JP3578096B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は交流モータを高性能に制御する制御装置、特に、リラクタンスモータ,磁石モータなどの突極性を有する同期モータを位置センサなしで制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期モータの速度やトルクを制御するためには、磁極位置を検出、あるいは、推定する必要がある。その検出した磁極位置に基づいて電流制御あるいは電圧制御を行うことで、同期モータのトルクや速度を制御できる。近年、この磁極位置を位置検出器で検出することなく、同期モータを制御する磁極位置センサレス制御方式が提案されている。例えば、特開平7−245981号,平成8年電気学会産業応用部門全国大会No.170に記載されているような第1の方法がある。これは交番電圧を印加してそれに対するモータ電流の平行成分,直交成分(回転座標系における電流成分)に基づき磁極位置を推定する方法であり、停止時や低速時に磁極位置センサを用いないで、磁極位置を検出できる特徴がある。また、第2の方法として、特開平11−150983号,特開平11−69884号などに記載されている追加電圧を重畳する方法がある。この方法は高トルク領域でも磁気飽和が起こらないように印加電圧を加えることにより、停止時、あるいは、低速時における低負荷から高負荷までの範囲で磁極位置センサレス化を実現できる。また、第3の方法として、特開平8−205578号には、パルス幅制御(PWM制御)により同期モータに印加する電圧のベクトルとそれに対するモータ電流のリプル成分(電流差分ベクトル)の相関関係から同期モータの突極性を検出する方法が記載されている。また、この第3の方法は同期モータの電圧を制御する一般的なPWM信号を利用しているため、検出のための追加信号を付加する必要がない利点がある。なお、電圧ベクトルとは、3相の電圧、あるいは、d軸,q軸電圧から決定される大きさと方向を有する電圧のことを意味する。電流ベクトルについても同様であり、以下、要素としての各相の電圧、あるいは、d軸,q軸電圧と、総和としての電圧ベクトルとを使い分けながら説明する。また、同期モータの場合には、回転子の磁極位置を検出することになるので、以下、磁極位置として説明する。リラクタンスモータの場合には、突極性がある回転子の特定な位置を検出することになる。従って、これらをすべてまとめて記述する場合には、磁極位置,リラクタンスモータの特定な位置のことを回転子位置とよぶことにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第1の方法はモータを駆動しながら磁極位置検出を行おうとした場合には、ノッチフィルタなどを用いたバンドパスフィルタやフーリエ積分により、検出用交番電圧と同じ周波数成分の電流を抽出する必要である。特に、モータの回転数が高くなると、モータの入力周波搬と検出用交番電圧の周波数が分離しにくくなるため、高速回転での安定した駆動が難しいという課題があった。また、インバータのスイッチング特性による影響を受けないように、配慮する必要がある。つまり、PWM信号の搬送周波搬が数kHzから20kHzであるのに対して、検出用交番電圧の周波数は数100Hzと低くなっているため、モータ駆動しているとき、数100Hzの騒音がすることがある。
【0004】
第2の方法に関しても、モータを停止状態あるいは低速回転状態で駆動する場合の特性改善を目的としたものであって、モータを高速で駆動した場合に重要となる電流検出のタイミング,PWM信号の関係が記述されておらず、高精度に位置検出を行うための配慮がなされていない。
【0005】
さらに、第3の方法を実現するためには、PWM信号が変化する毎にモータ電流の状態と印加電圧の相関関係を検出する必要がある。つまり、搬送波の1周期に対して、少なくとも6回、モータ電流の状態を検出すること、印加電圧の状態を把握することが条件となるため、高性能のコントローラを用いなければならないという問題点がある。
【0006】
本発明の第1の目的は、安価なコントローラ,電流検出器を用いながら、停止状態から高速回転状態までの広範囲において、同期モータ(リラクタンスモータを含む)を高応答で、かつ、モータの損失増加を抑制しながら制御することである。また、電流により検出した磁極位置が真の磁極位置から大きくずれた場合にはモータ制御システムの異常を検知することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同期モータと、該同期モータに電圧を印加する電力変換器と、前記印加電圧を制御する制御装置を備え、少なくとも2方向に検出用電圧を印加し、それぞれに対する電流変化から前記同期モータの磁極位置位置を推定する位置推定装置を備えることにより達成される。
【0008】
