JP5044594B2 - 多チャネルエコー消去装置とその方法、そのプログラム - Google Patents

多チャネルエコー消去装置とその方法、そのプログラム Download PDF

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Description

この発明は、音響再生系を有する通信会議システムに適用され、ハウリングの原因及び聴覚上の障害となる音響エコーを消去する多チャネルエコー消去装置と、その多チャネルエコー消去方法、及びそのプログラムに関する。
図5に従来の多チャネルエコー消去装置500の機能構成例を示す。多チャネルエコー消去装置500は、第1再生信号x(k)と第2再生信号x(k)が、第1スピーカSPと第2スピーカSPでそれぞれ音響信号に変換され、それらの音がマイクロホン2に回り込むエコーを消去した出力信号e(k)を生成する。(k)は所定間隔の離散時間を指す数(サンプル点の番号)である。
そのエコー抑圧処理は、人間の聴覚特性が位相に鈍感である性質及び、音声とエコーの統計的な性質などを利用した短時間スペクトル振幅(STSA:Sort-Time Spectral Amplitude)推定に基づいて行われる。短時間スペクトル振幅推定に基づくエコー抑圧処理は、エコーと近端話者音声の無相関を仮定してエコー抑圧ゲインを推定し、振幅周波数領域でエコーを抑圧する方法である(非特許文献1)。
多チャネルエコー消去装置500は、加算部505、第1周波数分析部501、第2周波数分析部502、音響結合量計算部503、エコーパワー計算部504、ゲイン計算部506、積算部507、周波数合成部508を備える。第1再生信号x(k)と第2再生信号x(k)は、例えばサンプリング周波数16kHzで離散値とされた信号である。なお、第1・第2再生信号x(k),x(k)を離散値化するAD変換器と、その離散値を連続値に変換するDA変換器については省略している。
加算部505は、第1再生信号x(k)と第2再生信号x(k)を加算した加算信号を出力する。第1周波数分析部501は、加算信号の離散値を256点集めて1フレームとし、1/2オーバーラップ加算による周波数分析を行い、フレーム単位で8kHzまでの周波数範囲を128個の再生信号スペクトルXω(i)に変換する。(i)はフレーム番号であり、ωはこの例の場合64Hzの間隔で得られる周波数スペクトルの番号(1〜128)である。
第2周波数分析部502は、マイクロホン2で収音された収音信号y(k)を、第1周波数分析部501と同様な方法で収音信号スペクトルYω(i)に変換する。音響結合量計算部503は、再生信号スペクトルXω(i)と収音信号スペクトルYω(i)を入力として式(1)に示す計算によって擬似音響結合量|Hω^(i)|を出力する。音響結合量とは、スピーカからマイクロホンに回り込むエコー経路の音響的大きさを表す。^は推定値であることを表わし、その表記は式及び図中に示すものが正しい。
Figure 0005044594
ここで、min{・}は過去Rフレームの最小値選択を表す。Rは例えば100とする。
エコーパワー計算部504は、再生信号スペクトルXω(i)と擬似音響結合量|Hω^(i)|を入力として式(2)に示す計算によってエコーパワー推定値|Dω^(i)|を出力する。
Figure 0005044594
ゲイン計算部506は、収音信号スペクトルYω(i)とエコーパワー推定値|Dω^(i)|を入力としてゲイン係数Gω(i)を計算する(式(3))。
Figure 0005044594
ゲイン係数Gω(i)は0〜1の実数値をとり、収音信号スペクトルYω(i)中にエコー成分が多い場合には小さな値、エコー成分以外の成分が多い場合には大きな値をとる。積算部507は、収音信号スペクトルYω(i)にゲイン係数Gω(i)を積算してエコー消去信号スペクトルEω(i)を出力する。
周波数合成部508は、エコー消去信号スペクトルEω(i)を合成して時間領域の出力信号e(k)を出力する。
阪内澄宇、田中雅史、羽田陽一、片岡彰俊、山森和彦、「多チャネル拡声系へのエコーリダクションの適用」音響学会秋季講演論文集、1-6-4、pp.539-540、2001.
