JP5047037B2 - ツール取替装置 - Google Patents
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Description
また、例えば特許文献1に示すように、ツールの接触・衝突等は、溶接トーチの破損のみならず、ツールホルダに対して取り付け位置を位置決めして取り付けたツールが、取り付け位置からずれるという問題が生じていた。
そして、ツールの取り付け位置がずれると、正確な作業ができないため、作業を中断して再度位置決めをして取り付けるという煩雑さを伴うものであった。また、その取り付け作業もツールをツールホルダに対してボルト等により固定していたため、着脱が容易ではなかった。
また、特許文献2には、接触・衝突等によるツールの取り付け位置のずれを防止するために、溶接トーチ等を接続するツールホルダに複数バネを設け、ツールが接触しても位置や傾きの誤差を吸収・修正するツールホルダが開示されている。
一方で、引用文献3においては、着脱容易化を図るために、ツールの取り付けについて、加圧エアを用いたホルダに係る発明が開示されている。
しかしながら、前記特許文献2によれば、前記ホルダは、位置及び傾きの誤差を吸収するバネがホルダ内部にあるため、ツールをホルダ内部に挿通させて保持すること、つまり、ツールをロボットアーム内に収容することができず、ロボットアームの外側でツールを保持しなければならなかった。
そのため、ツールをロボットアームの長手方向の軸線上に配置することができず、溶接トーチ等のツールを移動させるロボットアームの動作の正確性が損なわれるという問題があった。
また、ツールをねじやボルトで取り付けているため、ツールの着脱が煩雑になるという問題が解決されていない。
また、特許文献3によれば、溶接トーチ等がツールホルダからはずれてしまう場合に備えて、フェールセーフ機構を備えたとしても、エアによる加圧が止まれば、ボールとツールプレートとは係合しないため、溶接トーチ等はツールホルダの位置決めした取り付け位置からずれてしまうという問題を解消できない。
従って、ツール取替装置に保持されるツールは、ロボットアームの長手方向の軸線上に位置し、ロボットアームの動作の正確性を損なうという問題を解消することができる。
従って、ツール取替装置に保持されるツールは、ロボットアームの長手方向の軸線上に位置し、ロボットアームの動作の正確性を損なうという問題を解消できる。
ロボットアーム2は、各アームの関節部位が図1に示す矢印の方向にそれぞれ回動することで、先端部にツール取替装置1を介して保持された溶接トーチ3を3次元空間の所定の位置へ移動させることができる。
また、ロボットアーム2の内部は中空に形成されており、溶接ワイヤやケーブル4が挿通されている。
ツール取替装置1に保持される溶接トーチ3は、加工する対象物に対しアーク溶接等を行うツールである。この溶接トーチ3に供給される電力、シールドガス、冷却水及び溶接ワイヤは、ロボットアーム2内に挿通されたケーブル4を通じて供給される。
ツール取替装置1は、図2に示すように、基端側がロボットアーム2の先端側に取り付けられ、先端側から基端側に亘って取付穴11が形成された円筒状のケース部材10と、このケース部材10の内部に位置した円筒状の保持部材20と、ケース部材10と保持部材20との間に位置する可動部材30と、を備えている。
また、保持部材20と可動部材30との間には、保持部材20の内周面側に突出自在なように係合ボール29が保持されており、この係合ボール29が保持部材20の内周面側に突出して、保持部材20に挿入された溶接トーチ3の被係合部と係合することで、保持部材20に溶接トーチ3が保持されるように構成されている。
また、ケース部材10には、保持部材20の移動を検知するショックセンサ40(図3参照)が設けられている。そして、ケース部材10は、後述する第1バネ26により保持部材20を円筒方向に移動自在に支持し、第2バネ39により可動部材30を円筒方向に移動自在に支持している。
また、保持部材収容穴13bの先端側は、ケース部材10の第3延出部12cに対して斜めに形成されているガイド面18が形成されている。
可動部材30は、図4に示すように、ケース部材10の先端側に挿入される円筒状の部材であり、その内径は、保持させる溶接トーチ3が挿通可能なように、溶接トーチ3の被保持部材の外径よりも大きい径で形成されている。
したがって、加圧室33が形成されているため、加圧エア供給穴51に供給された加圧エアが加圧室33に流れ込むと、第5延出部31が基端側に移動することになる。すなわち、可動部材30が第2バネ39の付勢力に抗して、基端側に移動することとなる。
