JP5041978B2 - 胃癌及び/又は大腸癌の検出方法 - Google Patents
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Description
またCA19−9は、膵癌の60〜80%において高値となるほか、胆道癌・胃癌・大腸癌・原発性肝癌などでも高値となる。
しかしながら、CEAは早期癌における陽性率が低い、偽陽性率が比較的高いことが知られている。またCA19−9は、CEAその他の腫瘍マーカーとの相関性が高く、それらの腫瘍マーカーと併せて用いた場合でも陽性率を高めることに貢献しないことが多い。更には現状の腫瘍マーカーでは陽性とならない腫瘍を、高い検出率で検出できる癌の診断方法(検出方法)が求められている。
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前記検出工程は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片と結合する抗体を用いる免疫化学的方法であることが好ましい。また、前記免疫化学的方法は、酵素免疫測定法であることが好ましく、電気化学発光法であることもまた好ましい。
また、前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CA19−9抗原を検出するCA19−9抗原検出工程を更に含み、前記判定工程は、前記配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片の検出レベルと、前記CA19−9抗原検出工程におけるCA19−9抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程であることもまた好ましい。
前記抗原検出工程は、前記第1の抗体と前記第2の抗体とを用いて、前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程であることが好ましい。
また前記抗原検出工程は、酵素免疫測定法で前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程であることが好ましく、電気化学発光法で前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程であることもまた好ましい。
また、前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CA19−9抗原を検出するCA19−9抗原検出工程を更に含み、前記判定工程は、前記抗原検出工程における前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原の検出レベルと、前記CA19−9抗原検出工程におけるCA19−9抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程であることもまた好ましい。
前記特定ペプチドに結合する抗体は、前記特定ペプチドに免疫特異的な抗体であれば、特に制限はない。ここで免疫特異的とは、その抗体が、前記特定ペプチド以外の他のペプチドに対する親和性よりも、前記特定ペプチドに対して実質的に高い親和性を有することを意味する。
また前記特定ペプチドに結合する抗体は、通常行われる方法によって調製することができる。
酵素免疫測定法における標識としては、物理的、化学的方法で定量可能な酵素であれば特に制限はない。例えば、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ルシフェラーゼ等の酵素を挙げることができる。また標識の検出方法は、標識に用いた酵素に応じて適宜選択して行うことができる。
前記特定ペプチドの検出レベルとしては、被験体に由来する血液試料中に含まれる特定ペプチドの濃度又はそれに対応する定量値もしくは半定量値であれば、特に制限なく用いることができる。標識物質に応じて例えば、吸光度、発光強度、蛍光強度、放射線計数等を挙げることができる。
カットオフ値は、通常、健常体群の検出レベルの平均値に、標準偏差を2倍あるいは3倍した値を加算した値として定めることができるが、感度(検出率)・特異性(擬陽性率の低さ)をバランスよく満たす値に適宜定めることができる。
特定ペプチドの検出レベルとCEA抗原の検出レベルとは、その消化器癌の検出における相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
前記被験体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルよりも大きい場合、及び、前記被験体に由来する血液試料中のCEA抗原の検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中のCEA抗原の検出レベルよりも大きい場合の少なくともいずれかの場合と、消化器癌の存在とを関連づける工程であることが好ましい。
特定ペプチドの検出レベルとCA19−9抗原の検出レベルとは、その消化器癌の検出における相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
