JP4765692B2 - 炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法 - Google Patents

炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面の炭酸ナトリウム無水塩、炭酸ナトリウム一水塩、ウェグシャイダー塩およびセスキ炭酸ナトリウム(以下、これらを総称して「ソーダ灰成分」という。)の量を評価する炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法に関する。
特に、無水メチルアルコールによって抽出されるソーダ灰成分量が検出限界未満である極めて高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法に関する。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は重曹、重炭酸ソーダ、重炭酸ナトリウムとも呼称され、医薬品分野、食品分野、半導体分野等で使用されている。具体的には、医薬品分野では人工透析剤、胃腸薬として使用されている。食品分野ではベーキングパウダーのように発泡剤として使用されたり、清涼飲料などのpH(ペーハー)調整剤として使用されたりしている。半導体分野では、薬剤原料、pH調整剤、排ガス処理剤、ブラストメディア等として使用されている。
また、特に日本国内では浴用剤としても使用されている。さらに、近年では工業用途も拡大しつつあり、ブラストメディアや酸性ガス中和剤としての用途などが増加している。
この炭酸水素ナトリウムは、通常粉末あるいは粒状の結晶粒子の形態で製造、包装されて、出荷、輸送、保管、かつ使用されている。しかし、市販されている炭酸水素ナトリウムの結晶粒子は一般的に固結性を示す。この傾向は特に梅雨時期において著しい。固結(ケーキングともいう。)が生じた場合には、粒子の流動性が低下し、流通から使用時の各過程における取り扱い性が著しく低下し、各種の障害をもたらす。よって、固結性は、炭酸水素ナトリウムの商品価値を低下させる大きな問題である。
固結は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面が、ソーダ灰成分に変化する過程で生じることが知られている。ソーダ灰成分とは、炭酸ナトリウム無水塩(Na2CO3)、炭酸ナトリウム一水塩(Na2CO3・H2O)、ウェグシャイダー塩(Na2CO3・3NaHCO3)およびセスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)の群からなる化合物の総称である。
炭酸水素ナトリウムが、上記ソーダ灰成分の内、何れの化合物の状態で安定するかは、温度と相対湿度と二酸化炭素分圧によって定まる。
例えば、梅雨時のような高温多湿の環境下では、炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、その表面に炭酸ナトリウム無水塩が生成し、生成した炭酸ナトリウム無水塩が、炭酸ナトリウム一水塩またはウェグシャイダー塩となり、最終的にセスキ炭酸ナトリウムに変化したところで最も安定する。一方、乾燥した雰囲気では、ウェグシャイダー塩に変化したところで安定する。
炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面が、ソーダ灰成分に変化する過程で固結が生じるのは、組成変化に伴って結晶粒子の体積や質量が変化し、結晶粒子同士の接触点で架橋が生じることによると考えられている。
固結性を防止するため、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面の一部又は全部を、セスキ炭酸ナトリウムとした耐固結性重曹が提案されている(特許文献1)。特許文献1の提案により固結性の改善が見られるのは、予め高温多湿の環境下で安定であるセスキ炭酸ナトリウムの層を表面に設けることにより、炭酸水素ナトリウムからセスキ炭酸ナトリウムへの変化が、流通段階以降に生じることを阻止できるためであると思われる。
このように、固結性防止の観点から、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面のソーダ灰成分量を評価することが重要であり、特許文献1では、無水メチルアルコールによって抽出されるソーダ灰成分量を塩酸溶液で滴定して測定する方法(以下「無水メタノール抽出法」という。)により、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面のソーダ灰成分量を評価している。現状の技術水準では、この無水メタノール抽出法が最も精度が高いと考えられる。
特開2003−104722号公報
しかしながら、無水メタノール抽出法は無水メタノールに抽出されないウェグシャイダー塩は測定できない。また、そのウェグシャイダー塩を除くソーダ灰成分量の検出限界は、炭酸ナトリウム無水塩換算で0.01質量%である。
これに対して、本願発明者は、無水メタノール抽出法で測定した場合、ソーダ灰成分量が炭酸ナトリウム無水塩換算で0.01質量%未満となるような極めて高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子が優れた耐固結性を有することを見いだした。そのため、このような高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子については、無水メタノール抽出法に基づいてソーダ灰成分量を評価し難いという問題が生じた。
本発明は、上記の事情に鑑みて、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面に存在する極微量のソーダ灰成分量(ウェグシャイダー塩を含むソーダ灰成分の総量)を評価する分析方法を提供する。
本発明者らは、特定の組成のフェノールフタレインの水−アルコール溶液を炭酸水素ナトリウム結晶粒子に滴下し、その色相の変化を観察することにより、従来の分析方法では、その存在が極めて微量なために識別不可能であった、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面に存在する極微量のソーダ灰成分量の評価が可能となることを見いだした。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1]フェノールフタレインの0.1〜2質量%と、メチルアルコール、エチルアルコール及びプロピルアルコールの群から選択される1以上のアルコールの10〜90質量%とを含み、残部が水であるフェノールフタレイン溶液を、炭酸水素ナトリウム結晶粒子に滴下し、該炭酸水素ナトリウム結晶粒子のフェノールフタレインの変色に基づく色相変化を観察することにより、該炭酸水素ナトリウム結晶粒子のソーダ灰成分量を評価することを特徴とする炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
