JP5047579B2 - 繊維処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維処理剤、その製造方法、それを用いた繊維の処理方法、並びにその方法により処理された繊維に関する。
繊維に撥水性、強靱性、難燃性を付与する目的で、ケイ素化合物を用いて繊維を処理することが行われてきた。例えば、繊維に撥水性を与えることで、繊維の含水率を低下させることができ、繊維・衣服に速乾性を与えることができる。すなわち、洗濯後の乾燥は時間を要する工程であり、乾燥時間の短縮は従来から追求されている課題であった。ことに梅雨時や冬季には室内干しをすることも多く、また、花粉症対策のために屋外に洗濯物を干すことができない状況も増加している。これらの状況より、乾燥時間の短縮がより強く要望されている。
この目的を達成するため、繊維を疎水化して含水率を減少させる方法が検討されてきた。特許文献1には、セルロース繊維をアルカリ金属水酸化物で処理し、水洗後に、樹脂加工剤、疎水化架橋剤又は疎水化剤といった疎水性加工剤で処理するセルロース繊維の加工方法が開示されている。
また、速乾性と吸水性の追求という観点より、特許文献2にはシリコーン含有モノマーを含む特定のモノマーからなる共重合体と有機溶剤を含有する吸水速乾性付与組成物が開示されており、シリコーンを含有する共重合体を対象とする繊維に噴霧し、溶剤を揮発させることで繊維を処理する方法が開示されている。
一方、特許文献3には、繊維に強靱性を与える方法として、紙や布等の繊維素材にアルコキシシラン縮合体を主成分とするシラン系コート液を塗布し、触媒の作用で硬化・固化させて、表面形成する繊維のコート方法が開示されている。
また、繊維に撥水性や撥油性を付与する剤として、特許文献4には、フッ化アルキル基含有アルコキシシラン、アルキル基含有アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシラン及びエポキシ基含有アルコキシシランを共加水分解・縮合させて得られる反応生成物を水に溶解してなる繊維処理剤が開示されており、特許文献5には、オルガノシラン化合物を主成分とする改質剤が開示されている。
特開2003−342875号公報 特開2005−89882号公報 特開2002−61094号公報 特開平9−249748号公報 特開2001−181599号公報
特許文献1記載の方法では、疎水化の追求のために、吸水性の低下が起き、繊維本来が持つ風合いが悪化し、着用時あるいは使用時の快適性が損なわれることになる。加えて、繊維をアルカリ金属水酸化物で処理する必要があるため、繊維の変質や傷みが発生し、繊維本来の性状を維持することが困難である。
特許文献2の組成物を繊維に適用した場合、着用時の風合いは改善されるとの記載はあるが、シリコーン系共重合体が繊維表面に付着するため、撥水性が繊維に付与され、吸水性と速乾性の両方について満足できる性能にはまだ至っていない。
特許文献3の方法は、繊維表面にケイ素化合物をコートする方法であり、得られる繊維はケイ素化合物で固化されるものであり、繊維が本来有する風合いや柔らかさを保つものではない。
特許文献4及び特許文献5の方法も表面に撥水性の官能基を有するケイ素化合物を塗布するために、自然な風合いが得られるものではなかった。
このように、繊維が本来具備している性状を維持しながら、繊維を処理する方法はこれまで知られていなかった。
本発明の課題は、繊維に速乾性、柔軟性及び/又は強靱性を付与することができる新規な繊維処理剤を提供することにある。
本発明者らは、特定のアルコキシシランと有機酸と水から構成された繊維処理剤が、アルコキシシランの加水分解で生成したシラノール化合物の重合速度を適度な速度に制御することができること、及びその結果、シラノール化合物を単繊維に浸透させ、かつ単繊維の内部で重合させることで、単繊維の空隙にシラノール化合物の重合体を充填してしまうことなく、単繊維の内部にシラノール化合物の重合体を含有させることができることを見出した。
即ち、本発明は、アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)から構成され、(a)成分中の50重量%以上が一般式(1)
1 pSi(OR2)4-p (1)
〔式中、R1は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、p個のR1及び(4-p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは1〜3の整数を示す。〕
で表されるアルコキシシラン(以下アルコキシシラン(1)という)であり、(c)成分の量が(a)成分の量の3倍モル以上である繊維処理剤、アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)を混合して得られ、(a)成分中の50重量%以上がアルコキシシラン(1)であり、(c)成分の量が(a)成分の量の3倍モル以上である、20℃におけるpHが2〜5の繊維処理剤、その製造法、この繊維処理剤を繊維に接触させて、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成する一般式(4)
〔式中、Xは、R1、OR2又はOHで示される基、tは0〜2の整数を示し、(2t+4)個のXは同一でも異なってもよく、これらのうち少なくとも1つはOHである。R1及びR2は前記の意味を示す。〕
で表されるシラノール化合物(以下シラノール化合物(4)という)を単繊維に浸透させる工程(i)、及びシラノール化合物(4)を重合させる工程(ii)を含む、繊維の処理方法、並びにこの方法により処理された繊維を提供する。
また、本発明はシラノール化合物(4)の重合体を単繊維表層より単繊維内部に多く含有する繊維を提供する。
本発明によると、繊維が本来具備している性状を維持しながら、繊維に速乾性、柔軟性及び/又は強靱性を付与することができる。
[(a)成分]
本発明の(a)成分であるアルコキシシランは、その50重量%以上がアルコキシシラン(1)であり、60重量%以上がアルコキシシラン(1)であることが好ましく、80重量%以上がアルコキシシラン(1)であることが更に好ましく、100重量%がアルコキシシラン(1)であることが最も好ましい。