従来の多チャネルエコー消去方法は、複数のスピーカからマイクロホンに回り込む複数のエコー経路の音響結合量が等しいことを前提としていた。したがって、複数のスピーカとマイクロホンとの間の距離等を等しくする必要があった。しかし、実際にはチャネル数が増えるほど、その条件を揃えるのが難しくなる。その結果、正確なエコーパワーの推定が出来ず、収音信号にエコー成分が多く含まれる場合には、エコー以外の成分も消去してしまいエコー消去信号スペクトルEω(i)に歪みが発生することがある。この歪みは、時間領域の信号に変換すると、いわゆる「キュルキュル」といったミュージカルノイズの発生原因になる。
この発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、複数のスピーカとマイクロホンの配置に関わらずミュージカルノイズ発生を抑圧する多チャネルエコー消去装置と、その方法とプログラムを提供することを目的とする。
この発明の多チャネルエコー消去装置は、N個(N≧2)の第1周波数分析部と、第2周波数分析部と、N個の音響結合量計算部と、N個のエコーパワー計算部と、類似度係数計算部と、ゲイン計算部と、乗算部と、周波数合成部とを具備する。N個の第1周波数分析部は、各チャネルの再生信号を入力としてそれぞれの再生信号を周波数変換した再生信号スペクトルを出力する。第2周波数分析部は、収音信号を入力としてその収音信号を周波数変換した収音信号スペクトルを出力する。N個の音響結合量計算部は、各チャネルの再生信号スペクトルと収音信号スペクトルのそれぞれの大きさに応じた各チャネルの擬似音響結合量を計算する。N個のエコーパワー計算部は、再生信号スペクトルのパワーと各チャネルの擬似音響結合量とをそれぞれ掛け合わせた各チャネルのエコーパワー推定値を計算する。類似度計算部は、各チャネルの再生信号スペクトルと収音信号スペクトルを入力として、各再生信号スペクトルと収音信号スペクトルの内積値を、その2つの信号スペクトルのノルム値の積で除した類似度係数を計算する。ゲイン計算部は、収音信号スペクトルと各チャネルの類似度係数と各チャネルのエコーパワー推定値とを入力として、類似度係数が大の時はゲイン係数を小さくしてエコーを抑圧するゲイン係数を計算する。乗算部は、収音信号スペクトルにゲイン係数を乗算したエコー消去信号スペクトルを計算する。周波数合成部は、エコー消去信号スペクトルを周波数合成して出力信号を出力する。
この発明の多チャネルエコー消去装置によれば、類似度計算部が再生信号スペクトルと収音信号スペクトルの類似度係数を計算し、類似度係数が大きいほど、ゲイン係数を小さくする。つまり再生信号と収音信号が似ていればエコー成分が多いとしてエコーを抑圧する。よって、複数のチャネルの再生信号が再生される各スピーカと、マイクロホンとがアンバランスに配置された場合でもエコー成分以外の成分の欠損を回避することができる。その結果、エコー消去信号の歪みを抑えることが可能であり、ミュージカルノイズ発生を抑圧する多チャネルエコー消去装置が実現できる。
この発明の多チャネルエコー消去装置100の機能構成例を示す図。 多チャネルエコー消去装置100の動作フローを示す図。 実施例2のゲイン計算部30の信号の入出力の関係を示す図。 実施例3のゲイン計算部40の信号の入出力の関係を示す図。 従来の多チャネルエコー消去装置500の機能構成を示す図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
図1にこの発明の多チャネルエコー消去装置100の機能構成例を示す。その動作フローを図2に示す。多チャネルエコー消去装置100は、N個の第1周波数分析部10〜10から成る第1周波数分析部10と、第2周波数分析部502と、N個の音響結合量計算部12〜12から成る音響結合量計算部12と、N個のエコーパワー計算部16〜16から成るエコーパワー計算部16と、類似度計算部14と、ゲイン計算部18と、乗算部507と、周波数合成部508とを具備する。多チャネルエコー消去装置100は、例えばROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。
N個の第1周波数分析部10(10〜10)は、複数のチャネルの第1〜第Nの各チャネルの再生信号を入力とし、それぞれの再生信号を周波数変換した再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)を出力する(ステップS10、図2)。第2周波数分析部502は、マイクロホン2で収音した収音信号y(k)を周波数変換して収音信号スペクトルYω(i)を出力する(ステップS502)。
N個の音響結合量計算部12(12〜12)は、再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と収音信号スペクトルYω(i)を入力として、それぞれのチャネルのそれらのパワー比の所定時間区間の最小値を、各チャネルの擬似音響結合量|H1ω^(i)|〜|HNω^(i)|として上記した式(1)で計算する(ステップS12)。
N個のエコーパワー計算部16(16〜16)は、再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と擬似音響結合量|H1ω^(i)|〜|HNω^(i)|とを入力として、式(2)の計算によって各チャネルのエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|を計算する(ステップS16)。