[2]前記アルコールがエチルアルコールである[1]に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
[3]前記フェノールフタレイン溶液を滴下して1〜30秒後の何れかの時点における色相を観察する[1]または[2]に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
本発明の分析方法によれば、従来の分析方法では、その存在が極めて微量なために識別不可能であった、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面に存在する極微量のソーダ灰成分量の評価が可能である。具体的には、従来の無水メタノール抽出法では分析できなかった、炭酸ナトリウム無水塩換算で総量0.01質量%未満のソーダ灰成分量を識別して評価することができる。
また、本発明の分析方法で評価できるソーダ灰成分量の中にはウェグシャイダー塩も含まれる。すなわち、本発明の分析方法によれば、ウェグシャイダー塩を含むソーダ灰成分の総量を評価できる。
また、本分析方法は特定の組成のフェノールフタレインの水−アルコール溶液を炭酸水素ナトリウム結晶粒子に滴下するだけという極めて容易な操作で行うことができる。さらに、使用する試薬も安価である。
[PP溶液]
本発明の分析方法には、フェノールフタレインの0.1〜2質量%と、メチルアルコール、エチルアルコール及びプロピルアルコールの群から選択される1以上のアルコールの10〜90質量%とを含み、残部が水であるフェノールフタレイン溶液(以下「PP溶液」という場合がある。)を用いる。
フェノールフタレインは指示薬として使用され、アルカリ性で赤〜赤紫に呈色し、変色のpH域は8.3〜10.0である。よってPP溶液が赤く着色するということは、pHが8.3以上になったということである。よってフェノールフタレインの変色に基づく着色があるということは、結晶粒子表面に接したPP溶液のpHが8.3以上となったことを示す。
ソーダ灰成分がPP溶液に溶解するとpH8.3以上となるので、PP溶液が赤く着色すれば、これを滴下された炭酸水素ナトリウム結晶粒子が、特に表面近傍部分において、ソーダ灰成分を含むことを意味する。一方、着色しないということは、これを滴下された炭酸水素ナトリウム結晶粒子が、特に表面近傍部分において、ソーダ灰成分を実質的に含まないことを意味する。
なお、PP溶液は水を含むためにウェグシャイダー塩も溶解でき、ウェグシャイダー塩を含めたソーダ灰成分全体を検出できる。
本発明のPP溶液の組成は、フェノールフタレインのこの性質をうまく発揮できるようにして微量のソーダ灰成分を短時間で検出するのに適した組成となっている。
PP溶液中のフェノールフタレインの含量は0.1〜2質量%であるが、0.5〜2質量%であることがより好ましい。少なくても多すぎても呈色の感度が低下してしまう。
本発明のPP溶液に用いるアルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール若しくはプロピルアルコール、またはこれらを混合したアルコールである。有機溶剤として人体に対する安全性が高く取扱いが簡便であることから、エチルアルコール若しくはイソプロピルアルコール、またはこれらの混合物であることが好ましい。さらにエチルアルコールであることが特に好ましい。
PP溶液中のアルコールの含量は、10〜90質量%であるが、20〜70質量%であることがより好ましい。アルコールの含量が多すぎると、ソーダ灰成分の検出感度が低下してしまう。一方、アルコールの含量が少なく水が多すぎるとPP溶液滴下後の色相の変化が速くなり観察しづらくなる。
本発明のPP溶液の組成は、上記の範囲で適宜選択すれば良いが、測定結果の再現性を得るためには、一定の組成に固定して分析を繰り返す必要がある。また複数のサンプルの測定結果を比較する場合にも、一定の組成に固定したPP溶液で分析を行う必要がある。
[分析手順]
本発明の分析方法は、具体的には以下の手順で行う。まずサンプル5〜20gをガラス板状に円錐形をなすように置き、その頂点部分をスパチュラで押しつぶし、上部に直径1〜3cmの平らな部分を作る。ここにPP溶液をスポイトで1〜3滴を滴下する。測定時の温度については室温であれば良い。10〜30℃であれば好ましい。
これらの手順は、測定結果の再現性を得るためにも、また複数のサンプルの測定結果を比較可能とするためにも、できるだけ同じ条件に固定することが好ましい。
そして、滴下後の色相の変化を滴下して1〜30秒後の何れかの時点で観察する。
無水メタノール抽出法では測定できない微量のソーダ灰成分が存在するだけでも、直ちにフェノールフタレインの変色に基づく着色が生じるため、滴下した後1秒間経過すれば、充分に検出できる。
また、滴下した後、あまりに長時間放置すると、ソーダ灰成分が存在しなくても着色してしまう。これは、水に溶けた炭酸水素ナトリウム成分が二酸化炭素を放出して分解していき、次第にpHが上昇することによる。また、観察までの時間が長すぎると、ある程度ソーダ灰成分を含む炭酸水素ナトリウム結晶粒子では呈色が濃くなりすぎ、ソーダ灰成分量の違いを判別することが困難となる。さらに、測定時間は短いほど簡易測定方法としては便利である。
好ましい観察時間は、サンプルのソーダ灰成分量に応じて適宜選択すればよい。サンプルのソーダ灰成分量が多いほど、呈色が濃くなりすぎないよう、滴下後観察するまでの時間は短い方が好ましい。サンプルのソーダ灰成分量が極微量の場合には、滴下後観察するまでの時間を、ある程度長くすることが可能である。例えば滴下して5秒後、10秒後に観察することができる。滴下後着色するまでの時間が長いほど、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面のソーダ灰成分量が低いことがわかる。
測定結果の再現性を得るためには、滴下後観察するまでの時間は一定の時間に固定して分析を繰り返す必要がある。また複数のサンプルの測定結果を比較する場合にも、一滴下後観察するまでの時間は一定の時間に固定する必要がある。
滴下後1〜30秒間の間に複数回観察することもできる。例えば、複数のサンプルについて、5秒後と10秒後の色相を観察することで、両者のソーダ灰成分量をより詳細に比較して評価できる。
[色相の評価]
色相を客観的に表現するため、例えば、RGB256階調表記を用いることができる。ここで、RGB 値は、RGB 表色系における各原色の混色割合を示し、また、RGB 表色系は、相互に独立する3つの原色(R、G、B)を加法混色することによって表色する色表示方法である。
RGB256階調表記では、PP溶液の着色が濃くなるほどGの値が減少する。PP溶液を滴下して1秒後の色が、RGB256階調表記で、R=245〜255かつG=243〜255かつB=245〜255であれば、ソーダ灰成分が実質的に存在しないことが確認できる。
