JP5045454B2 - 管壁への熱電対取付構造及び熱電対取付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラーの水管等の加熱された管壁の温度を測定するための熱電対の取付構造に係り、より詳しくは、管壁の外周面に沿って凹溝を形成し、該凹溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造及び取付方法に関する。
この種の熱電対取付構造としては、従来、たとえば管壁の円周面に沿って管厚の許容限度内の深さとその約2倍の巾の溝を穿削し、この溝の断面積よりも僅かに小さい断面積の熱電対を溝内に嵌合し、熱電対を上方より加圧変形して溝底に密接すると共に、管壁の外周面と等高にして溶接等によって固定したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、埋め込み加工した溝底との密着良好であるとともに管壁外面に余分な張り出しがなく管の真温に近い温度測定が可能であり、パッド方式のような温度分布の乱れやコーダル方式のような機械的強度劣化のない構造が提供できる。
しかしながら、この特許文献1の構造は、熱電対を溝内に嵌合して加圧成形した後、管壁と熱電対を直接溶接して固定するため、シースをパンク(熱破壊)させてしまう虞があった。そこで、実際には、図14(a),(b)に示すように、溝110内に嵌合した熱電対101をさらに外側から押える押さえ板102を設け、その押さえ板102を管壁Wに溶接するような構造が採用されていた。しかし、このような押さえ板102を介して固定する構造においては、シースを直接溶接する構造に比べて熱破壊はある程度防止できるものの、管壁Wに形成できる溝の深さが所定寸法内に規定されている関係上、押さえ板102の厚さには限界があり、溶接出力が大きすぎると容易に熱電対101のシースにアークが飛び、パンクさせてしまうことから取付作業が困難であるとともに、平板状の押さえ板102と曲面を有する加圧変形された熱電対101との間には隙間s1,s1が生じるため、温度分布の乱れが生じて温度計測精度が低下するといった課題があった。
また、他の構造として、管の外周面に管の軸方向に直角な円周方向の環状溝を刻設し、管の環状溝に嵌着できる半割り円弧状の埋込み板の内周面に刻設した収納溝に先端感温部を偏平断面に形成したシースを収納し、この埋込み板及び内周面に収納溝のない他方半割り円弧状の埋込み板を両者の埋込み板の外周面と管の外周面とが同一面になるようにして前記管の環状溝に嵌着し、埋込み板と管の接合外周面に溶接により固着するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このような埋込み板は、上記した押さえ板102に比べて収納溝を有する分だけ全体の厚みを大きくすることができ、管壁との溶接の際に熱電対シースにアークが飛ぶといった問題を回避でき、取付作業を容易に行うことができるといったメリットがある。しかしながら、埋込み溝内周面の収納溝に熱電対を収納した状態で環状溝に嵌め込むため、環状溝底面に当たる側の熱電対と収納溝との間に隙間が生じるため、温度分布の乱れが生じて温度計測精度が低下するといった上記構造と同じ課題を抱えている。
特公昭56−4849号公報 実公昭59−20656号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、管壁に形成した溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造において、溶接等の出力によるシースのパンクを回避でき、取付作業の効率化を図ることができるとともに、溝内に隙間を生じることなく熱電対を埋め込むことができ、温度分布の乱れを回避して温度計測精度の向上を図ることができる管壁への熱電対取付構造及び取付方法を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、管壁の外周面に沿って凹溝を形成し、該凹溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造において、前記凹溝を内装されるシース熱電対のシース径より広い所定幅に設定するとともに、前記凹溝内に嵌着される押さえ板及び支持板を設け、該押さえ板の内面側の略中央部に、シース熱電対の断面視外側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第1の収納溝を形成し、前記凹溝の底側に嵌合される支持板の外面の略中央部に、シース熱電対の残りの部分である断面視内側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第2の収納溝を形成し、前記押さえ板と支持板との間にシース熱電対を挟持させた後、当該挟持体を前記凹溝内に嵌着してなることを特徴とする管壁への熱電対取付構造を提供する。