アルコキシシラン(1)において、R1及びR2で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、R1で示されるアルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられ、またR1としてフェニル基も挙げられる。R1としては、単繊維内部への浸透の観点より、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましい。R2としては、加水分解により生じる副生成物の安全性、加水分解反応の反応性等の点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。pは1〜2が好ましい。
(a)成分は、一般式(2)で表されるトリアルコシキシラン(a1)と、一般式(3)で表されるジアルコシキシラン(a2)をそれぞれ単独で用いても良いが、繊維に速乾性を付与するのみならず、吸水性を維持し、使用上の感触を向上させる観点から、トリアルコシキシラン(a1)とジアルコシキシラン(a2)の両方を含むことがより好ましい。
1Si(OR2)3 (2)
1 2Si(OR2)2 (3)
〔式中、R1及びR2は前記の意味を示す。〕
トリアルコキシシラン(a1)としては、アルキル(炭素数1〜6)トリメトキシシラン、アルキル(炭素数1〜6)トリエトキシシランが好ましく、特にメチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランがより好ましい。ジアルコキシシラン(a2)としては、ジアルキル(炭素数1〜6)ジメトキシシラン、ジアルキル(炭素数1〜6)ジエトキシシラン等が好ましく、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランがより好ましい。
トリアルコシキシラン(a1)とジアルコシキシラン(a2)の重量比は、9/1〜1/9が好ましく、9/1〜3/7がより好ましく、8/2〜4/6が更に好ましく、7/3〜5/5が特に好ましい。
[(b)成分]
本発明の(b)成分である有機酸としては、シュウ酸(pKa=1.04、3.82)、マレイン酸(pKa=1.75、5.83)、酒石酸(pKa=2.82、3.96)、フマル酸(pKa=2.85、4.10)、クエン酸(pKa=2.90、4.34)、リンゴ酸(pKa=3.24、4.71)、コハク酸(pKa=4.00、5.24)、ギ酸(pKa=3.55)、乳酸(pKa=3.66)、アジピン酸(pKa=4.26、5.03)、酢酸(pKa=4.56)、プロピオン酸(pKa=4.67)等を例示することができるが、pH調整が容易な点から、第1解離(pKa1)が2.9〜5.0の範囲にある有機酸が好ましく、3.5〜5.0の範囲にある有機酸が更に好ましい。これらの中ではアルコキシシラン(1)の加水分解反応と重合反応の制御が容易であるアジピン酸、リンゴ酸、酢酸及びプロピオン酸が好ましく、更には、臭気が少ないアジピン酸が特に好ましい。
[繊維処理剤]
本発明の繊維処理剤は、アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)を混合して得られる。また、本発明の繊維処理剤は、加水分解前には、アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)から構成され、加水分解後には、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)、有機酸(b)、及び水(c)を含有する。また、本発明の繊維処理剤が二剤式の場合、アルコキシシラン(a)を含有する第1剤と、有機酸(b)及び水(c)を含有する第2剤から構成される。
本発明の繊維処理剤中のアルコキシシラン(a)の量は、本発明の繊維処理剤中(「繊維処理剤中」とは、二剤式の場合には第1剤と第2剤を合わせた「全組成中」をいう;以下同じ)の0.1重量%以上、特に2重量%以上が好ましく、また82重量%以下、特に58重量%以下が好ましい。また、第1剤中のアルコキシシラン(a)の含有量は、保存安定性の点から、70〜100重量%、更には80〜100重量%、特に90〜100重量%が好ましい。
本発明の繊維処理剤中の有機酸(b)の量は、重合反応の抑制の点から、0.001〜5重量%が好ましく、0.001〜1重量%がより好ましい。有機酸(b)は、本発明の繊維処理剤が二剤式の場合には、第1剤には配合せず第2剤のみに配合することが溶解性、保存安定性の点から好ましい。
本発明の繊維処理剤中の水(c)の量は、単繊維を十分に膨潤させ、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)を単繊維へ十分浸透させる観点から、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上が更に好ましく、70重量%以上が特に好ましい。上限は、99.9重量%以下であることが好ましく、95重量%以下が更に好ましく、85重量%以下が特に好ましい。
またアルコキシシラン(a)と水(c)との割合は、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)を単繊維へ十分浸透させる観点から、アルコキシシラン(a)の量の3倍モル以上であり、10〜1000倍モルが好ましく、25〜600倍モルがより好ましい。
本発明の繊維処理剤中の水は、本発明の繊維処理剤が二剤式の場合には、第1剤には配合せず第2剤のみに配合することが好ましい。
本発明の繊維処理剤は、アルコキシシラン(a)の水相への分散を良好にし、加水分解反応を促進するために、界面活性剤(d)を含有することが好ましい。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれをも使用することができる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。アニオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
