JPWO2011148669A1 - 大腸がんマーカービトロネクチン、及び採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法 - Google Patents

大腸がんマーカービトロネクチン、及び採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法 Download PDF

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Abstract

臨床現場における実用途に供することができ、且つ、大腸がん検出のための存在診断マーカー、及びCEAやCA19−9を相補することができる病勢マーカーを提供する。大腸がんの病勢マーカー、存在診断マーカー又は予後予測マーカーとして用いられるビトロネクチン。採血試料中のビトロネクチン濃度を分析する方法。当該方法においては、ビトロネクチン測定値とその基準値とを比較する。好ましくは、がん胎児性抗原、及びCA19−9などの既存の大腸がんマーカーをビトロネクチンと併用する。

Description

本発明は、大腸がんマーカービトロネクチン、及び採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法(Colon Cancer Marker Vitronectin and Method of Analyzing Vitronectin Concentration in Collected Blood Specimen)に関する。本発明は、大腸がんの診断及び予後判定などが行われる臨床診断分野に関する。
大腸がん(Colorectal cancer: CRC)の診断・検診・経過観察のための手法の一つとして、血液検査が行われうる。血液検査においては、患者の血液中に存在するある種のタンパク質(がんマーカー)の濃度を計測することで、がんの検出、進行推定や予後判定を可能にする。大腸がんのマーカーについては、例えば、Anticancer Research, 2004,24(4), 2519-2530(非特許文献1)などに記載されている。
現在、代表的な大腸がんマーカーとしては、がん胎児性抗原(CEA)や糖鎖抗原19-9 (CA19-9)が挙げられる。これらのマーカーはいずれも、特に早期ステージにおける陽性率が低いことから「存在診断マーカー」としては適していない。しかし、術後の経過観察等に使用する「病勢マーカー」としては優れた性能を発揮し、日本では大腸がん患者に対する保険適用が認められている。
ASCO (American Society of Clinical Oncology)では、CEAを存在診断マーカーではなく、予後診断、ステージング、薬効評価のための「病勢マーカー」として使用することを推奨している。また、CA19-9については、現時点でのデータでは裏づけが不十分であるとして、単独では大腸がんマーカーとしての使用には適さない、と結論づけられている。
アメリカFDAでも、CEAを大腸がんマーカーとして認可している。
このように、CEA及びCA19-9が日米をはじめとする世界中で「病勢マーカー」として使用されている理由は、大腸がん患者では、これらのマーカー値が体内におけるがんの病勢を的確に反映しているからである。(がんの病勢は、大腸がんの場合、例えば、体内のがんの総存在量や転移の程度によって判定されるがんの進行度の違いによって表現されうる。)すなわち、大腸がん患者のうち、血液検査によってこれらマーカー値が閾値を越えたほとんど全ての症例において、手術後にその値が大きく低下し(すなわち閾値以下に戻り)、また、転移や再発を起こすとこれらのマーカー値が大きくなる(すなわち閾値を上回る)。このことを利用して、血液中のマーカー値測定による大腸がんのモニタリングが可能となる。
ビトロネクチンは、肝臓で産生される細胞外マトリックスタンパクの一つで、フィブロネクチンやラミニンと同様に強い細胞接着活性を示し、血液凝固系、線溶系、及び補体免疫系などに関与すると考えられている。日本国特開2008−14937号公報(特許文献1)において、大腸組織の非がん部位と比較してがん部位においてビトロネクチンの高発現を検出したことが報告されている。
日本国特開2008−14937号公報
「アンチキャンサー・リサーチ(Anticancer Research)」、2004年、第24巻、第4号、p.2519−2530
大腸がん患者のうち、CEAやCA19-9の採血試料中濃度が閾値を越える値を示し、且つ、これらマーカーによるがんのモニターが可能になる患者は、CEAの場合で全体のたかだか30-60%、CA19-9の場合でたかだか11-34%といわれている。このように、CEAやCA19-9は、「病勢マーカー」として実用されているものではあるが、大腸がん患者によってはこれらのマーカー値が陽性を示さない場合も多いため、より網羅的な病勢観察を達成するためには、これらのマーカーの適用外となる多くの患者に対しても適用できる新たなマーカーが臨床現場で強く求められている。
また、CEAやCA19-9については、がん以外の要因によってマーカー値が変動する例も知られている。従って、正確な病勢観察をするためには、これらのマーカーを使用するだけでなく、これらのマーカーを相補することができる新たなマーカーが臨床現場で強く求められている。
さらに、血液検査によって簡易に大腸がん存在の有無を判定する「存在診断マーカー」も存在しない。
以上より、大腸がん検出のための「存在診断マーカー」、及びCEAやCA19-9を相補することができる「病勢マーカー」の開発が急務である。
なお、採血試料中のビトロネクチン濃度測定による大腸がん患者検出の有効性については全く実証されていない。従って、ビトロネクチンについて、血液検査によって簡易に大腸がん存在の有無を有効に判定することができる可能性はこれまで示唆されていない。
本発明は、臨床現場における実用途に供することができ、且つ、大腸がん検出のための「存在診断マーカー」、及びCEAやCA19-9を相補することができる「病勢マーカー」を提供することを目的とする。また、本発明は、それらマーカーを用いた採血試料の分析方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、採血試料におけるビトロネクチン測定の有効性、及びビトロネクチンの病勢マーカー、存在診断マーカー及び予後予測マーカーとしての有用性見出し、本発明を完成するに至った。
下記は、大腸がんマーカービトロネクチンに向けられる。
なお、本発明において「病勢マーカー」とは、がんの病態の進行に伴って濃度が増加する腫瘍マーカーをいう。病勢マーカーは、すでに存在していることがわかっているがんについて、進行度の判定や病態の経過観察を行う目的で用いられうる。
