JP5348880B2 - 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置 - Google Patents

反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5348880B2
JP5348880B2 JP2007330851A JP2007330851A JP5348880B2 JP 5348880 B2 JP5348880 B2 JP 5348880B2 JP 2007330851 A JP2007330851 A JP 2007330851A JP 2007330851 A JP2007330851 A JP 2007330851A JP 5348880 B2 JP5348880 B2 JP 5348880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction tube
measuring instrument
fixing
reactor
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007330851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009148730A (ja
Inventor
友基 福井
宣生 百冨
正範 新田
俊裕 佐藤
大輔 富川
徹 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2007330851A priority Critical patent/JP5348880B2/ja
Publication of JP2009148730A publication Critical patent/JP2009148730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5348880B2 publication Critical patent/JP5348880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)

Description

本発明は、反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置に関する。
例えば、プロピレンからのアクロレインやアクリル酸、イソブチレンやtert−ブチルアルコールからのメタクロレインやメタクリル酸の工業的な製造では、固体酸化触媒の存在下に、原料を分子状酸素で気相接触酸化させる方法が広く利用されている。この気相接触酸化反応は、目的生成物が得られる反応と共に、反応温度が高すぎると逐次的に分解反応や酸化反応が生じてしまうおそれがある。また、気相接触酸化反応は発熱反応でもあり、目的生成物を高収率で得るには反応温度を厳密に制御する必要がある。
気相接触酸化反応は、通常、数百〜数万本の反応管を有する多管式反応器により行われる。そして、反応温度の制御は、温度計測器により反応管内の温度を測定しながら、反応管の外部に循環させる熱媒により反応管壁を通して反応熱が除熱されることにより行われる。この温度計測器は、反応管内の所定の位置に設置される。ただし、反応管内の温度を正確に測定するためには、反応管に挿入された温度計測器が反応管の内壁に接触しないようにしなければならない。
反応管の内壁に接触しないように温度計測器を固定する方法としては、反応管内に挿入した際、計測器から反応管の内径方向に反応管壁に向かって突出し、かつその長さが反応管の内径とほぼ同等又は若干短い触れ止め部材を設けた温度計測器を用いる方法がある(特許文献1)。
触れ止め部材を設けることにより、反応管の内壁に接触させることなく温度計測器を反応管内に固定できる。しかし、触れ止め部材を設けると、反応管に触媒を充填する際に触れ止め部材が障害となり、触媒が触れ止め部材の位置で詰まってしまうことがあった。
また、多管式反応器による反応では、反応管内の圧力損失を低くすることも重要であり、反応管内に圧力計測器が設けられることもあり、その場合にも同様の問題が生じることがある。
そのため、反応管内に挿入した各種計測器を、反応管の内壁に接触させずに、反応管の長さ方向の所定位置に位置させることができ、かつ反応管への触媒の充填が円滑に行えるような方策が望まれている。
特開2003−1094号公報
本発明は、反応器が有する反応管内に計測器を固定する際に、計測器を反応管の内壁に接触させずに、反応管の長さ方向の所定位置に位置させることができ、その状態で反応管への触媒の充填が円滑に行える反応器への触媒の充填方法、及び前記触媒の充填に利用できる計測器固定装置を提供する。
