1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕半導体記憶装置は、抵抗の変化を利用して情報を記憶する素子(RM)と選択トランジスタ(QM)との直列回路を含む複数のメモリセル(MC)を有し、前記選択トランジスタの選択端子はワード線(WL)に接続され、前記直列回路はビット線(BL)に接続される。前記メモリセルから前記ビット線に読み出された読出し信号はセンスアンプ(SA)で増幅される。半導体記憶装置は、さらに、前記センスアンプの出力を保持する読出しデータラッチ(LATR)と、前記読出しデータラッチのラッチタイミングを、読出し動作とベリファイ動作とに応じて相違させるラッチ制御回路(LATRC)と、を備える。このように、センスアンプの出力に対するラッチタイミングを読出し動作とベリファイ動作に応じて相違させることにより、その動作に即してメモリセルの記憶情報若しくは抵抗値を判別することができる。判別に当たり、基準レベルとの比較動作を要せず、複数の基準レベルの生成も必要ない。
〔2〕前記センスアンプは入出力共にシングルエンドで構成される。基準レベルとの比較動作を必要としないからである。差動入力形式を採用するに及ばず、センスアンプを簡素化することができる。
〔3〕前記センスアンプにインバータを採用すればその構成は極めて簡単になり、チップ占有面積の縮小に資することができる。
〔4〕上記1項において、前記ラッチ制御回路は、例えばタイミング信号(RS)を入力として前記タイミング信号を第1の時間遅延させ第1の信号(NDLY1)を出力する第1の遅延回路(DLY1)と、前記第1の信号を入力として前記第1の信号を第2の時間遅延させ第2の信号(NDLY2)を出力する第2の遅延回路(DLY2)と、前記第1の信号と第2の信号のうちの1つを選択する選択回路(MUXS)とを有する。このとき、前記選択回路は読出し動作時に前記第1の信号を選択して出力し、ベリファイ動作時に前記第2の信号を選択して出力する。センスアンプの出力に対するラッチタイミングを遅延させることにより、高抵抗値側の情報記憶におけるベリファイ動作では読出し動作の場合よりも厳しい条件で読み出しデータに対する記憶情報の判定を行うことが可能になる。
〔5〕上記4項において、前記第1の信号は、第1状態(低抵抗のセット状態)の内の最も高い抵抗値(Rsmax)を有するメモリセルと第2状態(高抵抗のリセット状態)の内の最も低い抵抗値(Rrmin)を有するメモリセルとの状態を同等のレベルマージンをもって前記センスアンプで判定可能になるタイミングでラッチ動作を指示する。これにより安定した読出し動作を実現することができる。前記第2の信号は、第2状態にプログラムされるメモリセルの抵抗値が第2状態の内の最も低い抵抗値以上であることを第2状態と判定可能になるタイミングでラッチ動作を指示する。これにより、第2状態に対するベリファイ動作の信頼性が向上する。
〔6〕上記1項において、前記ラッチ制御回路は、前記読出しデータラッチ回路に対するラッチタイミングが最も早い第1のラッチ制御信号(SLE1)、次に早い第2のラッチ制御信号(SLE2)、及び最も遅い第3のラッチ制御信号(SLE3)を生成する。読み出し動作では前記第2のラッチ制御信号を用いて前記データラッチのラッチタイミングを制御し、ベリファイ動作では前記第1のラッチ制御信号又は第3のラッチ制御信号を用いて前記データラッチのラッチタイミングを制御する。センスアンプの出力に対するラッチタイミングを早くすることにより、低抵抗値側の情報記憶におけるベリファイ動作では読出し動作の場合よりも厳しい条件で読み出しデータに対する記憶情報の判定を行うことが可能になる。また、センスアンプの出力に対するラッチタイミングを遅延させることにより、高抵抗値側の情報記憶におけるベリファイ動作では読出し動作の場合よりも厳しい条件で読み出しデータに対する記憶情報の判定を行うことが可能になる。
〔7〕上記6項において、前記ラッチ制御回路は、タイミング信号(RS)を入力として前記タイミング信号を第1の時間遅延させ第1のラッチ制御信号を出力する第1の遅延回路(DLY91)と、前記第1のラッチ制御信号を入力として前記第1のラッチ制御信号を第2の時間遅延させ第2のラッチ制御信号を出力する第2の遅延回路(DLY92)と、前記第2のラッチ制御信号を入力として前記第2のラッチ制御信号を第3の時間遅延させ第3のラッチ制御信号を出力する第3の遅延回路(DLY93)と、前記第1乃至第3のラッチ制御信号のうちの1つを選択する選択回路(DLYSEL)とを有する。前記選択回路は、読出し動作時に前記第2のラッチ制御信号を選択して出力し、ベリファイ動作時に前記第1のラッチ制御信号又は第3のラッチ制御信号を選択して出力する。を有する。
〔8〕上記7項において、前記第1のラッチ制御信号は、第1状態にプログラムされるメモリセの抵抗値が第1状態の内の最も高い抵抗値(Rsmax)以下であることを第1状態と判定可能になるタイミングでラッチ動作を指示する。これにより、第1状態に対するベリファイ動作の信頼性が向上する。前記第2のラッチ制御信号は、第1状態の内の最も高い抵抗値(Rsmax)を有するメモリセルと第2状態の内の最も低い抵抗値(Rrmin)を有するメモリセルとの状態を同等のレベルマージンをもって前記センスアンプで判定可能になるタイミングでラッチ動作を指示する。これにより安定した読出し動作を実現することができる。前記第3のラッチ制御信号は、第2状態にプログラムされるメモリセの抵抗値が第2状態の内の最も低い抵抗値(Rrmin)以上であることを第2状態と判定可能になるタイミングでラッチ動作を指示する。これにより、第2状態に対するベリファイ動作の信頼性が向上する。
〔9〕前記記憶素子は例えばカルコゲナイド材料を含む。
〔10〕上記1項においてラッチ制御回路は、前記メモリセルに接続されたビット線(BL0〜BL7)を模擬するリファレンス信号線(BLR0〜BLR7)と、前記リファレンス信号線に接続され異なる抵抗値を持つことができる複数のリファレンスセル(REFC0、REFCR)と、選択されたリファレンスセルによって前記リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅するリファレンス・センスアンプ(SAR)と、を有し、前記リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。読出し動作とベリファイ動作とに応じて抵抗値の異なるリファレンスセルを選択するようになっている。電源電圧や温度の影響を受けてメモリセルの相互コンダクタンスやセンスアンプの論理しきい値が変化しても、ラッチタイミングの生成に用いるリファレンスセル及びリファレンス・センスアンプも同様に変化することが期待でき、電源電圧や温度の影響による変動を補償することが可能になる。したがって、上記4項の場合よりも精度良くラッチタイミングを生成可能になる。
〔11〕上記10項において、前記リファレンスセルは、抵抗の変化を利用して情報を記憶するリファレンス用記憶素子(RM0,RMR)と選択トランジスタ(QM0,QMR)との直列回路を含み、前記直列回路は前記リファレンス信号線に接続される。メモリセルにおける記憶素子の温度特性を補償することが容易である。
〔12〕上記11項において、前記リファレンス信号線に接続されたリファレンス書換え回路(RRGMR)を更に有する。前記リファレンス書換え回路は、書込みデータに従って前記リファレンス用記憶素子に抵抗値を設定するためのパルス電圧の印加制御を行う。
〔13〕上記11項において、前記複数のリファレンスセル用記憶素子は抵抗値が互いに異なる。
〔14〕上記10項において、前記リファレンスセルは、第1トランジスタ(QM0、QMR)と第2トランジスタ(QM0R,QMRR)との直列回路とを有する。前記複数のリファレンスセルのうち対応するリファレンスセルの前記第2トランジスタのゲート電圧を制御する複数のゲート制御回路(VBGEN0,VBGENR)を更に有する。前記直列回路は前記リファレンス信号線に接続される。前記複数のゲート制御回路は複数のリファレンスセルの前記第2のトランジスタに互いに相違するゲート電圧を供給する。読出し動作及びベリファイ動作を何回繰り返しても、リファレンス用記憶素子を用いる場合に比べて、所謂ソフトライトによる不所望な抵抗値変化を生ずる虞はない。
〔15〕上記項1において前記ラッチ制御回路は、第1ラッチ制御ユニット(RWR1)、第2ラッチ制御ユニット(RWR2)及び第3ラッチ制御ユニット(RWR3)を有する。前記第1ラッチ制御ユニットは、前記メモリセルに接続されたビット線を模擬する第1リファレンス信号線(BLR10〜BLR17)と、前記第1リファレンス信号線に接続され第1の抵抗値を持つことができる第1リファレンスセル(REFC1)と、選択された第1リファレンスセルによって前記第1リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅する第1リファレンス・センスアンプ(SAR1)とを有する。前記第1リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。前記第2ラッチ制御ユニットは、前記メモリセルに接続されたビット線を模擬する第2リファレンス信号線と、前記第2リファレンス信号線に接続され第2の抵抗値を持つことができる第2リファレンスセルと、選択された第2リファレンスセルによって前記第2リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅する第2リファレンス・センスアンプと、を有する。前記第2リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。前記第3ラッチ制御ユニットは、前記メモリセルに接続されたビット線を模擬する第3リファレンス信号線と、前記第3リファレンス信号線に接続され第3の抵抗値を持つことができる第3リファレンスセルと、選択された第3リファレンスセルによって前記第3リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅する第3リファレンス・センスアンプと、を有する。前記第3リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。第1乃至第3の抵抗値は相互に異なる。前記第2ラッチ制御ユニットは読出し動作においてラッチタイミングを生成する。前記第1ラッチ制御ユニットは第1状態にプログラムされるメモリセルのベリファイ動作においてラッチタイミングを生成する。前記第3ラッチ制御ユニットは第2状態にプログラムされるメモリセルのベリファイ動作においてラッチタイミングを生成する。夫々のラッチタイミングを生成するラッチ制御ユニットをラッチタイミング毎に個別化するから、上記4項の場合よりも精度良くラッチタイミングを生成可能になる。
〔16〕上記項15において、前記第1乃至第3リファレンスセルは、抵抗の変化を利用して情報を記憶するリファレンス用記憶素子(RM1)と選択トランジスタ(QM1)との直列回路を含み、前記第1乃至第3リファレンス信号線の内の対応するリファレンス信号線に結合される。
〔17〕上記項16において、前記第1乃至第3リファレンス信号線に夫々接続されたリファレンス書換え回路(RRGMR1)を更に有する。前記リファレンス書換え回路は、書込みデータに従って前記リファレンス用記憶素子に抵抗値を設定するためのパルス電圧の印加制御を行う。
〔18〕上記項17において、前記第1乃至第3リファレンスセルのリファレンスセル用記憶素子は抵抗値が互いに異なる。
〔19〕上記項15において、前記第1乃至第3リファレンスセルの夫々は、第1トランジスタと第2トランジスタとの直列回路とを有する。前記複数のリファレンスセルのうち対応するリファレンスセルの前記第2トランジスタのゲート電圧を制御する複数のゲート制御回路を更に有する。前記直列回路は前記第1乃至第3リファレンス信号線の内の対応するリファレンス信号線に結合される。前記複数のゲート制御回路は前記第1乃至第3リファレンスセルの前記夫々の第2のトランジスタに互いに相違するゲート電圧を供給する。
〔20〕上記項1において前記ラッチ制御回路は、第1ラッチ制御ユニット(RWR1)及び第2ラッチ制御ユニット(RWR3)を有する。前記第1ラッチ制御ユニットは、前記メモリセルに接続されたビット線を模擬する第1リファレンス信号線(BLR10〜BLR17)と、前記第1リファレンス信号線に接続され第1の抵抗値を持つことができる第1リファレンスセル(REFC1)と、選択された第1リファレンスセルによって前記第1リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅する第1リファレンス・センスアンプとを有する。前記第1リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。前記第2ラッチ制御ユニットは、前記メモリセルに接続されたビット線を模擬する第2リファレンス信号線と、前記第2リファレンス信号線に接続され第2の抵抗値を持つことができる第2リファレンスセルと、選択された第2リファレンスセルによって前記第2リファレンス信号線に現れるリファレンス信号を増幅する第2リファレンス・センスアンプとを有する。前記第2リファレンス・センスアンプの出力によって前記読出しデータラッチのラッチタイミングを生成する。第1及び第2の抵抗値は相互に異なる。第1状態にプログラムされるメモリセルのベリファイ動作において前記第1ラッチ制御ユニットがラッチタイミングを生成する。第2状態にプログラムされるメモリセルのベリファイ動作において前記第2ラッチ制御ユニットがラッチタイミングを生成する。読出し動作において前記第1リファレンス信号線と前記第2リファレンス信号線が短絡され、前記第1ラッチ制御ユニットおよび第2ラッチ制御ユニットがラッチタイミングの生成動作を行い、生成された何れかのデータラッチタイミングが前記読出しデータラッチに与えられる。上記項15に比べてラッチ制御回路の回路規模を縮小することができる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施例の各ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、典型的には公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の半導体集積回路技術によって、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上に形成される。さらに、相変化を示すカルコゲナイド材料等が集積回路の作成技術にハイブリッドして作成される。回路図に示されるpチャンネル型MOSトランジスタ(PMOSトランジスタ)にはバックゲート(基体ゲート)に矢印を付することによってnチャンネル型MOSトランジスタ(NMOSトランジスタ)と区別している。
(実施の形態1)
本実施の形態1における半導体記憶装置、即ち、相変化メモリは、メモリセルの記憶情報とベリファイ動作と呼ばれる抵抗値の判別を低電力かつ小面積で実現するものである。図1は、本実施の形態1における読出し動作とベリファイ動作に用いられるセンス回路の要部ブロック図を示している。本センス回路の特徴は、次の二つにある。第一の特徴は、低電力化と小面積化を両立するために、インバータを用いたシングルエンド型センスアンプを導入した点にある。本センスアンプは、プリチャージされたビット線に記憶情報に応じて発生される読出し信号電圧を、インバータの論理しきい値VTHLを基準にして判別する。第二の特徴は、リセット抵抗(高抵抗状態の抵抗)をリセット抵抗の最小値Rrmin以上とするために、読出し動作とベリファイ動作とで、シングルエンド型センスアンプの出力信号をラッチするタイミングを変える点にある。通常の読出し動作では、メモリセルの抵抗値が目標とするRrmin未満であっても、読出し電圧がインバータの論理しきい値VTHL以上であれば、リセット状態(高抵抗状態)と判定される。一方、ベリファイ動作では、安定した読出し動作を行えるようにセット抵抗(低抵抗状態の抵抗)の最大値Rsmaxとリセット抵抗の最小値Rrminの差を大きくするために、メモリセルの抵抗値がRrminを超えて初めてリセット状態と判別するような動作が求められる。そこで、読出しデータラッチ制御回路LATRCを用いて、ベリファイ動作時におけるラッチタイミングを、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定することにした。以下、その構成と動作の詳細を図に従って説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による相変化メモリの要部ブロックの構成例を示している。即ち、当該相変化メモリは、アレイ制御回路ACTL、メモリセル・アレイMCA、マルチプレクサMUX、読出し回路RC、書換え回路PRGM、ワードドライバ列WDA、入出力ゲートIOG、読出しデータラッチ制御回路LATRCにより構成される。
アレイ制御回路ACTLは、書換え起動信号WEBを元に、ワードドライバ列WDA、読出し回路RC、読出しデータラッチ制御回路LATRCを制御する信号を発生する回路である。ワードドライバ列WDAに出力される信号WDE、読出し回路RCに出力される信号PCSB、DISS、CLP、DISC、読出しデータラッチ制御回路LATRCに出力される信号RSについては、該当する回路ブロック構成の説明と一緒に後述する。
メモリセル・アレイMCAは、簡略化しており、ワード線WLとビット線BLに接続する一つのメモリセルMCを示している。メモリセルMCは、直列接続された記憶素子RMと選択トランジスタQMが、ビット線と接地電圧VSS給電線との間に接続された構成である。マルチプレクサMUXは、選択されたビット線を後述する読出し回路RCおよび書換え回路PRGMに接続する回路である。ワードドライバ列WDAは、選択されたワード線を駆動する複数のワードドライバから構成されるが、一つのワードドライバWDを簡略化して示している。ワードドライバは、ワードドライバ制御信号WDEが接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されることにより活性化され、選択されたワード線を駆動する。
入出力ゲートIOGは、読出し動作時において、読出しデータ線RDTと入出力線IOを接続し、読出し回路RCによって読み出されたメモリセルの記憶情報を入出力線IOに出力するための回路である。また、書換え動作時において、書換えデータ線WDTと入出力線IOを接続し、メモリセルに書込む情報を入出力線IOより書換え回路PRGMに入力するための回路である。さらに、待機時において、入出力線IOを電源電圧VDDに保持するための回路である。図1では、読出しデータ線RDTと書換えデータ線WDTの対を読み書きデータ線対DTPと示している。
書換え回路PRGMは、メモリセルに書込む情報とベリファイ動作結果に応じて、メモリセルに書換えパルスを印加する回路である。書換え回路PRGMは、メモリセルに書込む情報を保持する書換えデータラッチLATW,読出しデータ線RDTの信号と書換えデータラッチの出力信号を比較する比較回路CMP、比較回路CMPの出力信号である比較信号EORを元にリセット・セット回路RSCを制御する書換え制御論理回路PCLG、選択メモリセルにリセットパルス、セットパルスを印加するリセット・セット回路RSCより構成される。読出し回路RCは、メモリセルの記憶情報とリセット状態とされるメモリセルの抵抗値を判別する回路である。読出し回路RCは、共通データ線CDの電圧レベルを制御する共通データ線制御回路CDC、センスノードSNの電圧レベルを制御するセンスノード制御回路SNC、センスアンプSA、読出しデータラッチLATRより構成される。
図7は、共通データ線制御回路CDCと、センスノード制御回路SNCの構成例を示す図である。共通データ線制御回路CDCは、センスノードSNと共通データ線CDとの間に接続されたNMOSトランジスタMN34と共通データ線CDと接地電圧VSS給電線との間に接続されたNMOSトランジスタMN35より構成される。NMOSトランジスタMN34のゲート電極にはクランプ信号CLPが接続され、NMOSトランジスタMN35のゲート電極にはディスチャージ信号DISCが接続される。
共通データ線制御回路CDCは、以下のように動作する。まず、待機時においては、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動することにより、NMOSトランジスタMN34を非導通状態にする。また、ディスチャージ信号DISCを電源電圧VDDに駆動することにより、MOSトランジスタ35を導通状態にする。このような動作によって、共通データ線CDは接地電圧VSSに保持される。
次に、読出し動作時とベリファイ動作時においては、ディスチャージ信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、NMOSトランジスタMN35を非導通状態にする。また、クランプ信号CLPを活性化することにより、NMOSトランジスタMN34を導通状態とする。以上の制御により、後述のセンスノード制御回路SNCによって、共通データ線CDとマルチプレクサによって選択されたビット線のプリチャージが行なわれる。ここで、センスノードSNのプリチャージ電圧は、電源電圧VDDである。プリチャージが完了してからワード線が活性化されるまでの間、センスアンプSAの入力を電源電圧VDDに保持できるので、センスアンプSAに流れる貫通電流を抑制することができる。一方、ビット線のプリチャージ電圧は、クランプ電圧VCLPのクランプ信号CLPで制御されたNMOSトランジスタMN34によって、電源電圧VDDよりも低い読出し電圧VRに抑制される。読出し電圧VRは、メモリセルの記憶情報が破壊されない程度の電圧である。このような読出し電圧VRを発生することができるように、クランプ電圧VCLPは、図示していない降圧回路により生成される。
最後に、書換え動作時においては、クランプ信号CLPとディスチャージ信号DISCをともに接地電圧VSSに駆動し、NMOSトランジスタMN34とMN35をともに非導通状態にする。
センスノード制御回路SNCは、センスノードSNと電源電圧VDD給電線との間に接続されたPMOSトランジスタMP32と、センスノードSNと接地電圧VSS給電線との間に接続されたNMOSトランジスタMN33より構成される。PMOSトランジスタMP32のゲート電極にはプリチャージ制御信号PCSBが接続され、NMOSトランジスタMN33のゲート電極にはディスチャージ信号DISSが接続される。
センスノード制御回路SNCは、以下のように動作する。まず、待機時においては、プリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動することにより、PMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。また、ディスチャージ信号DISSを電源電圧VDDに駆動し、NMOSトランジスタ33を導通状態にする。以上の制御により、センスノードSNが接地電圧VSSに保持される。書換え動作時も、待機状態と同じ制御が行われる。