また、市販の色見本の色番号で表現することもできる。例えば、株式会社ジーイー企画センター発行の色見本「カラーファン」(2000年2月27日発行、ISBN4−921062−03−X)の色番号の601番は、RGB256階調表記でR=255、G=242、B=255である。また、色番号の602番は、RGB256階調表記でR=255、G=230、B=255である。したがって、この色見本を用いて、色番号の601番より薄い色調であれば、RGB256階調表記におけるR=245〜255、G=243〜255、B=245〜255を満たす色相であることを意味する。
その他、プロセスカラー値、HTML用16進数等の指標で表現することもできる。前記色見本「カラーファン」によると、色番号601番はプロセスカラー値でC=0、M=5、Y=0で、HTML用16進数(ウェブカラーチャート)では、16進数表記でR=FF、G=F2、B=FFである。一方、色番号で602番はプロセスカラー値でC=0、M=10、Y=0で、HTML用16進数で、16進数表記でR=FF、G=E6、B=FFである。したがって、この色見本を用いて、色番号601より薄い色相であるならば、プロセスカラー値でC=0、Y=0、でMが5未満、あるいはHTML用16進数で、16進数表記でR=FF、B=FFで、GがF3以上であることを満たしていることとなる。
[炭酸水素ナトリウム結晶粒子]
本発明の分析方法は、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量が検出下限未満である高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子に特に好適に適用できる。
具体的には、無水メチルアルコールによって抽出されるソーダ灰成分量が、炭酸ナトリウム無水塩換算で0.01質量%未満である炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析に好適である。
ここで、「無水メチルアルコールによって抽出されるソーダ灰成分量」とは、ウェグシャイダー塩を除くソーダ灰成分、すなわち、炭酸ナトリウム無水塩、炭酸ナトリウム一水塩、およびセスキ炭酸ナトリウムの総量である。
後述する実施例に示すごとく、無水メタノール抽出法で0.01質量%未満のソーダ灰成分量であっても、炭酸水素ナトリウム結晶粒子表面のソーダ灰成分量の違いにより、例えば、上記「カラーファン」(2000年2月27日発行、ISBN4−921062−03−X)の色番号で601番未満と602番との差が生じ、区別して評価できる。つまり、従来最も精度の高い無水メタノール抽出法で検出できない程度のソーダ灰成分濃度であっても、本発明によれば段階的にその濃度を識別できる。
この602番と601番未満の差異は、プロセスカラー値で表現すると前者のMが10、後者のMが5である。すなわち、プロセスカラー値で表現すれば、さらに細かい段階的な識別が可能である。
なお、本発明の分析対象となる炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、乾燥した粉体であることが好ましい。水分を含み湿潤していると、分析対象となる炭酸水素ナトリウム結晶粒子自体が分解により経時変化しやすいため、再現性のある分析が行いにくい。
前記カラーファンの色見本で601番未満となる高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子(以下「高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子」という場合がある。)は、いずれの平均粒子径を有するものでも耐固結性及び耐熱分解性向上の効果を有する。ここで、平均粒子径とは質量基準の平均粒子径であり、質量基準の累積粒度分布で50%の粒子径として定義される。具体的には、JIS Z 8801−1に規定する篩分け法(以下、「篩分け法」という)に従って、ロータップ型篩振盪機を用いて測定される。
耐固結性の効果を発揮する好ましい平均粒子径は5〜500μmであり、10〜300μmであることがより好ましい。平均粒子径が500μmを越えると、結晶の質量の影響が大きくなり重力によって崩れやすくなるので耐固結性の効果の寄与が相対的に低下する。
一方、平均粒子径が10μmを下回るとファンデルワールス力等の粒子間力の影響により凝集し、さらには粒子の単位容積当りの粒子同士の接触点数が増加するために、本質的に固結しやすい微粉体となるので、耐固結性の効果が低下する場合がある。
高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、耐固結性及び耐熱分解性に優れる。これは、分解開始の起点となる結晶表面が高純度の炭酸水素ナトリウムであることから結晶性が高く、熱力学的に安定性が高いためであると考えられる。すなわち、高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、ソーダ灰成分に変化する際の活性化エネルギーが従来の炭酸水素ナトリウム結晶粒子に比して高いため、変化に伴って生じる固結が抑制されているものと考えられる。また、高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、分解する際の活性化エネルギーが従来の炭酸水素ナトリウム結晶粒子に比して高いため、加熱条件下でも容易に分解しないものと考えられる。
例えば、窒素ガス中で加熱した際の耐熱分解性が優れることに関しては、Takeo Ozawa、A New Method of Analyzing Thermogravimetric Data、Bull. Chem. Soc. Japan 38、1881 (1965)に記載の、小澤丈夫による活性化エネルギーの測定方法によって、活性化エネルギーが高いこととして確認できる。
[高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法]
高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、原料となる炭酸水素ナトリウム結晶粒子(以下「原料結晶粒子」という場合がある。)を加湿した二酸化炭素ガスに接触させる重炭酸化処理を行うことによって製造できる。また、重炭酸化処理後に乾燥処理を行うことにより、粉末状とすることができる。
(原料結晶粒子)
原料結晶粒子は、湿潤していても、乾燥した粉末状であってもよい。湿潤している場合の水分量は、乾燥基準で30質量%以下が好ましい。水分量が多くスラリー状等であると、その後の処理において、凝集した粒子を生成しやすくなるので好ましくない。
後述のごとく、原料結晶粒子の製造では、製造工程において炭酸水素ナトリウム結晶粒子の晶析工程後に固液分離し、湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子を工程品として得て、これを乾燥している。
湿潤していれば、原料結晶粒子の製造工程中の乾燥工程と高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法を一連の工程として行うことができるので、製造工程が簡略化できる。また、製造工程品である湿潤した炭酸水素ナトリウムを乾燥させることなく用いるので、製造時に使用するエネルギーも削減することができる。
