JP6515584B2 - シース熱電対の取り付け構造及び該取り付け構造に用いるパッド、並びにシース熱電対の取り付け方法 - Google Patents

シース熱電対の取り付け構造及び該取り付け構造に用いるパッド、並びにシース熱電対の取り付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、シース熱電対をパッドを介して測温対象面に取り付ける取り付け構造、及びこれに用いるパッドに関するものである。
この種の取り付け構造としては、従来より、3〜5mm程度の肉厚の金属板(パッド)にシース熱電対の先端感温部を嵌めこんで溶接固定したパッド付き熱電対を用意し、これを測温対象面まで引き込んで、先端のパッドを測温対象面に溶接することで取り付けてなる構造が採用されている(例えば、特許文献1の第5図参照。)
ところで、シース熱電対のシース管は薄肉であるため、あらかじめ工場でパッドに溶接固定する際の溶接工程に細心の注意を要する。シース管がパンクして破損すると吸湿し、測定誤差に繋がるためである。したがって、この溶接工程は製作コストを増大する一因となっている。このパンクを未然に防止し、溶接工程を容易化するべく、シース管の感温部を含む外周部分に補強用の金属管を被せ、該金属管とパッドとを溶接することも行われている。しかし、このように第三の部材(補強用の金属管)がパッドとシース管の間に入ると熱伝導の妨げとなり、温度測定の応答性が低下するという問題があった。
また、パッドとシース管又は補強用の金属管との溶接は、パッドにあらかじめ上下面に開放される切欠き溝を形成し、該溝にシース管又は金属管を嵌め込み、切欠き溝上下の縁部に沿って溶接が為される。特に測温対象面への当接面となる下面側は、温度測定の応答性を維持するために測温対象面に密着できることが重要であるため、溶接部を当接面と面一になるように削る後加工が必要になる。この後加工が不十分だと接触面積が低下し、熱伝導がうまくおこなわれず応答性の低下につながり、品質のばらつきの原因になる。またこの後加工はシース管を破損させないように慎重に行う必要があり、熟練を要する作業であった。
また、このようにして製作されるパッド付き熱電対を測温対象面に取り付ける際には、長く延びる熱電対を測温対象面まで引き込み、先端のパッドを測温対象面に溶接で取り付けることになるが、作業の際に長い熱電対が邪魔になり作業性がわるく、特に測温対象面が入り組んだ設備(ボイラーチューブなど)の場合、作業がより難しく、取り付け作業の良し悪しによって測定誤差、ばらつきが大きくなるため、熟練を要する作業となる。また、この溶接の際に熱電対に熱ダメージを与える可能性もある。更に、測温対象面に溶接固定されると熱電対を交換する場合、パッドの溶接部を切断する等してパッドも再利用できない状態となるため、新たにパッド付き熱電対全体を容易し且つ困難な取り付け作業が再度必要となる。
特開平1−145537号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、シース管のパンク、吸湿、測定誤差、応答性低下の危険を未然に回避でき、製造が容易で、品質を安定化でき、測温対象面への取り付けも容易で、熱ダメージを未然に回避でき、交換も容易なシース熱電対の取り付け構造及びこれに用いるパッドを提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、シース熱電対をパッドを介して測温対象面に取り付ける取り付け構造であって、測温対象面に当接面を当接した状態で固定される前記パッドに、前記シース熱電対の感温部を受け入れる挿着溝を設けるとともに、該挿着溝のシース熱電対を受け入れる口部の外側に、シース熱電対を着脱可能に把持する把持部を設け、前記シース熱電対が、前記測温対象面に固定されたパッドの前記挿着溝に感温部が挿着され、且つ前記把持部により口部外側に出ている部位を把持された状態に取り付けられることを特徴とするシース熱電対の取り付け構造を提供する。
