JP5044446B2 - ワイパ装置 - Google Patents

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本発明はワイパ装置に係り、特に車両のウインドウ表面を払拭するワイパブレードをスポイラの収容空間内に収容可能なワイパ装置に関する。
従来、車両のリアウインドウの表面を払拭するワイパ機構を備えたルーフスポイラ(ワイパ装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のルーフスポイラは、バックドアパネルの上端部又はルーフパネルの後端部に取り付けられ、リアウインドウを払拭するワイパ機構を内蔵している。
また、車両のバックドアパネルの上部に車両内側へ陥入する凹部を設け、この凹部にリアワイパモータを車両外側から取り付けた構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の構成では、凹部にリアワイパモータを取り付けた後に、アウタパネル(リアスポイラ)が取り付けられる。
図11は従来のワイパ装置の説明図である。この図に示すように、従来のワイパ装置は、スポイラ110に収容空間120aが設けられ、ワイパアーム133やワイパブレード134がこの収容空間120a内に収容される構造となっていた。
実公平7−39734号公報(第1−2頁、図1−2) 特開2002−370626号公報(第2−4頁、図1−2)
このように、従来のワイパ装置では、ワイパブレード134の停止位置において、ワイパブレード134がスポイラ110の収容空間120a内へ収容される構造となっている。このため、例えば降雪時には、ワイパブレード134で払拭された雪が収容空間120a内に掻き込まれて収容空間120aの内部に滞留することがあった。
通常、ワイパブレード134は、回動軸側134bよりも先端側134aに行くほどウインドウを払拭する面積が広くなるため、降雪時にワイパブレード134がかき集める雪の量も、回動軸側134bよりも先端側134aのほうが多い。このため、収容空間120a内のうちワイパブレード134の回動軸側134bが収容される領域よりも先端側134aが収容される領域の方が、より雪が溜まりやすい。
しかしながら、従来のワイパ装置は、ワイパブレード134の位置によらず収容空間120aの奥行きが一定であった。すなわち、図11に示すように、ワイパブレード134の先端側134aと収容空間120aの奥行壁122aとの間隔S1は、回動軸側134bと奥行壁122aとの間隔S2とほぼ同一の幅であった。
このため、収容空間120aのうちワイパブレード134の回動軸側134bでは雪などの被払拭物が溜まるスペースに余裕があるが、先端側134aではスペースに余裕が無く、ワイパブレード134の先端側134aの収容空間120a内に被払拭物が滞留しやすい構造となっていた。そして、収容空間120a内に多量に溜まった被払拭物により、特にワイパブレード134の先端側134aが引っ掛かりやすくなり、この引っ掛かりによってワイパブレード134が破損したり、ワイパブレード134の回動の際の抵抗となってワイパモータがロックしたりすることがあった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ワイパがルーフスポイラの収容空間内へ収容されるワイパ装置において、収容空間内に雪溜まり等が生じた場合でも、ワイパブレードの破損やワイパモータのロック等が生じにくいワイパ装置を提供することにある。
上記課題は、本発明のワイパ装置によれば、車両ボディ面から突出して設けられたスポイラと、前記車両のウインドウ表面を払拭可能なワイパブレードと、を備えたワイパ装置であって、前記ワイパブレードは、長手方向の一端側に位置する回動軸を中心に回動自在であり、前記スポイラは、前記ワイパブレードの前記回動が停止する停止位置において前記ワイパブレードを内部に収容する収容空間を有し、前記ワイパブレードは、前記停止位置において、前記収容空間の奥行壁と該奥行壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔が、前記回動軸側よりも反対端側が大きく、かつ、該反対端側が水平方向に対して下方を向いて傾斜することにより解決される。
このように、本発明のワイパ装置によれば、ワイパブレードの停止位置において、収容空間の奥行壁とワイパブレードの対向面との間隔は、ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側の方が大きい。通常、ワイパブレードの払拭面積は、回動軸側よりも反対端側の方が大きいため、車両のウインドウ表面で払拭される雪などの被払拭物の量は、ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側の方が多い。このため、ワイパブレードの反対端側でかき集められる多量の被払拭物は、収容空間内の間隔の大きい領域に収容され、回動軸側でかき集められる少量の被払拭物は、収容空間内の間隔の小さい領域に収容される。
また、上記課題は、本発明のワイパ装置によれば、車両ボディ面から突出して設けられたスポイラと、前記車両のウインドウ表面を払拭可能なワイパブレードと、を備えたワイパ装置であって、前記ワイパブレードは、長手方向の一端側に位置する回動軸を中心に回動自在であり、前記スポイラは、前記ワイパブレードの前記回動が停止する停止位置において前記ワイパブレードを内部に収容する収容空間を有し、該収容空間は、前記ウインドウ表面と対向する側壁と、該側壁の前記ウインドウ上方側に位置する一辺より前記ウインドウ表面に垂下する奥行壁と、前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記ワイパブレードの先端側に対向する側を閉塞する先端側壁と、該先端側壁と対向するとともに前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記回動軸側を閉塞する回動軸側壁と、が一体となり形成されており、前記ワイパブレードは、前記停止位置において、前記収容空間の前記奥行壁と該奥行壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔が、前記回動軸側よりも反対端側が大きく、かつ、該反対端側が水平方向に対して下方を向いて傾斜することにより解決される。
