JP5040877B2 - 車両用灯火器の支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用灯火器の支持構造に関し、特に、自動二輪車の後部に設けられる方向指示器(リヤウィンカ)の支持構造に関する。
従来の車両用灯火器の支持構造として、車体フレームを構成するシートフレームの後部にリヤウィンカを支持するステーを着脱自在に取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−98881号公報
ところで、上記特許文献1に記載の車両用灯火器の支持構造では、リヤウィンカを支持するステーをシートフレームに直接取り付けるため、シートフレームから突出するボスを設ける等シートフレームに特別な加工が必要であった。また、シートフレームの後端付近に突出するボスがあるので、車体フレームの運搬時等にボスが他の部品と干渉しないように配慮する必要がある。
本発明は、かかる事情を考慮したものであり、その目的は、車体フレーム側に、車両用灯火器を支持する灯火器用ステーを取り付けるための特別な加工を不要とすることができる車両用灯火器の支持構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両に用いられる灯火器を車体フレーム側に支持する車両用灯火器の支持構造において、車両用灯火器が取り付けられる灯火器用ステーを、車体フレームに取り付けられ、開閉式シートの施錠・開錠を行うシートキャッチに取り付けることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、灯火器用ステーは、シートキャッチに一端が取り付けられる棒状部と、棒状部の他端に取り付けられ、車両用灯火器が取り付けられる支持部と、を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、支持部は平板状であり、支持部には、その外周縁部の一部分が折り曲げられることによりリブが形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、車両用灯火器は、車両後部に設けられる左右一対の方向指示器であり、シートキャッチの車幅方向両端部から棒状部が左右一対で下方に延び、左右一対の棒状部の端部に車幅方向に延びる一枚の平板状の支持部が取り付けられ、支持部の車幅方向両端部が折り曲げられ、上下方向に延びるリブが形成され、このリブに方向指示器がそれぞれ取り付けられることを特徴とする。
請求項1に記載の車両用灯火器の支持構造によれば、車両用灯火器が取り付けられる灯火器用ステーを、車体フレームに取り付けられ、開閉式シートの施錠・開錠を行うシートキャッチに取り付けるため、車体フレーム側に、車両用灯火器を支持する灯火器用ステーを取り付けるための特別な加工を不要とすることができる。
請求項2に記載の車両用灯火器の支持構造によれば、灯火器用ステーは、シートキャッチに一端が取り付けられる棒状部と、棒状部の他端に取り付けられ、車両用灯火器が取り付けられる支持部と、を有し、全てを板状部材で作るのではなく一部を棒状部材にするため、灯火器用ステーが必要以上に重たくなるのを防止することができる。
請求項3に記載の車両用灯火器の支持構造によれば、支持部は平板状であり、支持部には、その外周縁部の一部分が折り曲げられることによりリブが形成されるため、支持部の剛性を向上することができる。これにより、支持部の肉厚を薄くすることも可能となり、灯火器用ステーが必要以上に重たくなるのを防止することができる。
請求項4に記載の車両用灯火器の支持構造によれば、車両用灯火器は、車両後部に設けられる左右一対の方向指示器であり、シートキャッチの車幅方向両端部から棒状部が左右一対で下方に延び、左右一対の棒状部の端部に車幅方向に延びる一枚の平板状の支持部が取り付けられ、支持部の車幅方向両端部が折り曲げられ、上下方向に延びるリブが形成され、このリブに方向指示器がそれぞれ取り付けられるため、左右一対の方向指示器が一枚の支持部で支持される。このため、左右一対の方向指示器を支持するステーの支持部をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数を削減することができ、製造コストを低減することができると共に、左右一対の方向指示器を繋ぐように支持したので、左右一対の方向指示器を強固に支持することができる。また、方向指示器を支持部の両端を折り曲げたリブの部分で支持するので、左右一対の方向指示器を強固に支持することができる。
以下、本発明に係る車両用灯火器の支持構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
本実施形態の自動二輪車10は、図1及び図2に示すように、車体フレーム11を、前端に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後方そして後方且つ下方に延びるメインフレーム13と、メインフレーム13の後端部に連結されるピボットプレート14と、メインフレーム13の中間部に連結され後方且つ上方に延びる左右一対のシートフレーム15と、ピボットプレート14に連結され後方且つ上方に延び、その後端部がシートフレーム15の後端部と連結される左右一対のサブフレーム16と、ヘッドパイプ12から後方且つ下方に延びるダウンチューブ17と、シートフレーム15の後端部とサブフレーム16の後端部との間を連結する補強部材18と、シートフレーム15の後端部を車幅方向に連結するクロスメンバ19と、から構成し、メインフレーム13、ピボットプレート14、及びダウンチューブ17に、エンジン50及びエンジン50の後部に一体的に設けられる変速機51が取り付けられる。