ここで、前記挿着溝を、前記当接面に開口する溝としたものが好ましい。
また、前記パッドを、下面が前記当接面となる略平行な上下面を有する板状のパッド本体より構成するとともに、前記挿着溝として前記当接面に平行に延びる溝をパッド本体に形成し、該挿着溝の前記口部が開口するパッド本体側端部に前記把持部を突設したものが好ましい。
更に、前記挿着溝を、その内壁面が前記シース熱電対の感温部のシース外周面に当接する寸法に設定したものが好ましい。
また、前記把持部を、シース熱電対のシース外周面を挟持する挟持手段より構成したものが好ましい。
また、前記把持部を、前記パッド本体の口部から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝を有する筒状体と、前記筒状体の外周部に設けられ、該貫通溝から筒状体内に突出する挟持片により筒状体内に挿入されたシース熱電対の外周面を押圧し、これによりシース熱電対を筒状体内に挟持する挟持部材とより構成したものが好ましい。
特に、前記挟持部材が、前記挟持片の弾性復元力によりシース熱電対の外周面を押圧するばね材よりなるものが好ましい。
更に、前記シース熱電対のシース外周面に、前記挟持片が軸方向に掛止される段差部を設けたものが好ましい。
より具体的には、前記段差部が、軸方向に所定長さの範囲だけシース外径を縮径させた凹溝よりなるものが好ましい。
また本発明は、上記した取り付け構造に用いるパッドであって、シース熱電対の感温部を受け入れる挿着溝を設けるとともに、該挿着溝のシース熱電対を受け入れる口部の外側に、シース熱電対を着脱可能に把持する把持部を設け、前記シース熱電対は、感温部が前記挿着溝に挿着され、且つ口部外側に出ている部位が前記把持部により把持された状態に取り付けられるパッドをも提供する。
以上にしてなる本願発明によれば、測温対象面にあらかじめ溶接等で固定されたパッドに対し、把持部によりシース熱電対が着脱可能に取り付けられるので、あらかじめ工場でパッドに溶接固定する必要がなく、補強用の金属管も省略することができ、シース管のパンクやそれによる吸湿、測定誤差、応答性の低下を未然に防止することができる。また、同じくシース管をパッドに溶接固定する必要がないことから、測温対象面への当接面となる下面側の後加工も不要となり、製造コスト低減につながるとともに、パッドへの熱伝導が設定どおりに行われ、応答性が維持され、品質が安定化する。
さらに、上述のとおりパッドのみ先に溶接等で固定し、その後にシース熱電対を取り付けることができるので、この場合、パッドの測温対象面への溶接作業のときにシース熱電対が邪魔になるといったことがなく、入り組んだボイラーチューブへの取り付けの際にも作業性を著しく向上させ、測定誤差、そのばらつきが小さく、品質が安定化する。また、溶接作業の際に熱電対が存在しないので熱ダメージを与えることも回避できる。また、熱電対を交換する場合、パッドに対し着脱可能なシース熱電対のみ交換することができ、交換コストを著しく低減できる。
また、挿着溝を、前記当接面に開口する溝としたので、シース熱電対の感温部のシース外周面を前記開口を通じて直接、測温対象面に接触させることができるとともにパッドを薄型化することが可能となり、温度測定の応答性を向上させることができる。
また、パッドを、下面が前記当接面となる略平行な上下面を有する板状のパッド本体より構成するとともに、前記挿着溝として前記当接面に平行に延びる溝をパッド本体に形成し、該挿着溝の前記口部が開口するパッド本体側端部に前記把持部を突設したので、パッドを介してシース熱電対感温部への熱伝達の効率が良く、温度測定の応答性を向上させることができ、すでに固定されているパッドへのシース熱電対の取り付け、配設作業も容易となる。
また、前記挿着溝を、その内壁面が前記シース熱電対の感温部のシース外周面に当接する寸法に設定したので、着脱自在な構造であるにもかかわらずシース熱電対の感温部への熱伝達を滞りないものとし、温度測定の応答性を向上させることができる。
