以下、図面(複数)を参照しながら、本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、この発明が適用可能な画像形成装置の主要部を示す。
図1に示す画像形成装置101は、画像情報を、例えばハードコピーもしくはプリントアウトと称される出力画像として出力する画像形成部本体1、画像形成部本体1に対して画像出力に用いられる任意サイズの用紙(出力媒体)を供給可能な用紙供給部3、画像形成部本体1において画像形成される対象である画像情報を、画像情報を保持した対象物(以下原稿と称する)から画像データとして取り込む画像読取部5を有する。
画像読取部5には、原稿がシート状である場合、画像出力の形成あるいは画像情報の取り込み(以下読み取りと称する)終了後、読み取りが終了した原稿を読み取り位置から排出位置に排出し、次の原稿を読み取り位置に案内する自動原稿送り装置(ADF)7が一体的に設けられている。もちろん、ADF7に換えて、図示しないが、一般的な原稿カバー(原稿押さえ)が用いられても良いことはいうまでもない。また、画像読取部5のCCDセンサは、ADF7において、原稿テーブルとは独立に原稿が搬送される搬送経路中の任意の位置に設けられることで、原稿を、原稿テーブルに位置させることなく、搬送中の原稿の画像情報を画像データとして読み取ることも可能である。
画像形成部本体1における画像形成の開始や、画像読取部5による原稿の画像情報の読み取りの開始を指示するための指示入力部、すなわちコントロールパネル(操作部)9が画像形成装置101の所定の位置、例えば画像読取部5に対して後方の左側または右側のコーナー等に、(画像形成部本体1に固定された)支柱9aに配置されたスイングアーム9bを介して、配置されている。すなわち、操作部9は、図2A(平面図)から明らかなように、例えば排出トレイ51上の任意の位置に位置させることができる。操作部9は、図示しないが画像読取部5の前面に設けられてもよいことは、いうまでもない。
画像形成部本体1は、図2に概略を示すように、潜像を保持する第1〜第4の感光体ドラム11a〜11d、感光体ドラム11a〜11dに形成された潜像を現像する現像装置13a〜13d、感光体ドラム11a〜11d上で現像された現像剤の像を、積層状態で保持する転写ベルト15、転写ベルト15上で積層された現像剤の像を、例えば特別な加工がされていない一般的な普通紙、あるいは透明な樹脂シートであるOHPシート等のシート状の被転写媒体(以下、シート状媒体と称する)に転写する転写装置17、シート状媒体に転写された現像剤の像をシート状媒体に定着する定着装置19、および感光体ドラム11a〜11dに潜像を形成する露光装置21等を含む。第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dのそれぞれは、Y(yellow、イエローすなわち黄)、M(magenta、マゼンタすなわち鮮赤)、C(cyan、シアンすなわち深紫)およびBk(black、ブラックすなわち黒)の任意の色のトナーを収容した現像装置13a〜13dにより可視化(現像)すべき色の静電像(潜像)を保持するが、その配列の順は、画像形成プロセスやトナー(現像剤)の特性に応じ、所定の順に規定される。転写ベルト15は、第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dおよび対応する現像装置13a〜13dが形成した各色の現像剤像を、(現像剤像の形成)順に保持する。
用紙供給部3は、FIG。2に概略を示すように、転写装置17が現像剤の像を転写する際に用いる、シート状媒体を所定のタイミングで転写装置17に供給する。
複数のカセットスロット31にセットされた詳述しないカセットは、任意のサイズのシート状媒体を収容する。詳述しない画像形成動作に応じ、ピックアップローラ33がシート状媒体を取り出す。シート状媒体のサイズは、画像形成部本体1が形成する現像剤の像の大きさに対応する。分離機構35は、ピックアップローラ33がカセットから取り出したシート状媒体が2枚以上になることを阻止する。すなわち、1枚に分離する。複数の搬送ローラ37は、分離機構35で1枚に制限されたシート状媒体をアライニングローラ39に向けて搬送する。アライニングローラ39は、転写装置17が転写ベルト15から現像剤の像を転写するタイミングに合わせて、シート状媒体を転写装置17と転写ベルト15が接する転写位置に送る。