本発明において「存在診断マーカー」とは、がんが存在する場合にその濃度が非存在時に比べて高い腫瘍マーカーをいう。存在診断マーカーは、体内のがんの存在が未知である場合に、がんの有無を識別する目的で用いられうる。存在診断マーカーの中でも、がんの早期ステージから血中濃度が亢進するものは、早期診断に適している点で好ましい。
また、本発明において「予後予測マーカー」とは、ある時点(例えば治療開始時点など)から、疾患の予後(例えば治療開始から5年後など)を予測するために用いられるマーカーをいう。
(1)
大腸がんの病勢マーカーとして用いられるビトロネクチン。
(2)
大腸がんの存在診断マーカーとして用いられるビトロネクチン。
(3)
大腸がんの予後予測マーカーとして用いられるビトロネクチン。
下記は、採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法に向けられる。本発明の分析方法においては、採血試料中ビトロネクチン測定値とビトロネクチン基準値とが比較される。
本発明において、ビトロネクチンの基準値には、別の採血試料において得られたビトロネクチンの測定値、及びビトロネクチンに固有の閾値が含まれる。
本明細書において、ある時点Tnで採血された血液に由来する採血試料をSn、その試料Snから得られたビトロネクチンの測定値をCn、ビトロネクチンの基準値をCref、試料Snから測定値Cnを得て基準値Crefと比較する工程をPnと表記する。また、ビトロネクチンの閾値をCthと記載する。なお、本文中での陽性率とは解析対象とした全患者のうち、Cthよりも高い値(陽性)を示す患者の割合(%)を指すものとする。
(4)
個体由来の採血試料Sn中の、ビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cnを得て、前記測定値Cnと前記ビトロネクチンの基準値Crefとを比較することによって分析を行う工程Pnを含む、採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法。
下記は、「病勢マーカー」としてのビトロネクチンを用いた方法の一態様に向けられる。当該態様においては、採血試料中ビトロネクチン測定値と、それに先立って採血した試料中のビトロネクチン測定値及び/又はビトロネクチン閾値とが比較される。
(5)
前記工程Pn(n≧1)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cn-1を得る工程Pn-1をさらに含み、
前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記測定値Cn-1及びビトロネクチンの閾値Cthからなる群から選ばれる値である、(4)に記載の方法。
上記(5)の態様の一例を模式的に図1に示す。
上記(5)において、前記個体は、前記工程Pnより前に大腸がんに対する治療を受けたものでありうる。
下記は、「病勢マーカー」としてのビトロネクチンを用いた方法において、少なくとも外科手術により治療をした態様に向けられる。当該態様においては、外科手術により原発巣の大腸がんの遺残がないこと(すなわち根治度がA又はBであること)を確認できた症例が経過観察対象となり、大腸がん治療前に採血した試料中のビトロネクチン測定値が閾値を越え、当該治療後に採血した試料中のビトロネクチン測定値が閾値を下回ったことを条件とする。この条件の下、さらにその後に採血した試料中のビトロネクチン測定値と閾値とが比較される。この態様の一例を模式的に図2に示す。
(6)
前記工程Pn(n≧2)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C1を得る工程P1と、前記採血試料S1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S0のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C0を得る工程P0とを含み、
前記個体が、前記工程P0と工程P1との間において大腸がんに対する外科手術を受けたものであり、
前記工程P0における測定値C0がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程P1における測定値C1が前記閾値Cthを下回り、
前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cthである、(5)に記載の方法。
(7)
前記個体が、さらに、工程P1と工程Pnとの間において大量ガンに対する非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)を受けたものである、(6)に記載の方法。
下記は、「病勢マーカー」としてのビトロネクチンを用いた方法において、少なくとも非外科的療法(例えば放射線療法や化学療法など)により治療をした態様に向けられる。下記において、「少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け」たとは、前記個体が非外科的療法のみを受けた場合と、非外科的療法の前に外科的療法を受けた場合との両方を含む。
さらに、下記態様は、非外科的療法が1回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T n-1)に採血した試料中のビトロネクチン測定値(Cn-1)が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(Tn-1)においてなおビトロネクチン測定値(C n-1)が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(Tn)に採血した試料中のビトロネクチン測定値(C n)と、前記測定値(C n-1)及び閾値(Cth)とが比較される。
(8)
前記個体が、前記工程Pn-1と前記工程Pnとの間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受けたものであり、
前記工程P n-1における測定値Cn-1 がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cth及び前記測定値Cn-1である、(5)に記載の方法。
一方、下記態様は、非外科的療法が複数回行われるものであり、大腸がんに対する非外科的療法による治療前(T0)に採血した試料中のビトロネクチン測定値が閾値を越えていたことを条件とする。(非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T0)においてなおビトロネクチン測定値が閾値を上回っている場合が該当する。)この条件下、さらにその後(Tn)に採血した試料中のビトロネクチン測定値(C n)と、前記測定値(C n-1)及び閾値(Cth)とが比較される。この態様の一例を模式的に図3に示す。