また、前記把持部を、シース熱電対のシース外周面を挟持する挟持手段より構成したので、熱によりパッドとシースの相対移動が生じても、挟持力が負けることでシースを軸方向に逃がし、歪を避けることができる。すなわち、特にボイラーチューブなどは測温対象面であるチューブ外壁が熱収縮により軸方向に大きく移動するため、外壁に溶接固定されたパッドに完全固定された熱電対には大きな外力が作用し、この移動を考慮した熱電対の引き込み作業、配設作業が必要となる。熱電対に外力が作用すると、感温部にも応力が生じ、測定誤差にもなる。本発明は熱電対をパッドに完全固定するのではなく挟持手段で挟持したので、挟持力を設定することで上記のとおり感温部への過大な応力、これによる測定誤差の発生を未然に防止できる。
また、前記把持部を、前記パッド本体の口部から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝を有する筒状体と、前記筒状体の外周部に設けられ、該貫通溝から筒状体内に突出する挟持片により筒状体内に挿入されたシース熱電対の外周面を押圧し、これによりシース熱電対を筒状体内に挟持する挟持部材とより構成したので、シース熱電対を前記筒状体により安定した姿勢に保持し、パッドとの良好な接触状態を維持して温度測定の応答性を向上させることができるとともに、前記熱によるパッドと熱電対との相対移動が生じても該筒状体に沿ってシース熱電対が安定した姿勢を保持したまま軸方向に相対移動することとなり、前記良好な接触状態を維持させることができる。
また、前記挟持部材が、前記挟持片の弾性復元力によりシース熱電対の外周面を押圧するばね材よりなるので、挟持力を容易に所定の力に設定することができ、前記熱によるパッドとシース熱電対との相対移動を確実に行わせて感温部への過大な応力作用を確実に防止することができる。
また、前記シース熱電対のシース外周面に、前記挟持片が軸方向に掛止される段差部を設けてなるので、パッドへのシース熱電対の取り付け作業を確実なものにすることができ、該段差部の高さで相対移動させる際の挟持力を設定することができ、不必要にパッドとシース熱電対が相対移動して外れてしまうことがないようにすることができる。
また、前記段差部が、軸方向に所定長さの範囲だけシース外径を縮径させた凹溝よりなるので、例えばプレス等で、簡易に低コストで前記段差部を構成することができる。
本発明の代表的実施形態に係るシース熱電対の取り付け構造を示す斜視図。 (a)は同じく取り付け構造をパッド上面側から見た正面図、(b)は同じく断面図。 同じく取り付け構造における取り付け手順を示す分解斜視図。 (a)は同じく取り付け構造に用いるパッドを示す斜視図、(b)はパッド本体を当接面側から見た斜視図。 (a)は同じくパッドの上面側からみた正面図、(b)は同じくパッドの把持部の側から見た側面図。 パッド本体に把持部を組み付ける様子を示す分解斜視図。 (a)は取り付け構造の変形例を示す正面図、(b)は同じく断面図。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明のシース熱電対の取り付け構造Sは、図1に示すように、シース熱電対9をパッド1を介して測温対象面8に取り付ける構造であり、パッド1は、図2〜図6に示すようにシース熱電対9の感温部90を受け入れる挿着溝2を有し、且つ該挿着溝2のシース熱電対9を受け入れる口部20の外側に、シース熱電対9を着脱可能に把持する把持部3を有し、測温対象面8に当接面10を当接した状態で固定される。
そしてシース熱電対9は、測温対象面8に固定されたパッド1の挿着溝2に感温部90が挿着され、且つ把持部3によって口部外側に出ている部位を把持された状態に取り付けられる。このように本発明に係る取り付け構造Sは、パッド1に対してシース熱電対9が着脱可能に取り付けられる構造であり、したがって、パッド1のみ先に測温対象面8に固定しておき、後から該パッド1にシース熱電対9を取り付けることができ、取り付け作業効率が著しく向上するとともに、熱電対に熱ダメージを与えることも回避でき、交換の際には、パッド1が測温対象面8に固定された状態のままシース熱電対9のみを取り外し、新たなものに交換することが可能となる。
