JP5045541B2 - 多相回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多相回転機の電気的な状態量に基づき、多相回転機の回転状態を検出する機能を備えた多相回転機の制御装置に関する。
例えば下記特許文献1に見られるように、3相モータの全相が短絡されるときにおける各相を流れる電流(相電流)がゼロとなるタイミングと、その相電流の変化がゼロとなるタイミングとを一致させる制御を行うことも提案されている。ここでは、全相が短絡されるときには、相電流がゼロとなるタイミングにおける誘起電圧が相電流の変化量によって定まる点に着目している。このため、上記制御によれば、各相の誘起電圧のゼロクロスタイミングと電流のゼロクロスタイミングとを一致させることができる。このため、3相モータの回転角度を検出する専用のセンサを備えることなく、3相モータを適切に制御することができる。
なお、多相回転機の制御装置としては、他にも例えば下記特許文献2に見られるものもある。
特開2005−102350号公報 特許第3598909号公報
ところで、上記制御装置にあっては、3相モータが回転してはいるもののその回転状態が所望のものから大きく離間する脱調状態にあっても、これを認識できないために、相電流がゼロとなるタイミングとその変化量がゼロとなるタイミングとを一致させる上記制御が継続されるおそれがある。
なお、上記相電流がゼロとなるタイミングとその変化量がゼロとなるタイミングとを一致させるものに限らず、多相回転機の脱調を適切に検出することができない場合には、脱調しているにもかかわらず、多相回転機が通常通りに制御され続けるおそれのあるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多相回転機の脱調を適切に検出することのできる多相回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、多相回転機の少なくとも2相が短絡されているときの前記短絡された任意の2相の電流差である線間電流及び前記多相回転機の全相が短絡されているときの相電流のいずれかである電流パラメータについて、その変化量を検出する変化量検出手段と、前記変化量検出手段の検出値に基づき、前記電流パラメータの変化量の振幅値を検出する振幅値検出手段と、前記振幅値検出手段の検出結果に基づき、前記多相回転機の脱調を検出する脱調検出手段とを備えることを特徴とする。
多相回転機の少なくとも2相が短絡されているときの短絡された任意の2相の線間電流の変化量や、全相が短絡されているときの相電流の変化量は、多相回転機を流れる電流及び多相回転機の逆起電力に依存する。このため、これら変化量は、多相回転機を流れる電流及び多相回転機の逆起電力と相関を有するパラメータとなっている。ここで、これら変化量は、多相回転機の回転に同期して正弦波状に振動しつつ変化する。そして、変化量の振動の振幅は、多相回転機を流れる電流や逆起電力等に依存して定まる。このため、変化量の振幅は、多相回転機の回転状態を示すパラメータともなっている。このため、多相回転機が所望に制御されている場合に想定される振幅と、上記振幅検出手段によって検出される振幅との差に基づき、多相回転機の脱調を検出することができる。
なお、上記発明は、多相回転機の電気的な状態量に基づきその回転角度(電気角)を推定しつつ前記多相回転機を駆動するセンサレス駆動手段を備えることが望ましい。更に、この際、前記電気的な状態量は、前記変化量検出手段によって検出対象とされるものと同一のパラメータであることが望ましい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記振幅値検出手段は、前記電流パラメータの変化量を低次元のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき前記振幅値を検出することを特徴とする。
上記電流パラメータの変化量は、多相回転機の回転角度に同期して周期的に変動する。ただし、上記電流パラメータの変化量を、多相回転機の相数よりも低次元のベクトルにて表記する場合には、上記振幅は、ベクトルのノルムに比例したものとなる。上記発明では、この点に着目することで、上記変化量が極大となるタイミング及び極小となるタイミング間の間隔に渡って同変化量を検出することなく、振幅を検出することができる。
なお、上記発明は、前記多相回転機が3相回転機であり、前記振幅値検出手段は、前記電流パラメータの変化量を固定2次元座標系又は回転2次元座標系のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき前記振幅値を検出することを特徴とすることが望ましい。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記多相回転機に生じる逆起電力の位相に対する前記多相回転機を流れる電流の位相のずれを一定にしつつ前記多相回転機の回転速度を一定速度に制御する制御手段を更に備え、前記脱調検出手段は、前記制御手段による制御時において、前記振幅値検出手段によって検出される振幅値の変化が所定以上である場合に前記脱調を検出することを特徴とする。
