JP5045102B2 - 固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法 - Google Patents

固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に、食料品、医薬品などの分野に好適に使用される、固結防止剤などを含有する必要のない、固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の新規な製造方法及び製造された炭酸水素ナトリウム結晶粒子の包装方法に関する。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、重曹、重炭酸ソーダとも呼ばれる)は、ベーキングパウダー、清涼飲料などの添加剤として各種の食料品分野や、人工透析剤、胃腸薬その他として医薬品分野、さらに、消火剤、浴用剤、洗浄剤、ブラストメディア、酸性ガス中和剤などとして各種の分野で広く使用されている。これらの炭酸水素ナトリウムは、ほとんどの場合において粉末乃至粒状の結晶粒子の形態で製造、包装されて、出荷、輸送、保管、かつ使用されている。
しかし、市販されている炭酸水素ナトリウムの結晶粒子は一般的に固結性を示し、特に、温度が高く湿気の多い環境下では、製造工程での乾燥によって生成した炭酸ナトリウムに起因して大きな固結性を有する。この傾向は特に梅雨時期において著しい。固結が生じた場合には、粒子の流動性が低下し、流通から使用時の各過程における取り扱い性が著しく低下し、各種の障害をもたらす。よって、固結性は、炭酸水素ナトリウムの商品価値を失いかねる大きな問題である。
従来、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結性を防止するために、例えば、特許文献1には、ステアリン酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、カオリン、タルク、二酸化ケイ素などの各種の固結防止剤を添加することが開示されている。
しかし、従来の固結防止剤などを添加する方法は、固結防止剤のコストや添加工程が必要になるばかりでなく、用途によっては固結防止剤の種類が限定されたり、また、食品用や医薬用などでは使用が不可能であったり、使用量が制限されたりする。
また、特許文献2には、加熱空気により炭酸水素ナトリウムを20〜60℃で乾燥する固結性の改善された炭酸水素ナトリウム結晶の製造方法が開示されている。しかし、乾燥する温度が低いために、乾燥装置の処理効率が低く、乾燥装置が大型となったり、乾燥時間が長くなったりしてしまう。
また、特許文献3は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面をセスキ炭酸ナトリウムとする、固結性の改善された炭酸水素ナトリウム結晶の製造方法が開示されている。しかし、炭酸水素ナトリウムをセスキ炭酸ナトリウムとするには、高湿度で長時間の処理が必要であるために、設備が大きくなったりしてしまう。また、処理時間を短縮するために30℃以上の温度で処理する場合、雰囲気中の二酸化炭素ガス濃度によってセスキ炭酸ナトリウム化する温度と湿度の範囲は大きく変動するために、二酸化炭素ガス濃度、湿度及び温度を極めて高精度で制御せねばならない。
特開平5−58622号公報 特許第3306873号公報 特開2003−104722号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて、従来のように、添加によるコスト増加のほかに使用に伴い種々の問題を有する固結防止剤を使用しなくても固結性を防止でき、また、その製造過程において長い処理時間を要することなく、容易にかつ効率的に固結性を低減させることができる、固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の新規な製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、かくして得られる固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子をより長期間に亘り固結を防止できる包装方法を提供する。
本発明者は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結防止について鋭意研究を重ねたところ、以下に記載する過程を通じて、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結性を低減できることを見出した。
すなわち、炭酸水素ナトリウム結晶は、乾燥工程において、あるいは乾燥工程から取り出した場合に接触する雰囲気のガスの温度、湿度及び二酸化炭素ガス濃度の諸条件によりその表面は、わずかに炭酸水素ナトリウムが炭酸ナトリウム無水塩(Na2CO3)に分解して、さらにその後、炭酸ナトリウム一水塩(Na2CO3・H2O)又はウェグシャイダー塩(Na2CO3・3NaHCO3)となり、次いでセスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)となる。この炭酸ナトリウム無水塩が炭酸ナトリウム一水塩を経由してセスキ炭酸ナトリウムとなる変化については、米国化学会モノグラフシリーズ、「MANUFACTURE OF SODA」第2版、XXIX章、 Behavior of Soda Ash in Strage、509〜515頁、(Reinhold Publishing社発行、1942)にも述べられている。
そして、本発明者の研究によると、炭酸水素ナトリウム結晶は、その表面が、炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩となり、また、炭酸ナトリウム無水塩が炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩を経由してセスキ炭酸ナトリウムとなる場合に固結が生じることが確認された。固結は、前者の炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩への変化の場合は比較的弱いが、後者の炭酸ナトリウム無水塩から最終的なセスキ炭酸ナトリウムへの変化の場合により強固な固結が起こることを見出した。これは、下記の表1に示されるように、上記の変化では、結晶自体が変化するのみならずその体積や質量が増加するために、結晶同士の接触点で両粒子が架橋することに起因するものと思われる。上記の結晶の体積や質量の変化は、炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩となるよりも、炭酸ナトリウム無水塩からセスキ炭酸ナトリウムとなる方が大きい。このことは、経験的にも固結の程度がこれにほぼ比例していることから理解できる。