(9)
前記工程Pn(n≧2)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cn-1を得る工程Pn-1と、前記採血試料Sn-1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S0のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C0を得る工程P0とを含み、
前記個体が、前記工程P0と工程Pn-1との間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け、前記工程Pn-1と前記工程Pnとの間においても前記非外科的療法を引き続いて受けたものであり、
前記工程P0における測定値C0がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cth及び前記測定値Cn-1である、(5)に記載の方法。
下記は、「存在診断マーカー」としてのビトロネクチンを用いた方法に向けられる。当該方法においては、採血試料中ビトロネクチン測定値とビトロネクチン閾値とが比較される。
(10)
前記ビトロネクチンの基準値Crefがその閾値Cthである、(4)に記載の方法。
上記の方法における閾値としては、高い正診率を示すビトロネクチンの濃度値が選択される。好ましくは、下記の特異度を示すビトロネクチン濃度値が選択される。
(11)
前記閾値として、特異度が80%以上を示すビトロネクチンの濃度値が選択される、(5)〜(10)のいずれかに記載の方法。
下記は、本発明の大腸がんマーカービトロネクチンと他の大腸がん病勢マーカーとを組み合わせる態様に向けられる。
(12)
前記工程Pnにおいて、他の大腸がん病勢マーカーの前記採血試料Sn中の濃度を測定し測定値を得て、前記測定値と、前記他の大腸がん病勢マーカーの基準値とを比較することによって分析を行うことをさらに含む、(5)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(13)
前記他の大腸がん病勢マーカーが、がん胎児性抗原、及びCA19−9からなる群から選ばれる、(12)に記載の方法。
本発明によると、臨床現場における実用途に供することができ、且つ、大腸がん検出のための存在診断マーカー、CEAやCA19-9を相補することができる病勢マーカー、及び予後予測マーカーを提供することができる。また、本発明によると、それらマーカーを用いた採血試料の分析方法を提供することができる。
ビトロネクチンをマーカーとして用いることにより、早期ステージのがん患者の検出率が向上する。また、ビトロネクチンは、既存の大腸がんマーカーでは陽性を示さない症例について用いることによって、大腸がんの経過観察を可能にする。さらに、ビトロネクチンは、既存の大腸がんマーカーと併用することにより、患者の捕捉率(すなわち陽性率)の向上を実現する。
本発明の病勢マーカーを用いる態様を模式的に現したものである。 本発明の病勢マーカーを外科手術により治療した患者に対して用いる態様を模式的に現したものである。 本発明の病勢マーカーを、外科手術以外の非外科的療法(例えば放射線療法、化学療法など)によって治療中の患者に対して本発明の病勢マーカーを用いる態様を組み合わせた態様を模式的に現したものである。 (A)健常者と大腸がん患者とにおいて採血試料中ビトロネクチン濃度の比較を行った結果、及び(B)各がんステージ別での採血試料中ビトロネクチン濃度を比較した結果を示す。箱ひげ図において、箱で示した範囲は全検体のうち25−75%に当たる検体の濃度分布範囲、横線で示した範囲は、全検体のうち10−90%に当たる検体の濃度分布範囲を示す。箱中の横棒は各集団(大腸がん患者(CRC)、健常者(control))での濃度の中央値を示す。 採血試料中ビトロネクチン濃度による大腸がん患者と健常者との識別におけるROC曲線を示す。縦軸は検出感度、横軸は偽陽性率(100-特異度)を示す。矢印で示した点は、閾値として設定した時の検出感度及び偽陽性率を示す。 ビトロネクチン濃度が閾値を越えていた(すなわち陽性を示していた)検体の手術前後の採血試料中ビトロネクチン濃度を比較した結果を示す。線で結ばれたプロットは、同一検体における術前及び術後における濃度を示す。破線はROC曲線から決定した閾値を示す。 採血試料中における(A)CEAとCA19−9との発現相関、(B)CEAとビトロネクチンとの発現相関、及び(C)CA19−9とビトロネクチンとの発現相関を示す。 ビトロネクチンをマーカーとして用いた場合と、CEAのみ又はCA19−9のみをマーカーとして用いた場合とについて、がん患者捕捉率(すなわち陽性率)を病態別に調べ、比較した結果を示す。(A)にCEAとビトロネクチンとの比較、(B)にCA19−9とビトロネクチンとの比較の結果を示す。また、(A)ではCEAとビトロネクチンとを組み合わせた場合、(B)ではCA19−9とビトロネクチンとを組み合わせた場合(どちらかのマーカー値が閾値を越えている場合を陽性とする)の陽性率も併せて示した。
[1.大腸がんマーカー]
本発明は、大腸がんマーカーとしてビトロネクチンを提供する。このマーカーは、大腸がん患者グループと健常者グループとの間で、或いは大腸がんの病勢(大きさ)の異なる大腸がん患者グループの間で、確実に採血試料中における濃度差を示すものである。すなわち、これらのマーカーは、大腸がんにおいて発現亢進を示すものである。
本発明が提供する大腸がんマーカーは、病勢マーカー、存在診断マーカー及び予後予測マーカーとして用いることができる。
[2.採血試料]
本発明の大腸がんマーカーは、採血試料中において検出・分析可能である。従って、本発明の方法においては、採血試料中の大腸がんマーカー濃度が分析される。
採血試料は、直接ビトロネクチン濃度測定に供される試料であり、全血、血漿、血清などが含まれる。個体から採取された全血を、適宜処理することによって調製することができる。採取された全血から採血試料の調製を行う場合に行われる処理としては特に限定されず、臨床学的に許容されるいかなる処理が行われてよい。例えば遠心分離などが行われうる。また、ビトロネクチン濃度測定に供される採血試料は、その調製工程の中途段階又は調製工程後に、適宜冷凍など低温下での保存が行われたものであってよい。なお、本発明において採血試料は、由来元の個体に戻すことなく破棄される。
採血試料の由来元となる個体には、大腸がんの存在診断を必要とする者、大腸がん患者であって治療後の経過観察中などで病勢診断を必要とする者、予後予測を必要とする者が含まれる。
