JP5044400B2 - 管内にワイヤを位置決め及び固定するための装置 - Google Patents

Description

本発明は、管内に中実ワイヤ又は中空ワイヤを位置決め及び固定するための装置に関する。

化学的な反応技術において、管状のリアクタ内におけるワイヤ、特に熱電対の位置決め及び固定には、大きな意味がある。この場合、管の全長にわたって種々異なった箇所において温度を測定できることが望まれている。

「中空ワイヤ」という概念には、上記との関連において、ガス状又は液状の抽出物を所望の高さで反応管に導入する毛管も含まれる。これらの毛管は、保持体の間の領域において位置決めされる熱電対の外装として設けられていることができる。また毛管は反応中における試料採取のためにも使用することができ、所望の試料を吸い出すことができる。

この場合、位置決めのために管壁を穿孔しなくてはならないことは望まれておらず、もし管壁が穿孔されると、リアクタのための製造コスト、特に、数千の管を有する管束リアクタのための製造コストは、許容不能なほどに高騰してしまう。このような供給装置は、特に触媒ペレットの充填に対して不都合に影響し、これによって通路形成や不均一な動圧分布の生じることがある。

ゆえに本発明の課題は、上に述べた欠点を回避することのできる装置を提供することである。

本発明は、管（以下において保持体とも呼ばれる）内において中実ワイヤ及び中空ワイヤを位置決め及び固定するための装置であって、管よりも小さな横断面を有する閉鎖されていないリング状のエレメントから成っていて、該エレメントの壁が、ワイヤ特に熱電対を貫通させるための少なくとも１つの孔と、有利には管の延在方向に対して平行に延びる連続したスリットとを有している。

拡張又は収縮によって、装置の直径を管の直径に合わせることができるので、装置は管の内壁にぴったりと接触する。

装置の寸法に関連して、装置は、熱電対又は毛管のようなワイヤを貫通させるための単数又は複数の孔を有している。

管延在方向に対して垂直な方向で測定したリング状の装置の内部における装置長さは、有利には管の直径の半分に相当しており、このようになっていると、管の中心において熱測定が行われる。

しかしながらまたその他の寸法も可能である。ワイヤは有利には貫通部においてろう接によって固定されていて、管の壁に沿って、場合によっては管の端部において束ねられて案内される。ワイヤは管の内部においてさらに壁に固定されていてもよい。

一般的にリアクタ管は、これらの保持体のうちの複数の保持体を、互いに適宜な間隔をおいて有しており、これによって例えば管内における温度分布を観察することができる。

本発明のように構成することによって、さもないと観察される傾向、例えば、一般的に管を満たす触媒から成る固体ばら荷の貫流時に通路が形成されてしまう傾向が、減じられる。

本発明による装置の使用は、特定の管型式又はそのために使用される材料に制限されるものではない。市販の鋼から成る管、つまり例えば化学工場で使用される１０〜７５ｍｍまでの管内径を有している管が、有利である。１５〜５０ｍｍまでの管内径を有する管が特に有利である。さらに有利なのは、１５〜３０ｍｍまでの管内径を有する管である。

本発明による装置のための材料もまた、特定のワイヤ型式又は材料に制限されるものではない。市販のすべてのワイヤが適しているが、特に、例えば公知の形式で、熱電対として温度測定のために使用されるワイヤが適している。これらの中実又は中空のワイヤの直径は例えば３ｍｍまでである。２ｍｍまでの直径を有するワイヤが特に有利である。

ワイヤの長さも制限されておらず、管の長さに合わせられる。２０ｍまでの長さを有するワイヤが特に適している。

２０までのワイヤを管から導出することができる（図１；ｎ＝１８）。しかしながら１２までのワイヤが有利であり（ｎ＝１０）、６までのワイヤ（ｎ＝４）を管から導出すると、特に有利である。

固定装置は有利には、閉鎖されていないリング状に曲げられた長方形の形を有していて、この長方形の角隅は有利には丸くなっているか、又は斜めに面取りされている。

この場合長方形の互いに向かい合っている辺の間の間隔は、管の直径に関連して、１〜１０ｍｍ、特に３〜８ｍｍである。

長方形の高さは一般的に、管の直径に関連して、１５〜８０ｍｍ、特に２０〜４０ｍｍである。

本発明による装置は有利には、ワイヤ引張りケーブルを用いて管内に引き込まれ、引張りケーブルは次いで外されて、管から出される。装置は、力が加えられない限り、管壁におけるクランプ作用に基づいてもはやずれない。

装置は、液相反応又は気相反応が実施される固定床リアクタのために、特に適している。

図１において、Ａは管の横断面（方向Ｙ−Ｚ）を示し、Ｂは管の縦断面（方向Ｘ）を示し、Ｃ１〜Ｃ３は位置決めエレメントの実施形態を示し、かつｎは導入されたワイヤの数を示す。

本発明による装置の１実施例を示す図である。

Claims (8)

1. 管内に、中実ワイヤ及び中空ワイヤを位置決め及び固定するための装置であって、管よりも小さな直径を有していて閉鎖されていないリング状のエレメントから成っており、該エレメントが管の内壁に接触しており、ワイヤを貫通させるための少なくとも１つの孔と、連続したスリットとを有していることを特徴とする、管内にワイヤを位置決め及び固定するための装置。
2. 管が固体ばら荷によって満たされている、請求項１記載の装置。
3. 装置が、閉鎖されていないリング状に曲げられた長方形の形を有していて、該長方形の角隅が丸くなっているか又は斜めに面取りされている、請求項１記載の装置。
4. リング状に曲げられたエレメントが、管の延在方向に対して平行に延びるスリットを有している、請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。
5. ワイヤとして熱電対が使用され、管として管状のリアクタが使用される、請求項１記載の装置の使用。
6. ワイヤとして毛管が使用され、管として管状のリアクタが使用される、請求項１記載の装置の使用。
7. ワイヤが、管延在方向に対して垂直に管中心にまで孔を通して差し込まれている、請求項５記載の装置の使用。
8. 管状のリアクタが、固体ばら荷として触媒を有している、請求項５から７までのいずれか１項記載の装置の使用。

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