具体的な一例としては、制御装置は、搬送波に同期したPWM信号により前記電力変換器の印加電圧を制御する手段を備える。2つの電圧印加方向に検出用電圧を印加することと、前記交流モータの電流を検出することをこの搬送波に同期して実施することにより、前記交流モータの回転子の磁極位置を推定する。例えば、突極性を有する同期モータにおいて、搬送波の半周期毎に第1の電圧印加方向に検出用電圧を変化してモータの電流を検出し、半周期毎の電流差分ベクトル(静止座標系のベクトル)を求める。次に、2回の電流差分ベクトルの差(以下、電流差分差ベクトルとよぶことにする)とそれに対応する2回の印加電圧ベクトルの差(以下、電圧差ベクトル)を演算する。この電圧差ベクトルが第1の検出用電圧、その方向が第1の電圧印加方向であり、この電流差分差ベクトルが第1の検出用電圧に対する電流変化ベクトルである。同様に、第2の電圧印加方向に対して、検出用電圧を変化してもモータの電流を検出する。これにより、同様の演算を行って、第2の検出用電圧ベクトルに対する第2の電流変化ベクトルを求める。
【0009】
同期モータにおける磁極位置方向(d軸方向)のインダクタンスLdと、直交する方向(q軸方向)のインダクタンスLqが異なるので、第1と第2の検出用電圧ベクトルの方向を変えることにより、Ld,Lqの違いによる2つの電流差分差ベクトルの大きさと位相の違いが生じることになる。これを容易に検出することができるので、磁極位置を感度良く検出することができる。従って、突極性を有する交流モータを高応答性にセンサなしで制御でき、高性能な特性を要求されるモータ制御分野のセンサレス化に有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1により説明する。この実施例は、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqよりも小さい、いわゆる、逆突極性を有する同期モータ1を位置センサなしで制御する場合の実施例である。
【0011】
図1は同期モータ1をバッテリー2の直流エネルギーで駆動するモータ制御システムの構成図である。バッテリー2の直流電圧はインバータ3により3相の交流電圧に変換され、同期モータ1に印加される。この印加電圧はコントローラ4において次のような演算を行って決定される。まず、電流指令値発生部6では、モータが発生すべきトルク指令値τrに対して、d軸電流指令値idr,q軸電流指令値iqrを決定する。ここで、d軸は磁極位置(磁束)の方向、q軸は電気的にd軸に直交する方向を示しており、d−q軸座標系を構成する。同期モータ1において同じモータ速度ωで、かつ、同じモータトルクτを発生する条件の下で、idr,iqrの割合を変えることができるが、モータ損失は異なる。そこで、電流指令値発生部6にモータ速度ωを入力することで、トルク指令値τrに対してモータ損失が最も少ない最適なidr,iqrを出力するようにしている。なお、モータ速度ωは速度検出部13において後述する磁極位置θの変化量から検出している。
【0012】
磁石を有する回転子が回転すると、d−q軸座標系も回転するので、静止座標系(α−β軸座標系)からの位相をθとする。つまり、本実施例は磁極の位相θ(以下、磁極位置θとよぶことにする。)を電流から検出することが目的である。d軸電流とq軸電流を指令値どおりに制御できれば、同期モータ1はトルク指令値τrと一致したトルクを発生することができる。なお、トルク指令値τrは直接その値を指示される場合も、図示していない速度制御演算回路から指令される場合もある。
【0013】
また、電流センサ5u,5vから検出されたu相電流iu,v相電流ivは電流検出部10において後述する電流検出パルスPdのタイミングにより検出され、座標変換部11でd−q軸座標系のd軸電流id,q軸電流iqに変換される。この実施例では、電流検出部10で検出する電流はU相とV相の2つの相電流iu,ivであるが、W相電流iwはiu,ivから求めることができるので、W相電流ivの検出を省略している。本発明は3相電流をすべて検出する場合にも適用できることは当然である。電流制御部7では、d軸電流指令値idrとd軸電流idのd軸電流偏差、q軸電流指令値iqrとq軸電流iqのq軸電流偏差を演算し、それぞれの電流偏差に対して比例・積分制御演算によってd軸電圧指令値Vds,q軸電圧指令値Vqsを得る。なお、逆起電力を補償するための制御方法として、モータ速度ωを用いた非干渉制御を行う方法も提案されている。d軸電圧指令値Vds,q軸電圧指令値Vqsは電流制御部7から出力されると、それぞれd軸,q軸の検出用電圧Vdp,Vqpが加算され、座標変換部8に入力される。d軸,q軸の検出用電圧Vdp,Vqpの発生方法が本発明では重要であり、これについては、後で詳細を述べる。座標変換部8では、後述する方法により検出された磁極位置θにより静止座標系の3相電圧指令値Vur,
Vvr,Vwrを演算する。これらの3相電圧指令値は、PWM信号発生部9に入力されて、3相のPWMパルスPup,Pvp,Pwp,Pun,Pvn,
Pwuをインバータ3に出力する。これにより、同期モータ1に印加する電圧が決定される。このようにして、同期モータ1を制御することができる。
【0014】
次に、本願の特徴である位置検出方法について説明する。図1において、位置検出を行う位置検出部12は、検出用電圧発生部14,電流差分差演算部15,磁極位置推定部16,位置推定異常判定部17から構成されている。
【0015】