前記被験体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルよりも大きい場合、及び、前記被験体に由来する血液試料中のCA19−9抗原の検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中のCA19−9抗原の検出レベルよりも大きい場合の少なくともいずれかの場合と、消化器癌の存在とを関連づける工程であることが好ましい。
特定ペプチドの検出レベルとCEA抗原の検出レベル、及び、特定ペプチドの検出レベルとCA19−9抗原の検出レベルは、それぞれ相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
前記被験体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中の前記特定ペプチドの検出レベルよりも大きい場合、前記被験体に由来する血液試料中のCEA抗原の検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中のCEA抗原の検出レベルよりも大きい場合、及び、前記被験体に由来する血液試料中のCA19−9抗原の検出レベルが対照となる健常体に由来する血液試料中のCA19−9抗原の検出レベルよりも大きい場合の少なくともいずれかの場合と、消化器癌の存在と、を関連づける工程であることが好ましい。
本発明の特定ペプチドを検出する消化器癌の診断方法(検出方法)は、消化器癌として胃癌の存在を検出する診断方法であることが好ましく、消化器癌として大腸癌の存在を検出する診断方法であることもまた好ましい。
酵素免疫測定法及び電気化学発光法については、上述の内容をそのまま適用することができる。
特定抗原の検出レベルとCEA抗原の検出レベルとは、その消化器癌の検出における相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
特定抗原の検出レベルとCA19−9抗原の検出レベルとは、その消化器癌の検出における相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
特定抗原の検出レベルとCEA抗原の検出レベル、及び、特定抗原の検出レベルとCA19−9抗原の検出レベルは、それぞれ消化器癌の検出における相関性が低いために消化器癌の存在をより高い検出率で検出することが可能となる。
<Dermokine-βに対する抗体の作製>
Dermokine-βに対する抗体は、WO2005/083075号パンフレットに記載の実施例[モノクローナル抗体の作製]に従って作製した。具体的には、以下の通りである。
−Dermokine-β抗原の作製−
(1)Dermokin-βの産生ベクターの構築
まず、第一鎖cDNAを、Superscript II逆転写酵素(Invitrogen社製)を用いてヒト皮膚全RNA(Stratagene社製)から調製した。また、ヒトDermokine-βの全長(配列番号1)のORF(Dermokine-β、配列番号2)をコードするDNA断片は、5’側プライマーとして5'SalI-Dermokine-βプライマー(配列番号3)と、3’側プライマーとして、3'NotI-Dermokine-βプライマー(配列番号4)とを用いてPCRにより増幅した。また、ヒトDermokine-βのC末端側におけるDermokine-αとの共通部分を欠失したORF(Dermokine-β-ΔC;1−413アミノ酸)をコードするDNA断片は、5’側プライマーとして5'SalI-Dermokine-βプライマー(配列番号3)と、3'NotI-Dermokine-β-ΔCプライマー(配列番号5)を用いてPCRによって増幅した。
pcDNA3.1-Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6をTransIT LT1(Mirus, Madison, WI)を用いることにより、293/EBNA-1細胞に一過性にtransfectionにより導入し、蛋白質(Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6)を発現させた。具体的には、7.62×106個の293/EBNA-1細胞を直径約15cmのディッシュ(Tissue culture treated dish with 20mm grid, 353025, FALCON)を用い、10% fetal bovine serum (FBS)を含むDalbecco’s Modified Eagle's medium (DMEM)中で、一晩37℃(5% CO2存在下)にて培養した。トランスフェクション直前に5mlのOpti-MEM (Invitrogen-GIBCO)にてDish表面を静かに2回洗浄し、25mlのOpti-MEMを静かに加えて37℃(5% CO2存在下)にて培養した。次に、チューブ(Sterile culture tubes, 2231-012N, IWAKI)に1.3mlのOpti-MEMを入れ、50μlのTransIT LT1を加えて懸濁し、5分間、室温にて放置した。次に25μgのプラスミド(pcDNA3.1-Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6)を加えて懸濁し、再び5分間、室温にて放置した。このようにして形成されたプラスミドが入ったリポソーム溶液を、先の293/EBNA-1細胞が生育したディッシュに静かに端から加え、ゆっくりとディッシュを左右、前後に5回ずつ揺らした後、37℃(5% CO2存在下)にて72時間培養した。