また、市販の粉末状炭酸水素ナトリウムを原料結晶粒子として利用することもできる。
なお、粉末状の原料結晶粒子を、好ましくは乾燥基準で水分含有量40質量%以下、より好ましくは30質量%以下の範囲で湿潤させてから加湿した二酸化炭素ガスで処理に供してもよい。
すなわち、原料結晶粒子は、従来の製造方法による市販の粉末状炭酸水素ナトリウムでも、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造工程における工程品でもよい。
湿潤した原料結晶粒子は、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の通常の製法に従って製造することができる。例えば、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの水溶液に二酸化炭素ガスを通気することにより、炭酸水素ナトリウムを結晶として析出させたスラリーを得(晶析工程)、このスラリーを濾過や遠心分離により固液分離することにより、湿潤した炭酸水素ナトリウム結晶粒子が得られる(固液分離工程)。なお、晶析工程に使用する二酸化炭素ガスは、循環使用してもよい。
ここで用いる水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウム、及び二酸化炭素ガスとしては、不純物をできるだけ含まないものを使用することが好ましい。必要に応じて、使用時に精製してもよい。
不純物としては、鉄や鉛などの重金属、ヒ素、塩化ナトリウムなどの塩化物、硫酸根、硫黄、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、有機化学物質などが挙げられる。
イオン交換膜電解で得られる水酸化ナトリウムは、高純度品が得やすく、原料として好ましい。精製方法としては、液体原料(水酸化ナトリウム水溶液および炭酸ナトリウム水溶液)および気体原料(二酸化炭素ガス)とも固体の不純物は精密濾過等により除去できる。また、液体原料中にイオン化している不純物は水酸化物や硫化物として固体化して精密濾過等により除去することができる。気体原料中に気化している不純物はスクラバー等により炭酸ナトリウム希薄水溶液と接触させたり、活性炭やゼオライトに吸着させたりすること等により除去できる。
固液分離工程での、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の水分含有量は、乾燥基準で10質量%が好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%付近であることが特に好ましい。
水分含有量が低いほど、母液中のソーダ灰成分が、炭酸水素ナトリウムの結晶粒子に付着することを防止できるので、高純度の炭酸水素ナトリウムの結晶粒子を得やすい。特に3質量%付近とすることにより、母液の影響を実質的に排除できると共に、乾燥に要するエネルギーを削減することができる。
固液分離した後には、水洗(ケーキリンス)することが好ましい。これにより、炭酸水素ナトリウム結晶粒子に付着した炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムとの水溶液(以下「母液」という場合がある。)を除去することができる。
市販の粉末状炭酸水素ナトリウムは、ここまでの工程の後に乾燥処理が行われて製品化されている。
乾燥処理においては、ソーダハンドブック、日本ソーダ工業会発行、1975年1月30日発行、105〜106ページ。に記載されているように、分解を押さえるために二酸化炭素ガスを加えて乾燥することが好ましい。また、米国化学会モノグラフシリーズ、「MANUFACTURE OF SODA」第2版、XVIII章、Manugacture of Refined Sodium Bicarbonate、282頁、(Reinhold Publishing社発行、1942)に示されているごとく、乾燥では二酸化炭素ガスではなく空気を使用して乾燥してもよい。
市販の粉末状炭酸水素ナトリウムは、使用目的に応じた粉体性状となるように、分級あるいは粉砕されている。
(重炭酸化処理)
重炭酸化処理は、原料結晶粒子表面のソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムにする処理である。重炭酸化処理は、原料結晶粒子を温度40〜95℃に加熱した状態で、当該温度における相対湿度が5〜95%、二酸化炭素ガス分圧が0.05〜0.5MPaである加湿した二酸化炭素ガスに接触させる(加湿した二酸化炭素ガスを原料結晶粒子中に通気する)ことにより行う。
ここで、処理されている原料結晶粒子の温度は、50〜90℃であることがより好ましく、60〜80℃であることがさらに好ましい。
温度が高いほど、ソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムに変化させる反応が進みやすい。一方、温度を高くしすぎないことにより、重炭酸化処理中に炭酸水素ナトリウムが分解することを抑制できる。温度が高すぎると、二酸化炭素ガスの分圧をより高くしなくてはならず処理設備の耐圧性を高くしないとならないなど好ましくない。
また、加湿した二酸化炭素ガスの処理されている原料結晶粒子の温度における相対湿度は、10〜90%であることがより好ましい。
相対湿度が高いほど、ソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムに変化させる反応が進みやすい。一方、相対湿度を高くしすぎないことにより、処理設備内部や処理設備に接続される配管内の結露を抑制できる。
また、二酸化炭素ガス分圧は、0.06〜0.3MPaであることがより好ましく、0.07〜0.1MPaであることがさらに好ましい。
二酸化炭素ガス分圧は高いほど、ソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムに変化させる反応が進みやすい。一方、二酸化炭素ガス分圧を高くしすぎないことにより、処理設備や処理設備に接続される配管の耐圧性を高めるためのコストアップを回避できる。
加湿した二酸化炭素ガス中には、炭酸水素ナトリウムと反応しないガスであれば、他のガスを共存させることができる。例えば、空気、窒素、酸素を共存させることができる。これに対して、塩化水素ガス、酸化硫黄ガスのような酸性ガスは、炭酸水素ナトリウムと反応してしまうので共存させるべきでない。
処理時間は20分〜10時間が好ましく、30分〜5時間がより好ましい。処理時間が長いほど、ソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムに変化させる反応を充分に行える。一方、処理時間を長くしすぎないことにより、設備の大型化やコストアップを回避できる。なお、必要な処理時間は、処理すべき原料結晶粒子と加湿した二酸化炭素ガスとの接触効率や、原料結晶粒子表面のソーダ灰成分の量によって増減する。
