JP5889224B2 - エコー抑圧ゲイン推定方法とそれを用いたエコー消去装置とプログラム - Google Patents

エコー抑圧ゲイン推定方法とそれを用いたエコー消去装置とプログラム Download PDF

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Description

この発明は、音響再生系を有する通信会議システム等に用いられるエコー消去装置及び、それに適用されるエコー抑圧ゲイン推定方法と、そのプログラムに関する。
短時間スペクトル振幅(STSA:Sort-Time Spectral Amplitude)推定に基づくエコー抑圧処理は、エコーと近端話者音声の無相関を仮定してエコーを抑圧するゲイン係数を推定し、振幅周波数領域でエコーを抑圧する方法であり、例えば非特許文献1に記載されている。これに対し、エコー抑圧後の音声品質向上のため、非特許文献1に記載される上記ゲイン係数の推定方法(以下、「エコー抑圧ゲイン推定方法」と称す)を改善した手法として、特許文献1が提案されている。ここでは、特許文献1に開示されたエコー抑圧ゲイン推定方法を用いたエコー消去装置10の機能構成例を、図7に示してその動作を簡単に説明する。
エコー消去装置10は、再生信号周波数分析部81と、収音信号周波数分析部82と、エコーパワー推定部83と、類似度係数計算部12と、エコー抑圧ゲイン計算部14と、乗算部85と、周波数合成部86とを備える。再生信号x(k)は、例えばサンプリング周波数16kHzで離散値とされた信号であり、スピーカ1によって音響信号に変換される。なお、再生信号を離散値化するAD変換器と、その離散値を連続値に変換するDA変換器については省略している。ここでkは、所定間隔の離散時間を示すサンプル点の番号であり、再生信号x(k)と収音信号y(k)はディジタル信号である。
再生信号周波数分析部81は、再生信号の離散値を256点集めて1フレームとし、1/2オーバーラップ加算による周波数分析を行い、フレーム単位で8kHzまでの周波数範囲を128個の再生信号スペクトルXω,iに変換する。iはフレーム番号であり、ωはこの例の場合64Hzの間隔で得られる周波数スペクトルの番号(0〜127)である。
マイクロホン2で収音される収音信号y(k)は、再生信号x(k)がスピーカ1から再生されたことによるエコーd(k)が、近端話者信号s(k)に重畳した信号である。その収音信号y(k)は、再生信号x(k)と同じように収音信号周波数分析部82によって収音信号スペクトルYω,iに変換される。Yω,iはYω,i=Dω,i+Sω,i、Dω,iはエコースペクトル、Sω,iは近端話者信号スペクトル、である。
エコーパワー推定部83は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iとを入力として式(1)に示すエコーパワー推定値|Dω,i^|を計算する。^は推定値であることを表わすが、その表記は式及び図中に示すものが正しい。
Figure 0005889224
ここで、Hω,iはスピーカ1からマイクロホン2に回り込むエコー経路のスペクトル、|Hω,i^|は音響結合量の推定値である。min{ , }は最小値を選択する関数である。したがって、|Hω,i^|は隣接するフレーム間で小さい方の音響結合量がその推定値になる。
エコー抑圧ゲイン計算部14は、収音信号スペクトルYω,iと、エコーパワー推定値|Dω,i^|と、類似度係数|rω|を入力として式(2)に示すゲイン係数Gω,iを出力する。ゲイン係数Gω,iは0〜1の実数値をとり、収音信号スペクトルYω,i中にエコー成分が多い場合には小さな値、エコー成分以外の成分が多い場合には大きな値をとる。
Figure 0005889224
乗算部85は、収音信号スペクトルYω,iにゲイン係数Gω,iを乗算する。エコー成分が多い場合のゲイン係数Gω,iは小さな値となるので、乗算部85の出力信号はエコー成分が抑圧された近端話者信号スペクトル推定値Sω,i^となる。この各周波数成分ωに対応する近端話者信号スペクトル推定値Sω^は、周波数合成部86において時間領域の出力信号s^(k)に再合成される。
類似度係数計算部12は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iとを入力として、内積<Xω,i,Yω,i>を例えば式(3)で、再生信号スペクトルのノルム値‖Xω,i‖と、収音信号スペクトルのノルム値‖Yω,i‖を、例えば式(4)と式(5)でそれぞれ計算する。
Figure 0005889224
ここで、*は複素共役であることを表わす。εは0<ε≦1を満たす忘却係数であり、指数関数的な減衰の時定数を決定する。例えばε=0.016とする。εが1に近づくほど現在の再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iに依存した(重み付けされた)それぞれの値になる。なお、隣接周波数にも着目した式(6)〜(8)を用いてもよい。