Figure 0005045102
上記の知見によれば、炭酸水素ナトリウム結晶の表面の変化を防止し、炭酸水素ナトリウムの結晶表面の組成を保存雰囲気において安定な結晶としておくことにより、固結を防止できることがわかる。しかし、炭酸水素ナトリウムの保管環境が季節変動等によって異なるため、以下に一例を示すごとく、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面を炭酸ナトリウム一水塩のみ、ウェグシャイダー塩のみ又はセスキ炭酸ナトリウムのみのある一定の結晶の組成に固定してしまっても、固結を防止することはできない。本発明者の実験及び熱力学計算による詳細なる検討によると、大気中(二酸化炭素濃度が0.04容積%)では、ウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムの境界が下記の表2にようになっており、温度及び湿度によって安定な結晶が異なる。このウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムの境界は二酸化炭素ガスの濃度にも依存し、二酸化炭素ガスの濃度が上昇すると高湿度側に移動する。炭酸水素ナトリウムをポリエチレン袋等に密封包装した場合では、袋内部の二酸化炭素ガス濃度は0.1容積%に上昇することもあるので、この境界は二酸化炭素濃度に応じて相対湿度で35〜50%の間に存在することとなる。この境界の高湿度側と低湿度側に属する気候条件での炭酸水素ナトリウム結晶粒子の状態としては、例えば梅雨時期では湿度が高い条件となり、セスキ炭酸ナトリウムが安定だが、湿度が低い時はウェグシャイダー塩が安定となる。さらに昼夜間の温度差によって炭酸水素ナトリウムを包装した袋内の相対湿度は上下動する。このため、固結を防止するためには炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面を炭酸ナトリウム一水塩のみ、ウェグシャイダー塩のみ又はセスキ炭酸ナトリウムのみの所定の組成にすることだけでは困難である。
Figure 0005045102
しかし、本発明者は、固結が炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩に変化するときは比較的小さいが、炭酸ナトリウム無水塩からセスキ炭酸ナトリウムに変化する場合に大きいという上記した現象、及び炭酸水素ナトリウム結晶粒子は通常ポリエチレン包装袋等の閉鎖空間に包装して収納されて保存されるという事実に注目した。そして、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面を積極的に特定の範囲の量の炭酸ナトリウム無水塩を形成するように炭酸水素ナトリウム結晶を加熱処理をするという従来では忌避されていた操作を積極的に導入するという新たなコンセプトにより、炭酸水素ナトリウム結晶の固結を実質上許容される範囲に防止できることを見出した。
すなわち、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の特定の範囲の量を炭酸ナトリウム無水塩に積極的に変化させ、炭酸水素ナトリウム結晶の表面に所定量の炭酸ナトリウム無水塩を存在せしめて密閉して包装し保存される場合、表面の炭酸ナトリウム無水塩は包装された内部の空間の水分を吸収して炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩へ変化する。そして、炭酸ナトリウム無水塩が存在する限りは、炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩への変化が引き続き進行し、包装空間内の湿度を低減させる。つまり炭酸ナトリウム無水塩は乾燥剤として機能している。このため、強固な固結現象として現れる、炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩を経由して最終的にセスキ炭酸ナトリウムへ到る変化を引き起こすのに必要な湿度を与えない。その結果、炭酸水素ナトリウム結晶の表面が炭酸ナトリウム無水塩を含みそれに加えて、炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩にとどまり、強固な固結を発生させる程度の量のセスキ炭酸ナトリウムの生成にはいたらず、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結は実質上許容範囲内に防止される。
ここで炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の炭酸ナトリウム無水塩の量は0.03〜0.4質量%が好ましく、これより少なすぎても乾燥剤としての効果が長持ちせず、多すぎても逆に固結を発生させてしまうこととなる。
かくして、本発明は、以下の要旨を有するものである。
(1)相対湿度(%)を横軸(X軸)にし、二酸化炭素ガス濃度(容積%)を縦軸(Y軸)とする図1に示されるグラフにおいて、下記の(1)式(但し、T(℃)は炭酸水素ナトリウム結晶の温度である。R(%)は結晶の温度における、結晶周辺の相対湿度である。また、二酸化炭素ガス濃度の上限は100容積%である。)により求められる以下の二酸化炭素ガス濃度を有する加熱ガスにより、温度70〜95℃において、質量基準の平均粒子径が50〜500μmである炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理し、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面に炭酸ナトリウム無水塩を形成し、その含有量を炭酸水素ナトリウム結晶中、0.03〜0.4質量%とすることを特徴とする固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法。