多相回転機の逆起電力に対する多相回転機を流れる電流の位相、及び多相回転機の回転速度の双方が変化しない場合には、上記振幅値は、一定値となる。このため、多相回転機の逆起電力に対する多相回転機を流れる電流の位相、及び多相回転機の回転速度の双方を固定する制御がなされている場合には、上記振幅検出手段の検出する振幅値の変化が、上記制御手段の制御性を示すパラメータとなる。上記発明では、この点に鑑み、上記振幅値の変化に基づき簡易な処理にて脱調を検出することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記脱調検出手段は、前記振幅値検出手段によって互いに異なるタイミングで検出される複数個の検出値間の差に基づき、前記振幅値の変化を定量化することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記脱調検出手段は、所定期間における前記振幅値検出手段による検出値の最大値及び最小値に基づき、前記振幅値の変化を定量化することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記脱調検出手段は、前記所定期間を、前記多相回転機の回転速度に応じて可変設定することを特徴とする。
上記制御手段による制御性が低下している場合、振幅値は変動するものの、その変動の周期は、多相回転機の瞬間的な速度や平均的な速度に依存すると考えられる。上記発明では、この点に鑑み、多相回転機の回転速度に応じて所定期間を設定することで、この所定期間を、振幅値の変化の検出を可能とする期間とすることができる。
なお、前記可変設定に用いるパラメータとしての前記多相回転機の回転速度は、前記多相回転機についての現在又は過去の回転速度の検出値としてもよく、また、前記制御手段における前記回転速度の指令値としてもよい。
請求項7記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記多相回転機の回転速度の検出値及び指令値の少なくとも一方と、前記多相回転機を流れる電流の検出値及び前記多相回転機に対する電流の指令値の少なくとも一方とを入力として、前記振幅値を推定する振幅値推定手段を更に備え、前記脱調検出手段は、前記振幅値検出手段によって検出される振幅値と前記振幅値推定手段によって推定される振幅値との乖離度合いに基づき、脱調を検出することを特徴とする。
多相回転機が正常に制御されているなら、上記変化量の振幅値は、多相回転機の回転速度及び電流に依存し、これらを特定することで算出することができるものである。このため、こうして推定される振幅値と検出される振幅値との乖離度合いは、多相回転機の制御性を示す指標となる。上記発明では、この点に着目し、脱調を検出することができる。特にこの場合には、多相回転機の逆起電力の位相に対する電流の位相の差や回転速度を一定としない制御であっても、その制御性の低下、すなわち脱調を的確に検出することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記変化量検出手段は、前記多相回転機の全相が短絡されているときの任意の2相の電流差である線間電流及び前記多相回転機の全相が短絡されているときの相電流のいずれかを前記電流パラメータとして、その変化量を検出することを特徴とする。
上記発明では、請求項2記載の発明特定事項を用いることで、変化量検出手段の一つのタイミングでの上記変化量の検出結果に基づき、振幅値を検出することができる。このため、脱調検出を高精度に行うことができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記変化量検出手段は、前記多相回転機の一部の相が短絡されているときの前記短絡された任意の2相の電流差である線間電流を前記電流パラメータとして、その変化量を検出することを特徴とする。
上記発明において、短絡される一部の相の組み合わせが相違するタイミング間で多相回転機の回転角度の変化が無視できるなら、これらのタイミングで検出される線間電流の変化量は同一の回転角度における誘起電圧を表現すると考えられる。このため、この場合には、上記請求項2記載の発明特定事項を利用した手法を用いた振幅値の検出が可能となる。
以下、本発明にかかる多相回転機の制御装置を車載冷却ファンの備える3相電動機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、上記電動機及びその制御システムの全体構成を示す。
図示される電動機10は、表面磁石同期電動機であり、車載冷却ファンのブロアモータである。電動機10の3つの相(U相、V相、W相)のそれぞれは、インバータ34を介して直流電源(バッテリ36)の正極及び負極のいずれかに選択的に接続可能とされている。電動機10に流れる実電流iu,iv,iwは、それぞれ、電流センサ11a、11b、11cによって検出される。電流変化検出部12は、インバータ34の操作状態がゼロベクトルである際の実電流の時間微分値(実際には、差分値)である電流変化diu,div,diwを検出し、出力する。図2に、電流変化diu,div,diwの検出手法を例示する。図では、電圧ベクトルV0期間において電流変化を検出する例を示している。
一方、速度推定器14は、電流変化diu,div,diwを入力として、電動機10の電気角速度ωを推定する。これは、電流変化diu,div,diwの極性変化周期の2倍が電気角周期であることに着目することで行うことができる。偏差算出部16では、電気角速度ωに対する速度指令値ωdの差を算出する。指令電流設定部18は、偏差算出部16の出力に基づき、固定2相座標系(dq座標系)での指令電流idr,iqrを設定する。これら指令電流idr,iqrは、電気角速度ωを速度指令値ωdにフィードバック制御するための操作量である。詳しくは、本実施形態では、最大トルク制御を行う。これは、電動機10が表面磁石式のものであることから、d軸上の指令電流idrをゼロとすることで実現できる。