まず、検出用電圧発生部14と電流差分差演算部15の動作原理を説明するために、図2のタイムチャート、図3のフェーザ図、図4のフローチャートを用いる。図2は3相の印加電圧のタイミングとPWM信号の発生状態を示したもので、実際にはPWM信号発生部9の動作状態である。三角波状の搬送波に対して、各相の電圧指令値Vur,Vvr,Vwrの波形を比較することにより、3相のPWMパルスPup,Pvp,Pwpを得ることができる。なお、PWMパルスPun,Pvn,Pwuは短絡防止期間を無視すれば、それぞれPWMパルス
Pup,Pvp,Pwpを反転したものとなるので、ここでは、短絡防止期間を省略して説明する。また、本発明は搬送波2周期の間の電流変化を基に磁極位置を推定する方法であるが、容易に理解できるようにするために、その期間内に変化する磁極位置は無視できるものとして説明する。従って、省略した短絡防止期間,回転子が検出時間内に変化することに対する位置の補償は本方式に追加することができる。PWMパルスはデューティー50%以上のとき、平均出力電圧が0あるいは正の値となり、デューティー50%未満のとき、平均出力電圧は負の値となる。図2において、搬送波が最大値の時点(例えば、時刻ta(n),
tc(n))、及び、最小値の時点(例えば、時刻tb(n),td(n))で、電圧指令値Vur,Vvr,Vwrは更新される。この実施例においては、搬送波が最大値の時点では、電流制御部7から出力されるd軸電圧指令値Vds,q軸電圧指令値Vqs、及び、d軸,q軸用検出電圧Vdp,Vqpがすべて更新されるが、搬送波が最小値の時点では、d軸,q軸用検出電圧Vdp,Vqpのみが更新される。このように、電圧の更新のタイミングを設定すると、PWM信号は図2に示すような特徴のある波形となる。仮に、d軸,q軸用検出電圧Vdp,Vqpが常に0であったとするならば、各相の電圧指令値Vur,Vvr,Vwrは破線のように、搬送波が最大値の時点でしか更新されないため、各相のPWMパルスPup,Pvp,Pwpは搬送波が最小値の時点を中心に前後対称である(例えば、時刻tb(n)を中心に、時刻ta(n)から時刻tc(n)までの破線で示したパルス波形を見ると、対称になっている。)。つまり、時刻ta(n)から時刻tb(n)までの各相の印加電圧の平均値は時刻tb(n)から時刻tc(n)までのそれと同じであることがわかる。また、その短時間での逆起電力はほぼ一定とみなしてよいので、ta(n)からtb(n)までの電流変化量(電流差分ベクトルΔia(n))と、tb(n)からtc(n)までの電流変化量(電流差分ベクトルΔib(n))はほぼ同じになる。このことは、検出用電圧ベクトルVp(Vdp,Vqpの要素からなる電圧ベクトル)が常に0であれば、ΔiaとΔibとの差、つまり、電流差分差ベクトルΔΔi1は0となることを意味している。逆にいえば、ta(n)からtb(n)までの期間と、tb(n)からtc(n)までの期間で、例えば、検出用電圧ベクトルVpがta(n)からtb(n)の期間はVa(n),tb(n)からtc(n)までの期間はVb(n)というように、Va(n)とVb(n)が異なる場合には、電流差分差ベクトルΔΔi1(n)はVa(n)−Vb(n)(この電圧差ベクトルをVab(n)とする)だけの影響を受けた値となる。これを得ることが目的である。
【0016】
そのため、時刻ta(n)では、電流制御部7で決定されるVds,Vqsの電圧ベクトルV1(n)と検出用電圧ベクトルVa(n)のベクトル和がPWM信号発生部9にセットされる。時刻tb(n)には、電圧ベクトルV1(n)と検出用電圧ベクトルVb(n)のベクトル和がセットされる。詳細は後述するが、Va(n)とVb(n)の電圧ベクトルが
Va(n)=−Vb(n)
の関係を持つように設定すると、図2のように、実線で示す各相のPWM信号
Pup,Pvp,PwpはVa(n)=Vb(n)=0のときのPWM信号を表わす破線に比べて、パルス幅は変化させないで、前方、あるいは、後方に移動させられることがわかる。これによって、電流差分差ベクトルΔΔi1(n)にVab(n)だけの影響が出ることになる。同様に、時刻tc(n)のとき、電流制御部7で新たに演算されたVds,Vqsの電圧ベクトルV2(n)と検出用電圧ベクトル
Vc(n)のベクトル和がPWM信号発生部9にセットされ、時刻td(n)までの期間、それによってPWM信号が決定される。時刻td(n)になると、V2(n)と検出用電圧ベクトルVd(n)のベクトル和がセットされ、時刻ta(n+1)までの期間、これによりPWM信号が設定される。この場合も、時刻tc(n)からta(n)までの実線で示したPWM信号は破線のPWM信号と比較して位相だけが移動していることがわかる。なお、電流検出信号Pdは搬送波が最大値、及び、最小値になった時点で発生する。このタイミング、つまり、ta(n),tb
(n),tc(n),td(n)の時点において、電流検出部10での各相の電流を検出することになり、電流差分ベクトルΔia(n)などを求めることができる。
【0017】
次に、図3のフェーザー図を用いて、図2で発生するPWM信号の意味を補足する。図3において、実際の電圧・電流ベクトルは図3(a)(b)(c)(d)であり、それぞれta(n)からtb(n)の間、tb(n)からtc(n)の間、tc(n)からtd(n)の間、td(n)からta(n+1)の間の関係を示している。最終明には、図3(f)の電圧差ベクトルVab(n),Vcd(n)、電流差分差ベクトルΔΔi1(n),ΔΔi2(n)の関係を得ることが目的である。