二酸化炭素ガス濃度=0.071×e(0.1×T)×R(−0.0005×T−0.9574)
・・・ (1)
(2)炭酸水素ナトリウム結晶中の炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムの含有量が炭酸ナトリウム無水塩換算で0.3質量%以下である(1)に記載の製造方法。
(3)晶析により炭酸水素ナトリウムを含むスラリーを得て、該スラリーから湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を分離して、該湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理する(1)又は(2)に記載の炭酸水素ナトリウム結晶の製造方法。
(4)晶析により炭酸水素ナトリウムを含むスラリーを得て、該スラリーから湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を分離して、該湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を乾燥し、次いで加熱処理する(1)又は(2)に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法。
(5)ロータリードライヤーで加熱処理を行う上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法
本発明によれば、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面を炭酸ナトリウム無水塩に積極的に変化させ、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面に特定の範囲の量の炭酸ナトリウム無水塩を存在せしめ、この炭酸ナトリウム無水塩を乾燥剤として機能させるという新規な発想により、固結防止剤を使用しなくても、短時間の処理により炭酸水素ナトリウムの表面の固結性を長期間にわたって許容範囲内に低減させることができる。
その結果、固結防止剤の種類の選択が必要であったり、使用が制限されたり、長期の処理時間を要することのない、食品、医薬品、入浴剤などの工業分野などに好適に使用できる、固結防止の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子が得られる。
さらに、本発明によれば、得られる固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子を特定の透湿度以下の包装材料にて包装することによりさらに長期間に亘り固結を防止できる。
本発明における、炭酸水素ナトリウム結晶を加熱処理してその表面に炭酸ナトリウム無水塩の形成する条件を表わすグラフであり、相対湿度(%)を横軸(X軸)とし、二酸化炭素ガス濃度(容積%)を縦軸(Y軸)とする。図において、実線は温度(T)70℃の場合であり、鎖線は、温度(T)80℃の場合であり、点線は温度(T)90℃の場合であり、1点鎖線は温度(T)95℃の場合である。
本発明では、炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理し、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面を分解し、結晶粒子表面に特定の範囲の量の炭酸ナトリウム無水塩を形成するようにせしめる。これは、従来の炭酸水素ナトリウムを分解させないように細心の注意をして製造する方法、例えば、加熱が必要な乾燥工程においても、その乾燥は、炭酸水素ナトリウムを極力分解しないように加熱した二酸化炭素ガスを使用するなどの方法(「ソーダハンドブック」、105頁、(日本ソーダ工業会発行、1975年発行))とは全く逆の発想であり大きく異なる。また、乾燥用に空気を使用する場合でも炭酸水素ナトリウムの温度を上げないようにしている、特許336873号(20〜60℃)や前出の「MANUFACTURE OF SODAのp.282(40〜50℃)とも大きく異なる。
本発明において、加熱処理される炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、いずれの平均粒子径を有するものでも効果を有するが、平均粒子径が50〜500μm、好ましくは70〜300μmの範囲において効果的である。平均粒子径が500μmを越えると、結晶の質量の影響が大きくなり重力によって固結は崩れやすくなる。また、50μmを下回るとファンデルワールス力等の粒子間力の影響により凝集し、さらには粒子の単位容積当りの粒子同士の接触点数が増加するために、本質的に固結しやすい結晶になり、本発明の効果は低下する。ここで、平均粒子径とは質量基準の平均粒子径であり、篩い分け法で質量基準の累積粒度分布で50%の粒子径として定義される。具体的には、ロータップ型篩振盪機とJIS Z 8801−1に規定する篩分け法(以下、単に篩い分け法という)を用いて測定される。
本発明で加熱処理される炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、既存の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造過程において、炭酸水素ナトリウムを含むスラリーから分離した湿潤状態にある炭酸水素ナトリウム結晶粒子でもよく、或いは、既に製造された炭酸水素ナトリウム結晶粒子であってもよい。例えば、(i)炭酸ナトリウム水溶液又は水酸化ナトリウム若しくは炭酸水素ナトリウムを含む炭酸ナトリウム水溶液と、二酸化炭素ガスとを反応させて炭酸水素ナトリウムを得る晶析工程によって得られた炭酸水素ナトリウムを含むスラリーから分離した湿潤状態にある炭酸水素ナトリウム結晶粒子でもよく、(ii)湿潤状態にある炭酸水素ナトリウム結晶を乾燥した炭酸水素ナトリウム結晶粒子でもよく、(iii)乾燥した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を篩い分けした炭酸水素ナトリウム結晶粒子でもよく、(iv)篩い分けした炭酸水素ナトリウム結晶粒子を粉砕した後、分級した炭酸水素ナトリウム結晶粒子でもよい。上記(i)の場合には、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の乾燥を兼ねて加熱処理すれば、乾燥工程と炭酸ナトリウム無水塩を生成させる工程とを別々に実施しなくてよいので経済的にも効率がよい。既設の設備に対して本発明を実施するために追加設備を設置する場合は設備規模を小さくしたい等の事情に応じて、上記の方法より適切に選択すればよい。