本発明の反応器への触媒の充填方法は、反応器が有する反応管内に計測器を固定し、触媒を充填する方法であって、2本の糸条が取り付けられた計測器を、一方の糸条の一部が反応管の一方の開口よりも外側にあり、他方の糸条の一部が反応管の他方の開口よりも外側にあるように、反応管内に挿入し、前記計測器が反応管の長さ方向の所定位置に位置するように、かつ反応管の内壁に接触しないように、2本の糸条を緊張させた状態で、反応管内に触媒を充填する方法である。
また、本発明の反応器への触媒の充填方法は、前記反応器が複数の反応管を有している多管式反応器であって、前記計測器を固定する反応管とは別の反応管に触媒を予め充填し、前記装置の一部を該別の反応管内の触媒に差し込んで固定するか、あるいは、前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の内壁に前記装置の一部を直接固定するか、あるいは前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の開口部における、前記複数の反応管を固定する管板よりも上に出ている部分に前記装置の一部を接続して固定することが好ましい。
本発明の計測器固定装置は、本発明の反応器への触媒の充填方法に用いる、前記反応器が有する反応管内に計測器を固定する計測器固定装置であって、前記計測器に取り付けられた2本の糸条のうち、一方の糸条の一部が反応管の一方の開口よりも外側にあるようにして、他方の糸条の一部を反応管の他方の開口よりも外側で、該糸条を緊張させた状態で固定する固定手段と、前記計測器が前記反応管の内壁に接触しないように、固定手段で固定された前記糸条の位置を決める位置決め手段とを有する。
また、前記反応器が複数の反応管を有している多管式反応器の反応管内に計測器を固定する装置であって、前記位置決め手段が、前記計測器を固定する反応管とは別の反応管に予め充填された触媒に前記位置決め手段の一部を挿入して固定するか、あるいは前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の内壁に前記位置決め手段の一部を直接固定するか、あるいは前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の開口部における、前記複数の反応管を固定する管板よりも上に出ている部分に前記位置決め手段の一部を接続して固定し、前記固定手段で固定された糸条の位置を決める手段であることが好ましい。
本発明の反応器への触媒の充填方法は、反応器が有する反応管内の長さ方向の所定位置に、反応管の内壁に接触させないようにして計測器を固定することができ、その状態で触媒を反応管内に円滑に充填できる。
また、本発明の計測器固定装置は、反応器が有する反応管内の長さ方向の所定位置に、反応管の内壁に接触させないように計測器を固定できる。
本発明の反応器への触媒の充填方法は、反応器が有する反応管内の所定位置に計測器を固定し、触媒を充填する方法である。
反応器は、反応管を有しているものであれば特に限定されない。例えば、プロピレンを気相接触酸化させてアクロレインやアクリル酸を得る反応や、イソブチレンやtert−ブチルアルコールを気相接触酸化させてメタクロレインやメタクリル酸を得る反応等に用いられる多管式反応器等が挙げられる。また、反応管を1本のみ有する反応管であってもよい。
このような多管式反応器としては、例えば、図1に示すような多管式反応器1が挙げられる。
多管式反応器1は、下側チャンネル2と、シェル3と、上側チャンネル4とを有する。
シェル3の内部には、管板5a、5bが設けられ、該管板5a、5bには長尺の反応管6が複数本固定される。
反応管6の本数は多管式反応器により異なるが、通常、数百〜数万本である。これらの複数の反応管6は、各反応管6の温度を正確に制御しやすい点から、図4に示すように、規則的に配列されることが好ましい。
反応管6の長さは、通常1〜10m程度である。反応管6の長さが1m以上であれば、反応管6の本数を少なくし、反応管6毎の触媒充填斑、活性斑、熱媒による除熱程度の斑が生じるのを防ぐことでき、目的生成物の製造効率が向上する。また、反応管6の長さが10m以下であれば、反応時の反応管内の圧力損失を小さくすることができ、反応ガスの供給動力を抑えることができ経済的である。また、反応管6の内径は、通常20〜30mm程度である。
また、図3に示すように、目開き1〜2mm程度の金網9aと、反応管6の開口6aに相当する位置に開口を有するパンチングプレート9bとが、ボルト9cにより管板5aに取り付けられる。そして、反応管6に触媒が充填されることにより触媒層7が形成される。
シェル3内部の反応管6の外側の部分には、熱媒が流される。熱媒は、図1に示すように、シェル3に設けられた下側熱媒ノズル3aからシェル3内部へと導かれ、上側熱媒ノズル3bから流出される。熱媒は、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、及び硝酸カリウムの混合物等が使用される。