Figure 0005889224
ここでM1〜M2は所定の周波数範囲を表わす。式(6)〜(8)は隣接周波数から相関を取った後に時間軸方向の相関を取る形である。相関を取る順番は逆でもよい。また、式(3)に替えて位相成分を考慮しない絶対値から求める式(9)を用いてもよい。
Figure 0005889224
類似度係数計算部12は、式(3)〜(5)でそれぞれの値を計算した後に、式(10)で類似度係数|rω|を計算する。
Figure 0005889224
ここで類似度係数|rω|を算出する式(10)の導出根拠について説明する。
例えばウィナーフィルタ法(Wiener Filter以下「WF法」と称す)では、式(11)の評価量eεを最小とするゲイン係数Gω,iを推定してエコーを抑圧する。
Figure 0005889224
式(11)をGω,iで微分すると次式で表せる。
Figure 0005889224
式(12)を0と置いた式からゲイン係数Gω,iを求めると式(13)となる。
Figure 0005889224
式(13)を変形するとゲイン係数Gω,iは式(14)で表せる。
Figure 0005889224
ここでrωはエコースペクトルDω,iと近端話者信号スペクトルSω,iの複素コヒーレンスを示す。Dω,i=Hω,i ω,iを用いてrωから未知のベクトルDω,iを消去すると式(15)で表せる。
Figure 0005889224
ここで*は複素共役を表す。式(15)から分かるようにDω,iを消去しても未知の変数であるHω,iが存在するため、rωを求めることは困難である。しかし、その絶対値ならば式(16)に示すようにHω,iが消去可能なことに着目する。
Figure 0005889224
そしてゲイン係数を次式に示すように与える。
Figure 0005889224
この式(17)から明らかなようにゲイン係数Gω,iは、類似度係数|rω|が1に近づくほど小さな値になりエコーが抑圧される。と同時にこのようにして求めたゲイン係数は、近端話者信号s(i)の欠損を軽減するように動作する。つまり、<Dω,i,Sω,i>=0となるほどの長時間を要することなく、短時間のスペクトル振幅を用いてエコーを抑圧するので、内積値が0でない分が誤差となって発生するミュージカルノイズの発生を抑圧することができる。
特許第4787851号
阪内澄宇、羽田陽一、片岡章俊著「STSA推定に基づくエコー抑圧処理のゲイン強調化方式」信学論(A),1vol.J88-A,no.6,Jun.2005,p695-703
エコー消去装置の性能は、エコーパワーの推定精度に関係する。そのエコーパワー推定値の精度は、音響結合量(エコー経路のインパルス応答のパワースペクトル)の推定速度に依存する。推定速度が遅い場合、エコー経路が変動し、音響結合量に変化が生じた直後からしばらくの間、エコー消去性能が大きく低下しエコーが消し残ったりミュージカルノイズが発生したりするなどの問題が生じる。しかし、一般的に、近端話者信号などの外乱の影響を回避するため、収音信号の長時間データの分析に基づいて音響結合量が推定されるので、その推定速度を速めることは難しい。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、エコー経路変動に強く、ミュージカルノイズの発生を抑圧することができるエコー抑圧ゲイン推定方法と、それを用いたエコー消去装置とプログラムを提供することを目的とする。
この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法は、再生信号周波数分析段階と、収音信号周波数分析段階と、エコーパワー推定段階と、エコーパワー補正値計算段階と、エコー抑圧ゲイン計算段階と、を有する。再生信号周波数分析段階は、再生信号を周波数領域の再生信号スペクトルXω,iに変換する。収音信号周波数分析段階は、収音信号を周波数領域の収音信号スペクトルYω,iに変換する。エコーパワー推定段階は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iとを入力として全周波数領域のエコーパワー推定値|Dω,i^|と音響結合量の推定値|Hω,i^|を計算する。エコーパワー補正値計算段階は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iと音響結合量の推定値|Hω,i^|を入力として、再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと音響結合量の推定値|Hω,i^|とを乗じた値に更にエコーパワー補正値Φを乗じた値を、収音信号スペクトルYω,iのパワー|Yω,iから減算して求めた差分の最小二乗解からエコーパワー補正値Φを求める。エコー抑圧ゲイン計算段階は、収音信号スペクトルYω,iとエコーパワー補正値Φとエコーパワー推定値|Dω,i^|とを入力として、エコーを抑圧するゲイン係数を上記エコーパワー補正値Φが大きな値をとるほど小さな値になるように計算する。