ここで、前記挟持体を構成する押さえ板及び支持板をレーザ溶接により互いに一体化してなる構造が好ましい。
また、前記押さえ板の外面を、前記凹溝内に嵌着した状態で前記管壁の外周面と略面一となるように設定することが好ましい。
また、前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対、シース軸方向途中部に位置する温接点からプラス側およびマイナス側の各素線がシース両端に向けて互いに反対側に延びる構造のものとし、このシース熱電対を前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着した構造が好ましい。
また本発明は、管壁の外周面に沿って凹溝を形成し、該凹溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造において、前記凹溝を内装されるシース熱電対のシース径より広い所定幅に設定するとともに、前記凹溝内に嵌着される押さえ板を設け、該押さえ板の内面側の略中央部に、シース熱電対の断面視外側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第1の収納溝を形成し、前記凹溝の底面、又は前記凹溝の底側に嵌合される支持板の外面の略中央部に、シース熱電対の残りの部分である断面視内側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第2の収納溝を形成し、前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対を先端の温接点からプラス側およびマイナス側の各素線が基端側に向けて同じ側に延びる構造のものとし、このシース熱電対の先端側に、シース内に熱電対素線及び無機絶縁物を収納したダミー管を連結し、当該シース熱電対及びダミー管よりなる連結体を、前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着してなることを特徴とする管壁への熱電対取付構造をも提供する。
更に、前記シース熱電対を、シース外周側に軟質金属層を設けた二重管構造とすることが好ましい。
また、本発明は、前記シース熱電対を断面視偏平な状態に装着する上記した本発明の熱電対取付構造を取り付ける方法において、前記シース熱電対を、断面視偏平な状態に予め成形した後、前記第1の収納溝及び第2の収納溝で形成される同じく偏平な内部空間に装着する熱電対の取付方法をも提供する。
以上にしてなる本願発明に係る熱電対取付構造は、押さえ板の内面側の略中央部に、シース熱電対の断面視外側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第1の収納溝を形成したので、図14で示した従来の押さえ板に比べて厚みを厚く設定でき、したがって溶接作業中に熱電対のシースにアークが飛んでパンクさせるといったことを防止でき、作業の効率化を図ることができるとともに、溶け込みを深くでき、押さえ板と管壁との一体化が向上する。また、本願発明は、熱電対の断面視外側略半分を押さえ板に形成した曲面を有する第1の収納溝に収納し、且つ残りの内側略半分を凹溝の底面又は前記凹溝の底側に嵌合される支持板に形成した曲面を有する第2の収納溝に収納し、これら第1の収納溝と第2の収納溝で熱電対を隙間無く挟み込む構造としたので、従来から提案されている種々の構造に見られるような隙間が発生せず、従って温度分布の乱れが生じず、温度計測精度を向上させることができるのである。
また、前記凹溝の底側に支持板を嵌合させる場合には、押さえ板と支持板との間にシース熱電対を挟持させた後に、当該挟持体を前記凹溝内に嵌着するようにしたので、取付けが容易となり、作業効率を向上できる。この場合、挟持体を構成する押さえ板及び支持板をレーザ溶接により互いに一体化しておけば、熱電対に対する密着性を確実に維持できることとなる。