測温対象面8としては、本例ではボイラーチューブTの外壁面とした例を示しており、パッド1の当接面10は、該外壁面に密着する平行な凹曲面に構成されている。パッド1の測温対象面8への固定は、パッド本体11の把持部3が設けられている基端側の辺を除く3辺を測温対象面8に溶接することにより固定されている(溶接部41)。ただし、溶接以外の他の取付手段でパッド本体11を測温対象面8に固定することもできる。
パッド1は、パッド本体11と把持部3とより構成され、パッド本体11に挿着溝2が形成されている。パッド本体11は、下面が当接面10となる略平行な上下面を有する板状の金属材であり、本例では上述のとおり下面が凹曲面に構成され、上面がこれに平行な凸曲面に構成されている。このようなパッド本体は平らな板材を屈曲させて構成することができるが、これに限定されない。また、平らな板材の下面側を凹曲面に切削加工し、上面は平面のままに構成してものもよい。
パッド本体11の素材は、熱伝導率の違いによる温度分布の乱れを避けるべく、測温対象面8、本例ではボイラーチューブTと同材質が好ましいが、他の材質を採用することも可能である。本例では例えばステンレス材が用いられるが、使用場所及び目的に応じて各種の金属材料が使用可能で、またその厚さも適宜調整することができる。
パッド本体11の挿着溝2は、下面すなわち当接面10に開口する溝とされ、挿着されるシース熱電対9の感温部90を当該開口を通じて直接、測温対象面8に接触させるように構成されている。挿着溝2を下面のみならず上面にも開口する孔により構成することもできる。これによりパッド本体11をさらに薄型に構成することが可能となる。
挿着溝2は、当接面10に平行に延びる溝、すなわちその軸が当接面10に平行な溝とされている。これは挿入されるシース熱電対9の感温部90のシース外面にできるだけ広い面積が接触するようにするためであり、これにより温度測定の応答性を高めることができる。ただし、これに限定されず、例えばシース熱電対先端側ほど測温対象面8に近づくように傾斜した溝としてもよい。挿着溝2の内壁面は、シース熱電対9の感温部90のシース外周面に当接する寸法に設定されている。これにより測温対象面8からパッド本体11に伝わった熱を感温部90に滞りなく伝えることができ、応答性を高めることができる。圧着する寸法としてもよい。
把持部3は、パッド本体11の口部20から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝50を有する筒状体30と、筒状体30の外周部に設けられ、該貫通溝50から筒状体30内に突出する挟持片51aにより筒状体内に挿入されたシース熱電対9のシース外周面を押圧し、これによりシース熱電対9を筒状体30内に挟持する挟持部材51とより構成されている。この貫通溝50と挟持片51aが、シース熱電対9のシース外周面を挟持する挟持手段5として機能する。このように挟持片51aを設けるのではなく、カシメ加工でシース外周面を圧着したものでもよい。
口部20は、パッド本体側端部に形成された上下面に貫通した凹溝21内に開口しており、該凹溝21に筒状体30先端側に形成された取り付け部31がはめ込まれ、溶接により固定されている(溶接部42)。取り付け部31は、筒状体30の先端側外周面を断面視四角形状にカシメ加工することで形成されている。ただし、このような凹溝21を省略してもよい。
挟持部材51は、挟持片51aの弾性復元力によりシース熱電対9のシース外周面を押圧するばね材より構成されている。本例では一対の貫通溝50を筒状体30の軸を挟んで180度対向する位置に設けるとともに、挟持部材51として一対の挟持片51aを有する略コ字状のステンレス製挟持金具を用意し、これを筒状体30の側方から貫通溝50を有する外周部を挟み込むように装着することで、両挟持片51aが各々対応する貫通溝50に嵌まり込み、筒状体30内部のシース熱電対9のシース外周面を押圧することになる。