この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法によれば、エコーパワー推定値|Dω,i^|が、エコーパワー補正値Φによって動的に調整される。エコーパワー補正値Φは、0〜無限大の範囲で値をとり、全周波数領域から計算されるエコーパワー推定値|Dω,i^|の総エネルギーが全周波数領域から計算される実際のエコーパワーの総エネルギーより小さい場合は、大きな値をとるように動作する。その結果、エコーパワー補正値Φをエコーパワー推定値|Dω,i^|に乗ずることでゲイン係数が小さくなりエコーが抑圧される。
また、全周波数領域から計算されるエコーパワー推定値|Dω,i^|の総エネルギーが全周波数領域から計算される実際のエコーパワーの総エネルギーより大きい場合は、エコーパワー補正値Φが小さな値をとるように動作する。その結果、エコーパワー補正値Φをエコーパワー推定値|Dω,i^|に乗ずることでゲイン係数が大きくなり近端話者信号の欠損を軽減するように動作する。
したがって、従来の方法に比べて、エコー経路の変動に対して頑健な音質劣化の少ないエコー抑圧を行うことが可能になる。
この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法を用いたエコー消去装置100の機能構成例を示す図。 この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法の動作フローを示す図。 エコーパワー補正値計算部110の機能構成例を示す図。 エコー抑圧ゲイン計算部120の機能構成例を示す図。 エコー抑圧ゲイン計算部120の動作フローを含めたエコー抑圧ゲイン推定方法の動作フローを示す図。 エコーパワー補正値計算部210の機能構成例を示す図。 従来のエコー消去装置10の機能構成を示す図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔発明の基本的な考え〕
実施例の説明の前に、この発明のエコーパワー推定値|Dω,i^|の動的調整方法について基本的な考えを説明する。この発明は、再生信号スペクトルXω,iと近端話者信号スペクトルSω,iを統計的に無相関と仮定し、収音信号のパワースペクトル|Yω,iと、再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと音響結合量の推定値|Hω,i^|とを乗じた値に更にエコーパワー補整値Φを乗じた値との差分を最小化する最小二乗解からエコーパワー補正値Φを求め、求めたエコーパワー補正値Φをエコーパワー推定値|Dω,i^|に乗ずることでエコー経路変動に対して頑健なエコー抑圧を実現する考えである。
従来のゲイン係数計算式(式(17))に対して、本発明では次式によりゲイン係数を求める。なお、Gω,i のpは、上記した従来技術のゲイン係数Gω,iと区別するための記号である。
Figure 0005889224
ここでωは周波数番号、iはフレーム番号、Φはエコーパワー補正値を表わす。エコーパワー補正値Φは、上記した式(1)を用いて次式で表わせる評価量eεを最小化することで得られる。
Figure 0005889224
ここで添え字のFは、周波数軸方向の各値(ノルム、内積)であることを意味する。式(19)をΦで微分すると式(20)で表わせる。
Figure 0005889224
式(20)を0と置いた式(21)
Figure 0005889224
からエコーパワー補正値Φを求めると式(22)となる。ここで添え字のFの周波数軸方向とは、ω方向(ω=0〜L−1)のサンプル列の各値(ノルム、内積)であることを意味する。
Figure 0005889224
ここで|Hi^|α は次式で表わせる。
Figure 0005889224
ここで、Lは周波数番号の総数を表わす。周波数分析長(FFT点数)を例えば256点とした場合、Lはナイキスト周波数を超えない半分の分析点数である128とする。αは任意の強調係数である。
実用上、内積とノルムは、式(24)と式(25)に示すように全周波数領域に加え、過去Nフレームにわたる範囲でそれぞれ計算しても良い。Nは、例えば1〜200程度の数である。
Figure 0005889224
上式よりエコーパワー補正値Φは、式(26)で表わせる。
Figure 0005889224
以下、式(22)の動作について考える。近端話者信号のパワースペクトル|Sω,iと再生信号のパワースペクトル|Xω,iとが無相関であるとすると式(22)は次式に示すように近似できる。
Figure 0005889224
