JP2019166458A - 縦型多管式反応器 - Google Patents
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Abstract
Description
反応管を含む多管式反応管があり、該計測装置の補強手段については種々提案されている
。
本程度の振れ止め部材を取り付けることが記載されている。
測装置のゆがみが生じやすく、又、特に振れ止め部材がある箇所で粒状物のブリッジング
が生じ、粒状物の充填に、長時間を要する問題があった。とりわけ、オレフィンを酸素含
有ガスにより気相で接触酸化して、対応する不飽和アルデヒドを製造するための縦型多管
式反応器(以下「前段多管式反応器」と称する場合がある)、又は、不飽和アルデヒドを
酸素含有ガスにより気相で接触酸化して対応する不飽和カルボン酸を製造するための縦型
多管式反応器(以下「後段多管式反応器」と称する場合がある。)の場合には、反応によ
る発熱が著しく、温度調整が重要であるため、反応管径は小さく、しかも粒状物の大きさ
も該反応管径に近いため、前述した計測装置のゆがみ、粒状物のブリッジングの発生、充
填の長時間化は、懸念される問題であった。尚、本発明における粒状物とは、触媒、不活
性物質、又は触媒と不活性物質の混合物である。
た際、計測装置のゆがみもなく、粒状物のブロッキングを抑制し、短時間で粒状物を充填
することができ、安定して該計測装置により反応管の内温等を計測することができる縦型
多管式反応器を提供することを目的とする。
計測装置を設置してなる縦型多管式反応器であって、該計測装置は長手方向の複数箇所に
振れ止め部材を有し、一箇所にある振れ止め部材が一つであり、該振れ止め部材が該計測
装置より該反応管壁面方向に突き出た部材である縦型多管式反応器とすることにより、反
応管の上側から触媒を充填した際に生じるブリッジング等の不具合を起こすことなく、又
、計測装置のゆがみによる反応管壁への過度の接近が生じることなく、短時間で充填が可
能となることを見いだし、本発明に至った。
[1] 少なくとも1つの反応管内に計測装置を設置してなる縦型多管式反応器であって
、該計測装置は長手方向の複数箇所に振れ止め部材を有し、一箇所にある振れ止め部材が
一つであり、該振れ止め部材が該計測装置より該反応管壁面方向に突き出た部材である縦
型多管式反応器。
載の縦型多管式反応器。
[3] 前記振れ止め部材を具備する計測装置の真上から見た場合、該計測装置を中心と
して、前記振れ止め部材と、該振れ止め部材がある箇所より下方3m以内に存在する振れ
止め部材とが形成する、間に振れ止め部材が存在しない最も広い角度が180°以下であ
る[1]又は[2]に記載の縦型多管式反応器。
れかに記載の多管式反応器。
[5] 前記縦型多管式反応器が不飽和カルボン酸製造用である[1]乃至[3]のいず
れかに記載の多管式反応器。
[6] 前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の縦型多管式反応器に粒状物を充填する
粒状物充填方法。
の中央に保持されたままであり、粒状物ブリッジングが抑制され、かつ、短時間で粒状物
を充填することができ、その後、粒状物が充填された縦型多管式反応器を用いて反応を実
施しても異常反応や差圧上昇等を引き起こす可能性を抑制することができる。
の両端部が管板に千鳥状に取り付けられた構造を有する縦型多管式反応器であることが好
ましい。又、該複数の反応管は管状胴体に収納されていることが好ましく、該管板は該管
状胴体の上端側、下端側それぞれに配置されていることが好ましい。該管状胴体には熱媒
体を通液することにより、反応温度を制御することが可能となる。更に、各反応管の管形
状は反応管内の粒状物の充填密度が不均一となったり反応ガスの偏流の発生を避けるため
、円柱状であることが好ましい。
測装置を設置している反応管の本数は全反応管の本数に対して0.01%以上0.3%以
下であることが好ましく、0.02%以上0.2%以下であることがより好ましい。計測
装置を設置している反応管の本数が前記範囲内であることにより縦型多管式反応器の温度