このように、本発明に係るワイパ装置によれば、収容空間は、側壁、奥行壁、先端側壁、回動軸側壁の4壁が一体となり構成される。
つまり、本発明に係る収容空間は、側壁、奥行壁、先端側壁、回動軸側壁に囲まれるとともに、ワイパブレードが駆動時に出入する開口部のみが開口した状態として構成される(なお、奥行壁がウインドウ上方側へ位置することにより、この開口部はウインドウ下方側へ形成されることとなる)。
このため、ワイパブレードによって掻き揚げられた被払拭物は、この開口部からのみ排出され、ウインドウ及び車両上方側や、車体後方に位置するピラー側に排出されることがない(ピラー側は、先端側壁及び回動軸側壁により閉塞されている)。
例えば、ピラー側に被払拭物(雪等)が排出される開口が存在すると、収容空間に被払拭物(雪等)が掻き込まれた状態でバックドアを開けた際、荷室にこの被払拭物(雪等)が落ち込んで浸入する可能性があるが、本発明に係る収容空間の構成であれば、このような問題を回避することができる。
また、本発明に係る収容空間の構成によれば、ワイパブレードの反対端側(先端側)でかき集められる多量の被払拭物は、収容空間内の間隔の大きい領域に収容され、回動軸側でかき集められる少量の被払拭物は、収容空間内の間隔の小さい領域に収容される。
更に、これら大小の収容空間に収容された被払拭物は、ウインドウ下方側に形成された開口部より効率よく導出される。
この場合、前記間隔は、前記回動軸側から前記反対端側に向かうに従って直線的に増加することが好ましい。
通常、ワイパブレードの長手方向に沿った領域におけるウインドウの払拭面積は、回動軸から反対端側に向かうにつれて比例的(すなわち、直線的)に増加する。このため、反対端側に向かうにつれて奥行壁と対向壁との間隔を直線的に増加させることで、収容空間の広さを、ワイパブレードの払拭量に応じたものとすることができる。したがって、収容空間内に無駄なスペースが少なくなり、被払拭物を効率的に収容することができる。
前記間隔は、前記ワイパブレードの長手方向に沿った払拭面積に応じて大きくなることが好ましい。
このように、奥行壁と対向面との間隔が、ワイパブレードの長手方向に沿った払拭面積に応じて大きくなるため、ワイパブレードの払拭面積に応じた広さの収容スペースを収容空間内に確保することができる。このため、ワイパブレードの破損やワイパモータのロック等が生じにくくなる。また、スポイラ内の無駄なスペースが少なくなるため、スポイラ内に他の装置等を設置するための十分なスペースを確保することができる。
また、請求項1及び請求項2に示すように、前記ワイパブレードは、前記停止位置において、前記反対端側が水平方向に対して下方を向くように傾斜することが好ましい。
このように、ワイパブレードの反対端側が水平方向に対して下方を向くように傾斜するため、ワイパブレードに付着した水滴がワイパブレードの長手方向に沿って反対端側へ移動し、この端部から流れ落ちる。このため、ワイパブレードの回動軸側から汚水が垂下することによりウインドウの払拭エリアが汚れることを防止することができる。
また、前記ワイパ装置の近傍の前記ウインドウには、外周部を被覆する印刷部が形成され、前記ワイパブレードの前記反対端側は、前記停止位置において、前記印刷部の下側端部よりも上方に位置すると好適である。
このように、ウインドウの印刷部の下側端部よりもワイパブレードの反対端側が上方に位置するため、ワイパブレード停止時においてウインドウ越しにワイパ装置を見たときにワイパブレードが露見しない。このため、ワイパ装置の外観を良好なものとすることができる。
この場合、前記ワイパブレードの前記反対端側は、前記停止位置において、前記収容空間の開口部下端より上方に位置することが好ましい。
このように、収容空間を区画する開口部下端よりもワイパブレードの反対端側が上方に位置するため、ワイパブレード停止時においてワイパ装置を水平方向に見たときにワイパブレードが露見しない。このため、ワイパ装置の外観を良好なものとすることができる。
更に、上記構成に加えて、前記収容空間は、前記ウインドウ表面と対向する側壁と、該側壁の前記ウインドウ上方側に位置する一辺より前記ウインドウ表面に垂下する奥行壁と、前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記ワイパブレード先端側に対向する側を閉塞する先端側壁と、該先端側壁と対向するとともに前記奥行壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記回動軸側を閉塞する回動軸側壁と、が一体となり形成されており、前記停止位置における前記収容空間の前記側壁と該側壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔は、前記ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側の方が大きくなるよう構成されていると好適である。
また、前記先端側壁は、前記ワイパブレードが出入可能な開口部の前記ワイパブレードと略平行な方向の幅が、前記奥行壁の前記ワイパブレードと略平行な方向への幅と略同一となるように配設されるか、若しくは前記奥行壁の前記ワイパブレードと略平行な方向への幅に比して広くなるように前記奥行壁側から前記開口部に向けて傾斜するよう配設されていると好適である。
更に、前記開口部の高さは、前記奥行壁の高さに比して略同一若しくは大きくなるように形成されていると好適である。
このように、構成されることによって、ワイパブレードの反対端側(先端部側)で掻き集められる多量の被払拭物を、より体積の大きい収容空間内に収容することができるとともに、回動軸側でかき集められる少量の被払拭物を、比較的体積の小さい収容空間内に収容することができる。