そして、可動部材30が第2バネ39の付勢力に抗して基端側に移動すると、後述する係合ボール29は、制止面36と当接せず、溝部34に収納されることとなる。
なお、供給される加圧エアは、第2バネ39によって先端側に付勢された可動部材30が基端側に移動できる程度であればよい。また、加圧室33に送り込まれた加圧エアが、漏れないようにするために、ケース部材10と可動部材30との間には、Oリング52が装備されている。
保持部材20は、図4に示すように、略円筒状の保持部21と、保持部材収容穴13bに収容される円周方向に沿って形成された第4延出部22と、後述する係合ボール29が保持部材20の内周面側に突出自在な穴である突出穴23とを有する。
ケース部材10の保持部材収容穴13bの径は、第4延出部22の外径より大きく形成されていると共に、ケース部材10の第3延出部12cの内径は、保持部21の外径よりも大きく形成され、保持部材20がケース部材10内に支持されている。また、保持部材20の外径よりもケース部材10の内径のほうが大きいため、保持部材20は、ケース部材10内において、外径方向(円筒軸方向に直交する方向)に移動することができる。
また、保持部21の外径は、保持部21の外周面側に位置する第3延出部12cや可動部材30の制止面36の内径よりも小さい径であり、かつ、第4延出部22の後述する摺動面28が保持部材収容穴13bに形成されたガイド面18と当接した状態となるように形成されている。
なお、第1バネ26は、第4延出部22の先端側端面が、常時、ケース部材10の第3延出部12cの先端側端面に当接する程度の付勢力となっている。
これによって、保持部材20は、ケース部材10内に設けられた複数の第1バネ26によって、常時、円筒方向に沿って先端側方向に付勢され、かつ、第4延出部22の先端側端面が、ケース部材10の第3延出部12cの基端側端面に当接した状態となる。
また、第1バネ26によって先端側に付勢された第4延出部22の先端面側には、位置修正溝27が形成されているため、この位置修正溝27と、ケース部材10の第3延出部12cの基端側端面から突出して配置されている位置修正ボール15aとが係合することによって、保持部材20の円筒軸の周方向にずれが修正される。
また、突出穴23は、保持部21の内周面側から外周面側に向かうに連れて拡径されるように貫穴してなるが、内周面側の穴の直径は、この突出穴23に挿通される係合ボール29の直径よりも小さい径であって、外周側の穴の直径は、係合ボール29の直径よりも大きい径に形成されてなる。
係合ボール29は、突出穴23と可動部材30の溝部34、押出面35、制止面36との間に配置されている。また、係合ボール29の直径は、保持部21の外周面側に位置する制止面36と当接した状態において、突出穴23に嵌まり、かつ、保持部21の内周面側に突出する径に形成されている。尚、係合ボール29の材料としては、鋼材などの硬質部材が例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、係合ボール29は、可動部材30の制止面36と当接するため、保持部21の外径方向に移動することがなく、係合ボール29と溶接トーチ3の被係合部との係合状態を維持することが可能である。
なお、保持部21内に溶接トーチ3が挿通されていない状態において、突出穴23の内周側の穴の直径が係合ボール29の直径よりも小さいため、係合ボール29が保持部21の内周面側に脱落しない。
尚、ツール取替装置1は、ツールである溶接トーチ3をツール取替装置1の先端側の取付穴11側から挿入し取付けるタイプと、ツール取替装置1の基端側のロボットアーム2に形成された取付け用の穴から、溶接トーチ3を収容し、ツール取替装置1の基端側から先端側に向けて取付けるタイプとがある。
溶接トーチ3をツール取替装置1の基端側から先端側に向けて取付けるタイプの場合、図5に示すように、溶接トーチ3の先端側をロボットアーム2内に形成された穴に向けて、溶接トーチ3を挿入する。その際、溶接トーチ3の溝部5をツール取替装置1の内周面側に形成された突出部24と係合するように挿入する。
また、溶接トーチ3をツール取替装置1の先端側の取付穴11側から挿入し取付けるタイプの場合、溶接トーチ3は、送給装置からケーブル4を一旦外した状態で、溶接トーチ3の基端側をツール取替装置1の取付穴11に向けて挿入する。その際、ケーブル4はロボットアーム2内を挿通させて、送給装置に接続する。