分布を推測することができ、適切な反応制御が可能となる。該計測装置として温度計装置
を用いた実施形態を中心に以下説明するが、これは圧力計装置についても温度計装置と同
様の効果が得られるため重複した説明を避けるべく省略するものである。
装置の長さは反応管の長さに相当することが好ましい。該温度計測装置の形状は該反応管
と同様に円柱状であることが好ましく、又、反応管内の反応を阻害しないように径が小さ
い方が好ましい。ただし、該温度計測装置の径を小さくすれば、粒状物の充填時等で発生
する外力に対してゆがみが生じる可能性が高まる。本発明の縦型多管式反応器における、
温度計測装置は長手方向の複数箇所に振れ止め部材を有し、一箇所にある振れ止め部材が
一つであり、該振れ止め部材は該温度計測装置より該反応管壁面方向に突き出た部材であ
る。該振れ止め部材を有することにより、反応管に粒状物の充填を行った際に温度計測装
置のゆがみを抑制することが可能となり、又、充填された粒状物が振れ止め部材で滞り、
ブリッジングの起点となる場合も抑えられ、充填時間を短縮が可能性となる。
、突き出す方向が水平方向であることが好ましい。前記反応管の中心に温度計測装置が位
置するように挿入し、該振れ止め部材を具備する温度計測装置を真上から見た場合、該振
れ止め部材の先端と反応管壁面との間隔が3mm以下であることが、温度計測装置のゆが
みの抑制、充填された粒状物のブリッジングの抑制の観点から好ましい。
がある箇所間の間隔は1.5m以下が好ましく、1.1m以下がより好ましく、0.9m
以下がさらに好ましい。下限は0.5mであることが好ましい。前記範囲であることによ
り、反応管に粒状物の充填を行った際に温度計測装置のゆがみを抑制することが可能とな
り、又、充填された粒状物が振れ止め部材で滞り、ブリッジングの起点となる場合も抑え
られ、充填時間を短縮が可能性となる。
として、前記振れ止め部材と、該振れ止め部材がある箇所より下方3m以内に存在する振
れ止め部材とが形成する、間に振れ止め部材が存在しない最も広い角度が180°以下で
ある好ましく、130°以下がより好ましく、100°以下がさらに好ましい。下限は6
0°であることが好ましい。前記範囲であることにより、反応管に粒状物の充填を行った
際に温度計測装置のゆがみを抑制することが可能となり、又、充填された粒状物が振れ止
め部材で滞り、ブリッジングの起点となる場合も抑えられ、充填時間を短縮が可能性とな
る。
尚、該「最も広い角度」とは、図1で示す通り、各振れ止め部材先端の中央部と温度計
測装置中心とを結ぶ直線を描き、間に線を含まず成す角度のうち最も広い角度のことであ
る。
いが、気相反応であることが好ましい。とりわけ、該縦型多管式反応器は不飽和アルデヒ
ド製造用であることが好ましく、アクロレイン製造用であることがより好ましい。又、該
縦型多管式反応器は不飽和カルボン酸製造用であることが好ましく、アクリル酸製造用で
あることがより好ましい。不飽和アルデヒド製造用縦型多管式反応器とは、プロピレン等
のオレフィン又はターシャリーブタノールを酸素含有ガスと気相接触酸化させてアクロレ
イン等の対応する不飽和アルデヒドとするための縦型多管式反応器である。又、不飽和カ
ルボン酸製造用縦型多管式反応器とは不飽和アルデヒドを酸素含有ガスと気相接触酸化さ
せてアクリル酸等の対応する不飽和カルボン酸とするための縦型多管式反応器である。前
記気相接触酸化は発熱反応であり、温度計測装置のゆがみや粒状物のブリッジング等によ
り異常反応の検知ができない状態を極力避ける必要があるため、本発明を適用することが
有用である。なお、前記不飽和アルデヒド製造用又は不飽和カルボン酸製造用あて型多管
式反応器の場合、工業的規模においては反応管の本数は5,000本以上50,000本
以下が好ましく、管の長さは3m以上10m以下が好ましく、管径は15mm以上50m
m以下が好ましい。
限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
熱電対を鞘管に挿入した温度計測装置を設置してなる反応管10本を含む反応管27,