このため、払拭面積が回動軸側よりも大きくなることにより、反対端側(先端部側)の方で多量に掻き込まれることとなる被払拭物を、有効に収容空間内に収容することができ、収容空間内に収容された被払拭物によるワイパブレードの引っ掛かり等の発生を防止し、ワイパブレードの破損やワイパモータのロック等の問題を回避することができる。
本発明のワイパ装置によれば、ワイパブレードの停止位置における収容空間の奥行壁とワイパブレードの対向面との間隔は、ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側の方が大きい。このため、収容空間の広さをワイパブレードの払拭量に応じたものとすることができる。したがって、収容空間内に収容された被払拭物によるワイパブレードの引っ掛かり等が生じにくく、ワイパブレードの破損やワイパモータのロック等が生じにくくなる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
本発明のワイパ装置は、ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側(先端側)の格納スペースを広くして、ワイパ先端側における雪などの被払拭物が溜まるスペースに余裕を持たせるとともに、ワイパ回動軸側における無駄な格納スペースを削除した点を特徴としている。
以下、本発明のワイパ装置について詳細に説明する。
図1〜図10は本発明のワイパ装置の一実施形態を示しており、図1はワイパ装置を取り付けた車両を後方から見た斜視図、図2はワイパ装置の分解斜視図、図3はワイパブレードの機能ブロック図、図4は図1のIV−IV断面図、図5はワイパブレードと奥行壁との間隔を示す説明図、図6はワイパブレードの停止位置の説明図、図7は車室側からガラス越しにワイパ装置を見た説明図、図8は第2の実施形態に係る車両及びワイパ装置の断面図、図9は第3の実施形態に係るワイパ収容空間の形状を示す説明図、図10は第3の実施形態に係る車両及びワイパ装置を示す断面図である。
(第1の実施形態)
以下に、車両1のバックドア2の上端にワイパ装置Aを配設した一実施形態を示す。図1に示すように、車両1は、ドア本体3にリアウインドウガラス(以下、「ガラス4」という)が取り付けられたバックドア2を備えている。本例のワイパ装置Aは、このガラス4の上端部付近に配設されている。また、車両1の内部側(車室側)のガラス4には印刷部に相当するセラミックライン6が印刷されている。なお、本例のワイパ装置Aは、バックドア2の上端に配設されているが、ルーフ5の後端に配設される構成としてもよい。
ワイパ装置Aは、車両1のボディ面から突出するように固定されるスポイラ本体10と、スポイラ本体10のベース収容空間10a(図2参照)に配設されたスポイラベース20と、スポイラベース20に対して回動可能に配設されたワイパ(ワイパアーム33、ワイパブレード34)とを主要な構成要素としている。スポイラ本体10とスポイラベース20は、本発明のスポイラに相当する。
本例のワイパ装置Aは、車両走行中において車両1の後端付近に発生する気流をスポイラ本体10によって整流するリアスポイラとして機能する。また、ワイパ装置Aは、ワイパアーム33とワイパブレード34を往復動させることによってガラス4の表面の払拭エリアWを払拭するリアワイパ装置として機能する。
ワイパアーム33とワイパブレード34は、スポイラベース20のワイパ収容空間20a内に出没自在となるよう組み込まれている。ワイパ作動停止時には、ワイパアーム33とワイパブレード34は、ワイパ収容空間20aの内部に収容される。このワイパ収容空間20aは、スポイラ本体10のベース収容空間10a内に入り込んでいるので、ワイパ作動停止時には、車両後部側からワイパアーム33やワイパブレード34が露見しにくく、ワイパ装置Aの外観を良好にしている。
さらに、ワイパアーム33やワイパブレード34の色をスポイラベース20と同色にすることにより、ワイパ作動停止時にワイパアーム33等を目立たなくしてもよい。
次に、ワイパ装置Aについて詳細に説明する。
図2に示すように、本例のスポイラ本体10は樹脂等で形成された中空の構造体である。スポイラ本体10は、車両搭載時にルーフ5から略垂直方向に突出し車両1の上部中央から左右両側に向けて略水平方向に延びる整流部11と、この整流部11の後端部(先端部)からガラス4の上端部近傍まで斜め下方向に延出する背面部12と、整流部11と背面部12に連続して形成され車両1のボディ面と当接する板状の固定部13を基本構成としている。
スポイラ本体10の内部には、これら整流部11、背面部12及び固定部13によって囲まれたベース収容空間10aが形成されている。また、背面部12の中央部先端付近には、補助制動灯として機能するハイマウントストップランプ40が配設されている。
背面部12には、幅方向に沿って長方形状に切り欠かれた収容口12aが形成されている。収容口12aは、スポイラ本体10が車両1に固定されたときガラス4に面する位置に形成され、外側(ガラス4側)と内側(ベース収容空間10a側)とを連通している。
ベース収容空間10aの内部には、整流部11の内側面から収容口12a側へ向けて突出する複数(本例では5つ)のボス状の本体側取付部10bが形成されている。この本体側取付部10bは、長さ方向に沿ったねじ溝を内面に有しており、後述するようにスポイラベース20をスポイラ本体10にねじ10cを用いて固定するために設けられている。
スポイラベース20は、後述するワイパモータ装置30やワイパ(ワイパアーム33、ワイパブレード34)を固定するために設けられている。本例のスポイラベース20は、収容口12aの外郭線よりも僅かに大きく形成された外形を有する閉塞部(閉塞壁)21と、閉塞部21に形成された開口部21aから車両1の前方へ膨出する凹部(凹部壁)22と、閉塞部21の下面と連続して形成された底面部23とを備えている。
