JP2000334298A - 金属探知機に検知されない珪藻土担体及び酸素吸収材、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

金属探知機に検知されない珪藻土担体及び酸素吸収材、並びにそれらの製造方法

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JP2000334298A
JP2000334298A JP11151651A JP15165199A JP2000334298A JP 2000334298 A JP2000334298 A JP 2000334298A JP 11151651 A JP11151651 A JP 11151651A JP 15165199 A JP15165199 A JP 15165199A JP 2000334298 A JP2000334298 A JP 2000334298A
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Tsuyoshi Onoe
堅 尾上
Shigeru Kasuya
滋 糟谷
Setsuo Agawa
節雄 阿川
Hidetoshi Hatakeyama
秀利 畠山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Nittetsu Mining Co Ltd
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩酸等の酸洗を行うことなく金属探知機で検
知されない珪藻土担体、それを利用した酸素吸収材及び
それらの製造方法の提供。 【解決手段】 珪藻土粉末を湿式成形し、成形体を充分
なる酸化雰囲気中で、徐々に昇温し、昇温後600〜9
00℃に維持し、その後徐々に降温する条件下で焼成し
て、0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知できるように
設定された金属探知機で検知されることがなく、保水率
が90%以上、湿式粉化率が60%以下の非酸洗珪藻土
微粒成形担体を製造する。また、その担体に酸素吸収成
分を担持して酸素吸収材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪藻土担体及びそ
れを使用した酸素吸収材、並びにそれらの製造方法に関
する。より詳しくは、酸素吸収成分あるいは吸湿性成分
等の各種成分を担持するための珪藻土担体、及び食品の
保管性向上等のために使用される該担体に酸素吸収成分
を担持した酸素吸収材、並びにそれらの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品保存技術の一つとして酸素吸
収材を使用する技術が確立され、これを食品包装体内に
同封し、該包装体内に保管された食品の酸化防止、変色
防止、カビや細菌の増殖防止等に利用されている。この
技術では、封入時に食品包装体内に存在した酸素あるい
はその後包装体形成膜を透過した酸素を、同封した酸素
吸収材で吸収することによって、包装体内の食品は実質
的に無酸素状態に保持され、その結果包装体内では、そ
こに存在する食品の酸化防止、変色防止、カビや細菌の
増殖防止等が図られる。
【0003】その食品を製造するメーカーは、消費者が
あらゆる面で安心し、信頼して購入できる製品を提供す
ることが不可欠であり、それには製品の安全性を管理
し、保証することが重要なこととなる。そのためには、
食品自体の変質、変色あるいは腐敗等の劣化がないこと
は勿論のこと、それと同時に、針、釘等の金属異物が製
品に混入していないことが重要なことであり、その混入
回避は不可欠なことである。これら安全対策のために各
種検知手段が採用されており、その一つの手段として金
属探知機が利用されることが多い。
【0004】この金属探知機を食品の異物探知に利用す
る場合には、包装製品そのものが検知対象となることか
ら、包装容器内に同封されている食品を含む全ての内容
物が金属探知機で検知されない性質であることが求めら
れる。その結果酸素吸収材及びそれに使用される担体に
ついても、金属探知機で検知されない成分からなること
が勿論求められることになる。