本発明において炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理する、温度、湿度、二酸化炭素ガス濃度等の手段としては、炭酸水素ナトリウム結晶粒子を流動させつつ加熱ガスと接触させることが好ましく、ロータリードライヤーや流動層が好適に使用できる。特に、滞留時間を長く取れ、かつ詳細な操作条件を安定的に設定でき、さらにピストンフローに近いために均一な処理の可能なロータリードライヤーが好ましい。使用する加熱処理ガスは(1)式により計算される二酸化炭素ガス濃度以下という条件を満たせば、空気でも窒素ガスでもよく、さらには乾燥ガスを循環使用してもよい。
炭酸水素ナトリウム結晶を加熱処理してその表面に炭酸ナトリウム無水塩を形成する場合、加熱処理する条件によっては、ウェグシャイダー塩、炭酸ナトリウム一水塩、セスキ炭酸ソーダ、又は炭酸ナトリウム十水塩も副生するが、本発明では、好ましくは以下の条件に行うことにより効率的に実施される。即ち、相対湿度(%)を横軸(X軸)にし、二酸化炭素ガス濃度(容積%)を縦軸(Y軸)とする図1に示されるグラフにおいて、下記の(1)式により求められる二酸化炭素ガス濃度以下の二酸化炭素ガス濃度を有する加熱ガスにより、温度70〜95℃において炭酸水素ナトリウム結晶が加熱処理される。ただし二酸化炭素ガスの濃度の上限は100容積%である。
二酸化炭素ガス濃度=0.071×e(0.1×T)×R(−0.0005×T−0.9574) ・・・ (1)
Tは、加熱処理炭酸水素ナトリウム結晶の温度(℃)をいい、ガスの相対湿度(R(%))及び二酸化炭素ガス濃度(容積%)は、加熱処理される炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度に換算した場合の数値である。炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度は、例えば、乾燥設備或いは焼成設備から排出される炭酸水素ナトリウム結晶粒子に熱電対等の温度計を当てて測定する。図1では、例として、Tが、70℃、80℃、90℃及び95℃の場合の(1)式の曲線を示す。図において、実線は温度(T)70℃の場合であり、鎖線は、温度(T)80℃の場合であり、点線は温度(T)90℃の場合であり、1点鎖線は温度(T)95℃の場合である。具体的には、Tがそれぞれの温度の場合の曲線を使用し、R(相対湿度%)に相当する二酸化炭素ガス濃度(容積%)以下の二酸化炭素ガス濃度を有する加熱ガスが使用される。
本発明において、炭酸ナトリウム無水塩を形成する場合、加熱処理に使用するガスは、相対湿度が好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下であるのが好適である。上記相対湿度は、低いほど二酸化炭素ガス濃度が高くてもウェグシャイダー塩(Na2CO3・3NaHCO3)の生成を避けられ、また炭酸ナトリウム一水塩の生成も確実に避けることができるので好ましい。
また、加熱処理における炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度は好ましくは70〜100℃、特に好ましくは70〜95℃が好適である。温度が低いほど処理時間がかかるため、70℃未満では処理のための滞留時間が長くなり、設備が大型化してしまう。一方、100℃を超えるほどの高温になると炭酸水素ナトリウムの分解が加速されるので、処理操作が制御しづらくなり所定の濃度の炭酸ナトリウム無水塩の濃度とし難くなる。
かくして、上記の加熱処理を実施する具体的な好ましい条件としては、次の条件が挙げられる。
a.上記の加熱処理に使用するガスの相対湿度が30%以下で20%超の範囲では、加熱処理に使用するガスの二酸化炭素ガス濃度は、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子の温度が70℃の場合は3容積%以下、70℃超〜75℃の場合は4容積%以下、75℃超〜80℃の場合は7容積%以下、80℃超〜85℃の場合は11容積%以下、85℃超〜90℃の場合は19容積%以下で、90℃超〜95℃の場合は31容積%以下にされる。より好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が2容積%以下、70℃超〜75℃の場合は3容積%以下、75℃超〜80℃の場合は5容積%以下、80℃超〜85℃の場合は9容積%以下、85℃超〜90℃の場合は15容積%以下、90℃超〜95℃の場合は25容積%以下である。さらに好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が1容積%以下、70℃超〜75℃の場合は2容積%以下、75℃超〜80℃の場合は4容積%以下、80℃超〜85℃の場合は6容積%以下、85℃超〜90℃の場合は11容積%以下、90℃超〜95℃の場合は17容積%以下である。
b.上記の加熱処理に使用するガスの相対湿度が20%以下で10%超の範囲では、加熱処理に使用するガスの二酸化炭素ガス濃度は、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子の温度が70℃の場合は4容積%以下、70℃超〜75℃の場合は6容積%以下、75℃超〜80℃の場合は11容積%以下、80℃超〜85℃の場合は17容積%以下、85℃超〜90℃の場合は29容積%以下、90℃超〜95℃の場合は46容積%以下にされる。より好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が3容積%以下、70℃超〜75℃の場合は5容積%以下、75℃超〜80℃の場合は9容積%以下、80℃超〜85℃の場合は15容積%以下、85℃超〜90℃の場合は25容積%以下、90℃超〜95℃の場合は40容積%以下である。さらに好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が2容積%以下、70℃超〜75℃の場合は3容積%以下、75℃超〜80℃の場合は6容積%以下、80℃超〜85℃の場合は10容積%以下、85℃超〜90℃の場合は16容積%以下、90℃超〜95℃の場合は26容積%以下である。