次に、読出し動作時とベリファイ動作時においては、プリチャージ制御信号PCSBとディスチャージ信号DISSをともに接地電圧VSSに駆動することにより、PMOSトランジスタMP32を導通状態、NMOSトランジスタMN33を非導通状態に夫々する。このような制御により、センスノードSNが電源電圧VDDにプリチャージされる。また、共通データ線制御回路CDC内のトランジスタMN34は、前述したようにクランプ電圧VCLPによって導通状態に制御されているので、共通データ線CD、選択ビット線は、電源電圧VDDよりも低い読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが完了した後、プリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動して、トランジスタMP32を非導通状態にする。続いて、選択メモリセルによってセンスノードSNを駆動することにより、メモリセルの読出し信号がセンスアンプSAに入力される。
センスアンプSAはインバータより構成される。入力はセンスノードSNに接続され、その出力はセンスアンプ出力線SOに接続される。ここで、インバータの論理しきい値はVTHLに設定される。読出し動作時とベリファイ動作時において、選択メモリセルの読出し信号の電圧レベルが、論理しきい値VTHLよりも高いか低いかにより、メモリセルの記憶情報あるいは抵抗値の判別が行なわれる。
読出しデータラッチLATRは、入力端子CKに入力される読出しデータラッチ制御信号SLEにより制御され、入力端子Dに入力されるセンスアンプ出力線SOの信号を保持し、その信号を出力端子Qより読出しデータ線RDTに出力する。読出しデータラッチ制御信号SLEを接地電圧VSSに駆動することにより、センスアンプ出力線SOの信号が読出しデータラッチLATRに取り込まれ、読出しデータ線RDTの出力が確定される。その後、読出しデータラッチ制御信号SLEを電源電圧VDDに駆動することにより、読出しデータ線RDTの出力が保持される。
読出しデータラッチ制御回路LATRCは、読出しデータラッチ制御信号SLEを発生する回路である。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、遅延回路DLY1、DLY2,選択回路MUXSより構成される。遅延回路DLY1は、例えば、図8に示すように複数のインバータを直列接続して構成され、基準信号RSを所定の時間遅延させて遅延信号NDLY1を生成する。遅延回路DLY2は、例えば、複数のインバータを直列接続して構成され、遅延信号NDLY1をさらに所定の時間遅延させて遅延信号NDLY2を生成する。マルチプレクサMUXSは、書換え起動信号WEBに応じた遅延信号を選択して、読出しデータラッチ制御信号SLEに出力する。ベリファイ動作時において、書換え起動信号WEBが接地電圧VSSに駆動されることにより、遅延信号NDLY2が選択される。一方、読出し動作時においては、書換え起動信号WEBが電源電圧VDDに駆動されることにより、遅延信号NDLY1が選択される。遅延回路DLY1、DLY2を直列に接続して遅延信号NDLY1とNDLY2を発生する構成とすることにより、これらを並列に接続して遅延信号NDLY1とNDLY2を発生させる場合よりも、読み出しデータラッチ制御回路LATRCの面積を小さくすることができる。前記基準信号RSは、読出し動作およびベリファイ動作においてメモリセルMCの記憶情報を読み出すときに応答して出力されるリード・セレクト信号のようなタイミング信号である。
遅延回路DLY1の遅延時間td1は、読出し動作時において、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定される。また、遅延回路DLY2の遅延時間td2は、ベリファイ動作時において、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定される。遅延回路DLY1、DLY2の遅延時間を上記のように調整することにより、一つのセンスアンプを用いて、読出し動作とベリファイ動作を行うことができる。
次に、これまで述べた図1および図8の相変化メモリの読出し動作とベリファイ動作を説明する。図9(a)は、図1に示した相変化メモリの読出し動作時におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。
まず、待機時において、ディスチャージ制御信号DISS、DISCが電源電圧VDDに夫々保持されているので、図7に記載のトランジスタMN33、MN35が夫々導通されることにより、センスノードSN及び共通データ線CDは接地電圧VSSに保持される。書換え起動信号WEBは、待機時および読出し動作時において、電源電圧VDDに保持される。
読出し動作が開始されると、まず、ビット線のプリチャージ動作が行われる。はじめに、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35を非導通状態にする。その後、図では省略されているが、マルチプレクサMUXによりビット線BLが選択された後、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のNMOSトランジスタMN33を非導通状態にする。また、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPをクランプ電圧VCLPに駆動することにより、NMOSトランジスタMN34を導通させて、センスノードSNをビット線BLに接続する。さらに、電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32を活性化させて、センスノードSNを電源電圧VDDにプリチャージする。センスアンプSAは、この入力電圧に応じて、センスアンプ出力線SOを接地電圧VSSに駆動する。一方、ビット線BLは、クランプ電圧VCLPで制御されたNMOSトランジスタMN34によって降圧された読出し電圧VRにプリチャージされる。
プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動し、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WLを電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMCが活性化されて、センスノードSNに記憶情報に応じた電圧信号が発生される。
メモリセルの選択動作と並行して、読出しデータラッチLATRの制御信号が発生される。すなわち、基準信号RSに一定期間だけ接地電圧VSSのパルスが発生される。図1の説明で述べたように、読出し動作時において、書換え起動信号WEBは電源電圧VDDに保持されるので、基準信号RSパルスは、読出しデータラッチ制御回路において時間td1だけ遅延されて、読出しデータラッチ制御信号SLEとなる。読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されている間に、センスアンプ出力線SOの信号が読出しデータラッチLATRに取り込まれて、読出しデータ線RDTに出力される。その後、読出しデータラッチ制御信号SLEを電源電圧VDDに駆動することにより、読出しデータ線RDTの出力が保持される。
今、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルの記憶情報を読み出す場合、センスアンプ出力線SOはセンスアンプSAにより接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されるので、読出しデータ線RDTは電源電圧VDDに駆動される。一方、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を読み出す場合、センスアンプ出力線SOは接地電圧VSSに保持されているので、読出しデータ線RDTは接地電圧VSSに保持される。図9(a)に示されるセンスノードSNの波形において、VTHLはセンスアンプSAを構成するインバータの論理しきい値である。時刻t0において抵抗値Rsmaxのメモリセルの読出し信号のSNレベルは論理しきい値VTHLより低く、抵抗値Rrminのメモリセルの読出し信号のSNレベルは論理しきい値VTHLよりも高くなっている。
最後に、電源電圧VDDとなっているワード線WL、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動し、マルチプレクサを非活性状態とする。同時に、ディスチャージ制御信号DISC,DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、共通データ線制御回路CDCとセンスノード制御回路SNCにより共通データ線CDとセンスノードSNを接地電圧VSSに駆動することで、待機状態に戻る。
図9(b)は、図1に示した相変化メモリのベリファイ動作時におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。読出し動作時と異なる点は、書換え起動信号WEBが接地電圧VSSに保持されることである。この結果、基準信号RSパルスは、読出しデータラッチ制御回路において時間td1+td2だけ遅延されて、読出しデータラッチ制御信号SLEとなる。前述したように、読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がRrmin以上のメモリセルを読み出した場合にリセット状態であると判別されるタイミングで活性化される。このため、抵抗値がRrminに到達していないメモリセルを検出して、再書換え動作を行なうことができる。図9(b)の時刻t1において、抵抗値Rrmin未満のメモリセルの読出し信号(Rrminのメモリセルの読出し信号よりも僅かに低いレベル)に係るノードSNの波形Ws_SNは、論理しきい値VTHLよりも僅かに低いレベルにされている。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を、以下にまとめる。第一に、図1に示したように、センスアンプにインバータを導入したダイナミックな電圧センス方式とした。この結果、定常的な電流の消費を回避することが可能となり、低電力かつ小面積の読出し及びベリファイ動作を実現することができる。なお、図7に示したように、センスノード制御回路SNCと共通データ線制御回路CDCを用いることによって、ビット線を読出し電圧VR、センスノードSNは電源電圧VDDにプリチャージすることとした。この結果、読出し動作及びベリファイ動作におけるメモリセルの情報破壊を回避すると同時に、センスアンプに用いたインバータの貫通電流を抑制することが可能となり、高信頼かつ低電力な動作を実現することができる。
第二に、図1に示したような読出しデータラッチ制御回路LATRCを設け、読出し動作時とベリファイ動作時とで読出しデータラッチのデータ取り込みタイミングを変えることとした。この結果、インバータを用いたベリファイ動作において、所望の抵抗値以上のメモリセルをリセット状態と判定することが可能となり、安定な読出し動作を保証する抵抗マージンを実現する書換え動作を行うことができる。以上の二つの効果により、相変化メモリの読出し動作とベリファイ動作を低電力かつ小面積な一つのセンスアンプで実現することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、図1に示した相変化メモリにおいてその他のIOを含めた全体の構成例である。その特徴は、以下の二つである。第一の特徴は、図10に示すようにメモリセル・アレイMCAをサブアレイSMCA0〜SMCA15に分割して、複数のマルチプレクサMUX0〜MUX15と読み書き回路RW0〜RW15を配置して選択ワード線上の選択ビットの間隔を空けた点にある。この特徴により、選択メモリセルが周りのメモリセルから受ける熱を抑制することができる。すなわち、所謂、熱ディスターブを回避することが可能となる。第二の特徴は、1サイクル毎に書換え回路を活性化することにより、時分割書換え動作を行う点にある。この特徴により、書換え電流のピーク値を抑制することができる。以下、その構成と動作の詳細を図に従って説明する。
図10は、図1に示した相変化メモリにおいてその他のIOを含めた全体の構成例を示している。当該相変化メモリは、メモリセル・アレイMCAとマルチプレクサMUX0〜MUX15、ワードドライバ列WDA、読み書き回路RW0〜RW15、制御論理回路CLGCで構成される。制御論理回路CLGCは図1で説明した読出しデータラッチ制御回路LATRCを含んでいる。
同図では一例として、(m+1)行×128列の複数のメモリセルで構成されるメモリセル・アレイMCAが示されている。ワードドライバ列WDAの出力であるワード線WL0〜WLmとビット線BL0〜BL127の各交点に、メモリセルMC00〜MC(m+1)127が配置される。各メモリセルは、直列接続された記憶素子RMと選択トランジスタQMが、ビット線と接地電圧VSS給電線との間に接続された構成である。ワード線は、選択トランジスタQMのゲート電極に接続される。
ワードドライバ列WDA内のワードドライバWD0〜WDmは、読み書き回路制御信号群RWCPに含まれるワードドライバ制御信号WDEが接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されることにより活性化され、選択されたワード線を駆動する。ビット線は、8本毎に配置されたマルチプレクサMUX0〜MUX15を介して対応する読み書き回路RW0〜RW15に接続される。マルチプレクサMUX0〜MUX15の各々は、カラムデコーダ(同図では省略)の出力信号であるカラム選択線対(YS0T、YS0B)〜(YS7T、YS7B)(同図ではこれらを総じてカラム選択線対群YSPと記載)によって制御され、8本のビット線のうち1本を選択して、対応する読み書き回路RW0〜RW15に電気的に接続する。このような構成にすることにより、後述する書換え動作や読出し動作において、連続あるいは同時にアクセスされるメモリセルの位置を離すことができるので、選択メモリセルが周りのメモリセルから受ける熱を抑制することができる。すなわち、所謂、熱ディスターブを回避することが可能となる。なお、以下では、メモリセル・アレイMCAと読み書き回路RW0〜RW15の配置関係を明確にするために、16本のビット線毎にメモリセル・アレイをブロック化して、それぞれをサブアレイSMCA0〜SMCA15と呼ぶことにする。
制御論理回路CLGCは、読み書き回路RW0〜RW15を制御する回路である。制御論理回路CLGCは、書換え起動信号WEBおよび書換えクロックWCLKBに応じて、読み書き回路制御信号群RWCPと書換え制御信号群PP0〜PP15(同図ではこれらを総じて書換え制御信号バスPPBSと記載)を発生する。また、制御論理回路CLGCは、読み書き回路RW0〜RW15から出力される比較信号EOR0〜EOR15(同図ではこれらを総じて比較信号群EORPと記載)を演算してベリファイ結果信号EORAを出力する。ベリファイ結果信号EORAは、ベリファイ動作においてすべてのメモリセルが正しく書換えられたと判断された場合に電源電圧VDDに駆動され、ベリファイ書換え動作が終了する。再書換えが必要と判断された場合には接地電圧VSSに駆動される。制御論理回路CLGCには、図1で説明したアレイ制御回路ACTLと読出しデータラッチ制御回路LATRCを要部回路ブロックとして含む。図1のSLEは図10のRWCPに含まれる。
読み書き回路は、例えばRW0のように読出し回路RC0、書換え回路PRGM0、入出力ゲートIOG0から構成される。読み書き回路RW0は、制御論理回路CLGCにより発生される読み書き回路制御信号群RWCPと書換え制御信号群PP0によって制御され、入出力ゲートIOG0と入出力線IO0を介して、入出力バッファIOBUF(同図では省略)との間で記憶情報の授受を行う。また、読み書き回路RW0は、ベリファイ動作時に、書換えパルスが印加された後のメモリセルの記憶情報とメモリセルに書込む記憶情報とを比較し、比較信号EOR0を出力する。
図11は、図10に示したマルチプレクサ、例えばMUX0の具体的な構成例を示している。マルチプレクサMUX0は、CMOS伝達ゲートCSW20〜CSW27と放電用のNMOSトランジスタMN20〜MN27とで構成される。CMOS伝達ゲートCSW20〜CSW27は、共通データ線CD0とビット線BL0〜BL7との間にそれぞれ接続され、カラム選択スイッチとして用いられる。CMOS伝達ゲートCSW20〜CAW27のゲート電極には、カラムデコーダ(同図では省略)の出力信号であるカラム選択線対(YS0T、YS0B)〜(YS7T、YS7B)がそれぞれ接続される。カラム選択線対(YS0T、YS0B)〜(YS7T、YS7B)のうちの一つを活性化することにより、対応するCMOS伝達ゲートが活性化されて、ビット線BL0〜BL7のうちの一つが共通データ線CD0に接続される。NMOSトランジスタMN20〜MN27は、ビット線BL0〜BL7と接地電圧VSS給電線との間にそれぞれ接続され、ゲート電極にはカラム選択線YS0B〜YS7Bがそれぞれ接続される。待機時において、カラム選択線YS0B〜YS7Bを電源電圧VDDに保持し、NMOSトランジスタMN20〜MN27を導通させることにより、ビット線BL0〜BL7は接地電圧VSSに駆動される。なお、カラム選択線対(YS0T、YS0B)〜(YS7T、YS7B)は、他のマルチプレクサMUX1〜MUX7にも共通に接続される。
図12は、図10に示した入出力ゲートIOG0の具体的な構成例を示している。入出力ゲートIOG0は、書換えデータ線WDT0と入出力線IO0との間に接続されたNMOSトランジスタMN41、書換えデータ線WDT0と電源電圧VDD給電線との間に接続されたPMOSトランジスタMP41、読出しデータ線RDT0と入出力線IO0との間に接続されたNMOSトランジスタMN42、入出力線IOに接続された入出力線制御回路IOCから構成される。NMOSトランジスタMN41とPMOSトランジスタMP41のゲート電極には入力ゲート起動信号IGEが接続される。また、NMOSトランジスタMN42のゲート電極には出力ゲート起動信号OGEが接続される。さらに、入出力制御回路IOCには入力ゲート起動信号IGEと出力ゲート起動信号OGEが入力される。入出力制御回路IOCは、待機時において、入出力線IO0を電源電圧VDDに保持するための回路である。
次に、入出力ゲートIOG0の動作を説明する。待機時において、入力ゲート起動信号IGE、出力ゲート起動信号OGEをともに接地電圧VSSに駆動することにより、NMOSトランジスタMN41とMN42を非導通状態にする。また、PMOSトランジスタMP41を導通状態にする。さらに、入出力制御回路IOCを活性状態にする。このような動作によって、書換えデータ線WDT0と入出力線IO0は電源電圧VDDに保持される。
書換え動作時において、入力ゲート起動信号IGEを接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動することにより、NMOSトランジスタMN41を導通状態にする。また、PMOSトランジスタMP41を非導通状態にする。さらに、入出力制御回路IOCを非活性状態とする。このような動作によって、入出力線IO0と書換えデータ線WDT0が接続され、メモリセルに書込む記憶情報が書換え回路PRGM0に入力される。
読出し動作時において、出力ゲート起動信号OGEを接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動することにより、NMOSトランジスタMN42を導通状態にする。また、入出力制御回路IOCを非活性状態とする。このような動作によって、入出力線IO0と読出しデータ線RDT0が接続され、メモリセルの記憶情報が出力される。
入力ゲート起動信号IGE、出力ゲート起動信号OGE、読出しデータラッチ制御信号SLE、プリチャージ制御信号PCSB、ディスチャージ制御信号DISS、クランプ信号CLP、ディスチャージ制御信号DISC、後述するベリファイ制御信号VEB、書換えデータラッチ制御信号WLEは、読み書き回路RW1〜RW15内の対応する回路にも共通に接続される。なお、これらの制御信号を総じて読み書き回路制御信号群RWCPと呼ぶことにする。
図13は、図10に示した書換え回路PRGM0の具体的な構成例を示している。書換え回路PRGM0は、メモリセルに書込む情報を保持する書換えデータラッチLATW、読出しデータ線RDTの信号と書換えデータラッチの出力信号を比較する比較回路CMP、選択メモリセルにリセットパルス、セットパルスを印加するリセット・セット回路RSC、比較回路CMPの出力信号である比較信号EORを元にリセット・セット回路RSCを制御する書換え制御論理回路PCLGより構成される。書換えデータラッチLATWの入力端子CKには書換えデータラッチ制御信号WLEが入力され、入力端子Dには書換えデータ線WDT0が接続され、出力端子Qには書換えデータラッチ線LWDT0が接続されている。
書換え動作時において、入力ゲート起動信号IGEを電源電圧VDDに駆動した後、書換えデータラッチ制御信号WLEを接地電圧VSSに駆動してから電源電圧VDDに駆動することにより、書換えデータラッチLATWは入出力線IO0と入出力ゲートIOG0を介して入力されるメモリセルに書込む記憶情報を保持する。
比較回路CMPは、例えば、EXOR回路EOR51より構成され、書換えデータラッチ線LWDT0の信号と読出しデータ線RDT0の信号のEXOR演算結果を比較信号EOR0として出力する。ベリファイ動作時において、比較信号EOR0は、メモリセルの抵抗値が所望の値に達していない場合は電源電圧VDDに、所望の値に達している場合は接地電圧VSSに駆動される。
リセット・セット回路RSCは、セット回路SCKTとリセット回路RCKTより構成される。セット回路SCKTは、第一のセット電圧VSET1給電線と共通データ線CD0との間に接続されたPMOSトランジスタMP51と第二のセット電圧VSET2給電線と共通データ線CD0との間に接続されたPMOSトランジスタMP52より構成される。PMOSトランジスタMP51のゲート電極には、書換え制御論理回路PCLGの出力である制御信号FSB0が接続される。また、PMOSトランジスタMP52のゲート電極には、書換え制御論理回路PCLGの出力である制御信号SSB0が接続される。ここで、第一のセット電圧VSET1は電源電圧VDDと同じか、或いは図2の説明で述べたように記憶素子が融点を超えるような電流を流せる程度の電圧に設定されている。また、第二のセット電圧VSET2は、第一のセット電圧VSET1よりも低い電圧レベルに設定されている。なお、同図では説明を簡単にするために、二つのセット電圧を供給する構成を示しているが、電圧レベルの異なる複数のセット電圧を供給できるようにし、特許文献1に記載されているセットパルスを発生できる構成としても良い。
リセット回路RCKTは、リセット電圧VRST給電線と共通データ線CD0との間に接続されたPMOSトランジスタMP53で構成される。PMOSトランジスタPMOS53のゲート電極には、書換え制御論理回路PCLGの出力である制御信号RSB0が接続される。ここで、リセット電圧VRSTは、はじめ、最も少ない電流でリセット状態にできるメモリセルに合わせて設定される。その後、ベリファイ動作で抵抗値Rrmin未満と判別されたメモリセルに再書換え動作を行なう前に、前の書換え動作よりも電圧レベルが高くなるように制御される。