【0005】そのため、酸素吸収材及び酸素吸収材用担
体についても金属探知機で探知されないものが既に開発
されており、それには珪藻土担体に担持された酸素吸収
材があり(特開平5−269376号公報)、既に商品
化もされている。この珪藻土担体は、鉄分の少ない珪藻
土原石を粉砕した後に湿式成形し、成形後焼成するもの
である。この担体の製造においては、焼成後に塩酸等の
酸溶液で洗浄することにより、焼成後の珪藻土担体中に
存在する磁性のある鉄成分を溶解除去するものであり、
このようにすることにより金属探知機で検知される鉄成
分の含有量の低減を図っている。
【0006】この珪藻土担体は、前記したとおり焼成
後、塩酸等で酸洗することにより金属探知機で検知され
ないものとしており、この酸洗を行わない場合には、焼
成品に含まれる磁性鉄成分が、金属探知機で検知される
ことも知られている。その理由としては、原石中の鉄分
が焼成により磁性の強い鉄化合物に変性し、その結果磁
性鉄成分が金属探知機で検知される程の含有量になるも
のと考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような酸洗工程を必要とする煩雑なものではな
く、この焼成後の酸洗工程を必要とせずに金属探知機で
検知されることのない酸素吸収材用等に使用可能な担体
を製造することができないかと色々と探求し、その結果
開発したのが本発明である。したがって、本発明は、焼
成後酸洗を行うことなく簡便に、金属探知機で検知され
ることのない珪藻土担体、それを使用した酸素吸収材、
及びそれらの製造方法を提供することを発明の解決すべ
き課題、すなわち、発明の目的とするものである。
【0008】なお、焼成後の塩酸等の酸洗処理を実施し
ないで、金属探知機で検知されることのない酸素吸収材
等の担体用として使用可能な珪藻土の成形体を製造する
提案(特開平10−290930号公報)もつい最近行
われている。この方法は、酸化鉄分の含有量0.5重量
%の珪藻土を150〜300℃で焼成するというもので
ある。この方法について、我々が追試したところによれ
ば、その下限の150℃以下の低温で焼成した場合ある
いはそれ以上の温度の場合には、焼成時間が短く、焼成
が不充分な場合には金属探知機で検知されない珪藻土が
得られることがわかった。
【0009】しかしながら、150℃以下の低温や焼成
が不充分の場合には、焼成後も珪藻土原石中に含まれる
有機物が残留しがちなこと、さらには湿式粉化率も60
%以上と高くなり、酸素吸収材用としては好ましくない
こともわかってきた。特に有機物が残留すると、臭気成
分となリ得るものであるから食品への適用が制限され
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した課題
を解決するものであり、その発明は、酸素吸収材、非酸
洗微小成形珪藻土担体及びそれらの製造方法を提供する
ものである。それらの内の第1の発明の非酸洗微小成形
珪藻土担体は、0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知で
きるように設定された金属探知機で検知されることがな
く、保水率が90%以上、湿式粉化率が60%以下の特
性を備えた高温で焼成されたものからなるものであり、
第2の発明の酸素吸収材は、前記担体に酸素吸収成分を
担持するものからなるものである。
【0011】そして、第3の発明の非酸洗微小成形珪藻
土担体の製造方法は、珪藻土粉末を湿式成形し、成形体
を充分なる酸化雰囲気中で、徐々に昇温し、昇温後60
0〜900℃に維持し、その後徐々に降温する条件下で
焼成することを特徴とするものであり、それにより0.
8mmφ鉄球の標準ピースが検知できるように設定され
た金属探知機で検知されることがなく、保水率が90%
以上、湿式粉化率が60%以下とするものである。また
第4の発明の酸素吸収材の製造方法の発明は、前記第3
の発明における焼成後に酸素吸収成分を担持したことか
らなるものであり、それにより第3の発明同様の性質を
有する担体に担持した酸素吸収材とするものである。
【0012】このように本発明では、塩酸等の酸洗工程
を使用することなく、金属探知機で探知されることのな
い、各種用途に使用可能な担体あるいは酸素吸収材を提
供することを可能としたものであり、それにより製造工
程が簡便化された。また、得られた担体は保水率が高
く、湿式粉化率も低いので、酸素吸収材等の担体として
十分に実用に供することのできる特性を有するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の非酸洗微小成形珪藻土担体
は、珪藻土粉末を湿式成形し、成形後成形体を充分なる
酸化雰囲気中で、徐々に昇温し、昇温後600〜900
℃に所定時間維持し、その後徐々に冷却する条件下で焼
成するものであり、これにより0.8mmφ鉄球の標準
ピースを検知できるように設定されている金属探知機で
検知されることがなく、保水率が90%以上、湿式粉化
率が60%以下のものを得るものである。
【0014】本発明の微小成形珪藻土担体の製造原料で
ある珪藻土については、全国各地で珪藻土原石として産
出し、そのままあるいは粉砕し粉末として市販されてお
り、それが特に制限されることなく使用可能ではある
が、その原石には、いずれも少量の鉄分が含有されてお
り、この鉄分が焼成後に金属探知機に検知されることに
なるから、鉄分の含有量が低いものが好ましい。具体的
には鉄分の総含有量がFe原子換算で3%重量以下のも
のがよい。また、この鉄分は、前記したとおり焼成時に
変性し、本発明では最終的には図1のように磁性が低下
するものではあるが、焼成条件によっては磁性の強い化
合物に変性する可能性があるので、その点からしても含
有量は低い方がよい。
【0015】珪藻土原石の粉砕には、ハンマーミル、ロ
ーラーミルあるいはジェットミル等の各種粉砕器が使用
可能であり、特に制限されるものではないが、生産効
率、設備費等からしてハンマーミルが好ましく使用でき
る。粉砕後の珪藻土の粒径は1〜100μmがよく、好
ましくは5〜25μmがよい。この粉砕に続く成形は、
湿式成形であることから珪藻土と結合剤である水とを混
練することが必要であり、この混練にもヘンシェルミキ
サー、パドルミキサーあるいはミックスマラー等の各種
混合機が使用可能であるが、作業効率からして、ヘンシ
ェルミキサーあるいはパドルミキサーが好ましく使用で
きる。
【0016】その後の成形は、これによって酸素吸収成
分等を担持する担体の形状及び大きさを決めることにな
るが、その形状は特に制限されるものではなく、ペレッ
ト状(例えばタブレット)、柱状顆粒あるいは球状顆粒
等の各種形状が採用可能ではあるものの、柱状顆粒ある
いは球状顆粒が好ましい。またその大きさは成形する形
状によっても違いがあるが、最大部分の径が概略0.5
〜3.0mm程度のものがよく、例えば柱状顆粒の場合
には0.5φ×2mm〜1.0φ×3mm程度がよい。
【0017】成形後は直ちに焼成することも可能である
が、乾燥後焼成するのが好ましく、乾燥は、温度100
〜110℃で行い、乾燥により残留水分を5%以下にす
るのがよい。乾燥機には通気箱型乾燥器、回転乾燥器あ
るいは流動層乾燥器等の各種乾燥器が使用可能である。
この乾燥を行うことにより珪藻土成形体の水分量が低減
され、その結果水による焼成炉壁及び焼成治具等の損傷
を抑制することができる。
【0018】成形後あるいは乾燥後に行う焼成は、酸素
が充分に供給される雰囲気で、徐々に昇温し、昇温後6
00〜900℃で所定時間維持し、その後徐々に冷却す
る条件下で行うことが必要である。このような焼成を行
う焼成炉としては、トンネル炉、シャットル炉あるいは
電気炉等の各種炉が制限されることなく使用できるが、
生産効率の点からして電気炉が好ましく使用できる。こ
の炉内で焼成温度を600〜900℃に維持する期間に
ついては1〜2時間がよい。また加熱時の昇温及び冷却
時の降温を徐々に行う際の昇温速度及び降温速度につい
ては、それぞれ5〜15℃/min及び1〜10℃/m
inがよく、好ましくはそれぞれ10℃/min及び5
℃/minがよい。
【0019】そして、酸素が充分に供給される条件下で
焼成を行うためには、各成形体の全面に酸化性気体であ
る空気等が充分に接触するような条件下で焼成を行うこ
とが必要であり、そのためには、例えば電気炉の場合に
は、焼成対象の珪藻土成形体を平皿内に、均一で、相互
に重なることのないように分配することになる。また、
外部加熱ロータリーキルンの場合には、珪藻土成形体供
給量を調整して各成形体の全面に酸化性気体が充分に接
触するようにする。このように何れの焼成炉であっても
各成形体の全面に酸化性気体が十分に供給できるように
空気等の酸化性気体及び成形体を供給する。
【0020】焼成後の得られた微小成形珪藻土担体は、
0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知できるように設定
されている金属探知機で検知されることがなく、保水率
が90%以上であり、かつ湿式粉化率が60%以下であ
ることが必要であり、必要ならば、この特性が出現する
ように焼成時間、焼成温度、焼成雰囲気、焼成時の昇温
速度および降温速度等を先の範囲で適宜調節することが
できることは勿論である。
【0021】本発明の珪藻土担体は、0.8mmφ鉄球
の標準ピースが検知できるように設定された金属探知機
で検知されることがないものであり、これにより従来品
の焼成後酸洗する場合の担体と同程度に金属探知機で検
知されない性質を発現することができる。また保水率が
90%以上であることにより、酸素吸収成分のアスコル
ビン酸等を充分に吸収でき、担体としての珪藻土が求め
られる機能を発現することができる。さらに湿式粉化率
が60%以下であることにより酸素吸収成分等の機能性
成分を湿式で担持する際の必要な強度を確保することが
できる。
【0022】本発明に係る金属探知機による検知は、電
磁気現象を利用し、磁界の中に金属片が入ったときに磁
界が乱れ、この乱れを電気的にとらえ、検知できるタイ
プのものであれば、特に制限されることなく使用でき、
それには各種の市販品(例えば、日新電子工業(株)製コ
ンベヤー式金属検出装置MS-3012・MS-3112、アンリツ
(株)製KD801A、あるいは(株)サンコウ電子研究所製AP-
A6000)があり、それが使用できる。
【0023】そして、この金属探知機は、最適作動する
ように通常検知電圧を所定電圧に設定して作動させるよ
うになっており、本発明では標準ピースの検知電圧を4
Vに設定した。このようにすることにより、この金属探
知機は、試験対象物品中に金属片が存在するかどうかを
元来検知することができる能力を有するものであるが、
非金属成分でも磁性成分には感応することになる。ま
た、この探知機には、同時に試験対象物品中に存在する
金属片等の磁界攪乱成分含有量あるいはその攪乱力に応
じた検知電圧を測定表示できるようしたものがあり、そ
の場合には、検知電圧が大きければ、検査対象品の磁界
攪乱成分含有量あるいはその攪乱力が大きいということ
になる。
【0024】この金属探知機を使用して試験対象物品中
に金属片等が存在するかどうかを検知するには、まず試
験対象物品等を考慮の上適切な標準ピースを選定し、こ
れが金属探知機を通過した際に検知できるように設定す
る。その際金属探知機は、それが最適な作動をできるよ
うに検知電圧を先の所定電圧になるように設定し、この
設定後に試験対象物品を探知機に通過させ、それにより
金属片等の存在有無の検知を行なう。また、必要がある
場合には、検知電圧を測定できるようしたものにより検
知電圧を測定し、その大小により検査対象品中の金属片
等の磁界攪乱成分含有量あるいはその攪乱力の大小を判
断することができる。
【0025】本発明における金属検知は、具体的には、
金属探知機に0.8mmφの鉄球を通し、これが検知さ
れないように検知下限限度を設定し、また0.7mmφ
の鉄球を通し、これが検知されないように非検知上限感
度を設定する。その際の金属探知機は、電圧が副次的に
表示されるものが好ましい。本発明で、標準ピースとし
て0.8mmφの鉄球を採用したのは、食品包装体中へ
の金属片の混入回避を想定したからである。
【0026】その際における担体の検知試料の量は10
gとした。その理由は、第1に金属探知機の検知電圧に
関しては試料中の金属片等の含有率が同じ場合でも前記
したとおり全含有量が多いほど高くなり検知され易くな
るからであり、第2には、食品包装体中で酸素吸収剤等
の担体として使用される場合については、稀には10g
を越えることもあるものの通常は10g未満の数gであ
るからである。したがって、本発明における「0.8m
mφ鉄球の標準ピースが検知できるように設定された金
属探知機で検知されることがなく」とは、10gの珪藻
土担体を金属探知機で検知した場合において、検知され
ることがないという意味である。
【0027】また、保水率の測定については、薬持担体
の検査方法としてよく用いられる下記の方法で行った。
その概要を示すと次のとおりである。 1)試料100gをポリ袋に秤りとる。 2)この試料100gに、純水を70g添加し、30秒
以上よく振って混合する。(純水の添加は、試料を天秤
上に置き、純水の重量を秤りながら添加するのがよい) 3)更に、純水を10g添加し、30秒以上よく振って
混合する。 4)前記3)項の純水を添加した試料を、かさ密度測定
器(JIS K 6721)に入れる。シャッターをあ
け、試料が途中につまることなく自然に流下すれば、保
水性80gありとする。 5)更に、純水1g添加し、30秒以上よく振って混合
後、かさ密度測定器に入れる。シャッターをあけ、試料
が途中につまることなく自然に流下するか観察する。 6)自然に流下すれば、保水性81gありとし、更に、
純水1g添加し、前記5)の観察を行い、自然に流下し
なくなるまで5)〜6)項を繰り返す。 7)自然に流下する最大純水添加量Wgを、担体の保水
性(Wg/100g)と判定する。すなわち、保水率=
W/100×100(%)
【0028】さらに、湿式粉化率の測定については、以
下の方法で行った。 1)試料20g(A)を正確に秤り取る。 2)ペイントシェーカーの300ml容器に前記測定試
料とアルミナビーズ20G(3.6mmφ)、純水50
mlを入れる。 3)この容器をペイントシェーカーにセットし、30秒
攪拌する。 4)攪拌終了後、まずアルミナビーズを分離し、ついで
容器内の試料を0.5mmのふるい網でふるい、乾燥す
る。ふるい通過重量を粉化量(B)とする。 5)粉化量を最初の重量で割った値を湿式粉化率とす
る。すなわち、湿式粉化率=B/A×100(%)
【0029】そして、このような特性を持つ本発明の担
体の詳細かつ具体的な構造については、現在までのとこ
ろ未解明ではあるが、酸洗処理工程が存在しないことか
ら従来品のように珪藻土中に含有される鉄分の絶対量が
減少していることはない。それにもかかわらず、金属探
知機による検知性能については従来品と同程度あるいは
それ以下であり、かつ焼成により鉄分が変質することも
明らかであるから、従来品の酸洗工程を必要とする珪藻
土担体と本発明のそれとは、全体にほぼ均一に含有され
る微量成分である鉄化合物において明らかにその性状、
構造に差違がある。すなわち、本発明の珪藻土担体は、
含有される微量成分の鉄分の化学構造及び含有量におい
て明らかに従来の珪藻土焼成品と対比すると異なったも
のとなっており、それは新規な性状及び構造のものとな
っている。
【0030】本発明の酸素吸収材は、前記構造及び特性
を有する本発明の非酸洗微小成形珪藻土担体に酸素吸収
成分を担持することにより、製造することができ、それ
は酸素吸収成分担持後も金属探知機に検知されない特性
を維持するものである。本発明の担体は成形されて形状
の整った粒状で、かつ保水性に優れ湿式粉化率が少ない
ため、液状の酸素吸収成分を含浸担持させることによ
り、造粒、篩分等の特段の粒度調整をすることなしに良
好な流動性及び機械強度を有し、かつ小容量で酸素吸収
能力の大きい優れた酸素吸収材を得ることができる。
【0031】その際に使用する酸素吸収成分としては、
アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソル
ビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸類、カテコール、
没食子酸、ピロガロール等の多価フェノール類、グリセ
リン、グリコール、プロパンジオール等の多価アルコー
ル類、各種不飽和脂肪酸とその油脂、ブタジエン、イソ
プレン等ジエン類の液状ポリマー、ビタミンE等があ
る。
【0032】それらの成分は、水又は有機溶媒に溶解し
て溶液の形で本発明の非酸洗微小成形珪藻土担体に含浸
担持させることができ、またそれ自体が液状ならば、直
接、本発明の非酸洗微小成形珪藻土担体に含浸担持する
こともできる。安全性、臭気、溶液の取扱性等を考慮す
るとアスコルビン酸類、グリセリン、没食子酸がより好
ましい。
【0033】また、必要に応じて遷移金属化合物、ラジ
カル発生剤等の触媒、活性炭、モレキュラーシーブ等、
副生成分や臭気成分の吸着剤、アルカリ化合物、滑剤、
粉末フィラー等の各種添加剤を添加することができる。
添加剤の添加方法は液状の酸素吸収成分中に溶解しても
よいし、担体と混合したり、担体に被覆してもよい。酸
素吸収材単位体積当たりの酸素吸収成分量が多い方が小
型で酸素吸収能力が高い優れたものとなるので、含浸液
中の酸素吸収成分濃度は高い方がよく、30%以上が好
ましい。
【0034】本発明の酸素吸収材は、通気性の包装材料
で包装した後、食品、医薬品、日用品等の包装体中に同
封されることにより包装体内部の酸素を吸収除去して酸
化防止、変色防止、微生物増殖の防止、虫害防止等、被
包装品の品質保持に利用される。
【0035】
【実施例】以下に、本発明に関し実施例を挙げてさらに
具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によっ
て特定されるものであることはいうまでもないことであ
る。まず、本発明の珪藻土担体について、実施例により
具体的に説明する。
【0036】市販の珪藻土粉末(日鉄鉱ダイアトン
(株)製、平均粒径15.9μm、鉄の総含有量がFe
原子換算で1.0重量%)と水とを、ヘンシェルミキサ
ーを使用して混合した。その際に使用したミキサーの容
量は20リットルであり、回転速度は1400rpmと
し、水の使用量は、珪藻土粉末と水の合計量に対し45
重量%とした。
【0037】成形はディスクペレッターを使用し、大き
さ1.0φ×2〜3mmの柱状顆粒(以下「ペレット」
ともいう)を成形した。成形後は、マッフル炉及び焼成
皿の損傷を回避するため通気乾燥機を使用して110℃
で乾燥し、水分の含有量を5重量%以下にした。乾燥後
篩い分けを行い製品粒度が0.5〜3.0mmのものを
選別した。次いで、選別した乾燥珪藻土ペレットを10
5φ×高さ30mmの磁製皿1枚につき30g入れ、焼
成のためにマッフル炉(ISUZU(株)製STR-13K、
4.6リットル)に挿入した。
【0038】その際には、皿上の珪藻土ペレットが重な
ることがないように配置し、全ての珪藻土ペレット表面
に充分に空気が接触できるように配慮した。また、一度
の焼成では2枚の磁製皿を重ねて炉内に挿入したが、皿
間には架台を配置し、2枚の皿間に間隙ができるように
配置し、下側の皿上のペレットにも充分に空気が接触で
きるようにした。
【0039】そして、焼成は表1に示す各種温度で行
い、焼成時の加熱は昇温速度10℃/minでゆっくり
行い、所定温度に到達した後、その温度に2時間保持
し、その後降温速度5℃/minでゆっくり冷却を行っ
た。冷却後、炉内の温度が常温に達した後に焼成珪藻土
ペレットを取り出した。焼成後再度篩い分けを行い、粒
度0.5〜3.0mmのものを選別し、製品とした。
【0040】次いで、得られた各製品について、検知電
圧、保水率及び湿式粉化率を測定した。検知電圧の測定
は、日新電子工業(株)製コンベヤー式金属検出装置(MS
-3012・MS-3112)を使用した。その際標準ピースとして
は、0.8mmφの鉄球を使用し、検知電圧を4Vに設
定した。また、保水率の測定は前記した方法により行
い、湿式粉化率の測定については、前記した方法にした
がって実施した。
【0041】得られた製品についての測定結果は、表1
に焼成温度と共に併記するとおりである。その結果を図
示したのが図1であり、この図及び表1から検知電圧、
保水率、湿式粉化率の各々について好ましい範囲が一目
瞭然になる。これらによれば、検知電圧は、焼成温度6
00〜900℃では1.4〜3.5V/10gであっ
て、700℃で最低値を示しており、それを超えた焼成
温度になるにしたがいわずかに上昇していることがわか
る。なお、この結果から、本発明外ではあるが、焼成温
度が低温の100〜150℃の範囲にある間は、検知電
圧も4V以下あるいはそれに近い値にあるものの、15
0℃を越えるにしたがい検知電圧も上昇し、300℃で
は最大値の19.85Vとなることがわかった。
【0042】そして、保水率については、600〜90
0℃の焼成温度ではいずれも90%を超えており、特に
700〜850℃では93%を超えた数値になってお
り、最も好ましい範囲となっている。さらに湿式粉化率
については、焼成温度600〜950℃の範囲で37.
4〜10.5%であり、焼成温度が上昇にするにしたが
った粉化率が低下している。
【0043】本発明においては、これらの測定結果を総
合すると、微小成形珪藻土担体では、金属探知機の検知
電圧が標準ピースの検知電圧である4V/10g以下、
保水率が90%以上、湿式粉化率が60%以下がよく、
好ましくは検知電圧が2V/10g以下、保水率93%
以上、湿式粉化率30%以下がよい。また、それを製造
するためには、その焼成温度を600〜900℃とする
ものであり、好ましくは700〜750℃とするのがよ
い。
【0044】
【表1】
【0045】次ぎに、本発明の酸素吸収材について、実
施例を挙げて具体的に示す。l−アスコルビン酸ナトリ
ウム100重量部を水120重量部に溶解し、更に硫酸
第一鉄15重量部、炭酸ナトリウム25重量部を溶解し
た溶液100kgを前記実施例で得た本発明の非酸洗微
小成形珪藻土担体100kgに含浸した後、粉末活性炭
5kgを混合して酸素吸収材を得た。
【0046】ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレ
ンからなる開孔された2層フィルムと耐水耐油紙を熱ラ
ミネートし、更に耐水耐油紙側に開孔されたポリエチレ
ンフィルムを熱ラミネートした包装材料を準備した。こ
の包装材料をポリエチレンフィルム側を内側にして二つ
折りにし、折り目に隣接した2辺を熱シールして幅60
mm、長さ50mmの小袋を製袋した。開口部から上記
の酸素吸収材2gを充填し、開口部を熱シールして酸素
吸収材包装体とした。この酸素吸収材包装体をチキンナ
ゲット80g、空気200mlとともにガスバリア性袋
に密封した。
【0047】得られた酸素吸収材入りチキンナゲット包
装体について、金属探知機による金属検知検査を行うた
めに、先に使用した金属探知機を鉄0.7mmφテスト
ピースでは検知せず、鉄0.8mmφテストピースは検
知する条件に調整した。調整後、前記チキンナゲット包
装体を通過させたが、金属検知反応はなかった。また、
このチキンナゲット包装体を10℃で保存し、それと共
にチキンナゲット包装体内の酸素濃度についてもジルコ
ニア式酸素濃度計を使用して経時的に測定した。その結
果徐々に酸素濃度が減少し、20時間後には0.01%
以下になっていることが確認できた。チキンナゲット包
装体を7日間保存後、開封したところ、チキンナゲット
の色・風味は良好であった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、従来技術のように塩酸等で酸
洗を行うことなく、金属探知機で検知されることのな
い、高温で焼成された珪藻土微小成形担体を提供するこ
とができ、またその担体は、保水率も高く、湿式粉化率
も低いことから酸素吸収成分あるいは吸湿性成分等を担
持することのできる担体として実用性に優れたものであ
る。 そして、これに必要成分を担持して酸素吸収材あ
るいは乾燥材等として食品の包装体内に同封した場合に
は、製品中の混入物検査のために多用されている金属探
知機で検知されることがない包装食品を提供することが
できる。また、製造プロセスは、酸洗工程が存在しない
ことから、簡略化でき効率的なものとなる。以上のとお
り、本発明は卓越した効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は実施例等で製造した担体について、
金属探知機で検知した表1に記載した検知電圧、保水率
及び湿式粉化率を図示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糟谷 滋 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 (72)発明者 阿川 節雄 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 (72)発明者 畠山 秀利 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 EE25 GB13 4B021 LA01 MC04 MK02 4G066 AA05B AA05C AA43A AA47A AB06A AB07A AB23A BA38 BA50 CA37 EA07 FA27 FA33 FA34 4G072 AA35 AA45 BB05 GG03 HH36 LL06 MM26 MM36 QQ01 RR13 UU11 UU30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知で
    きるように設定された金属探知機で検知されることがな
    く、保水率が90%以上、湿式粉化率が60%以下の特
    性を備えた高温で焼成された非酸洗微小成形珪藻土担
    体。
  2. 【請求項2】 0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知で
    きるように設定された金属探知機で検知されることがな
    く、保水率が90%以上、湿式粉化率が60%以下の特
    性を備えた高温で焼成された非酸洗微小成形珪藻土担体
    に酸素吸収成分を担持した酸素吸収材。
  3. 【請求項3】 珪藻土粉末を湿式成形し、成形体を充分
    なる酸化雰囲気中で、徐々に昇温し、昇温後600〜9
    00℃に維持し、その後徐々に降温する条件下で焼成す
    ることを特徴とする、0.8mmφ鉄球の標準ピースが
    検知できるように設定された金属探知機で検知されるこ
    とがなく、保水率が90%以上、湿式粉化率が60%以
    下である非酸洗微小成形珪藻土担体の製造方法。
  4. 【請求項4】 珪藻土粉末を湿式成形し、成形体を充分
    なる酸化雰囲気中で、徐々に昇温し、昇温後600〜9
    00℃に維持し、その後徐々に降温する条件下で焼成
    し、次いで酸素吸収成分を担持することを特徴とする、
    0.8mmφ鉄球の標準ピースが検知できるように設定
    された金属探知機で検知されることがなく、保水率が9
    0%以上、湿式粉化率が60%以下である非酸洗微小成
    形珪藻土担体担持の酸素吸収材の製造方法。
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