JPH10176141A - シラン系水性エマルション組成物及びその製造方法 - Google Patents

シラン系水性エマルション組成物及びその製造方法

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JPH10176141A
JPH10176141A JP35402696A JP35402696A JPH10176141A JP H10176141 A JPH10176141 A JP H10176141A JP 35402696 A JP35402696 A JP 35402696A JP 35402696 A JP35402696 A JP 35402696A JP H10176141 A JPH10176141 A JP H10176141A
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silane
compound
water
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silane compound
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JP35402696A
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Takuya Omura
卓也 大村
Masafumi Achinami
政史 阿知波
Takenao Yamamura
武尚 山村
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エマルションの安定性に優れ、且つ基材に耐
汚染性を付与可能なシラン系水性エマルション組成物及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の組成物は、下記式(I)で表さ
れる加水分解性シラン化合物(A)と、シリコーン系化
合物(B)と、からなる組成物が水に乳化されているこ
とを特徴とする。 Rn Si(R1 4-n ・・・(I) 但し、Rは1〜30のアルキル基、置換アルキル基又は
アリール基、R1 は炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル
基であり、複数個のR又はR1 を持つ場合、それぞれは
同一でも異なっていても良い。nは1又は2である。シ
リコーン系化合物(B)は、シラン化合物(A)のオリ
ゴマー、テトラアルコキシシランオリゴマー、又はポリ
アルキレングリコール鎖をもつ乳化剤であることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シラン系水性エマ
ルション組成物及びその製造方法に関し、詳しくは、エ
マルションの安定性が高く、基材に耐汚染性を付与可能
なエマルション組成物及びその製造方法に関する。本発
明のエマルション組成物は、塗料、接着剤、紙加工剤及
び繊維加工剤、並びに土木・建築材料に吸水防止性を付
与する浸透型吸水防止材等として種々の分野で有用なも
のであり、特に土木・建築の分野で賞用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルコキシシランに代表され
る加水分解性シラン化合物は、塗料、接着剤、紙加工剤
及び繊維加工剤等の広範な用途を持っており、特に石造
物やコンクリート等の土木・建築材料に撥水性及び耐吸
水性を付与する吸水防止剤として有用である。一般的
に、これら加水分解性シラン化合物は、種々の溶剤で希
釈して使用されていたが、このような溶剤系のものは、
溶剤の毒性、引火性及び揮発性により使用範囲に制限が
ある他、シラン化合物を低分子量アルコールであるイソ
プロパノールで溶解したものを吸水防止材として使用す
る場合、蒸発速度が急速であるため、基材への浸透性が
充分でない等の問題があり、逆に揮発しにくい溶剤を使
用したものは、塗工面の湿潤状態が長くなるため、空気
中のゴミが付着する機会が増えたり、又硬化に長時間を
要するという問題がある。さらに、溶剤系のものは、濡
れたコンクリート表面には塗工できない問題点も有する
ものであった。以上より、加水分解性シラン化合物を種
々の用途に使用する場合には、加水分解性シラン化合物
を水溶液又は水性分散体とすることが好ましいが、加水
分解性シラン化合物は化学的な性質上、水と接触すると
文字どおり加水分解反応を引き起こし、更にこれに続く
縮合反応が起こり易いため、水中で安定に存在させるこ
とは極めて難しいとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解決する
シラン系水性エマルションとして、HLBが4〜15の
乳化剤を用いたシラン系水性エマルション(特開昭62
−197369号公報)や非イオン性乳化剤とアニオン
性乳化剤を組み合わせたシラン系水性エマルション(特
開平3−232527号公報)が報告されている。しか
しながら、これらのエマルションは、エマルション中の
分散粒子が大きく不安定で、二層分離が起こり易いた
め、長期に渡って安定なエマルションが得られにくいと
いう問題点のあるものであった。
【0004】一方、従来、建築及び土木の分野における
ビルディングや橋梁、道路、トンネル等の建築物もしく
は構造物には、ばい煙、粉塵、排気ガス等の汚染物質が
コンクリート面もしくは屋外用塗料を塗装した面(以
下、「塗装面」という。)に付着したり、或いは、コン
クリート面もしくは塗装面の一部に付着した汚染物質が
降雨時に流出してコンクリート面もしくは塗装面を汚染
し、これにより著しく美観が損なわれるという問題点が
あった。このような汚染への対策として、塗装面の場合
には、付着した汚染物質の洗浄を可能とするために塗膜
を硬質化する方法が知られている。例えば、アクリル系
塗料又はポリエステル系塗料等において塗膜を硬質化す
る方法として、特開平4−292677号公報にはシリ
カゾルを添加する方法が、特開平6−240199号公
報にはアクリル樹脂にシリケートオリゴマーを添加する
方法が開示されている。
【0005】しかし、上記の方法は一旦付着した汚染物
質を強制的に洗浄除去するための対策であり、汚染物質
の付着そのものを防止するものではない。従って、頻繁
に洗浄することが困難な建築物もしくは構造物、例えば
高層ビル等実質的に洗浄が不可能なものや、公共性の高
い道路・トンネル等洗浄作業のために交通規制等の大が
かりな処置を必要とするもの等に対しては実質的に効果
がなく、更なる改良が求められていた。
【0006】また、意匠性が重んじられる建築物もしく