また、自動二輪車10は、ヘッドパイプ12に操向自在に支持されるフロントフォーク21と、フロントフォーク21の下端部に回転可能に支持される前輪WFと、フロントフォーク21の上端部に取り付けられる操舵用のハンドル22と、ピボットプレート14に揺動可能に支持されるスイングアーム23と、スイングアーム23の後端部に回転可能に支持される後輪WRと、スイングアーム23と補強部材18とに連結されるクッションユニット24と、ヘッドパイプ12に前部ステー25を介して取り付けられるヘッドライト26及びメータ27と、メインフレーム13の上方に固定される燃料タンク28と、シートフレーム15の上方に設けられる運転者シート29及び同乗者シート30と、を備える。
なお、図1中の符号31はウィンドスクリーン、32はフロントトップカウル、33はフロントカウル、34はサイドカウル、35はリヤカウル、36はフロントウィンカ、37はフロントフェンダ、38はテールライト、39はリヤウィンカ、40はグラブレール、41はライセンスプレート、42はリフレクタ、43は燃料ポンプ、44はメインステップ、45はピリオンステップである。
エンジン50は、単気筒エンジンであって、図1に示すように、その外殻は、主に、クランクケース52と、クランクケース52の前方上端部に取り付けられるシリンダブロック53と、シリンダブロック53の上端部に取り付けられるシリンダヘッド54と、シリンダヘッド54の上部開口を覆うシリンダヘッドカバー55と、クランクケース52の左側面の開口を覆うACG(発電機)カバー56と、クランクケース52の右側面の開口を覆う不図示のクラッチカバーと、によって構成される。
また、図1に示すように、シリンダヘッド54の後部壁に形成される不図示の吸気ポートには、吸気管61を介してスロットルボディ62が接続され、このスロットルボディ62の上流端には、接続管63を介してエアクリーナ64が接続される。また、シリンダヘッド54の前部壁に形成される不図示の排気ポートには、排気管65を介してマフラー66が接続される。
また、図1及び図3に示すように、自動二輪車10の後部には、後輪WRの上方を覆うリヤフェンダ70が設けられている。
そして、図2〜図6に示すように、クロスメンバ19の下面には、下方に延びるようにブラケット19aが一体に形成されており、このブラケット19aには、開閉式の同乗者シート30の施錠・開錠(シートロック)を行うシートキャッチ80がボルト101,101により着脱可能に締結されている。なお、図2に示すように、ブラケット19aの裏面には溶着ナット102が固定されており、ボルト101は、この溶着ナット102に後方から螺着される。
シートキャッチ80は、同乗者シート30の後部下面に取り付けられる略Uの字状のストライカ30a(図4参照)を施錠又は開錠するものであり、ブラケット19aにボルト101,101により締結されるベースプレート81と、ベースプレート81の右側に揺動可能に取り付けられるフック部材82と、ベースプレート81の左側に揺動可能に取り付けられる掛止部材83と、フック部材82と掛止部材83との間に張設される引張ばね84と、を備える。
フック部材82は、ストライカ30aを施錠又は開錠するロック部材である。また、掛止部材83は、フック部材82とストライカ30aとの施錠状態を維持するためにフック部材82を掛止するロック保持部材である。また、引張ばね84は、フック部材82及び掛止部材83を常に施錠状態となるように付勢する弾発部材である。
そして、シートキャッチ80は、フェンダ70の左側面に取り付けられるキーシリンダ85により操作可能であり、このキーシリンダ85の解除操作によって、図3に示すように、キーシリンダ85に設けられるアーム部86が揺動(図3の一点鎖線参照)して、フック部材82及び掛止部材83が開錠状態に操作される。なお、図3中の符号87はキーシリンダ85を操作する鍵である。
そして、本実施形態では、図4〜図6に示すように、シートキャッチ80のベースプレート81に、車両用灯火器である左右一対のリヤウィンカ39を取り付けるための灯火器用ステー90が取り付けられる。
灯火器用ステー90は、シートキャッチ80のベースプレート81の車幅方向両端部に一端が溶着され、下方に延びる左右一対の棒状部91と、左右一対の棒状部91の他端にそれぞれ溶着される接続ブラケット92と、接続ブラケット92,92にボルト103,103により締結され、その車幅方向両端部にリヤウィンカ39がそれぞれ取り付けられる一枚の平板状部(支持部)93と、を備える。なお、接続ブラケット92の上面には溶着ナット104が固定されており、ボルト103は、この溶着ナット104に下方から螺着される。
また、平板状部93には、その外周縁部のうちの車幅方向両端縁部及び前方縁部が上方に向けて折り曲げられることにより、リブ94,94,95,95が形成されており、この平板状部93の車幅方向両端縁部のリブ94,94にリヤウィンカ39がそれぞれナット105により締結される。なお、図5中の符号93aは、平板状部93を軽量化するための開口部である。
また、本実施形態では、図3及び図4に示すように、リヤフェンダ70は、その中間部がボルト106により補強部材18の外側面に締結され、また、その後方上部がブラケット19aとシートキャッチ80との間にボルト101,101により共締めされ、また、その後方下部が灯火器用ステー90の接続ブラケット92と平板状部93との間にボルト103,103により共締めされる。これにより、リヤフェンダ70は、灯火器用ステー90(特に、棒状部91)に吊り下げられるようにして、車体フレーム11側に取り付けられる。換言すると、リヤフェンダ70は、灯火器用ステー90を介して車体フレーム11側に取り付けられる。
以上説明したように、本実施形態の車両用灯火器の支持構造によれば、リヤウィンカ39,39が取り付けられる灯火器用ステー90を、車体フレーム11に取り付けられ、開閉式の同乗者シート30の施錠・開錠を行うシートキャッチ80に取り付けるため、車体フレーム11側に、特にシートフレーム15にリヤウィンカ39,39を支持する灯火器用ステー90を取り付けるための特別な加工を不要とすることができる。
また、本実施形態の車両用灯火器の支持構造によれば、灯火器用ステー90は、シートキャッチ80に一端が取り付けられる棒状部91と、棒状部91の他端に取り付けられ、リヤウィンカ39,39が取り付けられる平板状部93と、を有し、全てを板状部材で作るのではなく一部を棒状部材にするため、灯火器用ステー90が必要以上に重たくなるのを防止することができる。
また、本実施形態の車両用灯火器の支持構造によれば、平板状部93には、その外周縁部のうちの車幅方向両端縁部及び前方縁部が上方に向けて折り曲げられることにより、リブ94,94,95,95が形成されるため、平板状部93の剛性を向上することができる。これにより、平板状部93の肉厚を薄くすることも可能となり、灯火器用ステー90が必要以上に重たくなるのを防止することができる。
また、本実施形態の車両用灯火器の支持構造によれば、シートキャッチ80のベースプレート81の車幅方向両端部から棒状部91が左右一対で下方に延び、左右一対の棒状部91の端部に車幅方向に延びる一枚の平板状部93が取り付けられ、平板状部93の車幅方向両端部が折り曲げられ、上下方向に延びるリブ94,94が形成され、このリブ94,94にリヤウィンカ39がそれぞれ取り付けられるため、左右一対のリヤウィンカ39が一枚の平板状部93で支持される。このため、左右一対のリヤウィンカ39を支持するステーの平板状部をそれぞれ設ける場合と比較して、部品点数を削減することができ、製造コストを低減することができると共に、左右一対のリヤウィンカ39を繋ぐように支持したので、左右一対のリヤウィンカ39を強固に支持することができる。また、リヤウィンカ39を平板状部93の両端を折り曲げたリブ94,94で支持するので、左右一対のリヤウィンカ39を強固に支持することができる。
本発明に係る車両用灯火器の支持構造が搭載された自動二輪車を説明するための左側面図である。 図1に示す車体フレームのクロスメンバの周辺を説明するための図であり、(a)はクロスメンバ周辺の拡大側面図、(b)はクロスメンバ周辺の拡大平面図である。 図1に示すリヤフェンダの周辺の拡大側面図である。 図3に示すシートキャッチの周辺を後方且つ左方から見た斜視図である。 図4に示すシートキャッチ、灯火器用ステー、及びリヤウィンカを後方からみた背面図である。 図4に示すシートキャッチ、灯火器用ステー、及びリヤウィンカを後方且つ右方から見た斜視図である。
符号の説明
10 自動二輪車
11 車体フレーム
12 ヘッドパイプ
13 メインフレーム
14 ピボットプレート
15 シートフレーム
16 サブフレーム
17 ダウンチューブ
18 補強部材
19 クロスメンバ
19a ブラケット
29 運転者シート
30 同乗者シート(開閉式シート)
30a ストライカ
38 テールライト
39 リヤウィンカ(車両用灯火器、方向指示器)
70 リヤフェンダ
80 シートキャッチ
81 ベースプレート
82 フック部材
83 掛止部材
84 引張ばね
85 キーシリンダ
86 アーム部
87 鍵
90 灯火器用ステー
91 棒状部
92 接続ブラケット
93 平板状部(支持部)
94 リブ
95 リブ

Claims (4)

  1. 車両に用いられる灯火器を車体フレーム側に支持する車両用灯火器の支持構造において、
    前記車両用灯火器が取り付けられる灯火器用ステーを、前記車体フレームに取り付けられ、開閉式シートの施錠・開錠を行うシートキャッチに取り付けることを特徴とする車両用灯火器の支持構造。
  2. 前記灯火器用ステーは、
    前記シートキャッチに一端が取り付けられる棒状部と、
    前記棒状部の他端に取り付けられ、前記車両用灯火器が取り付けられる支持部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯火器の支持構造。
  3. 前記支持部は、平板状であり、
    前記支持部には、その外周縁部の一部分が折り曲げられることによりリブが形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用灯火器の支持構造。
  4. 前記車両用灯火器は、車両後部に設けられる左右一対の方向指示器であり、
    前記シートキャッチの車幅方向両端部から前記棒状部が左右一対で下方に延び、
    左右一対の前記棒状部の端部に車幅方向に延びる一枚の平板状の前記支持部が取り付けられ、
    前記支持部の車幅方向両端部が折り曲げられ、上下方向に延びるリブが形成され、このリブに前記方向指示器がそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯火器の支持構造。
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