下側チャンネル2には下側ノズル2aが設けられ、上側チャンネル4には上側ノズル4aが設けられる。反応ガスは下側ノズル2aから多管式反応器1内に供給され、下側チャンネル2内で各反応管6に分配され、予熱されて触媒層7内で反応する。この反応により生じる反応熱は、反応管6の外側に流されている熱媒によって反応管壁を通して取り除かれ、反応管6内が所定の温度に調節される。反応管6を通過してきた反応ガスは、上側チャンネル4に設けられた上側ノズル4aから次工程に送られる。
下側チャンネル2は、反応ガスを各反応管6へと分配する働きをし、上側チャンネル4は反応管6から出てくる反応ガスを収集する働きをする。多管式反応器1に流す反応ガスの向きを上下逆にする場合には、下側チャンネル2と上側チャンネル4の働きが逆になる。
気相接触酸化反応は、分解反応や酸化反応が逐次的に起きることを防ぐために、反応温度を厳密に制御する必要がある。そのため、温度計測器10により反応管6内の温度が測定される。温度計測器10は、工業的に使用できるものであればよく、通常、熱伝対または抵抗温度計が使用される。
温度計測器10の反応管6に固定した状態で触媒を充填する手法は、計測器固定装置を用いることにより容易に行うことができる。以下、本発明の計測器固定装置の実施形態の一例を図2に示し、詳細に説明する。
[計測器固定装置]
本発明の計測器固定装置20は、(1)温度計測器10に取り付けた糸条21の一部を、反応管6の開口6bよりも外側で、糸条21を緊張させた状態で固定する固定手段と、(2)温度計測器10が反応管6の内壁に接触しないように、糸条21の位置を決める位置決め手段とを有する。
計測器固定装置20は、図2に示すように、糸条21、22と、管状部材24と、固定部材25とを有している。ただし、本発明における糸条とは、糸状の細長い形態を有し、温度計測器に取り付けて緊張させることにより、反応管内において温度計測器を所望の位置に固定するものである。本発明の糸条の断面積は、反応管内部の断面積に対して1/5以下であり、断面形状は特に限定されない。
糸条21の材質としては、ステンレス、鉄、樹脂等を用いることができる。特に好ましい糸条21は、耐久性及び反応への影響等の点からステンレスワイヤーである。
温度計測器10への糸条21の取り付けは、特に限定されないが、例えば、溶接で固定することができる。
糸条22については、温度計測器10の導線部11を糸条22として用いることが好ましい。また、糸条21と同じものを新たに温度計測器10に取り付けて糸条22としてもよい。
温度計測器10に取り付けられた糸条22は、反応管6の開口6aよりも外側にある部分が多管式反応器1に固定される。糸条22が固定される場所は、糸条21と糸条22を緊張させて温度計測器10を所定位置に位置させることができる場所であればよい。例えば、糸条22の反応管6の開口6aよりも外側にある部分を、金網9a、パンチングプレート9bと共に管板5aに固定することが挙げられる。また、金網9aの開口6aの位置に相当する部分に糸条22の自由端が直接固定されていてもよく、開口6a側の反応管6内で固定されていてもよい。
また、温度計測器10の導線部11を糸条22として使用する場合には、図3に示すように、糸条22の反応管6の開口6aよりも外側にある部分が、金網9a、パンチングプレート9bと共にボルト9c等を用いて管板5aに固定され、さらに多管式反応器1の外側に導かれているのがよい。
温度計測器10を複数の反応管6に設置する場合は、それらの糸条22を束ねて一箇所に固定してもよく、温度計測器10の本数が多い場合には、ある程度まとめて複数箇所で固定してもよい。
計測器固定装置20には、図2に示すように、(1)の固定手段である固定部材25が、計測器固定装置本体23に設けられている。固定部材25は、温度計測器10に取り付けた糸条21の一部、好ましくは自由端21aを固定でき、糸条21を引っ張ることにより、糸条21、22を緊張した状態にできるものであればよい。
例えば、図2に示すように、計測器固定装置本体上部23aに下から上にボルト状の固定部材25を設置し、糸条21の自由端21aを固定し、該ボルト状の固定部材25を締めていくことにより糸条21を引っ張るようにすればよい。また、固定部材25の糸条21を固定する部分をフックにしてもよい。また、固定部材25は、糸条21の自由端21aを固定して、糸条21を巻き取ることのできる構造としてもよい。
固定部材25の材質としては、ステンレス、鉄等の金属、樹脂、木等が挙げられ、耐久性、強度、経済性の点から鉄製であるのが好ましい。