は構造物等においては、その外壁が塗装処理されない打
放し仕様のコンクリート面やスレート板、ケイカル板、
化粧モルタル、大理石、花崗岩その他の天然石材、人造
石、漆喰、レンガ等のセラミックス材料や木材等の基材
からなる場合も多い。これらの吸水性を有する基材では
上述の屋外用塗料等が使われないことが多く、凍害、塩
害、酸性雨等水に起因する劣化を防ぐための手段は種々
提案されているが、前述の汚染を防止するために特に効
果のある方法は知られていなかった。
【0007】本発明の目的は、長期的な安定性に優れた
シラン系水性エマルション組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、基材に耐汚染性を付与可能な
シラン系水性エマルション組成物を提供することにあ
る。また、本発明の更に他の目的は、上記シラン系水性
エマルション組成物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加水分解
性シラン化合物にシリコーン系化合物を共存させた組成
物を乳化してなるシラン系水性エマルション組成物は、
このシリコーン系化合物を含まないエマルション組成物
に比べて、エマルションの安定性が著しく優れているこ
とを見出した。また、シリコーン系化合物を共存させる
ことにより得られる他の効果として、このエマルション
組成物を吸水性のある基材に塗装すると、吸水防止機能
に加えて耐汚染性機能が発現されることを見出した。更
に、上記シリコーン系化合物を生成させる好適な方法に
つき検討を行って、本発明を完成したのである。
【0009】即ち、本発明における第1発明のシラン系
水性エマルション組成物は、下記式(I)で表される加
水分解性シラン化合物(A)と、シリコーン系化合物
(B)と、からなる組成物が水に乳化されていることを
特徴とする。 Rn Si(R1 4-n ・・・(I) (但し、Rは1〜30のアルキル基、置換アルキル基又
はアリール基、R1 は炭素数1〜6のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシ
ル基であり、複数個のR又はR1 を持つ場合、それぞれ
は同一でも異なっていても良い。nは1又は2であ
る。) このシリコーン系化合物(B)を共存させることによ
り、加水分解性シラン化合物(A)が水に分散されたシ
ラン系水性エマルション組成物の安定性が大きく向上す
る。更に、シリコーン系化合物(B)がシラノール基等
の官能基やポリアルキレングリコール鎖等の親水性部分
をもつ場合には、このエマルション組成物を吸水性のあ
る基材に塗装することにより、親水性向上或いは界面活
性機能による自己洗浄作用を基材表面に付与することが
できる。
【0010】また、第2発明のシラン系水性エマルショ
ン組成物は、第1発明のエマルション組成物において、
上記シリコーン系化合物(B)は上記シラン化合物
(A)のオリゴマー(B−1)であることを特徴とす
る。この場合には、このエマルション組成物の安定性が
特に優れたものとなる。
【0011】そして、本発明における第3〜第6発明
は、本発明のシラン系水性エマルション組成物の製造方
法として、或いは他のシラン系水性エマルション組成物
の製造方法として好適に用いられるものである。ここ
で、「他のシラン系水性エマルション組成物」とは、上
記式(I)におけるnが0又は3である加水分解性シラ
ン化合物とこの化合物の加水分解物が縮合したオリゴマ
ーとからなるエマルション組成物等を指す。即ち、本発
明における第3発明のシラン系水性エマルション組成物
の製造方法は、酸触媒の非存在下において加水分解性シ
ラン化合物(A)を水の共存下で加熱することにより、
該化合物(A)を主成分とし、該化合物のオリゴマー
(B−1)を従成分とする反応物を得た後、これに乳化
剤及び水を添加混合して乳化することを特徴とする。ま
た、第4発明の製造方法は、上記シラン化合物(A)の
加熱を上記シラン化合物100重量部に対して0.2〜
4重量部の水の共存下で行うものである。また、第5発
明の製造方法は、上記シラン化合物(A)の加熱をアル
カリ触媒の共存下で行うものである。更に、第6発明の
シラン系水性エマルション組成物の製造方法は、酸触媒
又はアルカリ触媒の存在下において、積極的に水を添加
することなく加水分解性シラン化合物(A)を加熱する
ことにより、該化合物(A)を主成分とし、該化合物の
オリゴマー(B−1)を従成分とする反応物を得た後、
これに乳化剤及び水を添加混合して乳化することを特徴
とする。第3〜第6発明の製造方法により得られたエマ
ルション組成物はシラノール基を含むので、このエマル
ション組成物は基材に耐汚染性を付与する効果に優れ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、第1発明における加水分解性シラン化合物(A)
について述べる。このシラン化合物(A)は下記式
(I)で示される。 Rn Si(R1 4-n ・・・(I)
【0013】ここで、上記式(I)において、Rは加水
分解を起こし難く、安定な疎水基であり、炭素数1〜3
0のアルキル基、置換アルキル基又はアリール基であ
る。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル
基等を挙げることができる。置換アルキル基としては、
ハロゲン化アルキル基、芳香族置換アルキル基等が挙げ
られる。ハロゲン化アルキル基としては、上記アルキル
基のフッ素化物、塩素化物及び臭素化物等があり、具体
的には3−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基及
び6,6,6−トリフルオロヘキシル基等を挙げること
ができる。芳香族置換アルキル基としては、ベンジル
基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等
のハロゲン置換ベンジル基等を挙げることができる。ア
リール基としては、フェニル基、トリル基、メシチル基
及びナフチル基等が挙げられる。
【0014】また、上記式(I)において、R1 は加水
分解性の官能基であり、炭素数1〜6のアルコキシ基、
ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキ
シル基である。アルコキシ基の例としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。ハロゲ
ン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましい。上
記式(I)におけるnは1又は2であるためシラン化合