000本からなる、アクロレイン製造用縦型多管式反応管に粒状物を充填した。
尚、該縦型多管式反応管の各反応管は内径2.7cmの円筒状であり管の長さは4mで
あった。該温度計測装置は直径6mm、長さ4mの円柱状であった。該温度計測装置には
振れ止め部材として、ステンレス製針金が具備されており、該振れ止め部材は該温度計測
装置の軸方向に対して直角に該温度計測装置を起点として9mm突き出た構造とし、又、
該温度計測装置の長手方向0.8m間隔に一つずつ振れ止め部材を5本具備した。尚、振
れ止め部材を具備した温度計測装置を反応管に挿入した場合、振れ止め部材の方向は、隣
接する上側の振れ止め部材の方向に対して時計回りで90°進んだ方向とした。
該振れ止め部材から下方3m以内に存在する振れ止め部材は3本あり、熱電対鞘管の真上
から見てそれらの振れ止め部材同士が形成する、間に振れ止め部材が存在しない最も広い
角度は90°であった。
前記充填する粒状物とは触媒(直径5mm、穴径2mm、高さ3mmのリング状)と直
径約5mmのイナートボールとの混合物であった。
て充填完了するのにかかった時間は充分に短い約20分間であり、該縦型多管式反応器全
体の反応管への充填作業は21日間であった。
その後、粒状物が充填された縦型多管式反応器を用いてプロピレンのアクロレインへの
酸化反応を実施しても、異常反応や差圧上昇等を引き起こすことなく順調に推移し、反応
評価中の温度計測状況は良好で、反応の結果生ずる発熱による触媒層の温度上昇をよく反
映しており、温度計測装置がゆがむことなく反応管内の中央に保持されていることが示唆
された。
振れ止め部材を温度計測装置の長手方向0.8m間隔に三つずつ、振れ止め部材を具備
した温度計測装置を真上から見た場合、隣接する振れ止め部材間の角度が120°となる
ように具備した以外は実施例1と同様に縦型多管式反応器を調製した。
粒状物の充填においては、触媒やイナートボールのブリッジングによる閉塞が頻発し、
閉塞箇所より下方には充填されない状態となった。充填作業続行のため、太さ1mm、長
さ4m以上の針金により閉塞箇所を刺激することにより、ブリッジングを解消しながら充
填した。その結果、温度計測装置を設置してなる反応管の充填時間は1本につき約2時間
超であり、縦型多管式反応管全体の反応管への充填作業は25日間を要した。
その後、粒状物が充填された縦型多管式反応器を用いてプロピレンのアクロレインへの
酸化反応を実施したところ、反応器内で異常反応が頻発してそのたびに反応器を緊急停止
せざるを得ず、反応評価中の温度計測状況が不良で、反応の結果生ずる発熱による触媒層
の温度上昇を監視できていないことが示唆された。
2 振れ止め部材
3 反応管
4 計測装置を中心として振れ止め部材と振れ止め部材とが形成する角度
Claims (6)
- 少なくとも1つの反応管内に計測装置を設置してなる多管式反応器であって、
該計測装置は長手方向の複数箇所に振れ止め部材を有し、一箇所にある振れ止め部材が
一つであり、該振れ止め部材が該計測装置より該反応管壁面方向に突き出た部材である縦
型多管式反応器。 - 隣接する前記振れ止め部材がある箇所間の間隔が1.5m以下である請求項1に記載の
縦型多管式反応器。 - 前記振れ止め部材を具備する計測装置の真上から見た場合、
該計測装置を中心として、前記振れ止め部材と、該振れ止め部材がある箇所より下方3
m以内に存在する振れ止め部材とが形成する、間に振れ止め部材が存在しない最も広い角
度が180°以下である請求項1又は2に記載の縦型多管式反応器。 - 前記縦型多管式反応器が不飽和アルデヒド製造用である請求項1乃至3のいずれか1項
に記載の縦型多管式反応器。 - 前記縦型多管式反応器が不飽和カルボン酸製造用である請求項1乃至3のいずれか1項
に記載の縦型多管式反応器。 - 前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の縦型多管式反応器に粒状物を充填する粒状
物充填方法。
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