カチオン界面活性剤としては、一般式(5)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
〔式中、R3及びR4は各々独立して水素原子、炭素数1〜28のアルキル基又はベンジル基を示し、同時に水素原子又はベンジル基となる場合、及び、同時に炭素数1〜3の低級アルキル基となる場合を除く。An-はアニオンを示す。〕
一般式(5)において、R3及びR4は、その一方が炭素数16〜24、更には22のアルキル基、特に直鎖アルキル基であるのが好ましく、また他方は炭素数1〜3の低級アルキル基、特にメチル基であるのが好ましい。アニオンAn-としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、炭酸メチルイオン、サッカリネートイオン等の有機アニオン等が挙げられ、ハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
両性界面活性剤としてはイミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系等が挙げられる。
これらの界面活性剤(d)のうち、乳化能(アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、水(c)及び界面活性剤(d)の混和性)の点から、HLB9〜15、特に11〜14の非イオン界面活性剤が好ましい。なお、ここでのHLBは、グリフィンの方法による計算値を示す。
界面活性剤は、2種以上を組み合わせて使用することもでき、本発明の繊維処理剤中の界面活性剤の含有量は、混合時の乳化、加水分解の促進の点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。
本発明の繊維処理剤はアルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)を溶解する目的で、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級1価アルコール、グリセリン等の炭素数2〜4の多価アルコールなどの水溶性有機溶剤を含有することもできる。本発明の繊維処理剤中の水溶性有機溶剤の含有量は、単繊維を十分に膨潤させ、シラノール化合物(4)を十分に単繊維に浸透させる観点から、35重量%以下、特に20重量%以下とすることが好ましい。なお、これ以外に、アルコキシシラン(1)の加水分解後の繊維処理剤には、副生物としてのR2OH(R2は前記の意味を示す)が含有されることになる。
本発明の繊維処理剤には、その他、pH調整剤、油剤、シリコーン誘導体、カチオン性ポリマー、保湿剤、粘度調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の繊維処理剤は、アルコキシシラン(1)を加水分解させ、シラノール化合物(4)を生成させる必要性、及びシラノール化合物(4)を単繊維内に浸透させて単繊維内で重合反応を行わせるために、重合反応を遅らせる必要がある。このために20℃におけるpHは2〜5に調整され、2〜4が好ましい。なお、二剤式の場合には第2剤の20℃におけるpHが上記範囲に調整される。
本発明の繊維処理剤の形態は、長期間の安定性を確保する点から、アルコキシシラン(a)を含有し、(a)成分中の50重量%以上がアルコキシシラン(1)である第1剤と、有機酸(b)及び水(c)を含有し、20℃におけるpHが2〜5である第2剤から構成される二剤式が好ましい。本発明に関して「二剤式」とは、第1剤におけるアルコキシシラン(a)が、第2剤における有機酸(b)及び水(c)から分離された形態にあることをいう。第1剤及び第2剤のいずれにおいても、個々の成分(例えば、後述のトリアルコキシシラン(a1)及びジアルコキシシラン(a2))は更に互いに分離された状態で提供されてもよい。
また、使用直前にアルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)、必要により界面活性剤(d)、若しくはその他任意成分を混合し、pHを2〜5とすることによって調製されたものであってもよい。
本発明の繊維処理剤を二剤式とする場合、界面活性剤(d)は第2剤に含有させることが好ましいが、第1剤が水分を含有しない場合は第1剤に含有させることもできる。また、その他の任意成分も、第2剤に含有させることが好ましいが、非水系の液体成分や固体成分であれば、第1剤中に配合することもできる。
本発明の繊維処理剤は、繊維への速乾性付与剤、柔軟性付与剤、及び/又は強靱性付与剤等として有用である。ここで強靱性は、耐摩耗性又は毛羽抜け防止性として評価されうる。
[繊維処理剤の製造方法]
本発明の繊維処理剤を、使用直前にアルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)、必要により界面活性剤(d)、若しくはその他任意成分を混合することによって調製する場合、混合する順序は、特に限定されないが、アルコキシシラン(1)の加水分解によって生成したシラノール化合物(4)の重合を遅延させ、単繊維内部への浸透を十分に進行させるために、有機酸(b)、水(c)、必要により界面活性剤(d)を混合した後にアルコキシシラン(a)を混合することが好ましい。
さらに、アルコキシシラン(a)としてトリアルコキシシラン(a1)とジアルコキシシラン(a2)の両方を用いる場合、まず、トリアルコシキシラン(a1)、有機酸(b)、及び水(c)を混合した後、ジアルコシキシラン(a2)を混合することがより好ましい。トリアルコシキシラン(a1)、有機酸(b)、及び水(c)を混合した後、ジアルコシキシラン(a2)を混合する前に、少なくともトリアルコシキシラン(a1)の一部が加水分解することが好ましい。加水分解の進行は、液の透明度が増加することにより判断することができる。
アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)、必要により界面活性剤(d)、若しくはその他任意成分を混合することにより、アルコキシシラン(1)は、加水分解によってシラノール化合物(4)となり、単繊維内への浸透が可能になる。
[繊維の処理方法及び処理された繊維]
本発明の繊維の処理方法は、本発明に係わる繊維処理剤を繊維に接触させて、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)を単繊維に浸透させる工程(i)、及びシラノール化合物(4)を重合させる工程(ii)を含む。
シラノール化合物(4)は、その物性、単繊維内への浸透性の点から、(2t+4)個のXのうち、少なくとも1つはOHであり、(t+2)個以上がOHであることが好ましい。tは0〜2の整数を示すが、単繊維内への浸透性の点から、t=0が好ましい。
シラノール化合物(4)は、単繊維内への浸透のし易さから分子量は300以下が好ましく、200以下が更に好ましく、90以上が好ましい。
加水分解後の本発明の繊維処理剤中のシラノール化合物(4)の含有量は、0.1重量%以上が好ましく、2重量%以上が更に好ましく、69重量%以下が好ましく、49重量%以下が更に好ましい。
本発明において処理に適する繊維としては、木綿、麻等の植物繊維;ウール、絹等の動物性繊維;レーヨン、アセテート等の再生繊維もしくは半合成繊維;パルプ、楮、三椏、ケナフ、コットンリンター等の製紙用繊維が挙げられる。
工程(i)において、本発明の繊維処理剤を繊維に接触させるには、アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)、必要により界面活性剤(d)、若しくはその他任意成分を使用前に混合後、振とう等の手段により攪拌混合して、目視で混合溶液が透明になったことを確認した後に、得られた混合物を繊維に接触させるのが好ましい。
二剤式の場合、第1剤と第2剤の混合割合(第1剤/第2剤の重量比)は、好ましくは80/20〜1/99、更に好ましくは60/40〜20/80である。混合直後は白濁の乳化状態ないし一部乳化状態であるが、そのまま静置又は必要に応じ攪拌を継続するうちに透明となることで、アルコキシシラン(1)が加水分解し、シラノール化合物(4)が生成したことを確認することができる。
得られた混合物を放置すれば、シラノール化合物(4)の重合反応が進むので、24時間以内、好ましくは12時間以内、より好ましくは3時間以内、特に好ましくは1時間以内に、得られた混合物を繊維に接触することが好適である。これにより、シラノール化合物(4)を単繊維内に浸透させることができる。繊維に処理剤を接触させる方法は、繊維を処理剤に浸漬する方法、繊維に処理剤を噴霧する方法、繊維に処理剤を塗布する方法等が挙げられる。接触させる繊維は、濡れていてもよく、乾いていてもよい。
シラノール化合物(4)は、数秒間の接触で単繊維内に十分浸透するが、より均一に浸透させるために1分〜2時間放置しても良い。
工程(ii)においては、単繊維にシラノール化合物(4)を十分に浸透させた後、単繊維内部のシラノール化合物(4)を重合させる。
重合は、加温することで促進でき、60℃以上で行うことが好ましく、80〜200℃に加温することが更に好ましい。高温ほど短時間で重合が進行する。具体的には温風乾燥やプレス加熱が例示される。
また、繊維を乾燥させずに、処理剤のpHを0〜2又は5〜12.5に調整することによっても重合を促進させることができる。繊維を処理剤に浸漬したまま、あるいは余分な液を除去した後、酸又は塩基を用いてpHを調整することができる。
重合工程後、さらに水洗することで過剰の重合物が除去され、より生来の繊維の風合いを保つことができる。
また、工程(i)と工程(ii)の間に、さらに繊維を水洗する工程(iii)を有することが好ましい。工程(iii)を行うことにより、繊維表面の過剰のシラノール化合物(4)を除去することができ、繊維が生来有する風合いを保つことができる。
本発明の繊維処理方法により処理された繊維は、シラノール化合物(4)の重合体を単繊維表層より単繊維内部に多く含有することができる。シラノール化合物(4)の重合体の分布は後述するエネルギー分散型X線分析装置(EDS)により測定することができる。本発明の繊維処理方法によれば、単繊維内部を改質することができ、処理された繊維は、速乾性、柔軟性、強靱性等に優れている。
以下の例中、%は、特に指定しなければ、重量%である。
触媒溶液の調製例
アジピン酸、水、さらに必要によりポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製 エマルゲン108)を混合して、表1に示す組成の触媒溶液B1〜B4(第2剤)を調製した。
実施例1
(1)処理液C1の合成
メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 LS−1890、以下同じ)1.37gを、触媒溶液B1 4.11gに加え、白濁した懸濁液が透明になるまで10分間攪拌して処理液C1を得た。得られた処理液の組成(加水分解前の組成をいう;以下同じ)を表2に示す。
得られた処理液についてシラノール生成を確認するため、調製直後、0〜1時間後、4〜5時間後、1日後に29Si NMR(UNITY INOVA 300、バリアン社製)を測定した。その結果を図1に示す。
尚、29Si NMRにおいて、トリヒドロキシアルキルシランのSiは37ppm付近、ジヒドロキシアルキルシロキシ基のSiは46ppm付近、モノヒドロキシアルキルシロキシ基のSiは56ppm付近にピークが現れる。トリヒドロキシアルキルシランのSiの量よりアルキルシラノール単量体の存在を確認できる。
調製0〜1時間後の分布は、単量体が64%、2量体が33%、3量体以上は3%であった。また、調製4〜5時間後の分布は、単量体が48%、2量体が43%、3量体以上が7%であった。また、調製1日後の分布は、単量体が28%、2量体が41%、3量体以上が31%であった。
以下の繊維処理においては、調製直後の処理液を使用した。
(2)木綿ブロード布への処理