物(A)は複数個のR1 をもつが、これらは同一であっ
ても異なっていても良い。また、nが2の場合、シラン
化合物(A)は複数個のRをもつが、これらは同一であ
っても異なっていても良い。nが1又は2である本発明
のシラン系水性エマルション組成物は、nが0又は3で
ある組成物に比べて、基材表面に撥水性及び防水性を付
与する性能に優れる。
【0015】加水分解性シラン化合物(A)の好適な具
体例を以下に示す。 (1-1) 上記式(I)において、Rがアルキル基、ハロゲ
ン化アルキル基又は芳香族置換アルキル基で、R1 がア
ルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例 Rがアルキル基の例;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロ
ポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリ
エトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシ
シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、オクチル
トリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オ
クチルトリイソプロポキシシラン、2−エチルヘキシル
トリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデ
シルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシ
ラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシル
トリエトキシシラン及びエイコシルトリメトキシシラン
等が挙げられる。 Rがハロゲン化アルキル基の例;6−クロロヘキシル
トリメトキシシラン及び6,6,6−トリフルオロヘキ
シルトリメトキシシラン等が挙げられる。 Rが芳香族置換アルキル基の例;ベンジルトリメトキ
シシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4
−クロロベンジルトリエトキシシラン及び4−ブロモベ
ンジルトリ−n−プロポキシシラン等が挙げられる。
【0016】(1-2) 上記式(I)において、Rがアルキ
ル基で、R1 がハロゲン原子で、nが1のシラン化合物
の例 ドデシルトリクロロシラン、ドデシルトリブロモシラン
等が挙げられる。
【0017】(1-3) 上記式(I)において、Rがアリー
ル基で、R1 がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物
の例 フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0018】(1-4) 上記式(I)において、Rがアルキ
ル基で、R1 がアルコキシ基で、nが2のシラン化合物
の例 ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジブチルジメトキシシラン及びジイソブチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0019】本発明の加水分解性シラン化合物(A)
は、上記式(I)において、Rがアルキル基、R1 がア
ルコキシ基で、nが1のシラン化合物、即ちアルキルト
リアルコシキシランであることが好ましい。これによ
り、特に保存安定性に優れ、且つ粒子径の小さいエマル
ションが得られるためである。
【0020】尚、これら加水分解性シラン化合物は、1
種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】次に、第1発明におけるシリコーン系化合
物(B)について述べる。本発明において「シリコーン
系化合物」とは、一分子中に少なくとも一つのシロキサ
ン結合をもつ高分子化合物又はオリゴマー化合物を指
し、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイル、加水
分解性シラン化合物の縮合体、シリコーンと他のポリマ
ー又はオリゴマーとのブロック共重合体及びグラフト共
重合体等が含まれ、その形状も直鎖状、分岐状、環状、
梯子状、その他いかなる形状であってもよい。
【0022】シリコーン系化合物(B)の数平均分子量
は、加水分解性シラン化合物(A)の種類に応じて適切
な値とすればよい。このとき、数平均分子量が小さすぎ
ると、このシリコーン系化合物(B)によるエマルショ
ン安定化の効果が十分に得られない場合がある。一方、
数平均分子量が大きすぎると、このエマルション組成物
が塗工された基材表面がシリコーン系化合物(B)によ
って汚染されたり、エマルション組成物の使用時におけ
る材料への浸透性が低下したりする場合があるため好ま
しくない。例えば、シラン化合物(A)がヘキシルトリ
エトキシシランである場合には、シリコーン系化合物
(B)の好ましい数平均分子量は200〜5,000で
あり、更に好ましくは400〜2,000である。
【0023】本発明における好適なシリコーン系化合物
(B)としては、アルキルシロキサン、上記式
(I)に示す化合物又はテトラアルコキシシラン等の加
水分解性シラン化合物が加水分解して縮合したもの、
シリコーン系乳化剤、が挙げられる。このうち、本発明
における第2発明のように、「上記式(I)に示す化合
物が加水分解して縮合したもの(以下、「シラン縮合
体」という。)」を用いることが特に好ましい。このシ
ラン縮合体は、上記式(I)に示す化合物の2〜14量
体であることが好ましく、2〜10量体であることがよ
り好ましく、2〜7量体であることが更に好ましい。ま
た、このシラン縮合体は、シラン化合物(A)と同じ化
合物が縮合したものでもよいし、上記式(I)で示され
るがシラン化合物(A)とは異なる化合物が縮合したも
のでもよい。しかし、エマルション組成物の安定性が特
に優れたものとなるため、シラン化合物(A)と同じ化
合物が縮合したシラン縮合体を、本発明におけるシリコ
ーン系化合物(B)として用いることが好ましい。上記
シラン縮合体は、シラン化合物(A)100重量部当た
り、水10〜15重量部を加えて、40〜150℃にて
2〜6時間加熱することにより製造できる。通常、上記
製法によって得られたシラン縮合体をシラン化合物
(A)に添加して、本発明の組成物を製造するが、必要
により、該シラン縮合体中にシラン化合物(A)を添加
して、本発明の組成物を製造してもよい。また、上記
のシリコーン系化合物(B)を用いた場合には、このエ