[3.採血試料中の大腸がんマーカーの濃度分析]
本発明による採血試料中のがんマーカーの濃度分析は、測定値と基準値との比較によって行われる。より正確な分析のため、比較される測定値と基準値とは、同じ条件(前処理条件や保存条件など)で用意された採血試料に基づく値であることが好ましい。
本発明の方法においては、ある時点で採血された血液に由来する採血試料Sn中の大腸がんマーカーの濃度を測定し、大腸がんマーカーの測定値Cnを得て、大腸がんマーカーの測定値Cnとその大腸がんマーカーの基準値Crefとを比較する工程Pnを含む。
[4.基準値]
基準値Crefは、大腸がんの病態などの判断基準となる値である。前述のように、本発明の大腸がんマーカーは、大腸がん患者グループと健常者グループとの間で、或いは大腸がんの病勢(大きさ)の異なる大腸がん患者グループの間で、採血試料中における濃度差を示す。従って、適切な基準値Crefを設定することで、それらグループを有効に識別することができる。
従って、測定値Cnが基準値Crefより大きければ病態が悪い可能性が高く、測定値Cnが基準値Crefより小さければ病態が悪くない可能性が高いと判断することができる。
[4−1.閾値]
基準値の具体例の一つとして、個々の大腸がんマーカー特有の閾値Cthが挙げられる。本発明における閾値Cthは、人種、年齢などに応じて予め設定することができる。閾値Cthは、後述の測定法により、健常者グループに属する個人及び大腸がん患者グループに属する個人に由来する採血試料中の大腸がんマーカーの存在量を測定し、各々のグループにおける測定値を参照することによって設定することができる。
或いは、閾値Cthは、後述の測定法により、それぞれの大腸がん患者に由来する採血試料の大腸がんマーカーの存在量を測定し、大腸がんの病勢が異なる各々のグループにおける測定値を参照することによって設定することができる。なお、大腸がんの病勢の違いは、例えば、体内のがんの総存在量や転移の程度によって判定されるがんの進行度の違いによって表現することができる。がんの進行度は、例えばTMN分類に基づくことができる。すなわち、原発性がんをステージ0(上皮内がん)、ステージI及びIIと表記し、リンパ節転移がんをステージIIIと表記し、遠隔転移がんをステージIVと表記する。本明細書においては、特にステージについての表記が無い限り、当該ステージ0〜IVまでの大腸がんを総括して大腸がんと表記する。
閾値Cthは、高い正診率を示すカットオフ値が選択される。好ましくは、特異度が80%以上を示すカットオフ値の中から当業者が適宜決定する事ができる。上記特異度の範囲の上限は特に限定されないが、例えば95%とすることができる。
閾値Cthを設定する手法は、当業者によって適宜選択されるものである。一例として、ROC Curve(受信者動作特性曲線;Receiver Operating Characteristic Curve)分析などが挙げられる。
[4−2.事前測定値]
基準値の具体例の他の一つとしては、同一個体由来で事前に採血されていた採血試料における測定値が挙げられる。
[5.目的に応じた大腸がんマーカーの使用]
上記基準値として、閾値を用いるか事前測定値を用いるかは、使用する大腸がんマーカーの種類及び大腸がんマーカーの使用の目的に応じて決定される。
[5−1.存在診断マーカーの使用]
本発明の大腸がんマーカービトロネクチンを存在診断マーカーとして用いる場合、存在診断マーカーの基準値Crefは、大腸がん患者由来の採血試料と健常者由来の採血試料との区別を行うための判断基準となるものである。具体的には、存在診断マーカーの基準値Crefはその存在診断マーカーの閾値Cthである。
従って、測定値Cnが基準値Crefより大きければ、採血試料Snが由来する個人が大腸がんである可能性が高く(すなわち大腸がんの疑いが高い)、測定値Cnが基準値Crefより小さければ、採血試料Snが由来する個人が健常者である可能性が高い(すなわち大腸がんの疑いが低い)と判断することができる。
[5−2.予後予測マーカーの使用]
本発明の大腸がんマーカービトロネクチンを予後予測マーカーとして用いる場合、予後予測マーカーの基準値は、予後が悪い大腸がん患者由来の採血試料と予後が悪くない大腸がん患者由来の採血試料との区別を行うための判断基準となるものである。具体的には、予後予測マーカーの基準値Crefはその予後予測マーカーの閾値Cthである。
従って、測定値Cnが基準値Cref(すなわち閾値Cth)より大きければ、採血試料Snが由来する個人の予後が悪い可能性が高く、測定値Cn[G4]が基準値Cref(すなわち閾値Cth)より小さければ、採血試料Snが由来する個人の予後が悪い可能性は低いと判断することができる。
[5−3.病勢マーカーの使用]
本発明の大腸がんマーカービトロネクチンを病勢マーカーとして用いる場合、病勢マーカーの基準値は、病態の経過状態(具体的には大腸がんの進行、及び体内のがん存在量)が異なる同一個体由来の採血試料の評価を行うための判断基準となるものである。従って、病勢マーカーを用いる場合は、工程Pnに供される採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料について、そのマーカー値が測定される。
ここで、ある時点Tnから経時的に(T0,T1, T2,T3,・・・, Tn-1, Tn)大腸がん患者から採取した血液に由来する採血試料(S0, S1, S2,S3,・・・, Sn-1, Sn)の大腸がんマーカー測定値(濃度)を、それぞれC0, C1, C2, C3,・・・, Cn-1, Cnとする。
病勢マーカーを用いる方法においては、採血試料の由来元である個人が大腸がんに罹患している可能性が高い(大腸がんの疑いがある)と既に判定がされている。その判定に、本発明の存在診断マーカーを用いることができる。この判定において、存在診断マーカーの測定値がその存在診断マーカーの閾値を上回る、と判断された個人に由来する採血試料(採血時期が、当該判定に供された採血試料より後のもの)が、病勢マーカー用いた分析に供されうる。
また、前述の判定において、マーカーの測定値がそのマーカーの閾値を上回る、と判断された個人が、当該判定に供された採血試料の採取時期と病勢マーカーを用いた分析に供される採血試料の取得時期との間に、大腸がんに対する治療が行われた場合に、本発明の病勢マーカーを用いた方法が行われることが好ましい。
大腸がんに対する治療の例としては、外科手術や、非外科的療法が挙げられる。非外科的療法としては、例えば化学療法や放射線療法などの非侵襲的治療法が挙げられる。また、非外科的療法は、1回のみで終了する場合もあるが、しばしば複数回が継続して行われうる(継続的治療法)。これらの治療が行われる場合、本発明の病勢マーカーを用いた方法によって、治療効果の評価及び経過観察を行うことができる。
[5−3−1.病勢マーカーの使用態様]
病勢マーカーを用いる態様の一例を模式的に図1に示す。
工程Pn(n≧1)の前に、採血試料Snの採血時期Tnより前の時期Tn-1に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1を病勢マーカー濃度測定に供し、測定値Cn-1を得る工程Pn-1を行う。この測定値Cn-1が、その後に行われる工程Pnにおける基準値Crefとして採用される。すなわち、工程Pnにおいて、採血試料Sn-1より後に採取された同一個体由来の採血試料Snを病勢マーカー濃度測定に供し、測定値Cnを得て、基準値Crefとしての測定値Cn-1と比較する。
従って、測定値Cnが基準値Cref(すなわち測定値Cn-1)より大きければ、採血試料Snが由来する個人の病態は時期Tn-1におけるより時期Tnにおける方が悪化した可能性が高く、測定値Cnが基準値Cref(すなわち測定値Cn-1)より小さければ、採血試料Snが由来する個人の病態は時期Tn-1におけるより時期Tnにおける方が改善された可能性が高いと判断することができる。
また、時期Tnより前の時点で大腸がんに対する治療が行われた場合、以下のように治療効果の評価をすることができる。例えば時期Tnと時期Tn-1との間で大腸がんに対する非外科的療法が行われた場合、測定値Cnが基準値Cref(すなわち測定値Cn-1)より大きければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体にとって当該治療の効果が出ていない可能性が高く、測定値Cnが基準値Cref(すなわち測定値Cn-1)より小さければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体にとって当該治療の効果が出ている可能性が高いと判断することができる。
従って、放射線治療や化学療法などの継続治療の効果に関するフォローアップを行うことが可能になる。
[5−3−2.病勢マーカーのより具体的な使用態様1]
治療法として外科手術を適用した場合における、病勢マーカーを用いるより具体的な態様の一例を模式的に図2に示す。
時期T0と時期T1との間で、大腸がんに対して外科手術による治療が行われた場合であって、外科手術により原発巣の大腸がんの遺残がないこと(すなわち根治度がAもしくはBであること)を確認できている症例が前提である。さらには、手術治療前の時期T0に採取された採血試料S0における病勢マーカーの測定値C0がその病勢マーカーの閾値Cthを上回り、手術後の時期T1に採取された採血試料S1における病勢マーカーの測定値C1がその病勢マーカーの閾値Cthを下回った(すなわち大腸がんの存在量が減少した又は大腸がんが消失した)ことがわかっている場合に、この態様が実施される。
治療後の工程P1では、上述のとおり採血試料S1を病勢マーカー濃度測定に供し、その病勢マーカーの閾値Cthを下回る測定値C1が得られる。その後に行われる工程Pnにおいて、採血試料S1と同一個体から、時期T1よりさらに後の時期Tnに採取された採血試料Snを病勢マーカー濃度測定に供し、測定値Cnを得て、基準値Crefとしての閾値Cthと比較する。
測定値Cnが基準値Cref(すなわち閾値Cth)より大きければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体でのがんの再発又は転移の疑いがあり、測定値Cnが基準値Cref(すなわち閾値Cth)より小さければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体での大腸がんの再発や転移の可能性が低いと判断することができる。
従って、外科手術による治療後における大腸がんの再発及び転移のフォローアップを行うことが可能になる。なお、外科手術による治療後においては、特別処置を施さない経過観察のみが行われてもよいし、非外科的療法が行われてもよい。外科手術による治療後における大腸がんの再発及び転移のフォローアップは、上記の特別処理を施さない経過観察又は非外科的療法によっても行われうる。
[5−3−3.病勢マーカーのより具体的な使用態様2]
治療法として非外科的療法を適用した場合における、病勢マーカーを用いるより具体的な態様の一例を模式的に図3に示す。
この態様においては、工程P0と工程Pn-1との間において大腸がんに対する少なくとも1回目の非外科的療法を受け、工程Pn-1と工程Pnとの間においても非外科的療法を引き続いて受けた場合を想定する。また、この態様においては、非外科的療法による1回目の治療前の時期T0に採取された採血試料S0における病勢マーカーの測定値C0がその病勢マーカーの閾値Cthを上回ることがわかっていることが前提である。1回目の非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T0)においてなおその病勢マーカーの測定値Cn-1が閾値Cthを上回っている場合が該当する。
具体的には、上述の病勢マーカー使用態様1と同様に、採血試料Snの採血時期Tnより前の時期Tn-1に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1を病勢マーカー濃度測定に供し、測定値Cn-1を得る工程Pn-1を行う。この測定値Cn-1は、その後に行われるPnにおける基準値Crefとして採用することができる。
工程Pnにおいては、測定値Cnを、基準値Crefとしての測定値Cn-1及び閾値Cthの両方と比較する。
例えば、測定値Cnと基準値Cn-1との比較によれば、治療効果の有無を判断することができる。具体的には、測定値Cnが基準値Cn-1より大きければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体にとって治療の効果が出ていない可能性が高く、測定値Cnが基準値Cn-1より小さければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個体にとって治療の効果が出ている可能性が高いと判断することができる。
また、測定値Cnと閾値Cthとの比較によれば、がんの有無を判断することができる。具体的には、測定値Cnが閾値Cthより大きければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個人にがんが残っている(がんが消失していない)可能性が高く、測定値Cnが閾値Cthより小ければ、時期Tnにおいて、採血試料Snが由来する個人にがんが残っていない(がんが消失した)可能性が高い。
従って、上記両方の比較法を組み合わせることによって、治療継続の要否に関する判断を行うことができる。例えば、測定値Cnが基準値Cn-1より大きく、且つ、測定値Cnが閾値Cthより大きければ、治療効果なしと判断することができる。また、測定値Cnが基準値Cn-1より小さくなっているが、測定値Cnが閾値Cthより大きければ、治療効果はあるががんは根治していないとして、治療継続を要すると判断することができる。さらに、測定値Cnが基準値Cn-1より小さく、且つ、測定値Cnが閾値Cthより小さければ、治療効果により、がんがほぼ消滅したと判断することができる。
このように、測定値Cnと測定値Cn-1との比較によって、がんの治療効果に関するフォローアップを行うことが可能になる。また、測定値Cnと閾値Cthを比較することによって、治療継続の要否に関する判断も併せて行うことが可能となる。
なお、上述の図3に例示される態様によって、非外科的療法が複数回継続して行われる場合を示したが、非外科的療法が一回で終了する場合も、同様に実施することができる。
非外科的療法が一回で終了する態様においては、工程Pn-1と工程Pnとの間においてのみ大腸がんに対する非外科的療法を一回受けた場合を想定する。また、この態様においては、一回の非外科的療法による治療前の時期T n-1に採取された採血試料S n-1における病勢マーカーの測定値C n-1がその病勢マーカーの閾値Cthを上回ることがわかっていることが前提である。一回の非外科的療法の前に外科的療法を行った場合においては、外科的療法後(T n-1)においてなおその病勢マーカーの測定値Cn-1が閾値Cthを上回っている場合が該当する。当業者であれば、上述の非外科的療法が複数回継続して行われる場合を参照して、非外科的療法が一回で終了する場合についても本発明を実施することができる。
[5−4.他の大腸がんマーカーとの組み合わせ]
病勢マーカーを用いた本発明の方法は、他の大腸がん病勢マーカーを相補するために行うことも有用である。他の大腸がん病勢マーカーとしては、例えばがん胎児性抗原(CEA)やCA19−9などが挙げられる。
この場合においては、工程Pnで、他の大腸がん病勢マーカーの採血試料Sn中の濃度を測定し測定値を得て、測定値と、その病勢マーカーの基準値とを比較することがさらに行われる。
この結果、大腸がん患者に由来する採血試料であっても、測定値が基準値を下回る(すなわち大腸がんの疑いなし)と判定される場合がある。しかしながらそのような場合であっても、本発明の病勢マーカーによって陽性と判断される場合がある。このように、他の病勢マーカーで偽陰性であった採血試料において、本発明の病勢マーカーによって正しい判定を行うことが可能になる。
一方、本発明の病勢マーカーによっても陰性と判定された場合には、他の病勢マーカーによる陰性判定結果(すなわち大腸がんの疑いなし)を真であるとサポートすることが可能になる。
このように、本発明の病勢マーカーは、他の大腸がん病勢マーカーを相補することが可能になる。
[5−5.測定方法]
本発明の大腸がんマーカーの測定は、好ましくは、生体特異的親和性に基づく検査によって行われる。生体特異的親和性に基づく検査は当業者に良く知られた方法であり、特に限定されないが、イムノアッセイが好ましい。具体的には、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay:サンドイッチイムノ法、競合法、直接吸着法を全て含む)、免疫沈降法、沈降反応、免疫拡散法、免疫凝集測定、補体結合反応分析、免疫放射定量法、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの、競合及び非競合アッセイ系を含むイムノアッセイが含まれる。イムノアッセイにおいては、採血試料中の大腸がんマーカーに結合する抗体を検出する。
大腸がんマーカーに結合する抗体は使用する当業者が適宜決定するものとする。例えば、ビトロネクチン抗体(モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体)の標識体を用いる。標識体における標識は、蛍光化合物及び/又は酵素タンパク質による標識でありうる。蛍光化合物及び酵素タンパク質は、抗体を用いた測定系において許容されるものが当業者によって適宜選択される。例えば酵素タンパク質としては、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及びβ−ガラクトシダ−ゼからなる群から選ばれうる。
なお、ビトロネクチン抗体の調製及び標識の具体的なプロトコルは、当業者であれば容易に選択することができるものである。
大腸がんマーカー測定においては、測定すべき大腸がんマーカータンパク質と当該大腸がんマーカータンパク質の抗体とが免疫複合体を形成しうる条件のもと、採血試料を抗体に接触させることによって行われる。
イムノアッセイのより具体的なプロトコルは、当業者であれば容易に選択することができるものである。
プロトコルの一例を挙げると、以下のとおりである。基板上又はウェル内壁に、キャプチャー抗体を吸着などにより固相化する。キャプチャー抗体としては、ビトロネクチンタンパク質において、上記標識ビトロネクチン抗体とは異なるエピトープを認識する、ビトロネクチンのポリクローナル(又はモノクローナル)抗体が好ましく用いられる。固相化に用いるキャプチャー抗体溶液の濃度は、当業者が適宜決定することができる。
固相化されたキャプチャー抗体に採血試料を加え、キャプチャー抗体と採血試料中のビトロネクチンとが免疫複合体を形成しうる条件に供する。採血試料は、当業者が必要に応じて適宜希釈した後に、上述の処理を行うことができる。
基板又はウェルを洗浄し、その後、上記標識ビトロネクチン抗体を加え、キャプチャー抗体に結合した採血試料由来のビトロネクチンと標識ビトロネクチン抗体とが免疫複合体を形成しうる条件に供する。加えられる標識ビトロネクチン抗体の濃度は、当業者が適宜決定することができる。
さらに基板又はウェルを洗浄し、ビトロネクチンに結合した標識ビトロネクチン抗体に由来するシグナルを検出する。例えば、抗体が蛍光化合物で標識されている場合は、その標識に由来する蛍光の量を測定することができる。また、抗体が酵素タンパク質で標識されている場合は、酵素タンパク質に対する基質を添加し分解された化合物の化学発色に由来するシグナルを検出することによって測定することができる。
[参考例1:血漿サンプル調製]
実施例において、血漿サンプルが以下のように調製された。1人につき、約15 mLの血液をBDバキュテイナ(Vacutainer)採血管CPTTMに採血した。採血後、直ちに遠心分離(1700×g、4℃、20分)を行い、上清を血漿成分として得た(約5mL)。得られた血漿サンプルは、−80℃にて保存した。
この血漿サンプルは測定時に解凍し、5000〜20000倍に希釈されることによって、ビトロネクチン濃度が測定されるべき採血試料となる。
[実施例1]