処理液C1 5.48gを、下記方法で前処理した木綿ブロード布5.48gに塗布した後、室温で60分間静置し、さらに80℃で2時間乾燥した。布に対するアルコキシシラン量は25重量%であった。乾燥させた布を衣料用洗剤(液体アタック、花王(株)製)を用いて洗濯し(洗濯条件;洗剤30g、水道水45L使用、洗濯5分−注水すすぎ1回−脱水3分)、屋内にて自然乾燥して処理布を得た。処理後の布の重量増加率は5.5%であった。
<木綿ブロード布の前処理法>
木綿ブロード布(谷頭商店製)を二槽式洗濯機(東芝製 型式:VH−360S1)を用いて市販洗剤(花王(株)製 アタック)で10回洗濯し(洗剤濃度0.0667質量%、水道水40L、水温20℃、10分洗濯後、15分間流水すすぎ、5分間脱水)、自然乾燥させた。この布を15cm×25cmに裁断し、前処理布とした。
(3)SEM観察
処理布をエポキシ樹脂に包埋し、硬化させた後、ミクロトーム(ULTRACUT UTR LEICA製)にて断面を切り出し、Pt−Pd蒸着により導電処理を施した。この繊維断面を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM:S4800形 日立製作所製、加速電圧15kV、ブローブ電流 High、焦点モードHR、コンデンサーレンズ 5、絞り 1)にて観察した。その結果を図2に示す。また、ケイ素の面分析をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)(EMAX ENERGY EX-350 堀場製作所製、マッピング 測定時間1500s、プロセスタイム 5)にて行った。その結果を図3に示し、その拡大図を図4に示す。
図2のSEM像より、木綿単繊維の断面が観察される。図3のSiマッピング像より、ケイ素は木綿の単繊維の内部に主に分布しており、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。図4のSiマッピング拡大図においてケイ素濃度のプロファイルを示すが、ケイ素濃度は単繊維内部において高く、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。
実施例2
(1)処理液C2の合成
メチルトリエトキシシラン1.00gを、触媒溶液B3 4.28gに加え、白濁した懸濁液が無色透明になるまで20分間攪拌した。さらにジメチルジエトキシシラン(信越化学工業(株)製 LS−1370、以下同じ)0.43gを加え、再度懸濁液が透明になるまで3分間攪拌して処理液C2を得た。得られた処理液の組成を表2に示す。
(2)木綿ブロード布への処理
処理液C2 5.71gを実施例1と同様に前処理した木綿ブロード布5.71gに浸漬した後、室温で60分間静置し、さらに80℃で2時間乾燥した。布に対するアルコキシシラン量は25重量%であった。乾燥させた布を衣料用洗剤(液体アタック、花王(株)製)を用いて洗濯し、屋内にて自然乾燥して処理布を得た。処理後の布の重量増加率は2.1%であった。
(3)SEM観察
処理布をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図5のSEM像と図6のSiマッピング像より、ケイ素は木綿の単繊維の内部に主に分布しており、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。
実施例3
(1)処理液C3の合成
メチルトリエトキシシラン3.11gを、触媒溶液B1 9.33gに加え、白濁した懸濁液が透明になるまで10分間攪拌して処理液C3を得た。得られた処理液の組成を表2に示す。
(2)ウールジャージへの処理
処理液C3 12.44gをウールジャージ(ウールジャージニット布(谷頭商店製)を2.0cm×2.0cmに切断したもの)12.44gに塗布した後、室温で60分間乾燥させ、さらに80℃で2時間乾燥した。布に対するアルコキシシラン量は25重量%であった。乾燥させた布を衣料用洗剤(液体アタック、花王(株)製)を用いて洗濯し、屋内にて自然乾燥して処理布を得た。処理後の布の重量増加率は8.4%であった。
(3)SEM観察
処理布をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図7のSEM像と図8のSiマッピング像より、ケイ素はウールの単繊維の内部に主に分布しており、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。
実施例4
(1)処理液C4の合成
メチルトリエトキシシラン1.89gを、触媒溶液B3 8.09gに加え、白濁した懸濁液が無色透明になるまで20分間攪拌した。さらにジメチルジエトキシシラン0.81gを加え、再度懸濁液が透明になるまで3分間攪拌して処理液C4を得た。得られた処理液の組成を表2に示す。
(2)ウールジャージへの処理
処理液C4 10.79gを実施例3と同様のウールジャージ10.79gに塗布した後、室温で60分間乾燥させ、さらに80℃で2時間乾燥した。布に対するアルコキシシラン量は25重量%であった。乾燥させた布を衣料用洗剤(液体アタック、花王(株)製)を用いて洗濯し、屋内にて自然乾燥して処理布を得た。処理後の布の重量増加率は11.7%であった。
(3)SEM観察
処理布をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図9のSEM像と図10のSiマッピング像より、ケイ素はウールの単繊維の内部に主に分布しており、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。
比較例1
(1)コート液CC1の合成
メチルトリメトキシシラン181g、メタノール50g、及び水18gを加え、攪拌した。さらに61%硝酸2gを加えながら80℃で3時間攪拌を続けた。その後、容器内を減圧にしてメタノールを除去し、メチルトリメトキシシランオリゴマーを製造した。縮合度は3〜4量体と推定される。
得られたメチルトリメトキシシランオリゴマー19gにジブチルスズアセテート0.8g及びイソプロピルアルコール20gを加え、十分に混合し、コート液CC1を調製した。
(2)木綿ブロード布への処理