処理されている原料結晶粒子の温度は、加湿した二酸化炭素ガスを加熱し、このガスとの直接熱交換により調整される。あるいは処理設備がロータリードライヤー形式であれば、本体壁や内部の多管式熱交換器との間接熱交換により調整できる。
加湿した二酸化炭素ガスは、処理設備内に供給後循環させ、繰り返し利用することが好ましい。この場合、加湿した二酸化炭素ガスを循環させる循環経路中に、調温手段や、調湿手段を設ける。この循環経路には、さらに、排気経路及び/又は給気経路をもうけることもある。排気や給気は圧力調整やガス組成の調整のために使用する。処理すべき原料結晶粒子に同伴する水分や窒素ガスなどが循環経路に蓄積すれば排気する。給気経路からは二酸化炭素ガスや水蒸気などが供給される。調温手段としては、例えば熱交換器が使用できる。調湿手段は、除湿器及び/又は加湿器である。処理設備に供給される原料結晶粒子の水分含有量や給気や排気の量や組成に応じて、除湿器や加湿器を使用して調湿を行う。
重炭酸化処理では、循環ガスの排出を抑えるよう調整すれば、二酸化炭素ガスの消費量は少なくなるので、重炭酸化処理により、原料結晶粒子表面のソーダ灰成分を炭酸水素ナトリウムに変化させる反応における二酸化炭素ガスの利用率を高くできる。
(乾燥処理)
乾燥処理には、パドル混合機と間接冷却ジャケットを有した円筒形の冷却装置や、冷却ディスクを有した円筒形の冷却装置や、流動層や、ロータリードライヤーや、フラッシュドライヤーなど種々の方法が好適に使用できる。
乾燥処理は、重炭酸化処理後の原料結晶粒子を、乾燥した二酸化炭素ガスに接触させる(乾燥した二酸化炭素ガスを原料結晶粒子中に通気する)ことによって行う。この乾燥処理により、乾燥した炭酸水素ナトリウム結晶粒子が得られる。乾燥した二酸化炭素ガスは、水蒸気分圧0.9kpa以下、二酸化炭素ガス分圧0.05〜0.5MPaであることが好ましい。
水蒸気分圧0.9kPaは露点で5℃に相当する。水蒸気分圧は、0.6kPa(露点で0℃)以下であることがより好ましい。
二酸化炭素ガスの乾燥程度は露点で5℃(水蒸気分圧で0.9kPa)以下が好ましく、より好ましくは露点で0℃(水蒸気分圧で0.6kPa)以下である。水蒸気分圧が低いほど、乾燥効率が高い。
水蒸気分圧は低いほどよい。これにより、乾燥処理の時間短縮や設備の小型化が達成できる。また、乾燥後の炭酸水素ナトリウム結晶粒子に同伴する気体の湿度が低くなるので、より一層、固結しがたくできる。
二酸化炭素ガス分圧の下限は、0.06MPaであることがより好ましく、0.08MPaであるとさらに好ましい。0.09MPa以上であることが最も好ましい。一方、上限は、0.3MPaであることがより好ましく、0.1MPaであることがさらに好ましい。
二酸化炭素ガス分圧は高いほど、乾燥中の分解を抑制しやすい。一方、二酸化炭素ガス分圧を高くしすぎないことにより、処理設備や処理設備に接続される配管の耐圧性を高めるためのコストアップを回避できる。
乾燥した二酸化炭素ガス中には、炭酸水素ナトリウムと反応しないガスであれば、他のガスを共存させることができる。例えば、空気、窒素、酸素を共存させることができる。これに対して、塩化水素ガス、酸化硫黄ガスのような酸性ガスは、炭酸水素ナトリウムと反応してしまうので共存させるべきでない。
乾燥した二酸化炭素ガスも重炭酸化用の加湿した二酸化炭素ガスと同様に、除湿機や冷却機や加熱機を設置すれば、循環使用することができる。
(冷却処理)
乾燥処理と同時に、あるいは乾燥処理後に引き続いて、冷却処理することが好ましい。具体的には、得られた炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度を50℃以下とすることが好ましく、40℃以下とすることがより好ましく、35℃以下とすることがさらに好ましい。
温度を下げることにより、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分解を抑制できる。なお、5℃より低くすることは、炭酸水素ナトリウム結晶粒子が結露し水分が付着する原因となりうるので好ましくない。
冷却する設備としては、パドル混合機と間接冷却ジャケットを有した円筒形の冷却装置や、冷却ディスクを有した円筒形の冷却装置や、流動層や、ロータリードライヤーや、フラッシュドライヤーなど種々の方法が好適に使用できる。これら処理設備は前述の乾燥処理設備と併用できる。
冷却時に使用する二酸化炭素ガスの乾燥程度は露点で5℃(水蒸気分圧で0.9kPa)以下が好ましく、より好ましくは露点で0℃(水蒸気分圧で0.6kPa)以下である。
二酸化炭素ガス分圧は、0.03〜0.3MPaである。二酸化炭素ガス分圧の下限は、0.06MPaであることがより好ましく、0.08MPaであるとさらに好ましい。0.09MPa以上であることが最も好ましい。一方、上限は、0.2MPaであることがより好ましく、0.1MPaであることがさらに好ましい。
二酸化炭素ガス分圧は高いほど、冷却中の分解を抑制する。一方、二酸化炭素ガス分圧を高くしすぎないことにより、処理設備や処理設備に接続される配管の耐圧性を高めるためのコストアップを回避できる。
冷却時に使用する二酸化炭素ガスは重炭酸化用の加湿した二酸化炭素ガスと同様に、除湿機や冷却機や加熱機を設置すれば、循環使用することができる。また、冷却設備としてパドル混合機と間接冷却ジャケットを有した円筒形の冷却装置や、冷却ディスクを有した円筒形の冷却装置を使用すれば、これらは間接冷却式であるので冷媒によって炭酸水素ナトリウム結晶粒子を冷却できる。この場合、使用する二酸化炭素ガス量は少ないので、循環しなくとも支障は無い。
乾燥処理し冷却処理された後の炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、その後、篩分け等により分級される場合が多く、粉砕される場合も多い。これら工程においては、設備内部に二酸化炭素ガスを吹き込み、二酸化炭素ガスの雰囲気としておくとよい。炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の炭酸水素ナトリウムの分解を極力回避するためである。
以上によって製造された高純度炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、直ちに二酸化炭素ガスとともに密封包装することが好ましい。炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面の炭酸水素ナトリウムの分解を極力回避するためである。一時的に貯槽に貯留する場合は、貯槽内部に二酸化炭素ガスを吹き込み、包装時と同様の二酸化炭素ガスの雰囲気としておくとよい。冷却工程より後の工程で使用する二酸化炭素ガスは、冷却で使用する乾燥した二酸化炭素ガスと同等のガスが好ましい。すなわち露点で5℃(水蒸気分圧で0.9kPa)以下が好ましく、より好ましくは露点で0℃(水蒸気分圧で0.6kPa)以下である。
[水分含有量の測定]
