JP5040214B2 - 三連式ギアポンプ - Google Patents
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Description
このようなギアポンプによれば、ギアとケーシングの内壁面とによって形成される閉空間内に燃料を閉じ込めることによって昇圧することができる。
滑り接触においては、油膜温度や摩擦特性等が問題となりやすい。ジャーナル軸受においては、軸受長が長いほどこれらの問題が顕著となり、更に軸受損失が大きくなってしまうという問題がある。
駆動ギアと、駆動ギアを挟んで対向配置される2つの従動ギアと、前記駆動ギアの駆動軸を支持する第一軸受と、前記2つの従動ギアの回転軸を支持する第二,第三軸受と、を備える三連式ギアポンプにおいて、前記第一軸受の軸受長を、前記第二,第三軸受の軸受長よりも短く形成したことを特徴とする。
駆動ギアの駆動軸を支持する第一軸受の軸受長を、2つの従動ギアの回転軸を支持する第二,第三軸受の軸受長よりも短く形成したので、第一軸受の軸受損失を容易かつ確実に低減することができる。
また、第一軸受を駆動ギアの側面に密着配置させる位置決め部材を備えることで、第一軸受の軸受長を短く形成したとしても、確実に駆動ギアの側面に密着配置することができる。
また、第一軸受が位置決め部材と一体に形成されることで、部品点数の増加、組立性の悪化、コスト上昇等を回避・抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る燃料ポンプ2を有する燃料供給システムSの系統図である。
燃料ポンプ2を備える燃料供給システムSは、燃料ポンプ2の他に、燃料タンク1及び燃料計量機構3を備えており、ジェットエンジン4に接続されている。また、ジェットエンジン4は、エンジン燃焼器5及びファン6を備えており、このジェットエンジン4と燃料供給システムSとの間には、燃料冷却オイルクーラ7が配置されている。
なお、図示するように、燃料計量機構3は、ジェットエンジン4に供給しない余剰分の燃料を余剰ラインを介して再び燃料ポンプ2に供給する。
ジェットエンジン4は、上述のようにエンジン燃焼器5及びファン6を備えており、燃料冷却オイルクーラ7を介して供給される燃料をエンジン燃焼器5において燃焼させ、この燃焼によって得られるエネルギを用いてファン6を駆動することによって回転動力を得るものである。
図2は、本実施形態に係る三連式の燃料ポンプ2(三連式ギアポンプ)の概略構成図である。図3は、図2におけるI−I断面を示した図である。図4は、図3の一部を拡大した図である。
燃料ポンプ2は、上述のように三連式ギアポンプであり、ジェットエンジン4(図1参照)等の駆動系から伝達された回転運動によって駆動力を得る駆動ギア20と、当該駆動ギア20を挟んで互いに対向する位置に配置される2つの従動ギア(第一従動ギア21,第二従動ギア22)とを備えている。
なお、第一吸込ライン28と第二吸込ライン29とは、後述する燃料計量機構3から吐出された余剰分の燃料が流通する余剰ライン(図2においては不図示)が接続されている。
各軸受36,37,38の各々は、各ギア(駆動ギア20、第一従動ギア21、第二従動ギア22)の一方の側面側に密着配置される軸受部36a,37a,38aと、各ギアの他方の側面側に密着設置される軸受部36b,37b,38bとを備えている。
これに対して、第一軸受36を構成する軸受部36a,36bは、軸受部37a,38a,37b,38bに比べて、軸方向の長さが短く形成されている(軸受長L1)。すなわち、第二軸受37及び第三軸受38の軸受長(第一従動ギア21及び第二従動ギア22の回転軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L0)に比べて、第一軸受36の軸受長(駆動ギア20の駆動軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L1)が短くなっている。
このため、原動軸受、第一軸受及び第二軸受の軸受長がそれぞれ同一である従来例の場合に比べて、第一軸受36の軸受損失が低減される。
このため、駆動ギア20の駆動軸には、軸受部36a,36bを駆動ギア20の両側面に密着させるためのカラー40a,40bが設けられる。カラー40a,40bは、軸受部36a,36bと同様に、駆動ギア20の駆動軸に嵌め合う円筒形の部材である。カラー40a,40bの軸方向の長さは、軸受部36a,36bの軸方向の長さと足し合わせると、軸受部36b,37b,38bの軸方向の長さと同一となるように形成されている。
これにより、軸受部37a,38a,37b,38bと同様に、カラー40a,40bの軸方向の側面がそれぞれケーシング23(23a,23b)に当接し、軸受部36a,36bが駆動ギア20の両側面に密着して位置決めされるようになっている。
このため、駆動ギア20を回転駆動した際に、駆動ギア20が第一従動ギア21及び第二従動ギア22から受ける反力F1,F2(図2参照)は、同じ強さである。また、その方向は、駆動ギア20の駆動軸に対して点対称となる。