底面部23の開口部21a側には、幅方向に沿って矩形状に切り欠かれた切欠部23aが形成されている。本例では、この切欠部23aによって切り欠かれた領域内がワイパ停止位置であり、ワイパ作動停止時には、ワイパブレード34はこの切欠部23aの内側の領域内に保持される。したがって、ワイパが停止するときに、ワイパブレード34のブレードラバーがガラス4から底面部23へ乗り上げないので、これに伴う停止時の騒音発生を防止することができる。
スポイラベース20の閉塞部21の裏面側には、垂直方向に突出する複数(本例では5つ)のボス状のベース側取付部20bが形成されている。このベース側取付部20bは、スポイラベース20をスポイラ本体10に組み付けたときに本体側取付部10bと接触する位置に形成されている。ベース側取付部20bは、長さ方向に沿ったねじ溝を内面に有しており、このねじ溝と本体側取付部10bのねじ溝をねじ10cで螺合することで、スポイラベース20がスポイラ本体10に固定される。
スポイラベース20がスポイラ本体10に組み付けられたとき、閉塞部21の表面は背面部12の表面(ガラス4側の面)とほぼ同一平面上に位置し、凹部22はベース収容空間10a内に収容される。また、収容口12aの外郭線がなす形状よりも閉塞部21の外形が僅かに大きく形成されている。このため、スポイラベース20をスポイラ本体10に組み付けたときに、閉塞部21と背面部12との間にはほとんど隙間が生じず、外観上一体となる。
また、スポイラベース20がスポイラ本体10に組み付けられると、凹部22の全体がベース収容空間10a内に収容されるとともに、閉塞部21によりベース収容空間10aの内部と外部が区画される。このように、閉塞部21によりベース収容空間10aが区画されるため、雨水や塵芥等がベース収容空間10aの内部に侵入することが防止され、防水性や防塵性が確保される。
凹部22の内壁面によって囲まれた領域には、ワイパ収容空間20aが形成される。ワイパ収容空間20aは、ワイパ(ワイパアーム33、ワイパブレード34)を収容保持するための空間である。
スポイラベース20には、ワイパモータ装置30が固定されている。ワイパモータ装置30には、ワイパアーム33が回転可能に連結され、ワイパアーム33の先端部にはワイパブレード34が取り付けられている。
ワイパモータ装置30は、電動モータ31と減速機構部32とを備えている。減速機構部32には下方に延出する回動軸32aが連結しており、この回動軸32aにはワイパアーム33の基端部33aが固定されている。減速機構部32は、電動モータ31の回転を減速するとともに、電動モータ31の出力軸31aの一方向への回転を所定回転角度毎の往復回転運動に変換してワイパアーム33を揺動させる。
ワイパブレード34は、ワイパアーム33の先端側に支持され、ガラス4に摺動自在に当接し、ガラス4を払拭する役割を有している。ワイパブレード34は、長尺部材で構成され、ワイパブレード34は、ワイパアーム33に支持されるキャップ部と、このキャップ部に沿って配設されたワイパラバーとを備えている。ワイパブレード34の長手方向の両端のうち、回動軸32aが位置する側の端部は回動軸側34b、その反対端側の端部は先端側34aである。
図3に示すように、電動モータ31の出力軸31aには、回転位置を検出するためのロータリーエンコーダ等からなる回転出力部31bが設けられている。回転出力部31bは、出力軸31aと一体に回転し、一回転毎にパルス信号を出力する。
減速機構部32は、円板ギヤ32bと、リンクアーム32cと、リンクロッド32dと、ピボットレバー32eとを備えている。
円板ギヤ32bは、電動モータ31の出力軸31aに設けられた不図示のギヤと歯合するギヤ部を備えており、電動モータ31の出力軸31aが回転すると、一定方向(図中では矢印方向)に回転する。リンクアーム32cは、一端側が円板ギヤ32bの中心軸に固定され、他端側がリンクロッド32dの一端側に連結されている。リンクロッド32dの他端側はピボットレバー32eの一端側に連結され、ピボットレバー32eの他端側は回動軸32aの一端に連結されている。
電動モータ31の出力軸31aが一方向に連続して回転すると、出力軸31aの回転数よりも少ない回転数で円板ギヤ32bが一方向に回転する。リンクアーム32cの一端側は、円板ギヤ32bの中心に固定されているため、円板ギヤ32bの回転により固定端を中心にリンクアーム32cの反対端側が円板ギヤ32bの円周に沿って回転する。リンクアーム32cの回転により、リンクロッド32dは左右方向に往復移動し、このリンクロッド32dの動きに連動してピボットレバー32eが回動軸32aを中心に往復揺動する。これにより、回動軸32aは、所定の回転角度毎に回転方向が変化する回動動作をする。
ワイパモータ装置30には、ワイパの停止位置を制御するためのコントローラ35が電気的に接続されている。コントローラ35には、ワイパブレード34の停止位置を設定する停止位置設定部35aと、回転出力部31bから入力されるパルス数をカウントして出力軸31aの回転位置を検出する回転位置検出部35bと、停止位置設定部35aで設定された停止位置と回転位置検出部35bで検出された回転位置とに基づいて電動モータ31を駆動制御する駆動制御部35cが設けられている。
停止位置設定部35aは、ワイパブレード34の停止位置を回転出力部31bの回転位置として予め設定する機能を有している。本例では、停止位置設定部35aに設定される停止位置は、先端側34aが水平方向よりも下方を向く回転位置が設定されている。すなわち、ワイパブレード34の先端側34aが水平方向を向く少し手前の回転位置が停止位置として設定されている。
回転位置検出部35bは、出力軸31aの回転位置を検出することで、間接的にワイパブレード34の回転位置を取得する。
駆動制御部35cは、MPUなどを有し、回転位置検出部35bで検出されたワイパブレード34の回転位置と停止位置設定部35aに設定されている停止位置とを比較し、両者が一致した場合に電動モータ31への電力の供給を停止する。これにより、ワイパブレード34は、停止位置設定部35aに予め設定された停止位置で停止する。