一方、電動機10の実電流iu,iv,iwは、dq変換部20にてdq軸上の実電流id,iqに変換される。偏差算出部22では、実電流idに対する指令電流idrの差を算出し、偏差算出部24では、実電流iqに対する指令電流idrの差を算出する。偏差算出部22,24の出力は、電流制御器26に取り込まれる。電流制御器26では、偏差算出部22,24の出力に基づき、dq軸上の指令電圧vdr,vqrを算出する。ここで、d軸上の指令電圧vdrは、d軸上の電流idを指令電流idrにフィードバック制御するための操作量であり、q軸上の指令電圧vqrは、q軸上の電流iqを指令電流iqrにフィードバック制御するための操作量である。ここで、フィードバック操作量の算出は、例えば比例積分演算によって行えばよい。
3相変換部28は、指令電圧vdr,vqrを、3相の指令電圧vur,vvr,vwrに変換する。Duty生成部30は、指令電圧vur,vvr,vwrを、インバータ34の入力電圧によって規格化することでDuty信号を生成する。詳しくは、バッテリ36の電圧VBの「1/2」にて指令電圧vur,vvr,vwrを除算することで、Duty信号Du,Dv,Dwを生成する。PWM処理部32は、Duty信号とキャリアとの大小比較に基づき、インバータ34の操作信号を生成する。これにより、インバータ34が操作され、電動機10が駆動される。
電動機10の駆動に際しては、電動機10の回転角度(電気角)に関する情報が必要である。そこで本実施形態では、位置推定器38を備え、電流変化検出部12の出力する電流変化diu,div,diwに基づき、電気角θを推定する。これは、例えば上記特許文献2に記載されている手法に基づき行うことができる。
ところで、本実施形態のように、電動機10をセンサレス駆動する場合、電動機10の回転制御が的確になされているかを判断することが重要となる。特に、電動機10が十分な回転速度を有しなくなる状態となると、車載冷却ファンの冷却能力が低下する。このため、冷却ファンの冷却対象となる内燃機関(正確には、冷却水の循環経路を構成するラジエータ)を十分に冷却することができず、ひいては内燃機関の過度の温度上昇を招くおそれがある。
そこで本実施形態では、電流変化振幅算出部40及び脱調検出部42を備えることで、電動機10の回転制御の制御性が過度に低下する脱調状態を検出する。以下、これについて詳述する。
<脱調検出手法>
電気角θ、誘起電圧の振幅値E,電流振幅値I、誘起電圧に対する電流iの位相差β、電動機10の抵抗R,電動機10のインダクタンスLを用いると、ゼロベクトル期間における電圧方程式は、以下の式(c1)となる。
0=RIsin(θ+β)+Ldi/dt+Esinθ …(c1)
上記の式(c1)において、電流iの変化di/dtを、単一の正弦関数にて表現すると以下となる。
di/dt=Asin(θ+Δθ) …(c2)
ただし、
A=√{E・E+R・R・I・I+2ERIcosβ}/L …(c3)
Δθ=arctan{RIsinβ/E+RIcosβ} …(c4)
上記の式(c3)において、誘起電圧の振幅値Eは、電動機10の回転速度(電気角速度ω)に依存する。このため、電流変化の振幅は、誘起電圧に対する電流の位相差βと回転速度(電気角速度ω)とが固定されているなら、固定値となる。したがって、本実施形態では位相差βがゼロに固定されていることに鑑みれば、速度指令値ωdが固定されている状況下、ゼロベクトル期間における実際の電流変化の振幅が大きく変動するなら、電動機10の制御性が過度に低下する脱調状態にあると考えられる。
図3に、最大トルク制御が正常になされている場合と脱調時とにおける電流変化の挙動を示す。詳しくは、図3(a1)及び図3(a2)は、誘起電圧及び相電流の推移を示し、図3(b1)及び図3(b2)は、相電流変化の推移を示す。図示されるように、電動機10の制御が正常になされている場合(図3(a1)、図3(b1))には、電流変化の振幅は一定値となる。これに対し、脱調時(図3(a2)、図3(b2))には、電流変化の振幅は、変動する。本実施形態では、この点に着目することで脱調検出を行う。
上記電流変化の振幅値の検出は、電動機10の一回転周期において、電動機10を流れる電流の検出値に基づき検出することもできる。ただし、この場合には、電流の検出値を多数用いる必要があり、これらの検出に長期間を要する。しかも、検出期間においても脱調状態にあっては電流変化の振幅が変化することに鑑みれば、電流変化の振幅値を電流変化の極大、極小から割り出す処理は煩雑なものとなるおそれもある。
そこで本実施形態では、図4に示されるように、3相の電流変化diu,div,diwを固定2相座標系(αβ座標系)の電流変化diα、diβに変換し、この2次元ベクトルのノルムに基づき、3相の電流変化diu,div,diwの振幅を検出する。図4(a)は、誘起電圧の推移を示し、図4(b)は、太線にてゼロベクトル期間における相電流の推移を、1点鎖線にて非ゼロベクトル期間における相電流の推移を示し、図4(c)は、ゼロベクトル期間における電流の傾きを示す。図示されるように、ゼロベクトル期間における相電流は、誘起電圧の符号と逆になる。これは、ゼロベクトル期間においては、誘起電圧によって電流が変化するためである。ここで、実電流iu,iv,iwをαβ軸上の実電流iα、iβに変換する変換処理によって、電流変化diu,div,diwを、αβ軸上の電流変化diα、diβに変換することができる。そして、この電流変化diα、diβのベクトルのノルムは、電流変化diu,div,diwの振幅値に比例する。詳しくは、電流変化diu,div,diwの振幅値の「√(3/8)」倍となる。このため、これに基づき、電流変化diu,div,diwの振幅値を検出することができる。