コート液CC1 3.0gを実施例1と同様に前処理した木綿ブロード布5.7gに塗布した後、室温で10分間静置し、さらに130℃で2時間乾燥した。乾燥させた布を衣料用洗剤(液体アタック、花王(株)製)を用いて洗濯し、屋内にて自然乾燥して処理布を得た。処理後の布の重量増加率は11.3%であった。
(3)SEM観察
処理布をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図11のSEM像より、木綿単繊維の断面が観察される。単繊維と単繊維の間隙にポリシロキサンと見られる充填物が観察され、図12のSiマッピング像より、ケイ素が単繊維の間隙に存在し、バインダー状に繊維を結合していることがわかる。一方、木綿単繊維の内部にはケイ素が観察されず、ポリシロキサンが木綿単繊維に浸透していないことが示される。図13のSiマッピング拡大図においてケイ素濃度のプロファイルを示すが、ケイ素濃度は単繊維内部には殆ど存在せず、繊維と繊維の間隙により高い濃度で存在することが観察される。
なお、拡大図の繊維中央部に見られる部分はルーメンと呼ばれる空隙部分であり、この部分は単繊維内部とは考えない。
実施例5
(1)処理液C5の合成
メチルトリエトキシシラン10gを、触媒溶液B1 20gに加え、白濁した懸濁液が透明になるまで10分間攪拌して処理液C5を得た。得られた処理液の組成を表2に示す。
(2)紙への処理
処理液C5 30gに下記方法で得られた紙5.3gを浸漬した後、30秒後に引き上げ、室温で10分間風乾し、さらに80℃で2時間乾燥させた。処理後の紙の重量増加率は38.7%であった。
<紙の調製法>
広葉樹晒しパルプ(Laubholz Bleached Kraft Pulp、以下LBKPと略称)を室温下、叩解機にて離解、叩解して2.2%のLBKPスラリーとした。該スラリーのカナディアンスタンダードフリーネスは420mlであった。この2.2%のLBKPスラリーを抄紙後のシートの坪量が絶乾で85g/m2になるようにはかりとった。その後パルプ濃度が0.5%になるように水で希釈し、攪拌後角型タッピ抄紙機にて150メッシュワイヤーで抄紙し、コーチングを行って湿紙を得た。抄紙後の湿紙は、3.5kg/cm2で5分間プレス機にてプレスし、ドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥した。乾燥された紙を23℃、湿度50%の条件で1日間調湿した。
(3)SEM観察
処理した紙をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図14のSEM像と図15のSiマッピング像より、ケイ素はパルプ単繊維の内部に主に分布しており、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。図16のSiマッピング拡大図においてケイ素濃度のプロファイルを示すが、ケイ素濃度は単繊維内部において高く、繊維と繊維の間隙には殆ど存在していないことが観察された。
比較例2
(1)コート液CC2の合成
比較例1で得られたメチルトリメトキシシランオリゴマー9.5gをジブチルスズアセテート0.4gとイソプロピルアルコール10gの混合液に加え、十分に混合し、コート液CC2を調製した。
(2)紙への処理
コート液CC2 9.9gに実施例5と同様の紙5.3gを浸漬した後、30秒後に引き上げ、室温で10分間風乾し、さらに130℃で60分間乾燥させた。処理後の紙の重量増加率は60.4%であった。
(3)SEM観察
処理した紙をエポキシ樹脂に包埋し、実施例1と同様に繊維断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図17のSEM像と図18のSiマッピング像より、ケイ素がパルプ単繊維の間隙に存在し、バインダー状に繊維を結合していることがわかる。一方、パルプ単繊維の内部にはケイ素が観察されず、ポリシロキサンがパルプ単繊維に浸透していないことが示される。図19のSiマッピング拡大図においてケイ素濃度のプロファイルを示すが、ケイ素濃度は単繊維内部には殆ど存在せず、繊維と繊維の間隙により高い濃度で存在することが観察された。
実施例1〜5及び比較例1〜2の結果をまとめて表2に示す。
実施例6〜11
表3記載の組成の処理液C6〜C11を調製した。メチルトリエトキシシラン/ジメチルジエトキシシラン比が10/0の処理液は実施例1の調製法と同様にし、メチルトリエトキシシラン/ジメチルジエトキシシラン比が7/3の処理液は実施例2の調製法と同様にして調製した。
得られた処理液に、下記方法で前処理した木綿タオルを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥して、タオルに対するアルコキシシランの処理量を2.5〜25重量%の範囲で変化させた評価用タオルを製造した。得られたタオルについて下記方法で速乾性及び吸水性の評価を行った。結果を表3に示す。
<木綿タオルの前処理法>
木綿タオル(武井タオル(株)製 T.W220、白色)を市販の衣料用洗剤(花王(株)液体アタック)を用いて全自動洗濯機(日立全自動洗濯機KW-5026 静御前)で10回繰り返し洗濯した(洗剤37g、水道水57L使用、洗濯5分−注水すすぎ1回−脱水3分)。最後の処理回の脱水が終了した後、屋内にて吊り干しで自然乾燥することにより前処理を行った。この前処理済のタオル1枚の重量は、70gである。
<速乾性評価法>
評価用タオルを全自動洗濯機(日立全自動洗濯機KW-5026 静御前)で洗濯し(洗剤30g、水道水45L使用、洗濯5分−注水すすぎ1回−脱水3分)、脱水終了後、20℃−65%RHの恒温恒湿にて吊り干しで恒量になるまで風乾した。下記計算式(I)により経時の含水率(%)を求めた。乾燥開始から含水率が10%になるまでの時間をもって速乾性の指標とした。
含水率(%)={脱水直後のタオル重量(g)−恒量に達したタオル重量(g)}/恒量に達したタオル重量(g)×100 (I)
<吸水性評価法(バイレック法)>