ワイパアーム33は、図示しない付勢部材を有しており、この付勢部材によりワイパブレード34はガラス4側へ付勢される。本例のワイパアーム33は、中間部がかぎ型に屈曲し、基端部33aにワイパモータ装置30の回動軸32aを挿通可能な挿通孔が形成されている。
ワイパモータ装置30は、不図示のワイパ操作スイッチの払拭開始操作により作動し、回動軸32aを中心にワイパアーム33とワイパブレード34を上反転位置と下反転位置の間で円弧状に揺動運動させてガラス4の表面を払拭する。
ワイパモータ装置30は、ワイパ停止スイッチの払拭停止操作により、所定の停止位置でワイパの往復回転運動を停止させる。ワイパの停止制御はコントローラ35が行う。コントローラ35は、回転出力部31bから回動軸32aの回転位置を取得し、ワイパブレード34が所定の停止位置にあると判断した場合に、電動モータ31への電力の供給を停止してワイパの往復回転運動を停止させる。
ワイパ作動停止時には、ワイパアーム33とワイパブレード34は、凹部22のワイパ収容空間20a内に保持される。本例のワイパ停止位置は、上反転位置と一致している。
ワイパブレード34を停止する場合は、コントローラ35によって水平方向に対して先端側34aが下方を向くように停止制御される。
図4は、ワイパ収容空間20a内にワイパが収容された状態における車両1とワイパ装置Aの縦断面図を示している。また、この図では、開口部21aの下端と水平方向の直線を端部水平線E−Eとして示している。
この図に示すように、ワイパ収容空間20aは、凹部22の内壁面を構成する奥行壁22aと側壁22bとで区画されている。
ワイパブレード34の停止位置において、凹部22の奥行壁22aとワイパブレード34のうち奥行壁22a側の対向面34cとは、所定の間隔Sを開けて対向する位置にある。
図5はワイパ装置を車両後部側から水平方向に見た正面図であり、ワイパブレード34を上面側から見た状態を示している。この図に示すように、奥行壁22aと対向面34cとの間隔Sは、ワイパブレード34の先端側34aに向かうほど広くなり、回動軸側34bに向かうほど狭くなっている。すなわち、先端側の間隔S1は、回動軸側34bの間隔S2よりも大きくなっている。本例では、奥行壁22aは横断面形状が直線状の平面として形成されており、ワイパブレード34の回動軸側34bから先端側34aに向かうに従って間隔Sが正比例的に漸増している。
ワイパブレード34がガラス4の表面を払拭すると、ワイパブレード34によりかき集められた雪や泥などの被払拭物はワイパ収容空間20a内に堆積する。本例のワイパ装置Aのように、ワイパ収容空間20aの上面や側面が外部に開放されておらず、ワイパ収容空間20a内に掻き込まれた被払拭物の逃げ場がない場合、被払拭物はワイパ収容空間20a内に徐々に滞留する。
一般的に、ワイパブレード34がかき集める被払拭物の量は、ワイパブレード34の回動軸側34bよりも先端側34aの方が多くなる。これは、ワイパブレード34が掻き込む被払拭物の量は、ガラス4の表面の曲率が一定であると仮定すると、ワイパブレード34がガラス4を払拭する面積に応じて多くなるからである。ワイパブレード34の長手方向に沿った領域における払拭面積は、ワイパブレード34の領域の描く円弧状の軌跡の長さによる。ワイパブレード34を回動駆動する回動軸32aの位置は一定であるため、円弧の軌跡の長さLは「L=2πrθ」(ここで、rは回動軸32aを中心とする半径、θは回転角度を示す)で表される。したがって、円弧の長さはワイパブレード34から回動軸32aまでの距離(すなわち半径r)に比例する。
本発明のワイパ装置Aでは、ワイパブレード34の先端側の間隔S1は、回動軸側34bの間隔S2よりも大きくなっている。すなわち、ワイパ収容空間20aは、ワイパブレード34が掻き込む被払拭物の量に応じた広さの奥行きとなっている。
このため、ワイパブレード34の先端側34aでかき集められた多量の被払拭物は、間隔Sの広い先端側34aの領域内に収容され、回動軸側34bでかき集められた少量の被払拭物は、間隔Sの狭い回動軸側34bの領域内に収容される。
このように、ワイパブレード34の先端側34aが収容されるワイパ収容空間20aの奥行きを広くし、回動軸側34bが収容される奥行きを狭くすることで、ワイパブレード34によってかき集められる被払拭物の量に応じた広さの収容スペースを確保することができる。
また、ワイパ収容空間20aのうち先端側34aが収容される領域では、間隔Sが広く形成されている。このため、この領域でのワイパ装置Aの輪切りにしたときの縦断面を取ったとき、断面空間の面積が大きくなり、ワイパ装置Aの剛性を高めることができる。このため、ワイパ装置Aに無理な力が加わった場合でも、破損等が生じにくい。
さらに、回動軸側34bでは、ワイパ収容空間20a内に無駄なスペースが少なくなるため、スポイラ本体10の内部空間を広くすることができる。このため、この内部空間にワイパモータ装置30や他の装置等を設置するための十分なスペースを確保することができる。
なお、本例では、奥行壁22aを平面とし、ワイパブレード34の対向面34cと奥行壁22aとの間隔Sが直線的に変化するようにしているが、奥行壁22aを曲面とし、間隔Sが非直線状に変化するようにしてもよい。例えば、奥行壁22aを所定の曲率を有するR状としてもよく、また、複数の段差を有する階段状に構成してもよい。
また、本例では、ワイパブレード34の停止位置を水平方向に対して先端側34aが斜め下方を向くように傾斜した位置とした。
しかしながら、ワイパブレード34の停止位置において先端側34aを水平方向に対して下向きにすることで、以下に述べる特有の効果を生じるため、この実施態様がより好ましい。
図6(a)はワイパブレード34の先端側34aが水平位置よりも下方を向くように傾斜させて停止した状態を示す図、図6(b)は先端側34aを傾斜させずに水平となるよう停止した状態を示す図であり、本発明の実施態様により解決される課題を示している。
図6(a)に示すように、ワイパ収容空間20a内の停止位置では、ワイパブレード34は、ワイパブレード34の水平方向(水平線H−H)に対して先端側34aが下方を向くように傾斜した状態で停止している。傾斜角度は、ワイパブレード34に付着した水滴が先端側34aに流れることができる角度であればよく、通常、水平線H−Hに対して2〜20°程度である。