また、前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対を先端の温接点からプラス側およびマイナス側の各素線が基端側に向けて同じ側に延びる構造のものとし、このシース熱電対の先端側に、シース内に熱電対素線及び無機絶縁物を収納したダミー管を連結し、当該シース熱電対及びダミー管よりなる連結体を、前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着したので、その他の部材でシース熱電対先端側の凹溝を塞ぐ構造に比べて、当該先端側に隙間が生じることを未然に回避でき、しかもダミー管はシース熱電対と同一構成であるので、熱伝導率もほぼ同じとなり、温度分布の乱れを生じさせずに、温度計測精度を向上を図ることができる。
また、前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対を、シース軸方向途中部に位置する温接点からプラス側およびマイナス側の各素線がシース両端に向けて互いに反対側に延びる構造のものとし、このシース熱電対を前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着したので、凹溝がすべてシース熱電対で塞がれ、別部材やダミー管を設けることなく安定した温度分布になるとともに、シース断面を通過する一対あたりの素線の数が1/2となるため断面積を小さくすることができ、凹溝や押え板の幅も小さくて済むことから温度分布の乱れが少なく測定精度が著しく向上することとなり、また断面あたりの素線の数が1/2となるので装着或いは変形させる際に素線の位置を確認する必要性が少なくなり(特に素線が1本の場合は位置合わせが不要となる。)、コスト削減・作業効率アップにも貢献する。
また、前記シース熱電対を、シース外周側に軟質金属層を設けた二重管構造としたので、当該シース熱電対が当接する収納溝の各内壁に微小隙間があっても前記軟質金属層が柔らかく変形して微小隙間を埋めて密着性を向上し、これにより接触熱抵抗を小さくできるので、温度計測精度をより向上させることができる。
また、前記シース熱電対を断面視偏平な状態に装着してなる場合において、前記シース熱電対を、断面視偏平な状態に予め成形した後、前記第1の収納溝及び第2の収納溝で形成される同じく偏平な内部空間に装着することとしたので、組付けが容易となり、良好な密着性を確実に維持できる。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱電対取付構造を採用した全体構成を示す図であり、図1〜10は第1実施形態及びその変形例を、図11〜13は第2実施形態を示し、図中符号Sは熱電対取付構造、Wは管壁、1はシース熱電対、2は押さえ板、10は凹溝、20は第1の収納溝、30は第2の収納溝をそれぞれ示している。
本発明に係る管壁への熱電対取付構造Sは、図1及び図2に示すように、管壁Wの外周面に沿って凹溝10を形成し、該凹溝10内にシース熱電対1を埋め込んでなる構造であり、具体的には、凹溝10が内装されるシース熱電対1のシース径よりも広い所定幅に設定され、凹溝10内に嵌着される押さえ板2が設けられ、図2に示すように、該押さえ板2の内面側の略中央部には、シース熱電対1の断面視外側略半分1aを隙間なく収納するための曲面R1を備えた第1の収納溝20が形成されるとともに、凹溝10の底面10cの略中央部には、シース熱電対1の残りの部分である断面視内側略半分1bを隙間なく収納するための曲面R2を備えた第2の収納溝30が形成され、シース熱電対1を第1の収納溝20と第2の収納溝30の間に隙間無く挟み込んだ状態で凹溝10内に埋め込むものである。
管壁Wに形成する凹溝10は、軸方向に垂直に周方向全周にわたって刻設され、底面10cの略中央部に形成される前記第2の収納溝30も含めて、その最大深さは規定により定められている。尚、本例では上記したように軸方向垂直な方向に凹溝10を形成しているが、軸方向に対して斜めに形成したものや、全周に設けずに途中までとすることも可能である。凹溝10の幅は、偏平断面に変形される熱電対よりも所定幅大きく設定され、これに同幅の押さえ板2が嵌着されている。底面10cに形成される第2の収納溝30の形状は、変形される熱電対の形状に合わせて設定され、本例では幅方向両端隅部に曲面R2が形成され、偏平に変形した熱電対の外周面が密着し得る形状に構成されている。
押さえ板2は、厚みが、凹溝10の第1の収納溝20を除く深さと略同じ寸法に設定され、幅が該凹溝10と略同じ幅に設定され、当該押さえ板2を凹溝10内に嵌着した状態で、押さえ板2の外面が管壁Wの外周面と略面一となるように設定されている。内面側の略中央部に形成される第1の収納溝20の形状は、上述した第2の収納溝30の場合と同様、変形される熱電対の形状に合わせて設定され、本例では幅方向両端隅部に曲面R1が形成され、偏平に変形した熱電対の外周面が密着し得る形状に構成されている。押さえ板2の素材は、熱伝導率の違いによる温度分布の乱れを避けるべく、管壁Wと同材質が好ましいが、他の材質を採用することも可能である。