書換え制御論理回路PCLGは、制御信号群PP0、ベリファイ制御信号VEB、比較信号EOR0を入力とし、リセット・セット回路RSCを制御する制御信号FSB0、SSB0、RSB0を出力する回路である。待機時において、制御信号FSB0、SSB0、RSB0は電源電圧VDDに駆動され、リセット・セット回路RSCは非活性状態とされる。ベリファイ制御信号VEBが電源電圧VDDに駆動されている場合、比較信号EOR0の信号によらず、書換え制御論理回路PCLGは、リセット・セット回路RSCから書換えパルスが発生されるように制御する。書換えデータラッチ線LWDT0の信号が電源電圧VDDに駆動されている場合には、書換え制御論理回路PCLGは、書換え制御信号群PP0の中の第一のセット起動信号FSE0の反転信号を制御信号FSB0として出力する。制御信号FSB0により、セット回路SCKT内のPMOSトランジスタMP51は駆動される。その後、書換え制御信号群PP0の中の第二のセット起動信号SSE0の反転信号を制御信号SSB0として出力される。制御信号SSB0により、セット回路SCKT内のPMOSトランジスタMP52が駆動される。この結果、セットパルスが選択メモリセルに印加される。書換えデータラッチ線LWDT0の信号が接地電圧VSSに駆動されている場合には、書換え制御論理回路PCLGは、書換え制御信号群PP0の中のリセット起動信号RSTE0の反転信号を制御信号RSB0として出力する。制御信号RSB0により、リセット回路RCKT内のPMOSトランジスタMP53が駆動される。この結果、リセットパルスが選択メモリセルに印加される。
一方、ベリファイ制御信号VEBが接地電圧VSSに駆動されている場合には、書換え制御論理回路PCLGは、比較信号EOR0の信号によって動作が変わる。比較信号EOR0が電源電圧VDDに駆動さている場合には、書換え制御論理回路PCLGは、書換え制御信号群PP0の中のリセット起動信号RSTE0の反転信号を制御信号RSB0として出力する。制御信号RSB0により、リセット回路RCKT内のPMOSトランジスタMP53を駆動する。この結果、リセットパルスが選択メモリセルに印加される。比較信号EOR0が電源電圧VSSに駆動さている場合には、書換え制御論理回路PCLGは、制御信号FSB0、SSB0、RSB0を電源電圧VDDに駆動し、リセット・セット回路RSCを非活性状態とする。
このように、メモリセルに書込む情報に応じて、リセット・セット回路RSCからセットパルスとリセットパルスのうちの一方が発生するように制御することにより、一回の書換え動作でセット動作とリセット動作の両方を行なうことができる。この結果、書換え時間を短縮することができる。
図14は、図10に示した制御論理回路CLGCの要部回路ブロックとして、書換え制御信号群PP0〜PP15を発生する書換え制御回路PCTLの構成例を示している。本回路は、シフトレジスタSREGと書換え信号発生回路群PGBKとで構成される。シフトレジスタSREGは、書換え起動信号WEBと書換えクロックWCLKBを受信して位相の異なる書換えビット制御信号Q0〜Q15を出力する。書換え信号発生回路群PGBKは、書換え信号発生回路PGEN0〜PGEN15で構成される。書換え信号発生回路PGEN0〜PGEN15は対応する書換えビット制御信号Q0〜Q15を夫々受信して、書換え制御信号群PP0〜PP15を発生する。書換え制御信号群PP0〜PP15は、前述した書換え制御信号群PP0のようにリセット起動信号、第一セット信号、第二セット信号とで夫々構成される。なお、書換え制御信号群PP0〜PP15を総じて書換え制御信号バスPPBSと呼ぶことにする。
図15は、図14に示した書換え制御回路PCTLの書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。電源電圧VDDとなっている書換え起動信号WEBを接地電圧VSSに駆動することにより、書換え制御回路PCTLを活性化する。すなわち、書換えクロックWCLKBの立下がりエッジに同期して、書換え制御回路PCTL内のシフトレジスタSREGは書換え制御信号Q0〜Q15を書換えクロックWCLKBのサイクル時間TCKW1の間隔で順々に発生する。書換え信号発生回路PGEN0〜PGEN15は対応する書換え制御信号Q0〜Q15を受信して、短期間のリセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15を順々に出力する。さらに、これらの起動信号を電源電圧VDDから接地電圧VSSに駆動した後に、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15を順々に発生する。その後、再書換え動作が行なわれる場合に、再び、書換えクロックWCLKBの立下がりエッジに同期して書換えパルスの発生が行なわれる。
このように、書換え制御回路PCTLを用いて位相の異なる書換え制御信号群PP0〜PP15を発生して、1サイクル毎に書換え回路を活性化することにより、時分割書換え動作を行うことが可能となる。よって、書換え電流のピーク値を抑制することができる。
次に、これまで述べた要素回路を用いた図10の相変化メモリのベリファイ書換え動作について説明する。図16は、ベリファイ書換え動作のフローチャートの例である。まず、ステップS11とS12に示すように、メモリセルに書込む記憶情報とアドレスを取り込んだ後、取り込んだアドレスに対応するワード線とビット線に接続する複数のメモリセルに対し書換え動作が行なわれる。その後、ステップS13とS14に示すように、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が行なわれ、すべてのメモリセルの記憶情報が正しく書換えられたと判断された場合、ベリファイ書換え動作は終了する。一方、再書換えが必要と判断された場合、ステップS15、S16、S17、S18に示すように、リセット条件を変更し、再び、書換え動作、ベリファイ動作が行なわれる。ステップS15〜S18は、すべてのメモリセルの記憶情報が正しく書換えられたと判断されるまで繰返し行なわれる。ここで、繰り返しの回数に上限を設け、上限に達しても正しく書換えられたと判断されなかった場合には、正しく書換えられなかったメモリセルを不良として扱うように変更しても良い。
図17及び図18は、図16のステップS11に対応するアドレス・データ取り込みとステップS12に対応する書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。ここでは、一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を書換える場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00に記憶情報‘1’を、MC0120に記憶情報‘0’を書込む場合について述べる。
まず、電源電圧VDDとなっている書換え起動信号WEBを接地電圧VSSに駆動する。同時に、接地電圧VSSとなっている書換えクロックWCLKBを電源電圧VDDに駆動することにより、制御論理回路CLGCにより、接地電圧VSSとなっている入力ゲート起動信号IGEが電源電圧VDDに、電源電圧VDDとなっている書換えデータラッチ制御信号WLEとディスチャージ制御信号DISCが接地電圧VSSに駆動される。この制御により、入出力制御回路IOCが非活性状態とされる。また、メモリセルに書込む記憶情報が入出力線IO0〜IO15から入出力ゲートIOG0〜IOG15を介して対応する書換えデータラッチLATWに保持される。さらに、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35が非導通状態にされるので、共通データ線を書換え回路によって駆動できるようになる。
これらの動作と並行して、アドレスも取り込まれ、対応するカラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性化することにより、ビット線BL0、BL8、…、BL120と対応する書換え回路PRGM0〜PRGM15とを接続する。さらに、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動して、書換え回路PRGM0〜PRGM15とメモリセルMC00、MC08、…、MC0120とを接続する。
その後、書換え制御回路PCTLにより、書換えクロックWCLKBの立下がりエッジに同期して、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15が順々に発生される。メモリセルMC00に書込む記憶情報が‘1’であり、ベリファイ制御信号VEBが電源電圧VDDに駆動されているので、書換え回路PRGM0内のセット回路SCKTは第一のセット起動信号FSE0の反転信号FSB0と第二のセット起動信号SSE0の反転信号SSB0によって活性化され、第一のセット電圧VSET1と第二のセット電圧VSET2がメモリセルMC00に順々に印加される。一方、メモリセルMC0120に書込む記憶情報 が‘0’であり、ベリファイ制御信号VEBが電源電圧VDDに駆動されているので、書換え回路PRGM0内のリセット回路RCKTはリセット起動信号RSTE15の反転信号RSB15によって活性化され、リセット電圧VRSTがメモリセルMC0120に印加される。この後、電源電圧VDDとなっているワード線WL0とベリファイ制御信号VEBを接地電圧VSSに駆動し、ディスチャージ制御信号DISCを電源電圧VDDに駆動し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が行なわれる。
図19及び図20は、図16のステップS13、S14、S17、S18に対応するベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムの例を示している。先の書換え動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報をベリファイする場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’に、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に正しく書換えられ、その他のメモリセルも正しく書換えられたと仮定して説明する。本ベリファイ動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報をベリファイするのではなく、16ビット同時にベリファイする点にある。ベリファイ動作時において、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。
ベリファイ動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35が非導通状態にされる。その後、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のNMOSトランジスタMN33をカットオフする。同時に、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPをクランプ電圧VCLPに駆動することにより、センスノードSN0〜SN15が対応するビット線BL0、BL8、…、BL120に接続される。その後、電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32によりセンスノードSN0〜SN15が電源電圧VDDにプリチャージされ、センスアンプによってセンスアンプ出力線SO0〜SO15が接地電圧VSSに駆動される。また、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN34がクランプ電圧VCLPに駆動されているので、ビット線BL0、BL8、…、BL120が読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動し、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32をカットオフする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
この動作と並行して、電源電圧VDDとなっている基準信号RSを接地電圧VSSにした後、ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動するのと同時に、電源電圧VDDに駆動する。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、基準信号RSを元に発生した遅延信号NDLY2を読出しデータラッチ制御信号SLEとして出力する。読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されることにより、センスアンプ出力線の信号が対応する読出しデータラッチLATRに入力され、読出しデータラッチ制御信号SLEが電源電圧VDDに駆動されることによりその値が保持される。ここで、読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定されている。このため、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の読出し信号を保持する読出しデータラッチは読出しデータ線RDT0を電源電圧VDDに駆動し、その状態を保持する。一方、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の読出し信号を保持する読出しデータラッチは読出しデータ線RDT15を接地電圧VSSに駆動し、その状態を保持する。
このとき、比較回路は、対応する読み出しデータラッチのデータと書換えデータラッチのデータを比較し比較信号を発生する。読出しデータ線RDT0と書換えデータラッチ線LWDT0がそれぞれ電源電圧VDDに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR0が接地電圧VSSに駆動される。一方、読出しデータ線RDT15と書換えデータラッチ線LWDT15がそれぞれ接地電圧VSSに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR15が接地電圧VSSに駆動される。その他の比較信号EOR1〜EOR14も対応する比較回路により接地電圧VSSに駆動され、論理制御回路CLGCによりベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動される。
その後、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動する。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により共通データ線とセンスノードを接地電圧VSSに駆動する。また、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とし、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを電源電圧VDDに駆動し、待機状態に戻る。この場合、すべてのメモリセルが正しく書換えられているので、ベリファイ書換え動作は終了する。
一方、ベリファイ結果信号EORAが接地電圧VSSに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性状態に保持し、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを接地電圧VSSに保持し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が終了する。その後、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されるまで、ステップS15からS18に対応する動作が繰返し行なわれる。このとき、比較信号が電源電圧VDDになっている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。
図21及び図22は、ステップS16に対応する書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。説明を簡単にするため、MC0120の再書換え動作が必要であると判断された場合を仮定して説明する。図17及び図18に示した書換え動作と異なる点は次の四点である。第一に、書換え起動信号WEBが接地電圧VSSに保持されていることである。第二に、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)は活性化され続けていることである。第三に、書換えデータラッチ制御信号WLEが電源電圧VDDに保持され、入力ゲート起動信号IGEが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、書換えデータラッチのデータは更新されない。第四に、ベリファイ制御信号VEBが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、比較信号が電源電圧VDDに駆動されている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。したがって、比較信号EORが電源電圧VDDに駆動されているメモリセルMC0120には書換えパルスが印加される。
図23及び図24は、図10に示した相変化メモリの読出し動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。先のベリファイ動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を読み出す場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’を、MC0120は記憶情報‘0’を記憶しているものと仮定して説明する。本読出し動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報を読み出すのではなく、16ビット同時に読み出す点にある。読出し動作時において、書換え起動信号WEBは電源電圧VDDに保持されるので、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。
読出し動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35が非導通状態にされる。その後、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性化した後、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPをクランプ電圧VCLPに駆動し、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のNMOSトランジスタMN33が非導通とされ、センスノードSN0〜SN15が対応するビット線BL0、BL8、…、BL120に接続する。電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32によりセンスノードSN0〜SN15が電源電圧VDDにプリチャージされ、センスアンプによってセンスアンプ出力線SO0〜SO15が接地電圧VSSに駆動される。また、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN34がクランプ電圧VCLPに駆動されているので、ビット線BL0、BL8、…、BL120が読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動しセンスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32をカットオフする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
この動作と並行して、電源電圧VDDとなっている基準信号RSを接地電圧VSSにした後、ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動するのと同時に、電源電圧VDDに駆動する。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、基準信号RSを元に発生した遅延信号NDLY1を読出しデータラッチ制御信号SLEとして出力する。読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定されているので、メモリセルの記憶情報を安定して読み出すことができる。今、メモリセルMC00は記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるので、センスアンプ出力線SO0はセンスアンプSAにより接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されている。読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されることにより、センスアンプ出力線SO0の信号が対応する読出しデータラッチLATRに入力され、読出しデータラッチ制御信号SLEが電源電圧VDDに駆動されることによりその値が保持される。一方、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるので、センスアンプ出力線SO15は接地電圧VSSに保持される。読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されることにより、センスアンプ出力線SO15の信号が対応する読出しデータラッチLATRに入力され、読出しデータラッチ制御信号SLE15が電源電圧VDDに駆動されることによりその値が保持される。その後、接地電圧VSSとなっている出力ゲート起動信号OGEを電源電圧VDDに駆動することにより、読み出されたメモリセルの記憶情報を入出力線IO0〜IO15に出力する。
最後に、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、出力ゲート起動信号OGE、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動し、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とする。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により共通データ線とセンスノードを接地電圧VSSに駆動することで、待機状態に戻る。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を、以下にまとめる。第一に、図10に示したようにメモリセル・アレイMCAをサブアレイSMCA0〜SMCA15に分割して、複数のマルチプレクサMUX0〜MUX15と読み書き回路RW0〜RW15を配置して選択ワード線上の選択ビットの間隔を空けることにより、選択メモリセルが周りのメモリセルから受ける熱を抑制することができる。すなわち、所謂、熱ディスターブを回避することが可能となる。第二に、図14に示した書換え制御回路PCTLを用いて位相の異なる書換え制御信号群PP0〜PP15を発生して、1サイクル毎に書換え回路を活性化することにより、時分割書換え動作を行うことが可能となる。よって、書換え電流のピーク値を抑制することができる。以上から、実施の形態1よりも書換え動作時のピーク電流が低減された相変化メモリを実現することができる。