一方、図6(b)に示すように、先端側34aが水平方向に対して下方を向くように傾斜していない場合は、回動軸側34bから汚水Mが垂れて払拭エリアWを汚すことがある。特に、回動軸側34bが水平方向よりも下方を向いている場合、ワイパブレード34に付着した水が回動軸側34bに集まりやすくなり、払拭エリアWに汚水が垂れやすい。
本実施形態のワイパ装置Aでは、ワイパブレード34の先端側34aを水平方向に対して下方を向くように傾斜して停止させている。このため、ワイパブレード34によってかき集められた水(雪の場合は溶解後の水)が、ワイパ停止後にワイパブレード34の回動軸側34bから払拭エリアW内に垂れることを防止することができる。したがって、ワイパブレード34から垂れる汚水等により払拭エリアWが汚れることを防止することができる。
また、図6(a)に示すように、ワイパブレード34の先端側34aは、端部水平線E−Eよりも上方に位置している。すなわち、先端側34aは、開口部21aの下端よりも上方に位置している。このようにワイパブレード34を配置することで、ワイパ装置Aを車両1の後部側から水平方向に見たときに、ワイパブレード34がワイパ収容空間20a内に隠れて外部に露見しないようになっている。このため、車両外部からのワイパの見栄えを向上させることができる。
また、図7に示すように、ワイパブレード34の先端側34aの停止位置は、ガラス4に印刷されたセラミックライン6の下側端部6aよりも上方に位置する。このような停止位置とすることで、ワイパ装置Aの非作動時に車室側からワイパ装置Aを見たとき、ワイパブレード34がガラス4越しに露見せず、車室内からのワイパの見栄えを向上させることができる。
なお、この図では、説明の容易のため、車室側から見たときに通常は視認できない位置にあるスポイラ本体10とワイパブレード34を破線で示している。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、ワイパ装置を回動駆動するワイパモータ装置30がスポイラに取り付けられているが、ワイパモータ装置30の配置としてはこのようなスポイラに設けられるものに限定されない。例えば、一般的な車両のように、ワイパモータ装置をバックドア内部に設けてもよい。以下、この実施形態を第2の実施形態として説明する。
図8は本発明の第2の実施形態に係る車両とワイパ装置の断面図であり、ワイパモータ装置を車両側に設置した例について説明した図である。この図では、説明を容易にするために、ワイパモータ装置30を破線で示している。
この図に示すように、本実施形態のワイパ装置A2は、上述した実施形態(以下、第1の実施形態)と同様に、スポイラ本体60とスポイラベース70からなるスポイラと、ワイパアーム83とワイパブレード84からなるワイパとを備えている。
スポイラベース70には、上述した第1の実施形態と同様にワイパ収容空間70aが設けられている。ワイパブレード84は、停止位置においてワイパ収容空間70a内に収容される。このとき、ワイパ収容空間70aの奥行壁72aとワイパブレード84の対向面84cとの間隔は、ワイパブレード84の回動軸82a側よりも先端側の方が大きくなっている。
本実施形態では、ワイパアーム83やワイパブレード84を回動駆動するワイパモータ装置80は、ワイパモータ装置80はバックドア52の車両上部側の内部空間に配置されている。ワイパモータ装置80の回動軸82aは、バックドア52のドア外板とガラス54を貫通して車両外部に突出している。回動軸82aには第1の実施形態と同様にワイパアーム83の一端側が取り付けられ、ワイパアーム83にはワイパブレード84が取り付けられている。
ワイパモータ装置80により回動軸82aが回動することで、これに連動してワイパアーム83とワイパブレード84が回動し、ウインドウ表面を払拭可能となっている。
このように、ワイパモータ装置80がスポイラではなく車両に直接取り付けられる場合であっても、第1の実施形態に係る発明と同様の作用、効果を奏することが可能となる。
なお、本実施形態では、回動軸82aはバックドア52のドア外板とガラス54の両方を貫通して車両外部に突出しているが、ガラス54の上端部よりも上方のバックドア52から突出するよう配置し、バックドア52のドア外板のみを貫通するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図9及び図10により、本発明の第3の実施形態を説明する。
なお、本実施形態の説明においては、第1の実施形態と同様の構成である部分の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
本実施形態においては、ワイパ収容空間220aの形状が、第1実施形態に係るものと相違している。
図9は、ワイパ収容空間220aの形状を示す説明図である。
図9(a)は、ワイパ装置A3を車両外側(リアガラス外側)から見た図であり、図9(b)は、ワイパ装置A3が取付けられた状態で、このワイパ装置A3をワイパ収容空間220aの開口部側(駆動時にワイパブレード34が出入りする開口部)から見た説明図である。
なお、両図とも、説明に必要な主要構成のみを図示しており、その他説明に不要な部材等は図示を省略した。
また、本実施形態に係るワイパ収容空間220aは、奥行壁222a、側壁222b、ワイパブレード34の先端側を閉塞する壁(以下、「先端側壁222c」と記す)、及びワイパーブレード34の回動軸側を閉塞する壁(以下、「回動軸側壁222d」と記す)で囲まれて形成された空間である。
本実施形態において、ワイパ収容空間220aは、奥行壁222a、側壁222b、先端側壁222c、回動軸側壁222dとが一体となり形成された空間として構成されている。
また、奥行壁222aと先端側壁222cとの交線から、払拭エリアWに下ろした垂線を垂線L−Lとする。
図9(a)に示すように、本実施形態においては、先端側壁222cは、奥行壁222aと先端側壁222cとの交線から払拭面Wに至るにつれて、ワイパブレード34の先端部から離隔するように形成される。