c.上記の加熱処理に使用するガスの相対湿度が10%以下で5%超の範囲では、加熱処理に使用するガスの二酸化炭素ガス濃度は、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子の温度が70℃の場合は8容積%以下、70℃超〜75℃の場合は13容積%以下、75℃超〜80℃の場合は21容積%以下、80℃超〜85℃の場合は34容積%以下、85℃超〜90℃の場合は57容積%以下、90℃超〜95℃の場合は100容積%以下の範囲。より好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が6容積%以下、70℃超〜75℃の場合は11容積%以下、75℃超〜80℃の場合は19容積%以下、80℃超〜85℃の場合は30容積%以下、85℃超〜90℃の場合は52容積%以下、90℃超〜95℃の場合は90容積%以下である。さらに好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が5容積%以下、70℃超〜75℃の場合は7容積%以下、75℃超〜80℃の場合は12容積%以下、80℃超〜85℃の場合は19容積%以下、90℃超〜90℃の場合は32容積%以下、90℃超〜95℃の場合は56容積%以下である。
d.上記の加熱処理に使用するガスの相対湿度が5%以下の範囲では、加熱処理に使用するガスの二酸化炭素ガス濃度は、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子の温度が70℃の場合は16容積%以下、70℃超〜75℃の場合は25容積%以下、75℃超〜80℃の場合は45容積%以下、80℃超〜85℃の場合は73容積%以下、85℃超〜90℃の場合は100容積%以下、90℃超〜95℃の場合は100容積%以下の範囲。より好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が14容積%以下、70℃超〜75℃の場合は23容積%以下、75℃超〜80℃の場合は40容積%以下、80℃超〜85℃の場合は68容積%以下、85℃超〜90℃の場合は90容積%以下、90℃超〜95℃の場合は90容積%以下である。さらに好ましくは、温度が70℃の場合は二酸化炭素ガス濃度が9容積%以下、70℃超〜75℃の場合は14容積%以下、75℃超〜80℃の場合は25容積%以下、80℃超〜85℃の場合は41容積%以下、85℃超〜90℃の場合は57容積%以下、90℃超〜95℃の場合は60容積%以下である。
このようにして、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の炭酸水素ナトリウムは炭酸ナトリウム無水塩に分解され、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面には、炭酸ナトリウム無水塩が形成される。ここで、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面とは、結晶粒子の表面、又は表面下の好ましくは約2μm以内、特には約1μm以内を意味する。炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面に存在する炭酸ナトリウム無水塩は、炭酸ナトリウム無水塩の含有量が炭酸水素ナトリウム結晶粒子中、0.03〜0.4質量%であるのが好ましい。炭酸ナトリウム無水塩の含有量が0.03質量%より小さい場合には、乾燥剤として機能する炭酸ナトリウム無水塩が少なすぎるので固結低減の効果の持続性が小さくなり、一方、0.4質量%を超える場合には、後述するように、炭酸ナトリウム無水塩が炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩となる時に発生する、弱い固結の影響が大きくなり、本発明の効果が達成できない。なかでも、炭酸ナトリウム無水塩の含有量が0.05〜0.2質量%である場合には、乾燥剤としての効果が適切に発揮され、一方、弱い固結の影響が小さいので特に好ましい。なお、ここで基準とする炭酸水素ナトリウム結晶粒子の質量は、そのものの質量であり、炭酸ナトリウム無水塩に換算しない。
本発明により炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の炭酸水素ナトリウムを炭酸ナトリウム無水塩に分解する場合、上記のように、炭酸水素ナトリウムの一部は、ウェグシャイダー塩、炭酸ナトリウム一水塩又はセスキ炭酸ナトリウムになりうるが、本発明では、炭酸ナトリウム無水塩以外の上記の塩は所定含有量以下であるのが好ましい。即ち、炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩及びセスキ炭酸ナトリウムが含まれる場合には、その合計の含有量が炭酸ナトリウム無水塩換算で、炭酸水素ナトリウム結晶粒子中、好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.2質量%以下であるのが好適である。上記含有量が0.3質量%を越えると本発明の固結低減の効果が小さくなるともに、製品である炭酸水素ナトリウム結晶粒子(以下単に、製品ともいう。)の純度が低下するので好ましくない。
上記のようにして得られた表面に炭酸ナトリウム無水塩を有する本発明の炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、通常、包装して、出荷し、輸送され、流通業者或いは使用先で保管されることになるが、本発明ではこの場合の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の包装材料として、JIS K 7129で規定する水蒸気透過度が40℃、相対湿度差90%で好ましくは5g/(m2・24時間)以下、特に好ましくは1g/(m2・24時間)以下である包装材料を使用するのが好適である。かかる範囲の水蒸気透過度を有する包装材料を使用することにより、表面に炭酸ナトリウム無水塩を有する炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結防止性能は著しく持続性が増大する。