タオルの平織り部分を2cm×25cmの帯状に裁断し、帯状布の上端を固定して鉛直方向に吊るし、下端1cmの部分を20℃の水に浸してからの時間(1分、3分、5分、10分後)に対する、吸水高さを目視で観察し、mm単位で記録した。測定は20℃−65%RHの恒温恒湿室で行った。
実施例12、13
実施例10、11と同じ処理液C10又はC11に、実施例6と同様に前処理した木綿タオルを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥した。さらに上記速乾性評価法と同じ洗濯条件にて洗濯、脱水、及び乾燥した。この浸漬・洗濯・乾燥処理を10回繰り返し、累積処理を施した評価用タオルを製造した。タオルに対するアルコキシシランの処理量は1回の処理につき2.5重量%であった。得られたタオルについて実施例6と同様の方法で速乾性及び吸水性の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例14、15
非イオン界面活性剤を含まない触媒溶液B2又はB4を用いて、表3記載の組成の処理液C12及びC13を調製した。この処理液に、実施例6と同様に前処理した木綿タオルを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥して、タオルに対するアルコキシシランの処理量が25重量%の評価用タオルを製造した。得られたタオルについて実施例6と同様の方法で速乾性及び吸水性の評価を行った。結果を表3に示す。
比較例3
実施例6と同様に前処理し、本発明の処理液による処理を行わないタオルを評価用タオルとして、実施例6と同様の方法で速乾性及び吸水性の評価を行った。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の処理液で処理したタオルは洗濯後に脱水した際の含水率が低下しており、10%まで乾燥するのに要する時間も短縮された。また、アルキルトリアルコキシシランとジアルキルジアルコキシシランの両方を併用した場合には吸水性が未処理のタオル同様に高く、優れた吸水性を有することが示された。さらに、処理液を調製する際に非イオン界面活性剤を使用することで吸水性及び速乾性がより優れたものとなった。
実施例16〜18
実施例7、15、11と同じ処理液C7、C13、及びC11を調製し、実施例6と同様に前処理した木綿タオルを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥し処理された評価用タオルを製造した。タオルに対するアルコキシシランの処理量は、実施例16及び17は25重量%、実施例18は2.5重量%であった。
得られたタオルについて、下記方法で柔軟性の評価を行い、また実施例6と同様の方法で吸水性の評価を行った。結果を表4に示す。
<柔軟性評価法>
タオルを、市販の衣料用洗剤(花王(株)製 液体アタック)を用いて全自動洗濯機(日立全自動洗濯機KW-5026 静御前)で1回洗濯した(洗剤37g、水道水57L使用、洗濯5分−注水すすぎ1回−脱水3分)。洗濯したタオルを屋内で自然乾燥させた後、20℃/65%RHの恒温恒湿室に一日間静置した。その後、手触りの柔らかさについて、5人のパネラーが以下の基準に従って官能評価をそれぞれ3回行い、それらの平均値をもって柔軟性とした。尚、未処理タオルとは下記比較例4の評価用タオルである。
−3点:処理タオルの方が未処理タオルより明らかに固くなる場合
−2点:処理タオルの方が未処理タオルより少し固くなる場合
−1点:処理タオルの方が未処理タオルよりわずかに固くなる場合
0点:処理タオルと未処理タオルに差がない場合
1点:処理タオルの方が未処理タオルよりわずかに柔らかくなる場合
2点:処理タオルの方が未処理タオルより少し柔らかくなる場合
3点:処理タオルの方が未処理タオルより明らかに柔らかくなる場合。
比較例4
実施例6と同様に前処理し、本発明の処理液による処理を行わないタオルを評価用タオルとして、実施例16と同様の方法で柔軟性及び吸水性の評価を行った。結果を表4に示す。
表4から明らかなように、本発明の処理液で処理したタオルは、未処理のものに比べ、十分に認知できるほど手触りが柔らかくなった。また、吸水性が未処理タオルと同等であり、風合いを維持したまま、繊維に柔軟性を付与することができた。
実施例19〜23
実施例2の処理液調製法に従って、表5記載の組成の処理液C7、及びC14〜16を調製した。木綿タオルのかわりに、ウールセーター(ラムクルーネックセーター、灰色、UNIQLO製))、絹、レイヨントウ、麻、アセテートトウ(いずれも市販品)を用い、繊維に対するアルコキシシランの処理量が25重量%になるようにして、繊維を60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥し、処理された繊維を製造した。得られた繊維について、実施例16と同様の方法で柔軟性の評価を行った。結果を表5に示す。
表5から明らかなように、それぞれ、未処理の繊維に比べ、十分に認知できるほど手触りが柔らかくなった。
実施例24〜27
実施例6〜9と同じ処理液C6〜9を用い、実施例6と同様に前処理した木綿タオルを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥し処理された評価用タオルを製造した。タオルに対するアルコキシシランの処理量は25重量%又は6重量%であった。得られた処理タオルについて、下記方法で毛羽抜け防止性の評価を行った。結果を表6に示す。
<毛羽抜け防止性評価法>
タオルそれぞれ5枚をタンブラー式乾燥機(除湿タイプ電気衣類乾燥機NH-D502、松下電気(株)製)にて3時間乾燥させ、それを10回繰り返した。乾燥機のフィルターに残った毛羽量から下記式により毛羽抜け率を求めた。
毛羽抜け率(%)=
乾燥機のフィルターに残った毛羽量/乾燥前のタオル重量×100
比較例5
実施例6と同様に前処理し、本発明の処理液による処理を行わないタオルを評価用タオルとして、実施例24と同様の方法で毛羽抜け防止性の評価を行った。結果を表6に示す。
実施例28、29
実施例3、4と同じ処理液C3、C4に、実施例3と同様のウールジャージを60分間浸漬し、その後80℃で12時間乾燥し処理された評価用ウールジャージを製造した。ウールジャージに対するアルコキシシランの処理量は25重量%であった。処理ウールジャージについて、下記方法で耐摩耗性の評価を行った。結果を表7に示す。
<耐摩耗性評価法>
幅1.3cm、長さ19.5cmに切断したウールジャージをアクロン摩耗試験機(JISタイヤゴム用)の回転部分に巻き付け、加重4.5kg、斜角5度、摩耗輪A36−P5−V、3000回転、速度75rpmで摩耗試験を行い、砥石に接触した部分の布地の傷みを目視により以下の基準で評価した。
◎:ほつれ(繊維の切断)が10%未満である
○:ほつれ(繊維の切断)が10%以上50%未満である
×:ほつれ(繊維の切断)が50%以上である
比較例6
本発明の処理液による処理を行わない、実施例3と同様のウールジャージを評価用ウールジャージとして、実施例28と同様の方法で耐摩耗性の評価を行った。結果を表7に示す。
表6及び7の結果から明らかなように、本発明の処理液で処理した繊維は、未処理のものに比べ、乾燥機での処理において毛羽の発生が少なく、また、砥石による耐摩耗性が向上しており、強靱性が増大していることが示された。
実施例1で得られた処理液の調製直後、0〜1時間後、4〜5時間後、1日後の29Si NMRスペクトルである。 実施例1で得られた処理布のSEM図である。 実施例1で得られた処理布のケイ素マッピング図である。 実施例1で得られた処理布のケイ素マッピング拡大図である。 実施例2で得られた処理布のSEM図である。 実施例2で得られた処理布のケイ素マッピング図である。 実施例3で得られた処理布のSEM図である。 実施例3で得られた処理布のケイ素マッピング図である。 実施例4で得られた処理布のSEM図である。 実施例4で得られた処理布のケイ素マッピング図である。 比較例1で得られた処理布のSEM図である。 比較例1で得られた処理布のケイ素マッピング図である。 比較例1で得られた処理布のケイ素マッピング拡大図である。 実施例5で得られた処理紙のSEM図である。 実施例5で得られた処理紙のケイ素マッピング図である。 実施例5で得られた処理紙のケイ素マッピング拡大図である。 比較例2で得られた処理紙のSEM図である。 比較例2で得られた処理紙のケイ素マッピング図である。 比較例2で得られた処理紙のケイ素マッピング拡大図である。

Claims (17)

  1. アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)から構成され、(a)成分中の50重量%以上が一般式(1)
    1 pSi(OR2)4-p (1)
    〔式中、R1は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、p個のR1及び(4-p)個のR2は同一でも異なってもよい。pは1〜3の整数を示す。〕
    で表されるアルコキシシラン(以下アルコキシシラン(1)という)であり、(c)成分の量が(a)成分の量の3倍モル以上であり、繊維処理剤中の(c)成分の量が30〜99.9重量%である、繊維処理剤。
  2. アルコキシシラン(a)を含有し、(a)成分中の50重量%以上がアルコキシシラン(1)である第1剤と、有機酸(b)及び水(c)を含有し、20℃におけるpHが2〜5である第2剤から構成される請求項1記載の繊維処理剤。
  3. アルコキシシラン(a)、有機酸(b)、及び水(c)を混合して得られ、(a)成分中の50重量%以上が請求項1記載のアルコキシシラン(1)であり、(c)成分の量が(a)成分の量の3倍モル以上であり、繊維処理剤中の(c)成分の量が30〜99.9重量%である、20℃におけるpHが2〜5の繊維処理剤。
  4. アルコキシシラン(1)の加水分解で生成する一般式(4)

    〔式中、Xは、R1、OR2又はOHで示される基、tは0〜2の整数を示し、(2t+4)個のXは同一でも異なってもよく、これらのうち少なくとも1つはOHである。R1及びR2は請求項1と同じ意味を示す。〕
    で表されるシラノール化合物(以下シラノール化合物(4)という)、有機酸(b)、及び水(c)を含有する、請求項3記載の繊維処理剤。
  5. 繊維処理剤中の(a)成分の量が0.158重量%である、請求項1〜4いずれかに記載の繊維処理剤。
  6. さらに、界面活性剤(d)を含有する、請求項1〜5いずれかに記載の繊維処理剤。
  7. (a)成分が、一般式(2)で表されるトリアルコシキシラン(a1)と、一般式(3)で表されるジアルコシキシラン(a2)を含む、請求項1〜6いずれかに記載の繊維処理剤。
    1Si(OR2)3 (2)
    1 2Si(OR2)2 (3)
    〔式中、R1及びR2は請求項1と同じ意味を示す。〕
  8. トリアルコシキシラン(a1)とジアルコシキシラン(a2)の重量比が9/1〜1/9である、請求項7記載の繊維処理剤。
  9. 速乾性付与剤である請求項1〜8いずれかに記載の繊維処理剤。
  10. 柔軟性付与剤である請求項1〜8いずれかに記載の繊維処理剤。
  11. 強靱性付与剤である請求項1〜8いずれかに記載の繊維処理剤。
  12. トリアルコシキシラン(a1)、有機酸(b)及び水(c)を混合した後、ジアルコシキシラン(a2)を混合する、請求項7又は8記載の繊維処理剤の製造方法。
  13. 請求項3〜11いずれかに記載の繊維処理剤を繊維に接触させて、アルコキシシラン(1)の加水分解で生成するシラノール化合物(4)を単繊維に浸透させる工程(i)、及びシラノール化合物(4)を重合させる工程(ii)を含む、繊維の処理方法。
  14. 工程(ii)を、60℃以上に加温することで行う、請求項13記載の繊維の処理方法。
  15. 工程(i)と工程(ii)の間に、さらに繊維を水洗する工程(iii)を有する、請求項13又は14記載の繊維の処理方法。
  16. 請求項13〜15いずれかの方法により処理された繊維。
  17. 請求項4記載の一般式(4)で表されるシラノール化合物(4)の重合体を単繊維表層より単繊維内部に多く含有する繊維。
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