図5に、本実施形態にかかる脱調検出の処理手順を示す。この処理は、先の図1に示した電流変化振幅算出部40及び脱調検出部42等によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、先ずステップS10において、速度指令値ωdが一定とされているか否かを判断する。この処理は、電動機10の速度制御が正常になされている場合に電流変化の振幅が変化しない状況であるか否かを判断するためのものである。そして、速度指令値ωdが一定であると判断される場合、先の図3に示した原理に基づく脱調検出が可能と判断し、ステップS12に移行する。ステップS12では、ゼロベクトル期間における電流変化diu,div,diwを検出する。続くステップS14では、先の図4に示した手法に基づき、電流変化diu,div,diwの検出振幅値Arealを算出する。
続くステップS16においては、検出振幅値Arealの変化量ΔArealを算出する。ここでは、電流変化diu,div,diwの検出振幅値Arealについての前回値と今回値との差の絶対値を算出する。続くステップS18においては、変化量ΔArealが規定値α以上であるか否かを判断する。この処理は、電動機10の回転速度制御が正常になされているか、又は脱調状態にあるのかを判断するためのものである。ここで、規定値αは、電動機10が脱調している場合の変化量ΔArealの下限値に基づき設定されている。すなわち、インバータ34の操作を継続した場合に正常な制御へと回復させる(同期引き込み)処理を行うことが不可能となる下限値に基づき設定されている。そして、規定値α以上であると判断される場合、ステップS20において脱調であると判断する。
上記ステップS20の処理が完了する場合や、ステップS10、S18において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)検出振幅値Arealの変化に基づき、電動機10の脱調を検出した。これにより、比較的簡易な処理にて脱調を検出することができる。
(2)電流変化diu,div,diwを、電動機10の相数よりも低次元(2次元)のベクトル(diα、diβ)に変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき検出振幅値Arealを算出した。これにより、電流変化diu,div,diwの単一の検出値によってその振幅値を検出することができる。
(3)電流変化diu,div,diwに基づき、電動機10の回転角度(電気角θ)を推定し、これによって電動機10をセンサレス駆動した。これにより、脱調検出に際して、センサレス駆動のために用いる電流変化検出部12の処理を流用することで、脱調検出のために新たに加える処理手段を極力低減することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
図6に、本実施形態にかかる脱調検出の処理手順を示す。この処理は、先の図1に示した電流変化振幅算出部40及び脱調検出部42等によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図6において、先の図5に示した処理と対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
本実施形態では、ステップS16aにおいて、検出振幅値Arealの変化量ΔArealを、所定期間における検出振幅値Arealの最大値と最小値との差によって定量化する。更に、この所定期間を、速度指令値ωdによって可変設定する。これは、所定期間を極力短い時間とするための設定である。ここでは、速度指令値ωdが大きいほど所定期間を短縮する。これは、脱調状態における電気角の変化速度が大きいほど、電流変化diu,div,diwの振幅が短時間で変化することに鑑みてなされる設定である。ここでは、電動機10が脱調状態となった直後には、電動機10の回転速度が、制御が正常である場合の回転速度である速度指令値ωdに近似していることを前提としている。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)所定期間における検出振幅値Arealの最大値及び最小値に基づき、変化量ΔArealを定量化して、且つ所定期間を速度指令値ωdに応じて可変設定した。これにより、電動機10の想定される回転状態に応じて脱調検出を極力早期に実行することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、検出振幅値Arealと、上記の式(c3)を用いて推定される推定振幅値Aeとの乖離度合いに基づき、電動機10の脱調を検出する。図7に、電動機10の制御が正常になされている場合(同期時)と、脱調時とのそれぞれにおける推定振幅値Aeと検出振幅値Arealとの関係を示す。図示されるように、電動機10の制御が正常である場合には推定振幅値Aeと検出振幅値Arealとが一致する一方、脱調状態にあっては、これらが互いに相違する。
