JP2016506877A - ツールユニット用の補償装置及びツールユニットを用いる嵌合方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、要素(22)を被加工物(26、28)の孔(24)に嵌合させるためのツールユニット(16)用の補償装置(18)に関し、ツールユニット(16)は、補償装置(18)を用いて、ハウジング(20)上に軸方向(19)に配向して取り付けられ、補償装置(18)は、クランプ装置(36)の初期状態においてはツールユニット(16)をハウジング(20)に強固に固定し、クランプ装置(36)の補償状態においてはツールユニット(16)の動作範囲を定める異なる自由度を設定するように設計された少なくとも2つの制御可能クランプユニット(46、48)を有する、ツールユニット(16)とハウジング(20)との間に配置されたクランプ装置(36)を有し、補償装置(18)は、クランプユニット(46、48)を起動するように設計された制御ユニット(42)をさらに有する。【選択図】図2b

Description

本発明は、被加工物の孔に要素を嵌合させるためのツールユニット用の補償装置に関する。
さらに、本発明は、ツールユニットを用いて被加工物の孔に要素を自動的に嵌合させるための方法に関する。
さらに、本発明は、このタイプの補償装置を有するツールユニットに関する。
本文脈において、ツールユニットは、具体的に、例えばブラインドリベット、ねじ要素をねじ込むためのねじユニット又は嵌合要素を嵌合させるための他の圧入又は嵌入ユニットを取り付けるための取付ユニットを意味すると解される。
例えば、ブラインドリベット接合方法において、2つの被加工物、通常2つの金属シートは、リベットヘッド及びリベットシャンクを有するブラインドリベットを、被加工物の孔を通して一方の側から挿入することにより、互いに接続される。リベット接合部は、挿入方向とは反対にシャンクを引き出すことにより形成される。それにより、リベットシャンクの拡張された端部は、裏側に突出するブラインドリベットの一部を変形させる。シャンクの軸は、特定の引張力を超えると直ちに所定破断点で破断する。
かかるブラインドリベット接合部を形成するための、油圧作動、電気作動又は空気圧作動ブラインドリベット接合ツールが知られている。ブラインドリベットは、従来、例えば溶接により互いに接続されていた構成部品の接続用に、自動車産業でもますます用いられている。自動車製造は、高度に自動化されているので、本体構成部品の接続は、ほとんどの部分が工業用ロボットを用いて実施される。工業用ロボットは、この目的のために、嵌合要素/ブラインドリベットを保持する役割の特殊ツールユニットを装備している。ブラインドリベットは、選抜装置により提供され、自動化様式でツールユニットに送給される。その後工業用ロボットは、被加工物の孔の位置まで移動して、ブラインドリベットを嵌合させる。工業用ロボットのツールユニットの位置のずれ又は被加工物の構成部品公差により、それぞれの嵌合要素と孔との間の相対的位置の望ましくないずれが生じる場合がある。さらに、工業用ロボットには、所定の所望位置への移動の際に不正確性を有する場合がある。
ツールユニットを工業用ロボットに強固に取り付ける際に、かかる位置のずれにより、例えば、リベット要素が構成部品の孔に斜めに取り付けられ、欠陥のあるリベット接合を生じさせる恐れがある。追加的に密封機能を担うことを意図したリベット要素の場合は、被加工物に対してリベットヘッドが斜め向きになっていると、製造された構成部品に漏れを発生させる。これが原因で、不正確に位置決めされた又は取り付けられたリベット要素は、複雑な方法で再加工する必要がある。さらに、位置のずれが生じると、リベット要素嵌合中にツールユニットに許容できない横断方向の力が加わり、摩耗の増大又はツールユニットの機械的構造要素の破壊にすら至る場合がある。
長期的にも信頼性の高い高品質の嵌合接続のためには、少なくとも2つの構成部品の接続用に嵌合要素が挿入される貫通孔に対して軸方向に平行に、嵌合要素を配向することが必要である。ツールユニットは、自動化嵌合工程用に工業用ロボットのロボットアーム上に取り付けられるので、位置のずれ(嵌合要素の、被加工物表面に平行な平面におけるずれ)及び姿勢のずれ(被加工物の孔の長手方向の軸線に対する嵌合要素の長手方向の軸線の角度誤差)を補償する必要がある。
従って、嵌合技術の分野において、嵌合ツール又はツールユニットの可撓性サスペンションを用いて嵌合方向に直角の平面において公差補償ができるシステムが知られている。例えば、特許文献1は、ツールユニット用の補償ユニットについて記載し、これを用いて、例えば構成部品又は嵌合要素等の要素を被加工物に取り付けることができる。この場合、ツールユニットは、振り子つまりピボット運動軸受として設計された軸受を介して、摺動板として設計された補償要素上に締結される。軸受は、嵌合要素の軸方向の周りでの、従って、摺動板に対する傾動運動を可能にする。摺動板自体は、2つの案内壁の間に保持されて、x−y平面において軸方向に直角に移動可能である。しかし、自由に移動可能な軸受により、ツールユニットは、ロボットアームが嵌合位置へ移動する間、ロボットアームに固定できない。その結果、特にロボットが突然停止すると、ツールユニットは、機械的に不十分に固定されるのみである。傾動運動を制御する可能性が欠如しているので、記載された補償ユニットは、垂直方向下向きに傾けられた嵌合位置でしか動作させることができない。他の嵌合位置(例えば、ツールユニットの水平位置)において、ツールユニットは、自重の力により、拘束位置へ自動的に傾く。従って、嵌合要素は、被加工物に正しく位置決めされなくなる。さらに、これら他の嵌合位置において、ツールユニットの自重だけで、摺動板に撓みが生じる。このことも、記載された補償ユニットの公差補償に対して有害である。さらに、多くの機械的補償要素があるので、補償ユニットは、複雑な組み立てを有し、従って故障しやすい。さらに、機械的補償要素は、自然に摩耗するので、一定期間使用した後に、公差補償が損なわれる結果となる。
国際公開第2006/063629号明細書
従って、本発明が根拠とする目的は、ツールユニット用の改良された補償装置及び要素、具体的に嵌合要素を被加工物に自動的に嵌合させることを可能にするツールユニットを特定することである。さらに、本発明の目的は、要素を被加工物の孔に自動的に嵌合させるための改良された方法を特定することである。