上記の水蒸気透過度を有する包装材料としては、例えば、アルミナあるいはシリカを表面に蒸着した樹脂のシートまたはフィルムを防湿層として用いることが好ましい。この包装材料の構成の例示としては、最外層に防湿層としてアルミナあるいはシリカの蒸着を施した、厚みが好ましくは5〜30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという。)を蒸着層を内側として使用し、必要に応じて中間層に突き刺し強度向上用の厚みが好ましくは5〜30μmの2軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルムという。)を使用し、炭酸水素ナトリウム結晶粒子に接する最内層には厚みが好ましくは30〜150μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、LLDPEフィルムという。)をドライラミネートした積層シートが好適に使用できる。
上記の積層シートにおける防湿層としては、アルミニウム薄膜やアルミニウム蒸着フィルムも使用できるが、これらは透明でなく、かつ出荷時の金属検知工程において支障となる。また、防湿層としては、塩化ビニリデンコーティングフィルムも使用できるが、塩素を含有するため包装袋を処分する際に焼却すると塩化水素ガスが発生するので好ましくない。その点、上記のアルミナあるいはシリカを蒸着したPETフィルムを防湿層に使用した場合には、透明であり、金属検知器が使用でき、焼却時に塩化水素の発生が無いため好ましい。アルミナあるいはシリカの蒸着方法はCVD(Chemical Vapor Deposition)法の他にPVD(Physical Vapor Deposition)法も使用できる。これらを蒸着する基材はPETフィルム以外にONフィルムも使用できる。
また、積層シートにおける最内層のLLDPEフィルムは製品である炭酸水素ナトリウム結晶粒子に直接接するので、製品の着色等の原因となる酸化防止剤等を含有しない完全無添加LLDPEを使用することが好ましい。LLDPEに替えて低密度ポリエチレンであってもよいが、ヒートシール強度が優れるのでLLDPEがより好ましい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはもちろんである。
実施例1
種々の表面組成を有する炭酸水素ナトリウム結晶粒子(以下、単に、製品ともいう)を製造し、これについての固結性の評価試験を行った。なお、表3において、No.1、No.6、No.7は、本発明の比較例であり、No.2〜No.5、No.8は、実施例である。
濃度20質量%の水酸化ナトリウム水溶液20m3を撹拌機付き貯槽(50m3)に入れ、温度を80℃に昇温させた。この状態で、100容積%の二酸化炭素ガスを標準状態で毎分10m3の流量で5時間吹き込み反応晶析させた。この晶析工程はまず水酸化ナトリウムが二酸化炭素と反応して炭酸ナトリウムを生成する。ここまでは結晶は析出しない。さらに二酸化炭素と炭酸ナトリウムが反応し炭酸水素ナトリウムとなる。ここで炭酸水素ナトリウムの溶解度が低いために炭酸水素ナトリウムの結晶が析出する。その後に、二酸化炭素ガスを引き続き吹き込み続けつつ温度を40℃に冷却することにより、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子をさらに析出させた。得られたスラリーを遠心分離機にかけて母液を分離し、湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を得た。
上記炭酸水素ナトリウムの湿潤結晶をロータリードライヤー(増野製作所社製)を使用し、下記の表3に示される条件にて、二酸化炭素ガス含有空気からなる乾燥用ガスと並流方式で接触させることにより炭酸水素ナトリウム結晶粒子を乾燥し、及び同炭酸水素ナトリウム結晶粒子の一部分を焼成して炭酸ナトリウム無水塩とした。表3では、ロータリードライヤーからでる炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度を乾燥温度として示し、乾燥用ガスの相対湿度と二酸化炭素濃度は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度に換算した場合の値を示す。
乾燥操作の直後に、パドル混合機と間接冷却ジャケットを有した円筒形の冷却装置で炭酸水素ナトリウムの結晶粒子を30℃に冷却した。この冷却にあっては露点−40℃の乾燥空気を20℃に加熱して冷却装置の内部に注入し、結晶粒子に同伴するガスをパージした。ここで使用した乾燥空気の二酸化炭素濃度は0.04容積%であった。そして得られた炭酸水素ナトリウム結晶粒子を、0.25mmの目開きのメッシュを取り付けた超音波発振器付円形振動篩機を用いて篩い分け、篩下を製品とした。以下の固結に関する評価ではこの製品を用いた。この篩下である製品は平均粒子径で0.1mmである。
次いで、具体的な、製品の固結性の評価試験方法を以下に説明する。
前記の超音波発振器付円形振動篩機を用いて篩い分け、篩下として得た平均粒子径0.1mmの炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製品を1kg秤量し、完全無添加の厚さ120μmのLLDPEフィルム製の袋に充填して、ヒートシールで密閉包装した。これを25℃で相対湿度85%の雰囲気に1月間静置保管した。静置保管後の製品を崩さないように慎重に開封して、3mmの目開きの金網を張った内径200mmのJIS Z 8801−1に規定する試験用篩(以下、単に「篩」という。)の上にそっと流し入れた。これを篩ごと質量を測定して、篩に乗った製品質量を測定し、全部の製品に対する質量割合を測定した。これを「弱固結量」ということとする。ここで開封時に炭酸水素ナトリウム結晶粒子の全体が固まっているものを100%とする。
次いで、製品の乗った篩を軽く手で3秒間篩い、篩ごと質量を測定して、篩に乗った製品質量を測定し、包装充填時の製品に対する質量割合を測定した。これを「中固結量」ということとする。さらに、製品の乗った篩を軽く手で10秒間篩い、篩ごと質量を測定して、篩に載った製品質量を測定し、包装充填時の製品に対する質量割合を測定した。これを「強固結量」ということとする。以上の固結性の評価試験を以下、単に「固結評価試験」という。