図8に、本実施形態にかかる脱調検出の処理手順を示す。この処理は、先の図1に示した電流変化振幅算出部40及び脱調検出部42等によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8において、先の図5に示した処理と対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、まずステップS30において、速度指令値ωd及び電流振幅値Iに基づき、推定振幅値Aeを算出する。ここで、電流振幅値Iは、指令電流idr,iqrのベクトルノルムに基づき算出すればよい。詳しくは、指令電流idr,iqrのベクトルノルムに、「√(8/3)」を乗算することで算出すればよい。そして、ステップS18bでは、検出振幅値Arealと推定振幅値Aeとの差の絶対値が規定値γ以上であるか否かを判断する。この処理は、電動機10の脱調の有無を判断するためのものである。ここで、規定値γは、電動機10が脱調している場合の上記絶対値の下限値に基づき設定されている。すなわち、インバータ34の操作を継続した場合に正常な制御へと回復させる(同期引き込み)処理を行うことが不可能となる下限値に基づき設定されている。そして、規定値γ以上であると判断される場合、ステップS20において脱調であると判断する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)、(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(5)検出振幅値Arealと推定振幅値Aeとの乖離度合いに基づき、脱調を検出した。これにより、回転機の逆起電力の位相に対する電流の位相の差(位相差β)や回転速度を一定としない制御時においても、その制御性の低下、すなわち脱調を的確に検出することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
図9に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図9において、先の図1に示した処理や部材と対応する処理や部材については、便宜上同一の符号を付している。
偏差算出部50では、回転速度算出部52の算出する電気角速度ωに対する速度指令値ωdの差Δωを算出する。振幅設定部54は、上記差Δωに基づき、電動機10の各相の指令電圧vur,vvr,vwrの振幅Vmを設定する。すなわち、振幅設定部54では、電気角速度ωを速度指令値ωdにフィードバック制御するための操作量として振幅Vmを設定する。これは、例えば、差Δωの比例積分制御に基づき行うことができる。
指令電圧設定部56は、振幅設定部54によって定められた振幅Vm、位相設定部58によって設定される位相φ、及び速度指令値ωdに基づき、指令電圧vur,vvr,vwrを設定する。
上記位相設定部58では、電動機10を流れる電流を最小としつつその生成するトルクを最大とする最大トルク制御を行うように位相φを操作する。この制御を行うべく、本実施形態では、ゼロベクトル期間において、相電流がゼロとなるゼロクロスタイミングと、相電流の変化量がゼロとなるゼロクロスタイミングとを一致させる。以下、これについて説明する。
ゼロベクトル期間における電圧方程式は、上記の式(c1)となるが、これを、U相の電流iu、及びU相の誘起電圧euを用いて書き直すと、下記の式 (c5)となる。
R×iu+L(diu/dt)+eu=0 …(c5)
上記の式(c5)において、相電流iuがゼロとなるときには、下記の式が成立する。
eu=−L×(diu/dt) …(c6)
上記の式(c6)によれば、相電流がゼロとなるときの誘起電圧euを、相電流の変化量によって表現することができる。特に、相電流がゼロとなるときの誘起電圧euをゼロとするためには、相電流がゼロとなるときに相電流の変化量もゼロとなるようにすればよい。したがって、位相設定部58では、相電流のゼロクロスタイミングと相電流の変化量のゼロクロスタイミングとの差をゼロにフィードバック制御すべく位相φを操作する。
上記ゼロクロスタイミングは、相電流極性検出部60及び相電流変化検出部62の出力に基づき検出される。ここで、相電流極性検出部60は、電流センサ11の検出値に基づく相電流の極性を検出するものであり、この検出される極性の反転タイミングが相電流のゼロクロスタイミングとなる。また、相電流変化検出部62は、電流センサ11の検出値に基づく相電流の変化を検出するものである。これらにより、相電流の変化量や、相電流の変化のゼロクロスタイミングを検出することができる。
これら一対のゼロクロスタイミングを一致させる制御を行う本実施形態でも、最大トルク制御がなされるために、速度指令値ωdが一定である場合には、先の第1の実施形態に示した要領で、電動機10の脱調を検出することができる。
以上説明した上記実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の効果に準じた効果が得られる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第4の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図10において、先の図9に示した処理や部材と対応する処理や部材については、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、指令電圧vur,vvr,vwrを2相変調処理した後にPWM処理を実行する。このため、Duty生成部30の出力するDuty信号Du,Dv,Dwを、2相変調部74にて2相変調した後、PWM処理部32に出力する。