本実施の形態において、ピーク電流が許容される範囲で、同時に書換えるメモリセル数を増やしてもよい。例えば、二つのメモリセルを同時に書換える場合、書換え制御回路PCTLを用いて位相の異なる書換え制御信号群PP0〜PP7を発生し、一つの書換え制御信号によって、二つの書換え回路を活性化するようにすればよい。このようにすることで、書換え時間が短縮された相変化メモリを実現することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3における半導体記憶装置は、書換え耐性を向上した相変化メモリである。その特徴は次の二点である。第一に、1回目の書換え動作前に、書換えるメモリセルの記憶情報を予め読出しデータラッチに保持することである。第二に、予め読み出したメモリセルの記憶情報とメモリセルに書込む記憶情報が異なる場合に、書換え動作を行うようにしたことである。このような動作とすることで、メモリセルを同じ情報で上書きすることを防ぐことができるので、書換え耐性を改善することができる。以下、実施の形態1との相違点に着目して動作を説明する。
図25は、本実施の形態3におけるベリファイ書換え動作のフローチャートの例である。図16に示したベリファイ書換え動作のフローチャートと異なる点は次の二点である。第一に、ステップS11の書換えるメモリセルのアドレスとデータの取り込みが、それぞれステップS21とS23に分割されたことである。第二に、書換えるメモリセルの記憶情報を読み出すステップS22が追加されたことである。このようなフローとすることで、読出しデータラッチに書換えるメモリセルの記憶情報を予め保持することができる。
図26及び図27は、図25に示したステップS23に対応するデータ取り込みとS12に対応する書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。ここでは、一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を書換える場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00に記憶情報‘1’を、MC0120に記憶情報‘0’を書込む場合について述べる。また、読出しデータ線RDT0は、対応する読出しデータラッチによって電源電圧VDDに、読出しデータ線RDT15は、対応する読出しデータラッチによって接地電圧VSSに駆動されていると仮定する。
図17及び図18に示した書換え動作と異なる点は次の二点である。第一に、読出しデータ線が書換えるメモリセルの記憶情報に応じた電圧に駆動されていることである。第二に、ベリファイ制御信号VEBが接地電圧VSSに駆動されることである。このようにすることで、比較信号が電源電圧VDDに駆動されているメモリセル、すなわち、反転書換えが必用なメモリセルのみに書換え動作を行なうことができる。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を、以下にまとめる。第一に、図25に示したように、1回目の書換え動作前に、書換えるメモリセルの記憶情報を予め読出しデータラッチに保持することである。第二に、予め読み出したメモリセルの記憶情報とメモリセルに書込む記憶情報が異なる場合に、書換え動作を行うようにしたことである。このような動作とすることで、メモリセルを同じ情報で上書きすることを防ぐことができるので、書換え耐性を改善することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4における半導体記憶装置は、読出し速度を改善した相変化メモリである。その特徴は、センスアンプと読出しデータラッチをクロスカップル型センスラッチで構成したことである。このような構成とすることにより、メモリセルの読出し信号の増幅動作と保持動作が同時に行なえるので、面積増加を抑制しながら、読出し速度を改善することができる。以下、実施の形態1との相違点に着目して構成と動作を説明する。
図28は、本発明の実施の形態4による相変化メモリの要部ブロックの構成例を示している。図10に示した構成との大きな差異を読み書き回路RW0に着目して説明すると、次の四点である。第一に、入出力線IO0を二つの入出力線IO0TとIOB0から構成される入出力線対IOP0にしたことである。第二に、入出力ゲートIOG0と読出し回路RC0が読み書きデータ線対DTP0の変わりに、二つのセンスノード線SN0TとSN0Bから構成されるセンスノード線対SNP0で接続したことである。第三に、読み書きデータ線対DTP0の変わりに、書換えデータ線WDT0とセンスノード線対SNP0を書換え回路PRGM0に接続したことである。第四に、要部ブロックとしてリファレンス電圧発生回路VREFGENを追加し、その出力電圧であるリファレンス電圧VREFを読出し回路RC0に入力したことである。以下、これらの相違点に注目して構成を説明する。
図29は、図28に示した相変化メモリにおける入出力ゲート、例えば入出力ゲートIOG0の構成例を示している。入出力ゲートIOG0は、入出力線IO0Bとセンスノード線SNT0との間に接続されたNMOSトランジスタMN61、入出力線IO0Tとセンスノード線SNB0との間に接続されたNMOSトランジスタMN62、入出力線IO0Tと書換えデータ線WDT0との間に接続されたNMOSトランジスタMN63、電源電圧VDD給電線と書換えデータ線WDT0との間に接続されたPMOSトランジスタMP61、入出力線IO0Tと入出力線IO0Bの間に接続された入出力制御回路IOCより構成される。NMOSトランジスタMN61とMN62のゲート電極には出力ゲート起動信号OGEが接続される。また、NMOSトランジスタMN63、PMOSトランジスタMP61のゲート電極には入力ゲート起動信号IGEが接続される。さらに、入出力制御回路IOCには入力ゲート起動信号IGEと出力ゲート起動信号OGEが入力される。入出力制御回路IOCは、待機時において、入出力線IO0TとIO0Bを電源電圧VDDに保持するための回路である。
次に、入出力ゲートIOG0の動作を説明する。待機時において、入力ゲート起動信号IGE、出力ゲート起動信号OGEをともに接地電圧VSSに駆動することにより、NMOSトランジスタMN61〜MN63を非導通状態にする。また、PMOSトランジスタMP61を導通状態にする。さらに、入出力制御回路IOCを活性状態にする。このような動作によって、書換えデータ線WDT0と入出力線IO0TとIO0Bは電源電圧VDDに保持される。
書換え動作時において、入力ゲート起動信号IGEを接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動することにより、NMOSトランジスタMN63を導通状態にする。また、PMOSトランジスタを非導通状態にし、入出力制御回路IOCを非活性状態とする。このような動作によって、入出力線IO0Tと書換えデータ線WDT0が接続され、メモリセルに書込む記憶情報が書換え回路PRGM0に入力される。
読出し動作時において、出力ゲート起動信号OGEを接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動することにより、NMOSトランジスタMN61とMN62を導通状態にする。また、入出力制御回路IOCを非活性状態とする。このような動作によって、入出力線IO0TとセンスノードSNB0が接続され、入出力線IO0BとセンスノードSNT0が接続され、メモリセルの記憶情報が出力される。このような構成と動作とすることにより、読出し動作時のセンスノード対SNP0の負荷容量を均等化し、確実な読出し動作を行うことが可能となる。
図30は、図28に示した相変化メモリにおける読出し回路、例えば読出し回路RC0の構成例を示している。読出し回路RC0は、読出しゲートRG、プリチャージ回路PCC、クロスカップル型センスラッチで構成されるセンスアンプSAとで構成される。読出しゲートRGは、センスノード対SNP0(すなわち、センスノードSNT0、SNB0)と共通データ線CD0およびリファレンス電圧VREFとの間に接続されたNMOSトランジスタMN711、MN712、共通データ線CD0と接地電圧VSS給電線との間に接続されたNMOSトランジスタMN713、NOR回路NR71、NR72とで構成される。NMOSトランジスタMN713のゲート電極にはディスチャージ制御信号DISCが接続される。NOR回路NR71は、読出し動作起動信号RGE1Bと読出しデータラッチ制御信号SLEのNOR演算を行い、演算結果をNMOSトランジスタMN711のゲート電極に入力する。NOR回路NR72は、読出し動作起動信号RGE2Bと読出しデータラッチ制御信号SLEのNOR演算を行い、演算結果をNMOSトランジスタMN712のゲート電極に入力する。
読出し動作時において、読出し動作起動信号RGE1BとRGE2B、ディスチャージ制御信号DISCを電源電圧VDDから接地電圧VSSに駆動し、NMOSトランジスタMN713を非導通にし、NMOSトランジスタMN711とMN712を導通することにより、センスノード対SNP0と共通データ線CD0およびリファレンス電圧VREFとが接続される。この状態で、メモリセルの読出し信号がビット線からセンスノード対SNP0に発生される。また、メモリセルの読出し信号の増幅時に、読出しデータラッチ制御信号SLEを接地電圧VSSから電源電圧DDに駆動して、ビット線とセンスノード対SNP0を遮断することにより、センスノード対SNP0の負荷容量を軽減かつ均等化することができ、高速かつ確実な読出し動作を行うことが可能となる。なお、読出しゲート起動信号RGE1BとRGE2B、読出しデータラッチ制御信号SLE、ディスチャージ制御信号DISCは、他の読み書き回路RW1〜RW15内の読出しゲートにも同様に接続される。
プリチャージ回路PCCは、センスノート対SNP0の間に接続されたNMOSトランジスタMN710、読出し電圧VR給電線とセンスノード対SNP0との間に接続されるNMOSトランジスタMN78とMN79とで構成される。これらのNMOSトランジスタのゲート電極には、センスノード・イコライズ信号SNEQが入力される。
待機時において、センスノード・イコライズ信号SNEQを電源電圧VDDに保持し、各NMOSトランジスタを導通することにより、センスノード対SNP0が読出し電圧VRに駆動される。また、読み出し動作の初期において、プリチャージ回路PCCは、読出しゲートRGとマルチプレクサMUX0内のカラム選択スイッチを介して選択ビット線を読出し電圧VRに駆動する。ここで読出し電圧VRは電源電圧VDDよりも低く、メモリセルの記憶情報が破壊されない、すなわち抵抗性記憶素子が相転移しない程度の電圧に設定されている。また、読出し電圧VRは図示していない降圧回路によって生成される。なお、センスノード・イコライズ信号SNEQと読み出し電圧VRは、他の読み書き回路RW1〜RW15内のプリチャージ回路にも同様に接続される。
センスアンプSAは、NMOSトランジスタMN75、MN76、PMOSトランジスタMP72、MP73から構成されるラッチと、ラッチと電源電圧VDD給電線との間に接続されたPMOSトランジスタMP71、ラッチと接地電圧VSS給電線との間に接続されたNMOSトランジスタMN77、インバータINV71、INV72とで構成される。インバータINV71は、読出しデータラッチ制御信号SLEの反転信号をPMOSトランジスタMP71のゲート電極とインバータINV72に入力する。インバータINV72は、インバータINV71の出力信号の反転信号をNMOSトランジスタMN77のゲート電極に入力する。センスアンプSAは、読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧から電源電圧VDDに駆動されることにより活性化され、センスノード対SNP0に発生された微小なメモリセルの読出し信号を増幅し保持する。このように、センスアンプをクロスカップル型とし増幅機能とラッチ機能を持たせることにより、面積増加を抑制し高速なセンス動作を可能としている。なお、読出しデータラッチ制御信号SLEは、他の読み書き回路RW1〜RW15内のセンスアンプにも同様に接続される。
読出しデータラッチ制御信号SLEは、図1に示した読出しデータラッチ制御回路LATRCにより出力される。読出しデータラッチ制御回路LATRCに入力される基準信号RSは、実施の形態1と異なり、待機状態においては接地電圧VSSに保持される。一方、読出し動作時とベリファイ動作時においては、ワード線が電源電圧VDDに駆動されるのと同じタイミングで接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。
図31は、図28に示した相変化メモリにおける比較回路CMPの構成例を示している。比較回路CMPは、読み出しデータ制御信号SLEを入力としノードN0にその反転信号を出力するインバータINV81、ノードN0の信号を入力としノードN1にその反転信号を出力するインバータINV82、書換えデータラッチ線LWDT0の信号を入力としその反転信号を出力するインバータINV83、センスノードSNT0とノードN2との間に接続されたCMOSスイッチCSW81、センスノードSNB0とノードN3との間に接続されたCMOSスイッチCSW82、電源電圧VDD給電線とノードN2の間に接続されたPMOSスイッチMP81、電源電圧VDD給電線とノードN3の間に接続されたPMOSスイッチMP82、ノードN2の信号と書換えデータラッチ線LWDT0の信号のNAND演算を行いノードN4に出力するNAND回路ND81、ノードN3の信号とインバータINV83の出力信号のNAND演算を行いノードN5に出力するNAND回路ND82、NAND回路ND81とNAND回路ND82の出力信号のNAND演算を行い、比較信号EOR0を出力するNAND回路ND83より構成される。PMOSトランジスタMP81とMP82のゲート電極にはノードNが接続される。CMOSスイッチCSW81とCSW82はノードN0とN1の信号により制御される。
読出し動作時とベリファイ動作時において、読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されることにより、センスノード対SNP0よりセンスアンプSAにより増幅されたメモリセルの読出し信号がNAND回路ND81とND82に入力され、書換えデータラッチ線LWDT0との比較結果が比較信号EOR0として出力される。待機時において、ノードN2とN3がそれぞれ電源電圧VDDに駆動されるので、比較信号EOR0は電源電圧VDDに駆動される。このような構成と動作とすることにより、読出し動作時のセンスノード対SNP0の負荷容量を均等化し、確実な読出し動作を行うことが可能となる。また、待機時に、中間電圧に保持されるセンスノード対SNP0とNAND回路ND81とND82は切断されているので、無駄な電力の消費を抑制できる。
次に、これまで述べた要素回路を用いた図28の相変化メモリのベリファイ書換え動作について説明する。ベリファイ書換え動作のフローは図16に示したものと同じである。図32及び図33は、図16のステップS11に対応するアドレス・データ取り込みとステップS12に対応する書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。ここでは、一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を書換える場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00に記憶情報‘1’を、MC0120に記憶情報‘0’を書込む場合について述べる。
まず、電源電圧VDDとなっている書換え起動信号WEBを接地電圧VSSに駆動する。同時に、接地電圧VSSとなっている書換えクロックWCLKBを電源電圧VDDに駆動することにより、制御論理回路CLGCにより、接地電圧VSSとなっている入力ゲート起動信号IGEが電源電圧VDDに駆動され、電源電圧VDDとなっている書換えデータラッチ制御信号WLEとディスチャージ制御信号DISCが接地電圧VSSに駆動される。この制御により、入出力制御回路IOCは非活性状態とされる。また、メモリセルに書込む記憶情報が入出力線対IOP0〜IOP15から入出力ゲートIOG0〜IOG15を介して対応する書換えデータラッチLATWに保持される。このとき、読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されているので、比較信号EOR0〜EOR15は電源電圧VDDに駆動され、ベリファイ結果信号EORAは接地電圧VSSに駆動される。また、読出しゲートRG内のNMOSトランジスタMN713が非導通とされるので、共通データ線を書換え回路によって駆動できるようになる。
これらの動作と並行して、アドレスも取り込まれ、対応するカラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性化することにより、ビット線BL0、BL8、…、BL120と対応する書換え回路PRGM0〜PRGM15とを接続する。さらに、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動して、書換え回路PRGM0〜PRGM15とメモリセルMC00、MC08、…、MC0120とを接続する。
その後、書換え制御回路PCTLにより、書換えクロックWCLKBの立下がりエッジに同期して、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15が順々に発生される。メモリセルMC00に書込む記憶情報 が‘1’であり、ベリファイ制御信号VEBが電源電圧VDDに駆動されているので、書換え回路PRGM0内のセット回路SCKTは第一のセット起動信号FSE0の反転信号FSB0と第二のセット起動信号SSE0の反転信号SSB0によって活性化され、第一のセット電圧VSET1と第二のセット電圧VSET2がメモリセルMC00に順々に印加される。一方、メモリセルMC0120に書込む記憶情報 が‘0’であり、ベリファイ制御信号VEBが電源電圧VDDに駆動されているので、書換え回路PRGM0内のリセット回路RCKTはリセット起動信号RSTE15の反転信号RSB15によって活性化され、リセット電圧VRSTがメモリセルMC0120に印加される。この後、電源電圧VDDとなっているワード線WL0とベリファイ制御信号VEBを接地電圧VSSに駆動し、ディスチャージ制御信号DISCを電源電圧VDDに駆動し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が行なわれる。
図34及び図35は、図16のステップS13、S14に対応するベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムの例を示している。先の書換え動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報をベリファイする場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’に、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に正しく書換えられ、その他のメモリセルも正しく書換えられたと仮定して説明する。本ベリファイ動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報をベリファイするのではなく、16ビット同時にベリファイする点にある。ベリファイ動作時において、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。
ベリファイ動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、読出しゲートRG内のNMOSトランジスタMN713が非導通状態にされる。その後、電源電圧VDDとなっている読出し動作起動信号RGEB1を接地電圧VSSに駆動することにより、ビット線BL0、BL8、…、BL120と対応する読出し回路RC0〜RC15が接続される。これらのビット線は、対応する読出し回路RC0〜RC15内のプリチャージ回路により、接地電圧VSSから読出し電圧VRに駆動される。次に、電源電圧VDDとなっているセンスノード・イコライズ信号SNEQを接地電圧VSSに駆動して、プリチャージ回路を非活性状態にする。同時に、電源電圧VDDとなっている読出しゲート起動信号RGEB2を接地電圧VSSに駆動して、センスノードSNB0〜SNB15をリファレンス電圧VREFに駆動する。続いて、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動する。ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、ビット線BL0、BL8、…、BL120を駆動する。
同時に、接地電圧VSSとなっている基準信号RSが電源電圧VDDに駆動される。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、基準信号RSを元に発生した遅延信号NDLY2を読出しデータラッチ制御信号SLEとして出力する。読出しデータラッチ制御信号SLEが電源電圧VDDに駆動されることにより、読出し回路RC0〜RC15内のセンスアンプが活性化され、センスノード対SNP0〜SNP15に発生したメモリセルの読出し信号が増幅、保持される。ここで、読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定されている。このため、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の読出し信号を保持するセンスアンプSAは、センスノードSNT0を接地電圧VSSに、センスノードSNB0を電源電圧VDDにそれぞれ駆動し、その状態を保持する。一方、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の読出し信号を保持するセンスアンプSAは、センスノードSNB15を接地電圧VSSに、センスノードSNT15を電源電圧VDDにそれぞれ駆動し、その状態を保持する。