シース熱電対1は、従来から公知のものを広く用いることができ、図3(a)の縦断面図に示すように、金属シース11の内部に、先端側などに温接点12aを備え、基端側に向けて同一方向に延びる少なくとも一対の熱電対素線12、12およびこれら熱電対素線12と金属シース11との隙間を埋める無機絶縁物13を収容して構成されている。金属シース11としては、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS316等)やニッケルクローム系耐熱合金(インコネル)等を用いることができ、シース内に充填する無機絶縁物13として、酸化マグネシウム(MgO)等を用いることができる。熱電対素線12は、たとえばプラス側素線にニッケル−クロム合金、マイナス側素線にニッケル合金が用いることができるが、とくに限定されるものではない。また、本例では、熱電対素線12,12を一対のみ収容したもの例示しているが、複数対内挿したものでも勿論よい。
本例では、図1に示すように、シース熱電対1が凹溝10に沿って管壁の略半周の位置まで装着され、当該半周の位置を先端の温接点12aで計測するようにした構造であり、温度分布の乱れを避けるためには、当該シース熱電対1の先端側の凹溝10の空間を塞がなければならない。このため、例えば図3(b)に示すように、押さえ板2の代わりに、内面側に前記第2の収納溝に嵌合する凸部21を設けた嵌合板2Aを準備し、これを凹溝10のシース熱電対先端側の余剰空間に嵌めこむことが好ましいが、このような嵌合板2Aは、シース熱電対1と熱伝導率が異なること、及びシース熱電対1の先端との間に隙間が生じる可能性があることから、温度分布の乱れが多少なりとも発生してしまう。
そこで、本例では、図3(a)に示すように、シース熱電対1の先端側に、金属シース11内に熱電対素線12及び無機絶縁物13を収納したダミー管4を溶接で連結一体化し、当該シース熱電対1及びダミー管4よりなる連結体5を、前記第1の収納溝20及び第2の収納溝30により全周にわたって装着している。このようなダミー管4は、シース熱電対1の先端との間に隙間なく接合しておくことができ、しかも双方同一の構成を有し、熱伝導率がほぼ等しくなることから、温度分布の乱れを回避し、温度測定精度をより向上させることが可能となるのである。
そして、このシース熱電対1及びダミー管4よりなる連結体5は、図4に示すように、収納溝20、30の形状に合わせたプレス金型70、71を用いて、少なくとも凹溝10内に埋め込まれる部分を全長にわたって予め偏平な断面構造に加圧変形した上で、押さえ板2を叩き込みながら凹溝10の第1の収納溝20及び第2の収納溝30の間に嵌め込み装着され、叩き込んだ押さえ板2は、Tig溶接やレーザ溶接により管壁Wに固定される。
このように予めプレス金型70、71を用いて変形しておくことで取付作業が容易となり、密着性も確実に維持できるが、本発明はこれに何ら限定されず、予め変形させるのではなく断面円形のシース熱電対を、装着時に加圧して変形させるようにしてもよい。具体的には、図5に示すように、押さえ板2で最初から加圧する方法や、ロール圧縮などで凹溝10の第2の収納溝30内に断面円形のシース熱電対1を加圧して嵌め込んでおき、さらに押さえ板2で最終押さえ込んで第1の収納溝20及び第2の収納溝30の間に密着状態で収納させるようにしても良い。
また、図6に示すように、前記シース熱電対1を、シース外周側に軟質金属層14を設けた二重管構造とすることも好ましい実施例である。このような軟質金属層14は、当該シース熱電対1が収納溝20、30内に挟持された際、柔らかく変形することが可能であり、当接する収納溝20、30の各内壁との間に表面の粗さ等によって微小隙間が存在しても、これを埋めて密着性を向上させ、当該当接部における接触熱抵抗を小さくすることができる。
このような軟質金属層14の素材としては、熱抵抗も小さく二重管にしても温度計測に影響が少ない素材がより好ましい。例えば、このように柔らかく熱伝達の良好な軟質金属素材として、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などを採用することが好ましい。先端側にダミー管を接続する場合には、このダミー管も同一素材の軟質金属層を形成することが好ましいことは云うまでもない。このような二重管構造は、熱電対素線12及び無機絶縁物13を収容した長尺な内側シース11を縮径加工して、軟質金属層14を構成する同じく長尺な外側シース管の内部に挿着し、さらに当該二重管を一体的に縮径加工することにより所定径に調整する。この縮径加工は、例えば全体をシース長手方向にわたり径方向に加圧した後、ドローイング又はスエージ加工により所定径に縮径させることが好ましく、これにより内側のシース11と軟質金属層14を構成する外側シース同士が互いに密着することとなる。