【0018】
図2において説明したように、時刻ta(n)において、電圧ベクトルV1(n)と検出用電圧ベクトルVa(n)の和であるV1a(n)をセットすると、時刻tb(n)まで、図3(a)に示す電圧ベクトルは保持される。ここで、電圧ベクトルV1(n)は電流制御部7で演算された結果であり、任意に設定することはできない。それに対して、検出用電圧ベクトルVa(n)は次のように設定する。コントローラが設定している磁束の方向(以下、dc軸とよぶ)と、それに直交する方法(以下、qc軸とよぶ)に対して、それぞれV0の値を設定する。つまり、図3(e)に示すように、電圧ベクトルVa(n)はdc軸とqc軸を分割する方向、dc軸に対して45度の方向に設定する。なお、実際の回転子の磁極位置であるd軸とコントローラが設定しているdc軸の関係は未定である。図3(a)において、電流ベクトルia(n)とその差分値である電流差分ベクトルΔia(n)の関係を示す。Δia(n)は印加したV1a(n)だけでなく、逆起電力の大きさと方向,電流の値などにより変化するので、一義的に決定することはできない。なお、Δia(n)はta(n)からtb(n)までの電流変化量で求められるので、ib(n)−ia(n)を計算することで求めるが、実際には、時刻tb(n)になってib(n)を検出して、この演算は実行することになる。ib(n)とia(n)の差は小さいが、わかりやすくするため、Δia(n)を大きく示している。
【0019】
時刻tb(n)から時刻tc(n)の間は、図3(b)に示すフェーザ図となる。検出用電圧ベクトルVb(n)は図3(e)に示すように、Vdp=−V0,Vqp=−V0とする。つまり、Vb(n)はVa(n)に対して、方向が180度異なる電圧ベクトルである。このVb(n)と電流制御部7で演算されたV1(n)の和である電圧ベクトルV1b(n)を印加すると、電流ベクトルib(n)に対して、電流差分差ベクトルΔib(n)が得られる。この場合も、実際にΔib(n)は時刻
tc(n)で電流ベクトルic(n)を検出し、ic(n)−ib(n)の結果として得られる。また、時刻ta(n)から時刻tc(n)までの印加電圧ベクトルの平均値は電流制御部7で演算されたV1(n)と一致するので、検出用電圧ベクトルVa(n),Vb(n)を追加しても、電流制御系に対して、悪影響を及ぼすことはない。ここでは、さらにΔia(n)とΔib(n)との差から、第1の電流差分差ベクトルΔΔi1(n)を求めることができる。Δia(n)は、印加する電圧ベクトルV1(n),Va(n)の他に、逆起電力,電流ベクトルにより決定されるので、
Va(n)だけの影響を得ることはできない。しかし、電流差分差ベクトル
ΔΔi1(n)は2つの電流差分ベクトルの差を用いることにより、V1(n),逆起電力,電流ベクトルの演響をほぼキャンセルして、Va(n)−Vb(n)、つまり、電圧差ベクトルVab(n)だけを同期モータ1に印加したときの特性を知ることができる。この状態を図3(f)に示す。
【0020】
時刻tc(n)のとき、印加する電圧ベクトルV2c(n)は電流制御部7で新たに演算された電流制御のための電圧ベクトルV2(n)と、検出用電圧ベクトル
Vc(n)との和である。Vc(n)は図3(e)に示すように、Vdp=V0,
Vqp=−V0としている。そのため、時刻tc(n)から時刻td(n)の間は、図3(c)に示すフェーザ図となる。時刻td(n)における電流ベクトルid(n)とic(n)の差から、図3(c)の電流差分ベクトルΔic(n)が求められる。
【0021】
時刻td(n)から時刻ta(n+1)まで印加する電圧ベクトルV2d(n)は、V2(n)と検出用電圧ベクトルVd(n)の和である。Vd(n)はVdp=−V0、Vqp=V0に設定しており、図3(e)のようにVc(n)と逆方向の電圧ベクトルである。これにより、電圧差分ベクトルΔid(n)が決定される。なお、このΔid(n)は時刻ta(n+1)のときの電流ベクトルia(n+1)とid(n)の差から求められるので、時刻ta(n+1)以降に演算しなければならない。このとき、Δic(n)とΔid(n)の差から、第2の電流差分差ベクトルΔΔi2(n)を求める。ΔΔi1(n)と同様に、ΔΔi2(n)は電圧差ベクトルVcd
(n)(つまり、Vc(n)−Vd(n))だけに対する同期モータの突極性を反映した電流ベクトルとなっている。図3(f)がこのベクトルの関係をまとめたものであり、コントローラ内で想定しているdc軸が同期モータ1のd軸と一致している場合の例である。同期モータ1の回転子は逆突極性を有しているため、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqよりも小さく、d軸方向に電流が流れやすい。そのため、d軸とq軸との中間である45度方向(Vab(n)、及び、Vcd(n)の方向)に電圧を変化させると、それに対する電流の変化、電流差分差ΔΔi1,ΔΔi2は45度方向よりもd軸方向に向く、この場合、
ΔΔi1(n),ΔΔi2(n)が同じ大きさであるということが、dc軸とd軸とが一致していることを意味している。また、dc軸がd軸より進んでいる場合には、Vcd(n)がVab(n)よりもd軸に近づくので、ΔΔi2(n)がΔΔi1(n)よりも大きくなるため、これを検出することで、d軸方向がdc軸よりも遅れていることを検知できる。