(2)において調製したDermokine-β-ΔC-SEAP(His)6が分泌された培養上清(約24ml)を遠心(3000rpm, 10min, 4℃,Himac CF7D2, HITACHI製)してデブリスを除いた。上清を新しいチューブに移し、Leupeptinを2μg/ml、イミダゾールを10mMになるように加えた。そのチューブに10mM イミダゾール/20mM Hepes(pH7.5)で3回洗浄した250μlのTALON Superflow Metal Affinity Resin (8908-1, BD Biosciences Clontech社製)を加え、2時間、4℃にて穏やかに懸濁した。次いで500×g、3分間、4℃にて遠心し、上清を除いた後、洗浄バッファー(10mM イミダゾール/PBS(phosphate buffered saline)(pH7.5))に懸濁し、再度500×g、3分間、4℃にて遠心した。ビーズを少量の洗浄バッファーに懸濁し、カラム(Disposable 2ml polystyrene column、29920、PIERCE)に入れて自然落下にて詰め、ビーズが沈降した後、5mlの洗浄バッファーにてカラムを洗浄した。その後、250μlずつの溶出バッファー(200mM イミダゾール/PBS(pH=7.5))にて4回溶出を行い、2番目の分画に溶出されたものをPBS (pH=7.5)に対してUltrafree-0.5遠心式フィルターユニット(10kDa; ミリポア社製)を用いて透析・濃縮した。
精製された蛋白質の一部をSDSサンプルバッファー(62mM Tris・HCl, 3% SDS, 5% グリセロール, 2% 2-メルカプトエタノール, pH6.7)に溶解し、同じくSDSサンプルバッファーに溶解したウシ血清アルブミン(BSA, フラクション V; ナカライテスク)を標準品として供にSDS−PAGEに供し、クマジーブリリアントブルーで染色してバンドの濃度を比較する事によって、Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6の濃度を決定した。これよりBSA 10ngに対応するバンドの濃度のDermokine-β-ΔC-SEAP(His)6量を10Uとした。
(1)Dermokine −β-ΔC-SEAP(His)6に対するモノクローナル抗体の作製
Dermokine −β-ΔC-SEAP(His)6を、Balb/C雌マウス(6週齢)の足部へ、一匹当たり60μg(片足あたり30μg)をTiterMaxGold(SIGMA社製)とともに投与した。更に同マウスの足部へ、2週間後に60μg(片足あたり30μg)のDermokine-β-ΔC-SEAP(His)6をTiterMaxGold(SIGMA社製)とともに、更にその1週間後にDermokine-β-ΔC-SEAP(His)6を一匹当たり40μg(片足あたり20μg)投与した。
Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6に対するモノクローナル抗体を産生する細胞の選択は抗原固相プレートによるELISAにより実施した。すなわち、ハイブリドーマ細胞のコロニーが十分に育った時点でその培養上清を採取し、免疫した抗原を固相吸着した96ウエルマイクロプレート(ナルジェ・ヌンク社製)へ添加して、その上清中のモノクローナル抗体を反応させた。
その後にプレート洗浄し、マウスIgGへ反応するアルカリフォスターゼ標識2次抗体(Zymed社製)を適切な濃度で添加・反応させた。一定時間後にプレートを洗浄し、TMB基質発色溶液(MOSS社製)を加え、その発色の有無により細胞を選択し、目的のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを33株選択した。選択された株のうち、Dermokine-β-ΔC-SEAP(His)6に対してより反応の高いモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ10株について、それぞれ数回のクローニングを施し、最終的なハイブリドーマを得た。
pcDNA3.1-Dermokine-βを293/EBNA-1細胞に、lipofectamine PLUS(Invitrogen-GIBCO)を用いて一過性に導入し、72時間培養してヒトDermokine-β培養上清を得た。そのうちの0.5mlをUltrafree-0.5遠心式フィルターユニット(10kDa; ミリポア社製)を用いて25μlに濃縮し、三倍濃度のSDSサンプルバッファーを25μl加えて50μlとした。このDermokine-βの希釈系列をSDS-PAGEで分離し、(1)で作製したモノクローナル抗体を用いてイムノブロットを行った後、上記で得られたDermokine-β-ΔC-SEAP(His)6標準品と比較して蛋白質濃度を決定してELISAの一次標準品とした。
DLD-1/Dermokine-βクローン#38をRPMI培地のみで24時間培養した上清15mlを遠心式フィルターユニット、Centriplus YM-10 (ミリポア社製)で10倍濃縮し、ヒト正常血清(MIDLAND BIOPRODUCTS CORP#8060-10950)で10倍希釈した。一次標準品とELISAにて比較してこの濃度を3200U/mlとし、これをサンプル測定時の検量線用の標準品として使用した。
<ヒト血清中のDermokine-βの定量>
(1)Dermokine-β測定系の構築