マルション組成物が基材表面への耐汚染性付与性能に優
れたものとなるため好ましい。
【0024】また、上記「シリコーン系乳化剤」の代表
例としてはポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
具体的には、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール及びエチレングリコール−プロピ
レングリコール共重合体等のポリエーテル鎖が結合した
もの、或いはポリビニルアルコール等の水酸基鎖の結合
したもの等を用いることができる。特に、ポリアルキレ
ングリコール鎖を有するシリコーン系乳化剤を用いるこ
とが好ましい。この場合には、エマルション組成物が耐
汚染性付与性能に優れたものとなるためである。
【0025】本発明のシラン系水性エマルション組成物
において、加水分解性シラン化合物(A)とシリコーン
系化合物(B)との合計重量に対するシリコーン系化合
物(B)の好ましい割合は1〜90重量%であり、より
好ましくは5〜70重量%であり、更に好ましくは10
〜50重量%である。シリコーン系化合物(B)の割合
が1重量%未満ではエマルション組成物の安定性が不十
分となる場合がある。一方、シリコーン系化合物(B)
の割合が90重量%を超える場合には、このエマルショ
ン組成物の使用時における「有効成分」である加水分解
性シラン化合物(A)の含有量が過少となるため好まし
くない。
【0026】また、シリコーン系化合物(B)としてポ
リアルキレングリコール鎖を有するシリコーン系乳化剤
を用いる場合には、加水分解性シラン化合物(A)とシ
リコーン系化合物(B)との合計重量に対して、ポリア
ルキレングリコール鎖部分の割合が5〜50重量%とな
る量のシリコーン系乳化剤を用いることが好ましい。こ
の範囲とすることにより、本発明のエマルション組成物
によって基材に十分な耐汚染性を付与ることができる。
【0027】このシラン系水性エマルション組成物にお
ける水の割合は、組成物全体に対して35〜99重量%
となる割合が好ましく、より好ましくは、50〜95重
量%である。水の割合が35重量%に満たない場合には
エマルション組成物が不安定で分離し易くなり、他方水
の割合が99重量%を超える場合には、シラン化合物
(A)の割合が少ないため、得られるエマルションを塗
料又は吸水防止材等として使用する場合、撥水性や吸水
防止性を発現し難くなる。
【0028】また、シラン系水性エマルション組成物中
の分散粒子の粒子径は、好ましくは2μm以下、より好
ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下で
ある。粒子径が2μmを超える場合には、このエマルシ
ョンが分離し易い不安定なものとなりやすい。
【0029】本発明のシラン系水性エマルション組成物
は、必須成分である加水分解性シラン化合物(A)及び
シリコーン系化合物(B)に加えて、乳化剤を含むこと
が好ましい。この乳化剤としては、加水分解性シラン化
合物(A)を乳化分散できるものであれば、ノニオン系
乳化剤、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤等の種々
のものが使用できる。乳化力及びシラン化合物の安定性
に優れるため、ノニオン系乳化剤又はアニオン系乳化剤
を使用することが好ましい。
【0030】ノニオン系乳化剤の具体例としては、オク
チルフェノールポリエチレンオキシエタノール、グリセ
ロールモノオレエート、グリセロールモノステアレー
ト、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミ
ネート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリ
ステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタン
トリオレエート、ソルビタンモノセスキオレエート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノパルミネート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタ
ントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールテ
トラオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンエチレンオクチルフェニルエー
テル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等
を挙げることができる。これら以外にも、フッ素系又は
シリコーン系乳化剤を使用することもできる。
【0031】アニオン系乳化剤の具体例としては、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミ
ン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸
ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、
アルキルリン酸ジエタノールアミン塩アルキルリン酸カ
リウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ト
リエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウム、アルカンスルフォン酸ナ
トリウム、混合脂肪酸ソーダ石鹸、半硬化牛脂脂肪酸ソ
ーダ石鹸、半硬化牛脂脂肪酸カリ石鹸、ステアリン酸ソ
ーダ石鹸、オレイン酸カリ石鹸、ヒマシ油カリ石鹸、高
級アルコール硫酸ナトリウム、β−ナフタレンスルフォ
ン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スル
フォン酸ホルマリン縮合物、特殊カルボン酸型界面活性
剤、特殊ポリカルボン酸型高分子乳化剤、及びシリコー
ン系高分子乳化剤等が挙げられる。
【0032】カチオン系乳化剤の具体例としては、トリ
メチルオクタデシルアンモニウムクロライド、トリメチ
ルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルヘキサ
デシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルアン
モニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロラ
イド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド等
のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0033】これら乳化剤は、1種のみを用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて使用してもよい。乳化剤の
使用割合としては、加水分解性シラン化合物に対して
0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.5
〜20重量%である。尚、シリコーン系化合物(B)と
してシリコーン系乳化剤を用いる場合であって、このシ
リコーン系乳化剤によりエマルションの安定化効果とと
もに加水分解性シラン化合物(A)の乳化分散効果が十
分に得られる場合には、必ずしも他の乳化剤の添加を必
要とするものではない。
【0034】本発明のシラン系水性エマルション組成物
は、シリコーン系化合物(B)が上記シラン縮合体であ
る場合、例えば下記の方法により得ることができる。即
ち、加水分解性シラン化合物(A)を加熱することによ
り、該化合物(A)を主成分とし、該化合物のオリゴマ
ー(B−1)を従成分とする反応物を得る工程(以下、
「第1工程」という。)と、第1工程で得た反応生成物
に乳化剤及び水を添加混合して乳化し、シラン系水性エ
マルションを製造する工程(以下、「第2工程」とい
う。)からなる方法である。
【0035】この製造方法について、更に詳しく説明す
る。上記第1工程では、加水分解性シラン化合物を加熱
することにより、該シラン化合物に含有されるか或いは
積極的に添加された少量の水によって該化合物の一部が
加水分解され、次いでこの加水分解物が互いに縮合反応
を起こして、加水分解性シラン化合物を主成分とし該化
合物のオリゴマー(上記「シラン縮合体」に相当す
る。)を少量含有する反応生成物が得られる。この反応
生成物は、上記加水分解物及び/又はそのオリゴマーに
起因するシラノール基を含む。
【0036】水の共存量は、加水分解性シラン化合物1
00重量部に対して0.2〜4.0重量部が好ましく、
より好ましくは0.5〜2.0重量部である。この量が
0.2重量部に満たない場合は、オリゴマーの生成量が
少なくなるため得られるエマルションの安定性が充分で
ない場合がある。他方、水の量が4.0重量部を超える
場合には、シラン化合物のオリゴマーの他、副生成物が
多量に生成し、「有効成分」としてのシラン化合物の量
が少なくなることがある。尚、水の供給源としては、必
要量の水を反応系に積極的に添加してもよいし、反応系
中に含有される水分、例えばシラン化合物が空気中から
吸湿した水分等を利用してもよく、また酸触媒又はアル
カリ触媒を用いる場合にはこれらに含まれる水分等を利
用してもよい。
【0037】加水分解性シラン化合物を加熱する温度
は、40〜200℃が好ましく、より好ましくは40〜
150℃である。加熱温度が40℃に満たない場合には
反応速度が遅くなるため製造に長時間を要し、他方20
0℃を超える場合には着色や副反応の問題が発生するこ
とがある。加熱時間は、使用するシラン化合物の種類及
び量、水の量並びに加熱温度等により適宜選択すれば良
いが、通常1〜20時間が好ましく、より好ましくは2
〜10時間である。この第1工程において、オリゴマー
の生成を促進するために、酸触媒又はアルカリ触媒を用
いることが好ましい。これらの触媒を用いる場合の好ま
しい加熱温度は40〜150℃であり、より好ましくは
40〜100℃である。加熱時間は、使用するシラン化
合物及び触媒の種類及び量、水の量並びに加熱温度等に
より適宜選択すれば良いが、通常1〜10時間が好まし
く、より好ましくは2〜6時間である。
【0038】上記酸触媒としては、ブレッステッド酸、
ルイス酸等の種々の酸が使用できる。酸触媒は、液体の
ものも固体のものも使用できる。ブレッステッド酸とし
ては、具体的には、塩酸、硫酸、燐酸及び塩化白金酸等
の無機酸や、安息香酸等のモノカルボン酸、フタル酸、
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル
テトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ドデシルコ
ハク酸、クロレンディック酸、ピロメリット酸及びベン
ゾフェノンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸、これ
らポリカルボン酸の無水物、並びにパラトルエンスルホ
ン酸等の有機酸等が挙げられる。ルイス酸としては、フ
ッ化ホウ素、塩化アルミニウム及び塩化スズ等の無機ハ
ロゲン化物、光により分解して酸を発生する芳香族ジア
ゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニ
ウム塩等を挙げることができる。又、これら以外にも、
過塩素酸、フルオロ硫酸及びマジック酸等の超強酸、プ
ロトン型或いは多価カチオン交換型ゼオライト、シリカ
・アルミナ、シリカ・マグネシア、アルミナ・ボリア、
活性白土、アンチモン酸及びリン酸ジルコニウム等の固
体酸、並びにポリスチレンスルホン酸型イオン交換樹脂
等のプロトン型イオン交換樹脂等が挙げられる。経済的
に安価であることから、硫酸、パラトルエンスルホン酸
を使用することが好ましい。酸触媒の添加量は、加水分
解性シラン化合物100重量部に対して0.01〜2.
0重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0
重量部である。この量が0.01重量部に満たない場合
は得られるエマルション安定性が充分でなく、他方2.
0重量部を超える場合には副反応が多量に発生すること
がある。
【0039】一方、上記アルカリ触媒としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム等の金属水酸化物、アンモニア水、トリ
エチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
メチルアミノメタノール等のアミン化合物、重炭酸ナト
リウム等の重炭酸塩類、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム等の炭酸塩類、酸化カルシウム等の酸化物、含水酸
化ビスマス等の重金属の含水酸化物、ハイドロタルサイ
ト等の固体塩基、4級アンモニウム塩の官能基等を含む
塩基性イオン交換性樹脂や陰イオン交換性樹脂等が挙げ
られる。このうち、操作が簡単であること及び経済的に
有利であることから、安価な金属水酸化物を用いること