【0022】
前述したように、上記の検出方法を具体的に行う演算部が検出用電圧発生部
14,電流差分差演算部15であり、このフローチャートを図4に示す。基本的には、図2,図3で説明したことをフローチャート化したものである。ステップ110において、時刻tを判断し、時刻t=ta(n)のとき、ステップ111からステップ114までの処理を行う。ステップ111では、時刻td(n−1)で設定された電圧Vd(n−1)により流れる電流ベクトルia(n)を検出する。図3(a)に示す電圧ベクトルV1a(n)は時刻td(n−1)で既に演算された結果をPWM信号発生部9にセットする。この動作はコントローラ4内で自動的に行うことも可能である。この電圧をセットすることにより、図2の時刻ta(n)からtb(n)までのPWM信号を発生することができる。ステップ112,113は後述する。ステップ114では、電圧ベクトルVbを検出用電圧発生部14で決定して、座標変換部8に出力する。これにより、時刻tb(n)にV1b(n)がPWM信号発生部9にセットされる。この処理を行うのがステップ121であり、同時に電流ベクトルib(n)を検出する。ステップ122では、これが図3
(a)に示す電流差分ベクトルΔia(n)がia(n)とib(n)の差から演算される。ステップ124では電圧ベクトルVc(n)を座標変換部8に出力するので、時刻tc(n)のステップ131で図3(c)のような電圧ベクトルV2c(n)がセットされる。なお、電流制御部7では、搬送波周期毎に電流制御演算が行われる場合を示しているため、時刻tc(n)よりも以前に電圧ベクトルV2(n)が演算されて、図3(c)の電圧ベクトルV2c(n)がPWM信号発生部9にセットされる。ステップ131で電流ベクトルic(n)が入力されると、次のステップ132では電流差分ベクトルΔib(n)が求められる。次のステップ133は、電流差分差ΔΔi1(n)をΔia(n)とΔib(n)の差から演算するものである。この値は電圧ベクトルVa(n)とVb(n)の差であるVab(n)だけにより流れる電流成分である。さらに、ステップ134で決定されて座標変換部8に出力される電圧ベクトルVd(n)と先に演算されたV2(n)の和、つまり、電圧ベクトルV2d(n)が時刻td(n)のステップ141でPWM信号発生部9にセットされる。また、電流ベクトルid(n)もステップ141で入力されると、次のステップ142において、電流差分ベクトルΔic(n)がid(n)とic(n)の差から計算される。ステップ144では、電圧ベクトルVa(n+1)が設定され、座標変換部8に出力される。このような一連の演算が行われることにより、電流差分差ベクトルが求められる。時刻tc(n)から時刻ta(n+1)までの電流差分差ベクトルΔΔi2(n)は時刻ta(n+1)のステップ112,113において演算される。つまり、ステップ112で、電流差分ベクトルΔid(n)が
ia(n+1)とid(n)の差から求められると、次のステップ113において、電流差分ベクトルΔic(n)とΔid(n)の差として電流差分差ベクトル
ΔΔi2(n)が計算される。このステップ133と113で計算された電流差分差ベクトルΔΔi1(n)とΔΔi2(n)が磁極位置推定16、及び、位置推定異常判定部17に入力され、磁極位置の演算と位置推定の異常の有無を判断するために用いられる。
【0023】
では、図5を用いて、磁極位置推定部16の処理内容を説明する。ステップ
151では、電流差分差ベクトルΔΔi1(n)とΔΔi2(n)を入力し、それぞれの大きさddi1,ddi2を演算する。次に、ステップ152では、電流偏差εをddi1とddi2の差から求める。図3の説明でも述べたように、この電流偏差εが負であれば、dc軸はd軸より進んでいることを意味しており、電流偏差εが正であれば、dc軸はd軸より遅れていることを意味する。従って、ステップ153では、電流偏差εが正の場合には、dc軸をd軸に近づけるために、推定した磁極位置θを進め、負であれば、磁極位置θを遅らせるように、現在の推定した磁極位置θを基に、電流偏差εに対して関数fi(ε)の演算を行う。上記の動作を行う方法として、関数fi(ε)は電流偏差εに対して比例・積分演算を行うことが最も有効である。また、関数fi(ε)としては、符号だけにより一定値を加算あるいは減算しながら磁極位置θを実際のd軸に収束する方法もある。
【0024】
ところで、この実施例の方法では、磁極位置θを離散時間で検出しているため、検出する時間内にもモータは回転している。特に、モータ速度が高い場合には、その移動量がモータ速度に比例して大きくなる。そこで、ステップ154では、速度検出部13で検出される速度ωを用いて、磁極位置のモータ速度補償演算が行われる。関数fω(ω)は速度に比例した関数でよい。また、モータ速度ωが非常に大きい場合には、ta(n)からta(n+1)までの間に変化する磁極位置θにより、電流差分差ベクトルもその影響を受けるので、これを補償することを関数fω(ω)に考慮してもよい。
【0025】