この動作と並行して、読出しデータラッチ制御信号SLEにより比較回路内のCMOSスイッチCSW81とCSW82が導通するので、比較回路は、対応するセンスアンプの保持データと書換えデータラッチのデータを比較し比較信号を発生する。センスノードSNT0が接地電圧VSSに駆動され、センスノードSNB0が電源電圧VDDに駆動され、書換えデータラッチ線LWDT0が電源電圧VDDに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR0が接地電圧VSSに駆動される。一方、センスノードSNT15が電源電圧VDDに駆動され、センスノードSNB15が接地電圧VSSに駆動され、書換えデータラッチ線LWDT15が接地電圧VSSに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR15が接地電圧VSSに駆動される。その他の比較信号EOR1〜EOR14も対応する比較回路により接地電圧VSSに駆動され、論理制御回路CLGCによりベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動される。
その後、電源電圧VDDとなっているワード線WL0を接地電圧VSSに駆動する。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、読出し動作起動信号RGEB1とRGEB2を電源電圧VDDに駆動することにより、読出しゲートRG内のNMOSトランジスタMN713により共通データ線とビット線を接地電圧VSSに駆動する。ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とし、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを電源電圧VDDに駆動し、基準信号RSを接地電圧VSSに駆動する。これにより、読出しデータラッチ制御回路により読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動され、センスアンプを非活性状態とする。その後、センスノード・イコライズ信号SNEQを電源電圧VDDに駆動し、センスノード対SNP0〜SNP15を読出し電圧VRにプリチャージして、待機状態に戻る。この場合、すべてのメモリセルが正しく書換えられているので、ベリファイ書換え動作は終了する。
一方、ベリファイ結果信号EORAが接地電圧VSSに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性状態に保持し、書換え起動信号WEB、ベリファイ制御信号VEB、センスノード・イコライズ信号SNEQを接地電圧VSSに、基準信号RSを電源電圧VDDに保持し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定を終了する。その後、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されるまで、ステップS15からS18に対応する動作が繰返し行なわれる。このとき、比較信号が電源電圧VDDになっている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。
図36及び図37は、ステップS16に対応する書換え動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。説明を簡単にするため、MC0120の再書換え動作が必要であると判断された場合を仮定して説明する。図32及び図33に示した書換え動作と異なる点は次の五点である。第一に、書換え起動信号WEBが接地電圧VSSに保持され、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)は活性化され続けていることである。第二に、書換えデータラッチ制御信号WLEが電源電圧VDDに保持され、入力ゲート起動信号IGEが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、書換えデータラッチのデータは更新されない。第三に、基準信号RSが電源電圧VDDに保持されることにより、読出しデータラッチ制御信号SLEも電源電圧VDDに保持されていることである。第四に、センスノード・イコライズ信号SNEQが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、ステップS13あるいはステップS17で読み出された再書換え前のメモリセルの読出し信号がセンスアンプに保持され続け、比較信号も同じ状態に保持される。第五に、ベリファイ制御信号VEBが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、比較信号が電源電圧VDDに駆動されている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。したがって、比較信号が電源電圧VDDに駆動されているメモリセルMC0120には書換えパルスが印加され、比較信号が接地電圧VSSに駆動されているメモリセルMC00には書換えパルスの印加が停止される。
図38及び図39は、図16のステップS17、S18に対応するベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムの一部の例を示している。
図34及び図35に示したベリファイ動作とベリファイ結果判定と異なる点は次の二点である。第一に、基準信号RSが電源電圧VDDに保持されることにより、読出しデータラッチ制御信号SLEも電源電圧VDDに保持されていることである。第二に、センスノード・イコライズ信号SNEQが接地電圧VSSに保持されていることである。このため、ステップS13あるいはステップS17で読み出された再書換え前のメモリセルの読出し信号がセンスアンプに保持され続け、比較信号も同じ状態に保持された状態でベリファイ動作が開始されることになる。したがって、ベリファイ動作中に、センスアンプにより、再書換え後のメモリセルの読出し信号が増幅、保持できるように、センスアンプを非活性状態にする必要がある。
まず、電源電圧VDDとなっている基準信号RSが接地電圧VSSに駆動され、読出しデータラッチ制御回路LATRCにより読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動される。この結果、センスアンプは非活性状態となる。その後、接地電圧VSSとなっているセンスノード・イコライズ信号SNEQを電源電圧VDDに駆動し、プリチャージ回路を活性状態とすることによりセンスノード対を読出し電圧VRに駆動する。その後の動作は、図34及び図35に示した動作と同じなので、その説明は省略する。
図40及び図41は、図28に示した相変化メモリの読出し動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。先の書換え動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を読み出す場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00が記憶情報‘1’を、MC0120が記憶情報‘0’を記憶しているものと仮定して説明する。
本読出し動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報を読み出すのではなく、16ビット同時に読み出す点にある。読出し動作時において、書換え起動信号WEBは電源電圧VDDに保持されるので、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。読出し動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、読出しゲートRG内のNMOSトランジスタMN713をカットオフする。その後、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性化し、電源電圧VDDとなっている読出し動作起動信号RGEB1を接地電圧VSSに駆動することにより、ビット線BL0、BL8、…、BL120と対応するセンスノードSNT0〜SNT15が接続される。これらのビット線は、対応する読出し回路RC0〜RC15内のプリチャージ回路により、接地電圧VSSから読出し電圧VRに駆動される。次に、電源電圧VDDとなっているセンスノード・イコライズ信号SNEQを接地電圧VSSに駆動して、プリチャージ回路を非活性状態するのと同時に、電源電圧VDDとなっている読出しゲート起動信号RGEB2を接地電圧VSSに駆動して、センスノードSNB0〜SNB15をリファレンス電圧VREFに駆動する。続いて、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動する。ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、ビット線BL0、BL8、…、BL120を駆動する。
ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動するのと同時に、接地電圧VSSとなっている基準信号RSを電源電圧VDDに駆動し、センスアンプが読出しデータを入出力線対IOP0〜IOP115に出力するのに十分な時間保持した後、接地電圧VSSに駆動する。読出しデータラッチ制御回路は、基準信号RSを元に遅延信号NDLY1を読出しデータラッチ制御信号SLEとして出力する。読出しデータラッチ制御信号SLEが電源電圧VDDに駆動されることにより、読出し回路RC0〜RC15内のセンスアンプが活性化され、センスノード対SNP0〜SNP15に発生したメモリセルの読出し信号が増幅され、保持される。読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定されているので、メモリセルの記憶情報を安定して読み出すことができる。このため、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の読出し信号を保持するセンスアンプSAは、センスノードSNT0を接地電圧VSSに、センスノードSNB0を電源電圧VDDにそれぞれ駆動し、その状態を保持する。一方、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の読出し信号を保持するセンスアンプSAは、センスノードSNB15を接地電圧VSSに、センスノードSNT15を電源電圧VDDにそれぞれ駆動し、その状態を保持する。その後、接地電圧VSSとなっている出力ゲート起動信号OGEを電源電圧VDDに駆動し、読み出されたメモリセルの記憶情報を入出力線対IOP0〜IOP15に出力する。出力が完了したら出力ゲート起動信号OGEを接地電圧VSSに駆動する。
最後に、読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動された後、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とし、電源電圧VDDとなっているワード線WL0を接地電圧VSSに駆動し、ディスチャージ制御信号DISC、センスノード・イコライズ信号SNEQ、読出し動作起動信号RGEB1、RGEB2を電源電圧VDDに駆動する。この結果、センスノード対SNP0〜SNP15は読出し電圧VRに駆動され、共通データ線CD0〜CD15、ビット線BL0、BL8、…、BL120は接地電圧VSSに駆動され、待機状態に戻る。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果は次の通りである。センスアンプと読出しデータラッチをクロスカップル型センスラッチで構成したことにより、メモリセルの読出し信号の増幅動作と保持動作が同時に行なえるので、面積増加を抑制しながら、読出し速度を改善することができる。この結果、実施の形態1よりもセンス動作が高速な相変化メモリを実現することができる。
本実施の形態4において、リファレンス電圧VREFを温度によって変化するようにしてもよい。温度によって、読出しデータラッチ制御信号SLEの出力タイミングが変わってしまう場合、ベリファイ動作時にリセット状態と判別されるメモリセルの抵抗値がずれたり、読み出し動作時にメモリセルの記憶情報を正しく判別できなかったりするという課題がある。このずれを補償するようにリファレンス電圧VREFを変化させることにより、どの温度においてもベリファイ動作と読出し動作を正しく行なうことができる相変化メモリを実現することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5における半導体記憶装置は、セット状態とされるメモリセルの抵抗値の判別を書換え時間の増加なしに行なうことができる相変化メモリである。本実施の形態5における相変化メモリの特徴は、次の二つにある。第一の特徴は、読出しデータラッチ制御回路より読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を出力することである。読出しデータラッチ制御信号SLE1は、ベリファイ動作時における読出しデータラッチのラッチタイミングを、抵抗値がRsmax以下のメモリセルがセット状態であると判別されるように設定される。読出しデータラッチ制御信号SLE3は、ベリファイ動作時における読出しデータラッチのラッチタイミングを、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定される。読出しデータラッチ制御信号SLE2は、読出し動作を安定して行えるように設定される。第二に、読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3のうちの一つの信号を、動作とメモリセルに書込む記憶情報に応じて選択する選択回路を読出し回路毎に設けたことである。このようにすることで、ベリファイ動作時において、セット状態とされるメモリセルの抵抗値とリセット状態とされるメモリセルの抵抗値の判別を、書換え時間の増加なく同時に行うことができる。したがって、より安定した読出し動作を行なうことができる。以上から、実施の形態1よりも、より安定して読出し動作を行なうことができる相変化メモリを実現することができる。以下、実施の形態1との相違点に着目して構成と動作を説明する。
図42は、本発明の実施の形態5による相変化メモリの要部回路ブロックの構成例を示している。図10に示した構成との大きな差異は、次の二点である。第一に、書換えデータラッチ線LWDT0の信号が読出し回路RC0に入力されていることである。第二に、書換え起動信号WEBが読出し回路RC0に入力されていることである。
図43は、本実施の形態5における読出し回路RC0の具体的な構成例を示している。本回路と図1に示した読出し回路RC0との差異は、次の二点である。第一に、ディレイ選択回路DLYSELが追加されていることである。第二に、ディレイ選択回路DLYSELにより、後述する読出しデータラッチ制御用の遅延回路により発生される読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3のうちの一つが選択され、読出しデータラッチ制御信号SLE00が出力されることである。読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3は、図42のRWCPに含まれる。
ディレイ選択回路DLYSELは、書換え起動信号WEBと書換えデータラッチ線LWDT0の信号に応じて、読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3から一つの信号を選択し、読出しデータラッチ制御信号SLE00を出力する。書換え起動信号WEBが電源電圧VDDに駆動されている場合、ディレイ選択回路DLYSELは読み出しデータラッチ制御信号SLE2を選択する。書換え起動信号WEBが電源電圧VSSに駆動され、書換えデータラッチ線LWDT0の信号が電源電圧VDDに駆動されている場合、ディレイ選択回路DLYSELは読み出しデータラッチ制御信号SLE1を選択する。一方、書換え起動信号WEBが電源電圧VSSに駆動され、書換えデータラッチ線LWDT0の信号が電源電圧VSSに駆動されている場合、ディレイ選択回路DLYSELは読み出しデータラッチ制御信号SLE3を選択する。このように、ベリファイ動作時において、書換えデータラッチ線LWDT0の信号に応じて読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3を選択することにより、セット状態とされるメモリセルとリセット状態とされるメモリセルの抵抗値を同時に判定することができる。この結果、ベリファイ動作を一回で済ますことが出来るので、書換え時間を短縮することができる。
図44は、図42に示した制御論理回路CLGCの要部回路ブロックとして、読出しデータラッチ制御用の遅延回路が例示される。制御論理回路CLGCに配置された読出しデータラッチ制御用の遅延回路は、DLY91、DLY92、DLY93から構成される。この場合データラッチ制御回路LATRCは、DLY91、DLY92、DLY93と、夫々の読み書き回路RW0〜RW15に配置されたディレイ選択回路DLYSELにより構成されることになる。
遅延回路DLY91、DLY92、DLY93は基準信号RSから読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を出力する。基準信号RSは、読出し動作時とベリファイ動作時において、電源電圧VDDから接地電圧VSSに駆動された後、ワード線が電源電圧VDDに駆動されるのと同じタイミングで接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。遅延回路DLY91は、例えばM個直列接続されたインバータで構成され、基準信号RSを所定の時間遅延させて読出しデータラッチ制御信号SLE1を生成する。遅延回路DLY92は、例えばM個直列接続されたインバータで構成され、読出しデータラッチ制御信号SLE1を所定の時間遅延させて読出しデータラッチ制御信号SLE2を生成する。遅延回路DLY93は、例えばN個直列接続されたインバータで構成され、読出しデータラッチ制御信号SLE2を所定の時間遅延させて読出しデータラッチ制御信号SLE3を生成する。遅延回路DLY91、DLY92、DLY93を直列に接続して読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を発生されることにより、これらを並列に接続して読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を発生させる場合よりも、読み出しデータラッチ制御回路LATRCの面積を小さくすることができる。
尚、図43で説明したディレイ選択回路DLYSELを制御論理回路CLGCに配置し、夫々の読み出し回路RC0〜RC15に選択信号SLE00〜SLE15を供給するように構成することも可能である。但しその場合には、データラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3の配線長は短くなるが、選択信号SLE00〜SLE15の配線長が長くなる。
遅延回路DLY91の遅延時間td1は、ベリファイ動作時において、セット状態とされるメモリセルの抵抗値がRsmax以下のメモリセルがセット状態であると判別されるように設定される。また、遅延回路DLY92の遅延時間td2は、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定される。さらに、遅延回路DLY93の遅延時間td3は、ベリファイ動作時において、リセット状態とされるメモリセルの抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定される。遅延回路DLY91、DLY92、DLY93の遅延時間を上記のように調整することにより、一つのセンスアンプを用いて、読出し動作とベリファイ動作を行うことができる。
次に、これまで述べた要素回路を用いた図42の相変化メモリのベリファイ書換え動作について説明する。図45は、ベリファイ書換え動作のフローチャートの例である。まず、ステップS31とS32に示すように、メモリセルに書込む記憶情報とアドレスを取り込んだ後、取り込んだアドレスに対応するワード線とビット線に接続する複数のメモリセルに対し書換え動作が行なわれる。その後、ステップS33とS34に示すように、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が行なわれ、すべてのメモリセルの記憶情報が正しく書換えられたと判断された場合、ベリファイ書換え動作は終了する。一方、再書換えが必要と判断された場合、ステップS35に示すように、リセット条件とセット条件を変更し、再び、書換え動作、ベリファイ動作、ベリファイ結果の判定が行なわれる。ステップS32〜S35は、すべてのメモリセルの記憶情報が正しく書換えられたと判断されるまで繰返し行なわれる。ここで、繰り返しの回数に上限を設け、上限に達しても正しく書換えられたと判断されなかった場合には、正しく書換えられなかったメモリセルを不良として扱うように変更しても良い。
次に、図45に示した各ステップに対応するタイミング・ダイアグラムを説明する。ここで、書換え動作は、実施の形態2と同じなので説明は省略する。図46及び図47は、図45のステップS33、S34に対応するベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムの例を示している。一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報をベリファイする場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’に、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に正しく書換えられ、その他のメモリセルも正しく書換えられたと仮定して説明する。本ベリファイ動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報をベリファイするのではなく、16ビット同時にベリファイする点にある。ベリファイ動作時において、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。
ベリファイ動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35が非導通状態にされる。その後、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のNMOSトランジスタMN33をカットオフする。同時に、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPをクランプ電圧VCLPに駆動することにより、センスノードSN0〜SN15が対応するビット線BL0、BL8、…、BL120に接続される。その後、電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32によりセンスノードSN0〜SN15が電源電圧VDDにプリチャージされ、センスアンプによってセンスアンプ出力線SO0〜SO15が接地電圧VSSに駆動される。また、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN34がクランプ電圧VCLPに駆動されているので、ビット線BL0、BL8、…、BL120が読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動し、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32をカットオフする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