また、駆動ギア20に噛み合う第一従動ギア21と第二従動ギア2の周りの流体圧力R1,R2(図2参照)も、反力F1,F2と同様に、駆動軸に対して点対称となる。
したがって、反力F1,F2は打ち消し合い、また、油圧により生じる荷重R1,R2も打ち消し合う。これにより、駆動ギア20の駆動軸を支持する第一軸受36にかかる荷重は、第二軸受37及び第三軸受38に比べて小さくなる。そのため、第一軸受36(軸受部36a,36b)の軸受長を第二軸受37及び第三軸受38(軸受部37a,38a,37b,38b)に比べて短くすることが可能となっている。
まず、燃料タンク1に貯留された燃料が燃料ポンプ2に供給される。この際、燃料は、第一吸込ライン28及び第二吸込ライン29を介して燃料ポンプ2の第一吸込口24及び第二吸込口25に供給される。第一吸込口24に供給された燃料は、駆動ギア20の回転に伴って回転する第一従動ギア21の回転によって、第一従動ギア21とケーシング23の内壁面とによって形成される閉空間に閉じ込められて昇圧された後、第一吐出口26を介して燃料ポンプ2から吐出される。
また、第二吸込口25に供給された燃料は、駆動ギア20の回転に伴って回転する第二従動ギア22の回転によって、第二従動ギア22とケーシング23の内壁面とによって形成される閉空間に閉じ込められて昇圧された後、第二吐出口27を介して燃料ポンプ2から吐出される。
この際、燃料ポンプ2においては、第一軸受36の軸受損失が低減されているので、従来に比べて効率的な燃料供給を実現することができる。
そして、燃料は、エンジン燃焼器5において燃焼され、この燃焼によるエネルギによってファン6が駆動され、回転動力となる。
上述した実施形態では、軸受部36a,36bとは別に、カラー40a,40bを用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、図5に示すように、軸受部36a,36bに、カラー40a,40bと同様な部材が一体的に形成される場合であってもよい。
この場合であっても、第二軸受37及び第三軸受38の軸受長(第一従動ギア21及び第二従動ギア22の回転軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L0)に比べて、第一軸受36の軸受長(駆動ギア20の駆動軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L1)が短くなっている。このため、軸受部36a,36bとは別に、カラー40a,40bを用いる場合と同様の効果が得られる。
上述した実施形態では、第一軸受36、第二軸受37及び第三軸受38を別々に形成する場合について説明したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、第一軸受36、第二軸受37及び第三軸受38を一体的に形成してもよい。具体的には、軸受部36a,37a,38a、軸受部36b,37b,38bをそれぞれ一体化して、ジャーナル軸受を構成するようにしてもよい。
この場合であっても、第二軸受37及び第三軸受38に相当する部位の軸受長(第一従動ギア21及び第二従動ギア22の回転軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L0)に比べて、第一軸受36に相当する部位の軸受長(駆動ギア20の駆動軸と滑り接触する部位の軸方向の長さ:L1)が短くなっている。このため、図4,図5の場合と同様の効果が得られる。
1…燃料タンク
2…燃料ポンプ(三連式ギアポンプ)
20…駆動ギア
21…第一従動ギア
22…第二従動ギア
36…第一軸受
37…第二軸受
38…第三軸受
36a,36b,37a,37b,38a,38b…軸受部
40a,40b…カラー(位置決め部材)
L0,L1…軸受長
Claims (3)
- 駆動ギアと、前記駆動ギアを挟んで対向配置される2つの従動ギアと、前記駆動ギアの駆動軸を支持する第一軸受と、前記2つの従動ギアの回転軸を支持する第二,第三軸受と、を備える三連式ギアポンプにおいて、
前記第一軸受の軸受長を、前記第二,第三軸受の軸受長よりも短く形成し、
前記第一軸受を、前記第二,第三軸受とは別々に形成するとともに、前記駆動ギアの側面に摺動可能、かつ液密に当接配置し、
前記第一軸受を前記駆動ギアの側面に摺動可能、かつ液密に当接配置させる位置決め部材を備えることを特徴とする三連式ギアポンプ。 - 前記第一軸受は、前記駆動ギアを挟んで対向配置される一対の軸受部からなり、少なくとも一方の軸受長を短く形成したことを特徴とする請求項1に記載の三連式ギアポンプ。
- 前記第一軸受は、前記位置決め部材と一体に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の三連式ギアポンプ。
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