また、計測器固定装置本体23には、図2に示すように、管状部材24が設けられている。管状部材24は、本体24aの内部が空洞となっており、触媒を投入するための開口24bが設けられている。管状部材24の形状は、特に限定されず、例えば、反応管6の内径より大きな本体24aに、絞り部24cを設け、さらに絞り部24cから突出するように先端部24dが形成されている形状が挙げられる。先端部24dの径は反応管6の内径よりも小さく、開口6bから反応管6内に挿入できるようになっている。管状部材24の本体24aは、円筒形であっても角柱形であってもよく、限定はない。
管状部材24は、計測器固定装置本体23に完全に固定されていても、計測器固定装置本体23を固定した状態で鉛直方向または水平方向に移動させて位置を微調整できるようになっていてもよい。
また、計測器固定装置20は、(2)の位置決め手段も有する。計測器固定装置本体23の側部23b、23c(以下、側部23b、23cとする。)の先端部を、温度計測器10を設置する反応管6とは別の反応管6(図2では隣の反応管6)に挿入し、固定したときに、管状部材24の先端部24dと固定部材25とが温度計測器10を設置する反応管6の開口6bの位置に配置される。この状態で糸条21を管状部材24の内部を通過させて固定部材25に固定することにより、糸条21の位置決めができる。
前記側部23a、23cを挿入して固定する別の反応管とは、糸条21の位置決めができる範囲であればいずれの反応管6であってもよく、位置決めが容易で精度が高くなる点から、温度計測器10を設置する反応管6から数本以内に位置する反応管6であることが好ましい。
側部23b、23cの先端部は、反応管6の内壁に直接固定できるような構造であってもよく、側部23b、23cを挿入する反応管6に予め触媒を充填しておき、該触媒内に差し込むことにより固定できるような構造であってもよい。また、例えば、反応管6の開口部6bが管板5bより上に出ているような多管式反応管の場合等、そのような反応管の開口部の形状や管板の形状を利用して固定できるような側部23b、23cであってもよい(図5)。また、計測器固定装置の側部の本数は2本には限られず、1本であってもよく、3本以上であってもよい。例えば、図4に示すように、反応管6Aに温度計測器を固定する場合に、領域a、b、cの部分にある反応管6及び管板5bの形状を利用して装置を固定できる3本の側部を有し、それら3本の側部が正四面体状に設置されることにより固定部材が反応管6A上に配置されるような計測器固定装置であってもよい。
また、反応管が1本のみである反応器に対して温度計測器を固定して触媒の充填を行う場合等は、側部23b、23cを管板5b上に固定して糸条21の位置決めが行える計測器固定装置であってもよい。
[反応器への触媒の充填方法]
以下、本発明の、反応管6に温度計測器10を固定して触媒を充填する方法について説明するが、本発明の方法はこれに限定されない。尚、温度計測器10が、圧力計測器であっても、反応管6への固定及び触媒の充填は同様の方法で行うことができる。
本発明では、図2に示すように、温度計測器10に2本の糸条21、22を取り付け、糸条21の一部が反応管6の開口6bよりも外側にあり、糸条22の一部が反応管6の開口6aよりも外側にあるように、温度計測器10を反応管6内に挿入する。
これらの反応管6への挿入方法としては、糸条21、温度計測器10、糸条22が繋がった状態のものをこの順に、反応管6の開口6aの内径方向の中心部分に対応する、金網9aの部分から挿入していく方法が好ましい。
ついで、糸条21、22を緊張させた状態に保つことにより、温度計測器10を反応管6の長さ方向の所定位置に位置させる。糸条21及び22を緊張させた状態にする方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
糸条21の反応管6の開口6bよりも外側にある部分は、計測器固定用装置20の管状部材24内を通過させ、固定部材25に固定する。糸条21の計測器固定装置20への固定は、糸条21の自由端21aにて行うのが好ましい。また、管状部材24の先端部24dが温度計測器10を挿入した反応管6内に開口6bから挿入され、その上方に固定部材25が位置されるように、計測器固定用装置20の側部23b、23cの先端部を、温度計測器10を挿入した反応管6とは別の反応管6(図2では隣の反応管6)内に挿入して固定する。
また、糸条22を固定する方法は、糸条21と糸条22を緊張させて温度計測器10を所定位置に位置させることができれば特に限定されない。例えば、図3に示すように、糸条22の反応管6の開口6aよりも外側にある部分を、金網9a及びパンチングプレート9bと共にボルト9cにより管板5aに固定する方法が挙げられる。また、金網9aの開口6aの位置に相当する部分に糸条22の自由端を直接固定する方法であってもよく、開口6a側の反応管6内で固定する方法であってもよい。
温度計測器10の導線部11を糸条22として用いる場合には、糸条22である導線部11の、反応管6の開口6aよりも外側にある部分を、金網9a及びパンチングプレート9bと共にボルト9cにより管板5aに固定し、さらに計測器用ノズル2bから多管式反応器1の外側に導けばよい。
温度計測器10を複数の反応管6に固定して糸条22が複数本ある場合には、それらを束ねて一箇所に固定してもよく、数が多い場合にはある程度まとめたものを複数箇所に固定してもよい。
ついで、例えば、図2に示すような糸条21を固定したボルト状の固定部材25を、上方に締め上げることにより、糸条21を計測器固定装置20側へと引っ張る。糸条21を引っ張ることにより、糸条22がボルト9cによって固定されているために、糸条21及び糸条22が緊張した状態となる。そのため、糸条21及び糸条22の長さを調整することにより温度計測器10を反応管6内の所定位置に位置させることができる。また、糸条21及び糸条22を緊張させた状態で、温度計測器10を、反応管6の内壁に接触させないように位置させることができる。このとき、計測器固定装置20の管状部材先端部24d及び固定部材25を反応管6の内径方向の中心軸上に位置させることにより、温度計測器10が反応管6の内径方向の中心に位置されることが好ましい。
触媒の充填は、このように、糸条21、22を緊張させて温度計測器10を反応管6内に位置させた状態で、計測器固定装置20の管状部材24の開口24bから触媒を投入することにより行う。開口24bから投入された触媒は、管状部材24の先端部24dから反応管6に充填される。
反応管6内に充填する触媒は、1種であっても、2種以上であってもよい。
触媒としては、固体触媒が使用でき、例えば、モリブデン、ビスマスを含む複合酸化物等の固体酸化触媒等が挙げられる。また、触媒は、触媒以外に反応に関与しない不活性な粒子を含んでいても構わない。
糸条21、22を緊張させる操作は、温度計測器10を所定の位置に位置させることができる範囲内であれば、触媒をある程度充填させた後であってもかまわない。
計測器固定装置20は、触媒の充填後に、糸条21を切断することにより取り外すことができる。
温度計測器10は、少なくとも1つ以上の反応管6に設置すればよく、反応管6内の温度を高精度に調節する点から、図1のように、反応管6の長さ方向の位置がそれぞれ異なるように、複数の反応管6に温度計測器10を設置することが好ましい。また、例えば、2種以上の活性の異なる触媒を同一の反応管6内に2層に分けて充填する場合等、同一の反応管内に複数の温度計測器10を設けてもよい。
温度計測器10を複数設置する場合は、温度計測器10の、反応管6の長さ方向の設置間隔は0.1〜2mとするのが好ましい。
温度計測器10の設置間隔を2m以下とすれば、反応管内の正確な温度分布を測定することが容易になり、ホットスポット部の位置および温度を把握するのが容易になる。
また、多管式反応器では、反応管6内に設置した温度計測器10と同じ高さで、熱媒中に熱媒温度を測定する温度計測器を設けることが好ましい。そのため、温度計測器10の設置間隔を0.1m以下とすれば熱媒中の温度計測器の数も多くなり、装置コストが高くなるだけでなく、熱媒の流れを妨げてしまうおそれがある。
以上説明した、本発明の反応器への触媒の充填方法は、計測器を反応管内に固定する際、反応管の内壁に接触させることなく、反応管の長さ方向の所定の位置に固定できる。また、計測器には、触れ止め部材等の触媒の充填の障害になるものがないため、触媒の充填が円滑に行える。
また、本発明の計測器固定装置20を用いれば、このような多管式反応器に計測器を固定して触媒の充填する作業を容易に行うことができる。
尚、本発明の触媒の充填方法は、図2に例示した方法に限定されるものではない。
例えば、計測器固定装置20の固定方法は、計測器を固定する反応管6とは別の反応管6に挿入して固定する方法に限定されず、計測器を所定の位置に位置させることができる方法であれば、前記別の反応管6の開口部6bの形状や管板5bの形状を利用して固定できる側部を有する計測器固定装置を用いた別の固定方法であってもよい。
また、糸条21は、計測器固定装置20における管状部材24の先端部24dに取り付け、開口6b側の反応管6内で固定するようにしても構わない。
また、計測器固定装置20を、管板5a側に固定できるような構造とし、糸条22が反応管6の開口6bよりも外側にあるように温度計測器10を挿入し、糸条22の開口6bよりも外側の部分を管板5b上に固定する方法であってもよい。
また、計測器固定装置20も図2に示したものに限定されず、管状部材24及び固定部材25は、計測器を反応管内の所定位置に位置させることができるものであればよい。また、管状部材24及び固定部材25は、計測器固定装置本体23のいずれの部位に設置されていてもよく、例えば、管状部材24の上部に滑車を設け、固定部材25を側部23bに設置して、固定部材25が糸条21を水平方向に引っ張るような計測器固定装置20としてもよい。
一般に使用される多管式反応器1に温度計測器を固定した様子を示した側断面図である。 本発明の計測器固定装置の一実施形態例と、それを用いて反応管内に温度計測器を固定した様子を示した側断面図である。 図2の管板5a側を拡大した図である。 図1に示す多管式反応器1の、管板5b側から見た断面図である。 本発明の計測器固定装置の他の実施形態例と、それを用いて反応管内に温度計測器を固定した様子を示した側断面図である。
符号の説明
1 多管式反応器
6 反応管
10 温度計測器
20 計測器固定装置
21、22 糸条
21a 糸条の自由端
24 管状部材
25 固定部材

Claims (4)

  1. 反応器が有する反応管内に計測器を固定し、触媒を充填する方法であって、
    2本の糸条が取り付けられた計測器を、一方の糸条の一部が反応管の一方の開口よりも外側にあり、他方の糸条の一部が反応管の他方の開口よりも外側にあるように、反応管内に挿入し、
    前記計測器が反応管の長さ方向の所定位置に位置するように、かつ反応管の内壁に接触しないように、2本の糸条を緊張させた状態で、反応管内に触媒を充填する、反応器への触媒の充填方法。
  2. 前記反応器が複数の反応管を有している多管式反応器であって
    記計測器を固定する反応管とは別の反応管に触媒を予め充填し、前記装置の一部を該別の反応管内の触媒に差し込んで固定するか
    あるいは、前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の内壁に前記装置の一部を直接固定するか、
    あるいは、前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の開口部における、前記複数の反応管を固定する管板よりも上に出ている部分に前記装置の一部を接続して固定する、請求項1に記載の反応器への触媒の充填方法。
  3. 請求項1に記載の反応器への触媒の充填方法に用いる、前記反応器が有する反応管内に計測器を固定する計測器固定装置であって、
    前記計測器に取り付けられた2本の糸条のうち、一方の糸条の一部が反応管の一方の開口よりも外側にあるようにして、他方の糸条の一部を反応管の他方の開口よりも外側で、該糸条を緊張させた状態で固定する固定手段と、
    前記計測器が前記反応管の内壁に接触しないように、固定手段で固定された前記糸条の位置を決める位置決め手段とを有する計測器固定装置。
  4. 前記反応器が複数の反応管を有している多管式反応器の反応管内に計測器を固定する装置であって、
    前記位置決め手段が
    前記計測器を固定する反応管とは別の反応管に予め充填された触媒に前記位置決め手段の一部を挿入して固定するか
    あるいは前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の内壁に前記位置決め手段の一部を直接固定するか、
    あるいは前記計測器を固定する反応管とは別の反応管の開口部における、前記複数の反応管を固定する管板よりも上に出ている部分に前記位置決め手段の一部を接続して固定して、
    前記固定手段で固定された糸条の位置を決める手段である、請求項3に記載の計測器固定装置。
JP2007330851A 2007-12-21 2007-12-21 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置 Active JP5348880B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007330851A JP5348880B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007330851A JP5348880B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009148730A JP2009148730A (ja) 2009-07-09
JP5348880B2 true JP5348880B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=40918554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007330851A Active JP5348880B2 (ja) 2007-12-21 2007-12-21 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5348880B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5618800B2 (ja) * 2010-12-09 2014-11-05 株式会社日本触媒 固定床多管式反応器および該固定床多管式反応器を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法
CN114096871A (zh) * 2019-07-09 2022-02-25 株式会社日本触媒 距离测量装置和距离测量方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6312236Y2 (ja) * 1979-04-25 1988-04-08
KR100776914B1 (ko) * 2005-06-14 2007-11-15 주식회사 엘지화학 온도 측정 장치
KR100833057B1 (ko) * 2005-11-23 2008-05-27 주식회사 엘지화학 관형 고정층 촉매 반응기에서 온도를 측정하는 도구 및방법
JP4582039B2 (ja) * 2006-03-30 2010-11-17 住友化学株式会社 温度測定装置又はその保護管の設置方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009148730A (ja) 2009-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7588739B2 (en) Fixed bed multitube reactor
MY112478A (en) Catalytic gas-phase oxidation of acrolein to acrylic acid
KR100623638B1 (ko) 접촉 기상 산화반응용 반응기 및 상기 반응기에 의한 접촉 기상 산화방법
EP1951419B1 (en) Device and method for measuring temperature in a tubular fixed-bed reactor
US7253308B1 (en) Method for catalytic phase oxidation to (meth) acrolein and/or (meth) acrylic acid
MX220474B (en) Multi-tube fixed-bed reactor, especially for catalytic gas phase reactions
JP5161056B2 (ja) チューブ束反応器
JP4675998B2 (ja) 温度測定装置
JP5348880B2 (ja) 反応器への触媒の充填方法及び計測器固定装置
TW200639150A (en) Method of producing unsaturated fatty acid
JP4867129B2 (ja) (メタ)アクリル酸または(メタ)アクロレインの製造方法
JP4582039B2 (ja) 温度測定装置又はその保護管の設置方法
JP3463529B2 (ja) 気相接触酸化反応方法及び反応器
BRPI0418699A (pt) processo para a produção de ácido (met) acrìlico ou (met) acroleìna
JP6653621B2 (ja) 接触気相反応用触媒および該触媒を用いた反応方法
BR0308336A (pt) Processo para oxidação catalìtica em fase vapor
JP2005325043A (ja) (メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸の製造方法
JP2015217328A (ja) 触媒充填容器および触媒充填体およびそれを用いた反応方法
JP2010042339A (ja) プレート式反応器
US20060016068A1 (en) Device for positioning and fixing wires in tubes
JP2019166458A (ja) 縦型多管式反応器
WO2005110959A1 (ja) (メタ)アクリル酸または(メタ)アクロレインの製造方法
TH32152B (th) เครื่องปฏิกรณ์แบบท่อมัลติทูบูลาร์ชนิดฐานคงที่
JP2003267912A (ja) 気相接触酸化方法
TH71934A (th) เครื่องปฏิกรณ์แบบท่อมัลติทูบูลาร์ชนิดฐานคงที่

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130820

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5348880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250