類似度計算部14は、各チャネルの再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と収音信号スペクトルYω(i)を入力として、各チャネルの再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と収音信号スペクトルの内積値を、その2つの信号スペクトルのノルム値の積で除した類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)を計算する(ステップS14)。ゲイン計算部18は、収音信号スペクトルYω(i)と各チャネルの類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)と各チャネルのエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|を入力として、類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)が大の時はエコーを抑圧するゲイン係数Gω(i)を計算する(ステップS18)。
乗算部507は、収音信号スペクトルYω(i)にゲイン係数Gω(i)を乗算してエコー消去信号スペクトルEω(i)を計算する(ステップS507)。周波数合成部508は、エコー消去信号スペクトルEω(i)を周波数合成して出力信号e(k)を出力する(ステップS508)。
以上述べたように、類似度係数計算部14が再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と収音信号スペクトルYω(i)の類似度係数を計算し、ゲイン計算部18が類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)が大の時にエコーを抑圧するゲイン係数を算出する。つまり、再生信号と収音信号が似ている場合は、他チャネルのスピーカから回り込むエコーの影響が小さいと考えられるので、その時のゲイン係数Gω(i)を小さくする。この結果、エコー以外の成分も消去してしまう可能性を減少させ、エコー消去信号スペクトルEω(i)の歪みを減らすことができる。
なお、N個ある第1周波数分析部10と、音響結合量計算部12と、エコーパワー計算部16とを構成する各分析部及び計算部の一つひとつは、従来の多チャネルエコー消去装置500と同じである。また、乗算部507と周波数合成部508も同じものである。
多チャネルエコー消去装置100の新しい点は、再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と収音信号スペクトルYω(i)との類似度係数を計算する類似度計算部14を備える点と、ゲイン計算部18がその類似度係数を用いてゲイン係数Gω(i)を計算する点である。
以降、この新しい構成について詳しく説明する。
〔類似度計算部〕
類似度計算部14は、各再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と、収音信号スペクトルYω(i)を入力として、それぞれの内積<X1ω(i),Yω(i)>〜<XNω(i),Yω(i)>を例えば式(4)、各信号のノルム‖X1ω(i)‖〜‖XNω(i)‖、‖Yω(i)‖を式(5)及び式(6)で計算する。
Figure 0005044594
ここで、*は複素共役を表す。εは0<ε≦1を満たす忘却係数であり、指数関数的な
減衰特性の時定数を決定する。例えばε=0.16とする。
次に、類似度計算部14は、各内積<X1ω(i),Yω(i)>〜<XNω(i),Yω(i)
>、各再生信号ノルム‖X1ω(i)‖〜‖XNω(i)‖、収音信号スペクトルYω(i)、
から類似度係数を式(7)で計算する。
Figure 0005044594
各類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)は、再生信号スペクトルX1ω(i)〜XNω(i)と、収音信号スペクトルYω(i)とが似ていれば1に近づき、似ていなければ0に近づく1〜0の間の実数値である。
なお、各内積値は、式(8)に示すように位相成分を考慮しない振幅の絶対値から求めても良い。実際の場面では、フレーム長よりもエコー長が長い場合が多くあり、その場合は、振幅値から類似度係数を求めた方がより実際に近い類似度係数が得られる場合がある。
Figure 0005044594
〔ゲイン計算部〕
ゲイン計算部18は、エコーパワー計算部16で計算された各チャネルのエコーパワースペクトル推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|と、収音信号スペクトルYω(i)と、各類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)を入力として、式(9)でゲイン係数Gω(i)を計算する。
Figure 0005044594
ここで、C(mω)は正の数をとる定数であり例えば1.5、αとβは強調係数で正の数として例えば2とする。このようにゲイン計算部18は、収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値から、定数C(mω)と各チャネルのエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|を強調係数αでべき乗した値と各チャネルの類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)を強調係数βでべき乗した値とを乗算して全チャネルで累積した値を減じ、その減じた値を収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値で正規化してゲイン係数Gω(i)とするものである。なお、ゲイン計算部の計算は、実施例1の方法に限定されない。実施例1に示した各類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)は、他チャネルのスピーカからマイクロホンに回り込むエコーの影響で実際の類似度係数よりも小さく計算してしまうことがある。その結果、エコー抑圧量が低減することがある。その課題を、式(9)で求めるゲイン係数Gω(i)よりも小さなゲイン係数を求めることで解決した実施例2及び3を次に説明する。
図3に実施例2のゲイン計算部30の信号の入出力の関係を示す。エコーパワー計算部16で計算されたエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|と、収音信号スペクトルYω(i)と、類似度計算部14で計算された類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)を入力として、ゲイン係数Gω(i)を出力する関係は実施例1と同じである。
ゲイン計算部30は、式(10)でゲイン係数Gω(i)を計算する。
Figure 0005044594
ここで、maxm=1,…,N{・}はN個の最大選択を表す。このように、収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値から、正の定数C(m,ω)と各チャネルのエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|の絶対値を強調係数αでべき乗した値を全チャネルで累積した値に類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)を強調係数βでべき乗した最大値を乗じた値を減じ、その減じた値を収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値で正規化してゲイン係数Gω(i)としても良い。
この類似度係数r1ω(i)〜rNω(i)の最大値を使う意味は、類似度係数が大のチャネルは、他のスピーカから回り込むエコーの影響が小さい可能性が高いと考えられるからである。つまり、真のエコーに近いエコー成分を含むと考えられるチャネルの類似度係数を使う。このように小さな類似度係数を使わないようにすることで、エコー抑圧量が低減してしまうことを防止できる。また、実施例1よりも十分なエコー抑圧が行える効果も奏する。
図4に実施例3のゲイン計算部40の信号の入出力の関係を示す。信号の入出力の関係は、実施例1と2と同じである。ゲイン計算部40は、式(11)でゲイン係数Gω(i)を計算する。
Figure 0005044594
ここで、P(ω)は正の数をとる定数で例えば1.0とする。このように、収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値から、正の定数C(m,ω)と各チャネルのエコーパワー推定値|D1ω^(i)|〜|DNω^(i)|の絶対値を強調係数αでべき乗した値を全チャネルで累積した値を減じ、その減じた値を収音信号スペクトルYω(i)の絶対値のパワーを強調係数αでべき乗した値で正規化し、その正規化した値に正の定数P(ω)からその定数P(ω)倍した強調係数βでべき乗された類似度係数の最大値を減じた値を乗じてゲイン係数Gω(i)としても良い。実施例3の効果は実施例2と同じである。
以上述べたように、この発明の多チャネルエコー消去装置100によれば、類似度計算部が再生信号スペクトルと収音信号スペクトルの類似度係数を計算して類似度係数が大きいほど、ゲイン係数を小さくする。この結果、各チャネルのスピーカとマイクロホン間がアンバランスに配置されたとしても、エコー成分以外の成分の欠損を回避することができ、ゲイン係数を高精度に計算することが可能となる。
この発明の方法及び装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、音響結合量計算部については、再生信号スペクトルと収音信号スペクトルのパワー比の所定時間の最小値とする例(式1))で説明したが、この発明はこの例に限定されない。例えば式(12)に示す音響結合量を用いても良い。
Figure 0005044594

ここでNは、平均するフレーム数を表す。
なお、上記方法及び装置において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
また、上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (11)

  1. 各チャネルの再生信号を入力とし、それぞれの再生信号を周波数変換した再生信号スペクトルを出力するN個(N≧2)の第1周波数分析部と、
    収音信号を入力とし、その収音信号を周波数変換した収音信号スペクトルを出力する第2周波数分析部と、
    上記各チャネルの再生信号スペクトルと上記収音信号スペクトルのそれぞれの大きさに応じた各チャネルの擬似音響結合量を計算するN個の音響結合量計算部と、
    上記再生信号スペクトルのパワーと上記各チャネルの擬似音響結合量とをそれぞれ掛け合わせた上記各チャネルのエコーパワー推定値を計算するN個のエコーパワー計算部と、
    上記各チャネルの再生信号スペクトルと上記収音信号スペクトルを入力として、各再生信号スペクトルと収音信号スペクトルの内積値を、その2つの信号スペクトルのノルム値の積で除した類似度係数を計算する類似度計算部と、
    上記収音信号スペクトルと上記各チャネルの類似度係数と上記各チャネルのエコーパワー推定値とを入力として、上記類似度係数が大の時にゲイン係数を小さく計算するゲイン計算部と、
    上記収音信号スペクトルに上記ゲイン係数を乗算したエコー消去信号スペクトルを計算する乗算部と、
    上記エコー消去信号スペクトルを周波数合成して出力信号を出力する周波数合成部と、
    を具備する多チャネルエコー消去装置。
  2. 請求項1の多チャネルエコー消去装置において、
    上記ゲイン計算部は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値と各チャネルの類似度係数を強調係数でべき乗した値とを乗算して全チャネルで累積した値を減じ、その減じた値を上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で正規化してゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去装置。
  3. 請求項1の多チャネルエコー消去装置において、
    上記ゲイン計算部は、上記類似度計算部が計算する類似度係数の最大値を用いて上記ゲイン係数を計算するものであることを特徴とする多チャネルエコー消去装置。
  4. 請求項3の多チャネルエコー消去装置において、
    上記ゲイン計算部は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値を全チャネルで累積した値に上記類似度係数を強調係数でべき乗した最大値を乗じた値を減じ、その減じた値を上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で正規化してゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去装置。
  5. 請求項3の多チャネルエコー消去装置において、
    上記ゲイン計算部は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値を全チャネルで累積した値を減じ、その減じた値を上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で正規化し、その正規化した値に正の定数からその正の定数倍した強調係数でべき乗された上記類似度係数の最大値を減じた値を乗じてゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去装置。
  6. N個(N≧2)の第1周波数分析部が、各チャネルの再生信号を入力とし、それぞれの再生信号を周波数変換した再生信号スペクトルを出力する第1周波数分析過程と、
    第2周波数分析部が、収音信号を入力とし、その収音信号を周波数変換した収音信号スペクトルを出力する第2周波数分析過程と、
    N個の音響結合量計算部が、上記各チャネルの再生信号スペクトルと上記収音信号スペクトルのそれぞれの大きさに応じた各チャネルの擬似音響結合量を計算する音響結合量計算過程と、
    N個のエコーパワー計算部が、上記再生信号スペクトルのパワーと上記各チャネルの擬似音響結合量とをそれぞれ掛け合わせた上記各チャネルのエコーパワー推定値を計算するエコーパワー計算過程と、
    類似度計算部が、上記各チャネルの再生信号スペクトルと上記収音信号スペクトルを入力として、各再生信号スペクトルと収音信号スペクトルの内積値を、その2つの信号スペクトルのノルム値の積で除した類似度係数を計算する類似度計算過程と、
    ゲイン計算部が、上記収音信号スペクトルと上記各チャネルの類似度係数と上記各チャネルのエコーパワー推定値とを入力として、上記類似度係数が大の時にエコーを抑圧するゲイン係数を計算するゲイン計算過程と、
    乗算部が、上記収音信号スペクトルに上記ゲイン係数を乗算したエコー消去信号スペクトルを計算する乗算過程と、
    周波数合成部が、上記エコー消去信号スペクトルを周波数合成して出力信号を出力する周波数合成過程と、
    を含む多チャネルエコー消去方法。
  7. 請求項6の多チャネルエコー消去方法において、
    上記ゲイン計算過程は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値と各チャネルの類似度係数を強調係数でべき乗した値とを乗算して全チャネルで累積した値を減じ、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で、上記減じた値を正規化してゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去方法。
  8. 請求項6の多チャネルエコー消去方法において、
    上記ゲイン計算過程は、上記類似度計算部が計算する類似度係数の最大値を用いて上記ゲイン係数を計算するものであることを特徴とする多チャネルエコー消去方法。
  9. 請求項6の多チャネルエコー消去方法において、
    上記ゲイン計算過程は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値を全チャネルで累積した値に上記類似度係数を強調係数でべき乗した最大値を乗じた値を減じ、その減じた値を上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で正規化してゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去方法。
  10. 請求項6の多チャネルエコー消去方法において、
    上記ゲイン計算過程は、上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値から、正の定数と各チャネルのエコーパワー推定値の絶対値を強調係数でべき乗した値を全チャネルで累積した値に上記類似度係数の最大値を乗じた値を減じ、その減じた値を上記収音信号スペクトルの絶対値のパワーを強調係数でべき乗した値で正規化し、その正規化した値に正の定数からその正の定数倍した強調係数でべき乗された上記類似度係数の最大値を減じた値を乗じてゲイン係数とするものであることを特徴とする多チャネルエコー消去方法。
  11. 請求項1乃至5の何れかに記載した多チャネルエコー消去装置としてコンピュータを機能させるための装置プログラム。
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