この動作と並行して、電源電圧VDDとなっている基準信号RSを接地電圧VSSにした後、ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動するのと同時に、電源電圧VDDに駆動する。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、基準信号RSを元に読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を出力する。
書換えデータ線ラッチ線LWDT0は電源電圧VDDに駆動されているので、読出し回路RC0において、読出しデータラッチ制御信号SLE1が選択され、読出しデータラッチ制御信号SLE00が生成される。読出しデータラッチ制御信号SLE1は、セット状態とされるメモリセルの抵抗値がRsmax以下の場合にセット状態であると判別されるように設定される。このため、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の読出し信号を保持する読出しデータラッチは読出しデータ線RDT0を電源電圧VDDに駆動し、その状態を保持する。一方、書換えデータラッチ線LWDT15は電源電圧VSSに駆動されているので、読出し回路RC15において、読出しデータラッチ制御信号SLE3が選択され、読出しデータラッチ制御信号SLE15が生成される。読出しデータラッチ制御信号SLE3は、リセット状態とされるメモリセルの抵抗値がRrmin以上の場合にリセット状態であると判別されるように設定される。このため、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の読出し信号を保持する読出しデータラッチは読出しデータ線RDT15を接地電圧VSSに駆動し、その状態を保持する。
これらの動作と並行して、比較回路は、対応する読み出しデータラッチのデータと書換えデータラッチのデータを比較し比較信号を発生する。読出しデータ線RDT0と書換えデータラッチ線LWDT0がそれぞれ電源電圧VDDに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR0が接地電圧VSSに駆動される。一方、読出しデータ線RDT15と書換えデータラッチ線LWDT15がそれぞれ接地電圧VSSに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR15が接地電圧VSSに駆動される。その他の比較信号EOR1〜EOR14も対応する比較回路により接地電圧VSSに駆動され、論理制御回路CLGCによりベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動される。
その後、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動する。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により共通データ線とセンスノードを接地電圧VSSに駆動する。また、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とし、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを電源電圧VDDに駆動し、待機状態に戻る。この場合、すべてのメモリセルが正しく書換えられているので、ベリファイ書換え動作は終了する。
一方、ベリファイ結果信号EORAが接地電圧VSSに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性状態に保持し、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを接地電圧VSSに保持し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が終了する。その後、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されるまで、ステップS32からS35に対応する動作が繰返し行なわれる。このとき、比較信号が電源電圧VDDになっている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。
次に、読出し動作を説明する。図48及び図49は、図42に示した相変化メモリの読出し動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。先のベリファイ動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を読み出す場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’を、MC0120は記憶情報‘0’を記憶しているものと仮定して説明する。本読出し動作の特徴は、書換え動作のように1ビットずつ時分割に情報を読み出すのではなく、16ビット同時に読み出す点にある。読出し動作時において、書換え起動信号WEBは電源電圧VDDに保持されるので、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。
読出し動作が開始されると、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN35が非導通状態にされる。その後、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性化した後、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPがクランプ電圧VCLPに駆動し、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のNMOSトランジスタMN33を非導通とされ、センスノードSN0〜SN15が対応するビット線BL0、BL8、…、BL120に接続される。電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBが接地電圧VSSに駆動することにより、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32によりセンスノードSN0〜SN15が電源電圧VDDにプリチャージされ、センスアンプによってセンスアンプ出力線SO0〜SO15が接地電圧VSSに駆動される。また、共通データ線制御回路CDC内のNMOSトランジスタMN34がクランプ電圧VCLPに駆動されているので、ビット線BL0、BL8、…、BL120が読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動しセンスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32をカットオフする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動することにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
この動作と並行して、電源電圧VDDとなっている基準信号RSを接地電圧VSSにした後、ワード線WL0を電源電圧VDDに駆動するのと同時に、電源電圧VDDに駆動する。読出しデータラッチ制御回路LATRCは、基準信号RSを元に読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を出力する。
書換え起動信号WEBが電源電圧VDDに駆動されているので、各読出し回路において、読出しデータラッチ制御信号SLE2が選択され、読出しデータラッチ制御信号SLE00〜SLE15が生成される。
読出しデータラッチ制御信号SLE2は、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定されているので、メモリセルの記憶情報を安定して読み出すことができる。今、メモリセルMC00は記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるので、センスアンプ出力線SO0はセンスアンプSAにより接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されている。読出しデータラッチ制御信号SLE00が接地電圧VSSに駆動されることにより、センスアンプ出力線SO0の信号が対応する読出しデータラッチLATRに入力され、読出しデータラッチ制御信号SLE00が電源電圧VDDに駆動されることによりその値が保持される。一方、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるので、センスアンプ出力線SO15は接地電圧VSSに保持される。読出しデータラッチ制御信号SLE15が接地電圧VSSに駆動されることにより、センスアンプ出力線SO15の信号が対応する読出しデータラッチLATRに入力され、読出しデータラッチ制御信号SLE15が電源電圧VDDに駆動されることによりその値が保持される。その後、接地電圧VSSとなっている出力ゲート起動信号OGEを電源電圧VDDに駆動することにより、読み出されたメモリセルの記憶情報を入出力線IO0〜IO15に出力する。
最後に、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、出力ゲート起動信号OGE、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動し、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とする。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により共通データ線とセンスノードを接地電圧VSSに駆動することで、待機状態に戻る。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を、以下にまとめる。第一に、読出しデータラッチ制御回路より読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE2、SLE3を生成することにより、リセット状態とされるメモリセルの抵抗値、メモリセルの記憶情報に加え、セット状態とされるメモリセルの抵抗値を判定できるようになり、より安定した読出し動作を行なうことができる。第二に、ベリファイ動作時において、書換えデータラッチ制御線の信号に応じて、読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3のうちの一つを読出し回路内で選択することにより、セット状態とされるメモリセルとリセット状態とされるメモリセルの抵抗値を同時に判定することができる。この結果、ベリファイ動作を一回で済ますことが出来るので、書換え時間を短縮することができる。以上から、実施の形態1よりも、より安定して読出し動作を行なうことができる相変化メモリを実現することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態6における半導体記憶装置は、リセット電圧の切換え時間を短縮できる相変化メモリである。再書換え動作を行なう前に、リセット電圧を前の書換え動作における電圧よりも高く制御する場合、電圧レベルが安定するまでに時間がかかるという課題がある。この課題を解決するために、リセット回路内で、予め発生した複数のリセット電圧のうちの一つを、複数のMOSトランジスタで選択できるように構成した。したがって、実施の形態2の相変化メモリと比べ、書換え時間を短縮することができる。以下、実施の形態2との相違点に着目して構成と動作を説明する。
図50は、本実施の形態6におけるリセット回路RCKTの構成例を示す図である。図13に示したリセット回路RCKTとの差異は、次の二点である。第一に、リセット回路RCKTに3種類の電圧VRST1、VRST2、VRST3が供給されていることである。第二に、それらの電圧を切り換えるためのPMOSトランジスタMP101、MP102、MP103が追加されていることである。
リセット回路RCKTは、リセット電圧VRST1給電線とノードN101の間に接続されたPMOSトランジスタMP101、リセット電圧VRST2給電線とノードN101の間に接続されたPMOSトランジスタMP102、リセット電圧VRST3給電線とノードN101の間に接続されたPMOSトランジスタMP103、ノードN101と共通データ線CD0の間に接続されたPMOSトランジスタMP104より構成される。PMOSトランジスタMP101のゲート電極には選択信号SEL1が接続され、PMOSトランジスタMP102のゲート電極には選択信号SEL2が接続され、PMOSトランジスタMP103のゲート電極には選択信号SEL3が接続され、PMOSトランジスタMP104のゲート電極には書換え制御論理PCLGの出力信号である制御信号RSBが接続される。電圧VRST1は、リセット状態にするための電圧が最も低いメモリセルに合わせて設定される。電圧VRST3は、リセット状態にするための電圧が最も高いメモリセルに合わせて設定される。このような電圧設定とすることにより、3回の書換え動作で、すべてのメモリセルをリセット状態にすることができる。
次に、リセット回路RCKTの動作を説明する。図51は、書換え動作時におけるリセット回路RCKTの制御信号SEL1、SEL2、SEL3の駆動電圧を示す図である。1回目の書換え動作時において、選択信号SEL1は電源電圧VDDに駆動され、選択信号SEL2とSEL3は接地電圧VSSに駆動されることにより、PMOSトランジスタMP101は導通し、PMOSトランジスタMP102、MP103は非導通とされる。この結果、PMOSトランジスタMP104のソースとリセット電圧給電線VRST1が接続される。その後、制御信号RSBにより、PMOSトランジスタMP104が駆動されることにより、リセット状態とされるメモリセルにリセット電圧VRST1が印加される。メモリセルの抵抗値がRrmin未満と判断され、2回目の書換え動作が行なわれる場合には、選択信号SEL1とSEL3は接地電圧VSSに駆動され、選択信号SEL2は電源電圧VDDに駆動される。このとき、PMOSトランジスタMP102は導通し、PMOSトランジスタMP101、MP103は非導通とされる。この結果、PMOSトランジスタMP104のソースとリセット電圧給電線VRST2が接続される。その後、メモリセルの抵抗値が正しく設定されていないメモリセルに対し、制御信号RSBにより、PMOSトランジスタMP104が駆動されることにより、リセット電圧VRST2が印加される。再び、メモリセルの抵抗値がRrmin未満と判断され、3回目の書換え動作が行なわれる場合には、選択信号SEL1とSEL2は接地電圧VSSに駆動され、選択信号SEL3は電源電圧VDDに駆動される。このとき、PMOSトランジスタMP103は導通し、PMOSトランジスタMP101、MP102は非導通とされる。この結果、PMOSトランジスタMP104のソースとリセット電圧給電線VRST3が接続される。その後、メモリセルの抵抗値が正しく設定されていないメモリセルに対し、書換え制御信号RSBにより、PMOSトランジスタMP104が駆動されることにより、リセット電圧VRST3が印加される。電圧VRST3は、リセット状態にするための電圧が最も高いメモリセルに合わせて設定されているので、3回目の書換え動作後にはメモリセルの抵抗値はすべてRrmin以上に設定される。以上のように、PMOSトランジスタMP101〜MP103のうちの一つを導通させ、リセット電圧を切替えることにより、リセット電圧を電源回路によって切替える場合と比べて、リセット電圧の切替えに要する時間を短縮することができる。この結果、書換え時間を短縮することができる。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を、以下にまとめる。リセット回路に複数のリセット電圧を供給し、MOSトランジスタによってリセット電圧を切り換えることにより、リセット電圧の切換え時間を短縮することができる。この結果、実施の形態2の相変化メモリと比べ、書換え時間を短縮することができる。本実施の形態6において、リセット回路に供給されるリセット電圧の数は3種類であるが、書換え時間に収まる範囲内であれば3種類に限定されず、増減させても良い。
(実施の形態7)
本実施の形態7における半導体記憶装置は、実施の形態1と比べ、読出しデータラッチ制御信号を精度良く発生することができる相変化メモリである。その特徴は次の通りである。すなわち、メモリセルが駆動する容量と同程度の容量を備えたリファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードとリファレンス・共通データ線を接続するリファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードをプリチャージするリファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスノードを駆動する二つのリファレンスセル、リファレンスセルの読出し信号を増幅するリファレンス・センスアンプを備えていることである。リファレンスセル、リファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスアンプは、それぞれ、メモリセル、共通データ線制御回路、センスノード制御回路、センスアンプと同じものである。また、二つのリファレンスセルの抵抗値は所望の値に設定され、一方は読出し動作時に、他方はベリファイ動作時に活性化される。
このような構成することにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタの駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、読出し動作時とベリファイ動作時において、二つのリファレンスセルのうち対応するリファレンスセルの読出し信号を、リファレンス・センスアンプで増幅した信号を読出しデータラッチ制御信号として用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報とメモリセルがリセット状態であることを判別することができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。したがって、読出しデータラッチ制御信号を、実施の形態1よりも精度良く発生することができる半導体記憶装置を実現することができる。以下、実施の形態1との相違点に着目して構成と動作を説明する。
図52は、本発明の実施の形態7による相変化メモリの要部ブロックの構成例を示している。以下、図10に示した構成との差異に着目して相変化メモリの構成を説明する。図10に示した構成との差異は全部で三つある。第一に、メモリセル・アレイMCA内に、(m+1)行×8列の複数のリファレンスセルMCR00〜MCRm7で構成されるリファレンス・サブアレイSMCARを追加したことである。各リファレンスセルMCR00〜MCRm7は、直列接続された記憶素子RMと選択トランジスタQMが、対応するリファレンス・ビット線BLR0〜BLR7と接地電圧VSS給電線との間に接続された構成である。選択トランジスタQMのゲート電極には接地電圧VSS給電線が接続される。
第二に、リファレンス・マルチプレクサMUXRを追加したことである。リファレンス・マルチプレクサMUXRは、マルチプレクサMUX0〜MUX15と同じ構成であり、リファレンス・ビット線BLR0〜BLR7のうちの一本を選択して、後述するリファレンス・読み書き回路RWRに接続する。また、リファレンス・マルチプレクサMUXRは、マルチプレクサMUX0〜MUX15と同様にカラム選択線対群YSPによって制御される。以上説明してきた第一と第二の差異により、読出し動作時、書換え動作時、ベリファイ動作時において、どのリファレンス・ビット線が選択されてもビット線と同じ容量が、リファレンス・読み書き回路RWRに接続できるようにしている。
第三に、リファレンス・読み書き回路RWRが追加されたことである。リファレンス・読み書き回路RWRは、リファレンスセルREFC0、REFCR、リファレンス・読出し回路RCR、リファレンス・書換え回路PRGMRより構成される。リファレンスセルREFC0、REFCR、リファレンス・読出し回路RCR、リファレンス・書換え回路PRGMRは、それぞれリファレンス・共通データ線CDRに接続される。リファレンス・読み書き回路RWRは、制御論理回路CLGCにより発生される読み書き回路制御信号群RWCPと書換え制御信号群PPRによって制御され、読出しデータラッチ制御信号SLEを出力する。生成された読出しデータラッチ制御信号SLEは、読み書き回路RW0〜RW15に入力される。読み書き回路RW0〜RW15内の読出しデータラッチは、読出しデータラッチ制御信号SLEにより対応するセンスアンプの出力をラッチする。
図53は、図52に示した相変化メモリにおけるリファレンス・読み書き回路RWRの構成を示している。リファレンス・読み書き回路RWRは、リファレンス・読出し回路RCR、リファレンス・書き換え回路PRGMR、リファレンスセルREFC0、REFCRより構成される。
リファレンス・読出し回路RCRは、リファレンス・共通データ線CDRとリファレンス・センスノードSNRとの間に接続されるリファレンス・共通データ線制御回路CDCR、リファレンス・センスノードSNRに接続されるリファレンス・センスノード制御回路SNC、リファレンス・センスノードSNRに接続されるリファレンス・センスアンプSARより構成される。リファレンス・共通データ線制御回路CDCRとリファレンス・センスノード制御回路SNCRの、それぞれの構成、動作、制御信号は、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。また、リファレンス・センスアンプSARは、リファレンスセルの読出し信号を増幅することと、その出力信号が読出しデータラッチ制御信号SLEとして用いられることを除いて、構成と動作は、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。
以上のように構成することで、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。
リファレンス・書換え回路PRGMRは、セット回路SCKTとリセット回路RCKTより構成される。セット回路SCKTとリセット回路RCKTは、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。書換え回路PRGMRは、リセット起動信号RSTBR、第一セット信号FSEBR、第二のセット信号SSEBRより構成される書換え制御信号群PPRにより制御され、書換えパルスをリファレンスセルREFC0とREFCRに印加する。つまり、書換え回路PRGMRにより、リファレンスセルREFC0とREFCRの抵抗値を制御することができる。