この2相変調処理を実行することに対応して、本実施形態では、位相設定部58において、電動機10の任意の2相の電流差である線間電流のゼロクロスタイミングと線間電流の変化量のゼロクロスタイミングとの差をゼロにフィードバック制御すべく位相φを操作する。これによっても、最大トルク制御を実行することができる。以下、これについて説明する。
上記の式(c5)と同様にして、V相の電圧方程式は、下記の式(c7)にて表現される。
R×iv+L(div/dt)+ev=0 …(c7)
上記の式(c5)から上記の式(c6)を減算することで、下記の式(c8)が成立する。
R×Iuv+L(dIuv/dt)+eUV=0 …(c8)
ただし、「Iuv=iu−iv」、「eUV=eu−ev」である。ここで、線間電流Iuvがゼロであるゼロクロスタイミングにおいては、下記の式(c9)が成立する。
eUV=−L×(dIuv/dt) …(c9)
よって、相電流のときと同様に、線間電流についても、そのゼロクロスタイミング時には、線間電流の変化量が線間誘起電圧に比例する。そして、線間電流や線間誘起電圧は、相電流が正弦関数にて表現できる場合には、図11に示すように、相電流や相誘起電圧と「30°」ずれたものであるため、これら線間電流のゼロクロスタイミングと線間誘起電圧のゼロクロスタイミングとを一致させることで、最大トルク制御を実現することができる。
このため、本実施形態では、線間電流極性検出部70と線間電流変化検出部72とを備え、これらによって線間電流及びその変化量のゼロクロスタイミングを検出する。特に本実施形態では、2相変調処理を施して且つ、線間電流のゼロクロスタイミングを用いることで、ゼロクロスタイミング近傍における電圧ベクトルV0の期間を伸張させることができる。このため、線間電流の変化を高精度に算出することが可能となっている。これにより、図12に示すように、電圧ベクトルV0の長さを確保しつつ、電気角の1回転周期内にゼロクロスタイミングを6回検出することが可能となる。ここで、図12(a1)は、電圧ベクトルの推移例を示し、図12(b1)は、線間電流の推移を示し、図12(c1)は、電圧ベクトルV0のパルス幅を示し、図12(d1)は、2相変調処理された指令電圧vur,vvr,vwrの推移を示す。線間電圧や線間電流は、相電圧の位相に対して「30°」ずれるために、ゼロクロスタイミング近傍において電圧ベクトルV0のパルス幅が最大となる。このため、線間電流やその変化量の極性を検出する十分な時間を確保することができる。
これに対し、図12(a2)〜図12(d2)に、相電流を用いてゼロクロスタイミングを検出する場合を示す。この場合、高変調率時には、2相変調により、ゼロクロスタイミング近傍において電圧ベクトルV0のパルス幅が略ゼロとなる。このため、相電流やその変化量の極性を適切に検出することができない。
このように、本実施形態では、2相変調処理を行いつつも、ゼロクロスタイミング近傍において電圧ベクトルV0期間のパルス幅を確保することができる。このため、一対のゼロクロスタイミングに基づき最大トルク制御を実現することができる。
更に、相電流を線間電流と読み替えることで、先の第4の実施形態の要領で、電動機10の脱調を検出することもできる。これは、上記の式(c8)において、線間電流Iuv,線間誘起電圧eUVを正弦関数にて表現することで、上記の式(c2)、(c3)と同様の式を導出できることを根拠としている。なお、本実施形態では、線間電流の変化量の振幅を検出振幅値Arealとして検出することとなるが、これは、先の図4に示した通常のαβ座標変換の入力として、線間電流Iuv,Ivw,Iwuのそれぞれの変化量を用いることで行うことができる。これは、線間電流は相電流に対して位相が「30°」ずれたものに過ぎないことによる。ちなみに、こうして変換されたベクトルは、αβ座標系に対して「30°」回転した座標系のベクトル、換言すれば先の図11に示したα´β´座標系のベクトルとなる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に、図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図13において、先の図10に示した処理や部材と対応する処理や部材については、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、偶数ベクトル期間及び奇数ベクトル期間において、線間電流極性検出部70や線間電流変化検出部72による線間電流の極性や線間電流の変化量の検出を行う。このように電動機10の2相が短絡されている場合であっても、これら短絡された2相の線間電流の変化量と同2相の線間誘起電圧との間には、上記の式(c8)、(c9)が成立する。このため、偶数ベクトル期間や奇数ベクトル期間における線間電流のゼロクロスタイミングと線間電流の変化量のゼロクロスタイミングとの差をゼロにフィードバック制御することによっても、最大トルク制御を実現することができる。
