝液Aから40%緩衝液Aまでの直線勾配をかける;プログラムの15分目と16分目の間は40%緩衝液Aを維持する;次に16分目から18分目までの勾配を使用することによって緩衝液Aの濃度を25%に戻す;次の通過のためにカラムを平衡化させるため、最後の5分間の通過中は緩衝液Aの濃度を一定に保持する。
実施例2
接種培地(1%酵母抽出物、0.5%ペプトン、2%寒天および20%デキストロース1水和物)で増殖させた単一単離コロニーからの培養物を満たしたループを、BYYG培地(1%ペプトン、2%酵母抽出物、1.34%酵母窒素塩基、2%グリセロールおよびpH6.0の10%1Mリン酸緩衝液)50mlを含む250ml振とうフラスコ中、30±1℃および230±10rpmで培養する。48〜50時間のインキュベーション後、600nmで測定した光学密度は10±2に達する。50%w/v細胞懸濁液を作製するため、細胞を100mlフラスコ中の生産培地(1%ペプトン、2%酵母抽出物、1.34%酵母窒素塩基、0.5%メタノールおよびpH6.0の10%1Mリン酸緩衝液)6mlに再懸濁した。フラスコを30℃でインキュベートした。メタノール30μLを2日目から毎日、全てのフラスコに添加した。4日目のアッセイは0.069g/Lである。
実施例3
増殖培地(1%酵母抽出物、2%ペプトン、pH6.0の10%1Mリン酸緩衝液、0.67%酵母窒素塩基および0.1%グリセロール)50mlを含む250mlフラスコ中、30±1℃および230±10rpmでピシアの凍結(−85℃)細胞を培養することによって接種フラスコを調製した。20〜28時間のインキュベーション後、OD(600nm)は10〜12に達する。これらの細胞を、4%グリセロール、0.0093%硫酸カルシウム、1.82%硫酸カリウム、1.49%硫酸マグネシウム、0.0413%水酸化カリウムから成る発酵培地1Lを含む2L発酵槽においてさらに培養した。発酵槽を30℃およびpH5.0で運転した。通気速度は0.1〜1.0vvmに設定した。攪拌速度は、10%以上の溶解酸素を維持するように調整した。50%グリセロール供給によってバイオマスを300〜400g/Lに増加させた。誘導のため、メタノールを供給した。メタノール供給の5日目のアッセイは0.76g/Lである。
実施例4(選択的複合)
IN−105を、IN−105前駆体を含む無細胞発酵ブロスから、以下を含む工程によって調製する:
a)SP−セファロースカラムを緩衝液A(2C.V)で平衡化させ、無細胞ブロスのpHを氷酢酸で4.0に調整して、上清を樹脂45g/Lでカラムに充填した。緩衝液A(1.5C.V)を用いて洗浄を実施し、生成物を60%緩衝液Bで溶出した。溶出プールを8倍に濃縮し、収率は95%であった[緩衝液A−10mM酢酸アンモニウム、pH4.0;緩衝液B−1M酢酸アンモニウム、pH4.0]。
b)IN−105前駆体を含む溶出プールを水で1:1希釈し、pHを10N NaOHで5.0に調整した。0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加した。6〜8時間低温条件下に保持し、混合物を結晶化した。IN−105前駆体の回収率は95%であった。
c)IN−105前駆体結晶を含む湿潤ペレット6gを取り、pH8.1の500mMホウ酸緩衝液32mlをそれに添加した。pHを10N NaOHで10.5に調整した。アセトニトリル11mlに溶解したオリゴマー370mgを添加し、内容物を攪拌した。総複合生成物の収率は約78%であった。
d)等量の工程(c)からの複合生成物と水を取った。溶液のpHを氷酢酸で5.0に調整し、次に0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を混合物に添加して、pHを1N NaOHで5.1に調整した。一晩4℃に保持し、混合物を結晶化した。この工程の収率は90%であった。
e)工程(d)からの湿潤結晶ペレットを0.5Mトリス塩基溶液に溶解し、生成物濃
度を16g/lにした。1N NaOHを使用して溶液のpHを7.4にした。次に0.027mMトリプシンおよび0.3×10−3mMカルボキシペプチダーゼBを反応混合物に添加し、12時間24℃に保持した。形成された生成物はIN−105であり、工程収率は80%であった。
f)粒径:10〜15μ、孔径:120Åの樹脂を詰めたカラムを、15%Bを用いて平衡化させ、工程(e)からの反応混合物を1:10希釈して、pHを7.0に調整した後充填し、15%Bで洗浄した。20Cvsで15〜25%Bを使用して溶出を実施した。95%純度の画分を得た[緩衝液A:10mM酢酸ナトリウム、pH7.0;緩衝液B:100%アセトニトリル]。