このようにエコーパワー補正値Φは、音響結合量|Hと音響結合量推定値|H^|との比で表わせる。式(27)より、音響結合量|Hと音響結合量推定値|H^|が等しい場合、エコーパワー補正値は1となる。音響結合量推定値|H^|が音響結合量|Hよりエネルギーが小さい場合、エコーパワー補正値Φは1より大きな値となる。音響結合量推定値|H^|の方が音響結合量よりエネルギーが大きい場合、エコーパワー補正値Φは1より小さな値となる。
式(19)に着目すると、エコーパワー補正値Φは、再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと音響結合量の推定値|H^|とを乗じた値に更にエコーパワー補正値Φを乗じた値を、収音信号スペクトルYω,iのパワー|Yω,iから減算して求めた差分の最小二乗解で求められる。
また、|Dω,i^|=|Hω,i^||Xω,i(式(1))と式(27)とから、エコーパワー補正値Φは、エコーパワー推定値|Dω,i^|のエネルギーよりも、全周波数領域から計算される実際のエコーパワースペクトルのエネルギーが大きいほど、大きくなるものであるともいえる。
式(24)と式(25)から明らかなように、エコーパワー補正値Φは、過去Nフレームの短い時間で更新されるので、エコーパワー推定値|Dω,i^|の調整を高速で行える。その結果、この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法は、エコー経路の変動に頑健なエコー抑圧を実現することができる。
図1に、この発明のエコー消去装置100の機能構成例を示す。その動作フローを図2に示す。エコー消去装置100は、再生信号周波数分析部81と、収音信号周波数分析部82と、エコーパワー推定部83と、エコーパワー補正値計算部110と、エコー抑圧ゲイン計算部120と、乗算部85と、周波数合成部86と、を具備する。エコー消去装置100は、例えばROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。
再生信号周波数分析部81は、再生信号x(i)を周波数領域の再生信号スペクトルXω,iに変換する(ステップS81)。収音信号周波数分析部82は、収音信号y(i)を周波数領域の収音信号スペクトルYω,iに変換する(ステップS82)。
エコーパワー推定部83は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iとを入力としてエコーパワー推定値|Dω,i^|と音響結合量の推定値|Hω,i^|を、上記式(1)で計算する(ステップS83)。エコーパワー補正値計算部110は、再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iと音響結合量の推定値|Hω,i^|とを入力として、再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと音響結合量の推定値|H^|とを乗じた値に更にエコーパワー補正値Φを乗じた値を、収音信号スペクトルYω,iのパワー|Yω,iから減算して求めた差分の最小二乗解からエコーパワー補正値Φを求める(ステップS110)。
エコー抑圧ゲイン計算部120は、収音信号スペクトルYω,iと、エコーパワー補正値Φと、エコーパワー推定値|Dω,i^|とを入力として、エコーを抑圧するゲイン係数Gω,i をエコーパワー補正値Φが大きな値をとるほど小さな値になるように計算する(ステップS120)。なお、乗算部85と周波数合成部86の処理ステップは省略している。
エコー消去装置100は、従来のエコー消去装置10(図8)の類似度係数計算部12がエコーパワー補正値計算部110に、エコー抑圧ゲイン計算部14がエコー抑圧ゲイン計算部120に置き換わった以外は、従来技術と同じ構成である。この新しい構成のエコーパワー補正係数計算部110とエコー抑圧ゲイン計算部120について、更に詳しく説明する。
〔エコーパワー補正値計算部〕
図3に、エコーパワー補正値計算部110のより具体的な機能構成例を示す。エコーパワー補正値計算部110は、内積演算手段110aと、ノルム演算手段110bと、除算手段110cと、レジスタ110dと、レジスタ110eと、を備える。
内積演算手段110aは、エコーパワー推定部83が出力する音響結合量の推定値|Hω,i^|と再生信号スペクトルXω,iと収音信号スペクトルYω,iとを入力として、例えば、式(28)で内積を計算する。
Figure 0005889224
ノルム演算手段110bは、再生信号スペクトルXω,iを入力として、例えば、式(29)でノルムを計算する。
Figure 0005889224
ここでαは強調係数であり、その値はレジスタ110eに記憶されている。強調係数αは正の数であり例えば2とする。なお、内積は式(30)、ノルムは式(31)で計算しても良い。
Figure 0005889224
ここでεは0<ε≦1を満たす忘却係数であり、指数関数的な減衰の時定数を決定する。例えばε=0.16とする。εが1に近づくほど現フレームの計算値(式(30)と式(31)の右辺第1項)に依存した(重み付けされた)値になる。