なお、カセットスロット31、ピックアップローラ33および分離機構35は、必要に応じて複数用意され、カセットは、任意に、異なるスロットに装着可能である。
定着装置19を介して画像情報が出力媒体(用紙)に定着された出力画像(ハードコピーあるいはプリントアウトと称される)は、画像読取部5の側方であって、画像形成部本体1の上方に定義される排紙トレイ51に排出される。なお、排紙トレイ51は、画像読取部5の原稿面(詳述しないが、原稿がセットされるガラス5a(FIG。2参照)の上面)を含む面を広げた空間から、画像形成部本体1側(画像読取部5の下方)に、掘り下げた形状に規定される。また、排紙トレイ51の深さ[A]と左右方向長さ[B]との関係は、“B > A”に規定される。
このように、排紙トレイ51を画像読取部5の側方および定着装置19が定着した用紙が排出される排紙方向に位置することにより、排紙トレイ51は、定着装置19からの熱が逃げる位置(熱が自然に上昇する方向の上部)から離れる。従って、排紙トレイ51に排紙された用紙が、効率よく冷却される。これにより、排紙された紙(シート状媒体)がカールすること、あるいは紙(シート状媒体)どうしがくっつくことが抑止される。
なお、定着装置19の上方に画像読取部5を位置させることの困難さは小さい。また、定着装置19上に画像読取部5を位置させる際に、定着装置19の周辺の構造体(筐体)に懸かる負荷を均一化できる。
すなわち、画像読取部5下面の概ね中央に、定着装置19を配置したことにより、画像読取部5下面がトレイである構造においては、3点で支持することが避けられなかった画像読取部5を安定して固定でき、安定した画像読み取りが可能となる。
図3は、図1および図2に示した画像形成装置の別の実施の形態を示す。
図3に示す画像形成装置は、排紙トレイ51と定着装置19との間の空間である内部排紙トレイ(本体カバーの上面)53を有する。排紙トレイ51と内部排紙トレイ53は、切り換え部55により、切り換えられる。
内部排紙トレイ53は、画像読取部5の側方に位置されるフィニッシャなどのオプションと独立に、画像形成部本体1を正面から見た状態で、実質的に本体の中央付近すなわち本体中央のやや左寄りに位置されていることにより、内部排紙トレイ53を選択した場合には、ハードコピー(プリントアウト)がユーザから離れた位置である本体側面に排出されることを、抑止できる。すなわち、ユーザが体の向きを変えないと紙(シート状媒体)が取り出せないという問題点は解消される。
図4は、図1および図2に示した画像形成装置の別の実施の形態を示す。
図4に示す画像形成装置は、画像形成部本体1の側面に、側方排紙トレイ59を有する。定着装置19から排出されたハードコピー(プリントアウト)は、切り換え部55に接続される中継搬送部57を介して側方排紙トレイ59に案内される。また、図4に示したように、側方排紙トレイ59と排紙トレイ51を画像形成部本体1の左右方向に距離を置いて配置することにより、排紙トレイ51(本体側)、側方排紙トレイ59(側面)共に排紙方向が同一となり、同じ排紙方向のため、用紙(ハードコピー(プリントアウト))が取り出しやすい。なお、側方排紙トレイ59すなわち画像形成装置101の側面側と排紙トレイ51すなわち画像形成装置本体側を、排紙(ハードコピー(プリントアウト))の量に応じて、例えば、少量の場合は排紙トレイ51(本体側)から、多量の場合は側方排紙トレイ59(側面)から排紙することも可能となる。
図5は、図1および図2に示した画像形成装置のさらに別の実施の形態を示す。
図5に示すように、画像形成装置101に、例えば、ステイプラー221を有するフィニッシャ201などのオプションが取り付く場合、図4で説明した側方排紙トレイ59は、フィニッシャ201と置き換えられることになる。この場合、定着装置19から排出されたハードコピー(プリントアウト)は、切り換え部55に接続される中継搬送部57を介してフィニッシャ201の用紙供給部203に案内される。しかしながら、排紙トレイ51は、画像読取部5の側方に位置されるフィニッシャなどのオプションと独立に、画像形成部本体1を正面から見た状態で、実質的に本体の中央付近に位置されていることにより、排紙部として排紙トレイ51を選択した場合には、ハードコピー(プリントアウト)がユーザから離れた位置に排出されることを、抑止できる。すなわち、ユーザが体の向きを変えないと紙(シート状媒体)が取り出せないという問題点は解消される。
このことはまた、フィニッシャなどのオプションを追加した場合でも、本体側にも排紙トレイがあることにより、コピー、FAX、プリンタなどの取り出しを分けることを可能にするとともに、長尺、ワイド紙などの特殊(不定型)な紙(あるいはOHP向けシートなど)に対しても、上面での取り出しを可能とする。従って、不定型な紙が(装置本体やフィニッシャへの搬送系に)ひっかかることが抑制され、特殊(不定型)な紙であっても、取りだしを容易とする。
図6は、図1および図2に示した画像形成装置のさらに別の実施の形態を示す。
図6に示すように、画像読取部5と排紙トレイ51との間に、画像読取部5の原稿面5aと実質的に高さの等しい面を排紙トレイ51の一部を覆うように延長して平面部61を設けることにより、排紙トレイ51にフラットな作業エリアを確保できる。すなわち、排紙トレイ51上コピーする原稿をおけるスペースを設けることができるようにするとともに、排紙トレイ51上の開口部も確保することで、排紙された紙を効率よく冷却できる。
なお、図7に示すように、画像読取部5と排紙トレイ51との間に、画像読取部5の原稿面5aと実質的に高さの等しい面を排紙トレイ51の一部を覆うように延長して平面部61を設けることにより、排紙トレイ51上にフラットな作業エリアを確保できる。
さらに、図8に示すように、画像読取部5の原稿面に実質的に等しい面を排紙トレイ51の一部を覆うように延長して平面部61を設けることにより、コピー作業エリアを確保できる。
なお、図9に示すように、操作部9は、排紙トレイ51から離れた側の所定の位置、すなわち右奥あるいは右側方に設けられてもよい。
図10に、図1、2、2A、3〜9を用いて説明した画像形成装置を動作させるための概略ブロックを示す。
画像形成装置101は、既に説明したが、画像形成部本体1、用紙供給部3、画像読取部5を有する。
画像形成装置101の所定の位置、例えば画像形成部本体1の背面には、図13に概略を示すが、主制御ブロック(CPU)111、CPU111に接続されたCPUローカルバス121、CPU111に接続されたPCIバスブリッジ131、PCIバスブリッジ131に接続されたPCI(Peripheral Component Interconnect)バス141などを含む、回路基板311が設けられている。
CPUローカルバス121には、例えばRAM122およびROM123が接続されている。RAM122は、CPU111が処理を実行するためのプログラムメモリやデータ格納領域として使用される。ROM123は、システム起動に必要なブートプログムやCPU111が各種機能を実現するためのプログラム、固定的なデータの記憶領域として使用される。ROM123上のプログラムやデータは、ROM123内に圧縮データとして保持され、RAM122に展開して実行されるものであってもよい。
画像形成部本体(プリンタ部)1および画像読取部(スキャナ部)5は、それぞれスキャナ/プリンタ通信インタフェース(I/F)151を介して、PCIバス141に接続されている。
操作部(指示入力/表示部)9は、操作部インタフェース(I/F)142を介してPCIバス141に接続されている。なお、操作部9は、詳述しないが、ユーザによる動作(オン/オフ)指示、モード選択(選択指示)、数値入力や機能選択(選択入力)等に利用されるタッチパネルセンサ、タッチパネルセンサによる指示に対応する表示や選択入力に対する応答画面等を表示可能なグラフィカルディスプレイ、複写(印字)枚数等の数字の入力(置数)や、スタート/キャンセル等の高頻度で利用される専用ボタン(入力キー)、および状態表示LED等を含む。また、操作部9においては、画像が出力された用紙Pを、フィニッシャ201が接続されている場合にフィニッシャ装置201のトレイ59と排紙トレイ51のいずれに排紙させるかを、ユーザが設定可能である。
PCIバス141には、LAN(Local Area Network)コントローラ143を介してネットワーク上に存在する任意のコンピュータや他のMFP(Multi-Functional Peripherals)x、y、zと接続されている。
PCIバス141にはまた、ホストコンピュータインタフェース(I/F)144を介して外部装置である、例えばホストコンピュータPCが接続される。ホストコンピュータインタフェース(I/F)144は、例えばEthernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1284、IEEE1394等の周知のインタフェースである。
また、PCIバス141には、HDD(ハードディスクドライブ)インタフェース(I/F)145を介して、大容量のデータが保持可能なHDD(ハードディスクドライブ)146が接続されている。なお、画像形成装置101は、CPUローカルバス121に接続されたFAXユニット124を介して、通信回線128を通じて接続可能なWANあるいは通信網を利用したFAX通信も可能である。
主制御ブロック111は、スキャナ/プリンタ通信インタフェース(I/F)151を経由して接続された画像形成部本体1および画像読取部5のそれぞれと、制御信号を授受することにより、画像読取部5の動作を制御してカラーもしくは白黒の画像データを読み込み、画像形成部本体1を制御して、カラーもしくは白黒の画像データを出力する。
読み取った画像データは、画像メモリ191に一旦格納することで、1回の原稿画像の読み取りのみで、必要な枚数の画像の繰り返し出力(複数枚出力)や、複数ページ(Nページ)の画像を1枚の用紙上に縮小して配置する「N in 1」出力、原稿画像の90度単位の任意の丁合を可能とする画像回転や、読み取り画像に、帳票枠等を構成するフォーム合成、もしくは、日付やロゴマークあるいは透かし等の合成等、が可能である。
読み取った画像データは、必要に応じ、画像処理部171もしくは画像メモリ制御部181において符号化処理により圧縮される。これにより、HDD146に保持される画像データ量を削減できる。また、圧縮により、より多くの画像データをHDD146に蓄積可能となる。なお、HDD146に一旦蓄積した画像データを、任意の順序、かつ任意の回数出力することで、電子ソートと呼ばれる要求された任意枚数(部数)の出力(プリントアウト)が可能である。
スキャナ/プリンタ通信インタフェース(I/F)151は、スキャナ(画像読取部)5との間のシリアル通信157、プリンタ部(画像形成部本体)1との間のシリアル通信156により、画像形成部本体1および画像読取部5のそれぞれとの間で、コマンドやステータス等の制御情報をやり取りする。これにより、画像形成装置101の起動や動作状態、読み取った原稿サイズや種別の取得、用紙サイズの指定や、トナーや用紙等の残量等の情報を、CPU111に報知可能である。また、スキャナ/プリンタ通信インタフェース(I/F)151は、切換器63に対し、操作部9によりユーザから指示されたフィニッシャ201の59排紙トレイ51のいずれかへ用紙Pを排紙させるために、切り換え信号を出力する。なお、切換器55は、例えば非動作時が排紙トレイ51側になるソレノイドや、動作時に(詳述しない)ガイド部材を排紙トレイ51または中継搬送路71のいずれかの方向に切り換える電磁石等の、周知のさまざまな切り換え構造が利用可能である。もちろん、例えばフィニッシャ装置201(または画像形成部本体1)にメカニカルな切り換え機構を設け、ユーザが直接作動させても良いことはいうまでもない。
また、画像形成装置(MFP)101は、IEEE1284やIEEE1394、USB等のローカル接続(ホストコンピュータインタフェース(I/F)144による接続)、LANコントローラ143を経由したLAN接続、FAXユニット(モデム)124に接続された公衆回線128を経由した通信網やWAN(Wide Area Network)への接続等のさまざまな接続により接続された周辺(外部)機器から画像出力のための画像データを受信して出力(プリントアウト)することができる。
なお、主制御ブロック(CPU)111を含む回路基板311の近傍には、図13、図14A〜14C、図15A、図15Bおよび図16〜図19を用いて後段に説明するが、比較的発熱量の多いCPU111やHDD146を冷却するための少なくとも1のファン91が設けられている。なお、ファン91は、CPU111に、モータドライバ(Mechanical controller、モータ駆動回路)113を介して接続され、CPU111によるオン/オフ制御に基づいて、所定の回転数で回転され、もしくは停止が維持される。
また、主制御ブロック(CPU)111を含む回路基板311内の多くの要素は、電源装置107を介して供給されるDC±12V、DC±5Vにより動作される。電源装置107の前段(AC入力側)には、操作(オン/オフ動作)により、直接、AC入力を遮断するメインスイッチ103が、電源装置107の後段(CPU111側)には、CPU111による指示に従って、電源を遮断するサブスイッチ105が、設けられている。なお、CPU(主制御ブロック)111には、通常、メインスイッチ103がオフされない限り、主制御ブロック111が動作可能に所定の電圧を提供する2次電源109が接続されている。
上述した画像形成装置101においては、画像読取部5により読み込まれた画像データは、スキャナビデオインタフェース(I/F)172を経由してスキャナ画像圧縮回路173に入力され、画像圧縮回路173により圧縮された後、画像メモリ制御部181を通じて画像メモリ191に格納される。
プリンタ画像処理回路163では、画像形成部本体1において要求される必要な共通の画像形式に変換し、プリンタビデオインタフェース(I/F)162を経由して画像形成部本体1へ画像データを出力する。なお、画像形成部本体1の画像処理部161においては、画像メモリ191上の画像データが符号化、あるいは復号される。この符号化/復号化には、可逆可変長符号化(規則)が利用される。
画像メモリ制御部181は、非圧縮の画像や圧縮された画像の符号データが蓄積可能な大容量の画像メモリ191を制御するもので、スキャナからの画像メモリヘの画像データの読み込みや、画像メモリからプリンタヘの画像データの印字出力を制御する。
なお、上述の画像メモリ制御部181は、様々なフォーマットの画像データのハンドリングに対応しており、2値画像ではモノクロ画像やカラー画像、多値画像ではコピー機能とネットワークプリンタ機能のモノクロとカラーのそれぞれの画像データに対応して、利用する機能に応じて最適な圧縮方式を選択することができる。
上述した画像形成装置101に対して、例えばユーザがホストコンピュータPCによりプリントアウトをリクエストすると、ホストコンピュータインタフェース(I/F)144を経由して、制御信号がホストコンピュータPCから主制御ブロック(CPU)111に入力される。
プリントアウトすべき画像データは、PCIバス141および画像メモリ制御部181を経由して、画像メモリ191に格納(記憶)される。
画像メモリ191に格納(記憶)された画像データは、CPU111の制御により、所定のタイミングで(画像メモリ制御部181を経由して)プリンタ画像処理回路163に供給される。
プリンタ画像処理回路163に供給された画像データは、プリンタビデオインタフェース(I/F)162を介して画像形成部本体1の画像処理部161に入力され、露光装置21から出力すべきラスタデータに変換される。
以下、露光装置21から感光体ドラム11a〜11dのそれぞれに、画像データに対応する画像光(露光光)が出力される。これにより、露光装置21からの各色の露光光に対応する静電像(静電潜像)が、感光体ドラム11a〜11dに形成される。
それぞれの感光体ドラム11a〜11dに形成された静電潜像は、画像データに対応する色の現像剤を保持した現像装置13a〜13dのそれぞれが保持する各色のトナーにより現像され、可視化される。
感光体ドラム11a〜11d上のトナー像すなわち出力画像は、いずれかのカセットから給紙ローラ33と分離ローラ35により1枚のみ引き出され、転写装置17に向けて、搬送路41を搬送されているシート状の媒体すなわち用紙Pに、転写装置17により転写される。
用紙Pに転写されたトナー像(出力画像)は、定着装置19において、用紙Pに定着される。
トナー像が定着された用紙Pは、切換器55に向けて搬送され、予めユーザにより指定されている排紙トレイ51またはフィニッシャ201の59のいずれかに、排紙される。なお、用紙Pは、特にユーザから排紙トレイが指示(選択)されていない場合には、排紙トレイ51に排紙される。
一方、上述した画像形成装置101において、ユーザから、画像読取部5(ADF7)を用いてシート状の媒体すなわち原稿からの画像情報の読み込みおよび画像形成すなわち複写が指示された場合、画像読取部5により、原稿の画像情報が光の明暗として取り込まれる。すなわち、図示しない照明装置により照明された原稿からの反射光(光の明暗)が、図示しないが、例えばCCDセンサにより画像信号に変換され、画像処理部171により所定の補正が施される。
画像処理部171により所定の補正が施された画像信号は、スキャナビデオインタフェース(I/F)172を経由して、スキャナ画像圧縮回路173に入力される。