更に、先の第5の実施形態と同様にして、線間電流の変化量の振幅値に基づき脱調を検出する。ここで、本実施形態では、2相短絡期間を用いて線間電流やその変化量を検出するため、単一の2相短絡期間においては、2相の相電流を検出することができるに過ぎない。このため、単一の2相短絡期間からは、バッテリ36の電圧の影響が排除された線間電流Iuv,Ivw,Iwuの全ての変化量を検出することはできない。ただし、図13に例示されるように、隣接する一対の偶数ベクトル期間及び奇数ベクトル期間においてそれぞれ相電流を検出することができるために、上記3つの線間電流Iuv,Ivw,Iwuのうちの2つを検出することができ、残りの一つは、キルヒホッフの法則「Iuv+Ivw+Iwu」を用いて算出することができる。このため、これら3つの線間電流Iuv,Ivw,Iwuの変化量を検出することができる
ここで、互いに近接したタイミングで短絡された2相の線間電流の変化量を検出するなら、この間に電動機10の回転を無視できるため、同一の誘起電圧のもとでの線間電流の変化量であるとみなすことができる。このため、互いに近接したタイミングにて検出された3つの線間電流の変化量から、線間電流の変化量の振幅値を検出することができる。なお、キルヒホッフの法則を用いるなら、3つの線間電流のうちの1つを消去し、α´β´座標系への座標変換の行列を2行2列によって表現することもできる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第3の実施形態では、電流変化の検出振幅値Arealと推定振幅値Aeとの差の絶対値が規定値γ以上となる場合に、脱調である旨判定したがこれに限らない。例えば、上記差の絶対値についての複数個の時系列データの和が所定以上であることに基づき脱調である旨判定してもよい。
・上記第1の実施形態に対する第4〜第6の実施形態の変更点によって、上記第2の実施形態を変更してもよい。
・上記第2の実施形態では、所定期間を速度指令値ωdに基づき可変設定したがこれに限らず、電動機10の速度指令値ωdとして取り得る全ての値にとって適切な所定期間を固定値として定めてもよい。
・上記第3の実施形態では、推定振幅値Aeを算出するための入力パラメータとしての電流振幅値Iを、指令電流idr,iqrのベクトルノルムに基づき算出したが、これに限らない。例えば、実電流id,iqのベクトルノルムに基づき算出してもよい。
・上記第3の実施形態では、推定振幅値Aeを算出するための入力パラメータとしての回転速度として、速度指令値ωdを用いたがこれに限らない。例えば、速度推定器14の推定する電気角速度ωを用いてもよい。
・上記第1〜4の実施形態において、第5、第6の実施形態に例示したように、線間電流の変化量の振幅値に基づき脱調を検出してもよい。また、第5、第6の実施形態において、上記第1〜4の実施形態に例示したように、相電流の変化量の振幅値に基づき、脱調を検出してもよい。このように、脱調検出に際して用いる変化量の振幅値を算出する対象となるパラメータとセンサレス駆動に用いるパラメータとが相違する場合には、脱調検出のために新たに加える処理が増大するとはいえ、これによっても、脱調を検出することはできる。
・電流パラメータの変化量を、電動機10の相数よりも低次元のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき振幅値を検出する手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、先の第5、第6の実施形態において、線間電流の変化量をαβ座標系で成分表示されたベクトルに変換してもよい。これは、UVW相をαβ座標系に変換する2行3列の行列成分を三角関数表記したものにおいて、三角関数の独立変数を「30°」だけずらすことで実現することができる。また例えば、回転2次元座標系(回転2相座標系:dq座標系)のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき振幅値を検出してもよい。
・電流パラメータの検出値に基づき、電流パラメータの変化量の振幅値を検出する振幅値検出手段としては、電流パラメータの変化量を、低次元のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき振幅値を検出する手段に限らない。例えば、変化量についての複数個の検出値に基づき極大値、極小値を特定することで振幅を検出する手段であってもよい。
・検出振幅値Arealに基づき、脱調を検出する脱調検出手段としては、上記各実施形態やその変形例に例示したものに限らない。例えば、電動機10の回転が妨げられることでその回転速度が極低速(ゼロ)となる脱調状態(ロック状態)にあっては、電流変化の振幅値が想定外の値となると考えられる。このため、上記第1、2、4〜6の実施形態において、検出振幅値Arealが予め定められた範囲から外れる場合に脱調状態(ロック状態)を検出してもよい。
・上記各実施形態では、最大トルク制御を行ったがこれに限らない。例えば最大効率制御を行う場合には、誘起電圧の位相に対する電流の位相βが一定とはならないが、上記第3の実施形態で例示した手法を用いるなら、この場合であっても脱調を的確に検出することができる。
・上記各実施形態では、回転速度をその指令値(速度指令値ωd)に制御する際に、電動機10をセンサレス駆動したがこれに限らない。例えば、電動機10のトルクを要求トルクに制御すべく電動機10をセンサレス駆動してもよい。この場合、電流の変化量の振幅値は、電動機10の回転速度の変化等に起因して変動し得る。しかしこの場合であっても、上記第3の実施形態で例示した手法を用いるなら、脱調を的確に検出することができる。