このように挟持手段5を備えることで、熱収縮で測温対象面8が移動し、パッド1とシース熱電対9の相対移動が生じても、所定の力以上で挟持力が負けてシース熱電対を軸方向に逃がして歪を避けることが可能となる。この際、シース熱電対9の感温部90は挿着溝2内を移動するが、挿着溝2の軸方向の長さを熱収縮による相対移動を見越した十分な距離に設定することで良好な熱伝達を維持し、応答性の低下を防止することができる。例えばボイラーチューブの場合は5mm程度の移動を想定し、挿着溝2の長さを15mm程度設定しておくことが好ましい。
本例では、さらにシース外周面の前記挟持片51aに押圧される軸方向位置には、挟持片51aが軸方向に掛止される段差部91が設けられている。段差部91は、軸方向に所定長さの範囲、具体的には貫通溝50と同じ範囲だけシース外径を縮径させた全周にわたる凹溝よりなり、シース熱電対9を所定の位置まで挿入できていることの確認になる位置決め用の溝としても機能する。また、挟持片51aではなく筒状体をカシメ加工してシース外周面を圧着させる際には、前記段差部91がカシメ加工によりシース外周面を軸方向に容易に移動しないように把持する溝となる。
筒状体30及び挟持部材51は、パッド本体11と同一素材を用いることが熱分布が均一となる点で好ましい。本例では上記のとおり挟持部材51を筒状体30に側方から着脱できる金具で構成しているが、溶接等で筒状体30に固定されているバネ材で構成することもできる。
シース熱電対9は、異種金属からなる熱電対素線を先端封止される金属シースに電気絶縁材とともに内装した従来から公知の熱電対を広く用いることができる。例えば、金属シースはオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS316等)やニッケルクローム系耐熱合金(インコネル)等を用いることができる。内装される熱電対素線は、例えばプラス側素線にニッケル−クロム合金、マイナス側素線にニッケル合金が用いることができる。シース内に充填する電気絶縁材は、例えばMgOやAl等を用いることができる。
また、感温部90はシース内部に熱電対素線の温接点が設けられているが、この温接点は金属シースに非接触のものや、金属シースに溶接して形成したもの、先端封止時にシース先端部と一体化したもの等、種々のタイプを用いることができる。金属シースの形状は、円形以外に蒲鉾形状、楕円形その他の形状でもよい。また、本例では、熱電対素線を一対のみ収容したものを例示しているが、複数対内挿したものでも勿論よい。図7は2対型の例を示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明に係るパッドをシース熱電対に取り付けたサンプルである実施例1〜4、従来のパッド付き熱電対のサンプルである比較例1、2について、パッドに熱を与えたときに熱電対の応答時間を測定した結果について説明する。
(実施例1)
実施例1は、パッドに対してシース熱電対を略コ字状のステンレス金具(挟持部材)で着脱可能に取り付けた本発明に係るサンプルであり、パッドが平板形状であること以外、基本的に図面で示した実施形態と同じ構造である。パッドは縦幅(軸方向の長さ)25mm、横幅20mm、厚み4mmの平板形状のSUS304ステンレス製とし、挿着溝を内径3.4mm、軸方向長さ12mmの溝とし、口部が開口する凹溝を軸方向の深さ3mm、横幅4.2mmとした。
凹溝に先端側が溶接固定される筒状体は、長さ18mm、外径4.5mm、内径3.3mmのSUS304ステンレス製とし、先端側4mmの範囲を断面視4mm四方の略四角形形状にカシメ加工して取り付け部とした。筒状体に形成する貫通溝は、先端側より6mmの位置から基端側に向けて5mmの範囲にわたる溝とした。