従って、図6(b)に示すように、溶接トーチ3を挿入する際には、加圧エア供給穴51に、加圧エアを送り込み、加圧室33に加圧エアが供給されると、可動部材30の第5延出部31が加圧エアによって基端側に押圧され、第2バネ39に抗して可動部材30が基端側に移動する。
そして、保持部材20内に挿入された溶接トーチ3の被保持部材7によって係合ボール29は、保持部材20の外側に押し出されて溝部34内に移動し始める。さらに溶接トーチ3の被保持部材7が基端側に移動すると、係合ボール29は、溝部34内に入り込み、保持部材20の内周面から突出していない状態となるため、被保持部材7の挿入を妨げない。
そして、図6(d)に示すように、押出面35に押し出された係合ボール29が、溶接トーチ3の被保持部材7に形成された被係止部6内に突出し係合することで、保持部材20に溶接トーチ3が保持される。また、係合ボール29が係合している状態において、係合ボール29は、制止面36と当接し、保持部材20の外周方向に移動ができなくなる。
以上の過程により、保持部材20内に溶接トーチ3の被保持部材7が保持され、溶接トーチ3がツール取替装置1に装着される。
また、保持部材20は、軸方向のみならず、径方向にも移動する場合がある。図7(b)に示す図は、保持部材20が径方向にずれた場合の図である。この場合、保持部材20の摺動面28は、ケース部材10のガイド面18と当接する。そして、第1バネ26に付勢される保持部材20は、ガイド面18に沿って径方向のずれを修正しながら、先端側に移動する。
この場合、保持部材20に形成された位置修正溝27の先端側が、ケース部材10の位置修正ボール15aと当接する。そして、位置修正溝27の先端側は、球状である位置修正ボール15aの表面を摺動して、位置修正ボール15aの球面が位置修正溝27内に収まる。これによって、図7(d)に示すように、保持部材20は、周方向の位置のずれを修正し、元の位置に復帰することができる。
そして、保持部材120の基端側には、内径側に延出した第3延出部121が形成され、その第3延出部121は、ケース部材110の外周面側に形成された第1延出部111と第2延出部112との間に位置している。
また、保持部材120の先端側には、内径側に延出する第4延出部122が形成され、その第4延出部122と基端側に形成された第3延出部121との間に、内径側に延出した第5延出部123が形成されている。
可動部材130は、外径方向に延出した第6延出部131が形成され、保持部材120の第4延出部122と第5延出部123との間に位置している。
尚、保持部材120の第5延出部123の先端側端面と可動部材130の第6延出部131の基端側端面との間には第2バネ139が配設され、可動部材130が保持部材120の内側で円筒軸方向に移動自在に支持されている。また、保持部材120の第4延出部122の基端側端面には、加圧エア供給穴151が形成されている。
2 ロボットアーム
3 溶接トーチ
4 ケーブル
5 溝部
6 被係止部
7 被保持部材
10 ケース部材
11 取付穴
12a 第1延出部
12b 第2延出部
12c 第3延出部
13a 可動部材収容穴
13b 保持部材収容穴
14 第1バネ深穴
15a 位置修正ボール
15b ボール保持部材
16 ショックセンサ収容空間
17 第2バネ深穴
18 ガイド面
19 フランジ
20 保持部材
21 保持部
22 第4延出部
23 突出穴
24 突起部
25 第1バネ浅穴
26 第1バネ
27 位置修正溝
28 摺動面
29 係合ボール
30 可動部材
31 第5延出部
32 第2バネ浅穴
33 加圧室
34 溝部
35 押出面
36 制止面
39 第2バネ
40 ショックセンサ
51 加圧エア供給穴
52 Oリング
100 産業用ロボット装置
101 ツール取替装置
110 ケース部材
111 第1延出部
112 第2延出部
120 保持部材
121 第3延出部
122 第4延出部
123 第5延出部
124 第7延出部
126 第1バネ
130 可動部材
134 溝部
135 押出面
136 制止面
139 第2バネ
151 加圧エア供給穴
Claims (3)
- ツールが挿入される先端側に前記ツールの取付穴が形成され、基端側がロボットアームの先端部に取り付けられるツール取替装置において、
前記ツール取替装置は、
先端側と、基端側と、先端側と基端側の間において内径側に向かって延出する第1延出部、第2延出部、第3延出部が形成された略円筒状のケース部材と、