本例では、埋設するシース熱電対1を偏平な形状としたが、サイズによっては、図7に示すように、断面円形のシース熱電対1をそのままの断面形状で埋設する構造としてもよい。また、図8に示すようにシース熱電対1をシース11の軸方向途中部に温接点12aを有し、該温接点12aからプラス側およびマイナス側の各素線12,12がシース両端に向けて互いに反対側に延びる所謂「単軸型」の構造とし、このシース熱電対1を、図9に示すように凹溝10に沿って全周にわたり装着することも好ましい。この場合、温接点を適宜な位置にセットして配置すればよく、予め上記したダミー管などを設ける必要もなく測定精度を向上させることができ、その断面は図10に示すようにコンパクトとなり、それにより温度分布の乱れが小さくなるとともに凹溝10や押さえ板2の幅等も必要最小限ですみコスト低減も可能となる。
次に、図11〜13に基づき第2実施形態を説明する。
本実施形態は、図11及び図12に示すように、第2の収納溝30を凹溝10の底面に形成する代わりに、凹溝10の底側に嵌合される支持板3の外面の略中央部に形成し、押さえ板2と前記支持板3の各収納溝20,30の間に熱電対1を挟み込んだ構造である。本例では、図13に示すように、あらかじめ押さえ板2と支持板3との間にシース熱電対1を挟み込み、レーザ溶接、特にレーザ微細溶接により互いに一体化することにより挟持体6を構成した後、当該挟持体6を凹溝10内に嵌着される。このように挟持体6を構成してから凹溝10内に嵌め込むようにすれば、取付が容易となり、密着性も確実に維持できるが、特にこのような取付方法に限定されない。
尚、このような挟持体6を構成した後、必要に応じて、凹溝10の寸法に合わせて押さえ板2と支持板3の両面又は片面を研削して寸法を調整すればよい。そして、挟持体6は凹溝10内に嵌め込まれた後、第1実施形態と同様、Tig溶接やレーザ溶接で管壁Wに固定される。その他の構造については、上記第1実施形態と基本的には同じであるため、同一構造については同一符号を付して、その説明を省略する。
以上本発明の各実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
次に、図15に示す熱電対取付構造のモデルに基づき、以下の表1、2に示す材料データ、解析条件を用いて有限要素法による2次元定常伝熱解析を実施した。熱電対埋め込み部空隙の条件として隙間なし、上下隙間有り、下側のみ隙間有り、上側のみ隙間有りの4条件を設定し、図15の点線部(熱電対中央部)について管壁の厚さ方向における温度分布を求めた。
Figure 0005045454
Figure 0005045454
結果、隙間無しの条件の場合、管壁内表面(温度約416℃)から管壁外表面(温度約493℃)まで、管壁厚さ方向の位置(mm)に応じて、直線的に温度上昇する分布を示した。これに対し、隙間がある条件では、図16に示すように、隙間がない条件と比較して温度差が生じた。具体的には、上下隙間有り、下側のみ隙間有りの条件の場合、いずれも4.5mm付近から温度差が生じはじめ、熱電対(埋め込み)深さ位置で約−0.4℃の差となった。また、上側のみ隙間有りの条件の場合、大きな差異は見られなかったが、熱電対(埋め込み)深さ位置を過ぎた付近から若干の温度差が生じた。
以上のことから、熱電対と収納溝の間に隙間があると温度分布の乱れ、温度計測精度が低下することが分かる。特に特許文献2のように下側の隙間が避けられない構造のものでは、この温度分布の乱れが大きくなることが予想できる。
本発明の第1実施形態に係る熱電対取付構造を示す全体図。 同じく熱電対取付構造の要部を示す断面図であり、(a)は分解状態、(b)は組付状態を示す。 (a)は熱電対の先端にダミー管を接続した連結体を示す縦断面図、(b)は凹溝内における熱電対先端側に嵌合板を取り付けた変形例を示す断面図。 プレス金型で熱電対を予め偏平断面に加工する様子を示す説明図。 熱電対を予め偏平断面に加工するのではなく、押さえ板の嵌め込みと同時に加圧して偏平断面にする変形例を示す説明図。 熱電対を二重管構造とした変形例を示す断面図であり、(a)は分解状態、(b)は組付状態を示す。 円形断面の熱電対を組み込む変形例を示す断面図であり、(a)は分解状態、(b)は組付状態を示す。 (a),(b)はシース熱電対を単軸型とした例を示す説明図。 同じく単軸型のシース熱電対の取付構造を示す全体図。 同じく熱電対取付構造の要部を示す断面図。 第2実施形態に係る熱電対取付構造を示す全体図。 同じく第2実施形態の熱電対取付構造の要部を示す断面図であり、(a)は分解状態、(b)は組付状態を示す。 予め挟持体を構成する様子を示す説明図。 (a),(b)は、それぞれ従来の熱電対取付構造を示す断面図。 2次元定常伝熱解析に用いた熱電対取付構造のモデルを示す図。 各条件について空隙無し条件との温度差の分布を示すグラフ。