以下のサンプル1〜3及び、サンプル1の原料として使用した旭硝子株式会社製の炭酸水素ナトリウム結晶粒子である商品名「炭酸水素ナトリウムKF」(以下サンプル1〜3と炭酸水素ナトリウムKFとを総称して「サンプル」という。)の水分含有量は、「デシケーター法」により求めた。すなわち、乾燥放冷し0.1mgまで正確に秤量した平形秤量瓶に、各サンプルの約10gを入れて総質量を0.1mgまで正確に秤量し、これをシリカゲルデシケーター内に平形秤量瓶の蓋を開けた状態で4時間放置した後、その総質量を0.1mgまで正確に秤量した。デシケーター内に放置する前と後の総質量の差を、デシケーター内に放置後のサンプルの質量で除することにより水分含有量を求めた。
[平均粒子径の測定]
サンプルの平均粒子径は前記のように、ロータップ型篩振盪機とJIS Z 8801−1に規定する篩分け法により求めた。
[無水メタノール抽出法による測定]
無水メタノール抽出法は具体的には、次のように実施する。
炭酸水素ナトリウム結晶粒子を5g秤量し、これを100mL(ミリリットル)の無水メタノールに入れ、30分間振とうする。得られた抽出液を0.1規定の濃度の塩酸でフェノールフタレインを指示薬として中和滴定する。ここで滴定に用いた0.1規定の塩酸は、水分の混入を極力減らすために、塩化水素の無水メタノール溶液か、35質量%の塩酸水溶液を無水メタノールで希釈して0.1規定の濃度に調整したものがよい。この無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分の測定では、炭酸ナトリウム無水塩に換算してソーダ灰成分量を表す。
[PP法による評価]
サンプル1〜3を対象として、本発明の分析方法(以下「PP法」という場合がある。)を行った。すなわち、サンプルの10gをガラス板状に円錐形をなすように置き、その頂点部分をスパチュラで押しつぶし、上部に直径2cmの平らな部分を作った。この平らな部分に、PP溶液をスポイトで1滴を滴下し、滴下後、1秒後の色相を観察した。サンプル1については、2秒後、5秒後、10秒後の色相も観察した。
色相の観察は、株式会社ジーイー企画センター発行の色見本「カラーファン」(2000年2月27日発行、ISBN4−921062−03−X)との比較により行った。また、サンプル1については、比較のため、PP溶液に代えて、純水をスポイトで1滴を滴下したものとの対比も行った。
なお、本実施例におけるPP溶液は、試薬特級のフェノールフタレイン粉末(関東化学、min.98.0%)の1.0gと試薬特級のエタノールの54.2gと純水の31.9gを混合して調製した。これは、フェノールフタレインが1.15質量%、エチルアルコールが62.23質量%、水が36.62質量%に相当する。
[サンプル1]
柴田化学株式会社製のロータリーエバポレーターR−200に3L(リットル)のナス型フラスコ(最大外径155mm)を設置し、ヒーティングバス中にナス型フラスコの底部を浸漬して加熱あるいは冷却することとした。
このナス型フラスコに、旭硝子株式会社製の炭酸水素ナトリウムKFを1kg仕込んだ。この炭酸水素ナトリウムKFの水分含有量は0.00質量%、平均粒子径は103μm、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量は0.07質量%であった。
ナス型フラスコを80℃のヒーティングバスに浸漬した状態で30rpm(毎分30回転)にて回転させ、内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子を攪拌しながら、ナス型フラスコの底部から12cmの高さまで挿入した内径3mmのPTFE製のチューブから加湿した二酸化炭素ガスを吹き込み、炭酸水素ナトリウムKFと接触させる処理(重炭酸化処理)を5時間行った。
重炭酸化処理に用いた加湿した二酸化炭素ガスは、二酸化炭素ガスボンベより100容積%の濃度の二酸化炭素ガスを毎分2Lで取り出し、これを60℃に加熱した純水中をくぐらせることにより加湿、加温したものを用いた。
処理中、ナス型フラスコ内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度を熱電対式の温度計より測定したところ、75℃であった。加湿した二酸化炭素ガスの相対湿度は炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度である75℃において52%であった。また加湿した二酸化炭素ガスの二酸化炭素の分圧は0.08MPaであった。本操作は大気圧下の操作であるので、全圧は0.1MPaである。すなわち、二酸化炭素分圧を引いた残りの0.02MPaが水蒸気分圧となっている。
次に、ナス型フラスコを80℃のヒーティングバスに浸漬した状態のままで30rpm(毎分30回転)にて回転させ、内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子を攪拌しながら、ナス型フラスコの底部から12cmの高さまで挿入した内径3mmのPTFE製のチューブから乾燥した二酸化炭素ガスを吹き込み、炭酸水素ナトリウムKFと接触させる処理(乾燥処理)を1時間行った。
乾燥した二酸化炭素ガスは、二酸化炭素ガスボンベより100容積%の濃度の二酸化炭素ガスを毎分2Lで取り出したものをそのまま用いた。この二酸化炭素ガスの露点は−76℃であった。
処理中、ナス型フラスコ内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度を熱電対式の温度計により測定したところ、75℃を維持していた。乾燥ガスの二酸化炭素ガス分圧は、大気圧下の操作で、二酸化炭素ガス濃度が100%なので0.1MPaである。
次に、ナス型フラスコを30℃のヒーティングバスに浸漬した状態で30rpm(毎分30回転)にて回転させ、内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子を攪拌しながら、ナス型フラスコの底部から12cmの高さまで挿入した内径3mmのPTFE製のチューブから乾燥した二酸化炭素ガスを吹き込み、炭酸水素ナトリウム結晶粒子と接触させる処理(冷却処理)を30分間行って、サンプル1を得た。
冷却処理における乾燥した二酸化炭素ガスも、二酸化炭素ガスボンベより100容積%の濃度の二酸化炭素ガスを毎分2Lで取り出したものをそのまま用いた。この二酸化炭素ガスの露点は−76℃であった。
処理終了時、ナス型フラスコ内部の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の温度を熱電対式の温度計により測定したところ、29℃であった。乾燥した二酸化炭素ガスの二酸化炭素ガスの分圧は、大気圧下の操作で、二酸化炭素ガス濃度が100%なので0.1MPaである。
得られたサンプル1の水分含有量はデシケータ法で0.00質量%、平均粒子径は篩分け法で103μm、ソーダ灰成分量は無水メタノール抽出法で0.01質量%未満であった。PP法による着色は、1秒後、2秒後、5秒後、10秒後の何れにおいても色番号の601番より薄い色相であった。また、1秒後、2秒後、5秒後、10秒後何れにおいても、純水を滴下した場合とは肉眼では判別できない程度に同様の色相であり、実質的な着色は観察されなかった。