上記で得られたハイブリドーマをハイブリドーマSFM(GIBCO BRL)で培養し上清を回収した。上清と等量の1Mグリシン・NaOH、0.3M NaCl(pH8.6)を添加し、プロテインA固定化多孔質ガラスビーズ担体(PROSEP-A、ミリポア社)カラムに流し、1Mグリシン・NaOH、0.3M NaCl(pH8.6)にてカラムを洗浄後、0.1Mクエン酸(pH3.0)でIgGを溶出した。溶出したIgG液をPBS(pH7.8)で透析し、精製抗体を得た。
この精製抗体を固相抗体に使用、あるいは、HRP標識を行ってHRP標識抗体として使用した。
モノクローナル抗体#45を最終濃度OD280=0.05となるようにPBS(pH7.2)に溶解して96ウエルマイクロプレート(ナルジェ・ヌンク社製)の各ウエルに0.1mlずつ添加した。含有するモノクローナル抗体を吸着させた後に、溶液を捨て、さらにPBSで3回洗浄した。ブロッキングを目的として1%ブロックエース(大日本製薬)を含有するPBS溶液を各ウエルに0.2mlずつ添加し、1時間後に溶液を廃棄し、更にPBSにて3回洗浄した。
洗浄が終了した後に、TMB基質溶液(シグマ・アルドリッチ社製)を各ウエルに0.1mlずつ添加した。そのままプレートを静置して30分間発色させた。発色後、プレートの各ウエルへ1N H2SO4溶液を0.1mlずつ添加し、よく混和して反応を停止させた。
反応停止後にマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製)にてプレート各ウエルの450nm波長における吸光度を測定し、発色の強さを数値化した。市販解析プログラムソフト(SOFTmax-J Ver.2.1 和光純薬工業社製)を用いて、標準Dermokine-βの抗原濃度と吸光度値から標準直線(図2)を作製した。
上記モノクローナル抗体#3及びモノクローナル抗体#45を用いたELISAの測定系は、Dermokine-β及びDermokine-γ(以下Dermokine-β/γと称す)を検出可能であった。また、膜結合部位以外の配列が共通であるDermokine-δに関しても検出が可能であると考えられる。
上記Dermokine-β定量用の標準直線の作製において、あらかじめ濃度を設定した標準品Dermokine-βの代わりに、10例の健常成人から採取したヒト被験血清を用いた以外は上記と同様にして、被験血清中のDermokine-β/γ濃度を算定した。結果を図3に示した。
<胃癌患者血清中のDermokine-β/γの検出・定量>
実施例1におけるDermokine-β定量用の標準直線の作製において、あらかじめ濃度を設定した標準品Dermokine-βの代わりに、被験血清を用いた以外は実施例1と同様にして、被験血清中のDermokine-β/γを検出し、その濃度を定量した。
被験血清として、53例の胃癌被験患者の血清を用い、それぞれの血清中におけるDermokine-β/γ抗原量を測定した。結果を図3に示した。
胃癌患者53例の平均値と標準偏差は、49.40±65.67U/mlであった。上記カットオフ値を基準として53例中10例が陽性、すなわち陽性率(検出率)は18.9%となった(図3)。
また、Dermokine-β/γの定量結果とCA19−9抗原の定量結果とに基づいて胃癌の存在を検出したところ、少なくともいずれかの定量結果において陽性と判定されたのは、53例中18例(陽性率34.0%)であった。
また、早期癌全体(23例)における各検査項目の陽性率は、Dermokine-β/γでは13.3%(3/23例)、CEA抗原では8.7%(2/23例)、CA19−9抗原では4.3%(1/23例)であった。
すなわち、現行の2項目と比較してDermokine-β/γによる胃癌の検査は早期癌に対して感度が高かったことがわかる(表3)。
<大腸癌患者血清中のDermokine-β/γの定量>
被験血清として、大腸癌患者65例に由来する血清を用いて、実施例2と同様にして被験血清中におけるDermokine-β/γ抗原量を測定した。結果を図3に示した。
被験大腸癌患者65例におけるDermokine-β/γ抗原量の平均値と標準偏差は、104.64±348.29U/mlとなった。
実施例2と同様のカットオフ値を基準として大腸癌の検出を行ったところ、大腸癌患者の65例中10例が陽性(陽性率15.4%)となった(図3)。
一方、CEA抗原の測定により大腸癌の検出を行ったところ、65例中25例(陽性率38.5%)であった。また、CA19−9抗原の測定による大腸癌の検出では65例中11例が陽性(陽性率16.9%)であった。
また、Dermokine-β/γの定量結果とCA19−9抗原の定量結果とに基づいて大腸癌の存在を検出したところ、少なくともいずれかの定量結果において陽性と判定されたのは、65例中20例(陽性率30.8%)であった。
すなわち、現行のCEA抗原とCA19−9抗原の2項目検査に、Dermokine-β/γの検出を加えることにより大腸癌検出の陽性率は12.3%も上昇したことになる。
また、大腸癌の早期癌全体(17例)における各検査項目の陽性率は、Dermokine-β/γでは29.4%(5/17例)、CEA抗原では23.5%(4/17例)、CA19−9抗原では5.9%(1/17例)であった。
すなわち、現行の2項目と比較してDermokine-β/γによる大腸癌の検査は早期癌に対して感度が高かったことがわかる(表5)。
本発明においてはDermokine-β/γを特異的に検出することで、消化器癌の検出率をより効果的に向上させることができた。
Claims (12)
- 被験体に由来する血液試料から、配列番号2のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片を検出する検出工程と、
前記検出工程における配列番号2のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片の検出レベルに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する判定工程と、
を含む胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。 - 前記検出工程は、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片と結合する抗体を用いる免疫化学的方法である請求項1に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記免疫化学的方法は、酵素免疫測定法である請求項2に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記免疫化学的方法は、電気化学発光法である請求項2に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CEA抗原を検出するCEA抗原検出工程を更に含み、
前記判定工程は、前記配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片の検出レベルと、前記CEA抗原検出工程におけるCEA抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。 - 前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CA19−9抗原を検出するCA19−9抗原検出工程を更に含み、
前記判定工程は、前記配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド又は該ペプチドに由来するペプチド断片の検出レベルと、前記CA19−9抗原検出工程におけるCA19−9抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。 - 被験体に由来する血液試料から、受託番号FERM BP−10932のハイブリドーマにより産生される第1の抗体又は受託番号FERM BP−10933のハイブリドーマにより産生される第2の抗体を用いて、前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する抗原検出工程と、
前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原の検出レベルに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する判定工程と、を含む胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。 - 前記抗原検出工程は、前記第1の抗体と前記第2の抗体とを用いて、前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程である請求項7に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記抗原検出工程は、酵素免疫測定法で前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程である請求項7又は請求項8に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記抗原検出工程は、電気化学発光法で前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原を検出する工程である請求項7又は請求項8に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
- 前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CEA抗原を検出するCEA抗原検出工程を更に含み、
前記判定工程は、前記抗原検出工程における前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原の検出レベルと、前記CEA抗原検出工程におけるCEA抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程である請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。 - 前記判定工程の前に、被験体に由来する血液試料から、CA19−9抗原を検出するCA19−9抗原検出工程を更に含み、
前記判定工程は、前記抗原検出工程における前記第1の抗体及び前記第2の抗体の少なくとも一方と結合する抗原の検出レベルと、前記CA19−9抗原検出工程におけるCA19−9抗原の検出レベルとに基づいて、胃癌及び/又は大腸癌の存在を判定する工程である請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の胃癌及び/又は大腸癌の検出方法。
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