前記ケース部材の内側に位置し、前記第2延出部と前記第3延出部の間の前記ケース部材の内周面に向かって延出する第4延出部が形成された略円筒状の保持部材と、
前記保持部材の先端側に位置し、前記保持部材と前記ケース部材の間に支持され、前記第1延出部と前記第3延出部の間の前記ケース部材の内周面に向かって延出する第5延出部が形成された略円筒状の可動部材とを備え、
前記ケース部材は、
前記第2延出部と前記第4延出部の間に第1弾性体を介して、前記保持部材を前記ケース部材の円筒軸方向に移動自在に支持すると共に、前記第3延出部と前記第5延出部の間に第2弾性体を介して、前記可動部材を前記ケース部材の前記円筒軸方向に移動自在に支持し、
前記第3延出部の基端側端面に、前記第4延出部に当接して前記保持部材の移動を検知するショックセンサを備え、
前記第1延出部の基端側端面には、前記第5延出部の先端側端面に流体を供給して第2弾性体の付勢力の方向と逆方向に前記可動部材を移動させる流体供給穴が形成され、
前記保持部材は、前記可動部材との間に保持された係合ボールが前記保持部材の内周面側に突出自在となる突出穴が形成され、
前記可動部材は、
前記第2弾性体に付勢される前記第5延出部の先端側端面が前記第1延出部の基端側端面と当接したときに、前記係合ボールと対向する前記可動部材の内周面に当接することにより、前記係合ボールを前記突出穴から前記保持部材の内周面側に突出させる押出面を有すると共に、
前記流体供給穴から供給された流体により、前記第5延出部が前記第2弾性体の付勢に抗して押圧され、前記可動部材が前記基端側に移動したとき、前記係合ボールと対向する前記可動部材の内周面に、前記係合ボールが前記突出穴から前記可動部材の内周面側に移動して収容される溝部とが形成されたことを特徴とするツール取替装置。 - ツールが挿入される先端側に前記ツールの取付穴が形成され、基端側がロボットアームの先端部に取り付けられるツール取替装置において、
前記ツール取替装置は、
先端側と基端側に外径方向に延出する第1延出部と第2延出部とが形成された略円筒状のケース部材と、
前記ケース部材の先端側に位置し、基端側が内径側に向かって延出して前記ケース部材の前記第1延出部と前記第2延出部との間に位置する第3延出部と、先端側が内径側に向かって延出する第4延出部と、前記第3延出部と第4延出部の間に、内径側に延出する第5延出部とが形成された略円筒状の保持部材と、
前記保持部材の内側に位置し、先端側と基端側の間において外径側に向かって延出して前記第4延出部と前記第5延出部との間に位置する第6延出部が形成された可動部材とを備え、
前記ケース部材は、
前記第2延出部と前記第3延出部の間に第1弾性体を介して、前記保持部材を前記ケース部材の円筒軸方向に移動自在に支持すると共に、
前記第2延出部の先端側端面に配設され、円筒方向に移動する前記保持部材の前記第3延出部の基端側端面に当接することによって、前記保持部材の移動を検知するショックセンサを備えており、
前記保持部材は、
前記第5延出部と前記第6延出部の間に第2弾性体を介して、前記可動部材を前記保持部材の前記円筒軸方向に移動自在に支持すると共に、
前記第4延出部の基端側端面には、前記第6延出部の先端側端面に流体を供給して前記第2弾性体の付勢力の方向と逆方向に前記可動部材を移動させる流体供給穴が形成されており、
前記第5延出部の内径側端面から先端側に延出する第7延出部が形成され、かつ、
前記第7延出部には、前記可動部材との間に保持された係合ボールが前記保持部材の内周面側に突出自在となる突出穴が形成されており、
前記可動部材は、
前記第2弾性体に付勢される前記第6延出部の先端側端面が前記第4延出部の基端側端面と当接したときに、前記係合ボールと対向する前記可動部材の内周面に当接することにより、前記係合ボールを前記突出穴から前記保持部材の内周面側に突出させる押出面を有すると共に、
前記流体供給穴から供給された流体により、前記第6延出部が前記第2弾性体の付勢に抗して押圧され、前記可動部材が前記基端側に移動したとき、前記係合ボールと対向する前記可動部材の内周面に、前記係合ボールが前記突出穴から前記可動部材の内周面側に移動して収容される溝部とが形成されたことを特徴とするツール取替装置。 - 前記第1弾性体と前記第2弾性体は、バネであり、前記ケース部材の円周方向に沿って所定間隔で当該バネが配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のツール取替装置。
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