つまり、本実施形態においては、先端側壁222cは垂線L−Lに対して、ワイパブレード34の先端部と離隔する方向に所定の角度を成すよう形成されている。
換言すれば、この垂線L−Lと先端側壁222cとの成す角度θ1が、0°≦θ1<90°となるように、先端側壁222cは形成されている。
このため、ワイパブレード34の出入口となる開口部が広くなるとともに、ワイパ収容空間220aの容積として考えると、ワイパブレード34の先端方向へいくにつれて空間容積が増加することとなる。
このため、ワイパ収容空間220aの容積が大きくなり、降雪量が多い場合にワイパブレード34により掻き込まれた雪を大量に収容することができ、雪溜まりによるワイパブレード34の破損やワイパモータ装置30のロック等が生じにくくなる。
また、ワイパブレード34は、基端部33aを中心として円運動を行うことにより払拭面Wを払拭するが、基端部33aから離隔するワイパブレード34の先端部程軌跡が長くなるため払拭面積が大きくなる。よって、ワイパブレード34の先端部側程、雪等の払拭物の払拭量が増加することとなる。
しかし、本実施形態に係るワイパ収容空間220aは、ワイパブレード34の先端側に行く程、空間容積が大きくなるため、掻き込まれた雪等を大量に収容することができ、より一層、雪溜まりによるワイパブレード34の破損やワイパモータ装置30のロック等が生じにくくなる。
また、図9(b)に示すように、側壁222bとワイパーブレード34までの距離(側壁222bと対向する面までの距離)では、ワイパアーム33とワイパブレード34の結合部での距離H1とワイパブレード34先端部での距離H2を比較すると、距離H2>距離H1となるようにワイパ収容空間220aは構成されている。
このため、よりワイパ収容空間220aの空間容積を増加させ、特に、ワイパブレード34先端部分におけるワイパ収容空間220aの空間容積を大きくとることができ、雪溜まりによるワイパブレード34の破損やワイパモータ装置30のロック等が生じにくくなる。
また、図10に示すように、側壁222bは、払拭面Wに対して所定の角度θ2(側壁222bと奥行壁222aとの交線から延びる払拭面Wに対して平行な平行線N−Nに対して、側壁222bと奥行壁222aとの交線を基点に、払拭面Wと離隔する方向になすか角度)を成すように形成される。
この角度θ2は、0°≦θ2<90°に設定される。
つまり、ワイパ収容空間220aは、奥行壁222a付近からワイパ収容空間220aの開口部へいくにつれて、側壁222bと払拭面Wとの距離が大きくなるように構成されている。
換言すれば、図10において、奥行壁222a付近の側壁222bと払拭面Wとの距離H2と、ワイパ収容空間220a開口部付近の側壁222bと払拭面Wとの距離H3とを比較すると、H2≦H3となっている。
なお、本実施形態においては、スポイラ本体222のみで(つまり、スポイラベースとなる構成を有さない)、ワイパ収容空間220aが形成されている。つまり、ワイパ収容空間220aを構成する奥行壁222a、側壁222b、先端側壁222c、回動軸側壁222dは、スポイラ本体222の一部として構成されている。
このように構成されていることにより、ワイパ収容空間220aの容積が大きくなり、降雪量が多い場合にワイパブレード34により掻き込まれた雪を大量に収容することができ、雪溜まりによるワイパブレード34の破損やワイパモータ装置30のロック等が生じにくくなる。
次に、本発明の変形例について説明する。
以上で述べた実施形態では、出力軸31aに設けられた回転出力部31bで検知される回転位置により、ワイパブレード34が停止位置にあるか否かを判別して電気的に停止位置を制御している。しかしながら、ワイパブレード34を傾斜させて停止位置で停止する方法としては、このような電気的な方法に限定されない。例えば、ワイパ収容空間20a内の回動軸32a側に、奥行壁22aと対向するワイパアーム33の壁面と当接してワイパアーム33の動きを規制する規制部材を設け、この規制部材によりワイパブレード34を機械的に傾斜させて停止してもよい。
また、停止位置設定部35aに設定される停止位置は、所定の停止位置を変更できないように固定されていてもよく、あるいは車両状況に応じて適宜変更できるようにしてもよい。例えば、降雪量が多い場合は、水平方向に対するワイパブレード34の傾斜角度を大きくし、ワイパ収容空間20aの奥行壁22aとワイパブレード34の対向面34cとの間の間隔Sを大きくすることで、雪を収容できるスペースを広くしてもよい。これにより、降雪量が多い場合にワイパブレード34により掻き込まれた雪を大量に収容することができ、雪溜まりによるワイパブレード34の破損やワイパモータ装置30のロック等が生じにくくなる。
反対に、降雪量が少ない場合や全くない場合には、水平方向に対するワイパブレード34の傾斜角度を小さくしてもよい。これにより、外部からワイパ装置Aを見たときにワイパブレード34の先端側34aが露見しにくくなり、ワイパ装置Aの外観を良好なものとすることができる。
ワイパ装置を取り付けた車両を後方から見た斜視図である。 ワイパ装置の分解斜視図である。 ワイパ装置の機能ブロック図である。 図1のIV−IV断面図である。 ワイパブレードと奥行壁との間隔を示す説明図である。 ワイパブレードの停止位置の説明図である。 車室側からガラス越しにワイパ装置を見た説明図である。 第2の実施形態に係る車両及びワイパ装置の断面図である。 第3の実施形態に係るワイパ収容空間の形状を示す説明図である。 第3の実施形態に係る車両及びワイパ装置を示す断面図である。 従来のワイパ装置の説明図である。
符号の説明