が好ましい。アルカリ触媒の添加量は、加水分解性シラ
ン化合物100重量部に対して0.01〜2.0重量部
が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0重量部で
ある。この量が0.01重量部に満たない場合は得られ
るエマルション安定性が充分でなく、他方2.0重量部
を超える場合には副反応が多量に発生することがある。
【0040】この第1工程により得られる反応生成物中
のシラン化合物のオリゴマーは、2量体、3量体及びそ
れ以上からなるものの混合物である。得られた反応生成
物中の主成分であるシラン化合物(即ち、加水分解等を
受けていない未反応のシラン化合物)は、この反応生成
物中に50〜95重量%、より好ましくは50〜90重
量%含まれていることが好ましい。
【0041】第1工程において酸触媒又はアルカリ触媒
を使用した場合には、得られた反応生成物に塩基又は酸
を添加して触媒の一部ないし全部を中和することが、得
られるエマルション中のシラン化合物の加水分解反応を
抑制できる点で好ましい。該中和工程は、後記する第2
工程の乳化の後に行ってもよい。中和で使用できる塩基
としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸
塩及び重炭酸塩、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム
等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、トリメチル
アミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びジ
メチルエタノールアミン等の1級、2級又は3級アミ
ン、ピリジン及びピペリジン等の複素置換アミン化合
物、アンモニウム型イオン交換樹脂、並びにアンモニア
等が挙げられる。これらは、2種以上を併用しても良
い。また、中和で使用できる酸としては、液体又は固体
のブレッステッド酸、ルイス酸等の種々の酸が挙げられ
る。具体的には、上述の酸触媒として例示したものは全
て使用可能である。中和により固体の中和物が生成する
場合には、ろ過等により分離して中和物を除去すること
が好ましい。中和物が水溶性の場合は特に分離する必要
はない。
【0042】第2工程は、第1工程で得られた反応生成
物に、乳化剤及び水を加えて攪拌することにより、シラ
ン化合物を乳化するものである。水の使用割合として
は、得られるエマルション中に35〜99重量%となる
割合が好ましく、より好ましくは、50〜95重量%で
ある。水の割合が35重量%に満たない場合には、シラ
ン化合物の乳化が困難になったり、得られた乳化物が不
安定で分離し易くなり、他方99重量%を超える場合に
は、シラン化合物の割合が少ないため、得られるエマル
ションを塗料又は吸水防止材等として使用する場合、撥
水性や吸水防止性を発現し難くなる。
【0043】乳化剤としては、上記反応生成物を乳化分
散できるものであれば、ノニオン系乳化剤、アニオン系
乳化剤、カチオン系乳化剤等の種々のものが使用でき
る。例えば、上述した第1発明の説明において挙げた乳
化剤は全て使用可能である。このうち、乳化力及びシラ
ン化合物の安定性に優れるため、ノニオン系乳化剤又は
アニオン系乳化剤を使用することが好ましい。また、乳
化剤の好ましい使用割合についても、第1発明の説明に
おいて述べたとおりである。このようにして得られるエ
マルション中の分散粒子の粒子径としては、好ましくは
2μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましく
は0.5μm以下である。粒子径が2μmを超える場合
には、このエマルションが分離し易い不安定なものとな
りやすい。但し、粒子径が上記の値を超えるものであっ
ても、エマルションの安定性が十分に高ければ実用上の
問題はない。
【0044】尚、本発明における第3発明は、オリゴマ
ーを製造する第1工程において、アルカリ触媒を使用す
るか或いは触媒を使用することなく、水を積極的に添加
するか或いは添加しないで、加水分解性シラン化合物を
加熱するものである。また、第4発明は、上記第1工程
において、アルカリ触媒を使用するか或いは触媒を使用
することなく、シラン化合物100重量部に対して0.
2〜4重量部の水を積極的に添加するか或いは積極的に
添加することなく共存させて、加水分解性シラン化合物
を加熱するものである。更に、第5発明は、上記第1工
程において、水を積極的に添加するか或いは添加しない
で、アルカリ触媒の共存下において、加水分解性シラン
化合物を加熱するものである。更にまた、第6発明は、
上記第1工程において、酸触媒の存在下において、積極
的に水を添加することなく、加水分解性シラン化合物を
加熱するものである。
【0045】本発明のエマルション組成物又は本発明に
より製造されたエマルション組成物に対して、種々のそ
の他の配合物を配合することができる。エマルション組
成物のpHを調製し、水分解性シラン化合物の加水分解
反応を抑制する目的で、緩衝剤を配合することができ
る。緩衝剤としては、有機酸、無機酸、塩基及びこれら
の塩等が挙げられる。無機酸としては、炭酸、燐酸、硫
酸及びヒドロ硫酸等が挙げられる。有機酸としては、炭
素数1〜6のオルガノ−、モノ又はポリカルボン酸、有
機酸の塩としては、炭素数2〜30のアルキレンイミノ
ポリカルボン酸のモノ又はポリアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩又はアミン塩等が挙げられる。塩基として
は、アンモニア、炭素数1〜30の有機塩基等が挙げら
れる。
【0046】本発明では、無機酸の塩を使用することが
好ましく、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、燐酸
1、2又は3ナトリウム、燐酸1、2又は3カリウム、
燐酸アンモニウムナトリウム、硫酸1又は2ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウ
ム、酢酸カルシウム、ぎ酸ナトリウム、硫化1又は2ナ
トリウム、アンモニア、モノ、ジ又はトリエチルアミ
ン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン、(エチレンジ
ニトリロ)4酢酸ナトリウム塩(E.D.T.A.ナト
リウム)、ピリジン、アニリン及び珪酸ナトリウム等が
挙げられる。これらは2種以上を併用することもでき
る。緩衝剤の配合割合は、通常シラン系水性エマルショ
ンに添加されている割合でよく、具体的には乳化液に