固結評価試験前の製品の、平均粒子径の測定は篩い分け法によるが、使用する篩いの目開きは、355μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、及び45μmとした。
また、炭酸ナトリウム無水塩、炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩及びセスキ炭酸ナトリウムの測定は、下記に説明する無水メタノール抽出法で製品中の炭酸ナトリウム無水塩と炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムの総量を定量して、下記に説明するTGA法によって製品中の炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩の含有量とセスキ炭酸ナトリウムの含有量を求めた。そして両方法の測定結果から、炭酸水素ナトリウム結晶粒子中の炭酸ナトリウム無水塩、炭酸ナトリウム一水塩、セスキ炭酸ナトリウムの各々の量を求めた。
無水メタノール抽出法について説明する。
本発明において「無水メタノール抽出法」とは、製品中の炭酸ナトリウム無水塩と炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムの総量を無水メタノールによって、これらの成分を炭酸水素ナトリウムから抽出し、これを中和滴定することすることによって分析する方法をいう。具体的には、製品を5g秤量し、これを100mL(ミリリットル)の無水メタノールに入れ、30分間振とうする。これを0.1規定の濃度の塩酸でフェノールフタレインを指示薬として滴定することによって、製品中の炭酸ナトリウム無水塩と炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムの総量を定量できる。ここで0.1規定の塩酸は水分の混入を極力減らすために、35質量%の塩酸水溶液を無水メタノールで希釈して調製する。あるいは塩化水素のメタノール溶液を用いてもよい。ここでウェグシャイダー塩は無水メタノールに実質的には溶解しないので、無水メタノール抽出法では測定されない。
次いでTGA法について説明する。
本発明において「TGA法」とは、炭酸水素ナトリウム結晶粒子中の炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムの含量を測定する方法であって、各成分の加熱分解による質量減少を、二種の特定の温度条件において、加熱重量減分析装置で測定して、二種の温度の減量プロファイルの違いから炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩の成分の含量と、セスキ炭酸ナトリウムの成分の含量を分析する方法をいう。
測定すべきサンプルである本製品を試料セルに一定量入れて、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム無水塩や炭酸ナトリウム一水塩やウェグシャイダー塩やセスキ炭酸ナトリウムと反応しない窒素ガス等の乾燥ガス中で、製品を一定温度で加熱して、炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩及びセスキ炭酸ナトリウムが炭酸ナトリウム無水塩に分解する際の質量減少を精密に測定する。
具体的には加熱重量減分析装置(Thermogravimetric analyzer)で水分を実質的に含まない窒素ガスを使用して、製品を所定量試料セルに秤量し、所定の温度で、等温法によって測定する。ここで、本発明者らが新たに見出した、炭酸水素ナトリウムが炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩又はセスキ炭酸ナトリウムより熱的に安定で分解しにくいことと、セスキ炭酸ナトリウムの方が炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩より熱的に安定であることを利用して測定できる。すなわち測定する所定の温度を二水準として、その差異から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩の含量と、セスキ炭酸ナトリウムの含量を正確に知ることが出来る。二水準の温度のうち低い方は、一定時間で炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩の分解が実質的に完了しセスキ炭酸ナトリウムの分解が実質的に開始しない温度を選定する。また高い方の温度は、炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩及びセスキ炭酸ナトリウムの分解が、一定時間で実質的に完了する温度を選定する。各温度と時間は測定サンプル量、測定機器の構造、サンプル容器の構造等によって差異がある。
本実施例では、エスアイアイナノテクノロジー社製の示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200を使用した。今回の測定では低温側の温度は53℃とし、高温側の温度は63℃とし、各々50分経過後の減量を測定した。測定に用いたサンプル質量は60mgである。一方、二水準の温度での一定時間の炭酸水素ナトリウム自体の分解による減量を補正するために、炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムを実質的に含まない炭酸水素ナトリウムを別途測定してこの減量をベースラインとして各測定値から差し引いた。53℃での減量が炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩の含量に相当し、63℃の減量から53℃の減量を引いた部分がセスキ炭酸ナトリウムの含量となる。炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩の区別は、加湿処理した温度と相対湿度と二酸化炭素ガス濃度の条件を元に、相平衡図で炭酸ナトリウム一水塩の領域かウェグシャイダー塩の領域かを判別することにより行った。なお、相平衡図によらない場合は、その雰囲気下に炭酸ナトリウム無水塩の結晶を長時間保管してその結晶の変化をX線回折により結晶の構造解析を行っておく。