リファレンスセルREFC0は、記憶素子RM0、選択トランジスタQM0より構成される。選択トランジスタQM0のゲート電極にはリファレンス・ワード線RWL0が接続される。一方、リファレンスセルREFCRは、記憶素子RMR、選択トランジスタQMRより構成される。選択トランジスタQMRのゲート電極にはリファレンス・ワード線RWLRが接続される。リファレンス・ワード線RWL0、RWLRは図52の信号RWCPに含まれる。記憶素子RM0とRMRは、メモリセルを構成する記憶素子と同じものである。また、選択トランジスタQM0とQMRは、メモリセルを構成する選択トランジスタと同じものである。このような構成とすることにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力が電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、選択トランジスタQM0とQMRの駆動能力も同じように変化させることができる。また、記憶素子が温特を持つ場合に、その影響も補償することができる。
次に、リファレンスセルREFC0とREFCRの動作を説明する。待機時において、リファレンス・ワード線RWL0とRWLRは、ともに接地電圧VSSに駆動され、選択トランジスタQM0とQMRは非導通状態にされる。ベリファイ動作時においては、まず、リファレンス・マルチプレクサMUXRによりリファレンス・ビット線が選択される。次に、リファレンス・共通データ線制御回路CDCRにより、リファレンス・共通データ線CDRとリファレンス・センスノードSNRが接続される。その後、リファレンス・センスノード制御回路SNCRにより、リファレンス・センスノードSNRが電源電圧VDDにプリチャージされる。このとき、リファレンス・センスアンプSARの出力信号である読出しデータラッチ制御信号SLEは接地電圧VSSに駆動される。同時に、リファレンス・共通データ線CDRが読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが完了した後、接地電圧VSSとなっているリファレンス・ワード線RWL0は、ワード線と同じタイミングで電源電圧VDDに駆動される。この結果、選択トランジスタQM0が導通状態とされ、リファレンスセルREFC0により、リファレンス・センスノードSNRが駆動される。リファレンス・センスノードSNRの電圧がリファレンス・センスアンプSARの論理しきい値VTHLよりも低くなることにより、リファレンス・センスアンプSARにより、読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。この結果、センスアンプの出力信号が読出しデータラッチに取り込まれる。その後、リファレンス・ワード線RWL0を接地電圧VSSに駆動することにより、待機状態に戻る。読出し動作時においては、リファレンス・ワード線RWLRが電源電圧VDDに駆動されることを除き、ベリファイ動作時と同じなので動作の説明は省略する。
リファレンスセルREFC0、REFCR内の記憶素子RM0とRMRの抵抗値は予め、書換え回路PRGMRにより次のように設定する。記憶素子RM0の抵抗値は、ベリファイ動作時において、抵抗値がリセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように、読出しデータラッチ制御信号が発生されるように設定する。一方、記憶素子RMRの抵抗値は、読出し動作時において、抵抗値がセット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように、読出しデータラッチ制御信号が発生されるように設定する。以上のように、記憶素子RM0とRMRの抵抗値を調整することにより、一つのセンスアンプを用いて、読出し動作とベリファイ動作を行うことができる。
以上のように、読み書き回路RWRを構成することにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタQM0、QMRの駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプSARの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、読出し動作時とベリファイ動作時において、二つのリファレンスセルREFC0とREFCRのうち、対応するリファレンスセルの読出し信号を、リファレンス・センスアンプSARで増幅した信号を読出しデータラッチ制御信号SLEとして用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報とメモリセルがリセット状態であることを判別することができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。
さらに、読出し動作時とベリファイ動作時において、リファレンス・共通データ線CDRに接続する回路は、共通データ線に接続する回路とほぼ同じである。このため、共通データ線CDRに寄生する容量と共通データ線に寄生する容量は同程度である。したがって、抵抗素子RM0の抵抗値は、リセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrminと同程度に設定することができる。また、RMRの抵抗値は、セット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxと抵抗値Rrminの間に設定することができる。
次に、これまで述べた要素回路を用いた図52の相変化メモリのベリファイ動作について、これまで述べた要素回路に着目して説明する。図54及び図55は、図16のステップS13、S14、S17、S18に対応するベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムの例を示している。一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報をベリファイする場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’に、メモリセルMC0120は記憶情報‘0’に正しく書換えられ、その他のメモリセルも正しく書換えられたと仮定して説明する。
ベリファイ動作時において、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧VSSに保持される。ベリファイ動作が開始されると、まず、リファレンス・センスノードSNRとリファレンス・ビット線のプリチャージ動作が行われる。並行して、センスノードSN0〜SN15、ビット線BL0、BL8、…、BL120のプリチャージ動作が行われる。はじめに、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISCを接地電圧VSSに駆動することにより、リファレンス・共通データ線制御回路CDCR内のNMOSトランジスタMN35を非導通状態にする。その後、電源電圧VDDとなっているディスチャージ制御信号DISSを接地電圧VSSに駆動することにより、リファレンス・センスノード制御回路SNCR内のNMOSトランジスタMN33を非導通状態にする。また、接地電圧VSSとなっているクランプ信号CLPをクランプ電圧VCLPに駆動することにより、リファレンス・センスノードSNRがリファレンス・ビット線BLR0を接続する。さらに、電源電圧VDDとなっているプリチャージ制御信号PCSBを接地電圧VSSに駆動することにより、リファレンス・センスノード制御回路SNCR内のPMOSトランジスタMP32によりリファレンス・センスノードSNRが電源電圧VDDにプリチャージする。リファレンス・センスノードSNRの電圧に応じて、リファレンス・センスアンプSARは、読出しデータラッチ制御信号SLEを電源電圧VDDから接地電圧VSSに駆動する。一方、リファレンス・ビット線BLR0は、クランプ電圧VCLPで制御されたNMOSトランジスタMN34によって降圧された読出し電圧VRにプリチャージされる。これらの動作と並行して、センスノードSN0〜SN15は電源電圧VDDに、ビット線BL0、BL8、…、BL120は接地電圧VSSにプリチャージされる。また、センスノードSN0〜SN15の電圧に応じて、対応するセンスアンプにより、センスアンプ出力線SO0〜SO15が接地電圧VSSに駆動される。
プリチャージが終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動し、リファレンス・センスノード制御回路SNCR内のPMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。また、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動する。これにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
これと同時に、接地電圧VSSとなっているリファレンス・ワード線RWL0を電源電圧VDDに駆動する。これにより、リファレンスセルREFC0を活性化して、リファレンス・センスノードSNRを駆動する。リファレンス・センスノードSNRの電圧がリファレンス・センスアンプSARの論理しきい値VTHLより低くなることにより、読出しデータラッチ制御信号SLEが、接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。
読出しデータラッチ制御信号SLEが、接地電圧VSSに駆動されている間に、センスアンプ出力線の信号が読出しデータラッチに取り込まれて、読出しデータ線RDTに出力される。その後、読出しデータラッチ制御信号SLEを電源電圧VDDに駆動することにより、読出しデータ線RDTの出力が保持される。ここで、読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がリセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように設定されている。今、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の抵抗値を判別する場合、センスアンプ出力線SO0は対応するセンスアンプにより接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されるので、対応する読出しデータラッチは、対応する読出しデータ線RDT0を電源電圧VDDに駆動し、その状態を保持する。一方、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の抵抗値を判別する場合、センスアンプ出力線SO15は接地電圧VSSに保持されているので、対応する読出しデータラッチは、対応する読出しデータ線RDT15を接地電圧VSSに駆動し、その状態を保持する。
このとき、比較回路は、対応する読み出しデータラッチのデータと書換えデータラッチのデータを比較し比較信号を発生する。今、読出しデータ線RDT0と書換えデータラッチ線LWDT0がそれぞれ電源電圧VDDに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR0が接地電圧VSSに駆動される。一方、読出しデータ線RDT15と書換えデータラッチ線LWDT15がそれぞれ接地電圧VSSに駆動されているので、対応する比較回路により比較信号EOR15が接地電圧VSSに駆動される。その他の比較信号EOR1〜EOR14も対応する比較回路により接地電圧VSSに駆動され、論理制御回路CLGCによりベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動される。
最後に、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、リファレンス・ワード線RWL0、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動する。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、リファレンス・共通データ線制御回路CDCRとリファレンス・センスノード制御回路SNCRによりリファレンス・共通データ線CDRとリファレンス・センスノードSNRを接地電圧VSSに駆動する。並行して、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により、共通データ線CD0〜CD15とセンスノードSN0〜SN15も接地電圧VSSに駆動する。
ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とし、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを電源電圧VDDに駆動し、待機状態に戻る。この場合、すべてのメモリセルが正しく書換えられているので、ベリファイ書換え動作は終了する。一方、ベリファイ結果信号EORAが接地電圧VSSに駆動されている場合、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を活性状態に保持し、書換え起動信号WEBとベリファイ制御信号VEBを接地電圧VSSに保持し、ベリファイ動作とベリファイ結果の判定が終了する。その後、ベリファイ結果信号EORAが電源電圧VDDに駆動されるまで、ステップS15からS18に対応する動作が繰返し行なわれる。このとき、比較信号が電源電圧VDDになっている書換え回路に対応するメモリセルのみに書換えパルスが印加される。
次に、図52に示した相変化メモリの読出し動作について、これまでの述べた要素回路に着目して説明する。図56及び図57は、図52に示した相変化メモリの読出し動作におけるタイミング・ダイアグラムの例を示している。先のベリファイ動作と同様に一例として、ワード線WL0上の128個のメモリセルのうち、8セル毎に16個のメモリセルMC00、MC08、…、MC0120の記憶情報を読み出す場合の動作を説明する。また、説明を簡単にするために、特にメモリセルMC00は記憶情報‘1’を、MC0120は記憶情報‘0’を記憶しているものと仮定して説明する。読出し動作時において、書換え起動信号WEBは電源電圧VDDに保持されるので、リセット起動信号RSTE0〜RSTE15、第一のセット起動信号FSE0〜FSE15、第二のセット起動信号SSE0〜SSE15は接地電圧に保持される。また、ベリファイ制御信号VEBは電源電圧VDDに保持される。
読出し動作が開始されると、まずプリチャージ動作が行われる。この動作は、ベリファイ動作と同じなので省略する。
プリチャージ動作が終了した後、接地電圧VSSに駆動されているプリチャージ制御信号PCSBを電源電圧VDDに駆動し、リファレンス・センスノード制御回路SNCR内のPMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。また、センスノード制御回路SNC内のPMOSトランジスタMP32を非導通状態にする。その後、ワードドライバ制御信号WDEを活性化して、接地電圧VSSとなっているワード線WL0を電源電圧VDDに駆動する。これにより、メモリセルMC00、MC08、…、MC0120を活性化して、センスノードSN0〜SN15を駆動する。
これと同時に、接地電圧VSSとなっているリファレンス・ワード線RWLRを電源電圧VDDに駆動する。これにより、リファレンスセルREFCRを活性化して、リファレンス・センスノードSNRを駆動する。リファレンス・センスノードSNRの電圧がリファレンス・センスアンプSARの論理しきい値VTHLより低くなることにより、読出しデータラッチ制御信号SLEが、接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。
読出しデータラッチ制御信号SLEが接地電圧VSSに駆動されている間に、センスアンプ出力線の信号が読出しデータラッチに取り込まれて、読出しデータ線RDTに出力される。その後、読出しデータラッチ制御信号SLEを電源電圧VDDに駆動することにより、読出しデータ線RDTの出力が保持される。ここで、読出しデータラッチ制御信号SLEは、抵抗値がセット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がRrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように設定されている。今、記憶情報‘1’に応じた低抵抗状態にあるメモリセルMC00の記憶情報を判別する場合、センスアンプ出力線SO0は対応するセンスアンプにより接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動されるので、対応する読出しデータラッチは、対応する読出しデータ線RDT0を電源電圧VDDに駆動し、その状態を保持する。一方、記憶情報‘0’に応じた高抵抗状態にあるメモリセルMC0120の記憶情報を判別する場合、センスアンプ出力線SO15は接地電圧VSSに保持されているので、対応する読出しデータラッチは、対応する読出しデータ線RDT15を接地電圧VSSに駆動し、その状態を保持する。その後、接地電圧VSSとなっている出力ゲート起動信号OGEを電源電圧VDDに駆動することにより、読み出されたメモリセルの記憶情報を入出力線IO0〜IO15に出力する。
最後に、電源電圧VDDとなっているワード線WL0、リファレンス・ワード線RWLR、出力ゲート起動信号OGE、クランプ信号CLPを接地電圧VSSに駆動し、カラム選択信号対(YS0T、YS0B)を非活性状態とする。同時に、ディスチャージ制御信号DISC、DISSを電源電圧VDDに駆動することにより、リファレンス・共通データ線制御回路CDCRとリファレンス・センスノード制御回路SNCRにより、リファレンス・共通データ線CDRとリファレンス・センスノードSNRを接地電圧VSSに駆動する。並行して、共通データ線制御回路とセンスノード制御回路により、共通データ線CD0〜CD15とセンスノードSN0〜SN15も接地電圧VSSに駆動することにより、待機状態に戻る。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を以下にまとめる。第一に、メモリセルが駆動する容量と同程度の容量を備えたリファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードとリファレンス・共通データ線を接続するリファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードをプリチャージするリファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスノードを駆動する二つのリファレンスセル、リファレンスセルの読出し信号を増幅するリファレンス・センスアンプを備えた構成とした。リファレンスセル、リファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスアンプは、それぞれ、メモリセル、共通データ線制御回路、センスノード制御回路、センスアンプと同じものである。このような構成とすることにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタの駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、読出し動作時とベリファイ動作時において、二つのリファレンスセルのうち対応するリファレンスセルの読出し信号を、リファレンス・センスアンプで増幅した信号を読出しデータラッチ制御信号として用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報とメモリセルがリセット状態であることを判別することができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。この結果、読出しデータラッチ制御信号を、実施の形態1よりも精度良く発生することができる半導体記憶装置を実現することができる。
第二に、読出し動作時とベリファイ動作時において、リファレンス・共通データ線CDRに接続する回路は、共通データ線に接続する回路とほぼ同じにすることができる。したがって、共通データ線CDRに寄生する容量と共通データ線に寄生する容量は同程度にすることができる。この結果、抵抗素子RM0の抵抗値は、リセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrminと同程度に設定することができる。また、RMRの抵抗値は、セット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxと抵抗値Rrminの間に設定することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態8の半導体記憶装置は、実施の形態7と比べ、読出し動作とベリファイ動作の回数を増やしても、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる相変化メモリである。その特徴は、図58に示すように、記憶素子の代わりに、例えば、ポリシリコンで形成された抵抗素子RMP0、RMPRを用いて、リファレンスセルREFC0とREFCRを構成したことである。このような構成とすることにより、読出し動作とベリファイ動作を繰り返し行っても、所謂ソフトライトにより、抵抗値が変化する恐れがない。この結果、実施の形態7と比べ、読出し動作とベリファイ動作の回数を増やしても、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態9の半導体記憶装置は、ソフトライトが起こることがなく、実施の形態8と比べ、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる相変化メモリである。その特徴は、図59に示すように、ポリシリコンで形成された抵抗素子RMP0、RMPRの代わりに、NMOSトランジスタQM0R、QMRRを用いて、リファレンスセルREFC0とREFCRを構成したことである。NMOSトランジスタQM0R、QMRRのゲート電圧は、それぞれ、温度によって出力電圧が変わる電圧発生回路VBGEN0、VBGENRにより発生した電圧VB0、VBRにより制御する。このような構成とし、メモリセルの温度特性に合わせて、NMOSトランジスタQM0R、QMRRの駆動能力を制御することにより、メモリセルの温度特性を補償して、読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。以上のような構成とすることにより、実施の形態8よりも、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。また、NMOSトランジスタQM0R、QMRRにより記憶素子の特性を模擬することにより、ソフトライトが起こることがない。したがって、読出し動作とベリファイ動作の回数を増やしても、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態10における半導体記憶装置は、実施の形態5と比べ、読出しデータラッチ制御信号を精度良く発生することができ、安定した読出し動作を行うことができる相変化メモリである。その特徴は次の通りである。すなわち、メモリセルが駆動する容量と同程度の容量を備えたリファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードとリファレンス・共通データ線を接続するリファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・ビット線、リファレンス・センスノードをプリチャージするリファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスノードを駆動する二つのリファレンスセル、リファレンスセルの読出し信号を増幅するリファレンス・センスアンプの組を三つ備えていることである。リファレンスセル、リファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・センスアンプは、それぞれ、メモリセル、共通データ線制御回路、センスノード制御回路、センスアンプと同じものである。また、三つのリファレンスセルの抵抗値は所望の値に設定される。