・脱調の検出対象となる電動機としては、電動機の出力軸の幾何学的な回転角度を検出するハードウェアであるセンサを備えることなく、電気的な状態量に基づき回転角度を推定しつつ駆動される電動機(センサレス駆動される電動機)に限らない。レゾルバやホール素子等を備えるものにあっても、電流パラメータの変化量の振幅値に基づき脱調を検出することはできる。
・電動機10としては、車載冷却ファンに設けられるものに限らず、例えば車載エアコンディショナに設けられるものであってもよい。また、電動機としては、表面磁石同期電動機に限らず、例えば埋め込み磁石同期電動機であってもよい。更に、磁石を備えないものにあっても、例えば突極機等にあっては、回転角度に依存した逆起電力を生じるため、本発明の適用が有効である。
・回転機としては、電動機に限らず、発電機であってもよい。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる相電流の変化量の検出タイミングを示すタイムチャート。 同実施形態にかかる脱調検出の原理を説明するためのタイムチャート。 同実施形態にかかる相電流の変化量の振幅の検出手法を示す図。 同実施形態にかかる脱調検出処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかる脱調検出処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる脱調検出の原理を説明するためのタイムチャート。 同実施形態にかかる脱調検出処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかるシステム構成図。 第5の実施形態にかかるシステム構成図。 線間電流と相電流との関係を示す図。 上記実施形態にかかるゼロクロスタイミングの検出可能期間を示すタイムチャート。 第6の実施形態にかかるシステム構成図。
符号の説明
10…電動機、40…電流変化振幅算出部(振幅値検出手段の一実施形態)、42…脱調検出部(脱調検出手段の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 多相回転機の少なくとも2相が短絡されているときの前記短絡された任意の2相の電流差である線間電流及び前記多相回転機の全相が短絡されているときの相電流のいずれかである電流パラメータについて、その変化量を検出する変化量検出手段と、
    前記変化量検出手段の検出値に基づき、前記電流パラメータの変化量の振幅値を検出する振幅値検出手段と、
    前記振幅値検出手段の検出結果に基づき、前記多相回転機の脱調を検出する脱調検出手段とを備えることを特徴とする多相回転機の制御装置。
  2. 前記振幅値検出手段は、前記電流パラメータの変化量を低次元のベクトルに変換する場合の当該ベクトルのノルムに基づき前記振幅値を検出することを特徴とする請求項1記載の多相回転機の制御装置。
  3. 前記多相回転機に生じる逆起電力の位相に対する前記多相回転機を流れる電流の位相のずれを一定にしつつ前記多相回転機の回転速度を一定速度に制御する制御手段を更に備え、
    前記脱調検出手段は、前記制御手段による制御時において、前記振幅値検出手段によって検出される振幅値の変化が所定以上である場合に前記脱調を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の多相回転機の制御装置。
  4. 前記脱調検出手段は、前記振幅値検出手段によって互いに異なるタイミングで検出される複数個の検出値間の差に基づき、前記振幅値の変化を定量化することを特徴とする請求項3記載の多相回転機の制御装置。
  5. 前記脱調検出手段は、所定期間における前記振幅値検出手段による検出値の最大値及び最小値に基づき、前記振幅値の変化を定量化することを特徴とする請求項3記載の多相回転機の制御装置。
  6. 前記脱調検出手段は、前記所定期間を、前記多相回転機の回転速度に応じて可変設定することを特徴とする請求項5記載の多相回転機の制御装置。
  7. 前記多相回転機の回転速度の検出値及び指令値の少なくとも一方と、前記多相回転機を流れる電流の検出値及び前記多相回転機に対する電流の指令値の少なくとも一方とを入力として、前記振幅値を推定する振幅値推定手段を更に備え、
    前記脱調検出手段は、前記振幅値検出手段によって検出される振幅値と前記振幅値推定手段によって推定される振幅値との乖離度合いに基づき、脱調を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の多相回転機の制御装置。
  8. 前記変化量検出手段は、前記多相回転機の全相が短絡されているときの任意の2相の電流差である線間電流及び前記多相回転機の全相が短絡されているときの相電流のいずれかを前記電流パラメータとして、その変化量を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多相回転機の制御装置。
  9. 前記変化量検出手段は、前記多相回転機の一部の相が短絡されているときの前記短絡された任意の2相の電流差である線間電流を前記電流パラメータとして、その変化量を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多相回転機の制御装置。
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