g)工程(f)からの溶離液をさらに希釈し、pHを8.5に調整した後充填して、20%Bで洗浄した。15CVsで20〜35%Bを使用して溶出を実施した。97%純度の画分を得た[緩衝液A:100mMトリス、pH8.5;20mM塩化マグネシウム;緩衝液B:アセトニトリル]。
h)工程(g)からの溶出プールを取り、水で希釈することによってIN−105の濃度を6mg/mlに低下させた。試料のpHを氷酢酸で4.5に調整した。0.6%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加し、pHを最終的に5にして、混合物を一晩4℃に保持し、結晶を形成した。遠心分離後、工程収率90%で結晶を収集した。
実施例5(選択的複合)
IN−105を、IN−105前駆体を含む無細胞発酵ブロスから、以下を含む工程によって調製する:
a)pH7の無細胞ブロスを取り、PLRP S50−70 MICRONを詰めたカラムに充填した。ブロスを5%MeCNにして、10mM酢酸ナトリウム、pH7.0と5%MeCNで平衡化させたカラムに充填した。4g/Lの充填から90%の回収率を得た。
b)IN−105前駆体を含む溶出プールを水で1:1希釈し、pHを10N NaOHで5.0に調整した。0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加した。6〜8時間低温条件下に保持し、混合物を結晶化した。IN−105前駆体の回収率は95%であった。
c)IN−105前駆体結晶を含む湿潤ペレット20gを取り、pH8.1の500mMホウ酸緩衝液92mlを添加した。10N NaOHを使用してpHを10.5に調整した;反応混合物を攪拌しながら、アセトニトリル40mlに溶解したオリゴマー1.13gを添加した。総複合生成物の収率は約77%であった。
d)等量の工程(c)からの複合生成物と水を取った。溶液のpHを氷酢酸で5.0に調整し、次に0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を混合物に添加して、pHを1N NaOHで5.1に調整した。一晩4℃に保持し、混合物を結晶化した。この工程の収率は90%であった。
e)工程(d)からの湿潤結晶ペレットを0.5Mトリス塩基溶液に溶解し、生成物濃度を20g/lにした。溶液のpHを1N NaOHで7.4に調整した。0.02mMトリプシンおよび13×10−3mMカルボキシペプチダーゼBを反応混合物に添加した。12時間後、形成された生成物はIN−105であり、工程収率は85%であった。
f)粒径:10〜15μ、孔径:120Åの樹脂を詰めたカラムを、10%緩衝液Bを用いて平衡化させ、工程(e)からの反応混合物を、33%のMeCN濃度で1:10希釈し、pHを3.5に調整して、15%Bで洗浄した。段階勾配を用いて溶出を行った。58.6%の収率を得た。緩衝液A:10mM酢酸ナトリウム、pH7.0;緩衝液B:100%アセトニトリル。
g)工程(f)からの溶離液をさらに希釈し、pHを7.5に調整した後充填して、20%緩衝液Bで洗浄した。20CVsで22〜32%緩衝液Bを使用して溶出を実施した。97%純度の画分を得た[緩衝液A:100mMトリス、pH8.5;20mM塩化マグネシウム;緩衝液B:アセトニトリル]。
h)工程(g)からの溶出プールを取り、水で希釈することによってIN−105の濃度を6mg/mlに低下させた。試料のpHを氷酢酸で4.5に調整した。0.6%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加し、pHを最終的に5にして、混合物を一晩4℃に保持し、IN−105結晶を形成した。遠心分離後、工程収率90%で結晶を収集した。
実施例6(包括的複合)
a)SP−セファロースカラムを緩衝液A(2C.V)で平衡化させ、無細胞ブロスのpHを氷酢酸で4.0に調整して、上清を20g/lでカラムに充填した。緩衝液A(1.5C.V)を用いて洗浄を実施し、生成物を10C.V中0〜100%Bで溶出した。溶出プールを8倍に濃縮し、収率は98%であった[緩衝液A−10mM酢酸アンモニウム、pH4.0;緩衝液B−1M酢酸アンモニウム、pH4.0]。
b)IN−105前駆体を含む溶出プールを水で1:1希釈し、pHを10N NaOHで5.0に調整した。0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加した。6〜8時間低温条件下に保持し、混合物を結晶化した。IN−105前駆体の回収率は95%であった。