サンプル1は、PP法による1秒後の色相が前記の色見本「カラーファン」の色番号の601番(RGB256階調表記でR=255、G=242、B=255)より薄い色調であって、R=245〜255、G=243〜245、B=245〜255を満たしている。色相に関しては、プロセスカラー値でC=0、M=5、Y=0より薄い色相、すなわちMは5未満である。また、HTML用16進数では16進数表記でR=FF、G=F2、B=FFより薄い色相、すなわちGはF3以上である。
2秒後、5秒後、10秒後何れの色相の変化も1秒後に記載の色相と同様であった。経過時間が長くなるほどフェノールフタレインによって着色しやすくなるが、サンプル1は2秒後、5秒後、10秒後ともフェノールフタレインにより着色せず、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の表面が炭酸水素ナトリウムであることが分かる。
[サンプル2]
サンプル2は、サンプル1をステンレスバット内に薄く撒き、100℃とした箱型乾燥機内に、5分間静置することにより得た。
以下、分析及び測定方法はサンプル1と同様である。
得られたサンプル2の水分含有量は0.00質量%、平均粒子径は87μm、ソーダ灰成分量は0.00質量%であった。PP法による着色は、1秒後は、前記の色見本「カラーファン」602番相当であった。
サンプル2は、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量が0.00質量%であるが、PP法による1秒後の色相が前記の色見本「カラーファン」の色番号601番より濃い602番(RGB256階調表記でR=255、G=230、B=255)相当である。色相に関しては、プロセスカラー値でC=0、M=10、Y=0程度の色相、すなわちMは5以上である。HTML用16進数では16進数表記でR=FF、G=E6、B=FF相当の色相、すなわちGはF2以下である。
[サンプル3]
サンプル3は、旭硝子株式会社製の「炭酸水素ナトリウムKF」であるが、サンプル1の原料とした「炭酸水素ナトリウムKF」及びサンプル3の「炭酸水素ナトリウムKF」とは別のロットのものを用いた。
サンプル3の水分含有量は0.00質量%、平均粒子径は120μm、ソーダ灰成分量は0.08質量%であった。PP法による着色は、1秒後は、前記の色見本「カラーファン」の601番より濃い608番相当であった。
サンプル3は、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量が0.08質量%であり、PP法による1秒後の色相が色番号の608番(RGB256階調表記でR=255、G=77、B=255)相当である。
色相に関しては、プロセスカラー値でC=0、M=70、Y=0程度の色相、すなわちMは5以上である。HTML用16進数では16進数表記でR=FF、G=4D、B=FF相当の色相、すなわちGはF2以下である。
サンプル1〜3のPP法による1秒後の前記「カラーファン」による色番号と、この色番号に対応する他の表記を纏めると表1のようになる。表1の末尾には、比較のため、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量も記載した。
表1に示すように、サンプル1とサンプル2は、無水メタノール抽出法では判別できないが、PP法によれば、ソーダ灰成分量の差を充分に識別できることが確認できた。
Figure 0004765692
[固結性の評価]
「二分割セル法」によって、サンプル1〜3の固結性を評価した。二分割セル法に用いる機器はホソカワミクロン株式会社製のコヒテスター(CT−2型)を用いた。二分割セルは、上部が開口した有底筒状(カップ状)で、底面を半割にする状態で二分割できるようになっている。セルの片側は固定されており、反対側のセルを水平方向に引っ張って二分割したときの引張力が計測できるようになっている。これによって、セル内部に充填した粉体層が破断(二分割)するときの引張破断力を測定できる。後述するようにこの値から炭酸水素ナトリウム結晶粒子同士の一接触点あたりの付着力を計算できるので、結晶粒子同士の付着に起因する固結を極めて定量的に評価できる。
このホソカワミクロン株式会社製のコヒテスターに関しては、粉粒体計測ハンドブック(日本粉体工業協会、日刊工業新聞社発行、197〜199ページ、1981年5月10日発行)に説明されている。
この炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結を、測定環境において、一接触点あたりの付着力で評価した例は無く、全く新規の評価方法である。そして本二分割セル法によって得た、平均粒子径や充填密度を補正した、一接触点あたりの付着力より固結性の低い炭酸水素ナトリウム結晶粒子を数値的に規定することが可能となった。
またコヒテスターによる測定環境条件を、次に記載しているセスキ炭酸ナトリウムが安定な領域に設置して、測定すれば、セスキ炭酸ナトリウム化に起因する付着力を測定でき、定量的に固結を測定できる。
具体的には、測定環境条件は、温度が17〜35℃、二酸化炭素ガス濃度が0.03〜0.05容量%、かつ40〜95%の間の相対湿度の環境で、0.1〜3日間静置することによる。二酸化炭素ガスの濃度は、一般的な大気中の濃度として0.03〜0.05容量%が好ましい。この二酸化炭素ガス濃度においてセスキ炭酸ナトリウムが安定な条件が温度が17〜35℃、相対湿度40〜95%である。静置期間は、0.1日より短いと、固結の発生が少なく、一接触点あたりの付着力が小さくなり測定し辛く、3日より長いと一接触点あたりの付着力が大きくなりすぎ測定し辛くなる。また比較したい炭酸水素ナトリウム結晶粒子同士では同じにしておく。
ここで、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結性を評価するに当たっては、特に次の条件において評価することとする。すなわち、予圧密荷重を49g/cm掛けつつ、23℃、相対湿度80%の環境に24時間静置し、一接触点あたりの付着力を測定する。
固結しにくい炭酸水素ナトリウム結晶粒子は、上記記載の条件で測定した炭酸水素ナトリウム結晶粒子の一接触点あたりの付着力が5μN以下である。より好ましくは一接触点あたりの付着力が3μN以下である。さらに好ましくは一接触点あたりの付着力が1μN以下である。固結防止において、一接触点あたりの付着力は小さいほうが好ましいが、5μN以下であれば、実際のほとんどの使用において支障は無い。
まず、二分割セルに充填する試料を秤量しておく。この量は事前に二分割セルに充填するのに適切な充填量となる質量を調査しておき、その質量の近似値とする。内径5cm、高さが2cmの二分割セルにサンプルを充填し、下面が平滑平面の962.7gの円柱状の重りを二分割セル内のサンプル層上面の上(二分割セル開口部分)に載せ(予圧密荷重49.05g/cm)、23℃、相対湿度80%の条件下で、24時間静置した。