除算手段110cは、内積演算手段110aで計算した内積と、ノルム演算手段110bで計算したノルムと、音響結合量の推定値|Hω,i^|と、を入力として式(32)でエコーパワー補正値Φを計算する。
Figure 0005889224
また、式(32)は、次式に簡略化することができる。
Figure 0005889224
〔エコー抑圧ゲイン計算部〕
図4に、エコー抑圧ゲイン計算部120のより具体的な機能構成例を示す。エコー抑圧ゲイン計算部120は、エコーパワー調整手段120aと、減算手段120bと、除算手段120cと、エコーの消し残りを無くす定数Cを記録したレジスタ120dと、強調係数βを記録したレジスタ120eとを備える。
エコーパワー調整手段120aは、エコーパワー推定値|Dω,i^|とエコーパワー補正値Φを入力として、エコーパワー推定値の平方根|Dω,i^|を強調係数βでべき乗した後にお互いを乗算し、さらにその値に定数Cを乗算してエコーパワー調整値を計算する(図5のステップS120a)。このエコーパワー調整過程を含むことで、エコー成分を十分に抑圧することが可能になる。
減算手段120bは、エコーパワー調整値と収音信号スペクトルYω,iとを入力とし、収音信号スペクトルの大きさ|Yω,i|を強調係数βでべき乗した値からエコーパワー調整値を減算する(ステップS120b)。
除算手段120cは、減算手段120bの出力信号を、収音信号スペクトルの大きさ|Yω,i|を強調係数βでべき乗した値で除算してゲイン係数Gω,i を出力する(ステップS120c)。つまり、エコー抑圧ゲイン計算部120は、式(34)を計算してゲイン係数Gω,i を出力する。
Figure 0005889224
ここで強調係数βは正の数であるとして例えばαと同じ値の2とする。定数Cは正の数であるとして例えば1.0とする。強調係数βと、定数Cは、ゲイン係数Gω,i を適当な値に調整するものである。強調係数β=2とするとウィナーフィルタに近い式になる。
以上のようにして求めたゲイン係数Gω,i は、近端話者信号s(i)の欠損を軽減するようにエコー消去装置100を動作させる。したがって、従来法に比べてエコー経路の変動に頑健なミュージカルノイズ発生の少ないエコー抑圧を行うことが可能になる。
図6に、エコーパワー補正値Φの大きさに上限と下限を設けるようにしたエコーパワー補正値計算部210の機能構成例を示す。エコーパワー補正値計算部210は、内積演算手段110aと、ノルム演算手段110bと、除算手段110cと、レジスタ110dと、レジスタ110eと、上下限調整手段210aと、を備える。エコーパワー補正値計算部210は、上下限調整手段210aを備える点で、エコーパワー補正値計算部110と異なる。
上下限調整手段210aは、除算手段110cで計算されたエコーパワー補正値Φに対して次式に示すような上限Rmaxと下限Rminを設定したエコーパワー補正値Φ′を出力する。
Figure 0005889224
実施例1で説明したエコーパワー補正値計算部110は、エコーの経路変動や経路変化の際に、エコーパワーのスペクトル包落が保たれることを前提にしている。つまり、エコーと近端話者音声の無相関を前提にしている。
この前提が崩れるとき、エコーパワー補正値が正しく求まらない。そこで、エコーパワー補正値計算部210は、エコーパワー補正値が必要以上に小さくなり過ぎたり、大きくなり過ぎたりすることを防止する。例えば、Rmax=100dB,Rmin=0dB、とする。
エコーパワー補正値計算部210を備えたこの発明のエコー消去装置100′は、エコースペクトルと近端話者信号スペクトルのベクトルが完全には直交しない実際の場面におけるエコー抑圧性能を安定化させる効果を奏する。
以上のようにこの発明のエコー抑圧ゲイン推定方法を用いることで、エコー経路の変動に対してエコーパワー推定値|Dω,i^|の調整を高速に行える。その結果、この発明のエコー抑圧ゲイン推定方法は、エコー経路の変動に頑健なエコー抑圧を実現することができる。
なお、この発明の方法及び装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記方法及び装置において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
また、上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−
R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
また、各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 再生信号を周波数領域の再生信号スペクトルXω,iに変換する再生信号周波数分析段階と、
    収音信号を周波数領域の収音信号スペクトルYω,iに変換する収音信号周波数分析段階と、