以上のような演算を行うことにより、磁極位置推定部16で磁極位置θを推定することができる。この方式の特徴は同期モータの突極性、あるいは、逆突極性を利用することにより、モータの電流制御に用いる電流センサだけを利用して、高精度に、短時間に磁極位置を検出できることである。特に、2方向に検出用電圧を印加してそれに対する電流差分差の大きさの違いを検出するので、検出した磁極位置θが実際の磁極位置からわずかにずれたときにも、その2つの電流差分差の大きさが感度よく異なり、高精度化を小さい電圧印加で達成できる。また、図5の処理方法からわかるように、同期モータ1の定数や電圧などのパラメータを用いないで位置検出するので、パラメータの影響を受けず、経年変化による特性の劣化も生じない利点もある。
【0026】
図6は位置推定異常判定部17において演算される内容を示したもので、磁極位置が正しく検出されていないことを判定するための磁極位置異常判定のフローチャートである。ステップ161において、電流差分差ベクトルΔΔi1(n)とΔΔi2(n)の位相θ1,θ2をそれぞれ算出する。ステップ162では、この2つの電流差分差ベクトルの位相差θdをθ1とθ2との差により求める。図3(f)に示すように、印加する検出用電圧Vab(n)とVcd(n)の位相差が
90度で、かつ、dc軸がd軸に対して、±45度以内の方向にあるとき、回転子の逆突極性のため、位相差θdは90度以内になる。そこで、ステップ163において、位相差θdが90度を越えているか否かを判断する。位相差θdが
90度以内であれば、正常に検出ができていると判断できるので、磁極位置異常に対する処理は行わない。これに対して、位相差θdが90度を越えている場合には、推定した磁極位置θが実際の磁極位置から±45度以上ずれたと判断して、ステップ164でインバータ停止信号PeをPWM信号発生部9に出力する。これにより、インバータ3を停止することができるので、磁極位置θが実際の磁極位置から外れて、同期モータ1を脱調状態にすることを防止できる。ステップ164は1回の異常判定だけでなく、複数回の異常判断を行った後、処理する方法を採用してもよい。一般的には、図5の位置検出処理を行うことにより、磁極位置を常に検出することを補償しているが、何らかの原因により、磁極位置が検出できなくった場合にも、速やかに安定して停止することができる特徴を持っている。
【0027】
この実施例はdc軸方向に対して軸対称の45度方向に2つの検出用電圧ベクトルを印加した場合について説明したが、qc軸方向に対して、軸対称の45度方向に2つの検出電圧ベクトルを印加する場合にも、同様に電流センサだけで位置検出を行うことができる。また、45度方向に電圧を印加する方法は最も安定性が確保される方向であるが、軸対称の方向であれば、45度方向に限定されるものではない。さらに言えば、2つの方向に検出用電圧ベクトルを印加することにより、磁極位置を検出することは可能であり、軸対称の方向以外にも2つの電圧を印加しながら位置検出を行うことも本発明を適用できる。
【0028】
図7から図10までは、本発明の他の実施例で、検出用電圧ベクトルをd軸方向とq軸方向に印加して磁極位置を検出するものである。
【0029】
図7は検出用電圧発生部14の処理が図4と異なるフローチャートである。図7の処理が図4と異なる点は、検出用電圧を発生するステップ171,173,175,177と、ステップ174,176のセットする電圧である。その他のステップは図4と同じ内容なので、説明を省略する。
【0030】
ステップ174,176が図4と異なる点は直接的には発明に影響しない事項であるが、時刻ta(n)以前に電流制御部7で演算された電圧ベクトルV1(n)がそのまま用いられる点である。つまり、電流制御部7が搬送波の2周期毎に電流制御演算を行う場合の処理であり、電圧ベクトルV1(n)と検出用電圧ベクトルVc(n)の和である電圧ベクトルV1c(n)をPWM信号発生部9にセットする。ステップ176についても同様に、電圧ベクトルV1(n)と検出用電圧ベクトルVd(n)の和である電圧ベクトルV1d(n)をセットする点が図4と異なる。この実施例では、本発明の磁極位置検出方法が電流制御の演算結果や演算方法には影響されないことを示したものである。
【0031】
ステップ171,173,175,177はそれぞれ時刻ta(n),tb(n),tc(n),td(n)の時点で、検出用電圧発生部14から出力する電圧Vb(n),Vc(n),Vd(n),Va(n+1)を決定するものである。それぞれの電圧は図7に示したとおりであるが、dc軸の正方向・負方向、あるいは、qc軸の正方向・負方向のいずれかであり、実際に印加する電圧ベクトルは図8に示すとおりである。つまり、図7が図4と実質的に異なるのは印加する検出電圧ベクトルの方向だけである。
【0032】
それでは、図8のフェーザ図について説明する。図3のフェーザ図と比べて、図8(a),(b),(c),(d)はVa(n),Vb(n),Vc(n),Vd(n)の方向がdc軸、あるいはqc軸方向である。そのため、電流差分ベクトルΔia(n),Δib(n),Δic(n),Δid(n)が図3の場合と少しずつ異なる。これらの電流差分ベクトルから計算される電流差分差ベクトルΔΔi1(n),ΔΔi2(n)は電圧差ベクトルVab(n),Vcb(n)と回転子の逆突極性だけに影響されるが、dc軸が実際の磁極位置であるd軸と一致している場合には、図8(f)に示すようなフェーザ図となる。この場合には、ΔΔi1(n),ΔΔi2(n)の位相θ1,θ2の差、位相差θdは90度である。dc軸がd軸よりも進んでいるときには、回転子の逆突極性の影響で位相差θdは90度よりも大きくなり、遅れる場合には90度よりも小さくなる。このことを利用して位置検出を行う方法を図9に示す。