1‥車両、2‥バックドア、3‥ドア本体、4‥ガラス、5‥ルーフ、6‥セラミックライン(印刷部)、6a‥下側端部、10,222‥スポイラ本体(スポイラ)、10a‥ベース収容空間、10b‥本体側取付部、10c‥ねじ、11‥整流部、12‥背面部、12a‥収容口、13‥固定部、20‥スポイラベース(スポイラ)、20a,220a‥ワイパ収容空間、20b‥ベース側取付部、21‥閉塞部、21a‥開口部、22‥凹部、22a,222a‥奥行壁、22b,222b‥側壁、222c‥先端側壁、222d‥回動軸側壁、23‥底面部、23a‥切欠部、30‥ワイパモータ装置、31‥電動モータ、31a‥出力軸、31b‥回転出力部、32‥減速機構部、32a‥回動軸、32b‥円板ギヤ、32c‥リンクアーム、32d‥リンクロッド、32e‥ピボットレバー、33‥ワイパアーム、33a‥基端部、34‥ワイパブレード、34a‥先端側(反対端側)、34b‥回動軸側、34c‥対向面、35‥コントローラ、35a‥停止位置設定部、35b‥回転位置検出部、35c‥駆動制御部、40‥ハイマウントストップランプ、52‥バックドア、54‥ガラス、60‥スポイラ本体(スポイラ)、70‥スポイラベース(スポイラ)、70a‥ワイパ収容空間、72a‥奥行壁、80‥ワイパモータ装置、82a‥回動軸、83‥ワイパアーム、84‥ワイパブレード、84c‥対向面、110‥スポイラ、120a‥収容空間、122a‥奥行壁、133‥ワイパアーム、134‥ワイパブレード、134a‥先端側、134b‥回動軸側、A,A2,A3‥ワイパ装置、W‥払拭エリア、S‥間隔、S1‥先端側の間隔、S2‥回動軸側の間隔、M‥汚水、H−H‥水平線、E−E‥端部水平線

Claims (9)

  1. 車両ボディ面から突出して設けられたスポイラと、前記車両のウインドウ表面を払拭可能なワイパブレードと、を備えたワイパ装置であって、
    前記ワイパブレードは、長手方向の一端側に位置する回動軸を中心に回動自在であり、
    前記スポイラは、前記ワイパブレードの前記回動が停止する停止位置において前記ワイパブレードを内部に収容する収容空間を有し、
    前記ワイパブレードは、前記停止位置において、前記収容空間の奥行壁と該奥行壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔が、前記回動軸側よりも反対端側が大きく、かつ、該反対端側が水平方向に対して下方を向いて傾斜することを特徴とするワイパ装置。
  2. 車両ボディ面から突出して設けられたスポイラと、前記車両のウインドウ表面を払拭可能なワイパブレードと、を備えたワイパ装置であって、
    前記ワイパブレードは、長手方向の一端側に位置する回動軸を中心に回動自在であり、
    前記スポイラは、前記ワイパブレードの前記回動が停止する停止位置において前記ワイパブレードを内部に収容する収容空間を有し、
    該収容空間は、前記ウインドウ表面と対向する側壁と、該側壁の前記ウインドウ上方側に位置する一辺より前記ウインドウ表面に垂下する奥行壁と、前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記ワイパブレードの先端側に対向する側を閉塞する先端側壁と、該先端側壁と対向するとともに前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記回動軸側を閉塞する回動軸側壁と、が一体となり形成されており、
    前記ワイパブレードは、前記停止位置において、前記収容空間の前記奥行壁と該奥行壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔が、前記回動軸側よりも反対端側が大きく、かつ、該反対端側が水平方向に対して下方を向いて傾斜することを特徴とするワイパ装置。
  3. 前記間隔は、前記回動軸側から前記反対端側に向かうに従って直線的に増加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイパ装置。
  4. 前記間隔は、前記ワイパブレードの長手方向に沿った払拭面積に応じて大きくなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイパ装置。
  5. 前記ワイパ装置の近傍の前記ウインドウには、外周部を被覆する印刷部が形成され、
    前記ワイパブレードの前記反対端側は、前記停止位置において、前記印刷部の下側端部よりも上方に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイパ装置。
  6. 前記ワイパブレードの前記反対端側は、前記停止位置において、前記収容空間の開口部下端より上方に位置することを特徴とする請求項に記載のワイパ装置。
  7. 前記収容空間は、前記ウインドウ表面と対向する側壁と、該側壁の前記ウインドウ上方側に位置する一辺より前記ウインドウ表面に垂下する奥行壁と、前記側壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記ワイパブレード先端側に対向する側を閉塞する先端側壁と、該先端側壁と対向するとともに前記奥行壁より前記ウインドウ表面に垂下し、前記停止位置における前記回動軸側を閉塞する回動軸側壁と、が一体となり形成されており、
    前記停止位置における前記収容空間の前記側壁と、該側壁に対向する前記ワイパブレードの対向面との間隔は、前記ワイパブレードの回動軸側よりも反対端側の方が大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイパ装置。
  8. 前記先端側壁は、前記ワイパブレードが出入可能な開口部の前記ワイパブレードと略平行な方向の幅が、前記奥行壁の前記ワイパブレードと略平行な方向への幅と略同一となるように配設されるか、若しくは前記奥行壁の前記ワイパブレードと略平行な方向への幅に比して広くなるように前記奥行壁側から前記開口部に向けて傾斜するよう配設されていることを特徴とする請求項に記載のワイパ装置。
  9. 前記開口部の高さは、前記奥行壁の高さに比して略同一若しくは大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項に記載のワイパ装置。
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