    上記再生信号スペクトルXω,iと上記収音信号スペクトルYω,iとを入力として全周波数領域のエコーパワー推定値|Dω,i^|と音響結合量の推定値|Hω,i^|を計算するエコーパワー推定段階と、
    上記再生信号スペクトルXω,iと上記収音信号スペクトルYω,iと上記音響結合量の推定値|Hω,i^|を入力として、上記再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと上記音響結合量の推定値|Hω,i^|とを乗じた値に更にエコーパワー補正値Φを乗じた値を、上記収音信号スペクトルYω,iのパワー|Yω,iから減算して求めた差分の最小二乗解からエコーパワー補正値Φを求めるエコーパワー補正値計算段階と、
    上記収音信号スペクトルYω,iと上記エコーパワー補正値Φと上記エコーパワー推定値|Dω,i^|とを入力として、エコーを抑圧するゲイン係数を上記エコーパワー補正値Φが大きな値をとるほど小さな値になるように計算するエコー抑圧ゲイン計算段階と、
    を有するエコー抑圧ゲイン推定方法。
  2. 請求項1に記載のエコー抑圧ゲイン推定方法において、
    上記エコーパワー補正値計算段階は、
    エコーパワー補正値Φを求めるのに用いる上記エコーパワー推定値|Dω,i^|のエネルギーよりも、全周波数領域から計算される実際のエコーパワースペクトルのエネルギーが大きいほど、大きなエコーパワー補正値を求める段階、
    であることを特徴とするエコー抑圧ゲイン推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載のエコー抑圧ゲイン推定方法において、
    上記エコーパワー補正値計算段階は、上記エコーパワー補正値Φを次式、
    Figure 0005889224

    ここで|Yω,i|は収音信号スペクトルの大きさ、|Xω,i|は再生信号スペクトルの大きさ、|Hω^|は音響結合量の推定値、iはフレーム番号、Lは周波数番号の総数、Nはフレーム数、αは強調係数、であり、
    又は次式、
    Figure 0005889224

    で計算することを特徴とするエコー抑圧ゲイン推定方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のエコー抑圧ゲイン推定方法において、
    上記エコー抑圧ゲイン計算段階は、上記エコーパワー推定値の平方根|Dω,i^|の大きさを上記αでべき乗した値に、上記エコーパワー補正値γを乗算したエコーパワー調整値を生成するエコーパワー調整過程を、含むことを特徴とするエコー抑圧ゲイン推定方法。
  5. 請求項4に記載のエコー抑圧ゲイン推定方法において、
    上記エコー抑圧ゲイン計算段階は、
    上記エコーパワー調整過程と、
    上記収音信号スペクトルの大きさ|Yω,i|を上記αでべき乗した値から上記エコーパワー調整値を減算する減算過程と、
    上記減算過程の出力信号を上記収音信号スペクトルの大きさ|Yω,i|を上記αでべき乗した値で除算する除算過程と、
    から成ることを特徴とするエコー抑圧ゲイン推定方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のエコー抑圧ゲイン推定方法において、
    上記エコーパワー補正値計算段階は、
    計算して求めたエコーパワー補正値Φの大きさに、上限と下限を設ける上下限調整過程を含むことを特徴とするエコー抑圧ゲイン推定方法。
  7. 再生信号を周波数領域の再生信号スペクトルXω,iに変換する再生信号周波数分析部と、
    収音信号を周波数領域の収音信号スペクトルYω,iに変換する収音信号周波数分析部と、
    上記再生信号スペクトルXω,iと上記収音信号スペクトルYω,iとを入力として全周波数領域のエコーパワー推定値|Dω,i^|と音響結合量の推定値|Hω,i^|を計算するエコーパワー推定部と、
    上記再生信号スペクトルXω,iと上記収音信号スペクトルYω,iと上記音響結合量の推定値|Hω,i^|を入力として、上記再生信号スペクトルのパワー|Xω,iと上記音響結合量の推定値|Hω,i^|とを乗じた値に更にエコーパワー補正値Φを乗じた値を、上記収音信号スペクトルYω,iのパワー|Yω,iから減算して求めた差分の最小二乗解からエコーパワー補正値Φを求めるエコーパワー補正値計算部と、
    上記収音信号スペクトルYω,iと上記エコーパワー補正値Φと上記エコーパワー推定値|Dω,i^|とを入力として、エコーを抑圧するゲイン係数を上記エコーパワー補正値Φが大きな値をとるほど小さな値になるように計算するエコー抑圧ゲイン計算部と、
    を具備するエコー抑圧ゲイン推定装置。
  8. 請求項1乃至6の何れかに記載したエコー抑圧ゲイン推定方法を、コンピュータで処理するためのプログラム。








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