0.01〜5重量%が好ましい。この他にも、膠、デン
プン、カゼイン及び水性ビニル重合体等の保護コロイド
剤、防黴剤、殺菌剤、フレグランス、着色剤、シックナ
ー、発泡剤、並びに消泡剤等を吸水防止剤の性能を損わ
ない程度添加することもできる。
【0047】本発明のエマルション組成物又は本発明に
より製造されたエマルション組成物は、塗料、接着剤、
被覆剤、含浸補強剤等として、金属、木材、紙、布、石
材及びコンクリート等の基材に対して使用することがで
き、特に石造物やコンクリート等の土木・建築材料の浸
透性吸水防止材として有用である。又、コンクリート等
に配合して、塩害防止材やアルカリ骨材反応抑制剤とし
ても使用できる他、土壌等に散布して雑草の発芽防止剤
として使用することも可能である。また、本発明のエマ
ルション組成物又は本発明により製造されたエマルショ
ン組成物は、他の塗料と混合して塗装することも可能で
あり、混合する塗料としてはアクリル、フッ素、アクリ
ルシリコン、ウレタン等水系塗料を中心に配合できるも
のは全て使用可能である。また、コンクリート製品もし
くは現場で混練されるコンクリートや、モルタル、珪藻
土、漆喰等の現場で混練を要する基材に対して、添加剤
的に使用することも可能である。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。各例における「部」は、「重量部」を意味
し、「%」は、「重量%」を意味する。
【0049】(1)安定性の検討 下記の方法により実施例1〜10及び比較例1のエマル
ションを調製し、その安定性を評価した。 (実施例1)これは、本発明のシラン系水性エマルショ
ン組成物を、本発明の方法により製造した例であり、上
記第1工程において、アルカリ触媒を使用し且つ積極的
な水の添加を行ったものである。 [1] 第1工程 撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、
ヘキシルトリエトキシシラン(信越化学株式会社製)1
00部、48%苛性ソーダ(純分換算)0.1部及び水
1.0部を仕込み、80℃で4時間、攪拌下において加
熱した。加熱終了後、反応液を室温まで放冷し、これに
塩酸を加えてアルカリ触媒を中和した後、沈澱物をろ過
し、シランオリゴマーを約8%含有する組成物(「組成
物I」という。)を合成した。 [2] 第2工程 水50部、ノニオン系乳化剤のオクチルフェノールポリ
エチレンオキシエタノール〔ローム&ハース社の商品名
「TRITON X−100」70部と、同社の商品名
「TRITON X−305」30部とからなる乳化剤
混合物〕4部及び重炭酸ナトリウム0.2部からなる混
合物に、第1工程により得られた組成物40部を加え、
高速攪拌して乳化させシラン系水性エマルション組成物
を調製した。
【0050】(実施例2)これは、本発明のシラン系水
性エマルション組成物を、本発明の方法により製造した
例であり、上記第1工程において、酸触媒を使用し且つ
積極的な水の添加を行わなかったものである。実施例1
と同様の反応装置に、ヘキシルトリエトキシシラン10
0部及び陽イオン交換樹脂(ローム&ハース社の商品名
「Duolite CC−290H」)1部を仕込み、
80℃で4時間、攪拌下において加熱した。加熱終了
後、反応液を室温まで放冷し、これにアンモニアの10
%水溶液を加えて酸触媒を中和した後、沈澱物をろ過し
て、ヘキシルトリエトキシシランを主成分としそのオリ
ゴマーを従成分とする組成物を得た。この組成物に対
し、実施例1と同様に第2工程を行ってシラン系水性エ
マルション組成物を調製した。
【0051】(実施例3)これは、本発明のシラン系水
性エマルション組成物を、本発明の方法により製造した
例であり、上記第1工程において、触媒を使用せず且つ
積極的な水の添加を行ったものである。実施例1と同様
の反応装置に、ヘキシルトリエトキシシラン100部及
び水1.0部を仕込み、50℃で18日間、加熱下にお
いて保存し後、反応液を室温まで放冷して、ヘキシルト
リエトキシシランを主成分としそのオリゴマーを従成分
とする組成物を得た。この組成物に対し、実施例1と同
様に第2工程を行ってシラン系水性エマルション組成物
を調製した。
【0052】(実施例4)これは、本発明のシラン系水
性エマルション組成物を、本発明の方法により製造した
例であり、上記第1工程において、触媒を使用せず且つ
積極的な水の添加を行わなかったものである。実施例1
と同様の反応装置に、ヘキシルトリエトキシシラン10
0部を仕込み、60℃で28日間、加熱下において保存
し後、反応液を室温まで放冷して、ヘキシルトリエトキ
シシランを主成分としそのオリゴマーを従成分とする組
成物を得た。この組成物に対し、実施例1と同様に第2
工程を行ってシラン系水性エマルション組成物を調製し
た。
【0053】(実施例5〜10)加水分解性シラン化合
物(A)としてのヘキシルトリエトキシシラン90重量
部に、それぞれ以下に示すシリコーン系化合物(B)を
10重量部を添加混合した。この組成物に対して、実施
例1と同様に第2工程を行ってシラン系水性エマルショ
ン組成物を調製した。 〔シリコーン系化合物(B)〕 実施例5;両末端にシラノール基をもつアルキルシロキ
サンオリゴマー(信越化学株式会社製、商品名「X−2
1−5709」) 実施例6;水の量を1.0から12部に増した点を除い
ては実施例1と同様の第1工程により得られた組成物1
00重量部に、新たにヘキシルトリエトキシシラン40
重量部を添加混合したもの。 実施例7;水の量を1.0から12部に増した点、アル
カリ触媒に変えてパラトルエンスルホン酸0.1重量部
を用いた点、及び反応後に10%アンモニア水溶液にて
中和した点を除いては、実施例1と同様の第1工程によ
り得られた組成物100重量部に、新たにヘキシルトリ
エトキシシラン40重量部を添加混合したもの。 実施例8;テトラアルコキシシランオリゴマー(多摩化
学株式会社製、商品名「エチルシリケート45」、Si
2 分43〜46重量%のエチルシリケート) 実施例9;シリコーン系乳化剤(信越化学株式会社製、
商品名「KF−6017」、ポリエチレングリコール側
鎖をもつアルキルシロキサン) 実施例10;シリコーン系乳化剤(信越化学株式会社
製、商品名「KF−353A」、ポリエチレングリコー
ル側鎖をもつアルキルシロキサン)
【0054】(比較例1)実施例1の第1工程により製
造された組成物Iに代えて、この第1工程を行っていな
いヘキシルトリエトキシシラン40部を用い、これに実
施例1と同様に第2工程を行ってシラン系水性エマルシ
ョン組成物を調製した。
【0055】実施例1〜10及び比較例1の各シラン系