上述の目的は、要素を被加工物に嵌合させるためのツールユニット用の補償装置によって達成され、ツールユニットは、補償装置を用いて、ハウジング上に軸方向に配向して取り付けられ、補償装置は、クランプ装置の初期状態においてはツールユニットをハウジングに本質的に強固に固定し、クランプ装置の補償状態においてはツールユニットの動作範囲を定める異なる自由度を設定するように設計された少なくとも2つの制御可能クランプユニットを有する、ツールユニットとハウジングとの間に配置されたクランプ装置を有し、さらに、補償装置は、クランプユニットを起動するように設計された制御ユニットを有する。
本発明の目的は、さらに、補償装置、特に上述のタイプの、少なくとも2つの制御可能クランプユニットをもったクランプ装置を有する補償装置を用いて、ハウジング上に軸方向に配向して取り付けられたツールユニットによって、要素を被加工物の孔に自動的に嵌合させるための方法によって達成され、この方法は、
−ツールユニットを本質的に強固にハウジングに固定するように、クランプ装置の初期状態を設定するステップと、
−ツールユニットを孔に自動的に供給するステップと、
−クランプユニットの少なくとも1つを用いて、ツールユニットの第1の自由度を設定するステップと、
−要素を孔へ導入するステップと、
−要素を孔に嵌合させるために、嵌合工程を実行するステップと、
を含み、
第1の自由度とは異なる第2の自由度は、嵌合工程の前及び/又はその間、クランプユニットの少なくとも1つを用いて、ツールユニットに対して設定され、自由度は、ツールユニットの動作範囲を定める。
さらに、上述の目的は、上述のタイプの補償装置を有するツールユニットを用いて達成される。
ツールユニットは、特に、ブラインドリベットを被加工物の孔を通して一方の側から挿入することにより、2つ又はそれより多い被加工物を互いに接続するブラインドリベット接合方法を実行するための嵌合ツールとすることができる。ツールユニットは、同様に、嵌合スタッドを用いて被加工物を接続する、スタッド溶接として知られるものにも使用できる。しかし、本発明による補償装置は、さらに、嵌合要素を嵌合させるための任意の他のツールユニットにも使用することができる。
本発明による補償装置において、クランプユニットは、クランプ装置の初期状態においては、ツールユニットがハウジングに強固に固定され、かつ本質的に軸方向に配向されるように起動される。これにより、嵌合要素が意図した嵌合位置にピボット配置される間に、例えばロボットアームに接続されたハウジング上に、ツールユニットを確実にロックすることができるようになる。このようにして、ツールユニットは、例えば(ツールユニットを案内する)ロボットが緊急停止する事象においてさえ、ハウジングに確実に保持される。例えば、ロボットの急停止後のハウジングに対するツールユニットのノッキングにより生じる損傷を回避することができる。
さらに、本発明による補償装置により、ツールユニットの様々な自由度を制御して動作可能にすることができる。例えば、クランプユニットは、まず、ツールユニットの姿勢を補償するために、ツールユニットの軸方向に対する傾動運動のみが可能であるように起動できる。代替的に、ツールユニットは、初めに、軸方向における1つの動作範囲のみを有してもよい。特定の条件に応じて、クランプ装置は、ツールユニットに追加の及び/又は代替的な動作範囲が設定されるように起動することができる。従って、例えば軸方向に対して直角のツールユニットの側方運動も可能にすることができる。
さらに、動作範囲内での動作が、所定の条件の関数として及び/又は所定のプロファイルに従って(ゆっくりと)行われるように、クランプユニットを起動することができる。言い換えると、動作範囲内での動作は、必ずしもデジタル的又は急激に行われるとは限らない。例えば、動作範囲は、嵌合要素と接続する被加工物の孔との間の位置のオフセットの寸法の関数として設定することができる。これにより、提供された孔へ嵌合要素をより正確に案内することができ、従って、被加工物間のより確実な嵌合接続をもたらすことができる。被加工物に対して嵌合要素を正しく配向することにより、嵌合接続の考えられる密封機能も、確実に充足させることができる。
さらに、提案した補償装置において、同じ要素(制御可能なクランプユニット)が、ツールユニットを使用可能にするため及び固定するために用いられる。この結果、技術的に単純な、従って確実な補償装置の実施がもたらされる。
従って、目的は完全に達成される。
本発明による補償装置において、クランプユニットを軸方向に互いにオフセットするように配置することは特に有利である。
この手法により、ツールユニットの自由度及び対応する動作範囲を正確に設定することができる。従って、例えば、軸方向に対するツールユニットの傾動運動を、1つのクランプユニットを用いて動作可能にできる。これにより、被加工物の孔の長手方向の軸線に対する嵌合要素の角度補償が行える。対応する第2のクランプユニットの起動により、例えば、被加工物表面に対して平行のx−y平面におけるツールユニットの位置の補償を追加的に行うことができる。クランプユニットは互いに軸方向にオフセットされているので、動作範囲内の動作は、嵌合要素と孔との間に存在する位置のオフセットに対して、特に有効に適合することができる。
さらに、少なくとも1つのクランプユニットが、軸方向に対して横断方向に周方向にツールユニットを囲むことが好ましい。
この実施形態において、少なくとも1つのクランプユニットは、ツールユニットに直接当たることが好ましい。この場合、ツールユニットは、クランプユニットにより軸方向部分が完全に囲まれることが好ましい。例えば、クランプユニットは、該クランプユニットの内側直径を起動の関数として変更できるように設計してもよい。それにより、ツールユニットは、クランプユニットを用いて固定又は動作可能にすることができる。その結果、クランプユニットとツールユニットとの間に配置された複雑な構造のソリューションを省くことができる。さらに、この結果、半径方向及び軸方向共に、全体寸法が小さい補償装置を得ることができる。
さらに別の実施形態によると、少なくとも1つのクランプユニットは、圧縮空気ホースを有する。
この好ましい実施形態において、例えば、蛇腹型シリンダをクランプユニットとして用いることができる。これにより、クランプユニットを技術的に単純かつ確実な方法で実装することができる。さらに、このタイプのクランプユニットは機械的補償又はロック機構よりも摩耗が少ないので、補償装置は高い安定性を有する。
さらに別の実施形態において、クランプユニットの少なくとも1つは、周方向に互いにオフセットするように配置された複数のクランプ要素を有する。
クランプ要素のかかる配置の結果、例えば、ツールユニットの1つの特別な横方向の動作範囲だけが、指示した方向において可能になる。このことは、例えば、全てのクランプ要素が、1つのクランプ要素を例外としてクランプ装置の初期状態にとどまり、該1つのクランプ要素は、ツールユニットの動作範囲として、該クランプ要素が配置される方向に動作可能となるように、実施することができる。
さらに別の実施形態によると、複数のクランプ要素は、圧縮空気ホース及び/又はクランプシリンダを有する。
この実施形態において、クランプ要素は、例えば、ツールユニットに直接当たる軸方向に通るホース部品として設計することができる。例えば、軸方向に通る3つのホース部品をツールユニット上に配置し、いずれの場合も、互いに対して120°のオフセット角を有することが好ましい。代替的実施形態において、他の任意の数のホース部品もツールユニット上に配置することができる。さらに、ツールユニットに直接作用するクランプシリンダを用いて、ツールユニットに対してクランプ動作を作用させることができる。さらに、クランプシリンダは、ツールユニットに当たり、周方向にツールユニットを部分的に囲むクランプジョーを有することもできる。これらのクランプ要素を用いて、クランプ装置、その結果補償装置は、技術的に単純かつ確実な方法で実装することができる。
さらに別の実施形態において、補償装置は、ツールユニットとハウジングとの間に配置された内側ハウジングをさらに有し、2つのクランプユニットのうち1つは、ツールユニットと内側ハウジングとの間に配置され、他のクランプユニットは、内側ハウジングとハウジングとの間に配置される。
この実施形態により、特に、姿勢補償(角度誤差)及び位置補償(被加工物表面に平行のx−y平面におけるずれ)を本質的に互いに独立して起動することができる、補償機構が提供される。
さらに別の実施形態において、補償装置は、ハウジングに固定され、かつツールユニットがその上に弾性的に取り付けられた、ゴムダンパをさらに有する。
この手法により、ツールユニットは、クランプ装置が軸方向に沿った嵌合方向にツールユニットを固定するための保持力から本質的に解放されるにも関わらず、ツールユニットの補償動作が可能になるように、取り付けることができる。従って、クランプ装置は、補償機能を実施することを主たる目的とすることができる。
さらに別の実施形態において、補償装置は、ツールユニットが回転可能に及び/又は移動可能にその上に取り付けられる、機械的案内要素をさらに有する。
この場合、案内要素は、ハウジング及び/又は内側ハウジング上に配置することができる。さらに、機械的案内要素は、滑り軸受及び/又は転がり軸受(例えば、ボール軸受)を有することができる。例えば、案内要素は、円錐形とすることができる。案内要素を用いて、クランプ配置は、ツールユニットの自重から解放され、それにより補償機能を実施するために最適化することができる。
さらに別の実施形態によると、補償装置は、ツールユニットの三次元空間における角度位置を検知するように設計された角度位置発信器ユニットをさらに有し、制御ユニットは、電気的に角度位置発信器ユニットに接続され、角度位置に基づいてクランプユニットを起動するように設計される。
角度位置発信器ユニットを用いて、ツールユニットの自重の補償を行うことができる。例えば、補償装置の動作可能範囲を角度位置の関数として設定することができる。その結果、補償装置を用いて、ツールユニットの任意の所望位置において良好な公差補償が達成される。言い換えると、角度位置を考慮することにより、ツールユニットの任意の所望の使用位置が可能になる。
さらに別の実施形態によると、補償装置は、特に、要素を嵌合させるためにツールユニットによって要素に対して及ぼされる軸方向嵌合力を検知するよう設計された第1の力検知ユニットをさらに有し、制御ユニットは、第1の力検知ユニットに電気的に接続され、かつ嵌合力に基づいてクランプユニットを起動するように設計される。
例えば、第1の力検知ユニットは、嵌合工程中にブラインドリベットにかかる引張力を検知するロードセルを有することができる。引張力を用いて、嵌合工程の時系列を監視することができる。従って、ツールユニットの動作範囲の自由度は、引張力又は嵌合工程の時系列の関数として設定することができる。その結果、嵌合要素は、孔に正確に位置合わせされ、確実な嵌合接続部が形成される。
さらに別の実施形態によると、補償装置は、ツールユニットとハウジングとの間に配置され、特に、軸方向に対して横断方向に配向され、かつ要素を被加工物に嵌合させる際に、要素と孔との間の位置のオフセットに起因して、被加工物により要素に及ぼされる偏向力を検知するよう設計された第2の力検知ユニットをさらに有し、制御ユニットは、第2の力検知ユニットに電気的に接続され、偏向力に基づいてクランプユニットを起動するように設計される。
第2の力検知ユニットは、例えば、ツールユニットとハウジングとの間に配置されたひずみ計を有することができる。ひずみ計を用いて、位置のオフセット又は嵌合要素と被加工物の孔との間の姿勢のオフセットに直接起因する偏向力が検知される。その結果、クランプユニットを、現在検知されているオフセットの関数として非常に正確に起動させることができる。従って、ツールユニットの動作範囲は、デジタル的に行われず(ツールユニットが固定される又は自由に運動可能である)、代わりに、動作は、検知されたオフセットに基づく要件に対して連続的に適合され得る。この結果、長期にわたり信頼性のある高品質の嵌合接続が得られる。
さらに別の実施形態によると、ツールユニットの、動作範囲の方向における最大偏向運動は、クランプユニットを用いて定めることができる。
例えば、ツールユニットの最大偏向運動は、蛇腹型シリンダ内の圧力により設定することができる。この場合、偏向運動の大きさは、例えば、検知された軸方向嵌合力及び/又は検知された偏向力の関数として特定することもできる。さらに、特定された角度位置も、最大偏向運動の特定に含めることができる。従って、この実施形態において、動作範囲の程度(又は動作範囲の方向における最大撓み)も、制御された、つまり調節された方法で動作可能にされる。
本発明による方法の特に好ましい実施形態によると、三次元空間におけるツールユニットの角度位置が検知され、クランプユニットは、角度位置の関数として起動される。
この場合、検知された角度位置は、特に、第1及び/又は第2の自由度の設定又はこれにより得られる動作範囲の設定において考慮される。従って、ツールユニットの動作可能範囲は、位置の関数として定めることができる。ツールユニットの自重は、ツールユニットの使用位置とは無関係に補償される。その結果、本発明による方法により、ツールユニットの使用位置とは無関係に、確実な嵌合接続部を形成することが可能になる。
本方法のさらに別の実施形態によると、嵌合工程中、特に、要素を嵌合させるためにツールユニットにより要素に及ぼされる軸方向嵌合力が検知され、クランプユニットは、第2の自由度の動作範囲を設定するための嵌合力に基づいて起動される。
例えば、ブラインドリベット接合において、嵌合工程中にリベットにかかる引張力を測定することができる。測定された力が上昇すると直ちに、例えば、クランプユニットを用いて、検知された引張力の関数として、ツールユニットは、さらなる動作範囲で動作可能にされる。その結果、嵌合工程中、ツールを構成部品に向けてゆっくりと配向することができる。その結果、高品質の嵌合接続部が形成される。
本発明による方法の別の実施形態において、嵌合工程中、特に、軸方向に対して横断方向に配向され、かつ要素と孔との間の位置のオフセットに起因して、要素の被加工物への嵌合中に被加工物により要素に対して及ぼされる偏向力が検知され、クランプユニットは、第2の自由度の動作範囲を設定するために、偏向力に基づいて起動される。
この実施形態において、被加工物の孔に対する嵌合要素の位置のオフセット/角度オフセットから直接生じる偏向力が検知される。従って、クランプユニットは、現行の嵌合工程中に、オフセットに基づいて個別に起動することができる。その結果、いずれの場合にも、嵌合要素を嵌合させると、考え得る最も高品質を確保することができる。
さらに、クランプユニットを、検知した引張力及び検知した偏向力の関数として起動することができる。この実施形態において、ツールユニットの動作範囲は、嵌合工程の進捗に基づいて、かつ実際に発生している横断方向力/偏向力の関数として設定することができる。
さらに別の実施形態によると、クランプ装置の初期状態は、嵌合工程中又は嵌合工程後に設定される。
嵌合工程中に、初期状態(例えば、完全に充填された蛇腹型シリンダ)が復元されると、その結果、力が、例えば、ツールユニットに結合されたロボットアームに及ぼされる。従って、ロボットアームは、現在の嵌合位置を追跡し、この新たな位置をロボット内に格納することができる。これにより、その後の嵌合工程が最適化され、加速される。
ツールユニットの好ましい実施形態によると、ツールユニットは、特に、要素を嵌合させるためにツールユニットにより要素に及ぼされる軸方向嵌合力を検知するよう設計された第1の力検知ユニットを有し、制御ユニットは、第1の力検知ユニットに電気的に接続され、嵌合力に基づいてクランプユニットを起動するように設計される。
例えば、第1の力検知ユニットは、嵌合工程中にブラインドリベットにかかる引張力を検知するロードセルを有することができる。この実施形態において、第1の力検知ユニットは、例えば、補償装置及びツールユニットの外部に配置することができる。
上述の特徴及び以下にこれから説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれの場合に特定した組み合わせのみならず、他の組み合わせ又は単独でも使用できることを理解されたい。
さらに、本発明による補償装置の特徴、特性及び利点も、本発明による方法に対応して適用することができる。
本発明の例示的実施形態を図に示し、以下の説明において詳細に説明する。
ツールユニット及び補償装置を有する嵌合装置をもつ工業用ロボットの概略図を示す。 本発明による補償装置の実施形態を示す。 本発明による方法の第1の実施形態を示す。 本発明による方法の第2の実施形態を示す。 偏向力を検知するための力検知ユニットの概略図を示す。 本発明による補償装置のさらに別の実施形態を示す。 本発明による補償装置のさらに別の実施形態を示す。 本発明による補償装置のさらに別の実施形態を示す。 本発明による補償装置のさらに別の実施形態を示す。
図1は、嵌合装置12をもつ工業用ロボット10を示す。この場合、嵌合装置12は、ロボット10のロボットアーム14上に可動に取り付けられる。嵌合装置12は、補償装置18を介して嵌合装置12のハウジング20に、軸方向19に向けられて取り付けられたツールユニット16を有する。本例示的実施形態において、ツールユニット16は、ブラインドリベット接合ツール16として設計され、第1及び第2の被加工物26、28を互いに接続するために孔24にブラインドリベット22を嵌合させる役割を担う。
ロボット10は、自動的方式でブラインドリベット要素22を挿入するように設計される。この目的のため、嵌合装置12は、さらに、図1には示さない選抜装置に接続され、ブラインドリベット要素22の自動的提供ができる送給ユニット30を有する。
自動ブラインドリベット接合方法によると、ブラインドリベット22は、送給ユニット30により提供され、ブラインドリベット接合ツール16の口金32により取り上げられる。次に嵌合装置12は、ロボットアーム14を用いて所定の嵌合位置にピボット配置される。ブラインドリベット接合方法のさらに別のステップにおいて、ブラインドリベット22は、そのリベットヘッドが第1の被加工物26の表面に当たるまで孔24の中へ、そのスリーブ様の部分と共に導入される。その後、ブラインドリベット接合ツール16を用いて、ブラインドリベット22のリベットシャンクは後ろ向きに引き抜かれ、第2の被加工物28から突出するブラインドリベット22のスリーブ様部分の端部が、半径方向に拡張し、これにより2つの被加工物26、28を互いに堅固に接続する。リベットシャンクにかかる引張力は、リベットシャンクが所定点で破断するまで増大する。この場合、シャンクの残余部分がこのように形成された嵌合接続部内に残り、一方リベットシャンクの破断した破片は、自動様式で廃棄される。その後嵌合装置12は、ロボット10により次の嵌合位置にピボット配置される。
ブラインドリベット接合ツール16の取り付けの公差又はロボットアーム14の自動誘導の不正確性により、被加工物26の表面に平行なx−y平面における位置のオフセット(図1に示す座標系を参照)及び/又はブラインドリベット22と孔24との間の角度オフセットが生じることがある。しかし、例えば接着剤を用いて密封機能も想定した確実なリベット接合部を形成するためには、ブラインドリベット22の長手方向軸が孔24の中央に配置され、ブラインドリベット22のリベットヘッドが第1の被加工物26の表面に平坦に置かれる必要がある。
この理由のため、嵌合装置12は、嵌合装置12のハウジング20に対して、ブラインドリベット接合ツール16(ブラインドリベット22を含む)の偏向運動を可能にする、本発明による補償装置18を有する。偏向運動が実行された後、ブラインドリベット22は、孔24の中央に位置決めされ、かつ孔24の中央軸34に対して軸方向に平行に配向される。その結果、被加工物26、28の間の確実なリベット接合部を形成できる。
ここで、本発明による補償装置18をより詳しく説明する。補償装置18は、ブラインドリベット接合ツール16とハウジング20との間に配置され、ブラインドリベット接合ツール16に対して制御可能なクランプ力を及ぼすように設計されたクランプ装置36を有する。さらに、補償装置18は、リベット22の嵌合中にリベットシャンクにかかる本質的に軸方向の引張力を検知するように設計されたロードセル38を有する。
さらに、補償装置18は、三次元空間でブラインドリベット接合ツール16の角度位置を検知する角度位置センサ40を有する。
さらに、補償装置18は、クランプ装置36を起動して、ブラインドリベット接合ツール16に調整可能なクランプ力を及ぼすように設計された制御ユニット42を有する。
ロードセル38及び角度位置センサ40は補償装置18のオプション的要素である。しかし、これら2つの要素(ロードセル38/角度位置センサ40)が存在する限りにおいて、制御ユニット42は、クランプ装置36を、検知された引張力及び/又は検知された角度位置の関数として起動できる。クランプ装置36を起動するためのさらに別の代替的方法は、図3及び図4に関連して説明される。
図2は、本発明による補償装置18の一実施形態を示す。この場合、図2を用いて、主として補償装置18を用いた、ハウジング20へのブラインドリベット接合ツール16の取り付けを説明する。従って、明確にするために、補償装置18の他の要素(例えば、制御ユニット42等)は図2には示さない。
図2aから分かるように、補償装置は、本例示的実施形態において、ハウジング20に固定され、ブラインドリベット接合ツール16がその上に弾性的に取り付けられる、ゴムダンパ44を有する。ゴムダンパ44は、ブラインドリベット接合ツール16を保持するための基本的保持力からクランプ装置36を解放する。従って、クランプ装置36は、本質的に、ブラインドリベット接合ツール16の自由度及び関連する動作範囲の設定を目的とすることができる。
クランプ装置36は、軸方向19に互いにオフセットされ、かつ本例示的実施形態において、蛇腹型シリンダ46、48として設計された、2つの制御可能クランプユニット46、48を有する。この場合、蛇腹型シリンダ46、48の各々は、図2aには示されないアクチュエータを用いて、制御ユニット42によって規定される圧力を負荷される。蛇腹型シリンダ46、48は、軸方向19に対して横断方向に、周方向にブラインドリベット接合ツール16を囲み、少なくとも完全に充填された状態(図2aに示すクランプ装置36の初期状態を参照)で、ブラインドリベット接合ツール16に直接当たる。その結果、ブラインドリベット接合ツール16は、ハウジング20に対して本質的に堅固に固定され、かつ軸方向19に向けられる。
図2bは、補償装置18の第1の補償状態を示す。この場合、蛇腹型シリンダ46は、少なくとも部分的に抜気される。蛇腹型シリンダ46が抜気されることにより、ブラインドリベット接合ツール16の第1の自由度が設定される。具体的に、少なくとも部分的に抜気された蛇腹型シリンダ46により、ブラインドリベット接合ツール16は軸方向19に対する傾動運動を行えるようになる。このようにして、ブラインドリベット22と孔24との間の角度オフセットの補償を実施することができる。さらに、蛇腹型シリンダ46を空にする程度に応じて、最大可能傾動運動を定めることができる。
図2cは、補償装置18の第2の補償状態を示す。この状態で、蛇腹型シリンダ46、48は、両方とも、制御ユニット42の制御下で、少なくとも部分的に抜気される。その結果、ブラインドリベット接合ツール16の第2の自由度が設定される。従って、第2の補償状態において、軸方向19に対して直角の横方向における補償運動と、ブラインドリベット接合ツール16の傾動運動とが可能になる。
図2b及び図2cは、単に2つの例示的状態を示し、蛇腹型シリンダ46、48を空にする他の状態を、制御ユニット42の起動に基づいて設定できることを理解されたい。蛇腹型シリンダ46、48を空にする程度に応じて、ブラインドリベット接合ツール16は、ハウジング20に多かれ少なかれ浮動様式で取り付けられる。蛇腹型シリンダ46、48からの制御された排気により、ブラインドリベット接合ツール16のゆっくりとした公差補償を、特定の条件(例えば、測定された引張力又は偏向力)の関数として実行することができる。さらに、蛇腹型シリンダ46、48を空にしている間に、角度位置センサ40により検知された角度位置も、考慮に入れることができる。このように、ブラインドリベット接合ツール16の様々な使用位置(例えば、ブラインドリベット接合ツール16の水平向き又は「オーバーヘッド」位置)におけるブラインドリベット接合ツール16の自重を補償することができる。それにより達成できることは、例えば、ブラインドリベット接合ツール16の横方向移動又は傾動は、ブラインドリベット22の孔24に対する位置/姿勢の実際のオフセットのみに基づき、ブラインドリベット接合ツール16の自重の結果ではないことである。
要素を自動的に嵌合させるための、この場合ブラインドリベット22を被加工物26、28の孔24に嵌合させるための、本発明による方法の様々な実施形態を、図3及び図4を用いて説明する。本事例において、補償装置18は、図2に示す実施形態に従って設計されていると仮定する。しかし、本発明による方法は、補償装置18のさらに別の実施形態で実施できることに留意されたい。
図3は、本発明による方法50の第1の実施形態を示す。
ステップ52において、ブラインドリベット22は、ロボット10により、被加工物26、28の孔24の上に位置決めされる。ブラインドリベット接合ツール16のハウジング20に対する取り付けにおける公差又はロボット10の位置決めの不正確性に起因して、ブラインドリベット22は、位置のオフセット(被加工物26、28の表面に対して平行なx−y平面におけるオフセット)及び/又は孔24に対する姿勢のオフセット(角度オフセット)を有する場合がある。
この理由のため、ステップ54において、後側蛇腹型シリンダ46における圧力を、例えば、制御ユニット42に格納されている固定値まで低下させる。その結果、ブラインドリベット接合ツール16の第1の自由度が設定され、その自由度においてブラインドリベット接合ツール16の傾動が可能になる。
ステップ56において、ブラインドリベット22は、孔24の中へ導入される。ブラインドリベット22と孔24との間の位置/角度のオフセットは、傾動させたブラインドリベット接合ツール16により補償することができる。
ブラインドリベット22の導入後、ステップ58において、前側の蛇腹型シリンダ48も抜気され又は動作可能にされて、その結果ブラインドリベット接合ツール16の第2の自由度が設定される。この場合、前側蛇腹型シリンダ48の圧力は、制御ユニット42により規定されるさらに別の固定値まで低下される。第2の自由度の設定後、ブラインドリベット接合ツール16は、傾けられかつ軸方向を横断するように横方向に動かされる。これにより、確実に、ブラインドリベット22は、被加工物26、28に対して直角に配向され、かつブラインドリベット22のリベットヘッドは、被加工物26の表面に平らに配置される。
その後、ステップ60において、ブラインドリベット22を孔24の中へ嵌合させる嵌合工程が実行される。この目的に対して、ブラインドリベット22のリベットシャンクは、ブラインドリベット接合ツール16により囲まれ、リベットシャンクが所定点で破断するまで後ろ向きに引き抜かれる。リベットシャンクにかかる引張力の結果、ブラインドリベット22は、被加工物28から突出する端部が半径方向に拡張し、従って、被加工物26の表面に配置されたリベットヘッドと共に、2つの被加工物26、28をクランプする。設定されたブラインドリベット接合ツール16の第2の自由度により、ブラインドリベット22は、嵌合工程の間、孔24に平行な軸に向けることができる。これにより、高品質のブラインドリベット接合部を生成することができる。
ブラインドリベット22を嵌合する工程が終了すると直ちに、蛇腹型シリンダ46、48は、ステップ62において再度充填され、クランプ装置36の初期状態を生成する。その結果、ブラインドリベット接合ツール16は、ハウジング20に対して本質的に堅固に固定され、従って、ロボットアーム14を次の嵌合位置へピボット回転させる間、機械的に固定される。
代替的に、シリンダ46、48内の圧力を、嵌合工程の間であっても、ゆっくりと再び増大させることもできる。その結果、ブラインドリベット2の位置/姿勢にオフセットがある場合でも、力は、ロボットアーム14に及ぼされる。ロボットアーム14がソフトアームとして知られるもののように設計されている場合は、ブラインドリベット接合ツール16の偏向運動を、ロボットアーム14により追跡することができる。この追跡運動は、ロボット10により検知され、孔24の位置を修正するために用いられる。これにより、ブラインドリベット22の次の設定工程の最適化がもたらされる。
本発明による方法50の上記で概説した第1の実施形態において、蛇腹型シリンダ46、48の起動用に、単純な切替弁を用いることができる。仮に比例弁を使用して、角度位置センサ40を用いて角度位置を検知する場合、方法50を以下のように修正することができる。
ステップ54において、後側の蛇腹型シリンダ46内の圧力を、制御ユニット42に格納された空間における各角度位置に対する圧力値である、位置依存値まで低下させる。これにより、ブラインドリベット接合ツール16の自重は、嵌合装置12の使用位置とは無関係に補償される。言い換えると、ブラインドリベット接合ツール16の重量は、ハウジング20に対するブラインドリベット接合ツール16の傾動又は横方向のオフセットを生じさせない。ブラインドリベット接合ツール16の偏向運動は、本質的に、孔24に対するブラインドリベット22の位置のオフセット及び/又は角度オフセットのみに起因して実行される。
これと類似した方式で、ステップ58も修正することができる。従って、前側蛇腹型シリンダ48も、位置依存圧力値に対して動作可能にされる。これにより、ブラインドリベット接合ツール16は、位置にとどまる(自重の補償)が、外部からブラインドリベット接合ツール16に作用する追加の力には反応する状態に置かれる。従って、ブラインドリベット接合ツール16は、嵌合工程の間、被加工物26、28に対して直角に配向することができる。
図4には、本発明による方法の第2の実施形態が示され、50’で示される。第1の実施形態のステップに対応する第2の実施形態の方法ステップは、同一の参照符号で与えられる。本質的に、相違を以下に説明する。
本例示的実施形態において、ブラインドリベット22を孔24の中に導入した後、ステップ60’において嵌合工程が開始される。これは、ブラインドリベット接合ツール16は、ブラインドリベット22のリベットシャンクを囲み、かつリベットシャンクに引張力を及ぼすことを意味する。この場合、ブラインドリベット22にかかる引張力は、ロードセル38を介して検知される。測定された引張力が所定の閾値を超えると直ちに、前側蛇腹型シリンダ48は引張力の関数としてゆっくりと抜気され、その結果ブラインドリベット接合ツール16は動作可能になる。原則的に、嵌合工程の時系列は、引張力の検知を介して追跡することができる。従って、嵌合工程の間、ブラインドリベット22は、構成部品に対して、ゆっくりとかつ嵌合工程の時系列の関数として直角に配向することができる。
方法50’のさらに別の変形において、ステップ60’において、追加的に又は代替的に、軸方向19に対して横断方向に向けられ、かつブラインドリベット22と孔24との間の位置のオフセット及び/又は角度オフセットに起因して、ブラインドリベット22の嵌合の間、被加工物26、28によってブラインドリベット22に及ぼされる、偏向力を検知することができる。測定された偏向力が上昇すると直ちに、前側蛇腹型シリンダ48は、偏向力の関数としてゆっくりと抜気され、それによりブラインドリベット接合ツール16の動作範囲をさらに大きくすることができる。リベットシャンクにかかる引張力及び軸方向19に対して横断方向の偏向力の両方が検知される限りにおいて、制御ユニット42は、これら2つの検知された変数の関数として、蛇腹型シリンダ46、48内の圧力を設定する。この方法50’の変形において、孔24に対するブラインドリベット22の位置のオフセット/角度オフセットの結果実際に生じる偏向力は、蛇腹型シリンダ46、48の起動において考慮される。その結果、ブラインドリベット22は、嵌合工程の間、確実に孔24に対して軸方向に平行に向けることができる。ブラインドリベット22のリベットヘッドは、被加工物26の表面に平らに配置される。これにより、高品質のブラインドリベット接合部が形成される。
図5は、偏向力を検知するための力検知ユニットの例示的実施形態を示す。本事例の力検知ユニットは、ブラインドリベット接合ツール16とハウジング20との間に配置された3つのひずみ計64を有する。ひずみ計64は、特に、ブラインドリベット接合ツール16とハウジング20との間の、軸方向に対して横断方向に向いた力(偏向力)を検知するように設計される。偏向力を検知するために任意の他の数のひずみ計64を使用してもよいことを理解されたい。同様に、他のセンサも、偏向力を特定するために採用してもよい。
図6乃至9は、本発明による補償装置18のさらに別の実施形態を示す。
図6aに示す例示的実施形態において、補償装置18は、滑り軸受又は転がり軸受の形態の機械的案内要素66を有し、その上に、ブラインドリベット接合ツール16が回転可能及び/又は移動可能に取り付けられる。この場合、機械的案内要素66は、ハウジング20上に形成される。この補償装置18の実施形態において、後側蛇腹型シリンダ46は、ブラインドリベット接合ツール16の傾動及び軸方向における偏向運動を可能にする。対照的に、前側蛇腹型シリンダ48は、後側蛇腹型シリンダ46が同様に抜気される場合にのみ、x−y平面における位置補償を可能にする。
図6bに示す補償装置18の設定は、本質的に図6aに示す補償装置18の設定に対応する。ハウジング20の様々な幾何的形状及びこれと関連付けられた蛇腹型シリンダ46、48の他の配置によって、ブラインドリベット接合ツール16の固定中又は動作中に、単純に他の力条件が生じる。
図6cに示す補償装置18は、円錐形に形成された機械的案内要素66を有する。案内要素66が円錐形に保持されるので、本質的に、後側蛇腹型シリンダ46を抜気することにより軸方向における偏向運動のみが可能になる。前側蛇腹型シリンダ48の助けにより、ブラインドリベット接合ツール16の角度補償及び位置補償は、蛇腹型シリンダ46が少なくとも部分的に空にされると、制御することができる。
図6dに示す補償装置18の設定は、図6cの設定に本質的に対応し、ブラインドリベット接合ツール16のハウジング20への軸方向における取り付けが逆にされている。その結果、蛇腹型シリンダ46、48の動作も、図6cの例示的実施形態と比較すると逆になる。
図6eに示す例示的実施形態において、補償装置18は、さらに、ブラインドリベット接合ツール16とハウジング20との間に配置された内側ハウジング68を有する。この場合、蛇腹型シリンダ46は、ブラインドリベット接合ツール16と内側ハウジング68との間に配置され、蛇腹型シリンダ48は、内側ハウジング68とハウジング20との間に配置される。蛇腹型シリンダ46を抜気することにより、ブラインドリベット接合ツール16の傾動運動及び軸方向19におけるブラインドリベット接合ツール16の偏向運動が可能になる。蛇腹型シリンダ48が抜気されることにより、x−y平面におけるブラインドリベット接合ツール16の位置補償が実行できる。有利なことに、この実施形態において、姿勢補償(角度補償)及び位置補償は、互いに無関係に起動することができる。
図6fに示す補償装置の動作は、図6eに示す動作に本質的に対応する。しかし、この実施形態において、ハウジング20は、ブラインドリベット接合ツール16の位置補償の端部位置を定める狭くなった内側領域70を有する。
図7は、本発明による補償装置18のさらに別の実施形態を示し、ここでは、ブラインドリベット接合ツール16を固定するための代替的クランプ方法が用いられる。図7aは、軸方向における補償装置18の上面図を示す。この実施形態において、クランプユニット46’(蛇腹型シリンダの代わり)は、ブラインドリベット接合ツール16の周方向において互いにオフセットするように配置された3つのクランプ要素72を有する。この場合、クランプ要素72は、それぞれ膨張式圧縮空気ホース72として設計される。例えば、仮に図7aの左に示す圧縮空気ホース72のみを抜気すると、有利なことに、ブラインドリベット接合ツール16の左側(図7a参照)への横方向偏向のみが可能になる。
図7bは、図7aの補償装置18の側面図を示す。この側面図から、補償装置18は、この実施形態でも同様に、2つのクランプユニット46’、48’を有するが、これらはそれぞれ3つのクランプ要素72から構成される。しかし、基本的動作は、図2の例示的実施形態の動作に対応する。具体的に、図3及び図4に関して説明した方法は、図7に示す補償装置18の実施形態にも応用することができる。
図8及び図9の補償装置は、設定に関して、図7の実施形態と比較できる。軸方向19に通る圧縮空気ホース72が、クランプシリンダ72’(図8参照)又はシリンダ駆動クランプジョー72”(図9参照)と置き換わっただけである。クランプジョー72”は、ブラインドリベット接合ツール16を周方向の特定の部分において囲むので、クランプ要素72’の数を減らすことができる。
補償装置18及び方法50の好ましい実施形態を示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正を行い得ることを理解されたい。
例えば、本発明による補償装置18及び本発明による方法50は、ブラインドリベット接合のみでなく、他の嵌合工程(例えば、スタッド溶接)にも使用できる。
同様に、補償装置18の構成部品を様々に配置することもできる。例えば、制御ユニット42は、嵌合装置12ではなく、ロボット10の固定メインハウジングに配置された、ロボット10の中央制御ユニットとすることができる。
10:工業用ロボット
12:嵌合装置
14:ロボットアーム
16:ツールユニット(ブラインドリベット接合ツール)
18:補償装置
19:軸方向
20:ハウジング
22:要素(ブラインドリベット)
24:孔
26:第1の被加工物
28:第2の被加工物
30:送給ユニット
32:口金
34:中央軸
36:クランプ装置
38:力検知ユニット(ロードセル)
40:角度位置センサ
42:制御ユニット
44:ゴムダンパ
46、48:クランプユニット(蛇腹型シリンダ)
50、50’:方法
64:ひずみ計
66:機械的案内要素
68:内側ハウジング
70:内側領域
72:クランプ要素

Claims (17)

  1. 要素(22)を被加工物(26、28)の孔(24)に嵌合させるために、補償装置(18)を用いて、ハウジング(20)上に軸方向(19)に配向して取り付けられたツールユニット(16)用の補償装置(18)であって、前記補償装置(18)は、
    クランプ装置(36)の初期状態においては前記ツールユニット(16)を前記ハウジング(20)に本質的に強固に固定し、クランプ装置(36)の補償状態においては前記ツールユニット(16)の動作範囲を定める異なる自由度を設定するように設計された少なくとも2つの制御可能クランプユニット(46、48)を有する、前記ツールユニット(16)と前記ハウジング(20)との間に配置されたクランプ装置(36)と、
    前記クランプユニット(46、48)を起動するように設計された制御ユニット(42)と、
    を有することを特徴とする補償装置。
  2. 前記クランプユニット(46、48)は、前記軸方向(19)において互いにオフセットするように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の補償装置。
  3. 前記クランプユニット(46、48)の少なくとも1つは、前記軸方向(19)に対して横断するように周方向において前記ツールユニット(16)を囲むことを特徴とする、請求項1〜請求項2のいずれかに記載の補償装置。
  4. 前記クランプユニット(46、48)の少なくとも1つは、圧縮空気ホースを有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の補償装置。
  5. 前記クランプユニット(46、48)の少なくとも1つは、周方向において互いにオフセットするように配置された複数のクランプ要素(72)を有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の補償装置。
  6. 前記複数のクランプ要素(72)は、圧縮空気ホース及び/又はクランプシリンダを有することを特徴とする、請求項5に記載の補償装置。
  7. 前記補償装置(18)は、前記ハウジング(20)に固定され、かつ前記ツールユニット(16)がその上に弾性的に取り付けられた、ゴムダンパ(44)をさらに有することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の補償装置。
  8. 前記補償装置(18)は、前記ツールユニット(16)の三次元空間における角度位置を検知するように設計された角度位置発信器ユニット(40)をさらに有し、前記制御ユニット(42)は、電気的に前記角度位置発信器ユニット(40)に接続され、前記角度位置に基づいて前記クランプユニット(46、48)を起動するように設計されることを特徴とする、請求項1〜請求項7に記載の補償装置。
  9. 前記補償装置(18)は、特に、前記要素(22)を嵌合させるために前記ツールユニット(16)によって前記要素(22)に対して及ぼされる軸方向嵌合力を検知するよう設計された第1の力検知ユニット(38)をさらに有し、前記制御ユニット(42)は、前記第1の力検知ユニット(38)に電気的に接続され、かつ前記嵌合力に基づいて前記クランプユニット(46、48)を起動するように設計されることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の補償装置。
  10. 前記補償装置(18)は、前記ツールユニット(16)と前記ハウジング(20)との間に配置され、特に、前記軸方向(19)に対して横断方向に配向され、かつ前記要素(22)を前記被加工物(26、28)に嵌合させる際に、前記要素(22)と前記孔(24)との間の位置のオフセットに起因して、前記被加工物(26、28)により前記要素(22)に及ぼされる偏向力を検知するよう設計された第2の力検知ユニット(64)をさらに有し、前記制御ユニット(42)は、前記第2の力検知ユニット(64)に電気的に接続され、前記偏向力に基づいて前記クランプユニット(46、48)を起動するように設計されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の補償装置。
  11. 前記ツールユニット(16)の、前記動作範囲の方向における最大偏向運動は、前記クランプユニット(46、48)を用いて定めることができることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の補償装置。
  12. 補償装置(18)、特に、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の、少なくとも2つの制御可能クランプユニット(46、48)をもったクランプ装置(36)を有する補償装置(18)を用いて、ハウジング(20)上に軸方向(19)に配向して取り付けられたツールユニット(16)によって、要素(22)を被加工物(26、28)の孔(24)に自動的に嵌合させるための方法(50)であって、前記方法(50)は、
    −前記ツールユニット(16)を本質的に強固に前記ハウジング(20)に固定するように、前記クランプ装置(36)の初期状態を設定するステップと、
    −前記ツールユニット(16)を前記孔(24)に自動的に供給するステップと、
    −前記クランプユニット(46、48)の少なくとも1つを用いて、前記ツールユニット(16)の第1の自由度を設定するステップと、
    −前記要素(22)を前記孔(24)へ導入するステップと、
    −前記要素(22)を前記孔(24)に嵌合させるために、嵌合工程を実行するステップと、
    を含み、
    前記第1の自由度とは異なる第2の自由度は、前記嵌合工程の前及び/又はその間、前記クランプユニット(46、48)の少なくとも1つを用いて、前記ツールユニット(16)に対して設定され、前記自由度は、前記ツールユニット(16)の動作範囲を定めることを特徴とする方法。
  13. 前記ツールユニット(16)の三次元空間における角度位置が検知され、前記クランプユニット(46、48)は、前記角度位置に基づいて起動されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 前記嵌合工程の間、特に、前記要素(22)を嵌合させるために前記ツールユニット(16)によって前記要素(22)に及ぼされる軸方向嵌合力が検知され、前記クランプユニット(46、48)は、前記第2の自由度の運動範囲を設定するために前記嵌合力に基づいて起動されることを特徴とする、請求項12〜請求項13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記嵌合工程の間、特に、前記軸方向に対して横断方向に配向され、かつ前記要素(22)と前記孔(24)との間の位置のオフセットに起因して、前記要素(22)の前記被加工物(26、28)への嵌合中に前記被加工物(26、28)により前記要素(22)に対して及ぼされる偏向力が検知され、前記クランプユニット(46、48)は、前記第2の自由度の動作範囲を設定するために、前記偏向力に基づいて起動されることを特徴とする、請求項12〜請求項14のいずれかに記載の方法。
  16. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の補償装置(18)を有するツールユニット(16)。
  17. 前記ツールユニット(16)は第1の力検知ユニット(38)を有し、前記制御ユニット(42)は前記第1の力検知ユニット(38)に電気的に接続され、かつ前記嵌合力に基づいて前記クランプユニット(46、48)を起動するように設計されることを特徴とする、請求項16に記載のツールユニット。
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