c)湿潤結晶ペレットをDMSOに溶解し、生成物濃度を60g/mlにした。反応混合物に0.001%(v/v)トリエチルアミンを添加した。オリゴマーを0.4Mの濃度でテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、反応混合物に添加した。15時間の経過後、包括的に複合した生成物を80%の収率で回収した。
d)等量の工程(c)からの複合生成物と水を取った。溶液のpHを氷酢酸で5.0に調整し、次に0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を混合物に添加して、pHを1N NaOHで5.1に調整した。一晩4℃に保持し、混合物を結晶化した。この工程の収率は90%であった。
e)工程(d)からの湿潤結晶ペレットを0.5Mトリス塩基溶液に溶解し、生成物濃度を25g/lにした。1N NaOHで溶液のpHを7.4に上昇させた。0.02mMトリプシンおよび0.3×10−3mMカルボキシペプチダーゼを反応混合物に添加した。14時間の経過後、形成されたIN−105は80%の工程収率を有していた。
f)粒径:10〜15μ、孔径:120Åの樹脂を詰めたカラムを、15%緩衝液Bを用いて平衡化させた;工程(e)からの反応混合物を1:10希釈して、pHを7.0に調整した後充填した。15%緩衝液Bで洗浄し、20Cvsで27−37%緩衝液Bを使用して溶出を実施した。90%純度の画分を得た。
緩衝液A:100mMトリス、pH8.0;20mM MgCl、pH8.5。緩衝液B:100%アセトニトリル。
g)工程(f)からの溶離液をさらに希釈し、pHを9.0に調整した後充填して、20%緩衝液Bで洗浄した。15CVsで20〜35%緩衝液Bを使用して溶出を実施した。97%純度の画分を得た[緩衝液A:100mMトリス、pH9.0;20mM塩化マグネシウム;緩衝液B:アセトニトリル]。
h)工程(g)からの溶出プールを取り、水で希釈することによってIN−105の濃度を6mg/mlに低下させた。試料のpHを氷酢酸で8.3から4.5に調整した。0.6%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加し、pHを最終的に5にして、混合物を一晩4℃に保持し、結晶を形成した。遠心分離後、工程収率90%で結晶を収集した。
実施例7(包括的複合)
a)SP−セファロースカラムを緩衝液A(2C.V)で平衡化させ、無細胞ブロスのpHを氷酢酸で4.0に調整して、上清を45g/lでカラムに充填した。緩衝液A(1.5C.V)を用いて洗浄を実施し、生成物を60%Bで溶出した。溶出プールを8倍に濃縮し、収率は95%であった[緩衝液A−10mM酢酸アンモニウム、pH4.0;緩衝液B−1M酢酸アンモニウム、pH4.0]。
b)IN−105前駆体を含む溶出プールを水で1:1希釈し、pHを10N NaOHで5.0に調整した。0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加した。6〜8時間低温条件下に保持し、混合物を結晶化した。IN−105前駆体の回収率は95%であった。
c)湿潤結晶ペレットをDMSOに溶解し、生成物濃度を60g/mlにした。反応混合物に0.001%(v/v)トリエチルアミンを添加した。オリゴマーを0.4Mの濃度でテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、反応混合物に添加した。15時間の経過後、包括的に複合した生成物を80%の収率で回収した。
d)等量の工程(c)からの複合生成物と水を取った。溶液のpHを氷酢酸で5.0に調整し、次に0.4%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を混合物に添加して、pHを1N NaOHで5.1に調整した。一晩4℃に保持し、混合物を結晶化した。この工程の収率は90%であった。
e)工程(d)からの湿潤結晶ペレットを0.5Mトリス塩基溶液に溶解し、生成物濃度を25g/lにした。1N NaOHで溶液のpHを7.4に上昇させ、反応混合物に0.02mMトリプシンおよび0.3×10−3mMカルボキシペプチダーゼBを添加した。14時間の経過後、形成されたIN−105は80%の工程収率を有していた。
f)粒径:10〜15μ、孔径:120Åの樹脂を詰めたカラムを、10%緩衝液Bを用いて平衡化させた;工程(e)からの反応混合物をMeCN濃度15%で1:10希釈し、pHを3.5に調整して充填し、5ミクロンフィルターを通してろ過した;15%Bで洗浄を行った。20Cvsで17〜23%緩衝液Bを使用して溶出を実施した。94.2%純度のタンパク質を77%の収率で得た[緩衝液A:250mM酢酸、緩衝液B:アセトニトリル]。