大阪大学医学部の倫理規定に沿って患者の同意が得られた採血試料(以下、血漿サンプルと記載する)について、以下の解析を行った。血漿サンプルは、大腸がん患者105名及び健常者100名から採取した血液から参考例1に従って調製した。表1に、この解析で用いた血漿サンプルの臨床情報を示す。実施例においては、既存のマーカー(具体的には、CEA、CA19−9、SCC抗原、CA125、CA15−3及びPSA)の値が全て正常範囲である者を「健常者」として定義した。ビトロネクチン濃度は、Vitronectin EIA Kit (TaKaRa社製)を用いて測定した(測定手順は添付の説明書に従った)。
ELISAによって、健常者とがん患者における血漿サンプル中濃度解析を行い、両者間の血漿サンプル中ビトロネクチン濃度の比較を行った。その結果を図4(A)に示す。図4(A)において、縦軸はビトロネクチンの血漿サンプル中の濃度を表す。箱ひげ図において、箱で示した範囲は全検体のうち25−75%に当たる検体の濃度分布範囲、横線で示した範囲は、全検体のうち10〜90%に相当する検体の濃度分布範囲を示す。箱中の横棒は、各集団(Control(健常者)、CRC(大腸がん患者))における濃度の中央値を示す。
図4(A)が示すように、2群間で統計学的有意差(Mann-Whitney test:p値<0.0001)を得た。これにより、ビトロネクチンの大腸がん臨床マーカーとしての有用性が示された。
[実施例2]
この105症例の大腸がん患者をTMN分類に基づき、3つのグループ(ステージ0、ステージI-II及びステージIII-VI)に分け、各グループでのビトロネクチン濃度について比較検討した。図4(B)にその結果を示す。図4(B)において、縦軸はビトロネクチンの血漿サンプル中の濃度を表す。箱ひげ図において、箱で示した範囲は全検体のうち25-75%に当たる検体の濃度分布範囲、横線で示した範囲は、全検体のうち10〜90%に相当する検体の濃度分布範囲を示す。箱中の横棒は、各集団(Control(健常者)、CRC(大腸がん患者))における濃度の中央値を示す。
図4(B)が示すように、健常者と比較して、ステージI-IIとステージIII-IVとにおいてビトロネクチン濃度はいずれも統計学的有意(non-parametric Kruskall-Wallis with Dunnett’s post test:p値<0.05)に増加していた。
また、ビトロネクチンの血漿サンプル中濃度は、がんのステージが進行するに伴って増加する傾向を示した。この結果から、ビトロネクチンが病勢マーカーとしての特徴を有していることが示された。
[実施例3]
得られたビトロネクチン濃度を基に、大腸がんと健常者との識別におけるROC(receiver operating characteristic)曲線を作成した。図5にビトロネクチンのROC曲線を示す。図5において、縦軸は陽性率を表し、横軸は偽陽性率(100-特異度)を表す。このROC曲線より、Youden’s Indexを用いて閾値を設定した。具体的には、ビトロネクチンの閾値を12.65 mg/mLと設定した。この閾値における大腸がん患者検出の特異度は96%, 検出感度に関しては26%であった。
[実施例4]
実施例3において、血漿ビトロネクチンが臨床腫瘍マーカーとして有用性があることを示した。しかしながら、ビトロネクチンは元々血漿中に高濃度で存在しているため、上記示した発現変動が、元々血漿中に存在するビトロネクチンに直接起因するものではなくがん組織に直接起因するものであることを示すため、本実施例を行った。
血漿サンプル中ビトロネクチン濃度と大腸がんとの関連性をさらに検証するために、術前・術後での血漿サンプル中ビトロネクチン濃度の比較を行った。
術前・術後に採取した血漿サンプルセット(但し根治度C症例については解析から除外した)のうち、術前の濃度値が陽性を示した(すなわち閾値の12.65 mg/mLを上回る濃度値を示した)検体について、術前と術後とにおけるビトロネクチン濃度の比較を行った。図6にその結果を示す。図6中、線で結ばれたプロットは、同一検体における術前及び術後における濃度を示す。また、破線は上記ROC曲線から決定した閾値を示している。図6が示すように、ビトロネクチンは、手術後、有意に(Wilcoxon matched pairs test:p値=0.0013)血漿サンプル中濃度が減少していた。
以上より、ビトロネクチンの経過観察マーカーとしての有用性が示された。
[実施例5]
次に、既存の大腸がんマーカーであるCEA及びCA19-9と、本発明の大腸がんマーカーであるビトロネクチンとについて、血漿サンプル中の濃度の相関性を調べた。図7(A)に示すように、CEA及びCA19-9は発現が統計学的有意に相関していた(Spearman’s rank correlation test: p値<0.0001)。これに対して、図7(B)及び(C)に示すように、ビトロネクチンはCEA及びCA19-9のいずれに対しても相関性を示さなかった。このことから、ビトロネクチンとこれら既存の大腸がんマーカーとは独立して変動していることがわかった。つまり、本発明の大腸がんマーカーであるビトロネクチンは、これら既存の大腸がんマーカーに対する相補マーカーとしての有用性が示された。
[実施例6]
血漿サンプルの測定において、ビトロネクチンを単独のマーカー(Single marker)として用いた場合と、既存の大腸がんマーカーであるCEA及び/又はCA19−9を単独のマーカー(Single marker)又は組み合わされた2種のマーカー(Two markers)として用いた場合と、それらが組み合わされた2種のマーカー(Two markers)又は3種のマーカー(Three markers)として用いた場合とについて、検出率 (Sensitivity)、特異度 (Specificity)、陽性的中率 (Positive Predictive Value)、陰性的中率(Negative Predictive Value)及び検出精度(Accuracy)の比較を行った。その結果を表2に示す。
なお、本実施例で採用したそれぞれの大腸がんマーカーの閾値は、ビトロネクチンが12.65 (μg/mL)、CEAが5 (ng/mL)、CA19-9が37 (U/mL)である。本実施例では、2種類以上のマーカーを組み合わせた場合、全マーカーのうち1種類でも陽性を示した検体は陽性とし、全てのマーカーにおいて陰性を示した検体を陰性として判定した。
また、それぞれの用語の定義は以下のとおりである。
検出率 (Sensitivity):
がん患者のうち、マーカーによりがん患者として判定された検体数の割合。
特異度 (Specificity):
健常者のうち、マーカーにより健常者として判定された検体数の割合。
陽性的中率 (Positive Predictive Value):