無水メタノール抽出法で得た、炭酸ナトリウム無水塩と炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムの合計に相当する含量から、TGA法で求めた、炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムの含量を引いた残りが、炭酸ナトリウム無水塩となる。
下記の表3に炭酸ナトリウム無水塩を含有し、炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムを含有しない製品の固結試験結果を示す。TGA法では、炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩に相当する質量減量も、セスキ炭酸ナトリウムに相当する質量減量も無く、炭酸ナトリウム一水塩とウェグシャイダー塩とセスキ炭酸ナトリウムの含量は、0質量%であった。これは表4においても同様であった。ここで各含量はいずれも炭酸ナトリウム無水塩に換算している。表3より、固結程度は炭酸ナトリウム無水塩の特定の含有量で低下しているが、特に中固結量と強固結量の低減が顕著であり本発明の効果を示している。炭酸ナトリウム無水塩の含有量が本発明により規定される特定の範囲の量の場合には固結性は低下している。
中固結量と強固結量が本発明の範囲において極小値を有する機構として、本発明者は、以下のように推測している。すなわち、炭酸ナトリウム無水塩が低含有量の場合は、炭酸ナトリウム無水塩が少ないほど炭酸ナトリウム無水塩からセスキ炭酸ナトリウムへの変質が進行して強度の固結となった。また炭酸ナトリウム無水塩が高含量の場合は、各粒子の接触部分での接触面積が増加するため炭酸ナトリウム無水塩から炭酸ナトリウム一水塩又はウェグシャイダー塩への変質に起因する初期固結が進行した。
Figure 0005045102
実施例2
実施例1で使用した120μmのLLDPEフィルム製の包装袋はJIS K 7129で規定する水蒸気透過度が、40℃、相対湿度差90%で6.0g/(m2・24h)であった。これに代えて、アルミナを蒸着した包装袋を使用して固結評価試験をおこなった。この包装袋は、最外層として防湿用にPVD法によりアルミナの透明蒸着を施した12μmのPETフィルムを蒸着層を内側に向けて使用し、中間層に15μmのONフィルムを使用し、最内層に70μmの完全無添加のLLDPEフィルムを使用し、これらをドライラミネート法によって積層した構成を有するシートからなる。
この包装袋のJIS K 7129で規定する透湿度は40℃、相対湿度差90%で0.2g/(m2・24h)であった。固結評価試験のサンプルは実施例1のNo.5を使用した。結果を表4に示す。防湿袋の結果はNo.8である。さらに固結を防止できた。
また製品の着色は実施例1、2の各サンプルとも無かった。金属検知器の使用においても支障なかった。
Figure 0005045102
本発明によれば、使用している炭酸水素ナトリウムの固結に起因する各種の障害を、工業的規模においても効果的に回避できる。ここで固結性の低い炭酸水素ナトリウムとする方法は、短時間でかつ容易に実施可能な手段で達成できる。あるいは乾燥工程と兼ね合わせることで、焼成のための別途の設備を追加することなく実施できる。

なお、2004年6月30日に出願された日本特許出願2004−194540号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (5)

  1. 相対湿度(%)を横軸(X軸)にし、二酸化炭素ガス濃度(容積%)を縦軸(Y軸)とする図1に示されるグラフにおいて、下記の(1)式(但し、T(℃)は炭酸水素ナトリウム結晶の温度である。R(%)は結晶の温度における、結晶周辺の相対湿度である。また、二酸化炭素ガス濃度の上限は100容積%である。)により求められる濃度以下の二酸化炭素ガス濃度を有する加熱ガスにより、温度70〜95℃において、質量基準の平均粒子径が50〜500μmである炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理し、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面に炭酸ナトリウム無水塩を形成し、その含有量を炭酸水素ナトリウム結晶中、0.03〜0.4質量%とすることを特徴とする固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法。
    二酸化炭素ガス濃度=0.071×e(0.1×T)×R(−0.0005×T−0.9574)
    ・・・ (1)
  2. 炭酸水素ナトリウム結晶粒子中の炭酸ナトリウム一水塩とセスキ炭酸ナトリウムとウェグシャイダー塩の含有量が炭酸ナトリウム無水塩換算で0.3質量%以下である請求項1記載の製造方法。
  3. 晶析により炭酸水素ナトリウムを含むスラリーを得て、該スラリーから湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を分離して、該湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を加熱処理する請求項1又は2に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法。
  4. 晶析により炭酸水素ナトリウムを含むスラリーを得て、該スラリーから湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を分離して、該湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を乾燥し、次いで加熱処理する請求項1又は2に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法。
  5. ロータリードライヤーで加熱処理を行う請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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