【0033】
図9のフローチャートはこの実施例に対して図1の磁極位置推定部16の演算方法を示したものである。ステップ181でΔΔi1(n),ΔΔi2(n)の位相θ1,θ2の演算した後、ステップ182において、それらの差である位相差
θdを求める。次にステップ183が磁極位置θの演算部である。90度と位相差θdの差を基に、関数fp(90゜−θd) を演算する。関数fp(90゜−
θd) としては、比例・積分演算を行うことにより、磁極位置θを補正している。つまり、90゜−θdの値が正であれば、θdが90度よりも小さいことを意味しているので、dc軸はd軸より遅れていることになる。従って、90゜−
θdの値に応じて、比例・積分演算により磁極位置θを大きくすることで、dc軸をd軸に近づることができる。また、90゜−θdの値が負であれば、θdが90度よりも大きく、dc軸がd軸よりも進んでいることになるので、比例・積分演算により、磁極位置θを小さくしている。このような演算を行うことにより、dc軸をd軸に一致させることができる。この方法は2つの電流差分差ベクトルの位相差を90度にするように演算するだけで磁極位置を推定することができるので、同期モータなどの定数変化の影響を受けない利点がある。通常、位置センサレス制御を行う場合には、逆起電力や電流脈動の影響を除くために、各種のノイズ除去用フィルタを用いるが、本発明の方法によれば、そのようなフィルタ処理を必要としない特徴がある。
【0034】
図10は図6とは異なる磁極位置異常判定のフローチャートである。この実施例の場合には、検出用電圧ベクトルをd軸、あるいは、q軸に印加する。逆突極性の影響を受けて、d軸方向の電流は流れやすく、q軸方向の電流は流れにくいので、d軸側の電流差分差ベクトルΔΔi1(n)の大きさddi1はq軸側の電流差分差ベクトルΔΔi2(n)の大きさddi2に比ベて大きくなっていなければならない。このことを利用して磁極位置の異常状態を検出するアルゴリズムが図10である。ステップ191において演算した電流差分差ベクトルΔΔi1
(n),ΔΔi(n)2の大きさddi1,ddi2を用いて、ステップ192でそれらの差である電流偏差ε(=ddi2−ddi1)を計算する。このεが小さい場合には、電流差分差ベクトルΔΔi1(n)が電流差分差ベクトルΔΔi2(n)よりも実際のd軸方向に近いことを意味しているので、ステップ193ではεが0、または、負のとき、正常であると判断し、磁極位置異常処理は行わない。これに対して、εが正であれば、ΔΔi2(n)が実際のd軸方向に近いことを意味しているので、磁極位置異常と判断して、ステップ164の処理を行う。これにより、インバータ停止信号PeをPWM信号発生部9に出力し、インバータ3を停止する。このように、磁極位置の推定を行う電流差分差ベクテルの情報を用いながら、磁極位置検出状態が異常でないかを診断できるので、高信頼の位置センサレス制御システムを簡単な演算方法により構築できる特徴がある。
【0035】
上述した方法は同期モータの逆突極性を利用した磁極位置検出方法であるが、逆起電力の方向から磁極位置を推定する方法などと組合せることも有効である。
【0036】
以上が、本発明の一実施例であり、電流センサだけを用いて同期モータの磁極位置を検出する方法を述べた。同期モータとしては、逆突極性を含む突極性を持つロータのいずれにも適用できることを述べた。また、同期モータの他に、リラクタンスモータでも突極性を利用して本発明を適用することができる。また、本実施例では、モータの回転子がサンプリング時間中に回転することによる影響を考慮して磁極位置を演算するようにしても、本実施例を適用できることはいうまでもない。さらに、磁極位置検出を搬送波2周期毎に行う方法について述べてきたが、搬送波の多周期毎に電流変化を用いて検出する方法や、搬送波の複数周期単位の電流変化を基に磁極位置検出を行う方法などが同じ手法で実現できる。応用としては、電気自動車やハイブリッド自動車に適用できるほか、現在120度通電方式のインバータ制御を用いてセンサレス制御している磁石モータに対しても、本実施例を用いれば、180度通電方式のインバータ制御によりトルク脈動と低騒音のセンサレスシステムを提供できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、電流センサを用いるだけで、通常のPWM制御を行いながらオンラインで磁極位置を高精度に検出できるので、機械的な回転位置を計測する磁極位置センサを用いないで、低騒音で、かつ、トルク制御性の優れた同期モータの駆動システムを低コストで提供できる効果がある。
【0038】
また、磁極位置検出状態を監視することが容易なので、交流モータの信頼性の高い位置センサレス制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PWM信号を発生する搬送波に同期して電流の変化を検出することにより、同期モータの磁極位置を検出する本発明を適用したときの一実施例を示す構成図である。