水性エマルション組成物につき、その平均粒子径及び室
温におけるエマルションの安定性を評価した。評価方法
は以下のとおりである。 平均粒子径;レーザー回折/散乱式の粒度分布測定装置
を用いて測定した。 安定性;調製後のエマルション組成物を室温に放置し、
二層分離するまでの期間を目視により確認した。 評価結果を表1に示す。尚、表1における「総合評価」
の欄は、平均粒子径と安定性とを併せて判断した結果で
あり、◎(良)>○>△>×(不良)の4段階で表し
た。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示すように、実施例1〜10のエマ
ルションはいずれも安定性が良好であり、室温で1週間
以上、二層分離することなく保存することができた。特
に、シラン縮合体を含む実施例1、2、6、7では平均
粒子径、安定性共に優れていた。また、アルキルシロキ
サンオリゴマーを用いた実施例6では、平均粒子径は大
きいものの安定性は良好であった。尚、実施例1〜10
のエマルションは、いずれも粒子径分布が狭く、均一な
粒子が形成されていた。
【0058】これに対して、シリコーン系化合物を使用
しない比較例1では、得られたシラン系水性エマルショ
ンの安定性は悪く、24時間以内に二層分離した。ま
た、分散粒子の平均粒径は3.0μmと大きいものであ
った。
【0059】(2)耐汚染性の検討 上記実施例8、9、10のエマルション及び比較例1の
エマルションにつき、これらを基材に塗布した場合にお
ける耐汚染性の付与効果を評価した。耐汚染性の評価
は、図1及び図2に示すコンクリートブロックを用いて
行った。このコンクリートブロック1は、垂直面11の
上に続いて、上向き角度45度の傾斜面12が形成され
ている。垂直面11及び傾斜面12に各エマルションを
塗布した後、20℃、湿度60%の室内で7日間養生
し、次いで屋外にて南向きに5ヵ月間の曝露試験を行っ
た。尚、比較例2として、対照のために未処理の(エマ
ルションによる表面処理を行わない)コンクリートブロ
ックを同様に屋外曝露した。曝露後の外観を、室内で保
存したもの及び未処理のコンクリートブロック(比較例
2)と比較した。比較は目視にて行い、○;汚れ付着ほ
とんどなし(室内保存品と同程度)、×;汚れ付着(未
処理品と同程度)、の2段階で評価した。評価結果を表
2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2から判るように、テトラアルコキシシ
ランオリゴマーを含む実施例8、ポリエチレングリコー
ル鎖をもつシリコーン系化合物を含む実施例9及び実施
例10のエマルションを塗布したコンクリートブロック
は、いずれも良好な耐汚染性を示した。一方、シリコー
ン系化合物を含まない従来のシラン系水性エマルション
(比較例1)を塗布したコンクリートブロックは、屋外
曝露の結果、未処理のコンクリートブロック(比較例
2)と同様に汚染された。
【0062】
【発明の効果】本発明のエマルション組成物又は本発明
により製造されたエマルション組成物は、長期間に渡っ
て高い乳化安定性を示すとともに、基材に耐汚染性を付
与する効果がある。また、このエマルション組成物は、
種々の用途、特に土木・建築の吸水防止材として有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐汚染性の評価に用いたコンクリートブロック
を示す斜視図である。
【図2】耐汚染性の評価に用いたコンクリートブロック
を示す右側面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック 11 垂直面 12 傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/513 D06M 15/643 15/643 E04F 13/02 A D21H 19/32 C07B 61/00 300 E04F 13/02 C09D 5/16 // C07B 61/00 300 D21H 1/34 P C09D 5/16 D06M 13/50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される加水分解性シラ
    ン化合物(A)と、シリコーン系化合物(B)と、から
    なる組成物が水に乳化されていることを特徴とするシラ
    ン系水性エマルション組成物。 Rn Si(R1 4-n ・・・(I) (但し、Rは1〜30のアルキル基、置換アルキル基又
    はアリール基、R1 は炭素数1〜6のアルコキシ基、ハ
    ロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシ
    ル基であり、複数個のR又はR1 を持つ場合、それぞれ
    は同一でも異なっていても良い。nは1又は2であ
    る。)
  2. 【請求項2】 上記シリコーン系化合物(B)は、上記
    シラン化合物(A)のオリゴマー(B−1)である請求
    項1記載のシラン系水性エマルション組成物。
  3. 【請求項3】 酸触媒の非存在下において、請求項1に
    示される式(I)で表わされる加水分解性シラン化合物
    (A)を水の共存下で加熱することにより、該化合物
    (A)を主成分とし、該化合物のオリゴマー(B−1)
    を従成分とする反応物を得た後、これに乳化剤及び水を
    添加混合して乳化することを特徴とするシラン系水性エ
    マルションの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記シラン化合物(A)の加熱は、上記
    シラン化合物(A)100重量部に対して0.2〜4重
    量部の水の共存下で行われる請求項3記載のシラン系水
    性エマルションの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記シラン化合物(A)の加熱は、アル
    カリ触媒の共存下で行われる請求項3又は4記載のシラ
    ン系水性エマルションの製造方法。
  6. 【請求項6】 酸触媒の存在下において、積極的に水を
    添加することなく、請求項1に示される式(I)で表わ
    される加水分解性シラン化合物(A)を加熱することに
    より、該化合物(A)を主成分とし、該化合物のオリゴ
    マー(B−1)を従成分とする反応物を得た後、これに
    乳化剤及び水を添加混合して乳化することを特徴とする
    シラン系水性エマルションの製造方法。
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