このような構成することにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタの駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、三つのリファレンスセルの読出し信号を、対応するリファレンス・センスアンプで増幅した信号のうちの一つを選択して、読出しデータラッチ制御信号として用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報とメモリセルがリセット状態であることの判別、メモリセルがセット状態であることの判別を行うことができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。したがって、読出しデータラッチ制御信号を、実施の形態5よりも精度良く発生することができる半導体記憶装置を実現することができる。以下、実施の形態5との相違点に着目して構成と動作を説明する。
図60は、本発明の実施の形態10による相変化メモリの要部ブロックの構成例を示している。以下、図42に示した構成との差異に着目して相変化メモリの構成を説明する。図42に示した構成との差異は全部で三つある。第一に、メモリセル・アレイMCA内に、(m+1)行×8列の複数のリファレンスセルMCR100〜MCR1m7で構成されるリファレンス・サブアレイSMCAR1〜SMCAR3を追加したことである。各リファレンスセルMCR100〜MCR1m7、リファレンスセルMCR200〜MCR2m7、リファレンスセルMCR300〜MCR3m7、は、直列接続された記憶素子RMと選択トランジスタQMが、対応するリファレンス・ビット線BLR10〜BLR17、リファレンス・ビット線BLR20〜BLR27、リファレンス・ビット線BLR30〜BLR37と接地電圧VSS給電線との間に接続された構成である。選択トランジスタQMのゲート電極には接地電圧VSS給電線が接続される。
第二に、リファレンス・マルチプレクサMUXR1〜MUXR3を追加したことである。リファレンス・マルチプレクサMUXR1〜MUXR3は、マルチプレクサMUX0〜MUX15と同じ構成であり、それぞれリファレンス・ビット線BLR10〜BLR17、リファレンス・ビット線BLR20〜BLR27、リファレンス・ビット線BLR30〜BLR37のうちの一本を選択して、後述するリファレンス・読み書き回路RWR1、RWR2、RWR3に接続する。また、リファレンス・マルチプレクサMUXR1〜MUXR3は、マルチプレクサMUX0〜MUX15と同様にカラム選択線対群YSPによって制御される。以上説明してきた第一と第二の差異により、読出し動作時、書換え動作時、ベリファイ動作時において、どのリファレンス・ビット線が選択されてもビット線と同じ容量が、リファレンス・読み書き回路に接続できるようにしている。
第三に、リファレンス・読み書き回路RWR1〜RWR3が追加されたことである。リファレンス・読み書き回路RWR1〜RWR3は、例えば、RWR1は、リファレンスセルREFC1、リファレンス・読出し回路RCR1、リファレンス・書換え回路PRGMR1より構成される。リファレンスセルREFC1、リファレンス・読出し回路RCR1、リファレンス・書換え回路PRGMR1は、それぞれリファレンス・共通データ線CDR1に接続される。リファレンス・読み書き回路RWR1は、制御論理回路CLGCにより発生される読み書き回路制御信号群RWCPと書換え制御信号群PPR1によって制御され、読出しデータラッチ制御信号SLE1を出力する。同様に、RWR2は、読出しデータラッチ制御信号SLE2を出力する。また、RWR3は、読出しデータラッチ制御信号SLE3を出力する。生成された読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3は、読み書き回路RW0〜RW15に入力される。図43に示したディレイ選択回路DLYSELは、書換え起動信号と書換えデータラッチ線の信号に応じて、読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3のうちの一つを選択する。読出しデータラッチは、選択された信号により、対応するセンスアンプの出力をラッチする。
図61は、図60に示した相変化メモリにおけるリファレンス・読み書き回路、例えばRWR1の構成を示している。リファレンス・読み書き回路RWR1は、リファレンス・読出し回路RCR1、リファレンス・書き換え回路PRGMR1、リファレンスセルREFC1より構成される。リファレンス・読み書き回路RWR2とRWR3の構成も、リファレンスセルを除き同じである。
リファレンス・読出し回路RCR1は、リファレンス・共通データ線CDR1とリファレンス・センスノードSNR1との間に接続されるリファレンス・共通データ線制御回路CDCR1、リファレンス・センスノードSNR1に接続されるリファレンス・センスノード制御回路SNCR1、リファレンス・センスノードSNR1に接続されるリファレンス・センスアンプSAR1より構成される。リファレンス・共通データ線制御回路CDCR1とリファレンス・センスノード制御回路SNCR1の、それぞれの構成、動作、制御信号は、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。また、リファレンス・センスアンプSAR1は、リファレンスセルの読出し信号を増幅することと、その出力信号が読出しデータラッチ制御信号SLE1として用いられることを除いて、構成と動作は、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。
以上のように構成することで、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。
リファレンス・書換え回路PRGMR1は、セット回路SCKTとリセット回路RCKTより構成される。セット回路SCKTとリセット回路RCKTは、読み書き回路RW0〜RW15内に含まれるものと同じである。書換え回路PRGMR1は、リセット起動信号RSTBR1、第一セット信号FSEBR1、第二のセット信号SSEBR1より構成される書換え制御信号群PPR1により制御され、書換えパルスをリファレンスセルREFC1に印加する。つまり、書換え回路PRGMR1により、リファレンスセルREFC1の抵抗値を制御することができる。
リファレンスセルREFC1は、記憶素子RM1、選択トランジスタQM1より構成される。記憶素子RM1は、メモリセルを構成する記憶素子と同じものである。また、選択トランジスタQM1は、メモリセルを構成する選択トランジスタと同じものである。このような構成とすることにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力が電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、選択トランジスタQM1の駆動能力も同じように変化させることができる。また、記憶素子が温特を持つ場合に、その影響も補償することができる。一方、リファレンスセルREFC2、REFC3の構成は、記憶素子の抵抗値を除き、リファレンスセルREFC1と同じである。
次に、リファレンスセルREFC1〜REFC3の動作を説明する。待機時において、リファレンス・ワード線RWLは接地電圧VSSに駆動され、選択トランジスタQM1〜QM3は非導通状態にされる。ベリファイ動作時においては、まず、リファレンス・マルチプレクサMUXR1〜MUXR3により、対応するリファレンス・ビット線が選択される。次に、リファレンス・共通データ線制御回路により、対応するリファレンス・共通データ線と対応するリファレンス・センスノードが接続される。その後、リファレンス・センスノード制御回路により、対応するリファレンス・センスノードが電源電圧VDDにプリチャージされる。このとき、リファレンス・センスアンプの出力信号である読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3は、接地電圧VSSに駆動される。同時に、リファレンス・共通データ線が読出し電圧VRにプリチャージされる。プリチャージが完了した後、接地電圧VSSとなっているリファレンス・ワード線RWLは、ワード線と同じタイミングで電源電圧VDDに駆動される。この結果、選択トランジスタQM1〜QM3が導通状態とされ、リファレンスセルREFC1〜REFC3により、対応するリファレンス・センスノードが駆動される。リファレンス・センスノードの電圧がリファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLよりも低くなることにより、リファレンス・センスアンプにより、対応する読出しデータラッチ制御信号が接地電圧VSSから電源電圧VDDに駆動される。生成された読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3は、読み書き回路RW0〜RW15に入力される。図43に示したディレイ選択回路は、書換えデータラッチ線の信号に応じて、読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3のうちの一つを選択する。読出しデータラッチは、選択された信号により、対応するセンスアンプの出力をラッチする。その後、リファレンス・ワード線RWLを接地電圧VSSに駆動することにより、待機状態に戻る。読出し動作時においては、図43に示したディレイ選択回路が、読出しデータラッチ制御信号SLE2を選択することを除き、ベリファイ動作時と同じなので動作の説明は省略する。
リファレンスセルREFC1〜REFC3内の記憶素子RM1〜RM3の抵抗値は予め、対応する書換え回路PRGMR1〜PRGMR3により次のように設定する。記憶素子RM1の抵抗値は、ベリファイ動作時において、抵抗値がセット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmax以下のメモリセルがセット状態であると判別されるように、読出しデータラッチ制御信号SLE1が発生されるように設定する。また、記憶素子RM2の抵抗値は、読出し動作時において、抵抗値がRsmaxであるセット状態のメモリセルと、抵抗値がリセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrminであるリセット状態のメモリセルの記憶情報を、センスアンプによりマージンを持って判別できるように、読出しデータラッチ制御信号SLE2が発生されるように設定する。さらに、記憶素子RM3の抵抗値は、ベリファイ動作時において、抵抗値がRrmin以上のメモリセルがリセット状態であると判別されるように、読出しデータラッチ制御信号SLE3が発生されるように設定する。以上のように、記憶素子RM1〜RM3の抵抗値を調整することにより、一つのセンスアンプを用いて、読出し動作と、セット状態とされるメモリセルの抵抗値とリセット状態とされるメモリセルの抵抗値のベリファイ動作を行うことができる。
以上のように、読み書き回路RWR1〜RWR3を構成することにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタQM1〜QM3の駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、読出し動作時とベリファイ動作時において、リファレンスセルREFC1〜REFC3の読出し信号を、対応するリファレンス・センスアンプで増幅した信号を読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3として用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報と、セット状態とされるメモリセルの抵抗値とリセット状態とされるメモリセルの抵抗値を判別することができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。
さらに、読出し動作時とベリファイ動作時において、リファレンス・共通データ線に接続する回路は、共通データ線に接続する回路とほぼ同じである。このため、共通データ線に寄生する容量と共通データ線に寄生する容量は同程度である。したがって、抵抗素子RM1の抵抗値は、セット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxと同程度に設定することができる。また、RM2の抵抗値は、抵抗値Rsmaxとリセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrminの間に設定することができる。さらに、抵抗素子RM3の抵抗値は、抵抗値Rrminと同程度に設定することができる。
これまで述べた要素回路を用いた図60の相変化メモリのベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムと、読出し動作を行うタイミング・ダイアグラムは、読出しデータラッチ制御信号SLE1〜SLE3の発生方法を除き、実施の形態5と同じなので省略する。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を以下にまとめる。第一に、メモリセルが駆動する容量と同程度の容量を備えたリファレンス・ビット線、リファレンス・ビット線をプリチャージするリファレンス・共通データ線制御回路、リファレンス・センスノード制御回路、リファレンス・ビット線を駆動するリファレンスセル、リファレンスセルの読出し信号を増幅するリファレンス・センスアンプの組を三つ備えた構成とした。リファレンスセル、リファレンス・ビット線をプリチャージする回路、リファレンスセルの読出し信号を増幅するリファレンス・センスアンプは、それぞれ、メモリセル、ビット線をプリチャージする回路、メモリセルの読出し信号を増幅するセンスアンプと同じものである。このような構成とすることにより、メモリセル内の選択トランジスタの駆動能力、ビット線のプリチャージ電圧、センスアンプの論理しきい値VTHLが、電源電圧、温度の影響を受けて変化しても、リファレンスセル内の選択トランジスタの駆動能力、リファレンス・ビット線のプリチャージ電圧、リファレンス・センスアンプの論理しきい値VTHLも同じように変化させることができる。したがって、読出し動作時とベリファイ動作時において、三つのリファレンスセルの読出し信号を、対応するリファレンス・センスアンプで増幅した信号のうちの一つを選択して、読出しデータラッチ制御信号として用いることにより、電源電圧、温度の影響を補償して、メモリセルの記憶情報、メモリセルがリセット状態であることの判別、メモリセルがセット状態であることの判別ができる。また、メモリセル内の記憶素子が温特を持つ場合においても、その温特を補償することができる。この結果、読出しデータラッチ制御信号を、実施の形態5よりも精度良く発生することができる半導体記憶装置を実現することができる。
第二に、読出し動作時とベリファイ動作時において、リファレンス・共通データ線に接続する回路は、共通データ線に接続する回路とほぼ同じにすることができる。したがって、共通データ線に寄生する容量と共通データ線に寄生する容量は同程度にすることができる。この結果、抵抗素子RM1の抵抗値は、セット(低抵抗)状態における抵抗値の最大値Rsmaxと同程度に設定することができる。また、RM2の抵抗値は、抵抗値Rsmaxとリセット(高抵抗)状態における抵抗値の最小値Rrminの間に設定することができる。さらに、抵抗素子RM3の抵抗値は、抵抗値Rrminと同程度に設定することができる。
本実施の形態において、リファレンスセルを記憶素子と選択トランジスタより構成したが、記憶素子の代わりに、例えば、ポリシリコンで形成された抵抗素子を用いても良い。このような構成とすることにより、読出し動作とベリファイ動作を繰り返し行っても、所謂ソフトライトにより、抵抗値が変化する恐れがない。この結果、記憶素子を用いた場合と比べ、読出し動作とベリファイ動作の回数を増やしても、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。
また、記憶素子の代わりに、電圧発生回路の出力電圧よってゲート電圧が制御されたNMOSトランジスタを用いてもよい。また、電圧発生回路の出力電圧は、温度によって変化するようにしてもよい。このような構成とし、メモリセルの温度特性に合わせて、NMOSトランジスタの駆動能力を制御することにより、メモリセルの温度特性を補償して、読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。この結果、抵抗素子を用いた場合よりも、精度良く読出しデータラッチ制御信号を発生することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態11における半導体記憶装置は、実施の形態10よりもチップ面積が小さく、しかも、メモリセルの記憶情報、メモリセルがリセット状態であることの判別、メモリセルがセット状態であることの判別ができる相変化メモリである。
図62は、本発明の実施の形態11による相変化メモリの要部ブロックの構成例を示している。以下、図60に示した構成との差異に着目して相変化メモリの構成を説明する。図60に示した構成との差異は全部で二つある。第一に、リファレンス・サブアレイSMCAR1、SMCAR3、リファレンス・マルチプレクサMUXR1、MUXR3、リファレンス・読み書き回路RWR1、RWR3のみを備えていることである。
第二に、リファレンス・共通データ線CDR1とCDR2をショートするショート・スイッチSSWを備えていることである。読出し動作時において、ショート・スイッチSSWは導通状態とされ、二つのリファレンスセルREFC1とREFC3により、二つのリファレンス・センスノードが駆動される。このような動作とすることで、ベリファイ動作時の読出しデータラッチ制御信号SLE1の位相とSLE3の位相の中間の位相を持つ信号を生成することができる。この結果、読出し動作のための読出しデータラッチ制御信号を発生させるリファレンス・サブアレイ、リファレンス・マルチプレクサ、リファレンス・読み書き回路を不要にでき、チップ面積を小さくすることができる。
次に、ショート・スイッチの動作を説明する。ショート・スイッチSSWは、待機時、書換え動作時において、非導通状態とされる。また、ベリファイ動作時においても、ショート・スイッチSSWは、非導通状態とされる。このとき発生される読出しデータラッチ制御信号SLE1とLSE3のうちの一方が、書換えデータラッチ線の信号に応じて、後述する読出し回路RC0内のディレイ選択回路DLYSELにより選択される。読出しデータラッチは、選択された信号により、対応するセンスアンプの出力をラッチする。
一方、読出し動作時において、リファレンス・ワード線が駆動される前に、ショート・スイッチSSWが導通状態とされる。この結果、二つのリファレンスセルREFC1とREFC3により、二つのリファレンス・センスノードが駆動されるので、読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3の位相は、ベリファイ動作時における読出しデータラッチ制御信号SLE1の位相とSLE3の位相の中間の位相となる。したがって、読出し動作時のための読出しデータラッチ制御信号を発生させるリファレンス・サブアレイ、リファレンス・マルチプレクサ、リファレンス・読み書き回路を不要にできる。
次に、本実施の形態11における読み書き回路内の読出し回路の構成例を示す。図63は、読出し回路、例えば読み書き回路RW0内の読出し回路RC0の構成例を示している。図43に示した読出し回路RC0との違いは、ディレイ選択回路DLYSELに入力されている信号が、読出しデータラッチ制御信号SLE1、SLE3、書換え起動信号WEB、書換えデータラッチ線LWDT0のみであることである。ベリファイ動作時において、ディレイ選択回路DLYSELは、書換えデータラッチ線LWDT0が電源電圧VDDに駆動されている場合、読出しデータラッチ制御信号SLE1が選択される。一方、書換えデータラッチ線LWDT0が接地電圧VSSに駆動されている場合、読出しデータラッチ制御信号SLE3が選択される。読出し動作時において、ディレイ選択回路DLYSELは、例えば、読出しデータラッチ制御信号SLE1を選択する。
これまで述べた要素回路を用いた図62の相変化メモリのベリファイ動作とベリファイ結果の判定を行うタイミング・ダイアグラムと、読出し動作を行うタイミング・ダイアグラムは、読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3の発生方法と、読出しデータラッチ制御信号SLE1とSLE3の選択方法を除き、実施の形態5と同じなので省略する。
以上で述べた相変化メモリの構成と動作による効果を以下にまとめる。第一に、二つのリファレンス・サブアレイ、二つのリファレンス・マルチプレクサ、二つのリファレンス・読み書き回路を備えた構成とした。第二に、二つのリファレンス・共通データ線をショートするショート・スイッチを備えた構成とした。読出し動作時において、ショート・スイッチを導通状態とすることにより、ベリファイ動作時に発生される二つの読出しデータラッチ制御信号のそれぞれの位相の中間の位相を持つ信号を生成することができる。この結果、読出し動作のための読出しデータラッチ制御信号を発生させるリファレンス・サブアレイ、リファレンス・マルチプレクサ、リファレンス・読み書き回路を不要にすることができる。したがって、実施の形態10よりもチップ面積が小さく、しかも、メモリセルの記憶情報、メモリセルがリセット状態であることの判別、メモリセルがセット状態であることの判別ができる相変化メモリを実現することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば