近年、青紫半導体レーザの実用化に伴い、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)と同じ大きさで、高密度・大容量の光情報記録媒体(以下、光ディスクともいう)であるBlu−ray Disc(以下、BD)が実用化されている。このBDは、波長400nm程度の青紫レーザ光源と、開口数(Numerical Aperture、NA)を0.85まで高めた対物レンズを用いて記録又は再生を行う、保護基板厚約0.1mmの光ディスクである。
また、同じく波長400nm程度の青紫レーザ光源と、開口数0.65の対物レンズを用いた、保護基板厚0.6mmのHD DVDも実用化がなされている。これらの青紫レーザ光源を用いて記録又は再生を行う光ディスクを総称して、高密度光ディスクと呼ぶ。
それぞれ保護基板厚が異なる光ディスクの情報記録面に対して、それぞれ異なる波長のレーザ光を一つの対物レンズを用いて集光させて情報の記録又は再生を行う、互換性を有する光学ヘッドが提案されている。
このような光学ヘッドの構成例を図23に示す。図23において、光学ヘッド130は、青紫レーザ光を出射する光源101、ビームスプリッタ102、リレーレンズ103、ホログラム104、ダイクロプリズム105、コリメートレンズ106、対物レンズ107、回折格子108、赤色レーザ光と赤外レーザ光を出射する2波長光源111、受光素子112を備える。また、BD60は、保護基板厚0.075〜0.1mmの光ディスクである。
ここで、BD60に対して、情報の記録又は再生を行う従来の光学ヘッド130の動作について述べる。光源101から出射された青紫レーザ光は、ビームスプリッタ102で反射し、リレーレンズ103を透過して、発散角のより大きな発散光に変換される。さらに、リレーレンズ103を透過した青紫レーザ光は、ホログラム104を透過し、ダイクロプリズム105で反射された後、コリメートレンズ106で略平行光に変換される。そして、略平行光に変換された青紫レーザ光は、対物レンズ107によって、保護基板越しにBD60の情報記録面に光スポットとして集光される。BD60の情報記録面で反射したレーザ光は、再び対物レンズ107及びコリメートレンズ106を透過し、ダイクロプリズム105で反射され、ホログラム104及びリレーレンズ103を透過した後、ビームスプリッタ102を透過し、受光素子112に導かれる。
ここで、ホログラム104をレーザ光が透過する際に、0次回折光と±1次回折光とが発生する。光源101から出射された往路のレーザ光の±1次回折光は、対物レンズ107の直前に配置された開口(図示せず)によって遮断され、BD60には達しない。一方、BD60で反射された復路のレーザ光の±1次回折光は、受光素子112の所定の受光領域で検出され、主としてサーボ信号の生成に用いられる。
ここで、フォーカス誤差信号は、例えばビームスプリッタ102と受光素子112との間に配置された検出レンズ(図示せず)等によって復路のレーザ光に非点収差を与えた後、4分割受光パターンにより取得する、いわゆる非点収差法等を用いて検出することが可能である。なお、トラッキング誤差信号については後述する。
次に、図24を用いて、保護基板厚0.6mmの光ディスクであるDVD70あるいは保護基板厚1.2mmの光ディスクであるCD80に対して、情報の記録又は再生を行う従来の光学ヘッド130の動作について述べる。2波長光源111から出射された波長655nmの赤色レーザ光あるいは波長785nmの赤外レーザ光は、回折格子108によって0次回折光であるメインビームと±1次回折光であるサブビームとに分離される。メインビームとサブビームは、ダイクロプリズム105を透過し、コリメートレンズ106で略平行光に変換され、対物レンズ107によって、保護基板越しにDVD70あるいはCD80の情報記録面に光スポットとして集光される。DVD70あるいはCD80の情報記録面で反射したメインビームとサブビームは、再び対物レンズ107及びコリメートレンズ106を透過し、ダイクロプリズム105で反射され、ホログラム104、リレーレンズ103及びビームスプリッタ102を透過し、受光素子112に導かれ、情報信号及びサーボ信号を生成する。
ここで、DVD70及びCD80を記録又は再生するためのフォーカス誤差信号は、上述のBD60を記録又は再生するためのフォーカス誤差信号と同様に非点収差法等を用いて検出することが可能である。また、トラッキング誤差信号は、回折格子108によって生成されたメインビームとサブビームとを用いた、いわゆる3ビーム法や差動プッシュプル法(DPP法)等を用いて検出される。
なお、対物レンズ107は、BD60を記録又は再生するための青紫レーザ光、DVD70を記録又は再生するための赤色レーザ光、及びCD80を記録又は再生するための赤外レーザ光を、波長の差を利用してそれぞれ微小な光スポットとして集光するための回折構造を備えている。
従って、このような光学ヘッド130を用いることで、それぞれ異なる種類の光ディスクに対し、それぞれ異なる波長のレーザ光を一つの対物レンズ107を用いて集光させて情報の記録又は再生を行うことができる。
次に、BD60を記録又は再生するためのトラッキング誤差信号について詳述する。
特許文献1には、BD60のように複数の情報記録面を備えた高密度光ディスクを記録又は再生するための光ディスク装置が示されている。図25は、BDを記録又は再生する場合の従来の別の光学ヘッドの概略構成図である。
図25の光学ヘッド230において、光源201から出射されてBD60の情報記録面で反射された青紫レーザ光は、対物レンズ207、コリメートレンズ206を透過した後、ビームスプリッタ202を透過して、ホログラム204に入射し、複数のビームが生成される。ホログラム204で生成された複数のビームは、検出レンズ203を透過して非点収差が付与された後、受光素子212で受光される。
ホログラム204は、7種類の領域204a〜204gを有しており、入射したレーザ光を0次回折光と±1次回折光とに分割する。図26は、従来の別の光学ヘッド230のホログラム204の光束分割パターンを模式的に示す図である。0次回折光x0は領域204a〜204gから、+1次回折光xaは領域204aから、+1次回折光xbは領域204bから、+1次回折光xcは領域204cから、+1次回折光xdは領域204dから、+1次回折光xeは領域204eから、+1次回折光xfは領域204fから、+1次回折光xgは領域204gから、それぞれ生成される。
図27は、従来の別の光学ヘッド230における受光素子212の受光領域のパターンに対して、BD60で反射して受光素子212に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。受光素子212は、全部で10個の受光部212a〜212jを有している。
受光部212a〜212dは、フォーカス誤差信号と、光ディスク(BD60)に記録された情報を再生するための信号との検出に用いられる。
一方、受光部212e〜212jは、トラッキング誤差信号の検出に用いられる。フォーカス誤差信号を検出するための受光部212a〜212dと、トラッキング誤差信号を検出するための受光部212e〜212jとを同一の半導体基板上に形成することで、光学ヘッドを小型にすることができ、また光学ヘッドを組み立てる際の工数を少なくすることができる。
受光部212a〜212jは、それぞれ受光した光量に応じた電流信号I212a〜I212jを出力する。フォーカス誤差信号FEは、FE=(I212a+I212c)−(I212b+I212d)の演算により得られる。また、トラッキング誤差信号TEは、TE=(I212e−I212f)−k(I212g+I212h−I212i−I212j)の演算により得られる。
ここで、0次回折光x0は4つの受光部212a〜212dで、+1次回折光xaは受光部212eで、+1次回折光xbは受光部212fで、+1次回折光xcは受光部212gで、+1次回折光xdは受光部212hで、+1次回折光xeは受光部212iで、+1次回折光xfは受光部212jでそれぞれ受光される。なお、+1次回折光xgは、どの受光部でも受光されないように構成されている。このような構成とすることで、光ディスク(BD60)に形成される溝の位置、幅及び深さにばらつきがあるときやトラックに情報が記録されることで生じるトラッキング誤差信号の変動を低減することが可能である。
また、光ディスク(BD60)が複数の情報記録面を有している場合に、不要な光がトラッキング誤差信号を検出するために用いられる受光部に入射することを避ける役目も果たしている。
0次回折光x0と+1次回折光xa〜xgとは、光ディスクの情報記録面で反射されたレーザ光が、ホログラム204に入射して生成される。しかしながら、光ディスク(BD60)は、2つの情報記録面60a、60b(図示せず)を有しているので、実際に記録又は再生を行う情報記録面60aとは異なる情報記録面60bで反射されたビームも、ホログラム204に入射して、回折光が生成される。0次回折光y0と+1次回折光ya〜ygとは、情報記録面60bで反射されたレーザ光が、ホログラム204に入射して、生成された回折光である。0次回折光y0は領域204a〜204gから、+1次回折光yaは領域204aから、+1次回折光ybは領域204bから、+1次回折光ycは領域204cから、+1次回折光ydは領域204dから、+1次回折光yeは領域204eから、+1次回折光yfは領域204fから、+1次回折光ygは領域204gから、それぞれ生成される。
対物レンズ207で集光されるレーザ光が、情報記録面60aに焦点を結んでいる時、情報記録面60bでは、大きくデフォーカスをしている。そのため、0次回折光y0と+1次回折光ya〜ygも受光素子212上で大きくデフォーカスをしている。ここで、0次回折光y0と+1次回折光ya〜ygとが、いずれも受光部212e〜212jに入射しないようにしている。これは、0次回折光y0と+1次回折光ya〜ygとが、受光部212e〜212jに入射すると、その入射の程度に応じてトラッキング誤差信号に変動が生じ、その結果、安定なトラッキング制御ができなくなることがあるためである。
また、図26に示すホログラム204の中央部に領域204gを設け、領域204gから生成された+1次回折光xgをトラッキング誤差信号の生成には用いていない。ここで、+1次回折光xgを+1次回折光xa〜xfとは直交する方向に回折させている。このことにより、受光部212e〜212jを1次回折光xgが入射しない位置に形成できる。
なお、+1次回折光と共役の位置に形成される−1次回折光についても受光部212e〜212jには入射しない。
また、特許文献2には、それぞれ多層を備えた複数種類の光ディスクに対し、記録又は再生の対象となる記録層とは異なる記録層からの0次回折光の広がりの最大範囲又は最小範囲を、1次回折光の受光部が跨がないよう配置することで、安定したトラッキング誤差信号を得ようとする光学ヘッドが示されている。
ところで、特許文献3には、対物レンズとホログラムとを一体化し、対物レンズとホログラムとが一体となった部分が、光源とは独立に移動可能である光学ヘッドについての記述がある。図28は、DVDを記録又は再生する場合の従来のさらに別の光学ヘッドの概略構成図である。
図28の光学ヘッド330において、光源301から出射されたレーザ光は、ホログラム304と対物レンズ307とによって、光ディスク(例えばDVD70)の情報記録面上に集光される。DVD70の情報記録面で反射したレーザ光は、再び対物レンズ307を透過し、ホログラム304の各領域を透過して回折され、受光素子312に導かれる。
アクチュエータ370は、受光素子312から得られるトラッキング誤差信号に基づき、DVD70の情報記録面に形成された情報トラックに、対物レンズ307によって集光された光スポットが追従するよう、対物レンズ307を駆動するトラッキング制御を行う。ここで、ホログラム304は、対物レンズ307と一体化されており、アクチュエータ370によって一体で駆動される。
ホログラム304と対物レンズ307とは一体化されているので、トラッキング制御時に対物レンズ307が移動しても、DVD70で反射したレーザ光は、ホログラム304上ではほとんど移動しない。従って、1ビームによるプッシュプル法によるトラッキング誤差信号を検出する際に、対物レンズ307の光軸が光源301から出射されるレーザ光の光軸からずれたとしても、トラッキング誤差信号にはオフセットが生じない。
このような構成は、例えばDVD−RAMのように、情報トラックのピッチが光スポットに比べて比較的大きく、光ディスクからの反射光の回折角が小さい光学系に対して、1ビームによるプッシュプル法を適用する場合に有用である。
特開2004−281026号公報
国際公開第2004/068480号パンフレット
特開平1−62838号公報
特許文献1には、BDのような高密度光ディスクに好適なトラッキング誤差信号検出が可能な光学ヘッドの構成が示されている。また、特許文献3には、DVD−RAMのように情報トラックのピッチが光スポットに比べて比較的大きい光ディスクに好適なトラッキング誤差信号検出が可能な光学ヘッドの構成が示されている。さらに特許文献2には、多層を備えた複数種類の光ディスクに対して安定したトラッキング誤差信号検出が可能な光学ヘッドの構成が示されている。
しかしながら、これらの特許文献には、BD等の高密度光ディスクとDVD及びCDとの記録又は再生を行う互換型の光学ヘッドを構成する場合に、全ての種類の光ディスクに対して好適なトラッキング誤差信号検出を可能とする、ホログラムの光束分割パターンや受光素子の受光パターンについては言及されていない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、異なる種類の光ディスクに対して好適にトラッキング誤差信号を検出することができる光学ヘッド及び光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る光学ヘッドは、350nm〜450nmの間の第1の波長を有する第1のレーザ光を出射する第1の光源と、600nm〜700nmの間の第2の波長を有する第2のレーザ光を出射する第2の光源と、前記第1のレーザ光を第1の情報記録媒体に集光し、前記第2のレーザ光を前記第1の情報記録媒体とは異なる第2の情報記録媒体に集光する対物レンズと、前記第1の情報記録媒体によって反射及び回折された前記第1のレーザ光と前記第2の情報記録媒体によって反射及び回折された前記第2のレーザ光との共通光路に配置され、それぞれのレーザ光を複数の光束に分割する光束分割部と、前記光束分割部で分割された前記複数の光束を受光する受光部とを備え、前記光束分割部は、前記第1の情報記録媒体で反射及び回折された光束が透過する領域内において、前記対物レンズの光軸を通り前記第1の情報記録媒体の情報トラックと平行な第1の線により分割される第1の領域と第2の領域とを含み、前記第1の領域は、前記第1の情報記録媒体からの1次回折光を多く透過させる第1の透過領域と、前記第1の透過領域に隣接し前記第1の透過領域よりも光軸に近い第2の透過領域と、前記第1の透過領域及び前記第2の透過領域に隣接する第3の透過領域とを含み、前記第2の領域は、前記第1の情報記録媒体からの1次回折光を多く透過させる第4の透過領域と、前記第4の透過領域に隣接し前記第4の透過領域よりも光軸に近い第5の透過領域と、前記第4の透過領域及び前記第5の透過領域に隣接する第6の透過領域とを含む。
この構成によれば、第1の光源によって、350nm〜450nmの間の第1の波長を有する第1のレーザ光が出射され、第2の光源によって、600nm〜700nmの間の第2の波長を有する第2のレーザ光が出射される。対物レンズによって、第1のレーザ光が第1の情報記録媒体に集光され、第2のレーザ光が第1の情報記録媒体とは異なる第2の情報記録媒体に集光される。第1の情報記録媒体によって反射及び回折された第1のレーザ光と第2の情報記録媒体によって反射及び回折された第2のレーザ光との共通光路に配置された光束分割部によって、それぞれのレーザ光が複数の光束に分割される。そして、受光部によって、光束分割部で分割された複数の光束が受光される。光束分割部は、第1の情報記録媒体で反射及び回折された光束が透過する領域内において、対物レンズの光軸を通り第1の情報記録媒体の情報トラックと平行な第1の線により分割される第1の領域と第2の領域とを含む。第1の領域は、第1の情報記録媒体からの1次回折光を第1の領域における他の透過領域よりも多く透過させる第1の透過領域と、第1の透過領域に隣接し第1の透過領域よりも光軸に近い第2の透過領域と、第1の透過領域及び第2の透過領域に隣接する第3の透過領域とを含む。また、第2の領域は、第1の情報記録媒体からの1次回折光を第2の領域における他の透過領域よりも多く透過させる第4の透過領域と、第4の透過領域に隣接し第4の透過領域よりも光軸に近い第5の透過領域と、第4の透過領域及び第5の透過領域に隣接する第6の透過領域とを含む。
したがって、第1の透過領域、第3の透過領域、第4の透過領域及び第6の透過領域を透過した第1のレーザ光に基づいて第1の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出され、第1の透過領域、第2の透過領域、第4の透過領域及び第5の透過領域を透過した第2のレーザ光に基づいて第2の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出されるので、異なる種類の光ディスクに対して好適にトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記光束分割部は、前記第1の線と、前記第1の線に交わる第2の線及び第3の線と、前記第1の領域内において前記第2の線及び前記第3の線に交わる第4の線と、前記第2の領域内において前記第2の線及び前記第3の線に交わる第5の線とにより第1〜第6の透過領域に分割され、前記第1の透過領域は、前記第2の線及び前記第3の線の内側であり、かつ前記第4の線の外側に形成され、前記第2の透過領域は、前記第2の線、前記第3の線及び前記第4の線の内側に形成され、前記第3の透過領域は、前記第2の線及び前記第3の線の外側に形成され、前記第4の透過領域は、前記第2の線及び前記第3の線の内側であり、かつ前記第5の線の外側に形成され、前記第5の透過領域は、前記第2の線、前記第3の線及び前記第5の線の内側に形成され、前記第6の透過領域は、前記第2の線及び前記第3の線の外側に形成されることが好ましい。
この構成によれば、光束分割部は、第1の線と、第1の線に交わる第2の線及び第3の線と、第1の領域内において第2の線及び第3の線に交わる第4の線と、第2の領域内において第2の線及び第3の線に交わる第5の線とにより第1〜第6の透過領域に分割されている。そして、第2の線及び第3の線の内側であり、かつ第4の線の外側に第1の透過領域が形成され、第2の線、第3の線及び第4の線の内側に第2の透過領域が形成され、第2の線及び第3の線の外側に第3の透過領域が形成され、第2の線及び第3の線の内側であり、かつ第5の線の外側に第4の透過領域が形成され、第2の線、第3の線及び第5の線の内側に第5の透過領域が形成され、第2の線及び第3の線の外側に第6の透過領域が形成される。
したがって、第1〜第5の線により光束分割部を第1〜第6の透過領域に分割することができ、分割された第1〜第6の透過領域を透過したにレーザ光に基づいて、トラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記第2の線及び前記第3の線は、前記対物レンズの光軸に対して互いに対称な位置にあり、かつ前記第1の線と直角に交わる直線であり、前記第4の線及び前記第5の線は、前記対物レンズの光軸に対して互いに対称な形状であることが好ましい。
この構成によれば、第2の線及び第3の線は、対物レンズの光軸に対して互いに対称な位置にあり、かつ第1の線と直角に交わる直線である。また、第4の線及び第5の線は、対物レンズの光軸に対して互いに対称な形状である。したがって、第1の領域内における第1〜第3の透過領域と、第2の領域内における第4〜第6の透過領域とは、対物レンズの光軸に対して互いに対称な形状となり、高精度にトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記受光部は、前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の両方を受光し、前記光束分割部で分割された、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光との両方を受光する共通の受光領域を少なくとも1つ以上備えることが好ましい。
この構成によれば、光束分割部で分割された、第1のレーザ光と第2のレーザ光との両方を共通の少なくとも1つ以上の受光領域によって受光することにより、受光部を小型化することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記光束分割部は、前記対物レンズと一体で駆動されることが好ましい。この構成によれば、光束分割部と対物レンズとは一体化されているので、トラッキング制御時に対物レンズが移動しても、第2の情報記録媒体で反射したレーザ光は、光束分割部上ではほとんど移動しない。したがって、例えばDVD−RAMのように、情報トラックのピッチが光スポットに比べて比較的大きく、第2の情報記録媒体からの反射光の回折角が小さい光学系に対しても、1ビームによるプッシュプル法を適用することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記光束分割部は、通過する前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させる回折素子であることが好ましい。この構成によれば、光束分割部によって、通過する第1のレーザ光及び第2のレーザ光の一部が透過され、他部が回折されるので、透過及び回折された第1のレーザ光及び第2のレーザ光を受光部に導き、トラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記第1の光源及び前記第2の光源からそれぞれ出射された前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光の略全部を透過させるとともに、前記第1の情報記録媒体及び前記第2の情報記録媒体で反射及び回折された前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させる偏光ホログラムを含むことが好ましい。
この構成によれば、偏光ホログラムによって、第1の光源及び第2の光源からそれぞれ出射された第1のレーザ光と第2のレーザ光の略全部が透過される。また、偏光ホログラムによって、第1の情報記録媒体及び第2の情報記録媒体で反射及び回折された第1のレーザ光及び第2のレーザ光の一部が透過され、他部が回折される。
したがって、往路の第1のレーザ光及び第2のレーザ光は略全部が透過され、復路の第1のレーザ光及び第2のレーザ光は、一部が透過され、他部が回折されるので、第1の情報記録媒体及び第2の情報記録媒体で反射及び回折された第1のレーザ光及び第2のレーザ光を受光部に導き、トラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、断面形状がブレーズ型であることが好ましい。この構成によれば、回折素子の断面形状をブレーズ型にすることにより、−1次回折光の発生を抑制することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記受光部は、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、前記第1の情報記録媒体の情報トラックに前記第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaを、信号Ia1から信号Ia4を減算することで得られるプッシュプル信号を、信号Ia3から信号Ia6を減算することで得られる信号を用いて補正することにより取得し、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、前記第2の情報記録媒体の情報トラックに前記第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbを、信号Ib1と信号Ib2と信号Ib3とを加算することで得られる信号から、信号Ib4と信号Ib5と信号Ib6とを加算することで得られる信号を減算することにより取得することが好ましい。
この構成によれば、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、第1の情報記録媒体の情報トラックに第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaは、信号Ia1から信号Ia4を減算することで得られるプッシュプル信号を、信号Ia3から信号Ia6を減算することで得られる信号を用いて補正することにより取得される。また、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、第2の情報記録媒体の情報トラックに第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbは、信号Ib1と信号Ib2と信号Ib3とを加算することで得られる信号から、信号Ib4と信号Ib5と信号Ib6とを加算することで得られる信号を減算することにより取得される。
したがって、信号Ia1から信号Ia4を減算して得られるプッシュプル信号のオフセットを、信号Ia3から信号Ia6を減算して得られる信号で補正することにより、高精度に第1のトラッキング誤差信号を検出することができ、信号Ib1と信号Ib2と信号Ib3とを加算することで得られる信号から信号Ib4と信号Ib5と信号Ib6とを加算することで得られる信号を減算することにより、高精度に第2のトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記受光部は、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、前記第1の情報記録媒体の情報トラックに前記第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaを、TEa=(Ia1−Ia4)−k(Ia3−Ia6)(ただし、kは定数)の演算式に基づいて取得し、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、前記第2の情報記録媒体の情報トラックに前記第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbを、TEb=Ib1+Ib2+Ib3−Ib4−Ib5−Ib6の演算式に基づいて取得することが好ましい。
この構成によれば、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、第1の情報記録媒体の情報トラックに第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaは、TEa=(Ia1−Ia4)−k(Ia3−Ia6)(ただし、kは定数)の演算式に基づいて取得される。また、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、第2の情報記録媒体の情報トラックに第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbは、TEb=Ib1+Ib2+Ib3−Ib4−Ib5−Ib6の演算式に基づいて取得される。
したがって、信号(Ia1−Ia4)で得られるプッシュプル信号のオフセットを、信号(Ia3−Ia6)で補正することにより、高精度に第1のトラッキング誤差信号を検出することができ、信号(Ib1+Ib2+Ib3)から信号(Ib4+Ib5+Ib6)を減算することにより、高精度に第2のトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記受光部は、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、前記第1の情報記録媒体の情報トラックに前記第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaを、信号Ia1から信号Ia4を減算することで得られるプッシュプル信号を、信号Ia3から信号Ia6を減算することで得られる信号を用いて補正することにより取得し、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、前記第2の情報記録媒体の情報トラックに前記第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbを、信号Ib1と信号Ib2とを加算することで得られる信号から、信号Ib4と信号Ib5とを加算することで得られる信号を減算することにより取得することが好ましい。
この構成によれば、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、第1の情報記録媒体の情報トラックに第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaは、信号Ia1から信号Ia4を減算することで得られるプッシュプル信号を、信号Ia3から信号Ia6を減算することで得られる信号を用いて補正することにより取得される。また、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、第2の情報記録媒体の情報トラックに第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbは、信号Ib1と信号Ib2とを加算することで得られる信号から、信号Ib4と信号Ib5とを加算することで得られる信号を減算することにより取得される。
したがって、信号Ia1から信号Ia4を減算して得られるプッシュプル信号のオフセットを、信号Ia3から信号Ia6を減算して得られる信号で補正することにより、高精度に第1のトラッキング誤差信号を検出することができ、信号Ib1と信号Ib2とを加算して得られる信号から信号Ib4と信号Ib5とを加算して得られる信号を減算することにより、高精度に第2のトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記受光部は、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、前記第1の情報記録媒体の情報トラックに前記第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaを、TEa=(Ia1−Ia4)−k(Ia3−Ia6)(ただし、kは定数)の演算式に基づいて取得し、前記第1の透過領域から前記第6の透過領域で回折された前記第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、前記第2の情報記録媒体の情報トラックに前記第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbを、TEb=Ib1+Ib2−Ib4−Ib5の演算式に基づいて取得することが好ましい。
この構成によれば、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第1のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIa1〜Ia6とした場合、第1の情報記録媒体の情報トラックに第1のレーザ光をトラッキング制御させる第1のトラッキング誤差信号TEaが、TEa=(Ia1−Ia4)−k(Ia3−Ia6)(ただし、kは定数)の演算式に基づいて取得される。また、第1の透過領域から第6の透過領域で回折された第2のレーザ光を受光した受光領域から出力される信号をIb1〜Ib6とした場合、第2の情報記録媒体の情報トラックに第2のレーザ光をトラッキング制御させる第2のトラッキング誤差信号TEbが、TEb=Ib1+Ib2−Ib4−Ib5の演算式に基づいて取得される。
したがって、信号(Ia1−Ia4)で得られるプッシュプル信号のオフセットを、信号(Ia3−Ia6)で補正することにより、高精度に第1のトラッキング誤差信号を検出することができ、信号(Ib1+Ib2)から信号(Ib4+Ib5)を減算することにより、高精度に第2のトラッキング誤差信号を検出することができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記第1の情報記録媒体は、少なくとも2層以上の情報記録層を備えた多層情報記録媒体を含み、前記光束分割部は、通過する前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させ、前記受光部は、前記第1の情報記録媒体の所定の情報記録層で反射されて、前記光束分割部で回折された前記第1のレーザ光を受光する受光領域が、前記所定の情報記録層とは異なる情報記録層で反射されて前記光束分割部を透過又は回折された前記第1のレーザ光を受光しない位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1の情報記録媒体は、少なくとも2層以上の情報記録層を備えた多層情報記録媒体を含む。また、光束分割部は、通過する第1のレーザ光及び第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させる。そして、第1の情報記録媒体の所定の情報記録層で反射されて、光束分割部で回折された第1のレーザ光を受光する受光領域が、所定の情報記録層とは異なる情報記録層で反射されて光束分割部を透過又は回折された第1のレーザ光を受光しない位置に受光部が配置されている。
したがって、トラッキング誤差信号の変動を抑制し、安定したトラッキング制御を行うことができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記第2の情報記録媒体は、少なくとも2層以上の情報記録層を備えた多層情報記録媒体を含み、前記光束分割部は、通過する前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させ、前記受光部は、前記第2の情報記録媒体の所定の情報記録層で反射されて前記光束分割部で回折された前記第2のレーザ光を受光する受光領域が、前記所定の情報記録層とは異なる情報記録層で反射されて前記光束分割部を透過した前記第2のレーザ光を受光しない位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第2の情報記録媒体は、少なくとも2層以上の情報記録層を備えた多層情報記録媒体を含む。また、光束分割部は、通過する第1のレーザ光及び第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させる。そして、第2の情報記録媒体の所定の情報記録層で反射されて光束分割部で回折された第2のレーザ光を受光する受光領域が、所定の情報記録層とは異なる情報記録層で反射されて光束分割部を透過した第2のレーザ光を受光しない位置に受光部が配置されている。
したがって、トラッキング誤差信号の変動を抑制し、安定したトラッキング制御を行うことができる。
上記の光学ヘッドにおいて、前記第1の光源と前記第2の光源とは別体の素子であり、前記第1の光源の光軸と前記第2の光源の光軸とを略一致させる光路合成部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の光源と第2の光源とは別体の素子であり、光路合成部によって、第1の光源の光軸と第2の光源の光軸とが略一致される。したがって、互いに異なる位置から出射された第1のレーザ光と第2のレーザ光とを同一の対物レンズに入射させることができる。
本発明の他の局面に係る光学ヘッドは、第1の波長を有する第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザ光を出射する第2の光源と、前記第1のレーザ光を第1の情報記録媒体に集光し、前記第2のレーザ光を前記第1の情報記録媒体とは異なる第2の情報記録媒体に集光する対物レンズと、前記第1の情報記録媒体によって反射及び回折された前記第1のレーザ光と前記第2の情報記録媒体によって反射及び回折された前記第2のレーザ光との共通光路に配置され、それぞれのレーザ光を複数の光束に分割する光束分割部と、前記光束分割部で分割された前記複数の光束を受光する受光部とを備え、前記光束分割部は、前記第1の情報記録媒体によって反射および回折された光束が透過する領域内において、前記対物レンズの光軸を通り前記第1の情報記録媒体の情報トラックと平行な第1の分割線で2分割して得られる第1の領域と第2の領域とを含み、前記第1の領域内において、前記第1の情報記録媒体からの1次回折光を多く含む第1の分割領域と、前記第2の領域内において、前記第1の情報記録媒体からの1次回折光を多く含む第2の分割領域と、前記第1の領域内かつ前記第1の分割領域外において、前記第1の分割領域よりも前記光軸に近い第3の分割領域と、前記第2の領域内かつ前記第2の分割領域外において、前記第2の分割領域よりも前記光軸に近い第4の分割領域と、前記第1の領域内かつ前記第1の分割領域外かつ前記第3の分割領域外の第5の分割領域と、前記第2の領域内かつ前記第2の分割領域外かつ前記第4の分割領域外の第6の分割領域とをさらに含む。
この構成によれば、第1の光源によって、第1の波長を有する第1のレーザ光が出射され、第2の光源によって、第2の波長を有する第2のレーザ光が出射される。対物レンズによって、第1のレーザ光が第1の情報記録媒体に集光され、第2のレーザ光が第1の情報記録媒体とは異なる第2の情報記録媒体に集光される。第1の情報記録媒体によって反射及び回折された第1のレーザ光と第2の情報記録媒体によって反射及び回折された第2のレーザ光との共通光路に配置された光束分割部によって、それぞれのレーザ光が複数の光束に分割される。そして、受光部によって、光束分割部で分割された複数の光束が受光される。光束分割部は、第1の情報記録媒体によって反射および回折された光束が透過する領域内において、対物レンズの光軸を通り第1の情報記録媒体の情報トラックと平行な第1の分割線で2分割して得られる第1の領域と第2の領域とを含む。また、光束分割部は、第1の領域内において、第1の情報記録媒体からの1次回折光を第1の領域における他の分割領域よりも多く含む第1の分割領域と、第2の領域内において、第1の情報記録媒体からの1次回折光を第2の領域における他の分割領域よりも多く含む第2の分割領域と、第1の領域内かつ第1の分割領域外において、第1の分割領域よりも光軸に近い第3の分割領域と、第2の領域内かつ第2の分割領域外において、第2の分割領域よりも光軸に近い第4の分割領域と、第1の領域内かつ第1の分割領域外かつ第3の分割領域外の第5の分割領域と、第2の領域内かつ第2の分割領域外かつ第4の分割領域外の第6の分割領域とをさらに含む。
したがって、第1の分割領域、第2の分割領域、第5の分割領域及び第6の分割領域を透過した第1のレーザ光に基づいて第1の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出され、第1の分割領域、第2の分割領域、第3の分割領域及び第4の分割領域を透過した第2のレーザ光に基づいて第2の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出されるので、異なる種類の光ディスクに対して好適にトラッキング誤差信号を検出することができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、上記の光学ヘッドと、情報記録媒体を回転駆動するためのモータと、前記光学ヘッドと前記モータとを制御する制御部とを備える。
この構成によれば、上記のいずれかの光学ヘッドが搭載されているので、複数の光源に対応する情報記録媒体を、それぞれ良好に記録又は再生を行うことができる。
本発明によれば、第1の透過領域、第3の透過領域、第4の透過領域及び第6の透過領域を透過した第1のレーザ光に基づいて第1の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出され、第1の透過領域、第2の透過領域、第4の透過領域及び第5の透過領域を透過した第2のレーザ光に基づいて第2の情報記録媒体にトラッキングするためのトラッキング誤差信号が検出されるので、異なる種類の光ディスクに対して好適にトラッキング誤差信号を検出することができる。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光学ヘッドの概略構成図である。
図1において、光学ヘッド30は、青紫レーザ光を出射する光源1、ビームスプリッタ2、リレーレンズ3、偏光ホログラム4、所定以下の波長の光を反射するダイクロプリズム5、コリメートレンズ6、対物レンズ7、回折格子8、1/4波長板9、検出レンズ10、赤色レーザ光と赤外レーザ光を出射する2波長光源11、レーザ光を受光する受光素子12、及び対物レンズ7と偏光ホログラム4と1/4波長板9とを一体で駆動するアクチュエータ20を備える。
また、BD60は、保護基板厚0.075〜0.1mmの光ディスクである。
BD60に対して、情報の記録又は再生を行う光学ヘッド30の動作について述べる。光源1から出射された波長405nmの青紫レーザ光は、ビームスプリッタ2で反射し、リレーレンズ3を透過して、NAの異なる発散光に変換される。リレーレンズ3を透過した青紫レーザ光は、ダイクロプリズム5で反射された後、コリメートレンズ6で略平行光に変換され、偏光ホログラム4を透過した後、1/4波長板9によって直線偏光が円偏光に変換される。その後、青紫レーザ光は、対物レンズ7によって、保護基板越しにBD60の情報記録面に光スポットとして集光される。
BD60の情報記録面で反射したレーザ光は、再び対物レンズ7を透過し、1/4波長板9で往路とは異なる直線偏光に変換された後、偏光ホログラム4で0次回折光と1次回折光とに分離され、コリメートレンズ6を透過する。その後、青紫レーザ光は、ダイクロプリズム5で反射され、リレーレンズ3とビームスプリッタ2とを透過して、検出レンズ10で非点収差が与えられた後、受光素子12に導かれる。
次に、図2を用いて保護基板厚0.6mmの光ディスクであるDVD70の記録又は再生を行う場合の光学ヘッド30の動作、図3を用いて保護基板厚1.2mmの光ディスクであるCD80の記録又は再生を行う場合の光学ヘッド30の動作について述べる。
図2において、2波長光源11から出射された波長655nmの赤色レーザ光は、回折格子8とダイクロプリズム5とを透過し、コリメートレンズ6で略平行光に変換される。略平行光に変換された赤色レーザ光は、偏光ホログラム4を透過した後、1/4波長板9によって直線偏光が円偏光に変換される。その後、赤色レーザ光は、対物レンズ7によって、保護基板越しにDVD70の情報記録面に光スポットとして集光される。
DVD70の情報記録面で反射したレーザ光は、再び対物レンズ7を透過し、1/4波長板9で往路とは異なる直線偏光に変換された後、偏光ホログラム4で0次回折光と1次回折光とに分離され、コリメートレンズ6を透過する。その後、赤色レーザ光は、ダイクロプリズム5で反射され、リレーレンズ3とビームスプリッタ2とを透過して、検出レンズ10で非点収差が与えられた後、受光素子12に導かれる。
同様に図3において、2波長光源11から出射された波長785nmの赤外レーザ光は、回折格子8で0次回折光であるメインビームと1次回折光であるサブビームに分離された後、ダイクロプリズム5を透過し、コリメートレンズ6で略平行光に変換される。略平行光に変換された赤外レーザ光は、偏光ホログラム4を透過した後、1/4波長板9によって直線偏光が円偏光に変換される。その後、赤外レーザ光は、対物レンズ7によって、保護基板越しにCD80の情報記録面に光スポットとして集光される。
CD80の情報記録面で反射したレーザ光は、再び対物レンズ7を透過し、1/4波長板9で往路とは異なる直線偏光に変換された後、偏光ホログラム4を透過し、コリメートレンズ6を透過する。その後、赤外レーザ光は、ダイクロプリズム5で反射され、リレーレンズ3とビームスプリッタ2とを透過して、検出レンズ10で非点収差が与えられた後、受光素子12に導かれる。
ここで、対物レンズ7は、BD60を記録又は再生するための青紫レーザ光、DVD70を記録又は再生するための赤色レーザ光、及びCD80を記録又は再生するための赤外レーザ光を、波長の差を利用してそれぞれ微小な光スポットとして集光するための回折構造を備えている。
ただし、本発明は、このような回折構造を備えた対物レンズを用いた光学ヘッドに限定されるものではなく、複数の硝材の波長分散特性を利用した屈折型の対物レンズや、回折型/屈折型のレンズを複数組み合わせた組レンズであってもよいことは明らかである。
また、偏光ホログラム4は、光源から出射された往路の青紫レーザ光、赤色レーザ光及び赤外レーザ光のほぼ全てを透過し、光ディスクで反射されて1/4波長板9によって往路と直交する方向の直線偏光に変換された復路の青紫レーザ光及び赤色レーザ光の一部を回折し、赤外レーザ光のほぼ全てを透過する機能を有している。しかしながら、本発明はこのような偏光ホログラムに限定されるものではなく、例えば、復路の赤外レーザ光の一部を回折する機能を有していてもよい。なお、偏光ホログラム4の光束分割パターンと、それぞれの領域の格子ピッチとは、青紫レーザと赤色レーザとで共用するため、下記の(1)式の関係より、赤色レーザは青紫レーザに対して、ほぼ波長に比例して回折角θが大きくなる。
mλ=d・sinθ・・・(1)
ただし、m:回折次数、λ:レーザ波長、d:格子ピッチ、θ:回折角。
一方、本実施の形態の回折格子8は、2波長光源11から出射された赤外レーザ光に対して0次回折光と±1次回折光とを発生させ、赤色レーザ光に対してはそのほぼ全てを透過する波長選択性を有している。しかしながら、本発明はこのような回折格子に限定されるものではなく、赤色レーザに対しても0次回折光と±1次回折光とを発生させる、単純な回折格子であってもよい。
図4は、本発明の実施の形態1における2波長光源の概略構成図である。ここで、2波長光源11内の赤色レーザ光を出射する発光点11aと、赤外レーザ光を出射する発光点11bとは、図4に示すように、所定の間隔δをおいて配置されているモノリシック2波長レーザである。モノリシック2波長レーザは、図4に示すように、サブマウント82上に例えばGaAs基板81を形成した構造となっており、赤色レーザ光85と赤外レーザ光86とが一つのレーザチップから出射される。
2波長光源は、図4に示したようなモノリシックタイプ以外に、レーザチップを2つ並べたハイブリッドタイプもあるが、どちらも一般的には赤色レーザ光85の発光点11aと赤外レーザ光86の発光点11bとを一致させることはできない。従って、対物レンズ7の光軸に対して、光源1から出射される青紫レーザの光軸と、2波長光源11から出射される赤色レーザの光軸とを一致させた場合、2波長光源11から出射される赤外レーザの光軸を、それらと一致させることはできない。しかしながら、この時、赤外レーザ光は対物レンズ7に対して軸外入射となるが、発光点の間隔δが微小であるため、対物レンズ7による集光性能への影響も微小である。
次に、BD60を記録又は再生する場合の、偏光ホログラム4と受光素子12との機能について、図5〜図7を用いて詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における偏光ホログラム4の光束分割パターンを模式的に示す図である。偏光ホログラム4は、8種類の領域4a〜4hを有しており、所定の直線偏光の青紫レーザ光(本実施の形態においてはBD60で反射した復路の青紫レーザ光)を0次回折光と±1次回折光とに分割する。0次回折光j0は領域4a〜4hから、+1次回折光jaは領域4aから、+1次回折光jbは領域4bから、+1次回折光jcは領域4cから、+1次回折光jdは領域4dから、+1次回折光jeは領域4eから、+1次回折光jfは領域4fから、+1次回折光jgは領域4gから、+1次回折光jhは領域4hから、それぞれ生成される。
また、偏光ホログラム4は、BD60で反射及び回折された光束が透過する領域内において、第1の領域41と、第1の領域41に隣接する第2の領域42とを含む。第1の領域41は、BD60からの1次回折光を多く透過させる領域(第1の透過領域)4aと、領域4aに隣接し領域4aよりも光軸に近い領域(第2の透過領域)4gと、領域4a及び領域4gに隣接する領域(第3の透過領域)4c,4dとを含む。第2の領域42は、BD60からの1次回折光を多く透過させる領域(第4の透過領域)4bと、領域4bに隣接し領域4bよりも光軸に近い領域(第5の透過領域)4hと、領域4b及び領域4hに隣接する領域(第6の透過領域)4e,4fとを含む。
なお、偏光ホログラム4は、通過する第1のレーザ光及び第2のレーザ光の一部を透過させ、他部を回折させる回折素子の一例である。
図6は、本発明の実施の形態1における受光素子12の受光領域のパターンを模式的に示す図である。受光素子12は、全部で18個の受光部F1〜F8と受光部A〜Hと受光部A’,B’とを有している。ここで、受光部Aと受光部A’、受光部Bと受光部B’はそれぞれ異なる位置に配置されているが、配線上は繋がっているため1領域の受光部と見なすことができ、出力も1つである。
受光部F1〜F4は、BD60とDVD70とのフォーカス誤差信号と、光ディスクに記録された情報を再生するための信号との検出に用いられる。受光部F5〜F8は、CD80のフォーカス誤差信号と、光ディスクに記録された情報を再生するための信号との検出に用いられる。一方、BD60のトラッキング誤差信号の検出には、受光部A〜Dを用い、DVD70のトラッキング誤差信号の検出には、受光部A,B,E,Fを用い、CD80のトラッキング誤差信号の検出には、受光部G,Hを用いる。
フォーカス誤差信号を検出するための受光部F1〜F8と、トラッキング誤差信号を検出するための受光部A〜Hとを同一の半導体基板上に形成することで、光学ヘッドを小型にすることができ、また光学ヘッドを組み立てる際の工数を少なくすることができる。
受光部F1〜F8及び受光部A〜Hは、それぞれ受光した光量に応じた電流信号IF1〜IF8及び電流信号IA〜IHを出力する。BD60を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(2)式の演算により得られる。
FE=(IF1+IF3)−(IF2+IF4)・・・(2)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(3)式の演算により得られる。
TE=(IA−IB)−k(IC−ID)・・・(3)
ただし、kは定数である。
図7は、実施の形態1における受光素子12の受光領域のパターンに対して、BD60で反射して受光素子12に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光j0は4つの受光部F1〜F4で、+1次回折光jaは受光部Aで、+1次回折光jbは受光部Bで、+1次回折光jcとjdとは受光部Cで、+1次回折光jeとjfとは受光部Dでそれぞれ受光される。なお、+1次回折光jgとjhとはどの受光部でも受光されないようにしている。このような構成とすることで、BD60に形成される溝の位置、幅及び深さにばらつきがあるときやトラックに情報が記録されることで生じるトラッキング誤差信号の変動を低減することが可能である。
また、BD60が複数の情報記録面を有している場合に、トラッキング誤差信号を検出するために用いられる受光部に不要な光が入射することを避ける役目も果たしている。
0次回折光j0と+1次回折光ja〜jhとは、BD60の情報記録面で反射された青紫レーザ光が、偏光ホログラム4に入射して生成される回折光である。BD60は、2つの情報記録面60a、60b(図示せず)を有しているので、実際に記録又は再生を行う情報記録面60aとは異なる情報記録面60bで反射されたビームも、偏光ホログラム4に入射して、回折光が生成される。0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とは、情報記録面60bで反射された青紫レーザ光が、偏光ホログラム4に入射して生成される回折光である。0次回折光j0’は領域4a〜4hから、+1次回折光ja’は領域4aから、+1次回折光jb’は領域4bから、+1次回折光jc’は領域4cから、+1次回折光jd’は領域4dから、+1次回折光je’は領域4eから、+1次回折光jf’は領域4fから、+1次回折光jg’は領域4gから、+1次回折光jh’は領域4hからそれぞれ生成される。
対物レンズ7で集光される青紫レーザ光が、情報記録面60aに焦点を結んでいる時、情報記録面60bでは、大きくデフォーカスをしている。そのため、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’も受光素子12上で大きくデフォーカスをしている。ここで、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とは、いずれも受光部A〜Dに入射しないように回折される。これは、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とが、受光部A〜Dに入射すると、その入射の程度に応じてトラッキング誤差信号に変動が生じ、その結果、安定なトラッキング制御ができなくなることがあるためである。
また、図5に示す偏光ホログラム4の中央部に領域4gと4hとを設け、領域4gと4hとから生成された+1次回折光jgとjhとをトラッキング誤差信号の生成には用いていない。ここで、+1次回折光jgとjhとを1次回折光ja〜jfとは直交する方向に回折させている。このことにより、受光部A〜Dを1次回折光jg’とjh’とが入射しない位置に配置することができる。
次に、DVD70を記録又は再生する場合の、偏光ホログラム4と受光素子12との機能について、図8を用いて詳細に説明する。
図5に示した偏光ホログラム4に入射した所定の直線偏光の赤色レーザ光(本実施の形態においてはDVD70で反射した復路の赤色レーザ光)は、0次回折光と±1次回折光とに分割される。0次回折光k0は領域4a〜4hから、+1次回折光kaは領域4aから、+1次回折光kbは領域4bから、+1次回折光kcは領域4cから、+1次回折光kdは領域4dから、+1次回折光keは領域4eから、+1次回折光kfは領域4fから、+1次回折光kgは領域4gから、+1次回折光khは領域4hから、それぞれ生成される。
DVD70を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(4)式の演算により得られる。
FE=(IF1+IF3)−(IF2+IF4)・・・(4)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(5)式の演算により得られる。
TE=(IA+IE)−(IB+IF)・・・(5)
図8は、実施の形態1における受光素子12の受光領域のパターンに対して、DVD70で反射して受光素子12に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光k0は4つの受光部F1〜F4で、+1次回折光kaは受光部A’で、+1次回折光kbは受光部B’で、+1次回折光kgは受光部Eで、+1次回折光khは受光部Fでそれぞれ受光される。なお、+1次回折光kc,kd,ke,kfはどの受光部でも受光されないようにしている。これは、+1次回折光kc,kd,ke,kfが、DVD70の情報トラックの溝の変調をほとんど受けない光であり、1ビームによるいわゆるプッシュプル法によるトラッキング誤差信号TEの検出には実質的に不要だからである。
0次回折光k0と+1次回折光ka〜khとは、DVD70の情報記録面で反射された赤色レーザ光が、偏光ホログラム4に入射して生成された回折光である。DVD70は、2つの情報記録面70a、70b(図示せず)を有しているので、実際に記録又は再生を行う情報記録面70aとは異なる情報記録面70bで反射されたビームも、偏光ホログラム4に入射して、回折光が生成される。0次回折光k0’と+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)とは、情報記録面70bで反射された赤色レーザ光が、偏光ホログラム4に入射して生成される回折光である。0次回折光k0’は領域4a〜4hから、+1次回折光ka’は領域4aから、+1次回折光kb’は領域4bから、+1次回折光kc’は領域4cから、+1次回折光kd’は領域4dから、+1次回折光ke’は領域4eから、+1次回折光kf’は領域4fから、+1次回折光kg’は領域4gから、+1次回折光kh’は領域4hからそれぞれ生成される。
対物レンズ7で集光される赤色レーザ光が、情報記録面70aに焦点を結んでいる時、情報記録面70bでは、大きくデフォーカスをしている。そのため、0次回折光k0’と+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)も受光素子12上で大きくデフォーカスをしている。ここで、0次回折光k0’が、受光部A,B,E,Fに入射しないようにしている。
これは、0次回折光k0’が、受光部A,B,E,Fに入射すると、その入射の程度に応じてトラッキング誤差信号に変動が生じ、その結果、安定なトラッキング制御ができなくなることがあるためである。
なお、2つの情報記録面の間隔が20μm程度のBD60と比較して、DVD70は2つの情報記録面の間隔が40μm以上と大きいため、+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)はデフォーカス量が非常に大きくなる。従って、それらが受光部A,B,E,Fに入射しても、トラッキング誤差信号への影響は非常に微小であるため、実質的に問題ない。
以上のように、偏光ホログラム4と対物レンズ7とは一体化されているので、トラッキング制御時に対物レンズ7が移動しても、DVD70で反射したレーザ光は、偏光ホログラム4上ではほとんど移動しない。従って、1ビームによるプッシュプル法によるトラッキング誤差信号を検出する際に、対物レンズ7の光軸が2波長光源11から出射される赤色レーザ光の光軸からずれたとしても、トラッキング誤差信号にはオフセットが生じない。従って、例えばDVD−RAMのように、情報トラックのピッチが光スポットに比べて比較的大きく、光ディスクからの反射光の回折角が小さい光学系に対しても、1ビームによるプッシュプル法を適用できる。
なお、受光部Cと配線上は繋がっている受光部C’、受光部Dと配線上は繋がっている受光部D’を配置して、+1次回折光kc,kd,ke,kfを検出し、トラッキング誤差信号TEを、下記の(6)式の演算により得ることも可能である。
TE=(IA+IC+IE)−(IB+ID+IF)・・・(6)
その場合は、受光部C’及び受光部D’上に赤色レーザ光を透過し青紫レーザ光を透過しないダイクロ膜を形成して、図7における青紫レーザ光の+1次回折光jd’とjf’を受光部C’及び受光部D’で検出しないようにすることが好ましい。
次に、CD80を記録又は再生する場合の、偏光ホログラム4と受光素子12との機能について、図9を用いて詳細に説明する。
図3に示した回折格子に入射した赤外レーザ光は、0次回折光m0と+1次回折光m1と−1次回折光m2とに分割される。ただし、前述したように、CD80の情報記録面で反射された0次回折光m0と+1次回折光m1と−1次回折光m2とはそれぞれ偏光ホログラム4では回折されない。
CD80を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(7)式の演算により得られる。
FE=(IF5+IF7)−(IF6+IF8)・・・(7)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(8)式の演算により得られる。
TE=IG−IH・・・(8)
図4に示したように、DVD70を記録又は再生するための赤色レーザ光と、CD80を記録又は再生するための赤外レーザ光とは、発光点が間隔δだけずれて配置されているため、それぞれ情報記録面で反射されて、受光素子12に入射する際の光軸もずれることとなる。従って、BD60とDVD70とのフォーカス誤差信号検出は受光部F1〜F4を用い、CD80のフォーカス誤差信号検出は受光部F5〜F8を用いる。
図9は、実施の形態1における受光素子12の受光領域のパターンに対して、CD80で反射して受光素子12に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光m0は4つの受光部F5〜F8で、+1次回折光m1は受光部Gで、−1次回折光m2は受光部Hでそれぞれ受光され、いわゆる3ビーム法によるトラッキング誤差信号が得られる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図10〜図15を用いて説明する。
本実施の形態2において、実施の形態1と共通の構成要素については同一の符号を付して以下、その説明を省略する。
本実施の形態2の光学ヘッドは、実施の形態1の偏光ホログラム4と受光素子12とに対して、偏光ホログラム4’の回折方向と受光素子12’の受光領域のパターンとが異なっているが、偏光ホログラム4’の光束分割パターンを含めて、その他の構成は同一となっている。
図10は、本発明の実施の形態2における受光素子12’の受光領域のパターンを模式的に示す図である。受光素子12’は、全部で18個の受光部F1〜F8と受光部A〜Hと受光部A’,B’とを有している。ここで、受光部Aと受光部A’、受光部Bと受光部B’はそれぞれ異なる位置に配置されているが、配線上は繋がっているため1領域の受光部と見なすことができ、出力も1つである。
受光部F1〜F4は、BD60とDVD70とのフォーカス誤差信号と、光ディスクに記録された情報を再生するための信号との検出に用いられる。受光部F5〜F8は、CD80のフォーカス誤差信号と、光ディスクに記録された情報を再生するための信号との検出に用いられる。一方、BD60のトラッキング誤差信号の検出には受光部A〜Dを用い、DVD70のトラッキング誤差信号の検出には受光部A,B,E,Fを用い、CD80のトラッキング誤差信号の検出に受光部G,Hを用いる。
受光部F1〜F8及び受光部A〜Hは、それぞれ受光した光量に応じた電流信号IF1〜IF8及びIA〜IHを出力する。BD60を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(9)式の演算により得られる。
FE=(IF1+IF3)−(IF2+IF4)・・・(9)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(10)式の演算により得られる。
TE=(IA−IB)−k(IC−ID)・・・(10)
ただし、kは定数である。
図11は、実施の形態2における受光素子12’の受光領域のパターンに対して、BD60で反射して受光素子12’に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光j0は4つの受光部F1〜F4で、+1次回折光jaは受光部Aで、+1次回折光jbは受光部Bで、+1次回折光jcとjdは受光部Cで、+1次回折光jeとjfは受光部Dでそれぞれ受光される。なお、+1次回折光jgとjhとはどの受光部でも受光されないように回折される。
また、0次回折光j0と+1次回折光ja〜jhとは、BD60の情報記録面で反射された青紫レーザ光が、偏光ホログラム4’に入射して生成された回折光である。BD60は、2つの情報記録面60a、60b(図示せず)を有しているので、実際に記録又は再生を行う情報記録面60aとは異なる情報記録面60bで反射されたビームも、偏光ホログラム4’に入射して、回折光が生成される。0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とは、情報記録面60bで反射された青紫レーザ光が、偏光ホログラム4’に入射して生成される回折光である。0次回折光j0’は領域4a〜4hから、+1次回折光ja’は領域4aから、+1次回折光jb’は領域4bから、+1次回折光jc’は領域4cから、+1次回折光jd’は領域4dから、+1次回折光je’は領域4eから、+1次回折光jf’は領域4fから、+1次回折光jg’は領域4gから、+1次回折光jh’は領域4hからそれぞれ生成される。
対物レンズ7で集光される青紫レーザ光が、情報記録面60aに焦点を結んでいる時、情報記録面60bでは、大きくデフォーカスをしている。そのため、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’も受光素子12’上で大きくデフォーカスをしている。ここで、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とが、いずれも受光部A〜Dに入射しないように回折している。これは、0次回折光j0’と+1次回折光ja’〜jh’とが、受光部A〜Dに入射すると、その入射の程度に応じてトラッキング誤差信号に変動が生じ、その結果、安定なトラッキング制御ができなくなることがあるためである。
次に、DVD70を記録又は再生する場合の、偏光ホログラム4’と受光素子12’の機能について、図12を用いて詳細に説明する。
DVD70を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(11)式の演算により得られる。
FE=(IF1+IF3)−(IF2+IF4)・・・(11)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(12)式の演算により得られる。
TE=(IA+IE)−(IB+IF)・・・(12)
図12は、実施の形態2における受光素子12’の受光領域のパターンに対して、DVD70で反射して受光素子12’に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光k0は4つの受光部F1〜F4で、+1次回折光kaは受光部A’で、+1次回折光kbは受光部B’で、+1次回折光kgは受光部Eで、+1次回折光khは受光部Fでそれぞれ受光される。なお、+1次回折光kc,kd,ke,kfはどの受光部でも受光されないように回折している。これは、+1次回折光kc,kd,ke,kfが、DVD70の情報トラックの溝の変調をほとんど受けない光であり、1ビームによるいわゆるプッシュプル法によるトラッキング誤差信号TEの検出には実質的に不要だからである。
しかしながら、図13に示すように、受光部Cと配線上は繋がっている受光部C’、受光部Dと配線上は繋がっている受光部D’を配置し、+1次回折光kc、kd、ke、kfを検出し、トラッキング誤差信号TEを、下記の(13)式の演算により得ることも可能である。
TE=(IA+IC+IE)−(IB+ID+IF)・・・(13)
0次回折光k0と+1次回折光ka〜khとは、DVD70の情報記録面で反射された赤色レーザ光が、偏光ホログラム4’に入射して生成された回折光である。DVD70は、2つの情報記録面70a、70b(図示せず)を有しているので、実際に記録又は再生を行う情報記録面70aとは異なる情報記録面70bで反射されたビームも、偏光ホログラム4’に入射して、回折光が生成される。0次回折光k0’と+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)とは、情報記録面70bで反射された赤色レーザ光が、偏光ホログラム4’に入射して生成される回折光である。0次回折光k0’は領域4a〜4hから、+1次回折光ka’は領域4aから、+1次回折光kb’は領域4bから、+1次回折光kc’は領域4cから、+1次回折光kd’は領域4dから、+1次回折光ke’は領域4eから、+1次回折光kf’は領域4fから、+1次回折光kg’は領域4gから、+1次回折光kh’は領域4hからそれぞれ生成される。
対物レンズ7で集光される赤色レーザ光が、情報記録面70aに焦点を結んでいる時、情報記録面70bでは、大きくデフォーカスをしている。そのため、0次回折光k0’と+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)も受光素子12’上で大きくデフォーカスをしている。ここで、0次回折光k0’が、受光部A〜Fに入射しないように回折している。
これは、0次回折光k0’が、受光部A〜Fに入射すると、その入射の程度に応じてトラッキング誤差信号に変動が生じ、その結果、安定なトラッキング制御ができなくなることがあるためである。
なお、2つの情報記録面の間隔が20μm程度のBD60と比較して、DVD70は2つの情報記録面の間隔が40μm以上と大きいため、+1次回折光ka’〜kh’(図示せず)はデフォーカス量が非常に大きくなる。従って、それらが受光部A〜Fに入射しても、トラッキング誤差信号への影響は非常に微小であるため、実質的に問題ない。
次に、CD80を記録又は再生する場合の、偏光ホログラム4’と受光素子12’との機能について、図14を用いて詳細に説明する。
図3に示した回折格子に入射した赤外レーザ光は、0次回折光m0と+1次回折光m1と−1次回折光m2とに分割される。ただし、CD80の情報記録面で反射された0次回折光m0と+1次回折光m1と−1次回折光m2とはそれぞれ偏光ホログラム4’では回折されない。
CD80を記録又は再生する際のフォーカス誤差信号FEは、下記の(14)式の演算により得られる。
FE=(IF5+IF7)−(IF6+IF8)・・・(14)
また、トラッキング誤差信号TEは、下記の(15)式の演算により得られる。
TE=IG−IH・・・(15)
図14は、実施の形態2における受光素子12’の受光領域のパターンに対して、CD80で反射して受光素子12’に到達するレーザ光の様子を模式的に示す図である。0次回折光m0は4つの受光部F5〜F8で、+1次回折光m1は受光部Gで、−1次回折光m2は受光部Hでそれぞれ受光され、いわゆる3ビーム法によるトラッキング誤差信号が得られる。
なお、受光部F5〜F8、受光部G及び受光部Hは、図15に示すような配置でも、同様に3ビーム法によるトラッキング誤差信号が得られる。図15に示すような配置とすることで、受光部全体の面積を減らすことができるため、よりコンパクトな受光素子を提供できるというメリットがある。
以上、実施の形態1及び実施の形態2では、受光素子12及び12’について具体的な受光領域のパターンを示したが、本発明はこれらの受光領域に限定されるものではない。
例えば、実施の形態1及び実施の形態2において、BD60及びDVD70からの反射光を受光する受光部A〜Fは、図16に示すようにBD60及びDVD70の光軸Zを通る直線Wに対して、片側だけに配置されている。偏光ホログラムの断面形状が略矩形の場合には、偏光ホログラム4及び4’による回折光は上述した+1次回折光だけではなく、この+1次回折光と共役関係にある−1次回折光が、光軸Zに対して対称な位置に入射する。例えば、BD60において実際に記録又は再生を行う情報記録面60aで反射されて受光素子に入射するレーザ光の−1次回折光と、情報記録面60aとは異なる情報記録面60bで反射されて受光素子に入射するレーザ光の−1次回折光との両方は迷光となるため、それらが受光部に入射しないようにする必要がある。
図16に示すようにBD60及びDVD70の光軸Zを通る直線Wに対して、受光部A〜Fを片側だけに配置することで、−1次回折光による迷光を完全に回避することが可能となる。
なお、偏光ホログラム4及び4’の断面形状を、いわゆるブレーズ型にすることにより、−1次回折光の発生を抑制することが可能である。この場合、受光部は、上述のようにBD60及びDVD70の光軸Zを通る直線Wに対して片側だけに配置する必要はなく、+1次回折光による迷光を回避するように配置すればよい。
また、偏光ホログラム4及び4’を対物レンズ7と一体駆動するかわりに、図25の従来例のように、受光素子の手前に配置してもよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2においては、CD80のトラッキング誤差信号検出方式として、3ビーム法を例として説明しているが、CD80のトラッキング誤差信号検出方式は3ビーム法に限らず、例えばDPP法(差動プッシュプル法)も適用可能である。例えば、DPP法によってトラッキング誤差信号を得る場合は、図17に示すように、実施の形態1の受光部Gと受光部Hとを、それぞれ受光部G1と受光部G2、受光部H1と受光部H2に分割する。受光部G1,G2,H1,H2が、それぞれ受光した光量に応じた電流信号IG1,IG2,IH1,IH2を出力する場合、トラッキング誤差信号TEは、下記の(16)式の演算により得られる。
TE={(IF5+IF6)−(IF7+IF8)}−k{(IG1−IG2)+(IH1−IH2)}・・・(16)
ただし、kは定数である。
以上のように、CD80のトラッキング誤差信号検出方式として、DPP法を用いた場合は、特に記録型のCDに対して、より精度の高いトラッキング誤差信号検出を実現できる。
また、本実施の形態においては、受光部F1〜F4及び受光部F5〜F8を用いて、非点収差法のフォーカス誤差信号検出を行っているが、これらの受光部F1〜F4及び受光部F5〜F8を、位相差検出法(DPD法)のトラッキング誤差信号検出に用いることも可能である。このように、位相差検出法に対応することで、それぞれの光源波長に対応したROMディスク(BD−ROM、DVD−ROM及びCD−ROM)の再生が可能となる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2において、光源1から波長405nmの青紫レーザ光を出射し、別の受発光一体素子である2波長光源11から波長655nmの赤色レーザ光と波長785nmの赤外レーザ光とを出射する構成としているが、本発明はこれに限定されず、例えば、赤色レーザ光を出射する光源と赤外レーザ光を出射する光源とを別体としてそれぞれ異なる位置に配置し、ビームスプリッタ等を用いて光軸を一致させるような構成としてもよい。
その場合、実施の形態1及び実施の形態2とは異なり、青紫レーザ光の光軸と赤色レーザ光の光軸とに、赤外レーザ光の光軸を合わせることができるため、例えば図18に示すように、受光部F1〜F4と受光部F5〜F8との代わりに受光部F9〜F12を用いて、BD60、DVD70及びCD80における非点収差法のフォーカス誤差信号と位相差検出法のトラッキング誤差信号とを得ることができる。その結果、受光部を4つ減らすことができ、回路構成を簡単にできるというメリットがある。
さらには、2波長光源11の代わりに波長655nmの赤色レーザ光のみが出射される単一波長光源を用いて、BD60及びDVD70のみ記録又は再生可能な光学ヘッドにも本発明を適用することが可能である。その場合、図18の受光部G,Hは不要となる。
また、実施の形態1及び実施の形態2におけるコリメートレンズ6は、対物レンズ7に入射する光束を、平行光に対してやや収束光あるいは発散光とするために、光軸方向に移動可能としてもよい。これにより、BD60、DVD70及びCD80の情報記録面に集光させる際の球面収差を最適化したり、作動距離を大きくしたりすることができる。このようなコリメートレンズについては本発明の内容とは実質的に関係がないため詳述しないが、このようなコリメートレンズを備えた光学ヘッドにも、本発明を適用できることは明らかである。
また、実施の形態1及び実施の形態2において、受光素子12,12’は、光源1とは異なる位置に配置されているが、光源1と受光素子12,12’とを同じ位置に配置した受発光一体素子で構成しても良い。
また、実施の形態1及び実施の形態2において、偏光ホログラム4及び4’に対して、受光素子12,12’を用いて青紫レーザ光と赤色レーザ光と赤外レーザ光との全てを受光しているが、赤色レーザ光と赤外レーザ光とをそれぞれ別の受光素子で受光してもよく、その際は、赤色レーザ光及び赤外レーザ光を受光する受光素子を2波長光源と一体化した、受発光一体素子としてもよい。その場合でも、BD60、DVD70及びCD80のそれぞれに対して好適なトラッキング誤差信号検出が可能となり、本発明の適用範囲内である。
さらに、実施の形態1及び実施の形態2において、BD60を記録又は再生する際に波長405nmのレーザ光を用い、DVD70を記録又は再生する際に波長655nmのレーザ光を用い、CD80を記録又は再生する際に波長785nmのレーザ光を用いる場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、波長350〜450nmのレーザ光、波長600〜700nmのレーザ光、波長750〜850nmのレーザ光の3つの波長のレーザ光を用いて、3種類の光ディスクに対してそれぞれ記録又は再生を行う光学ヘッドに広く適用可能であることは明らかである。
以上、本実施の形態の光学ヘッドは、青紫レーザ光、赤色レーザ光及び赤外レーザ光の3波長の光源と、それらに対応する光ディスクの記録再生に対して、それぞれ良好な光学性能を有しており、例えばBD、DVD及びCD等の複数の光ディスクに対して、良好に記録又は再生を行うことができる。
(実施の形態3)
図19は、本発明の実施の形態3における光ディスク装置の概略構成図である。
図19において、光ディスク装置50は、内部に光ディスク駆動部51、制御部52及び光学ヘッド53を備える。また、BD60は、DVD70あるいはCD80に交換可能である。
光ディスク駆動部51は、BD60、DVD70又はCD80を回転駆動する。光学ヘッド53は、実施の形態1又は実施の形態2で述べたいずれかの光学ヘッドである。制御部52は、光ディスク駆動部51と光学ヘッド53との駆動及び制御を行うと共に、光学ヘッド53で受光された制御信号及び情報信号の信号処理を行い、情報信号を光ディスク装置50の外部と内部でインタフェースさせる。
光ディスク装置50は、実施の形態1又は実施の形態2で述べたいずれかの光学ヘッドを搭載しているので、本実施の形態における光ディスク装置50は、複数の光源に対応する光ディスクを、それぞれ良好に記録又は再生を行うことができる。
(実施の形態4)
図20は、本発明の実施の形態4におけるコンピュータの概略構成図である。
図20において、コンピュータ500は、実施の形態3の光ディスク装置50と、情報の入力を行うためのキーボード、マウス又はタッチパネルなどの入力装置501と、入力装置501から入力された情報や、光ディスク装置50から読み出した情報などに基づいて演算を行う中央演算装置(CPU)などの演算装置502と、演算装置502によって演算された結果などの情報を表示するブラウン管、液晶表示装置又はプリンタなどの出力装置503とを備える。
コンピュータ500は、実施の形態3の光ディスク装置50を備えるので、異なる種類の光ディスクを、それぞれ良好に記録又は再生を行うことができるため、広い用途に適用できる効果を有する。
(実施の形態5)
図21は、本発明の実施の形態5における光ディスクプレーヤの概略構成図である。
図21において、光ディスクプレーヤ600は、実施の形態3の光ディスク装置50と、光ディスク装置50から得られる情報信号を画像信号に変換するデコーダ601とを備える。
なお、光ディスクプレーヤ600は、GPS等の位置センサーや中央演算装置(CPU)を加えることによりカーナビゲーションシステムとしても利用可能である。また、液晶モニタなどの表示装置602を加えた形態も可能である。
光ディスクプレーヤ600は、実施の形態3の光ディスク装置50を備えるので、異なる種類の光ディスクを、それぞれ良好に記録又は再生を行うことができるため、広い用途に適用できる効果を有する。
(実施の形態6)
図22は、本発明の実施の形態6における光ディスクレコーダの概略構成図である。
図22において、光ディスクレコーダ700は、実施の形態3の光ディスク装置50と、画像情報を光ディスク装置50によって光ディスクへ記録する情報信号に変換するエンコーダ701とを備える。望ましくは、光ディスク装置50から得られる情報信号を画像情報に変換するデコーダ702も備えることにより、記録した画像を再生することも可能となる。なお、情報を表示するブラウン管及び液晶表示装置や、情報を印刷するプリンタなどの出力装置703を備えてもよい。
光ディスクレコーダ700は、実施の形態3の光ディスク装置50を備えるので、異なる種類の光ディスクを、それぞれ良好に記録又は再生を行うことができるため、広い用途に適用できる効果を有する。