符号の説明
S 熱電対取付構造
R1 曲面
R2 曲面
s1,s1 隙間
W 管壁
1 シース熱電対
1a 断面視外側略半分
1b 断面視内側略半分
2 押さえ板
2A 嵌合板
3 支持板
4 ダミー管
5 連結体
6 挟持体
10 凹溝
10c 底面
11 金属シース
12 熱電対素線
12a 温接点
13 無機絶縁物
14 軟質金属層
20 収納溝
21 凸部
30 収納溝
70,71 プレス金型
101 熱電対
102 押さえ板
110 溝

Claims (7)

  1. 管壁の外周面に沿って凹溝を形成し、該凹溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造において、
    前記凹溝を内装されるシース熱電対のシース径より広い所定幅に設定するとともに、
    前記凹溝内に嵌着される押さえ板及び支持板を設け、
    該押さえ板の内面側の略中央部に、シース熱電対の断面視外側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第1の収納溝を形成し
    記凹溝の底側に嵌合される支持板の外面の略中央部に、シース熱電対の残りの部分である断面視内側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第2の収納溝を形成し
    前記押さえ板と支持板との間にシース熱電対を挟持させた後、当該挟持体を前記凹溝内に嵌着してなることを特徴とする管壁への熱電対取付構造。
  2. 前記挟持体を構成する押さえ板及び支持板をレーザ溶接により互いに一体化してなる請求項記載の熱電対取付構造。
  3. 前記押さえ板の外面を、前記凹溝内に嵌着した状態で前記管壁の外周面と略面一となるように設定してなる請求項1又は2記載の熱電対取付構造。
  4. 前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対を、シース軸方向途中部に位置する温接点からプラス側およびマイナス側の各素線がシース両端に向けて互いに反対側に延びる構造のものとし、このシース熱電対を前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着してなる請求項1〜の何れか1項に記載の熱電対取付構造。
  5. 管壁の外周面に沿って凹溝を形成し、該凹溝内にシース熱電対を埋め込んでなる熱電対取付構造において、
    前記凹溝を内装されるシース熱電対のシース径より広い所定幅に設定するとともに、
    前記凹溝内に嵌着される押さえ板を設け、
    該押さえ板の内面側の略中央部に、シース熱電対の断面視外側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第1の収納溝を形成し、
    前記凹溝の底面、又は前記凹溝の底側に嵌合される支持板の外面の略中央部に、シース熱電対の残りの部分である断面視内側略半分を隙間なく収納するための曲面を備えた第2の収納溝を形成し、
    前記凹溝を前記管壁外周面の全周にわたって形成するとともに、シース熱電対を先端の温接点からプラス側およびマイナス側の各素線が基端側に向けて同じ側に延びる構造のものとし、このシース熱電対の先端側に、シース内に熱電対素線及び無機絶縁物を収納したダミー管を連結し、当該シース熱電対及びダミー管よりなる連結体を、前記第1の収納溝及び第2の収納溝により全周にわたって装着してなることを特徴とする管壁への熱電対取付構造。
  6. 前記シース熱電対を、シース外周側に軟質金属層を設けた二重管構造としてなる請求項1〜の何れか1項に記載の熱電対取付構造。
  7. 前記シース熱電対を、断面視偏平な状態に装着してなる請求項1〜の何れか1項に記載の熱電対取付構造を取り付ける方法において、前記シース熱電対を、断面視偏平な状態に予め成形した後、前記第1の収納溝及び第2の収納溝で形成される同じく偏平な内部空間に装着する熱電対の取付方法。
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