【図2】2つの方向に検出用電圧を印加したときの各相の電圧とPWM信号の関係を示すタイムチャートである。
【図3】d軸,q軸に対して、45度方向に検出用電圧を印加したときの電圧のベクトルと電流差分差ベクトルの状態を示したフェーザ図である。
【図4】図1の検出用電圧発生部14と電流差分差演算部15において、45度方向に検出用電圧を印加したときの演算内容を示したフローチャートである。
【図5】図1の磁極位置推定部16における磁極位置の演算方法を示したフローチャートである。
【図6】図1の位置推定異常判定部17における磁極位置異常を判断するフローチャートである。
【図7】図1の検出用電圧発生部14と電流差分差演算部15において、d軸方向とq軸方向に検出用電圧を印加したときの演算内容を示したフローチャートである。
【図8】図7の処理を行ったときの電圧ベクトルと電流ベクトルの関係を示したフェーザ図である。
【図9】図7に示す検出用電圧を印加したときに、図1の磁極位置推定部16で行う磁極位置の演算方法を示したフローチャートである。
【図10】図7に示す検出用電圧を印加したときに、図1の位置推定異常判定部17で行う磁極位置異常を判断するフローチャートである。
【符号の説明】
1…同期モータ、2…バッテリー、3…インバータ、4…コントローラ、5u,5v…電流センサ、6…電流指令値発生部、7…電流制御部、8,11…座標変換部、9…PWM信号発生部、10…電流検出部、12…位置検出部、13…速度検出部、14…検出用電圧発生部、15…電流差分差演算部、16…磁極位置推定部、17…位置推定異常判定部。
Claims (8)
- 同期モータと、
前記同期モータに電圧を印加する電力変換器と、
前記同期モータに印加する前記電圧を制御する制御装置とを有するモータ制御装置であって、
前記制御装置は、少なくとも2方向に検出用電圧を印加し、それぞれに対する電流変化の大きさが一致するように制御することにより、前記同期モータの回転子位置を推定する位置推定装置を備えたことを特徴とするモータ制御装置。 - 突極性を有する交流モータと、
前記交流モータに電圧を印加する電力変換器と、
前記交流モータに印加する前記電圧を制御する制御装置とを有するモータ制御装置であって、
前記制御装置は、少なくとも2方向に検出用電圧を印加し、それぞれに対する電流変化の大きさが一致するように制御することにより、前記交流モータの回転子位置を推定する位置推定装置を備え、推定した前記回転子位置により前記交流モータに印加する前記電圧を算出することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1又は2記載のモータ制御装置において、
前記制御装置は、少なくとも2方向の前記検出用電圧のベクトルを前記回転子位置の方向に対して軸対称になる方向、あるいは、前記回転子位置の方向に直交する方向に対して軸対称になる方向に印加して、電流変化の大きさが一致するように制御することにより、前記位置を検出することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1乃至3の何れか一に記載のモータ制御装置において、
前記制御装置は、前記電流変化の位相差から制御系の異常を検出することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1又は2記載のモータ制御装置において、
前記制御装置は、少なくとも2方向の前記検出用電圧のベクトルを推定回転子位置方向とそれに直交する方向に印加して、それぞれの電流変化の位相差から回転子位置を検出することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1,2、又は5記載の何れか一に記載のモータ制御装置において、
前記制御装置は、前記電流変化の大きさから制御系の異常を検出することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1乃至6の何れか一に記載のモータ制御装置において、
前記電力変換器は、搬送波に同期したPWM信号により前記電圧を前記モータに印加するとともに、前記搬送波に同期して電流を検出することを特徴とするモータ制御装置。 - 同期モータと、
前記同期モータに電圧を印加するインバータと、
前記同期モータに印加する前記電圧を制御する制御装置とを有するモータ制御装置であって、
前記制御装置は、電流制御部及び位置検出部を有し、
前記電流制御部は、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を出力し、
前記位置検出部は、2方向の検出用電圧を印加して、該検出用電圧のうちの一方を前記d軸電圧指令値に加算し、該検出用電圧のうちの他方を前記q軸電圧指令値に加算して、それぞれに対する電流変化の大きさが一致するように制御することにより、前記同期モータの回転子位置を推定する位置推定装置を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
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