マーカーにより陽性として判定された検体のうち、がん患者であった検体数の割合
陰性的中率 (Negative Predictive Value):
マーカーにより陰性として判定された検体のうち、健常者であった検体数の割合
検出精度(Accuracy):
全検体のうち、マーカー値により正確に判定されたがん患者、および健常者の検体総数の割合。
表2が示すように、ビトロネクチンをCEA及び/又はCA19−9と併用した場合、それぞれを単独で使用した場合と比べ、検出感度及び精度において十分な上積み効果があることが判った。最終的には、CEA、CA19-9及びビトロネクチンを組み合わせた場合において、検出感度、および検出精度が最も優れていることが分かった(検出感度55%、検出精度75%)。
[実施例7]
ビトロネクチン(VTN)を単独で大腸がんマーカーとして用いた場合と、既存の大腸がんマーカーであるCEAのみ又はCA19−9のみを単独で大腸がんマーカーとして用いた場合と、それら大腸がんマーカーを組み合わせて用いた場合とについて、がん患者捕捉率(すなわち陽性率(Positive Rate))を病態別に調べた。図8(A)にCEAとビトロネクチンとの比較、図8(B)にCA19−9とビトロネクチンとの比較結果を示す。また、(A)ではCEAとビトロネクチンとを組み合わせた場合、(B)ではCA19−9とビトロネクチンとを組み合わせた場合(どちらかのマーカー値が閾値を越えている場合を陽性とする)の陽性率も併せて図示した。
これらの図が示すように、本発明の大腸がんマーカーであるビトロネクチンを既存の大腸がんマーカーと併用することによって、病勢が進行したstage III-IVグループの検出感度において十分な上積み効果が得られた。また、病勢が比較的初期段階のstage I-IIグループにおいては更に大きな上積み効果が得られた。
以上のことから、ビトロネクチンは既存の大腸がんマーカーであるCEAやCA19-9に対する相補的マーカーとしての有用性を持つことが示された。

Claims (13)

  1. 大腸がんの病勢マーカーとして用いられるビトロネクチン。
  2. 大腸がんの存在診断マーカーとして用いられるビトロネクチン。
  3. 大腸がんの予後予測マーカーとして用いられるビトロネクチン。
  4. 個体由来の採血試料Sn中の、ビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cnを得て、前記測定値Cnと前記ビトロネクチンの基準値Crefとを比較することによって分析を行う工程Pnを含む、採血試料中のビトロネクチン濃度の分析方法。
  5. 前記工程Pn(n≧1)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cn-1を得る工程Pn-1をさらに含み、
    前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記測定値Cn-1及びビトロネクチンの閾値Cthからなる群から選ばれる値である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記工程Pn(n≧2)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C1を得る工程P1と、前記採血試料S1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S0のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C0を得る工程P0とを含み、
    前記個体が、前記工程P0と工程P1との間において大腸がんに対する外科手術による治療を受けたものであり、
    前記工程P0における測定値C0がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程P1における測定値C1が前記閾値Cthを下回り、
    前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cthである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記個体が、さらに、工程P1と工程Pnとの間において大腸がんに対する非外科的療法を受けたものである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記個体が、前記工程Pn-1と前記工程Pnとの間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受けたものであり、
    前記工程P n-1における測定値Cn-1 がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cth及び前記測定値Cn-1である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記工程Pn(n≧2)の前に、前記採血試料Snの採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料Sn-1のビトロネクチンの濃度を測定し測定値Cn-1を得る工程Pn-1と、前記採血試料Sn-1の採血時期より前に採血された同一個体由来の採血試料S0のビトロネクチンの濃度を測定し測定値C0を得る工程P0とを含み、
    前記個体が、前記工程P0と工程Pn-1との間において少なくとも大腸がんに対する非外科的療法を受け、前記工程Pn-1と前記工程Pnとの間においても前記非外科的療法を引き続いて受けたものであり、
    前記工程P0における測定値C0がビトロネクチンの閾値Cthを上回り、前記工程Pnにおいて前記測定値Cnと比較される前記基準値Crefが、前記閾値Cth及び前記測定値C n-1である、請求項5に記載の方法。
  10. 前記ビトロネクチンの基準値Crefがその閾値Cthである、請求項4に記載の方法。
  11. 前記閾値として、特異度が80%以上を示すビトロネクチンの濃度値が選択される、請求項5に記載の方法。
  12. 前記工程Pnにおいて、他の大腸がん病勢マーカーの前記採血試料Sn中の濃度を測定し測定値を得て、前記測定値と、前記他の大腸がん病勢マーカーの基準値とを比較することによって分析を行うことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  13. 前記他の大腸がん病勢マーカーが、がん胎児性抗原、及びCA19−9からなる群から選ばれる、請求項12に記載の方法。
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