g)工程(f)からの溶離液をさらに希釈し、pHを9.0に調整した後充填して、20%緩衝液Bで洗浄した。15CVsで22〜32%Bを使用して溶出を実施した。97%純度の画分を得た。
[緩衝液A:100mMトリス、pH9.0;20mM塩化マグネシウム;緩衝液B:ア
セトニトリル]。
h)工程(g)からの溶出プールを取り、水で希釈することによってIN−105の濃度を6mg/mlに低下させた。試料のpHを氷酢酸で8.3から4.5に調整した。0.6%(v/v)のフェノールおよび4%(v/v)の0.3N塩化亜鉛を添加し、pHを最終的に5にして、混合物を一晩4℃に保持し、IN−105結晶を形成した。遠心分離後、工程収率90%で結晶を収集した。

Claims (14)

  1. インスリン複合体IN−105の調製のための方法であって、
    i)式IP−Fによって表わされる合成ポリペプチド前駆体G−A−V−R−[B鎖]−R−D−A−D−D−R−[A鎖]のクローニングおよび酵母における発現
    (ここで、A鎖およびB鎖はヒトインスリンのA鎖およびB鎖を表す)、
    ii)IP−Fを発現する酵母クローンの発酵、
    iii)IP−Fの単離および精製、
    iv)オリゴマーとIP−Fの複合、
    (ここで、該オリゴマーは、IP−FのB鎖のLys−B 29 およびリーダー鎖G−A−V−RのGly 位とで複合される)、
    v)IP−F−オリゴマー複合体のプロテアーゼによる処理
    (ここで、プロテアーゼはトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBを含み、該プロテアーゼによる処理は、生成物関連不純物の生成を最小限に抑えつつ収率を最大化する最適反応条件下で1回の操作において実施される)、および、
    vi)活性化インスリン−オリゴマー複合体の精製
    を含む方法。
  2. 酵母がメチロトロピック酵母である、請求項1に記載の方法。
  3. メチロトロピック酵母がピシア属である、請求項2に記載の方法。
  4. 前駆体IP−Fが、イオン交換クロマトグラフィ、ついで結晶化によってブロスから単離される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 結晶化がフェノール、ZnCl2中で実施される、請求項4に記載の方法。
  6. 前駆体IP−Fが活性化オリゴマーと複合される、請求項1に記載の方法。
  7. 活性化オリゴマーがC1423NO8のスクシンアミド誘導体である、請求項6に記載の方法。
  8. 活性化オリゴマーとIP−Fの複合が、ホウ酸緩衝液、アセトニトリル、DMSOから選択される1またはそれ以上の溶媒中で実施される、請求項6または7に記載の方法。
  9. オリゴマーがIP−FB鎖のLys−B29 で複合される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. IP−F−オリゴマー複合体がIP−F−OC−CH2−CH2−(OCH2CH23−OCH3であり、−OC−CH2−CH2−(OCH2CH23−OCH3がIP−FのB鎖のLys−B 29 位およびリーダー鎖G−A−V−RのGly 位とで複合される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. IP−F−オリゴマー複合体がさらに結晶化に供される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. IP−F−オリゴマー複合体が、活性化インスリン−オリゴマー複合体を得るためにプロテアーゼで処理される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 活性化インスリン−オリゴマー複合体がRP−HPLCおよび結晶化によって精製される、請求項12に記載の方法。
  14. 活性化インスリン−オリゴマー複合体が、インスリン−OC−CH2−CH2−(OCH2CH23−OCH3であり、−OC−CH2−CH2−(OCH2CH23−OCH3がIP−FのB鎖のLys−B 29 位およびリーダー鎖G−A−V−RのGly 位とで複合される、請求項13に記載の方法。
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