静置後、二分割セルに載せた円柱状の重りを外し、サンプルの粉体層の充填高さを測定して、充填嵩密度を求めた。また、充填嵩密度から空隙率εを計算により求めた。この計算において、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の真密度は2.22g/cmとした。
そして、二分割セルの固定されていない方のセルを引っ張って、二分割セルをサンプルの粉体層と共に二分割し、そのときの引張破断力を測定した。二分割セルを分割した時の破断面積を、セルの直径5cmとサンプルの粉体層の充填高さから求め、引張破断力をこの破断面積で除することにより、サンプルの引張強度σを得た。さらに、以下の(3)式により一接触点あたりの付着力Hを求めた。これらの結果を表2に示す。
(3)式は、以下のように求められる。まず、引っ張り強度をσ(mN/cm)、 空隙率をε(−)、 一個粒子あたりの接触点数すなわち配位数をk(−)、一接触点あたりの付着力をH(mN)、平均粒子径をd(cm)とすると、以下の(1)式が成立する。
σ=(1−ε)(k)(H)/((π)(d)) (1)式
上記(1)式は、H.Rumpf、Agglomeration、p379〜417。Interscience、New York、(1962)、及びChemie−Ing.−Techn.42.Jahrg.1970/Nr.8,p538(1970)に開示されているRumpfの方法から算出できる。
さらに、これらの文献には以下の(1)式が開示されている。
kε≒3.1≒π (2)式
(2)式の関係を(1)式に代入することにより、(3)式が得られ、引張強度σと空隙率εと炭酸水素ナトリウム結晶粒子の平均粒子径dとから、炭酸水素ナトリウム結晶粒子の一接触点あたりの付着力H(mN)を求めることができる。
σ≒(1−ε)(H)/((ε)(d)) (3)式
平均粒子径と充填嵩密度が、この計算によって補正でき、一接触点あたりの付着力が算出できることが分かる。これは従来の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結評価方法ではなし得なかったことで、本実施例の評価方法によって初めて可能となった。一接触点あたりの付着力が求められることで、固結性を評価した数値が、工業的に有用な極めて汎用性の高いものとなった。
Figure 0004765692
表2に示すように、サンプル1は、一接触点あたりの付着力が極めて小さく耐固結性に優れていることが分かった。これに対して、サンプル2は、無水メタノール抽出法によるソーダ灰成分量が0.01質量%未満であるにも関わらず、一接触点あたりの付着力はサンプル3に近いものであった。ここで一接触点あたりの付着力の単位は式(3)ではmNであるが、表2においてはμNに変換して記載した。
この耐固結性を向上したサンプル1は、表1に示すように極めて高純度の炭酸水素ナトリウム結晶粒子である。そして、その耐固結性は、一接触点あたりの付着力が0.3μNと充分に小さく、極めて優れていた。
以上の結果から、PP法でなければ検出できない程度の極微量のソーダ灰成分を除くことにより、耐固結性を向上できることが分かった。また、特にサンプル2との比較では、無水メタノール抽出法による分析では検出できない、極微量のソーダ灰成分が炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結を加速することを示しており、本PP法が、固結性に影響を及ぼす極微量のソーダ灰成分量の評価に適していることがわかった。すなわち、本発明によれば、耐固結性の優れた炭酸水素ナトリウム結晶粒子を識別できることが確認できた。
[種々のアルコールを用いたPP溶液]
サンプル1〜3を対象として、PP溶液に用いるアルコールを替えて、本発明の分析方法を行った。すなわち、サンプルの10gをガラス板状に円錐形をなすように置き、その頂点部分をスパチュラで押しつぶし、上部に直径2cmの平らな部分を作った。この平らな部分に、下記組成のPP溶液をスポイトで1滴を滴下し、滴下後、1秒後の色相を観察した。
色相の観察は、株式会社ジーイー企画センター発行の色見本「カラーファン」(2000年2月27日発行、ISBN4−921062−03−X)との比較により行った。
本実施例に用いたPP溶液は、試薬特級のフェノールフタレイン粉末(関東化学、min.98.0%)の1.0gと試薬特級の各種アルコール(エチルアルコール、メチルアルコール、またはイソプロピルアルコール)の54.2gと純水の31.9gを混合して調製した。これは、フェノールフタレインが1.15質量%、アルコールが62.23質量%、水が36.62質量%に相当する。
表3に示すように、何れのアルコールを用いても同様の傾向の結果が得られ、これらのアルコールが総て使用可能であることが確認できた。
Figure 0004765692
本発明の分析方法によれば、従来の無水メタノール抽出法では分析できなかった、炭酸ナトリウム無水塩換算で総量0.01質量%未満のソーダ灰成分を簡便に分析することができる。さらにウェグシャイダー塩も分析できる。これによって0.01質量%未満のソーダ灰成分の含量の程度を簡便かつ短時間で識別できる。
一方、炭酸水素ナトリウム結晶粒子は表面も炭酸水素ナトリウムであると固結性が大幅に低減される。よってこの炭酸水素ナトリウム結晶粒子を特定できることは、産業上大いに有用である。しかし、従来の技術である無水メタノール抽出法では炭酸ナトリウム無水塩換算で総量0.01質量%未満の無水メタノールで抽出されるソーダ灰成分を識別できないために、この固結性の低い炭酸水素ナトリウム結晶粒子を特定できなかった。本発明の分析方法によれば、識別が可能である。
さらに本分析方法は特定の組成のフェノールフタレインの水−アルコール溶液を炭酸水素ナトリウム結晶粒子に滴下するだけという極めて容易かつ短時間の操作でよく、また使用する試薬も従来の無水メタノール抽出法と比較して安価である。

Claims (3)

  1. フェノールフタレインの0.1〜2質量%と、メチルアルコール、エチルアルコール及びプロピルアルコールの群から選択される1以上のアルコールの10〜90質量%とを含み、残部が水であるフェノールフタレイン溶液を、炭酸水素ナトリウム結晶粒子に滴下し、
    該炭酸水素ナトリウム結晶粒子のフェノールフタレインの変色に基づく色相変化を観察することにより、該炭酸水素ナトリウム結晶粒子のソーダ灰成分量を評価することを特徴とする炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
  2. 前記アルコールがエチルアルコールである請求項1に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
  3. 前記フェノールフタレイン溶液を滴下して1〜30秒後の何れかの時点における色相を観察する請求項1又は2に記載の炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法。
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