スキャナ画像圧縮回路173により圧縮された原稿の画像情報である画像信号は、画像メモリ制御部181を経由して、画像メモリ191に格納(記憶)される。
画像メモリ191に格納(記憶)された画像データは、CPU111の制御により、所定のタイミングで(画像メモリ制御部181を経由して)プリンタ画像処理回路163に供給される。
プリンタ画像処理回路163に供給された画像データは、プリンタビデオインタフェース(I/F)162を介して画像形成部(プリンタ)1の画像処理部161に入力され、露光装置21から出力すべきラスタデータに変換される。
この後、既に説明したプリントアウトと同様の工程により、原稿の画像情報に対応したトナー像が形成され、所定のタイミングで搬送路41を搬送されている用紙Pにトナー像が転写される。
定着装置19において転写されたトナー像が定着された用紙Pは、切換部55を介して、ユーザによりフィニッシャ装置201のトレイ59への排紙が選択(指示)されている場合を除いて、排紙トレイ51に、排紙される。
これにより、画像読取部5により読み取られた原稿の画像が複写(複製)されたハードコピーは、画像形成部本体1の排紙トレイ51に順に積層される。すなわち、原稿画像情報を複写して得られる複写物は、ユーザの作業位置に比較的近い原稿読取部5の近傍に排紙される。このことは、ユーザが、複写物(ハードコピー)を取り出す(持ち帰る)ために、画像形成装置101の本体の近傍から移動することなく、容易に複写物を取り出す(持ち帰る)ことを可能とする。
図11および図11Aは、メインスイッチ103とメインスイッチ103を覆うカバー103aの位置と、画像形成部本体1の側面に位置される手差しユニット81との位置関係を示す。図11Aに示したメインスイッチ103は、例えば図2、図2A、図3〜図5に示したが、ユーザが通常行う作業範囲での動作でオフ<<操作>>できる別の位置、例えば任意のサイズの用紙(シート状媒体)の供給に利用される手差し(バイパス)トレイ81が“閉じた位置”にある場合のような直接ユーザが触れることのできない位置、に設けられる。
メインスイッチ103は、本来、画像形成装置101の正面側の視認性の良いところに配置される。その一方で、コピー作業中に誤ってメインスイッチ103が触られないように、専用のカバーを設けることが一般的である。しかしながら、今日、HDD146などが搭載されていることから、画像形成装置101の電源をハード的に遮断してしまうメインスイッチ103は、緊急時以外は使用せずに、例えば、操作パネル9上の液晶パネルからの操作によりシステムを終了させた後に、メインスイッチ103がオフされるタイプ(画像形成装置)も実用化されている。また、サブスイッチ105を画像形成装置101の正面や視認性の高いところに位置させ、メインスイッチ103は、通電を遮断する意図により操作を必要とする(比較的)奥まったところに配置されている例もある。
図12は、メインスイッチ103とメインスイッチ103を覆うカバー103aの位置と、ADF7を画像読取部5から開放した状態を示す。
図12に示す画像形成装置においては、メインスイッチ103を、画像読取部5と一体に利用されるADF7(または図示しない原稿押さえ)が、画像読取部5の原稿ガラス5aを覆う“閉じた位置”から画像読取部5の原稿ガラス5aに原稿をセットするための“開いた位置”に変位(開放)されることによりのみ、操作可能である。
なお、メインスイッチ103は、ADF7が“閉じた位置”にある場合、カバー103aの一部がADF7により覆われる位置に設けられているので、ユーザが直接触れることが抑止されている。反面、緊急時等のメインスイッチ103をオフする必要が生じた場合には、メインスイッチ103の視認性は確保しながら、ユーザが通常行う作業範囲での動作(この図12の例では、ADF7の開放)で電源をオフできる。カバー103aは、メインスイッチ103を奥まった配置にすることと、ADF7の外枠にかかる(ADF7を閉じることで隠れる)割合を多くとることで、省略することも可能である。
このように、メインスイッチ103とサブスイッチ105とを設け、メインスイッチ103を、ユーザが通常行う作業範囲での動作(図11および図11Aの例では、手差しトレイ81の開放、図12の例では、ADF7の開放)により電源をオフできるよう、構成したことにより、すぐにでも電源を遮断しなければならない緊急のときは、手差しトレイ81またはADF7を開け、電源スイッチカバー103aを開けて、メインスイッチ103をオフすることにより、電源をオフすることができる。また、手差しトレイ81またはADF7が閉じているときは、電源スイッチカバー103aが押さえられているために開けることができない。従って、この動作中に通常の電源オフ作業であれば、操作パネル9側に設けられたサブスイッチ105に気づき、(ユーザが)操作することができる。
図13は、画像形成装置101の背面のカバー部材を取り除き、背面からみた状態を示す。
図13に示すように、画像形成装置101を背面から見た状態において、図10に概略を示した主制御ブロック(CPU)111などの回路要素や、HDD146などの電子部品群が搭載された回路基板311、313、315および317は、それぞれ、シールドケース301、303、305および307内に、収容されている。なお、少なくとも1つのシールドケース、例えばシールドケース301は、図13に示す通り、支点331を回動中心とし、画像形成装置101の外側(背面)に向けて、開放(旋回)可能である。
例えばシールドケース301と303との間には、ファン91が設けられている。なお、ファン91は、例えば図14Aに示すように、シールドケース303に内蔵されてもよいし、例えば図14BBに示すように、シールドケース301に内蔵されてもよい。また、ファン91は、図14Cに示すように、(シールドケース301および303と)独立して設けられてもよい。なお、ファン91が図14Cに示すように、シールドケース301および303との間に位置されている場合、例えば図15Aに示すように、シールドケース301が支柱331を中心として回動される際に、シールドケース301とともに、シールドケース303(装置本体101)から分離されてもよい。また、図15Bに示すように、ファン91がシールドケース303側に位置されてもよい。
図14A〜図14Cは、図13に示したファンの配置による冷却風(空気)の流れを模式的に示す。
図14Aから明らかなように、画像形成装置101の背面カバー側から外側のシールドケース301に流入した(吸い込まれた)空気(冷却風)は、シールドケース301の非背面側(内側のシールドケース303側)に形成されている通気孔301aを介して、シールドケース303に固定されているファン91の作用により、シールドケース301内に位置されている回路基板311の表裏(2面)に沿って通気孔301aに導かれる。
ファン91により吸い出された気流(冷却風)は、シールドケース301の内側に位置されているシールドケース303に、ファン91すなわち通気孔303aから引き込まれ、シールドケース303内に位置されている回路基板313の表裏(2面)に沿って、シールドケース303内を通過し、シールドケース303の図示しない排出孔から画像形成装置101の外部、例えば底面に、排出される。
図14Bに示す例では、画像形成装置101の背面カバー側から外側のシールドケース301に流入した(吸い込まれた)空気(冷却風)は、シールドケース301の非背面側(内側のシールドケース303側)に位置されているファン91すなわち通気孔301aを介して、シールドケース301内に位置されている回路基板311の表裏(2面)に沿って通気孔301aに導かれる。
ファン91により吸い出された気流(冷却風)は、シールドケース301の内側に位置されているシールドケース303に、通気孔303aから引き込まれ、シールドケース303内に位置されている回路基板313の表裏(2面)に沿って、シールドケース303内を通過し、シールドケース303の図示しない排出孔から画像形成装置101の外部、例えば底面に、排出される。
もちろん、図14A〜図14Cに示したいずれの例においても、ファンの位置と空気(冷却風う)の流れは、任意に設定可能であることはいうまでもない。
図16は、ファン91の別の配置の例を示す。なお、図16は、画像形成装置101の背面のカバー部材を取り除き、背面からみた状態を示す。
図16に示すように、シールドケース401は、第1の回路基板411aと第2の回路基板411bを有する。両基板411a、411bは、例えば画像形成装置101の前後方向において、2層に配置される。ファン91は、第1の回路基板411aと第2の回路基板411bとの間に位置される。