シース熱電対は、外径3.2mmの山里産業株式会社製E型シース熱電対(シース材ASTM316L ダブル(2対)型)を用い、先端より19mmの位置から基端側に向けて5mmの範囲にわたって外径2.6mmに縮径した段差部を形成し、挟持部材で挟持させる部位とした。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と同じパッドとシース熱電対を用い、その取り付けをシース熱電対がパッドから外れる方向、すなわち互いに離間する方向に5mmずらしたものである。挟持部材はシースの段差部から外れた位置を挟持している。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と同様、本発明に係るパッドにシース熱電対を挟持部材である略コ字状のステンレス金具で取り付けたものである。パッドの厚みを5mm、挿着溝の内径を5mm、凹溝の横幅を5.7mm、筒状体の外径を6mm、内径を5mm、先端側取り付け部を断面視5.5mm四方の略四角形形状にカシメ加工したこと以外、実施例1と同一である。シース熱電対は、外径4.8mmの山里産業株式会社製E型シース熱電対(シース材ASTM316Lダブル(2対)型)を用い、シース外周部の先端から19mmの位置から基端側に向けて軸方向5mmの範囲にわたって外径4.2mmに縮径した段差部を形成し、挟持部材で挟持させた。
(実施例4)
実施例4は、実施例3と同じパッドとシース熱電対を用い、その取り付けをシース熱電対がパッドから外れる方向、すなわち互いに離間する方向に5mmずらしたものである。挟持部材はシースの段差部から外れた位置を挟持している。
(比較例1)
比較例1は、パッドにシース熱電対を溶接固定した従来型のサンプルであり、パッドは、実施例1と同じく、縦幅25mm、横幅20mm、厚み4mmの平板形状SUS304ステンレス製とし、これに横幅3.4mm、縦方向の長さ15mmの上下貫通した溝を形成し、該溝にシース熱電対の先端側を嵌め込んで上下の縁部を溶接したものである。シース熱電対は、実施例1と同一(ただし段差部の加工なし)である。
(比較例2)
比較例2は、比較例1と同様、パッドにシース熱電対を溶接固定した従来型のサンプルであり、パッドは、実施例3と同じく、縦幅25mm、横幅20mm、厚み5mmの平板形状SUS304ステンレス製とし、これに横幅5mm、縦方向の長さ15mmの上下貫通した溝を形成し、該溝にシース熱電対を嵌めこんで上下の縁部を溶接したものである。シース熱電対は、実施例3と同一(ただし段差部の加工なし)である。
(測定方法)
各サンプルについて、それぞれパッド部分を室温水中から沸騰水中に全没(浸漬長さ200mm)させたときの熱電対出力の変化幅の63.2%に達するまでの時間(応答時間)を測定した。結果をシース熱電対の種類が同じサンプルごとに分けて、表1、表2に示す。
Figure 0006515584
Figure 0006515584
表1、表2から分かるように、本発明に係るサンプルは従来型のサンプルに比べて応答時間が短く、着脱可能な構造による作業性の向上等の効果以外に、熱伝達についても優れていることがわかる。また、実施例1と実施例2の比較、実施例3と実施例4の比較をみてわかるように、熱の影響等でパッドとシール熱電対が軸方向に離間する方向にずれたとしても応答時間に差は殆どなく、すぐれた応答性を維持できることがわかる。
1 パッド
2 挿着溝
3 把持部
5 挟持手段
8 測温対象面
9 シース熱電対
10 当接面
11 パッド本体
20 口部
21 凹溝
30 筒状体
31 取り付け部
41 溶接部
42 溶接部
50 貫通溝
51 挟持部材
51a 挟持片
90 感温部
91 段差部
S 取り付け構造
T ボイラーチューブ

Claims (9)

  1. シース熱電対をパッドを介して測温対象面に取り付ける取り付け構造であって、
    測温対象面に当接面を当接した状態で固定される前記パッドに、前記シース熱電対の感温部を受け入れる挿着溝を設けるとともに、
    該挿着溝のシース熱電対を受け入れる口部の外側に、シース熱電対を着脱可能に把持する把持部であって、
    前記パッド本体の口部から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝を有する筒状体と、
    前記筒状体の外周部に設けられ、該貫通溝から筒状体内に突出する挟持片により筒状体内に挿入されたシース熱電対の外周面を押圧し、これによりシース熱電対を筒状体内に挟持する挟持部材とより構成してなる把持部を設け、
    前記シース熱電対が、前記測温対象面に固定されたパッドの前記挿着溝に感温部が挿着され、且つ前記把持部により口部外側に出ている部位を把持された状態に取り付けられることを特徴とするシース熱電対の取り付け構造。
  2. 前記挟持部材が、前記挟持片の弾性復元力によりシース熱電対の外周面を押圧するばね材よりなる請求項記載のシース熱電対の取り付け構造。
  3. 前記シース熱電対のシース外周面に、前記挟持片が軸方向に掛止される段差部を設けてなる請求項1又は2記載のシース熱電対の取り付け構造。
  4. 前記段差部が、軸方向に所定長さの範囲だけシース外径を縮径させた凹溝よりなる請求項記載のシース熱電対の取り付け構造。
  5. 前記挿着溝を、前記当接面に開口する溝としてなる請求項1〜4の何れか1項に記載のシース熱電対の取り付け構造。
  6. 前記パッドを、下面が前記当接面となる略平行な上下面を有する板状のパッド本体より構成するとともに、前記挿着溝として前記当接面に平行に延びる溝をパッド本体に形成し、該挿着溝の前記口部が開口するパッド本体側端部に前記把持部を突設してなる請求項1〜5の何れか1項に記載のシース熱電対の取り付け構造。
  7. 前記挿着溝を、その内壁面が前記シース熱電対の感温部のシース外周面に当接する寸法に設定してなる請求項1〜の何れか1項に記載のシース熱電対の取り付け構造。
  8. シース熱電対をパッドを介して測温対象面に取り付ける取り付け方法であって、
    前記パッドとして、
    前記シース熱電対の感温部を受け入れる挿着溝と、
    該挿着溝のシース熱電対を受け入れる口部の外側に、シース熱電対を着脱可能に把持する把持部であって、前記パッド本体の口部から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝を有する筒状体と、前記筒状体の外周部に設けられ、該貫通溝から筒状体内に突出する挟持片により筒状体内に挿入されたシース熱電対の外周面を押圧し、これによりシース熱電対を筒状体内に挟持する挟持部材とより構成してなる把持部とより構成されるパッドを設け、
    測温対象面に対し、前記パッドをその当接面を当接させた状態に固定した後、
    該パッドの前記挿着溝に、前記シース熱電対の感温部を挿着させ、
    さらに、該シース熱電対の前記口部の外側に出ている部位を、前記把持部により前記シース熱電対の外周面が前記挟持部材によって前記筒状体内に把持された状態に取り付ける、
    ことを特徴とするシース熱電対の取り付け方法。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載のシース熱電対の取り付け構造に用いるパッドであって、
    シース熱電対の感温部を受け入れる挿着溝を設けるとともに、
    該挿着溝のシース熱電対を受け入れる口部の外側に、シース熱電対を着脱可能に把持する把持部であって、前記パッド本体の口部から突設され、軸方向途中部の側壁に貫通溝を有する筒状体と、前記筒状体の外周部に設けられ、該貫通溝から筒状体内に突出する挟持片により筒状体内に挿入されたシース熱電対の外周面を押圧し、これによりシース熱電対を筒状体内に挟持する挟持部材とより構成してなる把持部を設け、
    前記シース熱電対は、感温部が前記挿着溝に挿着され、且つ口部外側に出ている部位が前記把持部により把持された状態に取り付けられるパッド。
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