なお、回路基板間あるいはシールドケース間にファン91を配置することで、手前側の基板あるいはシールドケースが遮音部材となりファン91の騒音が外部に伝達されることを抑えることができる。また、シールドケースに入れられた基板を前後に配置し、一方のケース(ユニット)を、支点により開閉可能な構造とし、カバーを通して外気が取り込めるように装置の外側付近に配置し、ケース底面に(図示しない)排気用の開口部を設け、基板前後の間にファンを配置し、他方のケース内に外気からの風を取り込めるようにしたので、基板を前後方向に配置するために、表面積が大きくならずに済み製品が大きくならない。
また、手前側のケースが支点を介して開閉可能なために、固定ネジ1本などで開閉可能になるために奥側のケースヘの保守が簡単にアクセスでき、基板交換などのメンテナンスが簡単にできる。
さらに、奥側のケースについては、製品内部の風を取り入れるのではなく、手前側の基板のケースを通して外気を取り入れると共に前後間に配置したファンにより、安定した風量の冷却をすることができる。
図17は、シールドケース301が閉じられた状態において、外側になる所定位置にも第2のファン(91)を設ける例、を模式的に示す。なお、図17に示す例において、より冷却効率を高めるためには、シールドケース301が閉じられた状態において外側になる側に、通気孔301b(図13参照)を設けることが好ましい。
図18および図19は、それぞれ、2以上のシールドケース(例えば第1のシールドケース301と第2のシールドケース303(図13参照)と2以上のファンによりシールドケース内の回路基板を冷却する例を、模式的に示す。
なお、図18および図19に示すように、2以上のシールドケースを用いることは、
製品(画像形成装置101)内の(さまざまな)ユニットと任意の回路基板との間の配線などに、ノイズなどの影響を与えたり、受けたりしやすいものがあり、配線などが短くなるように製品内部に配置された方が好ましい基板などがある、
内部に配置された基板の方が外側に配置される基板に対し、発熱量をもつこともあり、製品内部から発熱してしまうのを防止するためにも効果的に冷却、排熱する必要がある、
製品(画像形成装置101)内の(さまざまな)ユニットの制御の異なる複数の基板を1つのケースに前後にまとめて配置してしまうと、基板の交換性や基板からの配線、コネクタの接続などメンテナンス性が悪くなる、
および、
各基板の大きさにより、大きい基板に合わせたケースにする必要があるために、無駄に大きなケースが必要となり、製品自体の大きさにも影響してしまう、
等の要因により、制御に応じた各基板を必要な大きさのケースに分けて配置するために、有益である。
例えば、図18に示すように、回動支点333、335を回転中心としてそれぞれ独立に旋回(開放)可能に、2つのシールドケース301と309を配列し、内側になるシールドケース309よりもさらに内側(画像形成装置101の内部寄り)に、シールドケース321を設け、シールドケース301と309との間ならびにシールドケース309と321との間に、それぞれファン(91)を配置してもよい。なお、最も内側に位置されるシールドケース321を冷却した空気(冷却風)は、図示しないが、例えば画像形成装置101の底面側に向けて排気孔を用意することにより、(画像形成装置101の底面側に)排気される。また、ファンの位置と冷却風(空気)の流れは、任意に設定可能であることはいうまでもない。
例えば、図19に示すように、回動支点331を回転中心として旋回(開放)可能に位置され、内部が2以上に区分されたシールドケース323と、シールドケース323よりもさらに内側(画像形成装置101の内部寄り)に設けられたシールドケース325との間に、2以上のファンを配置し、外部からの冷却風(空気)をシールドケース323の1つの区画を介して内側のシールドケース325に導き、シールドケース325内を冷却した冷却風(空気)を、シールドケース323の他の区画を介して、外部へ排出することも可能である。
なお、本発明は、上述のいずれかの実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記のいずれかの実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…画像形成部、3…用紙供給部、5…画像読取部、7…自動原稿送り装置(ADF)、9…操作部、9a…支柱、9b…スイングアーム、11a〜11d…感光体ドラム、13a〜13d…現像装置、15…転写ベルト、17…転写装置、19…定着装置、21…定着装置、51…排紙トレイ、53…第2の排紙トレイ。